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明細書 :マイクロ波加熱用試料分解反応容器

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4158988号 (P4158988)
登録日 平成20年7月25日(2008.7.25)
発行日 平成20年10月1日(2008.10.1)
発明の名称または考案の名称 マイクロ波加熱用試料分解反応容器
国際特許分類 G01N   1/28        (2006.01)
H05B   6/64        (2006.01)
FI G01N 1/28 X
G01N 1/28 K
H05B 6/64 J
請求項の数または発明の数 5
全頁数 16
出願番号 特願2005-515870 (P2005-515870)
出願日 平成16年6月7日(2004.6.7)
国際出願番号 PCT/JP2004/007926
国際公開番号 WO2005/054813
国際公開日 平成17年6月16日(2005.6.16)
優先権出願番号 2003407785
優先日 平成15年12月5日(2003.12.5)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成19年4月12日(2007.4.12)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】899000057
【氏名又は名称】学校法人日本大学
発明者または考案者 【氏名】森田 孝節
【氏名】中嶋 賢一
【氏名】讃岐 敦
個別代理人の代理人 【識別番号】100090044、【弁理士】、【氏名又は名称】大滝 均
審査官 【審査官】▲高▼見 重雄
参考文献・文献 特開平10-325785(JP,A)
実開平02-107057(JP,U)
調査した分野 G01N 1/28
H05B 6/64
特許請求の範囲 【請求項1】
ステンレス、アルミナ焼結体またはポリイミド樹脂のうちの少なくとも一つまたは複数の組み合わせからなる材質で複数のスリットが穿設された外筒と該外筒の上部に着脱可能に螺合される外蓋とからなる外容器と、
ガラス、石英ガラス、フッ化エチレンプロピレン樹脂またはパーフロロアルコキシ樹脂のうちの一つまたは複数の組み合わせからなる材質で有底の半透明の内筒からなる内容器またはガラス、石英ガラス、フッ化エチレンプロピレン樹脂またはパーフロロアルコキシ樹脂のうちの一つまたは複数の組み合わせからなる材質で有底の半透明の内筒と該内筒の上部に着座するフッ化エチレンプロピレン樹脂、四フッ化エチレン樹脂またはパーフロロアルコキシ樹脂の一つまたは複数の組み合わせからなる材質の内蓋とからなる内容器と、前記内容器の内部と前記外容器の外部が連通可能となるガス排出手段と、から構成され、
前記内筒の外周面は前記外筒の内周面と密着状態で前記外容器に収納され、
前記内筒と前記外蓋が押圧手段により押圧されて、または前記内筒と前記内蓋が押圧手段により押圧されて、前記内容器の内部が密閉状態を保持することを特徴とするマイクロ波加熱用試料分解反応容器。
【請求項2】
前記押圧手段は、前記外蓋が前記外筒に螺入されることにより押圧される構成とし、
前記ガス排出手段は、前記外蓋の中央部に穿設された上下方向に貫通する第1の流通路と、上下方向に貫通する第2の流通路を有し前記外蓋に螺入される流通路開閉ボルトと、から構成され、前記流通路開閉ボルトの下端を前記外蓋面に密接させることによりガス流通路が遮断され、前記流通路開閉ボルトの下端を前記外蓋面から離間させることによりガス流通路が形成されるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載のマイクロ波加熱用試料分解反応容器。
【請求項3】
前記押圧手段は、前記外蓋の中央部に螺入される加圧ボルトにより押圧される構成とし、
前記ガス排出手段は、前記内蓋の中央部に穿設された上下方向に貫通する第1の流通路と、上下方向に貫通する第2の流通路を有し前記外蓋を貫通して前記内蓋に螺入される流通路開閉ボルトと、から構成され、前記流通路開閉ボルトの下端を前記内蓋面に密接させることによりガス流通路が遮断され、前記流通路開閉ボルトの下端を前記内蓋面から離間させることによりガス流通路が形成されるように構成されたことを特徴とする請求項1または請求項に記載のマイクロ波加熱用試料分解反応容器。
【請求項4】
前記外筒の上部内側には環状の段部が形成され、
前記段部に前記内筒の上部に形成された鍔部が嵌合されて前記外容器に前記内容器が固定されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のマイクロ波加熱用試料分解反応容器。
【請求項5】
前記外筒は内側に環状の段部が形成された上部外筒と複数のスリットが穿設された下部外筒ならなり、
前記上部外筒と前記下部外筒は互いに着脱可能に螺合されることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のマイクロ波加熱用試料分解反応容器。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本願発明は定性分析、定量分析などの化学分析の対象となる試料を予め溶剤または酸などの試薬によって溶解または反応させるためのマイクロ波加熱用試料分解反応容器に関する。
【背景技術】
【0002】
試料中の成分を定量、定性するための前処理として、試料と溶剤または酸などの試薬(以下「溶剤など」という。)を分解反応容器に入れて高温高圧下で反応を促進させて、試料を分解または反応させる必要がある。
分解反応容器としては、実公平4-16924号公報に開示された分解反応容器が知られている。図8は実公平4-16924号公報に開示された分解反応器の分解斜視図であるが、図8に示すように、この分解反応容器100は、ステンレス製の外容器110と、合成樹脂製の内容器120と、ステンレス製の押圧部材130と、ステンレス製のボルトで構成された加圧部材140とからなるものである。
しかしながら、近年、反応時間をさらに短くするために多用されるマイクロ波照射による高温高圧状態を作り出すことが望まれているが、上記分解反応容器100はステンレスで覆われているため、マイクロ波はこの分解反応容器100のステンレス表面での反射とステンレス内部での吸収とにより減衰されてしまい、高温高圧状態を作り出すことができず、内容器120内の試料、溶剤などを加熱することはできない。
【0003】
一方、マイクロ波分解法に対応した分解反応容器としては、図9に記載のものが知られている。図9において、分解反応容器200は、上部に開口をもつ有底の筒210と、該筒の上部に着脱可能な外蓋220とで構成され、外蓋220の上部には圧力調整弁230が取設されている。そして、分解反応容器200内の圧力が所定の値を超えると圧力調整弁230が働いて分解反応容器200内の気体を図示外の収集容器に逃すことによって容器の変形や爆発を防止している。
【0004】
また、図10に示す実公平6-19077号公報に開示の反応容器もマイクロ波分解法に対応している。図10は実公平6-19077号公報に開示されたものの分解斜視図であるが、図10に示すように、反応容器300は、上部に開口をもつ有底の外筒310と、該外筒の上部に着脱可能な外蓋320とで構成され比誘電率の低い材料で作られた外容器310と、上部に着座面321をもち、内部に試料を収容する有底内筒322と、該着座面に着座し該有底内筒の内部を密閉状態に保持する合せ面をもつ内蓋323とで構成され、該外容器310に収容押圧されて密閉状態を保つ合成樹脂製の内容器320とからなるものである。
【0005】
当該反応容器300は外容器310が比誘電率の低い材料で作られたおり、内容器320も合成樹脂製であるため、マイクロ波は、減衰されることなく、内容器320内の試料および溶剤などを加熱することができる。

【特許文献1】実公平4-16924
【特許文献2】実公平6-19077
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、分解反応容器200にあっては、耐圧性を必要とするために容器の壁は所定の厚さを有することから不透明にならざるを得ず、さらに、圧力調整弁230が働くと反応容器内の気体を収集容器に逃すような特殊な構造となった専用のマイクロ波発生装置が必要であり、他のマイクロ波発生装置に使用することはできず、分解反応容器としての汎用性が無い。また、反応容器300にあっては、反応容器300は二重構造となっており、外容器310および内容器320を通して内容器320内の試料を目視することはできない。そのため、試料の反応過程が外から見えないため、分解終了の判定は開封するまで分からないということになる。
【0007】
そこで、本願発明は、加熱容器、加熱反応容器に使用可能であってマイクロ波分解法にも対応し、反応過程中の試料が外から目視することができ、変形することなく、たとえば家庭で使用される電子レンジのようなマイクロ波発生装置にも使用できる分解反応容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器は、ステンレス、アルミナ焼結体またはポリイミド樹脂のうちの少なくとも一つまたは複数の組み合わせからなる材質で複数のスリットが穿設された外筒と該外筒の上部に着脱可能に螺合される外蓋とからなる外容器と、ガラス、石英ガラス、フッ化エチレンプロピレン樹脂またはパーフロロアルコキシ樹脂のうちの一つまたは複数の組み合わせからなる材質で有底の半透明の内筒からなる内容器またはガラス、石英ガラス、フッ化エチレンプロピレン樹脂またはパーフロロアルコキシ樹脂のうちの一つまたは複数の組み合わせからなる材質で有底の半透明の内筒と該内筒の上部に着座するフッ化エチレンプロピレン樹脂、四フッ化エチレン樹脂またはパーフロロアルコキシ樹脂の一つまたは複数の組み合わせからなる材質の内蓋とからなる内容器と、前記内容器の内部と前記外容器の外部が連通可能となるガス排出手段と、から構成され、前記内筒の外周面は前記外筒の内周面と密着状態で前記外容器に収納され、前記内筒と前記外蓋が押圧手段により押圧されて、または前記内筒と前記内蓋が押圧手段により押圧されて、前記内容器の内部が密閉状態を保持することを特徴としている。
また、請求項に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器は、請求項1に記載のマイクロ波加熱用試料分解反応容器であって、前記押圧手段は、前記外蓋が前記外筒に螺入されることにより押圧される構成とし、前記ガス排出手段は、前記外蓋の中央部に穿設された上下方向に貫通する第1の流通路と、上下方向に貫通する第2の流通路を有し前記外蓋に螺入される流通路開閉ボルトと、から構成され、前記流通路開閉ボルトの下端を前記外蓋面に密接させることによりガス流通路が遮断され、前記流通路開閉ボルトの下端を前記外蓋面から離間させることによりガス流通路が形成されるように構成されたことを特徴としている。
また、請求項に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器は、請求項1または請求項に記載のマイクロ波加熱用試料分解反応容器であって、前記押圧手段は、前記外蓋の中央部に螺入される加圧ボルトにより押圧される構成とし、前記ガス排出手段は、前記内蓋の中央部に穿設された上下方向に貫通する第1の流通路と、上下方向に貫通する第2の流通路を有し前記外蓋を貫通して前記内蓋に螺入される流通路開閉ボルトと、から構成され、前記流通路開閉ボルトの下端を前記内蓋面に密接させることによりガス流通路が遮断され、前記流通路開閉ボルトの下端を前記内蓋面から離間させることによりガス流通路が形成されるように構成されたことを特徴としている。
そして、請求項に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のマイクロ波加熱用試料分解反応容器であって、前記外筒の上部内側には環状の段部が形成され、前記段部に前記内筒の上部に形成された鍔部が嵌合されて前記外容器に前記内容器が固定されることを特徴としている。
さらに、請求項に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のマイクロ波加熱用試料分解反応容器であって、前記外筒は内側に環状の段部が形成された上部外筒と複数のスリットが穿設された下部外筒ならなり、前記上部外筒と前記下部外筒は互いに着脱可能に螺合されることを特徴としている。
【0009】
さらに、請求項4に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器は、請求項1ないし請求項3に記載のマイクロ波加熱用試料分解反応容器であって、前記押圧手段は、前記外蓋が前記外筒に螺入されることにより押圧される構成とし、前記ガス排出手段は、前記外蓋の中央部に穿設された上下方向に貫通する第1の流通路と、上下方向に貫通する第2の流通路を有し前記外蓋に螺入される流通路開閉ボルトと、から構成され、前記流通路開閉ボルトの下端を前記外蓋面に密接させることによりガス流通路が遮断され、前記流通路開閉ボルトの下端を前記外蓋面から離間させることによりガス流通路が形成されるように構成されたことを特徴としている。
また、請求項5に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器は、請求項1ないし請求項3に記載のマイクロ波加熱用試料分解反応容器であって、前記押圧手段は、前記外蓋の中央部に螺入される加圧ボルトにより押圧される構成とし、前記ガス排出手段は、前記内蓋の中央部に穿設された上下方向に貫通する第1の流通路と、上下方向に貫通する第2の流通路を有し前記外蓋を貫通して前記内蓋に螺入される流通路開閉ボルトと、から構成され、前記流通路開閉ボルトの下端を前記内蓋面に密接させることによりガス流通路が遮断され、前記流通路開閉ボルトの下端を前記内蓋面から離間させることによりガス流通路が形成されるように構成されたことを特徴としている。
そして、請求項6に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器は、請求項1ないし請求項5に記載のマイクロ波加熱用試料分解反応容器であって、前記外筒の上部内側には環状の段部が形成され、前記段部に前記内筒の上部に形成された鍔部が嵌合されて前記外容器に前記内容器が固定されることを特徴としている。
さらに、本願請求項7に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器は、請求項1ないし請求項6に記載のマイクロ波加熱用試料分解反応容器であって、前記外筒は内側に環状の段部が形成された上部外筒と複数のスリットが穿設された下部外筒ならなり、前記上部外筒と前記下部外筒は互いに着脱可能に螺合されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本願請求項1に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器は、複数のスリットが穿設された外容器と内筒が半透明の内容器とから構成されているため、スリットを通してマイクロ波が減衰されることなく半透明の内容器に達し、内容器内にある試料および溶剤などを加熱することができる。そして、スリットを通して内容器内の反応過程中の試料を外から目視できる。
また、内容器の内筒の外側が外容器の外筒の内側に密着状態で収納されているため、加熱分解中の内圧上昇により内容器の内筒に引張応力が作用しても、その引張応力は外容器が負担するため、内容器が変形することはない。
【0011】
また、請求項2に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器は、外容器を構成する外筒をステンレス、アルミナ焼結体またはポリイミド樹脂のうちの一つまたは複数の組み合わせからなる材質とし、外蓋をステンレス、またはアルミナ焼結体の一つまたはこれらの組み合わせからなる材質とし、内容器を構成する内筒をガラス、石英ガラス、フッ化エチレンプロピレン樹脂またはパーフロロアルコキシ樹脂のうちの一つまたはこれらの組み合わせからなる材質とし、内蓋をフッ化エチレンプロピレン樹脂、四フッ化エチレン樹脂またはパーフロロアルコキシ樹脂からなる材質としている。外容器が金属製の場合は、耐食性の高い金属が好ましく、ステンレス鋼、ハステロイ合金またはアルミナ焼結体が適するが、加工容易性の面からステンレス鋼またはアルミナ焼結体がより好ましい。そして、外容器をポリイミド樹脂製とした場合には、金属製とした場合に比べて外容器の軽量化を図ることができる。
さらに、内容器の内筒は耐薬品性、耐熱性及び透明性を備える必要があるためガラス製、石英ガラス製またはパーフロロアルコキシ樹脂製であることが好ましい。
【0012】
そして、請求項3に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器は、内容器が押圧された状態で、内容器の内部と前記外容器の外部が連通可能となるガス排出手段を備えているため、マイクロ波加熱用試料分解反応容器を加熱させた後に、試料の反応により内容器内に発生したガスを予め排出して高圧となっている内容器内の気圧を下げることにより、反応後の試料の噴出を防ぐことができる。
【0013】
さらに、請求項4または請求項5に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器は、ガス排出手段を構成するガス排出通路が、上部が開放されて内容器内に貫通する状態で設けられているため、上部が開放された開放部に一端がガス分析器に接続されたホースを接続することにより、マイクロ波加熱用試料分解反応容器を加熱させた後のガスの成分分析を行うことができるばかりでなく、発生ガスが有毒である場合には、捕集器を前記の開放部に接続して、有毒ガスの外部への拡散を防止することができる。
また、内容器内に試料を入れてマイクロ波加熱用試料分解反応容器をセットした後であっても、流通路開閉ボルトを取外せば、外蓋または内蓋の中央部に穿設された上下方向に貫通する第1の流通路から注射器のような注入器により溶剤等の追加注入、いわゆる注加が可能となる。
【0014】
そして、請求項6に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器は、外筒の上部内側に形成された段部に内筒の上部外側に形成された鍔部が嵌合されて固定されるため、外容器に対する内容器の着脱がきわめて容易にできる。
さらに、請求項6に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器は、外筒を上部外筒と下部外筒の別体としたため、内容器の内筒の径を変えずに高さのみを変えることにより内容量を異ならしめている種々の内容器に対して、外容器を構成する外蓋および上部外筒の形状を変えることなく下部外筒の高さのみを変えることにより対応できることになる。さらに、外筒を上部外筒と下部外筒の別体とし、着脱自在に螺合させているため、マイクロ波発生装置から取り出し、上下外筒が手で触れるぐらいまでに冷却した後に、下部外筒のみを取外すことができ、内容器の内容物の確認を完全に冷却する前に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、実施例1に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器の分解斜視図である。
【図2】図2は、マイクロ波発生装置とマイクロ波発生装置に収納された実施例1に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器を示す図である。
【図3】図3は、マイクロ波が照射されている実施例1に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器を示す図である。
【図4】図4は、実施例2に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器の分解斜視図である。
【図5】図5は、実施例2に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器の組み立て断面図である。
【図6】図6は、実施例2に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器の内容器内の発生ガスを捕集する断面説明図である。
【図7】図7は、実施例3に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器の組み立て断面図である。
【図8】図8は、実公平4-16924号公報に開示された分解反応器の分解斜視図である。
【図9】図9は、マイクロ波発生装置とマイクロ波発生装置に収納された従来例のパーフロロアルコキシ樹脂製分解反応容器を示す図である。
【図10】図10は、実公平6-19077号公報に開示されたものの分解斜視図である。
【符号の説明】
【0016】
10 実施例1に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器
12 実施例2に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器
14 実施例3に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器
20 実施例1および実施例2に係る外容器
20c 実施例3に係る外容器
21a 実施例1に係る外蓋
21b 実施例2に係る外蓋
21c 実施例3に係る外蓋
23a 実施例1に係る外筒
23b 実施例2に係る外筒
23c 実施例3に係る外筒
24 上部外筒
25 下部外筒
28 底部外筒
30 内容器
31a 実施例1に係る内蓋
31b 実施例2に係る内蓋
33 内筒
37 円錐状の突起体
38 パッキング体
41a 実施例1に係る加圧ボルト
41b 実施例2に係る加圧ボルト
42a 実施例1に係る押圧板
42b 実施例2に係る押圧板
43 緩衝リング
72 流通路開閉ボルト
75 実施例2に係る第1の流通路
76 実施例3に係る第1の流通路
77 第2の流通路
78 流通路空間
【実施例1】
【0018】
本願発明を実施するための最良の形態に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器の実施例1について、図1ないし図3に基づいて詳細に説明する。図1は実施例1に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器の分解斜視図であり、図2はマイクロ波発生装置とマイクロ波発生装置に収納された実施例1に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器、図3はマイクロ波が照射されている実施例1に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器を示す図である。
【0019】
まず、実施例1に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器の構成について、図1に基づいて説明する。図1に示す符号のうち、符号10は実施例1に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器、符号20は外容器、符号21aは外容器20の外蓋、符号22は外蓋21aの中心部に穿設された挿通孔、符号23aは外容器20の外筒、符号24は外筒23aを構成する上部外筒、符号25は外筒23aを構成する下部外筒である。そして、符号30は内容器、符号31aは内容器30の内蓋、符号33は有底の内筒である。また、符号41aは加圧ボルト、符号42aは押圧板であり、符号43は緩衝リングである。
本実施例においては、外容器20をステンレス製またはアルミナ焼結体としている。外容器20を構成する下部外筒25には複数のスリットが穿設されるが、本実施例では、縦長スリット27aと3段の横長スリット27bを交互に配設している。そして、下部外筒25の上部内周面には雌螺子が螺刻され、上部外筒24の下部外周面に螺刻された雄螺子と着脱自在に螺合する。
【0020】
上部外筒24の内径は下部外筒25の内径と同一に形成されるが、上部外筒24の上部は下部外筒25の内径よりも大きく形成され、この内径差により環状段部26が形成される。そして、上部外筒24の上部外周面には雄螺子が螺刻され、外蓋21aの下部内周面に螺刻された雌螺子に着脱自在に螺合する。
【0021】
内容器30は、耐薬品性、耐熱性を備えたパーフロロアルコキシ樹脂製の有底の内筒33と内蓋31aで構成されている。内筒33の上部には着座面34が形成され、内蓋31aの下部には前記着座面34に着座する合せ面32が形成されている。なお、内筒33の壁厚は半透明状態とするため5mmとしている。
【0022】
つぎに、マイクロ波加熱用試料分解反応容器10のセット方法について説明する。
まず、別体の下部外筒25と上部外筒24を螺合し一体化させて、上部外筒24に形成された環状段部26に緩衝リング43を嵌合し密着させる。緩衝リング43は環状のリングの外縁に立上り部を有する断面がL字状のリングであり、緩衝リング43の底部は環状段部26に当接し、緩衝リング43の立上り部の外周面は上部外筒24の内周面に当接する。緩衝リング43はフッ素系樹脂製であり、外容器20と内容器30の間に介在して、外容器20と内容器30とが直接金属面に触れない役割やクッションの役割をするとともに、内容器30の密閉状態を高める役割を担うものである。
【0023】
そして、試料と溶剤を入れた内筒33を外筒23aに挿入する。内筒33の上部には着座面34を形成する鍔部35が内筒33と一体となって環状に突設されており、鍔部35が緩衝リング43に嵌合し固定される。そして、外筒23aの内径と内筒33の外径は同一であるため、内筒33は外筒23aに密着する。
【0024】
つぎに、内筒33の上部に形成された着座面34に内蓋31aを着座させ、内蓋31aの上部に押圧板42aを載置させる。押圧板42aはステンレス製の円盤であり、加圧ボルト41aにより内容器30を押圧する際に、押圧力を均等に内蓋31aに伝えるためのものである。その後、外蓋21aを外筒23aに螺合し、外蓋21aの中央部に刻設された挿通孔22に加圧ボルト41aを螺入する。そして、内容器30は加圧ボルト41aにより押圧板42aを介して押圧されて、内部の密閉状態が保たれるようになっている。勿論、押圧手段としては、加圧ボルト41aではなく、外蓋21aを外筒23aに螺合すると同時に、外蓋21a自体で内容器30を押圧するようにすることも可能である。
【0025】
本実施例に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器10の作用について、図2および図3に基づいて説明する。
図2に示す符号のうち、符号50はマイクロ波発生装置、符号51はマイクロ波発生装置50の筺体、符号52はマイクロ波照射室、符号53は筺体51の前面に開閉自在に取り付けられた扉、符号54は扉53に取設された覗き窓である。また、図3に示す符号のうち、符号55はマイクロ波発生装置50内にあるマイクロ波加熱用試料分解反応容器10を照らすためのハロゲンランプ、符号60は外容器20に穿設されたスリット27a、27bおよび内容器30を通して見える試料および溶剤である。
【0026】
試料および溶剤60が内容器30に入れられたマイクロ波加熱用試料分解反応容器10は、マイクロ波照射室52の図示外のターンテーブル上に載置される。このときマイクロ波加熱用試料分解反応容器10は、複数個であってもよいことは勿論である。
マイクロ波発生装置50のマイクロ波は、図示外のマグネトロンのアンテナから発振され、導波管(図示外)を経由してマイクロ波照射室52に入り、直接あるいはマイクロ波照射室52の壁に反射しながら、ターンテーブルとともに回転するマイクロ波加熱用試料分解反応容器10を照射する。マイクロ波の照射により試料および溶剤60は加熱され、試料は分解されて溶剤に溶けて溶液になる。この場合、マイクロ波照射室52に配設されたハロゲンランプ55にマイクロ波加熱用試料分解反応容器10が照らされて、外容器20に穿設されたスリット27a、27bを通して、覗き窓54からこの過程を確認することができる。
【0027】
なお、複数個のマイクロ波加熱用試料分解反応容器10であっても、マイクロ波加熱用試料分解反応容器10がターンテーブルとともに回転するため、個々に確認することができる。また、内容器30内にある試料および溶剤60の上下方向の変化の過程は、外容器20に穿設された縦長スリット27aにより、水平方向の変化の過程は、横長スリット27bにより確認することができる。
【0028】
なお、ターンテーブルが配設されていないマイクロ波発生装置にあっては、覗き窓54を通して目視するために、マイクロ波加熱用試料分解反応容器10を覗き窓54と平行に一列に並べる必要がある。
【実施例2】
【0029】
つぎに、本願発明を実施するための最良の形態に係る実施例2について、図4ないし図6に基づいて説明する。
図4は、実施例2に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器の分解斜視図、図5は、実施例2に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器の組み立て断面図、図6は、実施例2に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器の内容器内の発生ガスを捕集する断面説明図である。なお、図4ないし図6において、図1ないし図3における構成要素と同一の要素については、同一符号を付してその説明を省略するとともに、実施例1と異なる点についてのみ説明する。
【0030】
図4ないし図6において、符号12は実施例2に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器、符号20は外容器、符号21bは外容器20の外蓋、符号22は外蓋21bの中心部に穿設された挿通孔、符号23bは外容器20の外筒、符号24は外筒23bを構成する上部外筒、符号25は外筒23bを構成する下部外筒、符号28は外筒23bを構成する底部外筒、符号30は内容器、符号31bは内容器30の内蓋、符号33は有底の内筒、符号41bは加圧ボルト、符号42bは押圧板、符号43は緩衝リング、符号72は流通路開閉ボルトである。
【0031】
本実施例においては、外容器20の外筒23bは、上部外筒24と下部外筒25と底部外筒28から構成されていて、実施例1とは異なり、底部外筒28を構成要素としている。この底部外筒28は下部外筒25の下端に螺着されていてマイクロ波加熱用試料分解反応容器12を実験台等に置いたときの安定性を高める役割を担っているが、実施例1と同様に底部外筒28を構成要素としなくとも、マイクロ波加熱用試料分解反応容器12自体の有効性に影響がないことは勿論である。
また、外容器20の外蓋21bには、実施例1とは異なり、複数の孔が穿設されている。これは、外容器20の役割が主として、試料の加熱に際して内容器30の変形を防止することにあり、内容器30の変形防止機能を低下させることのない範囲内で軽量化を図ったためである。
【0032】
実施例1における内蓋31aの上面は平面となっているが、本実施例における内蓋31bは独楽の形をしていて、独楽の把持部に相当する部分は円筒状の内蓋管36となっている。そして、その内蓋管36の内周面には雌螺子が螺刻されている。
【0033】
外蓋21bの中央部に刻設された挿通孔22に螺入される加圧ボルト41bは、中空のボルトであって、加圧ボルト41bには内蓋管貫入孔73が貫設されている。そして、マイクロ波加熱用試料分解反応容器12をセットしたときに、内蓋管36は、押圧板42bを貫通して内蓋管貫入孔73に挿入され、内蓋管36の天端は加圧ボルト41bの天端と略同一レベルになるように形成されている。
【0034】
マイクロ波加熱用試料分解反応容器12のセット方法も、マイクロ波加熱用試料分解反応容器10のセット方法とほぼ同様である。
すなわち、別体の下部外筒25と底部外筒28および上部外筒24を螺合し一体化させて、上部外筒24に形成された環状段部26に緩衝リング43を嵌合し密着させる。そして、試料と溶剤を入れた内筒33を外筒23bに挿入すると、内筒33の鍔部35が緩衝リング43に嵌合し固定される。
【0035】
つぎに、内筒33の上部に形成された着座面34に内蓋31bを着座させ、内蓋31bの上部に押圧板42bを載置する。押圧板42bの中心部には孔が貫設されていて、内蓋管36はこの孔を貫通して突出する。その後、外蓋21bを外筒23bに螺合させ、内筒33の上部に形成された着座面34に内蓋31を着座させ、外蓋21の中央部に刻設された挿通孔22に加圧ボルト41bを螺入し、加圧ボルト41bの先端を押圧板42bに当接させる。前述のように、この状態において、内蓋管36の天端と加圧ボルト41bの天端は略同一となっている。
【0036】
そして、内蓋管36に流通路開閉ボルト52を螺入させて、マイクロ波加熱用試料分解反応容器12のセットは完了する。
このセットされた状態においては、内容器30の下端部と底部外筒28の上面との間はわずかに離れている。これは、加圧ボルト41により内容器30を押圧したときに、内容器30の下面と底部外筒28の上面とが接触することを避けるとともに、内容器30が加熱により下方向に膨張したときには、内容器30の下端部と底部外筒28の上面とが接触することにより、内容器30がそれ以上変形することを防ぐためである。
【0037】
つぎに、本実施例における押圧手段およびガス排出手段について説明する。
まず、本実施例における押圧手段について説明する。本実施例における押圧手段は、第1に実施例における押圧手段と変わることはない。すなわち、加圧ボルト41bを外蓋21bの挿通孔22に螺入させて右回りに回転させると、加圧ボルト41bの先端は押圧板42bに当接する。さらに加圧ボルト41bを右回りに回転させることにより、加圧ボルト41bの先端は押圧板42bを下方向に押し下げるようにして押圧する。押圧に際しては、内蓋管36は加圧ボルト41bに対して摺動自在になっているため、内蓋管36が加圧ボルト41bによる押圧力を妨げることはない。
【0038】
つぎに、本実施例におけるガス排出手段について、図5および図6を基に説明する。
図5および図6は本実施例に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器12をセットした状態の断面図であり、図5はガス排出手段を構成するガス流通路が遮断された状態を示し、図6はガス排出手段を構成するガス流通路が形成された状態を示している。
【0039】
図5および図6において、符号37は内蓋31bの下面に突設される円錐状の突起体、符号60は試料および溶剤、符号61は発生ガス、符号62は発生ガス捕集器、符号74は流通路開閉ボルト72の上部に形成されたガス流通路口、符号75は第1の流通路、符号77は第2の流通路、符号78は内蓋管貫入孔73に流通路開閉ボルト72が螺入されたときに形成される流通路空間、符号79は流通路開閉ボルト72の下部に形成された環状リブ、である。
【0040】
細径の孔が流通路開閉ボルト72の軸線に沿って穿設され、流通路開閉ボルト72の下端近傍では前記の孔は直角に曲折してその先端が外部に開放されることにより、第2の流通路77が形成されている。そして、第2の流通路75のもう一方の端部は、ガス流通路口74に接続している。ガス流通路口74は上部が開放されたコップ状を呈していて、本実施例においては、ガス流通路口74の径は略4mm、第2の流通路77の径は略1.5mmとしているが、この数値に限定されるものではない。
【0041】
第1の流通路75は、内蓋31bの円筒状の内蓋管36の内部底から円錐状の突起体37の先端にかけて細径の孔が貫設されることにより形成される。したがって、マイクロ波加熱用試料分解反応容器12がセットされた状態では、第1の流通路75の下端は、内容器30内に開放される。本実施例においては、第1の流通路75の径は略1.8mmとしているが、第2の流通路77の径と同様、この数値に限定されるものではない。
なお、円錐状の突起体37は、その付け根部分の径が内筒33の内径よりもわずかに大きく形成されていて、内筒33の上部に形成された着座面34に内蓋31bを着座させる際に、内蓋31が内筒33に対してずれることなく所定に位置に着座させるとともに、内蓋31bを押圧したときに内蓋31bを内筒33に密着させる役割を担っている。この円錐状の突起体37は実施例1における内蓋31aの下面にも突設されている。
【0042】
流通路開閉ボルト72は、上部は六角柱であり、その下部には雄螺子が螺刻され、さらにその下部は円柱となっていて、雄螺子が螺刻された部分の径よりも円柱部分の径のほうが細くなるように形成されている。そして、円柱部分の上部には環状のリブ79が形成されていて、環状のリブ76の径は、内蓋31bの円筒状の内蓋管36の内径とほぼ同一径となるように形成されている。また、前記の第2の流通路77の下端は、流通路開閉ボルト72の円柱部分で、かつ、環状のリブ79の下部の位置で外部に開放されている。
【0043】
マイクロ波加熱用試料分解反応容器12がセットされた状態で、内蓋管36に流通路開閉ボルト72を螺入させ、内蓋管36の底部に流通路開閉ボルト72の下端を当接させてから、流通路開閉ボルト72を少し左に回すと、内蓋管36の底部と流通路開閉ボルト72の下端は図6に示す状態となる。
図6に示すように、流通路開閉ボルト72の円柱部分は内蓋管36の内径よりも細いため、円柱部分の周りは環状の空間となり、流通路空間78が形成される。すなわち、流通路空間78は、上部が環状のリブ79により閉ざされ、下部は流通路開閉ボルト72の下端と内蓋管36の底部とが形成する空間で構成された閉空間となっている。
【0044】
この流通路空間78に、第1の流通路75の上端が接続し、さらに、第2の流通路77の下端が接続することにより、内容器30の内部とガス流通路口74とが連通し、ガス流通路が形成される。
【0045】
一方、マイクロ波加熱用試料分解反応容器12がセットされた状態で、内蓋管36に流通路開閉ボルト72を螺入させ、内蓋管36の底部に流通路開閉ボルト72の下端を当接させると、図5に示すように、流通路開閉ボルト72の下端は、第1の流通路75の上端を塞いだ状態となる。このため、ガス流通路は、第1の流通路75の上端で遮断され、ガス流通路の形成が阻害される。内蓋30も流通路開閉ボルト72も弾力性のあるフッ化エチレンプロピレン樹脂製、四フッ化エチレン樹脂製またはパーフロロアルコキシ樹脂製であるため、わずかな力で互いに密着する。
【0046】
試料を収納した本実施例に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器12の加熱方法については、実施例1であるマイクロ波加熱用試料分解反応容器10と同様にマイクロ波発生装置50を使用しておこなうことができるので、その説明を省略するが、ここでは主として、マイクロ波発生装置50による加熱前後のマイクロ波加熱用試料分解反応容器12の取り扱い方法について説明する。
【0047】
試料および溶剤60が内容器30に収容されたマイクロ波加熱用試料分解反応容器12に溶剤等を追加したい場合には、流通路開閉ボルト72を取外すと、内蓋管36の底部に内容器30の内部に連通する第1の流通路75の上端が現れる。その第1の流通路75の上端から注射器の針先(図示外)を挿入して、所望の量の溶剤等を追加注入、すなわち注加することができる。
溶剤等の注加後は、流通路開閉ボルト72を内蓋管36に螺入させ、内蓋管36の底部に流通路開閉ボルト72の下端を当接させ内容器30を密閉状態にして、マイクロ波発生装置50に入れて加熱する。
【0048】
所定時間、マイクロ波発生装置50に入れて加熱した後、あるいは、外容器20に穿設されたスリット27a、27bを介して、マイクロ波発生装置50の覗き窓54から試料および溶剤60の状態を確認した後、マイクロ波加熱用試料分解反応容器12をマイクロ波発生装置50から取り出す。
この状態で外容器20の外蓋21bを取外すと、試料および溶剤60の反応により発生した発生ガス61により高圧になっている内容器30内から、反応後の試料および溶剤60が噴出する場合がある。このような事態を避けるため、外容器20の外蓋21bを取外す前に、流通路開閉ボルト72を左に回し内容器30の内部とガス流通路口74とを連通するガス流通路を形成させて、発生ガス61を外部に放出して内容器30内の気圧を外気圧と同一にする。発生ガス61が有毒である場合には、図6に示すように、発生ガス捕集器62で発生ガス61を捕集することもできる。
【実施例3】
【0049】
つぎに、本願発明を実施するための最良の形態に係る実施例3について、図7に基づいて説明する。
図7は、実施例3に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器の組み立て断面図であり、図7において、図1ないし図6における構成要素と同一の要素については、同一符号を付してその説明を省略するとともに、実施例1および実施例2と異なる点についてのみ説明する。
【0050】
図7において、符号14は実施例3に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器、符号20cは外容器、符号21cは外容器20cを構成する外蓋、符号22は外蓋21の中心部に穿設された挿通孔、符号23cは外容器20cを構成する外筒、符号38はパッキング体、符号72は流通路開閉ボルト、符号76は第1の流通路、である。
【0051】
本実施例における押圧手段は、外筒25cの上部の内周面に螺刻された雌螺子と、外蓋21cの外周面に螺刻された雄螺子とから構成されている。すなわち、内筒33を外筒23c内に挿入し、内筒33の鍔部35を環状段部26に嵌合させた後、外筒23cに外蓋21cを螺入させて内筒33の上部から押圧することにより、内筒33の内部を密閉状態にするようになっている。
【0052】
また、本実施例においては、実施例1および実施例2で使用した内蓋31aおよび内蓋31bを構成要素としていない。そのため、内筒33と外蓋21cとの密閉の度合いを高めるため、外蓋21cの下面にはリング状のパッキング体38を突設させている。このパッキング体38は、内筒33の内径よりもわずかに大きい径の円盤状の弾性体から作られていて、内筒33に外蓋21cを嵌合させたときにパッキング体38の外周縁が内筒33の内周面に密着されるようになっている。そのため、外蓋21cは金属製ではなくポリイミド樹脂製としている。この場合に、外容器20cの外筒23cもポリイミド樹脂製とすることにより、本実施例に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器14は、実施例1および実施例2に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器よりもかなり軽量となる。
【0053】
また、外蓋21cの中央部に穿設された挿通孔22には、流通路開閉ボルト72が螺入されようになっている。そして、挿通孔22と外蓋21cの下面とを連結するように細径の孔が穿設されていて第1の流通路76が形成されている。
したがって、外蓋21cは実施例2における加圧ボルト41bと内蓋31bとの役割を兼用していることになる。
【0054】
本実施例における加圧手段については上述したが、本実施例におけるガス排出手段については、実施例2におけるガス排出手段と同様であるので、説明を省略する。また、 本実施例に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器14の加熱方法、および、マイクロ波発生装置50による加熱前後のマイクロ波加熱用試料分解反応容器14の取り扱い方法についても、実施例2におけるマイクロ波加熱用試料分解反応容器14の加熱方法、および取り扱い方法と同様であるので、説明を省略する。
【0055】
以上述べたように、本実施例に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器14は、いわば簡易型のマイクロ波加熱用試料分解反応容器であり、その扱いも容易であるが、実施例1および実施例2に係るマイクロ波加熱用試料分解反応容器よりも、耐熱性、耐圧性がやや劣る。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
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【図7】
6
【図8】
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【図9】
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【図10】
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