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明細書 :メタン発酵消化液の濃縮装置とその濃縮方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5307325号 (P5307325)
公開番号 特開2008-023434 (P2008-023434A)
登録日 平成25年7月5日(2013.7.5)
発行日 平成25年10月2日(2013.10.2)
公開日 平成20年2月7日(2008.2.7)
発明の名称または考案の名称 メタン発酵消化液の濃縮装置とその濃縮方法
国際特許分類 B01D   3/10        (2006.01)
C02F  11/04        (2006.01)
C05C   3/00        (2006.01)
C05G   5/00        (2006.01)
FI B01D 3/10
C02F 11/04 A
C05C 3/00
C05G 5/00 A
請求項の数または発明の数 9
全頁数 16
出願番号 特願2006-197272 (P2006-197272)
出願日 平成18年7月19日(2006.7.19)
審査請求日 平成21年7月10日(2009.7.10)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】501203344
【氏名又は名称】独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明者または考案者 【氏名】山岡 賢
【氏名】柚山 義人
【氏名】中村 真人
個別代理人の代理人 【識別番号】100086852、【弁理士】、【氏名又は名称】相川 守
審査官 【審査官】山本 吾一
参考文献・文献 特開2006-212606(JP,A)
特開2006-150158(JP,A)
特開2007-181787(JP,A)
特開昭59-160597(JP,A)
特開2007-038098(JP,A)
特開2006-212605(JP,A)
調査した分野 B01D 1/00 - 5/00
C02F 1/00
C02F 11/00
JSTPlus(JDreamII)
特許請求の範囲 【請求項1】
有機性廃棄物を発酵させてメタン生成後に残留する消化液が注入される蒸留タンクと、
この蒸留タンクに設けられ内部の消化液を所定の温度で加熱する加熱手段と、
この蒸留タンクに連通され蒸留タンクで蒸発した気体を冷却して凝縮させる冷却部と、
吸引側が冷却部に接続され装置内の圧力を減圧させる減圧ポンプと、
冷却部に連通され、冷却部で冷却された凝縮液を導き入れる第1および第2の受液タンクと、
これら第1および第2の受液タンクと冷却部との間に設けられ連通路を切り替える切替弁とを備え、
蒸留タンク内に注入された消化液を加熱手段で加熱し、蒸発した気体を冷却部で凝縮させ、このアンモニア濃度の高いアンモニア濃縮蒸留液を切替弁を介して第1の受液タンクに導き、蒸留タンク内で蒸発する気体のアンモニア濃度が低下すると切替弁を切り替え、冷却部で凝縮されたアンモニア濃度の低い清浄蒸留液を第2の受液タンクに導き、第1の受液タンクからアンモニア濃縮蒸留液を、第2の受液タンクから清浄蒸留液を、蒸留タンクから消化液の濃縮液をそれぞれ回収することを特徴とするメタン発酵消化液の濃縮装置。
【請求項2】
切替弁の動作を制御する制御装置を設けるとともに、
冷却部と切替弁との間に、冷却部により冷却され凝縮された溶液を一時的に貯留するモニタリング貯留部を設け、
モニタリング貯留部には、一時的に貯留された溶液の成分を検知するとともに上記制御装置と電気的に接続されるセンサを設け、
制御装置がセンサからのモニタリング信号に基づき凝縮された溶液のアンモニア濃度に応じて高濃度の溶液を第1の受液タンクに、低濃度の溶液を第2の受液タンクにそれぞれ導くように切替弁を切り替えることを特徴とする請求項1に記載のメタン発酵消化液の濃縮装置。
【請求項3】
減圧ポンプの吸入側を冷却部に、排出側をモニタリング貯留部にそれぞれ接続し、
減圧ポンプとモニタリング貯留部との間に接続される通路には、制御装置と電気的に接続され開閉動作される第1の開閉弁を介して排気処理装置を設け、
減圧ポンプと第1の開閉弁との間の通路と第1の受液タンクとの間には、一端が第1の受液タンクの液中に没するよう底面近傍に開口して配置され、第2の開閉弁を有する吹き込みパイプを設け、
第1の受液タンクと排気処理装置との間には、一端が第1の受液タンクに他端が第3の開閉弁を介して排気処理装置に接続される排気パイプを設け、
第1の受液タンク側への切替弁切り替え時、第1の開閉弁を閉じて第2第3の開閉弁を開き、減圧ポンプ排出側の気体を吹き込みパイプを通じて第1の受液タンク内の液中に導き、気室に逃げた気体を排気パイプを通じて排気処理装置に導き、
第2の受液タンク側への切替弁の切り替え時、第1の開閉弁を開いて第2第3の開閉弁を閉じ、減圧ポンプ排出側の気体を第1の開閉弁を介して排気処理装置に導くことを特徴とする請求項2に記載のメタン発酵消化液の濃縮装置。
【請求項4】
蒸留タンクには、消化液にエアを送り込むエアポンプを設け、このエアポンプの単位時間当たりのエア送り込み量を、減圧ポンプの単位時間当たりの吸引量と同一または小さくなるよう調整可能としたことを特徴とする請求項1または3のうちいずれか1に記載のメタン発酵消化液の濃縮装置。
【請求項5】
メタン発酵消化液の濃縮装置を、有機性廃棄物を発酵させてメタン生成後に残留する消化液が注入される蒸留タンクと、この蒸留タンクに設けられ内部の消化液を所定の温度で加熱する加熱手段と、この蒸留タンクに連通され蒸留タンクで蒸発した気体を冷却して凝縮させる冷却部と、吸引側が冷却部に接続され装置内の圧力を減圧させる減圧ポンプと、冷却部に連通され、冷却部で冷却された凝縮液を導き入れる第1および第2の受液タンクと、これら第1および第2の受液タンクと冷却部との間に設けられ連通路を切り替える切替弁とを備えて構成し、
蒸留タンクに消化液を注入するとともに切替弁を介して第1の受液タンクを冷却部に連通させる第1のステップと、
加熱手段により蒸留タンク内の消化液を加熱するとともに、減圧ポンプにより連通する蒸留タンクと冷却部と第1の受液タンクとを常圧または常圧より低い第1の圧力条件下におく第2のステップと、
冷却部で冷却され凝縮されたアンモニア濃度の高いアンモニア濃縮蒸留液を第1の受液タンクに集める第3のステップと、
冷却部で冷却され凝縮された凝縮液のアンモニア濃度が低下した後、切替弁を切り替え第2の受液タンクを冷却部に連通させる第4のステップと、
冷却部で冷却され凝縮されたアンモニア濃度の低い清浄蒸留液を第2の受液タンクに集める第5のステップと、
蒸留タンク内の液量減少後、減圧ポンプを停止させ、第1の受液タンクからアンモニア濃縮蒸留液を、第2の受液タンクから清浄蒸留液を、蒸留タンクから消化液の濃縮液をそれぞれ回収する第6のステップとを有することを特徴とするメタン発酵消化液の濃縮方法。
【請求項6】
第5のステップで、減圧ポンプの圧力を常圧または第1の圧力条件より低い第2の圧力条件とすることを特徴とする請求項5に記載のメタン発酵消化液の濃縮方法。
【請求項7】
切替弁の動作を制御する制御装置を設けるとともに、冷却部と切替弁との間に、冷却部により冷却され凝縮された溶液を一時的に貯留するモニタリング貯留部を設け、モニタリング貯留部には、一時的に貯留された溶液の成分を検知するとともに上記制御装置と電気的に接続されるセンサを設け、制御装置がセンサからのモニタリング信号に基づき凝縮された溶液のアンモニア濃度に応じて高濃度の溶液を第1の受液タンクに、低濃度の溶液を第2の受液タンクにそれぞれ導くように切替弁を切り替えるべく構成し、
第4のステップで、冷却部で冷却され凝縮された凝縮液のアンモニア濃度低下をセンサが検知すると、制御装置が切替弁を動作させ、低濃度の溶液を第2の受液タンクに導くように連通路を切り替えることを特徴とする請求項5または6に記載のメタン発酵消化液の濃縮方法。
【請求項8】
減圧ポンプの吸入側を冷却部に、排出側をモニタリング貯留部にそれぞれ接続し、減圧ポンプとモニタリング貯留部との間に接続される通路には、制御装置と電気的に接続され開閉動作される第1の開閉弁を介して排気処理装置を設け、減圧ポンプと第1の開閉弁との間の通路と第1の受液タンクとの間には、一端が第1の受液タンクの液中に没するよう底面近傍に開口して配置され、第2の開閉弁を有する吹き込みパイプを設け、第1の受液タンクと排気処理装置との間には、一端が第1の受液タンクに他端が第3の開閉弁を介して排気処理装置に接続される排気パイプを設けて構成し、
第3のステップで、第1の開閉弁を閉じて第2第3の開閉弁を開き、減圧ポンプ排出側の気体を吹き込みパイプを通じて第1の受液タンク内の液中に導き、気室に逃げた気体を排気パイプを通じて排気処理装置に導いて排気処理し、
第5のステップで、第1の開閉弁を開いて第2第3の開閉弁を閉じ、減圧ポンプ排出側の気体を第1の開閉弁を介して排気処理装置に導いて排気処理することを特徴とする請求項7に記載のメタン発酵消化液の濃縮方法。
【請求項9】
蒸留タンクには、消化液にエアを送り込むエアポンプを設け、このエアポンプの単位時間当たりのエア送り込み量を、減圧ポンプの単位時間当たりの吸引量と同一または小さくなるよう調整可能とし、
第3のステップまたは第3および第5のステップで、蒸留タンクの消化液にエアレーションを行うことを特徴とする請求項8に記載のメタン発酵消化液の濃縮方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、メタン発酵消化液の濃縮装置とその濃縮方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、有機性廃棄物を発酵させメタンを生成した後に残留する消化液を肥料として利用するには、消化液を減量・圧縮して貯留・輸送の効率化を果たすことが求められる。すなわち、メタン発酵処理を経た有機性廃棄物は消化液として排出される。消化液は窒素、リン、カリウムなどを含有しているので、液肥として利用することが期待されている。しかしながら、消化液は、T-N(総窒素)で、1,000-5,000mg/L、T-P(総リン)で、200-800mg/L、T-K(総カリ)で1,000-4000mg/L程度と肥料成分が薄い。このため、消化液を濃縮・減量して、貯蔵や輸送、農地への施用の効率化を図り、季節的も地域的にも偏在する肥料の需要に応える必要がある。
【0003】
従来、消化液の濃縮・減量化を図る取り組みとして、消化液をそのまま蒸留することにより水分を分離する方法が知られている(非特許文献1および特許文献2参照)。また、消化液の固形分を脱水機で分離して得られるろ液に対して蒸留することにより水分を分離する方法も知られている(非特許文献2参照)。非特許文献1に記載の技術は、消化液に硫酸を添加してph調整を行った後、蒸発器により消化液の濃縮と高濃度アンモニア水の抽出を行うものである。また、特許文献1に記載の発明は、連続処理により1段目のアンモニアストリッピングを第1蒸発装置でpHの高い状態で行い、2段目の蒸留を第2蒸発装置でpHの低い状態で行うことにより清浄な凝縮水(蒸留水)へのアンモニアの混入を防止するようにしている。さらに、非特許文献2に記載の技術は、メタン発酵後の消化液を固液分離機で固液分離させ、分離されたろ液に硫酸を添加後、減圧濃縮機にかけ、放流用の凝縮水と液肥用濃縮液を取り出すようにしている。

【非特許文献1】地域生物系廃棄物資源化システム専門委員会・畜産環境対策緊急調査検討分科会調査報告書「畜尿・消化液処理の現状と展望」社団法人日本有機資源協会編集・発行、平成17年9月2日発行、p.130-132
【非特許文献2】白藤沙織、松田従三、近江谷和彦、吉田賢輔、前田俵吾、吉田毎郎著「農業環境工学関連7学会2005年合同大会講演要旨集」日本植物工場学会、日本農業気象学会、日本生物環境調節学会、農業情報学会、農業機械学会、農業施設学会、生態工学会、2005年9月12日-15日、金沢大学、p.224
【特許文献1】特許第3703420号(第4頁、第5頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような従来の技術では、消化液中のアンモニア態窒素(NH-N)は蒸留の際、あるいは減圧濃縮の際に揮発し、蒸留液(清浄水)を汚染するため、消化液またはろ液に酸を添加して処理される溶液のpHを4-5まで下げる必要がある。消化液またはろ液のpHは一般的に8前後となるので、pHを4-5まで下げるには、大量の酸を添加しなければならず、装置の複雑化や大型化を招くだけでなくコストアップを招くという問題がある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、酸を添加する必要がなくしかも簡素な構造で消化液またはろ液からアンモニア態窒素濃縮液と清浄な蒸留液とを分離して回収するメタン発酵消化液の濃縮装置とその濃縮方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係るメタン発酵消化液の濃縮装置は、有機性廃棄物を発酵させてメタン生成後に残留する消化液が注入される蒸留タンクと、この蒸留タンクに設けられ内部の消化液を所定の温度で加熱する加熱手段と、この蒸留タンクに連通され蒸留タンクで蒸発した気体を冷却して凝縮させる冷却部と、吸引側が冷却部に接続され装置内の圧力を減圧させる減圧ポンプと、冷却部に連通され、冷却部で冷却された凝縮液を導き入れる第1および第2の受液タンクと、これら第1および第2の受液タンクと冷却部との間に設けられ連通路を切り替える切替弁とを備え、蒸留タンク内に注入された消化液を加熱手段で加熱し、蒸発した気体を冷却部で凝縮させ、このアンモニア濃度の高いアンモニア濃縮蒸留液を切替弁を介して第1の受液タンクに導き、蒸留タンク内で蒸発する気体のアンモニア濃度が低下すると切替弁を切り替え、冷却部で凝縮されたアンモニア濃度の低い清浄蒸留液を第2の受液タンクに導き、第1の受液タンクからアンモニア濃縮蒸留液を、第2の受液タンクから清浄蒸留液を、蒸留タンクから消化液の濃縮液をそれぞれ回収するようにしたものである。
【0007】
請求項1に係るメタン発酵消化液の濃縮装置では、有機性廃棄物を発酵させてメタン生成後に残留する消化液が注入される蒸留タンクと、この蒸留タンクに設けられ内部の消化液を所定の温度で加熱する加熱手段と、この蒸留タンクに連通され蒸留タンクで蒸発した気体を冷却して凝縮させる冷却部と、吸引側が冷却部に接続され装置内の圧力を減圧させる減圧ポンプと、冷却部に連通され、冷却部で冷却された凝縮液を導き入れる第1および第2の受液タンクと、これら第1および第2の受液タンクと冷却部との間に設けられ連通路を切り替える切替弁とを備え、蒸留タンク内に注入された消化液を加熱手段で加熱し、蒸発した気体を冷却部で凝縮させ、このアンモニア濃度の高いアンモニア濃縮蒸留液を切替弁を介して第1の受液タンクに導き、蒸留タンク内で蒸発する気体のアンモニア濃度が低下すると切替弁を切り替え、冷却部で凝縮されたアンモニア濃度の低い清浄蒸留液を第2の受液タンクに導き、第1の受液タンクからアンモニア濃縮蒸留液を、第2の受液タンクから清浄蒸留液を、蒸留タンクから消化液の濃縮液をそれぞれ回収するようにしたことにより、蒸留タンクに消化液を注入して切替弁を切り替え、第1の受液タンクを冷却部に連通させ、加熱手段により蒸留タンク内の消化液を加熱するとともに、減圧ポンプにより、吸気側が連通する蒸留タンクと冷却部と第1の受液タンクとを常圧または常圧より低い第1の圧力条件下におくと、蒸留タンクの消化液から蒸発したアンモニア濃度の濃い気体は冷却部で冷却されて凝縮し、切替弁を介して第1の受液タンクに集められる。蒸留が継続し時間の経過とともに、蒸留タンク内の消化液中のアンモニア態窒素成分が低下し、凝縮液のアンモニア濃度が低下すると、切替弁を切り替え第2の受液タンクを冷却部に連通させる。アンモニア濃度の低い清浄蒸留液は切替弁を介して第2の受液タンクに集められる。処理が完了すると、蒸留タンクからは残留した消化液濃縮液が、第1の受液タンクからは貯留されたアンモニア濃縮蒸留液が、第2の受液タンクからは貯留された清浄蒸留液がそれぞれ回収される。このため、メタン発酵完了後の消化液に対し酸を添加することなく分離濃縮処理を行うことができる。回収された消化液濃縮液やアンモニア濃縮液を肥料として用いることができ、回収された清浄蒸留水はアンモニア濃度が低く、他の水質汚濁項目も清浄な値であるため、環境に負荷を与えることなく放流することができる。
【0008】
また、請求項2に係るメタン発酵消化液の濃縮装置は、切替弁の動作を制御する制御装置を設けるとともに、冷却部と切替弁との間に、冷却部により冷却され凝縮された溶液を一時的に貯留するモニタリング貯留部を設け、モニタリング貯留部には、一時的に貯留された溶液の成分を検知するとともに上記制御装置と電気的に接続されるセンサを設け、制御装置がセンサからのモニタリング信号に基づき凝縮された溶液のアンモニア濃度に応じて高濃度の溶液を第1の受液タンクに、低濃度の溶液を第2の受液タンクにそれぞれ導くように切替弁を切り替えるものである。
【0009】
請求項2に係るメタン発酵消化液の濃縮装置では、切替弁の動作を制御する制御装置を設けるとともに、冷却部と切替弁との間に、冷却部により冷却され凝縮された溶液を一時的に貯留するモニタリング貯留部を設け、モニタリング貯留部には、一時的に貯留された溶液の成分を検知するとともに上記制御装置と電気的に接続されるセンサを設け、制御装置がセンサからのモニタリング信号に基づき凝縮された溶液のアンモニア濃度に応じて高濃度の溶液を第1の受液タンクに、低濃度の溶液を第2の受液タンクにそれぞれ導くように切替弁を切り替えることにより、冷却部により冷却され凝縮された溶液は、含まれるアンモニア成分の濃度がバッチ処理開始から時間の経過に伴い徐々に低下してゆくため、モニタリング貯留部に貯留される溶液のアンモニア濃度が所定値以上であれば、制御装置により切替弁は第1の受液タンク側に切り替えられ、アンモニア濃度が所定値以下に低下した場合、切替弁は第2の受液タンク側に切り替えられるので、アンモニア濃縮蒸留液と清浄蒸留液との切り分けが自動的にかつ確実に行われる。
【0010】
さらに、請求項3に係るメタン発酵消化液の濃縮装置は、減圧ポンプの吸入側を冷却部に、排出側をモニタリング貯留部にそれぞれ接続し、減圧ポンプとモニタリング貯留部との間に接続される通路には、制御装置と電気的に接続され開閉動作される第1の開閉弁を介して排気処理装置を設け、減圧ポンプと第1の開閉弁との間の通路と第1の受液タンクとの間には、一端が第1の受液タンクの液中に没するよう底面近傍に開口して配置され、第2の開閉弁を有する吹き込みパイプを設け、第1の受液タンクと排気処理装置との間には、一端が第1の受液タンクに他端が第3の開閉弁を介して排気処理装置に接続される排気パイプを設け、第1の受液タンク側への切替弁切り替え時、第1の開閉弁を閉じて第2第3の開閉弁を開き、減圧ポンプ排出側の気体を吹き込みパイプを通じて第1の受液タンク内の液中に導き、気室に逃げた気体を排気パイプを通じて排気処理装置に導き、第2の受液タンク側への切替弁の切り替え時、第1の開閉弁を開いて第2第3の開閉弁を閉じ、減圧ポンプ排出側の気体を第1の開閉弁を介して排気処理装置に導くようにしたものである。
【0011】
請求項3に係るメタン発酵消化液の濃縮装置では、減圧ポンプの吸入側を冷却部に、排出側をモニタリング貯留部にそれぞれ接続し、減圧ポンプとモニタリング貯留部との間に接続される通路には、制御装置と電気的に接続され開閉動作される第1の開閉弁を介して排気処理装置を設け、減圧ポンプと第1の開閉弁との間の通路と第1の受液タンクとの間には、一端が第1の受液タンクの液中に没するよう底面近傍に開口して配置され、第2の開閉弁を有する吹き込みパイプを設け、第1の受液タンクと排気処理装置との間には、一端が第1の受液タンクに他端が第3の開閉弁を介して排気処理装置に接続される排気パイプを設け、第1の受液タンク側への切替弁切り替え時、第1の開閉弁を閉じて第2第3の開閉弁を開き、減圧ポンプ排出側の気体を吹き込みパイプを通じて第1の受液タンク内の液中に導き、気室に逃げた気体を排気パイプを通じて排気処理装置に導き、第2の受液タンク側への切替弁の切り替え時、第1の開閉弁を開いて第2第3の開閉弁を閉じ、減圧ポンプ排出側の気体を第1の開閉弁を介して排気処理装置に導くようにしたことにより、高濃度のアンモニア濃縮蒸留液を集める際、第1の開閉弁を閉じ第2第3の開閉弁を開放すると、吹き込みパイプの減圧ポンプ排出側からアンモニア成分を含む気体が第1の受液タンクの液中に吹き込まれ、アンモニア成分は液中に溶け込む。このため、第1の受液タンク内では少量の液に気体中のアンモニア成分を溶け込ませることができ、濃縮蒸留液の高濃縮化と減量化が図られる。アンモニア成分が少なくなった室内の気体は排気パイプを通じて排気処理装置に送られ、排気処理される。冷却部で凝縮される蒸留液のアンモニア濃度低下をモニタが検知すると、制御装置により切替弁が切り替えられる。第2第3の開閉弁を閉じ第1の開閉弁を開くと、アンモニア成分の少ない気体は第1の開閉弁を経由して排気処理装置に送られ、排気処理される。このため、排気処理装置の負荷が軽減される。
【0012】
請求項4に係るメタン発酵消化液の濃縮装置は、蒸留タンクには、消化液にエアを送り込むエアポンプを設け、このエアポンプの単位時間当たりのエア送り込み量を、減圧ポンプの単位時間当たりの吸引量と同一または小さくなるよう調整可能としたものである。
【0013】
請求項4に係るメタン発酵消化液の濃縮装置では、蒸留タンクには、消化液にエアを送り込むエアポンプを設け、このエアポンプの単位時間当たりのエア送り込み量を、減圧ポンプの単位時間当たりの吸引量と同一または小さくなるよう調整可能としたことにより、蒸留タンク内を常圧または減圧に保持したまま、消化液中に空気が送り込まれるので、蒸留タンク内の湿度を低下させ、気液接触面積を増大させることができ、アンモニア成分の蒸発を増大させる。蒸留タンク内を常圧で加熱状態とし、外部からエアを取り込み循環させると、アンモニアを濃縮するのに有効となる。
【0014】
請求項5に係るメタン発酵消化液の濃縮方法は、メタン発酵消化液の濃縮装置を、有機性廃棄物を発酵させてメタン生成後に残留する消化液が注入される蒸留タンクと、この蒸留タンクに設けられ内部の消化液を所定の温度で加熱する加熱手段と、この蒸留タンクに連通され蒸留タンクで蒸発した気体を冷却して凝縮させる冷却部と、吸引側が冷却部に接続され装置内の圧力を減圧させる減圧ポンプと、冷却部に連通され、冷却部で冷却された凝縮液を導き入れる第1および第2の受液タンクと、これら第1および第2の受液タンクと冷却部との間に設けられ連通路を切り替える切替弁とを備えて構成し、蒸留タンクに消化液を注入するとともに切替弁を介して第1の受液タンクを冷却部に連通させる第1のステップと、加熱手段により蒸留タンク内の消化液を加熱するとともに、減圧ポンプにより連通する蒸留タンクと冷却部と第1の受液タンクとを常圧または常圧より低い第1の圧力条件下におく第2のステップと、冷却部で冷却され凝縮されたアンモニア濃度の高いアンモニア濃縮蒸留液を第1の受液タンクに集める第3のステップと、冷却部で冷却され凝縮された凝縮液のアンモニア濃度が低下した後、切替弁を切り替え第2の受液タンクを冷却部に連通させる第4のステップと、冷却部で冷却され凝縮されたアンモニア濃度の低い清浄蒸留液を第2の受液タンクに集める第5のステップと、蒸留タンク内の液量減少後、減圧ポンプを停止させ、第1の受液タンクからアンモニア濃縮蒸留液を、第2の受液タンクから清浄蒸留液を、蒸留タンクから消化液の濃縮液をそれぞれ回収する第6のステップとを有するようにしたものである。
【0015】
請求項5に係るメタン発酵消化液の濃縮方法では、メタン発酵消化液の濃縮装置を、有機性廃棄物を発酵させてメタン生成後に残留する消化液が注入される蒸留タンクと、この蒸留タンクに設けられ内部の消化液を所定の温度で加熱する加熱手段と、この蒸留タンクに連通され蒸留タンクで蒸発した気体を冷却して凝縮させる冷却部と、吸引側が冷却部に接続され装置内の圧力を減圧させる減圧ポンプと、冷却部に連通され、冷却部で冷却された凝縮液を導き入れる第1および第2の受液タンクと、これら第1および第2の受液タンクと冷却部との間に設けられ連通路を切り替える切替弁とを備えて構成し、蒸留タンクに消化液を注入するとともに切替弁を介して第1の受液タンクを冷却部に連通させる第1のステップと、加熱手段により蒸留タンク内の消化液を加熱するとともに、減圧ポンプにより連通する蒸留タンクと冷却部と第1の受液タンクとを常圧または常圧より低い第1の圧力条件下におく第2のステップと、冷却部で冷却され凝縮されたアンモニア濃度の高いアンモニア濃縮蒸留液を第1の受液タンクに集める第3のステップと、冷却部で冷却され凝縮された凝縮液のアンモニア濃度が低下した後、切替弁を切り替え第2の受液タンクを冷却部に連通させる第4のステップと、冷却部で冷却され凝縮されたアンモニア濃度の低い清浄蒸留液を第2の受液タンクに集める第5のステップと、蒸留タンク内の液量減少後、減圧ポンプを停止させ、第1の受液タンクからアンモニア濃縮蒸留液を、第2の受液タンクから清浄蒸留液を、蒸留タンクから消化液の濃縮液をそれぞれ回収する第6のステップとを有するようにしたことにより、第1のステップで、蒸留タンクに消化液を注入して切替弁を切り替えると、第1の受液タンクは冷却部に連通される。第2の手段で加熱手段により蒸留タンク内の消化液を加熱すし、減圧ポンプにより、吸気側が連通する蒸留タンクと冷却部と第1の受液タンクとを常圧または常圧より低い第1の圧力条件下においてバッチ処理すると、蒸留タンクの消化液から蒸発したアンモニア濃度の濃い気体は冷却部で冷却されて凝縮する。第3のステップで、冷却部で冷却され凝縮されたアンモニア濃度の高いアンモニア濃縮蒸留液は切替弁を介して第1の受液タンクに集められる。蒸留が継続し時間の経過とともに、蒸留タンク内の消化液中のアンモニア態窒素成分が低下し、凝縮液のアンモニア濃度が低下すると、第4のステップで切替弁を切り替え第2の受液タンクを冷却部に連通させる。第5のステップで、アンモニア濃度の低い清浄蒸留液は切替弁を介して第2の受液タンクに集められる。処理が完了すると、第6のステップで、蒸留タンクからは残留した消化液濃縮液が、第1の受液タンクからは貯留されたアンモニア濃縮蒸留液が、第2の受液タンクからは貯留された清浄蒸留液がそれぞれ回収される。このため、メタン発酵完了後の消化液に対し酸を添加することなく、時間差で分離濃縮処理を行うことができ、回収された消化液濃縮液やアンモニア濃縮液を肥料として用いることができ、回収された清浄蒸留水はアンモニア濃度が低く、他の水質汚濁項目も清浄な値であるため、環境に負荷を与えることなく放流することができる。
【0016】
請求項6に係るメタン発酵消化液の濃縮方法は、第5のステップで、減圧ポンプの圧力を常圧または第1の圧力条件より低い第2の圧力条件とするようにしたものである。
【0017】
請求項6に係るメタン発酵消化液の濃縮方法では、第5のステップで、減圧ポンプの圧力を常圧または第1の圧力条件より低い第2の圧力条件としたことにより、清浄蒸留水を第2の受液タンクに集める際、減圧力が大きくなり、蒸留タンクでの水分の蒸発量が増加し、冷却部における凝縮効率が向上し、清浄蒸留水回収の時間が短縮化される。
【0018】
請求項7に係るメタン発酵消化液の濃縮方法は、切替弁の動作を制御する制御装置を設けるとともに、冷却部と切替弁との間に、冷却部により冷却され凝縮された溶液を一時的に貯留するモニタリング貯留部を設け、モニタリング貯留部には、一時的に貯留された溶液の成分を検知するとともに上記制御装置と電気的に接続されるセンサを設け、制御装置がセンサからのモニタリング信号に基づき凝縮された溶液のアンモニア濃度に応じて高濃度の溶液を第1の受液タンクに、低濃度の溶液を第2の受液タンクにそれぞれ導くように切替弁を切り替えるべく構成し、第4のステップで、冷却部で冷却され凝縮された凝縮液のアンモニア濃度低下をセンサが検知すると、制御装置が切替弁を動作させ、低濃度の溶液を第2の受液タンクに導くように連通路を切り替えるようにしたものである。
【0019】
請求項7に係るメタン発酵消化液の濃縮方法では、切替弁の動作を制御する制御装置を設けるとともに、冷却部と切替弁との間に、冷却部により冷却され凝縮された溶液を一時的に貯留するモニタリング貯留部を設け、モニタリング貯留部には、一時的に貯留された溶液の成分を検知するとともに上記制御装置と電気的に接続されるセンサを設け、制御装置がセンサからのモニタリング信号に基づき凝縮された溶液のアンモニア濃度に応じて高濃度の溶液を第1の受液タンクに、低濃度の溶液を第2の受液タンクにそれぞれ導くように切替弁を切り替えるべく構成し、第4のステップで、冷却部で冷却され凝縮された凝縮液のアンモニア濃度低下をセンサが検知すると、制御装置が切替弁を動作させ、低濃度の溶液を第2の受液タンクに導くように連通路を切り替えるようにしたことにより、第4のステップで、アンモニア濃度が所定値以下に低下した場合、切替弁は制御装置により第2の受液タンク側に切り替えられるので、アンモニア濃縮蒸留液と清浄蒸留液との切り分けが自動的にかつ確実に行われる。
【0020】
請求項8に係るメタン発酵消化液の濃縮方法は、減圧ポンプの吸入側を冷却部に、排出側をモニタリング貯留部にそれぞれ接続し、減圧ポンプとモニタリング貯留部との間に接続される通路には、制御装置と電気的に接続され開閉動作される第1の開閉弁を介して排気処理装置を設け、減圧ポンプと第1の開閉弁との間の通路と第1の受液タンクとの間には、一端が第1の受液タンクの液中に没するよう底面近傍に開口して配置され、第2の開閉弁を有する吹き込みパイプを設け、第1の受液タンクと排気処理装置との間には、一端が第1の受液タンクに他端が第3の開閉弁を介して排気処理装置に接続される排気パイプを設けて構成し、第3のステップで、第1の開閉弁を閉じて第2第3の開閉弁を開き、減圧ポンプ排出側の気体を吹き込みパイプを通じて第1の受液タンク内の液中に導き、気室に逃げた気体を排気パイプを通じて排気処理装置に導いて排気処理し、第5のステップで、第1の開閉弁を開いて第2第3の開閉弁を閉じ、減圧ポンプ排出側の気体を第1の開閉弁を介して排気処理装置に導いて排気処理するようにしたものである。
【0021】
請求項8に係るメタン発酵消化液の濃縮方法では、減圧ポンプの吸入側を冷却部に、排出側をモニタリング貯留部にそれぞれ接続し、減圧ポンプとモニタリング貯留部との間に接続される通路には、制御装置と電気的に接続され開閉動作される第1の開閉弁を介して排気処理装置を設け、減圧ポンプと第1の開閉弁との間の通路と第1の受液タンクとの間には、一端が第1の受液タンクの液中に没するよう底面近傍に開口して配置され、第2の開閉弁を有する吹き込みパイプを設け、第1の受液タンクと排気処理装置との間には、一端が第1の受液タンクに他端が第3の開閉弁を介して排気処理装置に接続される排気パイプを設けて構成し、第3のステップで、第1の開閉弁を閉じて第2第3の開閉弁を開き、減圧ポンプ排出側の気体を吹き込みパイプを通じて第1の受液タンク内の液中に導き、気室に逃げた気体を排気パイプを通じて排気処理装置に導いて排気処理し、第5のステップで、第1の開閉弁を開いて第2第3の開閉弁を閉じ、減圧ポンプ排出側の気体を第1の開閉弁を介して排気処理装置に導いて排気処理するようにしたことにより、第3のステップで、バッチ処理の開始により高濃度のアンモニア濃縮蒸留液を集める際、第1の開閉弁を閉じ第2第3の開閉弁を開放されると、吹き込みパイプからアンモニア成分を含む気体が第1の受液タンク液中に吹き込まれ、アンモニア成分は液中に溶け込み、アンモニア成分が少なくなった第1の受液タンク室内の気体は排気パイプを通じて排気処理装置に送られ、排気処理される。このため、第1の受液タンク内では少量の液に気体中のアンモニア成分を溶け込ませることができ、濃縮蒸留液の高濃縮化と減量化が図られる。第4のステップで、冷却部で凝縮される蒸留液のアンモニア濃度低下をモニタが検知すると、制御装置により切替弁が切り替えられる。第5のステップで、第2第3の開閉弁を閉じ第1の開閉弁を開くと、アンモニア成分の少ない気体は第1の開閉弁を経由して排気処理装置に送られ、排気処理される。このため、排気処理装置の負荷が軽減される。
【0022】
請求項9に係るメタン発酵消化液の濃縮方法は、蒸留タンクには、消化液にエアを送り込むエアポンプを設け、このエアポンプの単位時間当たりのエア送り込み量を、減圧ポンプの単位時間当たりの吸引量と同一または小さくなるよう調整可能とし、第3のステップまたは第3および第5のステップで、蒸留タンクの消化液にエアレーションを行うようにしたものである。
【0023】
請求項9に係るメタン発酵消化液の濃縮方法では、蒸留タンクには、消化液にエアを送り込むエアポンプを設け、このエアポンプの単位時間当たりのエア送り込み量を、減圧ポンプの単位時間当たりの吸引量と同一または小さくなるよう調整可能とし、第3のステップまたは第3および第5のステップで、蒸留タンクの消化液にエアレーションを行うようにしたことにより、蒸留タンク内を常圧または減圧に保持したまま、消化液中に空気が送り込まれるので、蒸留タンク内の湿度を低下させ、気液接触面積を増大させることができ、アンモニア成分の蒸発を増大させる。蒸留タンク内を常圧で加熱状態とし、外部からエアを取り込み循環させると、アンモニアを濃縮するのに有効となる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係るメタン発酵消化液の濃縮装置では、有機性廃棄物を発酵させてメタン生成後に残留する消化液が注入される蒸留タンクと、この蒸留タンクに設けられ内部の消化液を所定の温度で加熱する加熱手段と、この蒸留タンクに連通され蒸留タンクで蒸発した気体を冷却して凝縮させる冷却部と、吸引側が冷却部に接続され装置内の圧力を減圧させる減圧ポンプと、冷却部に連通され、冷却部で冷却された凝縮液を導き入れる第1および第2の受液タンクと、これら第1および第2の受液タンクと冷却部との間に設けられ連通路を切り替える切替弁とを備え、蒸留タンク内に注入された消化液を加熱手段で加熱し、蒸発した気体を冷却部で凝縮させ、このアンモニア濃度の高いアンモニア濃縮蒸留液を切替弁を介して第1の受液タンクに導き、蒸留タンク内で蒸発する気体のアンモニア濃度が低下すると切替弁を切り替え、冷却部で凝縮されたアンモニア濃度の低い清浄蒸留液を第2の受液タンクに導き、第1の受液タンクからアンモニア濃縮蒸留液を、第2の受液タンクから清浄蒸留液を、蒸留タンクから消化液の濃縮液をそれぞれ回収するようにしたので、簡素な構造で、バッチ処理により酸を添加することなしに消化液からアンモニア態窒素濃縮蒸留液と清浄な蒸留液と消化液濃縮液とを時間差で分離して回収することができ、コストダウンを図ることができる。
【0025】
本発明に係るメタン発酵消化液の濃縮方法では、メタン発酵消化液の濃縮装置を、有機性廃棄物を発酵させてメタン生成後に残留する消化液が注入される蒸留タンクと、この蒸留タンクに設けられ内部の消化液を所定の温度で加熱する加熱手段と、この蒸留タンクに連通され蒸留タンクで蒸発した気体を冷却して凝縮させる冷却部と、吸引側が冷却部に接続され装置内の圧力を減圧させる減圧ポンプと、冷却部に連通され、冷却部で冷却された凝縮液を導き入れる第1および第2の受液タンクと、これら第1および第2の受液タンクと冷却部との間に設けられ連通路を切り替える切替弁とを備えて構成し、蒸留タンクに消化液を注入するとともに切替弁を介して第1の受液タンクを冷却部に連通させる第1のステップと、加熱手段により蒸留タンク内の消化液を加熱するとともに、減圧ポンプにより連通する蒸留タンクと冷却部と第1の受液タンクとを常圧または常圧より低い第1の圧力条件下におく第2のステップと、冷却部で冷却され凝縮されたアンモニア濃度の高いアンモニア濃縮蒸留液を第1の受液タンクに集める第3のステップと、冷却部で冷却され凝縮された凝縮液のアンモニア濃度が低下した後、切替弁を切り替え第2の受液タンクを冷却部に連通させる第4のステップと、冷却部で冷却され凝縮されたアンモニア濃度の低い清浄蒸留液を第2の受液タンクに集める第5のステップと、蒸留タンク内の液量減少後、減圧ポンプを停止させ、第1の受液タンクからアンモニア濃縮蒸留液を、第2の受液タンクから清浄蒸留液を、蒸留タンクから消化液の濃縮液をそれぞれ回収する第6のステップとを有するようにしたので、酸を添加しないで、バッチ処理の進行に伴い消化液からまずアンモニア濃縮蒸留液を分離して回収し、その後、消化液のアンモニア成分が減少すると、清浄な蒸留液と消化液濃縮液とを分離して回収することができ、コストダウンを図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
酸を添加しないで、消化液またはろ液からアンモニア態窒素濃縮蒸留液と清浄な蒸留液とを分離して回収するという目的を、有機性廃棄物を発酵させてメタン生成後に残留する消化液が注入され、この消化液蒸発後の濃縮液が排出される蒸留タンクと、この蒸留タンクに設けられ内部の消化液を所定の温度で加熱する加熱手段と、この蒸留タンクに連通され蒸留タンクで蒸発した気体を冷却して凝縮させる冷却部と、吸引側が冷却部に接続され蒸留タンク内の圧力を減圧させる減圧ポンプと、減圧ポンプと冷却部との間に通路を介して設けられた切替弁と、この切替弁を介して冷却部にそれぞれ連通され、冷却部で冷却された凝縮液を導き入れ貯留された凝縮蒸留液を排出させる第1および第2の受液タンクとを備えて構成し、蒸留タンク内に注入された消化液を加熱手段で加熱してバッチ処理を行い、蒸発した気体を冷却部で凝縮させ、このアンモニア濃度の高いアンモニア濃縮蒸留液を切替弁を介して第1の受液タンクに導き、蒸留タンク内で蒸発する気体のアンモニア濃度が低下すると切替弁を切り替え、冷却部で凝縮されたアンモニア濃度の低い清浄蒸留液を第2の受液タンクに導き、第1の受液タンクからアンモニア濃縮蒸留液を、第2の受液タンクから清浄蒸留液を、蒸留タンクから消化液の濃縮液をそれぞれ回収することにより実現した。
【実施例1】
【0027】
以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。図1は、本発明の第1の実施例に係るメタン発酵消化液の濃縮装置を示す説明図である。本実施例に係るメタン発酵消化液の濃縮装置2は、図1に示すように、蒸留タンク3と、この蒸留タンク3に連通され、蒸留タンク3で蒸発した気体を冷却して凝縮させる冷却部4と、冷却部4を介して蒸留タンク3に連通され蒸留タンク3内の圧力を減圧させる減圧ポンプ5と、この減圧ポンプ5と冷却部4との間に通路10を介して設けられた切替弁6と、この切替弁6を介して冷却部4にそれぞれ連通可能な第1および第2の受液タンク7、8と、蒸留タンク3に設けられたヒータ(加熱手段)9とを備えている。
【0028】
蒸留タンク3には、上部に導入弁(開閉弁)11が、底部に蒸留タンク排出弁12がそれぞれ設けられる。蒸留タンク3には、導入弁11を介して外部から有機性廃棄物を発酵させてメタン生成後残留する消化液Lまたはそのろ液が注入されるようになっている。蒸留タンク排出弁12は、処理完了後、蒸留タンク3内に残った消化液濃縮液(ろ液濃縮液)を外部に排出するようになっている。ヒータ9は、蒸留タンク3に消化液(ろ液)Lが注入されると、蒸留タンク3を加熱し、内部の消化液Lを設定された所定の減圧下で沸騰させ、蒸発を促すようになっている。切替弁6は、切り替え動作により冷却部4と第1の受液タンク7または第2の受液タンク8のうち一方とを連通させるようになっている。切替弁6は、アンモニア濃縮蒸留液を集める際には、冷却部4と第1の受液タンク7とを連通させ、アンモニア成分の低下した清浄蒸留液を集める際には、冷却部4と第2の受液タンク8とを連通させるようになっている。消化液Lの蒸発促進にヒータ9を用い、気化した気体の凝縮に冷却部4を用いるのは、アンモニアの、水によく溶け、気化しやすく凝縮しやすい性質を利用したものである。減圧ポンプ5は、蒸留タンク3、冷却部4および切替弁6を介して連通する第1の受液タンク7または第2の受液タンク8のうち一方を、常圧以下の予め設定された圧力P1(P1≦常圧)(第1の圧力条件)で減圧するようになっている。減圧ポンプ5は、排気側が外気側に連通し、装置2内で生じるガスを外部に排出するようになっている。
【0029】
第1の受液タンク7には、上部に第1のエア抜き弁13が、底部に第1の排出弁14がそれぞれ設けられる。また、第2の受液タンク8には、上部に第2のエア抜き弁15が、底部に第2の排出弁16がそれぞれ設けられる。各エア抜き弁13、15は、それぞれのタンク7、8に集められた溶液を排出弁14、16を通じて外部に排出する際に開放され、各タンク7、8内を外気に連通させ、溶液を排出しやすくしている。
【0030】
本実施例に係るメタン発酵消化液の濃縮装置は、蒸留タンク3に消化液Lを一旦注入すると、バッチ処理によりまずアンモニア濃縮蒸留液L-NHを第1の受液タンク7に集め、その後、清浄蒸留液L-Wを第2の受液タンク8に集めるようにしている。処理完了後、蒸留タンク3から減量された消化液の濃縮液Lcを、第1の受液タンク7からアンモニア濃縮蒸留液L-NHを、第2の受液タンク8から清浄蒸留液L-Wをそれぞれ回収するようになっている。
【0031】
次に、本発明に係るメタン発酵消化液の濃縮方法について、上記実施例に係るメタン発酵消化液の濃縮装置の作用に基づいて説明する。まず、導入弁11を開いて、蒸留タンク3に外部から消化液(またはろ液)Lを注入し、注入完了後、導入弁11を閉じるとともに、切替弁6を切り替え、第1の受液タンクを冷却部4に連通させる(第1のステップ)。この第1のステップでは、各受液タンク7、8のエア抜き弁13、15と排出弁14、16はいずれも閉じられている。次に、ヒータ9で蒸留タンク3を加熱し、消化液Lの温度を常温で沸騰しない温度まで上昇させ、消化液Lの蒸発を促すとともに、減圧ポンプ5により蒸留タンク3、冷却部4および第1の受液タンク7を予め設定された第1の圧力P1(P1≦常圧)(第1の圧力条件)で減圧する(第2のステップ)。次に、冷却部4により内部に導入された蒸留タンク3からの蒸気を冷却して凝縮し、凝縮された蒸留液を切替弁6を介して第1の受液タンク7に集める(第3のステップ)。この第3のステップでは、消化液Lに豊富に含まれるアンモニア態窒素が蒸気となって気化し、気化したアンモニア成分は減圧下で冷却部4に導かれると冷却されて凝縮される。この凝縮した蒸留液はアンモニア成分の濃度が高い。このため、アンモニア成分が濃縮されたアンモニア濃縮蒸留液L-NHは第1の受液タンク7に集められる。凝縮により液体成分が除かれた気体の一部は減圧ポンプ5により外部に排出される。なお、ヒータ9は、減圧ポンプ5による減圧下で消化液Lを沸騰させるか沸騰点に近い温度に加熱し消化液Lの蒸発を促すようになっている。また、減圧ポンプ5により装置内のエア圧は常圧より低くなっているので、冷却部で蒸気が冷却され凝縮を促すようになっている。
【0032】
次に、第3のステップの進行に伴い、蒸留タンク3内の消化液Lに含まれるアンモニア成分は徐々に低下するが、その前に、消化液L中のアンモニア成分が低下して濃度の高いアンモニア成分を含む蒸留水が得られなくなる時間を予め実験結果に基づいて求めておく。第3のステップでこのアンモニア成分低下推定時間が経過すると、切替弁6を切り替え第2の受液タンク8を冷却部4に連通させ、減圧ポンプ5により蒸留タンク3、冷却部4および第2の受液タンク8を予め設定された第2の圧力P2(P2≦P1≦常圧)(第2の圧力条件)で減圧し、アンモニア成分の濃度が低い凝縮液、すなわち、清浄蒸留液L-Wを第2の受液タンク8に集める(第5のステップ)。第2の圧力P2は、アンモニア成分濃度の低い清浄な蒸留液L-Wを効率的に得るため、第1の圧力P1より低くすることが好ましいものの、第1の圧力P1と同じとしてもよい。この第5のステップでは、蒸留タンク3内の消化液Lからすでに多量のアンモニア成分が気化して失われている。次に、第5のステップの進行に伴い、蒸留タンク3内の消化液Lの液量が減少し、アンモニア成分の失われた消化液の濃縮液Lcとなると、減圧ポンプ5を停止させるとともに冷却部4の冷却を停止する。そして、導入弁11と蒸留タンク排出弁12とを開いて蒸留タンク3から消化液濃縮液Lcを回収し、第1のエア抜き弁13と第1の排出弁14とを開いて第1の受液タンク7からアンモニア濃縮凝縮液L-NHを回収し、第2のエア抜き弁15と第2の排出弁16とを開いて第2の受液タンク8から清浄蒸留液L-Wをそれぞれ回収する(第6のステップ)。
【0033】
このように、第1の実施例に係るメタン発酵消化液の濃縮装置2を用いた濃縮方法では、メタン発酵完了後の消化液(またはろ液)Lに対し酸を添加することなく時間差で分離濃縮処理を行うことができる。バッチ処理が始まると、まず消化液(またはろ液)Lからアンモニア濃縮蒸留液L-NHを分離させ、その後、消化液Lのアンモニア成分が減少すると、清浄な蒸留液L-Wを分離させるとともに、消化液Lは濃縮され濃縮液Lcとして得られる。回収された消化液濃縮液(ろ液濃縮液)Lcやアンモニア濃縮液L-NHは肥料として用いることができ、回収された清浄蒸留水L-Wはアンモニア濃度が低く、他の水質汚濁項目も清浄な値であるため、環境に負荷を与えることなく放流することができる。すなわち、実験結果から、回収された清浄蒸留水L-Wは、アンモニア以外の水質汚濁項目、例えば、全窒素、全リン、pH、EC(電気伝導率)、濁度および化学的酸素要求量(COD)についても清浄な値であったことが確認された。
【実施例2】
【0034】
次に、本発明の第2の実施例に係るメタン発酵消化液の濃縮装置102とその装置102を用いた濃縮方法について説明する。第2の実施例に係る濃縮装置102は、図2に示すように、切替弁26の動作を制御する制御装置30を設けた点およびモニタリング貯留部31を設けた点を除いて、上記第1の実施例とほぼ同一の構成を備えている。
【0035】
すなわち、本実施例に係る濃縮装置102は、上記第1の実施例に係る濃縮装置2の切替弁6に相当する切替弁26が設けられる。切替弁26には、切り替え動作を制御する制御装置30が電気的に接続される。切替弁26は、上記第1の実施例と同様に、冷却部4と、第1の受液タンク7または第2の受液タンク8のいずれか一方とを選択的に連通させるようになっている。また、本実施例に係る濃縮装置102は、減圧ポンプ5と冷却部4との間と切替弁26との間の通路10に、モニタリング貯留部31が設けられる。モニタリング貯留部31は冷却部4により冷却され凝縮された溶液を一時的に貯留するようになっている。このモニタリング貯留部31には、制御装置30と電気的に接続されるセンサ32が設けられる。センサ32は、一時的に貯留された溶液のアンモニア成分の量を検知し検知したモニタリング信号を制御装置30に送出するようになっている。制御装置30は、モニタリング信号に基づいて、モニタリング貯留部31に貯留される溶液のアンモニア成分量が多い場合、切替弁26を動作させ冷却部4と第1の受液タンク7とを連通させ、アンモニア成分量が所定値以下に減少した場合、切替弁26を切り替え動作させ冷却部4と第2の受液タンク8とを連通させるようになっている。
【0036】
このように、本実施例に係る濃縮装置102では、冷却部4により冷却され凝縮された溶液は、含まれるアンモニア成分の濃度がバッチ処理開始から時間の経過に伴い徐々に低下してゆくため、モニタリング貯留部31に貯留される溶液のアンモニア濃度が所定値以上であれば、制御装置30により切替弁26は第1の受液タンク7側に切り替えられ、アンモニア濃度が所定値以下に低下した場合、切替弁26は第2の受液タンク8側に切り替えられるので、アンモニア濃縮蒸留液L-NHと清浄蒸留液L-Wとの切り分けが自動的にかつ確実に行われる。従って、上記第1の実施例に係る濃縮方法では、第5のステップで、実験結果により得られたアンモニア成分低下推定時間に基づいて切替弁6を切り替えるようにしているのに対し、本実施例に係る濃縮方法では、冷却部4で冷却され凝縮された凝縮液のアンモニア濃度低下をセンサ32が検知すると、切替弁26は自動的に切り替えられるので、作業効率が向上する。なお、センサ32はアンモニア成分量の検出に当たって、単位時間当たりの流出量、pH、EC(導電率)、濁度などを検知しこれらデータに基づいて成分量を検出するようにしている。
【実施例3】
【0037】
次に、本発明の第3の実施例に係るメタン発酵消化液の濃縮装置202とその装置202を用いた濃縮方法について説明する。第3の実施例に係る濃縮装置202は、図3に示すように、減圧ポンプ45の配置を変更し、減圧ポンプ45の吸入側を冷却部4に、排出側をモニタリング貯留部31にそれぞれ接続した点、減圧ポンプ45の排出側と第1の受液タンク7とを接続し、第1の受液タンク7の液L-NH中に気体のアンモニア成分を溶かし込む吹き込みパイプ46を設けた点、減圧ポンプ45の排出側に第1の開閉弁47を介して排気処理装置48を設けた点、第1の受液タンク7の第1のエア抜き弁13に代えて第1の受液タンク7と排気処理装置48とを接続する排気パイプ49を設けた点、蒸留タンク3内の消化液Lにエアを送り込むエアポンプ50を設けた点を除いて、上記第2の実施例とほぼ同一の構成を備えている。
【0038】
すなわち、第3の実施例に係る濃縮装置202は、減圧ポンプ45を冷却部4とモニタリング貯留部31との間に配置し、減圧ポンプ45の吸入側を冷却部4に、排出側をモニタリング貯留部31が設けられた通路10にそれぞれ連通させて接続している。減圧ポンプ45とモニタリング貯留部31との間の通路10には、分岐通路51が接続される。この分岐通路51には、第1の開閉弁47を介して排気処理装置48が設けられる。第1の開閉弁47は制御装置30と電気的に接続され、制御装置30により開閉動作されるようになっている。減圧ポンプ45と第1の開閉弁47との間の分岐通路51には、吹き込みパイプ46の一端が接続される。吹き込みパイプ46の他端は、第1の受液タンク7内に延長され、液L-NH中に没して気体を液に吹き込むよう底面近傍に開口して配置される。吹き込みパイプ46には、制御装置30と電気的に接続され、制御装置30により開閉動作される第2の開閉弁52が設けられる。第1の受液タンク7には、第1のエア抜き弁13に代えて、第1の受液タンク7と排気処置装置48とを連通する排気パイプ49が設けられる。排気パイプ49には、第3の開閉弁53が設けられる。この第3の開閉弁53は、制御装置30と電気的に接続され、制御装置30により開閉動作されるようになっている。蒸留タンク3には、エアポンプ50が設けられ、消化液Lに外部のエアを送り込み、蒸留タンク3内の湿度を低下させるとともに、気液接触面積を増大させ、蒸発するアンモニア成分を増加させるようになっている。蒸留タンク3内を常圧で加熱状態とし、外部からエアを取り込み循環させると、アンモニアを濃縮するのに有効となる。エアポンプ50には、図示しない流量調整弁が設けられ、単位時間当たりのエア送り込み量を調整可能に構成される。このため、エアポンプ50は、単位時間当たりのエア送り込み量を減圧ポンプ45の単位時間当たりの吸引量と同一に設定することもできれば、この単位時間当たりの吸引量より小さくすることもできるようになっている。エアポンプ50から蒸留タンク3内へのエア送り込み量を減圧ポンプ45の吸引量より小さくした場合、蒸留タンク3内の圧力が低下し、これら両ポンプ50、45の吸引量とエア送り込み量が同じ場合、蒸留タンク3内のその時点の圧力が維持される。従って、同じになったとき、常圧の場合は常圧に、400hPaの減圧状態の場合は、400hPaの減圧状態を維持することになる。
【0039】
このように、上記第3の実施例に係る濃縮装置202では、バッチ処理の開始により高濃度のアンモニア濃縮蒸留液を集める際、第1の開閉弁47を閉じ第2第3の開閉弁52、53を開放すると、吹き込みパイプ46の減圧ポンプ45排出側開口端部からアンモニア成分を含む気体が第1の受液タンク7の液L-NH中に吹き込まれ、アンモニア成分は液中に溶け込む。このため、第1の受液タンク7内では少量の液L-NHに気体中のアンモニア成分を溶け込ませることができ、濃縮蒸留液L-NHの高濃縮化と減量化が図られる。このとき、第1の受液タンク7の気室は、排気処理装置48に連通しており、ほぼ常圧に保持される。アンモニア成分が少なくなった室内の気体は排気パイプ53を通じて排気処理装置48に送られ、排気処理される。冷却部4で凝縮される蒸留液のアンモニア濃度低下をモニタ32が検知すると、制御装置30により切替弁26が切り替えられる。第2第3の開閉弁52、53を閉じ第1の開閉弁47を開放すると、アンモニア成分の少ない気体は第1の開閉弁47を経由して排気処理装置48に送られ、排気処理される。このため、排気処理装置48の負荷が軽減される。第2のエア抜き弁15は、第2の受液タンク8内の清浄蒸留液L-Wの水位上昇に伴ってエア抜きを行うようになっている。従って、上記第1第2の実施例に係る濃縮方法では、第1の受液タンク7により集められるアンモニア濃縮蒸留液では、冷却部4の凝縮のみに依存するのに対し、本実施例に係る濃縮方法では、吹き込みパイプ46によりアンモニア成分を含む気体が第1の受液タンク7の液L-NH中に吹き込まれるので、受液タンク7内の液L-NHに気体中のアンモニア成分を溶け込ませることができ、アンモニア濃縮蒸留液L-NHの高濃縮化と減量化を図ることができる。
【0040】
なお、上記各実施例について、メタン発酵後の消化液ついて述べたがこれに限られるものではなく、ろ液についても適用可能であることは言うまでもない。また、上記各実施例について、第1の圧力P1(第1の圧力条件)は、一定の圧力に限られるものではなく、時間の経過に応じて変化する可変の圧力条件も含む。すなわち、1つの値ではなく、時間に応じていくつかの圧力値を与えてもよい。例えば、時間の経過とともに徐々に圧力を低下させてもよいし、常圧より低い値Px1と、常圧と等しいか常圧より低いが上記値Px1よりは高い値Px2(Px1<Px2≦常圧)とを繰り返すようにしてもよい。これらを一定値の圧力や時間に応じて変化する圧力を含めて圧力条件と呼ぶ。第2の圧力P2(第2の圧力条件)は、清浄水を得るためであり、第1の圧力P1より低くすることが望ましい。さらに、上記第3の実施例に係る濃縮装置202では、蒸留タンク3内を減圧して濃縮するようにしているがこれに限られるものではなく、蒸留タンク内を常圧で加熱してもよい。そのとき、外部からエアポンプ50によりエアを取り込み循環させると、アンモニアを濃縮するのに有効となる。また、各実施例について、冷却凝縮時の圧力を常圧とする場合、減圧ポンプを停止させるようにしているがこれに限られるものではなく、減圧ポンプに代えて開閉弁を設けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1の実施例に係るメタン発酵消化液の濃縮装置を示す説明図である。(実施例1)
【図2】本発明の第2の実施例に係るメタン発酵消化液の濃縮装置を示す説明図である。(実施例2)
【図3】本発明の第3の実施例に係るメタン発酵消化液の濃縮装置を示す説明図である。(実施例3)
【符号の説明】
【0042】
2 濃縮装置
3 蒸留タンク
4 冷却部
5 減圧ポンプ
6 切替弁
7 第1の受液タンク
8 第2の受液タンク
9 ヒータ(加熱手段)
L 消化液(ろ液)
Lc 消化液濃縮液
L-NH アンモニア濃縮蒸留液
L-W 清浄蒸留液
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2