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明細書 :被写体物品撮影用の鏡装置と、該鏡装置を用いた撮影方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4848519号 (P4848519)
公開番号 特開2008-086628 (P2008-086628A)
登録日 平成23年10月28日(2011.10.28)
発行日 平成23年12月28日(2011.12.28)
公開日 平成20年4月17日(2008.4.17)
発明の名称または考案の名称 被写体物品撮影用の鏡装置と、該鏡装置を用いた撮影方法
国際特許分類 A61C  19/04        (2006.01)
G03B  15/00        (2006.01)
G03B  17/56        (2006.01)
FI A61C 19/04 Z
G03B 15/00 H
G03B 17/56 Z
請求項の数または発明の数 7
全頁数 11
出願番号 特願2006-272572 (P2006-272572)
出願日 平成18年10月4日(2006.10.4)
審査請求日 平成21年8月26日(2009.8.26)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504136568
【氏名又は名称】国立大学法人広島大学
発明者または考案者 【氏名】田地 豪
【氏名】津賀 一弘
【氏名】久保 隆靖
【氏名】阿部 泰彦
【氏名】日浅 恭
個別代理人の代理人 【識別番号】100079636、【弁理士】、【氏名又は名称】佐藤 晃一
審査官 【審査官】胡谷 佳津志
参考文献・文献 特開2002-213921(JP,A)
特開2005-351873(JP,A)
登録実用新案第3118965(JP,U)
特開平11-096814(JP,A)
特開平09-159419(JP,A)
特開2006-189793(JP,A)
特開2006-078639(JP,A)
特開2006-006457(JP,A)
特開2005-352346(JP,A)
特開2005-148295(JP,A)
特開2001-330915(JP,A)
特開平11-223794(JP,A)
特開昭63-231431(JP,A)
登録実用新案第3109063(JP,U)
調査した分野 A61C 19/04
G03B 15/00
G03B 17/56
A47G 1/04
特許請求の範囲 【請求項1】
立体的形態を有する被写体物品の撮影に供する鏡装置において、該立体形態を有する被写体物品を置く載置面と、V形状に配置され、上記載置面上に垂直に置かれる一対の平面鏡と、該一対の平面鏡と上記被写体物品を置く載置面上の空間部に、略三角形ないし台形をなし、該三角形ないし台形の頂部を上記一対の鏡間の下端に当て、上向きの底辺側が該載置面上に手前側に倒れるように傾斜させて配置させた傾斜平面鏡とから構成され、該載置面に置かれた被写体物品の平面観を該傾斜平面鏡に写し、両側方面観を該一対の平面鏡に写し、かつ正面観を正面から実像として同時に撮影することができることを特徴とする鏡装置。
【請求項2】
一対の平面鏡が開閉可能で、角度調整かつ固定可能であり、また該傾斜平面鏡が取外し可能で、かつ傾斜角が調整かつ固定可能であることを特徴とする請求項1記載の鏡装置。
【請求項3】
載置面上に被写体物品を正面向き及び鏡との間の距離を適宜設定して載置したのち、該被写体物品の手前側より被写体物品の正面観を、交差した一対の平面鏡に映される側方面観の虚像と、該傾斜平面鏡に映される平面観の虚像と共にカメラで撮影することを特徴とする請求項1又は2記載の鏡装置を用いて行う撮影方法。
【請求項4】
立体的形態を有する被写体物品を置く載置面を備えた矩形状の台座と、該台座の前後左右の四側縁のうち、三側縁以上からそれぞれ台座の外方に向って傾斜して配置され、台座上の被写体物品を写す平面鏡を有する、被写体物品の撮影に供する鏡装置において、各平面鏡はそれぞれ開閉可能で、傾斜角度が調整かつ固定可能である角度調整固定手段を備えたことを特徴とする鏡装置。
【請求項5】
上記角度調整固定手段が、台座と鏡のいずれか一方の側に固定されると共に、他方の側に形成される軸受に回動可能に軸支される枢軸と、上記軸受に捩じ込まれ、枢軸を止着する止めネジを有することを特徴とする請求項4記載の鏡装置。
【請求項6】
上記枢軸が端部に径方向を向く指針を一体に有し、軸受が形成される台座或いは鏡側には上記指針によって表示される角度表示用の目盛りを付した表示板が設けられることを特徴とする請求項4記載の鏡装置。
【請求項7】
平面鏡の角度調整固定のため、鏡が台座に枢軸により回動可能に軸支されると共に、平面鏡を連結する長さ調節可能な、糸、ワイヤー、組紐等の紐状物が設けられることを特徴とする請求項4記載の鏡装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、立体的形態を備えた被写体物品の正面或いは背面観と、左右の側面観と、平面観を撮影するのに供する鏡装置と、該鏡装置を用いて1枚の写真又は1つの画像に被写体物品の正面或と、左右の側方面観と平面観を取り込んで撮影する方法に関する。
【0002】
本発明において、例えば正面観とは、被写体物品を正面方向から観た形状で、正面の形状のみならず、正面に隣接する側面及び若しくは平面面の形状を備えた正面形状を含むものとする。被写体物品を側方から観た側方面観及び上方から観た平面観も同様である。
【背景技術】
【0003】
立体的形態を備えた被写体物品の1つに歯科治療において概形印象採得によって得られる研究用模型がある。研究用模型は作成後、5年間の保管義務が課せられていることから、その保管方法や保管場所の確保が苦慮されている実情にある。
【0004】
最近になって、研究用模型を写真撮影して保管する方法も認められており、写真で保管したり、或いは撮影した画像をコンピュータに格納して保存すれば、上述する保管上の問題はほぼ解消されるが、撮影には1つの研究用模型に対し、正面観、左右の側方面観及び咬合面(平面)観を撮るために4回の撮影が必要で、上顎と下顎の一対の模型であるので二つの模型合わせて8回の撮影が必要となり、さらに上顎と下顎の模型が噛み合わさった状態での正面観と左右の側方面観の3回を合わせると総計11回の撮影が必要となり,その撮影にかなりな手間と時間を要し、画像をコンピュータに保存するのにも格納作業に手間が掛かるようになる。
【0005】
研究用模型の正面観、背面観、左右の側方面観、咬合面観を1枚の写真に取込んで撮影することができるようにするための鏡装置も提案されている。図1は、この鏡装置を示すもので、研究用模型が置かれる矩形状のアクリル板よりなる台座2と、該台座2の前後左右の側縁に所定の角度で固定され、各内側に平面鏡3を全面に取付けたアクリル板4よりなっており、各平面鏡3には台座2に置かれる研究用模型が写されるようになっている。すなわち前後の平面鏡3には研究用模型の正面観及び背面観の虚像が、左右の平面鏡7には研究用模型の左右の側方面観の虚像が写るようになっている。この状態で研究用模型上方よりカメラを構え、研究用模型の咬合面を各平面鏡3に写った研究用模型の虚像と共に撮影すると、1枚の写真に研究用模型の正面観、背面観、左右の側方面観及び咬合面観が取込まれるようになる。
文献1及び文献2には、図1に記載された4枚の平面鏡の角度を固定した鏡装置が開示されており、歯科補綴物や研究用模型などの被写体物品の左右両側方面観、正面観、咬合面観を同時に写真撮影する四面鏡が開示されている。

【非特許文献1】日本歯科技工学会第27回学術大会プログラム公演抄録111ないし112頁(平成17年9月18日・19日発表の公演予稿集)
【非特許文献2】日本歯科技工学会第28回学術大会プログラム公演抄録111ないし112頁(平成18年9月17日・18日発表の公演予稿集)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図1に示す鏡装置には次のような問題がある。すなわち、
被写体物品のサイズが小さい場合、台座上に置いた被写体物品と、各鏡に写った虚像との間隔が広がり、写真に取込まれた平面観と側方面観及び正面観との間の間隔が不自然に広くなる。また被写体物品の詳細を撮影するため被写体物品へのカメラの焦点を近付けると、鏡に写った虚像が取込めなくなり、定形サイズの写真に被写体物品を拡大して撮り込むことができない。一方、被写体物品のサイズが大きい場合も、カメラの焦点を遠ざけると、鏡装置の周りの不必要なものまで撮り込まれるようになる。したがって図1に示す鏡装置の第1の問題は、被写体物品のサイズによっては定形サイズの写真に被写体物品を適正サイズで取込むことができないことである。
【0007】
第2の問題は、鏡に照明器具などの光源が入らないようにしたり、被写体物品の正面や背面、側面のみを写したい場合、鏡の角度を変える必要があるが、図1に示す鏡装置では、各鏡は固定され、鏡の角度調整ができるようになっていないことである。
【0008】
本発明の第1の目的は、定形サイズの写真又は画像に立体的形態を有する部品を適正サイズ及び適正配置で撮り込むことができる鏡装置と、該鏡装置を用いた撮影方法を提供しようとするものであり、
第2の目的は、上述する図1に示す鏡装置において、各平面鏡の角度調整を行うことができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、第1の目的を達成する鏡装置に関するもので、立体的形態を有する被写体物品の撮影に供する鏡装置において、該立体形態を有する被写体物品を置く載置面と、V形状に配置され、上記載置面上に垂直に置かれる一対の平面鏡と、該一対の平面鏡と上記被写体物品を置く載置面上の空間部に、略三角形ないし台形をなし、該三角形ないし台形の頂部を上記一対の鏡間の下端に当て、上向きの底辺側が該載置面上に手前側に倒れるように傾斜させて配置させた傾斜平面鏡とから構成され、該載置面に置かれた被写体物品の平面観を該傾斜平面鏡に写し、両側方面観を該一対の平面鏡に写し、かつ正面観を正面から実像として同時に撮影することができることを特徴とし、
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の一対の平面鏡が開閉可能で、角度調整かつ固定可能であり、また該傾斜平面鏡が取外し可能で、かつ傾斜角が調整かつ固定可能であることを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明の鏡装置を用いて行う撮影方法に関するもので、載置面上に被写体物品を正面向き及び鏡との間の距離を適宜設定して載置したのち、被写体物品の手前側より被写体物品の正面観を、交差した一対の平面鏡に映される側方面観の虚像と、該傾斜平面鏡に映される平面観の虚像と共にカメラで撮影することを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、第2の目的を達成する鏡装置に関するもので、立体的形態を有する被写体物品を置く載置面を備えた矩形状の台座と、該台座の前後左右の四側縁のうち、三側縁以上からそれぞれ台座の外方に向って傾斜して配置され、台座上の被写体物品を写す平面鏡を有する、被写体物品の撮影に供する鏡装置において、各平面鏡はそれぞれ開閉可能で、傾斜角度が調整可能かつ固定可能である角度調整固定手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明において、上記角度調整固定手段が、台座と鏡のいずれか一方の側に固定されると共に、他方の側に形成される軸受に回動可能に軸支される枢軸と、上記軸受に捩じ込まれ、枢軸を止着する止めネジを有することを特徴とし、
請求項6に係る発明は、請求項4に係る発明において、上記枢軸が端部に径方向を向く指針を一体に有し、軸受が形成される台座或いは鏡側には上記指針によって表示される角度表示用の目盛りを付した表示板が設けられることを特徴とする。
【0013】
請求項7に係る発明は、請求項4に係る発明において、平面鏡の角度調整固定のため、鏡が台座に枢軸により回動可能に軸支されると共に、平面鏡を連結する長さ調節可能な、糸、ワイヤー、組紐等の紐状物が設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1及び3に係る発明の鏡装置及び撮影方法によると、台座の載置面上に被写体物品を載置すると、該載置面に垂直に置かれた一対の平面鏡に被写体物品の左右の各側方面観の虚像が、傾斜平面鏡に被写体物品の平面観の虚像が映され、この状態で該一対の平面鏡に映された側面観の虚像と、傾斜平面鏡に映された平面観の虚像が入るように載置面上の被写体物品を正面からカメラで撮影すると1枚の写真ないし1つの画像に被写体物品の平面観と、正面観と、左右の各側方面観が撮り込まれる。この際、被写体物品のサイズが小さい場合には、被写体物品を傾斜平面鏡に近付ける。すると、被写体物品と各鏡に写った虚像との間隔が狭くなり、写真又は画像に取込まれる平面観と側方面観との間隔も狭くなる。撮影時には被写体物品へのカメラの焦点を近付けることにより定形サイズの写真又は画像に被写体物品の正面観、側方面観及び平面観を拡大した状態で撮り込むことができる。一方、被写体物品のサイズが大きい場合には、被写体物品を手前側に寄せて傾斜平面鏡より遠ざけ、カメラの焦点を長くして被写体物品の正面観及び各鏡に写った虚像が取込まれるように撮影する。以上のように本発明の鏡装置を用いて撮影すると、被写体物品のサイズの如何にかかわらず、正面観、平面観及び側方面観を適正サイズ及び適正配置で撮り込むことができる。
【0015】
本発明の被写体物品としては、歯科補綴物、保管義務のある前述の研究用模型(スタディモデル)、歯科印象、歯科診療用の各種材料ならびに器具,抜去歯等の患者臓器などが例として挙げられるが、これに限定されるものではなく、例えば1枚の写真や画像から被写体物品の立体形状を把握することが望まれるようなもの、被写体物品の立体形状を記録することが望まれるものなどを挙げることができる。
【0016】
本発明で使用するカメラは、写真の場合、カメラに制限はないが、コンピュータに画像で格納する場合は、デジタルカメラを使用するのが望ましい。コンピュータに接続することによりカメラに記録された画像をコンピュータに転送し、格納できるようになるからである。
【0017】
請求項2に係る発明の鏡装置によると、不使用時には傾斜平面鏡を取外したのち、開閉可能な一対の平面鏡を閉じることによりコンパクトにして嵩張らないように保管することができるほか、傾斜平面鏡の傾斜角度を変え、また上記一対の平面鏡の開き角度(交差角度)を変えることにより鏡に写された平面観や側方面観の虚像が変化し、傾斜角度や開き角度によって隣接する面の形状を含まない平面のみ、また側面のみの形状を鏡に映し、被写体物品と共に、それを撮影して記録することができる。
【0018】
請求項4に係る発明の鏡装置によると、不使用時には折りたたんで閉じることにより、鏡装置をコンパクトにして格納することができるほか、請求項2に係る鏡装置と同様、傾斜平面鏡の傾斜角度を変えることにより平面鏡に映された正面観及び若しくは背面観の虚像、側方面観の虚像が変化し、傾斜角度によっては隣接する面の形状を含まない正面及び若しくは背面形状の虚像のみを、また側面形状の虚像のみを鏡に映し、それを撮影して記録することができ、また各鏡の角度調整を行うことにより照明器具などの光源が鏡に写らないようにできるほか、写真や画像に取込まれた鏡に写る虚像の歪みをなくすことができる。
【0019】
請求項5に係る発明の鏡装置は、構造が簡単であり、しかも止ネジを弛めることにより鏡の角度調整が行え、止ネジを締め込むことによって調整された角度に固定されるようになるもので、簡単な操作で角度を無段調整することができる。
【0020】
請求項6に係る発明の鏡装置によると、枢軸に一体に設けた指針により鏡の傾斜角を表示することができる。
【0021】
請求項7に係る発明の鏡装置によると、紐状物を例えば縛ったり、解いたりすることにより平面鏡を連結する紐状物の長さを変え、それぞれの平面鏡を起倒させることができる。すなわち紐状物の長さを短くすると、鏡間の間隔が狭まるように各鏡が起き、紐状物の長さを短くすると、鏡間の間隔が拡がり、各鏡が倒れる。こうして各鏡の角度調整が行われるが、紐状物は例えば隣接する鏡のみを連結して隣接する鏡のみを開閉できるようにしてもよいし、紐状物が固定される鏡以外の鏡にスライド可能に通し、紐状物の長さを変えることにより全ての鏡が開閉できるようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態の鏡装置について図面により説明する。
図2に示す鏡装置は、ヒンジ11によって開閉可能に連結され、各内側に平面鏡12を全面に取付けた一対のアクリル板13と、略逆三角形をなし、内側に平面鏡14を全面に取付けたアクリル板15よりなり、上記一対のアクリル板13を平面鏡12が内向きになるように屈折して載置面上に上方から見て山形をなすように立て掛け、ついで鏡間で上記アクリル板15下端の頂部を平面鏡12の屈折部分下端に当て、かつアクリル板15裏面の上向きをなす底辺部分に一端を連結したリンクチェーン16を両アクリル板13の連結部分に突設したフック17に掛けることにより上向きの底辺側が手前側に倒れ込むように傾斜して支持されている。
【0023】
本実施形態の鏡装置は以上のように構成され、被写体物品である、図3に示す下顎模型19の写真撮影を行うときには、図2に示す鏡手前の載置面上に下顎模型19を正面が手前を向くようにして置く。すると、図3に示すように、二枚の平面鏡がV形状に交差して配置され、載置面上に垂直に置かれた一対の平面鏡の各平面鏡12には、下顎模型1の左右の側面観の虚像が、傾斜する平面鏡14には咬合面観の虚像が写される。ついで下顎模型19と各鏡12、14に写される虚像とが適度な配置及び位置関係となるように、また鏡12、14に写される虚像が所望の向き及び形態となるように下顎模型19の向き及び位置調整をすると共に、アクリル板13の開き角度を調整し、かつアクリル板15の傾斜角度をフック17へのチェーン16の掛け位置を変えることにより調整する。アクリル板13の開き角度は、調整後、固定するようにしてもよいが、山形に屈折している限り姿勢は安定しているため固定しなくてもよい。
【0024】
以上のようにして下顎模型19の向き及び位置調整を行い、かつ各鏡12、14の角度調整を行ったのち、下顎模型1の手前側よりデジタルカメラ(図示しない)を構え、上記模型1の正面を各平面鏡に映った模型1の虚像が入るようにして撮影する。撮影後、カメラに記憶された画像はコンピュータに伝送され格納される。
【0025】
不使用時には、チェーン16をフック17より外し、アクリル板15を取外したのち、山形状をなすアクリル板13を折りたたむ。
【0026】
上記実施形態では、チェーン16によって支持されているが、ワイヤーや紐状のものに代えてもよい。ワイヤーや紐状のものの場合、フック17には縛り付けて固定される。
【0027】
上記実施形態ではまた、各アクリル板13及び15は開き角度や傾き角が調整できるようになっているが、所定の角度で固定されていてもよい。
【0028】
図4は、図1に示すタイプの鏡装置について示すもので、上面を被写体物品の載置面とした矩形状のアクリル板よりなる台座21と、該台座21の前縁を除く左右の側縁にヒンジにて開閉可能に軸支され、各内側に平面鏡22を全面に取付けたアクリル板23よりなっている。
【0029】
アクリル板23を開閉可能とするヒンジの構造は、例えば図5に示すように台座21の側縁の全長にわたって一体形成されるか、或いは側縁の少なくとも両端に一体形成された軸受部24と、アクリル板23の側縁の両端より突出形成した突片25とをピン26にて連結した構造をなしており、ピン26は突片25と軸受部24に差込んで通したのち突片25に接着剤、或いはネジにて固定されるようになっている。接着剤で固定する場合には、図6に示すように突片25の外側面に軸孔27から径方向に溝28を形成すると共に、ピン26を鉤形のピン29とし、該ピン29を軸孔27に通すと共に溝28に嵌合して接着するのが望ましい。ピン29の鉤部29aが溝28に嵌合することによりピン29が回り止めされ、突片25へのピン29の固定が確実に行えるようになる。
【0030】
突片25に固定されたピン26或いは29は、軸受部24に回動可能に挿入される。すなわち平面鏡22を取付けたアクリル板23は、ピン26或いは29を支点として回動し開閉するが、適当な角度で固定できるようにするために軸受部24には、図7に示すように軸孔31に達するナット32が埋設される。軸受部24更には台座21は、金属製としてもよい。この場合、金属製の軸受部24にネジ孔が形成される。そしてナット32或いはネジ孔にネジ33を捩じ込み固定する。すなわちネジ先端をピン26或いは29に圧着すると、ピン26或いは29が固定され、アクリル板23が固定されるようになる。アクリル板23の傾き角を調整するときには、ネジ33を弛め、アクリル板23を回動可能な状態にしたのち、アクリル板23の傾きを所望の角度にしたのちネジ33を締め込みピン29に圧着して固定する。
【0031】
図8は、軸受部24端の外周に円弧状の目盛板35を突破し、上述するピン29の鉤部29aの先端を針状にして目盛板35に表示される、例えば90°~180°の角度の目盛36を指し、鏡の角度表示ができるようにしたもので、アクリル板23の傾きが変化すると、アクリル板23と共に回動する鉤部先端が振れ、アクリル板23の傾き角が目盛り表示される。
【0032】
本実施形態の鏡装置は以上のように構成され、図9に示すような下顎模型19の写真撮影をするときには、図1に示す鏡装置と同様、台座21の載置面上に下顎模型19を台20に載せ、下顎模型19を正面が前方を向くようにして置く。すると、左右の平面鏡22には下顎模型19の左右の側面観の虚像が、奥側の平面鏡22には正面観の虚像が写されるが、各鏡22に写される模型19の虚像を変えたい場合、例えば図示するように各鏡22に下顎模型19の正面と左右の側面のみの虚像を映したい場合、すなわち隣接する他の面の形状が写されないようにしたい場合には、前述するようにネジ33を緩めた状態でアクリル板23の傾きを調整し、鏡22に隣接する他の面の形状が入らないようにしてネジ33を締め込み、アクリル板23及び該アクリル板23に取付けた平面鏡22を固定する。こうした調整を各アクリル板ごとに全て行ったのち(図9は、この状態を示す)、上方よりデジタルカメラ(図示しない)を構え、下顎模型19の咬合面と各平面鏡22に映った下顎模型19の虚像が入るようにして撮影する。撮影後、カメラに記録された画像はコンピュータに格納される。
【0033】
不使用時にはアクリル板23のネジ33を弛め、アクリル板23を台座21上に折りたたみ、格納する。
【0034】
上記実施形態においても鏡装置は、下顎模型19以外の他の被写体物品を撮影するのにも使用することができる。被写体物品によって正面観だけでなく、背面観を取り込む必要がある場合には、台座21の前縁にも平面鏡22を取付けたアクリル板23が他のアクリル板23と同様に角度調整可能に設けられ、これによって1つの画像に前後観及び背面観と左右の側面観と平面観が撮り込まれるようになる。
【0035】
図10に示す鏡装置は、図4に示す鏡装置において、糸や紐或いはワイヤーよりなる紐状物36の一端を右側のアクリル板23の上端コーナaに連結する一方、別の紐状物37の一端を左側のアクリル板23の上端コーナbに同様にして連結し、該紐状物37を正面のアクリル板23上端のリング状のガイド38に通したのち各紐状物36及び37の他端を結んで連結してなるもので、紐状物36、37の結び目を解き、紐状物36、37を弛めると、各アクリル板23が外方に倒れ、各紐状物36、37を引っ張り込むと、各アクリル板23が起されて各アクリル板23の角度が同時に変えられ、所望の角度で紐状物36、37の結び直しを行うことにより、各鏡22の角度調整が同時に行えるようになっている。
【0036】
上述の紐状物36、37は、右側のアクリル板23と正面のアクリル板23と左側のアクリル板23を個別に連結し、各紐状物36、37の長さ調節を行うことにより、鏡22の角度調整を行うこともできる。
【0037】
紐状物36、37は、アクリル板23の上端コーナに連結する代わりに他の箇所に連結してもよい。
【0038】
アクリル板23の角度調整は、各アクリル板と一体の枢軸同士を例えば歯車伝動装置により連結し、1つの枢軸を回動操作することにより他の枢軸を回動することにより行なうこともできる。これにより1つの枢軸を回動すると、該枢軸と一体のアクリル板が起倒すると共に、他の枢軸と一体のアクリル板も起倒するようになり、各アクリル板、すなわち平面鏡の角度調整が、かつ一律に同時に行えるようになる。
【0039】
なお、上述する各実施形態におけるアクリル板13、15或いは台座21やアクリル板23はアクリル以外の他の材質に代えることもできる。
【0040】
上記実施形態ではまた、下顎模型19を撮影する例を示したが、他の被写体物品を撮影する場合も該被写体物品を台座上や鏡手前の載置面上に置いて同様に撮影する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】従来タイプの鏡装置の斜視図
【図2】本発明に係る鏡装置の斜視図
【図3】図2に示す鏡装置の使用例を示す正面図
【図4】本発明に係る鏡装置の別の例の斜視図
【図5】ヒンジ構造の要部の斜視図
【図6】ピン取付前のヒンジ構造要部の別の態様を示す斜視図
【図7】軸受部の拡大断面図
【図8】ヒンジ構造の別の態様の側面図
【図9】図4に示す鏡装置の使用例を示す平面図
【図10】図4に示す鏡装置の別の態様を示す斜視図
【符号の説明】
【0042】
1・・下顎模型
2、21・・台座
3、12、14、22・・平面鏡
4、13、15、23・・アクリル板
11・・ヒンジ
16・・リンクチェーン
17・・フック
24・・軸受部
25・・突片
26・・ピン
27、31・・軸孔
28・・溝
29・・ピン
32・・ナット
33・・ネジ
34・・軸受け部
35・・目盛板
36・・目盛
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9