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明細書 :遺伝子の発現を解析する方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4437171号 (P4437171)
登録日 平成22年1月15日(2010.1.15)
発行日 平成22年3月24日(2010.3.24)
発明の名称または考案の名称 遺伝子の発現を解析する方法
国際特許分類 C12N  15/09        (2006.01)
C12Q   1/68        (2006.01)
FI C12N 15/00 ZNAA
C12Q 1/68 A
C12Q 1/68 Z
請求項の数または発明の数 16
全頁数 30
出願番号 特願2002-550069 (P2002-550069)
出願日 平成13年12月12日(2001.12.12)
国際出願番号 PCT/JP2001/010898
国際公開番号 WO2002/048352
国際公開日 平成14年6月20日(2002.6.20)
優先権出願番号 2000377887
優先日 平成12年12月12日(2000.12.12)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成16年12月9日(2004.12.9)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】301032942
【氏名又は名称】独立行政法人放射線医学総合研究所
【識別番号】502452130
【氏名又は名称】メッセンジャー・スケープ株式会社
【識別番号】500569018
【氏名又は名称】株式会社メイズ
【識別番号】503255224
【氏名又は名称】安倍 真澄
発明者または考案者 【氏名】安倍 真澄
【氏名】齋藤 俊行
【氏名】服部 篤
【氏名】佐藤 伸司
【氏名】笠間 康次
個別代理人の代理人 【識別番号】100058479、【弁理士】、【氏名又は名称】鈴江 武彦
【識別番号】100084618、【弁理士】、【氏名又は名称】村松 貞男
【識別番号】100092196、【弁理士】、【氏名又は名称】橋本 良郎
【識別番号】100091351、【弁理士】、【氏名又は名称】河野 哲
【識別番号】100088683、【弁理士】、【氏名又は名称】中村 誠
【識別番号】100058479、【弁理士】、【氏名又は名称】鈴江 武彦
【識別番号】100058479、【弁理士】、【氏名又は名称】鈴江 武彦
【識別番号】100084618、【弁理士】、【氏名又は名称】村松 貞男
【識別番号】100092196、【弁理士】、【氏名又は名称】橋本 良郎
【識別番号】100091351、【弁理士】、【氏名又は名称】河野 哲
【識別番号】100088683、【弁理士】、【氏名又は名称】中村 誠
審査官 【審査官】中野 あい
参考文献・文献 国際公開第98/051789(WO,A1)
蛋白質・核酸・酵素, 2003年, vol. 48, no. 11, p. 1443-1449
Nucleic Acids Res., 2003年, vol. 31, no. 16, p. e94
Nucleic Acids Res., 1995年, vol. 23, no. 21, p. 4407-4414
調査した分野 C12N 15/00-15/90
C12Q 1/68
BIOSIS/MEDLINE/WPIDS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII)
特許請求の範囲 【請求項1】
遺伝子発現プロファイルを作製する方法であって、
(a)細胞から抽出されたmRNAに対して、その5’末端にタグ物質を付加されたcDNAを合成する工程と、
(b)得られた反応産物を第1の制限酵素Xによって切断する工程と、
(c)第1の制限酵素Xの認識切断部位の配列に相補的な一本鎖配列と、それに隣接するPCRプライマーがアニールできる長さの二本鎖配列とからなるXアダプターを、工程bで得られた断片に対して結合させる工程と、
(d)前記タグ物質に高親和性を有する物質に結合することにより、工程cで得られた断片を回収する工程と、
(e)工程dで回収された断片を第2の制限酵素Yで切断し、前記タグ物質に結合した断片を取り除くことにより、切断されたcDNAの5’側を含む断片を得る工程と、
(f)工程eにおいて得られた断片に対して、第2の制限酵素Yの認識切断部位の配列に相補的な一本鎖配列と、それに隣接するPCRプライマーがアニールできる長さの二本鎖配列とからなるYアダプターを付加する工程と、
(g)前記Xアダプターの配列に相補的な配列とその3’末端の任意の2塩基配列であるNNとからなるXプライマーと、前記Yアダプターの配列に相補的な配列とその3’末端の任意の2塩基配列であるNNとからなるYプライマーとを用いて、工程fで得られた断片についてPCR反応を行う工程と、
(h)得られたPCR産物を電気泳動し、移動距離とピークを検出することによって遺伝子発現プロファイルを作製する工程と、
を具備し、
前記制限酵素Xおよび前記制限酵素Yが、以下に示す酵素の群からそれぞれ選択されることを特徴とする方法;AspLEI、BfaI、BscFI、BsiSI、Bsp143I、CfoI、Csp6I、DpnII、HapII、HhaI、Hin2I、Hin6I、HinP1I、HpaII、Hsp92II、HspAI、Kzo9I、MaeI、MboI、MseI、MspI、NdeII、NlaIII、Sau3AI、Sse9I、TaqI、Tru1I、Tru9I、Tsp509I、TspEIおよびTthHB8I
【請求項2】
請求項1に記載の遺伝子発現プロファイルを作製する方法であって、前記Xプライマーが、更に、その5’末端に蛍光物質が付加されており、それによって、前記PCR産物の電気泳動の結果を前記蛍光物質の蛍光量を検出することにより行うことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の遺伝子発現プロファイルを作製する方法であって、前記制限酵素XがMspIであり、且つ前記制限酵素YがMseIであることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1に記載の遺伝子発現プロファイルを作製する方法であって、前記Xプライマーに含まれるNNとYプライマーに含まれるNNが、アデニン、チミン、グアニンおよびシトシンを組み合わせて設計され、且つ全部で256種類のXおよびYプライマーセットが使用されることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の遺伝子発現プロファイルを作製する方法であって、前記タグ物質とタグ物質に高親和性を有する物質の組合せが、ビオチンとストレプトアビジン、ビオチンとアビジン、FITCとFITC抗体、DIGとアンタイDIG、プロテインAとマウスIgG、およびラテックス粒子からなる群より選択されることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1に記載の遺伝子発現プロファイルを作製する方法であって、
前記PCR産物を電気泳動し、移動距離とピークを検出することにより遺伝子発現プロファイルを作製する工程の後に、更に、
検出されたピークを回収してそこに含まれるPCR産物の配列をシーケンシングによって決定し、発現された遺伝子を同定する工程を具備する方法。
【請求項7】
請求項1に記載の遺伝子発現プロファイルを作製する方法であって、
更に、前記制限酵素Xおよび制限酵素Yの認識配列と、工程aで得られた反応産物を制限酵素Xおよび制限酵素Yで切断して得られる断片の長さと、任意のデータバンクから入手したデータとを、コンピューター上で比較することによって、発現された遺伝子を同定する工程を具備する方法。
【請求項8】
遺伝子発現プロファイルを作製する方法であって、
(a)細胞から抽出されたmRNAに対して、その5’末端にタグ物質を付加されたcDNAを合成し、得られた合成産物を2つの分画に分ける工程と、
(b)第1の合成産物分画を第1の制限酵素Xによって切断する工程と、
(c)第1の制限酵素Xの認識切断部位の配列に相補的な一本鎖配列と、それに隣接するPCRプライマーがアニールできる長さの二本鎖配列とからなるXアダプターを、工程bで得られた断片に対して結合させる工程と、
(d)前記タグ物質に高親和性を有する物質に結合することにより、工程cで得られた断片を回収する工程と、
(e)工程dで回収された断片を第2の制限酵素Yで切断し、前記タグ物質に結合した断片を取り除くことにより、切断されたcDNAの5’側を含む断片を得る工程と、
(f)工程eで得られた断片に対して、第2の制限酵素Yの認識切断部位の配列に相補的な一本鎖配列と、それに隣接するPCRプライマーがアニールできる長さの二本鎖配列とからなるYアダプターを付加する工程と、
(g)前記Xアダプターの配列に相補的な配列とその3’末端の任意の2塩基配列であるNNとからなるXプライマーと、前記Yアダプターの配列に相補的な配列とその3’末端の任意の2塩基配列であるNNとからなるYプライマーとを用いて、前記工程fで得られた断片についてPCR反応を行う工程と、
(h)工程aで得られた第2の合成産物分画を前記制限酵素Yによって切断する工程と、
(i)前記制限酵素Yの認識切断部位の配列に相補的な配列一本鎖配列と、それに隣接するPCRプライマーがアニールできる長さの二本鎖配列とからなるY’アダプターを、工程hで得られた断片に対して結合させる工程と、
(j)前記タグ物質に高親和性を有する物質に結合することにより、工程iで得られた断片を回収する工程と、
(k)工程jで回収された断片を制限酵素Xで切断し、前記タグ物質に結合した断片を取り除くことにより、切断されたcDNAの5’側を含む断片を得る工程と、
(l)工程kで得られた断片に対して、前記制限酵素Xの認識切断部位の配列に相補的な一本鎖配列と、それに隣接するPCRプライマーがアニールできる長さの二本鎖配列とからなるX’アダプターを付加する工程と、
(m)前記Y’アダプターの配列に相補的な配列とその3’末端の任意の2塩基配列であるNNとからなるY’プライマーと、前記X’アダプターの配列に相補的な配列とその3’末端の任意の2塩基配列であるNNとからなるX’プライマーとを用いて、PCR反応を行う工程と、
(n)工程gと工程mにおいて得られたPCR産物を電気泳動し、移動距離とピークを検出することによって発現プロファイルを作製する工程と、
を具備し、
前記制限酵素Xおよび前記制限酵素Yが、以下に示す酵素の群からそれぞれ選択されることを特徴とする方法;AspLEI、BfaI、BscFI、BsiSI、Bsp143I、CfoI、Csp6I、DpnII、HapII、HhaI、Hin2I、Hin6I、HinP1I、HpaII、Hsp92II、HspAI、Kzo9I、MaeI、MboI、MseI、MspI、NdeII、NlaIII、Sau3AI、Sse9I、TaqI、Tru1I、Tru9I、Tsp509I、TspEIおよびTthHB8I。
【請求項9】
請求項8に記載の遺伝子発現プロファイルを作製する方法であって、工程gにおいて使用される前記Xプライマーが、更に、その5’末端に蛍光物質が付加されており;および
工程mにおいて使用される前記Y’プライマーが、更に、その5’末端に蛍光物質が付加されており;
それによって、前記PCR産物の電気泳動の結果を該蛍光物質の蛍光量を検出することにより行うことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項8に記載の遺伝子発現プロファイルを作製する方法であって、前記制限酵素XがMspIであり、且つ前記制限酵素YがMseIであることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項8に記載の遺伝子発現プロファイルを作製する方法であって、前記Xプライマーに含まれるNNとYプライマーに含まれるNNが、アデニン、チミン、グアニンおよびシトシンを組み合わせて設計され、且つ全部で256種類のXおよびYプライマーセットが使用されることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項8に記載の遺伝子発現プロファイルを作製する方法であって、前記タグ物質とタグ物質に高親和性を有する物質の組合せが、ビオチンとストレプトアビジン、ビオチンとアビジン、FITCとFITC抗体、DIGとアンタイDIG、プロテインAとマウスIgG、およびラテックス粒子からなる群より選択されることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項8に記載の遺伝子発現プロファイルを作製する方法であって、
前記PCR産物を電気泳動し、移動距離とピークを検出することにより遺伝子発現プロファイルを作製する工程の後に、更に、
検出されたピークを回収してそこに含まれるPCR産物の配列をシーケンシングによって決定し、発現された遺伝子を同定する工程を具備する方法。
【請求項14】
請求項8に記載の遺伝子発現プロファイルを作製する方法であって、
更に、前記制限酵素Xおよび制限酵素Yの認識配列と、工程aで得られた反応産物を制限酵素Xおよび制限酵素Yで切断して得られる断片の長さと、任意のデータバンクから入手したデータとを、コンピューター上で比較することによって、発現された遺伝子を同定する工程を具備する方法。
【請求項15】
遺伝子発現頻度を解析する方法であって、
(1)コントロール細胞と被検細胞との両方について、以下の工程を行うことによって、遺伝子発現プロファイルを作製する工程と;
(a)細胞から抽出されたmRNAに対して、その5’末端にタグ物質を付加されたcDNAを合成する工程と、
(b)得られた反応産物を第1の制限酵素Xによって切断する工程と、
(c)第1の制限酵素Xの認識切断部位の配列に相補的な一本鎖配列と、それに隣接するPCRプライマーがアニールできる長さの二本鎖配列とからなるXアダプターを、工程bで得られた断片に対して結合させる工程と、
(d)前記タグ物質に高親和性を有する物質に結合することにより、工程cで得られた断片を回収する工程と、
(e)工程dで回収された断片を第2の制限酵素Yで切断し、前記タグ物質に結合した断片を取り除くことにより、切断されたcDNAの5’側を含む断片を得る工程と、
(f)工程eにおいて得られた断片に対して、第2の制限酵素Yの認識切断部位の配列に相補的な一本鎖配列と、それに隣接するPCRプライマーがアニールできる長さの二本鎖配列とからなるYアダプターを付加する工程と、
(g)前記Xアダプターの配列に相補的な配列とその3’末端の任意の2塩基配列であるNNとからなるXプライマーと、前記Yアダプターの配列に相補的な配列とその3’末端に任意の2塩基配列とからなるYプライマーとを用いて、工程fで得られた断片についてPCR反応を行う工程と、
(h)得られたPCR産物を電気泳動し、移動距離とピークを検出することによって遺伝子発現プロファイルを作製する工程と;並びに
(2)前記工程(1)により得られた2つの遺伝子発現プロファイルを比較することにより被検細胞の遺伝子発現頻度の変化を解析する工程と
を具備し、
前記制限酵素Xおよび前記制限酵素Yが、以下に示す酵素の群からそれぞれ選択されることを特徴とする方法;AspLEI、BfaI、BscFI、BsiSI、Bsp143I、CfoI、Csp6I、DpnII、HapII、HhaI、Hin2I、Hin6I、HinP1I、HpaII、Hsp92II、HspAI、Kzo9I、MaeI、MboI、MseI、MspI、NdeII、NlaIII、Sau3AI、Sse9I、TaqI、Tru1I、Tru9I、Tsp509I、TspEIおよびTthHB8I。
【請求項16】
遺伝子発現頻度を解析する方法であって、
(1)コントロール細胞と被検細胞との両方について、以下の工程を行うことによって、遺伝子発現プロファイルを作製する工程と;
(a)細胞から抽出されたmRNAに対して、その5’末端にタグ物質を付加されたcDNAを合成し、得られた合成産物を2つの分画に分ける工程と、
(b)第1の合成産物分画を第1の制限酵素Xによって切断する工程と、
(c)第1の制限酵素Xの認識切断部位の配列に相補的な一本鎖と、それに隣接するPCRプライマーがアニールできる長さの二本鎖配列とからなるXアダプターを、工程bで得られた断片に対して結合させる工程と、
(d)前記タグ物質に高親和性を有する物質に結合することにより、工程cで得られた断片を回収する工程と、
(e)工程dで回収された断片を第2の制限酵素Yで切断し、前記タグ物質に結合した断片を取り除くことにより、切断されたcDNAの5’側を含む断片を得る工程と、
(f)工程eで得られた断片に対して、第2の制限酵素Yの認識切断部位の配列に相補的な一本鎖配列と、それに隣接するPCRプライマーがアニールできる長さの二本鎖配列とからなるYアダプターを付加する工程と、
(g)前記Xアダプターの配列に相補的な配列とその3’末端の任意の2塩基配列であるNNとからなるXプライマーと、前記Yアダプターの配列に相補的な配列とその3’末端の任意の2塩基配列であるNNとからなるYプライマーとを用いて、前記工程fで得られた断片についてPCR反応を行う工程と、
(h)工程aで得られた第2の合成産物分画を前記制限酵素Yによって切断する工程と、
(i)前記制限酵素Yの認識切断部位の配列に相補的な一本鎖配列と、それに隣接するPCRプライマーがアニールできる長さの二本鎖配列とからなるY’アダプターを、工程hで得られた断片に対して結合させる工程と、
(j)前記タグ物質に高親和性を有する物質に結合することにより、工程iで得られた断片を回収する工程と、
(k)工程jで回収された断片を制限酵素Xで切断し、前記タグ物質に結合した断片を取り除くことにより、切断されたcDNAの5’側を含む断片を得る工程と、
(l)工程kで得られた断片に対して、前記制限酵素Xの認識切断部位の配列に相補的な一本鎖配列と、それに隣接するPCRプライマーがアニールできる長さの二本鎖配列とからなるX’アダプターを付加する工程と、
(m)前記Y’アダプターの配列に相補的な配列とその3’末端の任意の2塩基配列であるNNとからなるY’プライマーと、前記X’アダプターの配列に相補的な配列とその3’末端の任意の2塩基配列であるNNとからなるX’プライマーとを用いて、PCR反応を行う工程と、
(n)工程gと工程mにおいて得られたPCR産物を電気泳動し、移動距離とピークを検出することによって発現プロファイルを作製する工程と;並びに
(2)前記工程1により得られた2つの遺伝子発現プロファイルを比較することにより被検細胞の遺伝子発現頻度の変化を解析する工程と
を具備し、
前記制限酵素Xおよび前記制限酵素Yが、以下に示す酵素の群からそれぞれ選択されることを特徴とする方法;AspLEI、BfaI、BscFI、BsiSI、Bsp143I、CfoI、Csp6I、DpnII、HapII、HhaI、Hin2I、Hin6I、HinP1I、HpaII、Hsp92II、HspAI、Kzo9I、MaeI、MboI、MseI、MspI、NdeII、NlaIII、Sau3AI、Sse9I、TaqI、Tru1I、Tru9I、Tsp509I、TspEIおよびTthHB8I。
発明の詳細な説明 本出願は、平成12年12月12日に出願された日本国特許出願番号2000-377887号に基づいてなされたものであり、前記出願に基づく優先権を主張するものである。前記出願は、引用することにより本明細書に組み込まれる。
〔技術分野〕
本発明は、遺伝子の発現プロファイルを作製する方法、および遺伝子発現頻度を解析する方法に関する。
〔背景技術〕
西暦2000年、ヒトゲノムの全配列が決定されつつある。これにより得られた膨大なる情報は、全ての遺伝子および特定の細胞において発現されるそれらの遺伝子産物を含むネットワークを総括的に理解するための基礎となるであろう。
現在、そのようなネットワークを解明するための手段として使用される方法には以下のようなものがある。例えば、US5262311およびUS5599672に開示されるディファレンシャルディスプレー法、特表平10-511002に開示される遺伝子発現の逐次分析法(即ち、serial analysis of gene expression、以下SAGEと略す)、並びにUSP5807522、USP5700637およびUSP5744305に開示されるマイクロアレイおよびDNAチップ等である。
ディファレンシャルディスプレー法は、細胞から調製したcDNAを基質として用いる方法である。前記cDNAに対して、複数種類のアンカープライマーと任意のプライマーを用いてPCRを行うことにより、細胞における種々の任意の遺伝子発現が解析される。しかしながらこの方法は、全遺伝子のうちの一部分のみを分析できるに過ぎない。また、アンカープライマーと任意のプライマーを用いるため、再現性に乏しいことが問題である。
これに対して、細胞における全発現遺伝子について発現プロフィールを得ることを可能にした方法がSAGEである。SAGEでは、細胞から調製されたmRNAを用いて調製されたcDNAを用いて解析を行う。調製されたcDNAに対して制限酵素を処理し、9から11塩基対程度の断片を切り出し、得られた種々のcDNA由来の断片をライゲーションした後で、シーケンシングを行う。しかしながら、SAGEでは、全発現遺伝子の50%程度の種類についての情報を得るためには、約10万回のシーケンシングが必要であり、非常にコストが高いものである。また、cDNA由来の断片が短く、実際には、断片からの遺伝子単離が不可能なものも多い。
US5807522のマイクロアレイ、並びにUSP5700637およびUSP5744305のDNAチップは、固相に既知の遺伝子のプローブを固定したものである。当該プローブにサンプルをハイブリダイゼーションすることにより、遺伝子の発現プロフィールを得る方法である。これらの方法では、検出対象となる遺伝子はその配列が既知でなくてはならない。
〔発明の開示〕
本発明の第1の目的は、広い範囲に亘る遺伝子の発現プロファイルを作製することが可能な方法を提供することである。また、本発明の第2の目的は、広範囲の遺伝子に関してその発現頻度を解析する方法を提供することである。
上記第1の目的は、遺伝子発現プロファイルを作製する方法であって、
(a)細胞から抽出されたmRNAに対して、その3’末端にタグ物質を付加されたcDNAを合成する工程と、
(b)得られた反応産物を第1の制限酵素Xによって切断する工程と、
(c)第1の制限酵素Xの制限酵素切断部位の配列に相補的な配列を有するXアダプターを、工程bで得られた断片に対して結合させる工程と、
(d)前記タグ物質に高親和性を有する物質に結合することにより、工程cで得られた断片を回収する工程と、
(e)工程dで回収された断片を第2の制限酵素Yで切断して、前記タグ物質に結合した断片を取り除くことにより、切断されたcDNAの5’側を含む断片を得る工程と、
(f)工程eにおいて得られた断片に対して、第2の制限酵素Yの認識切断部位の配列に相補的な配列を有するYアダプターを付加する工程と、
(g)前記Xアダプターの配列に相補的な配列を有し且つその3’末端に任意の2塩基配列であるNNを有するプライマーと、前記Yアダプターの配列に相補的な配列を有し且つその3’末端に任意の2塩基配列であるNNを有するプライマーとを用いて、前記工程fで得られた断片についてPCR反応を行う工程と、
(h)得られたPCR産物を電気泳動し、移動距離とピークを検出することによって遺伝子発現プロファイルを作製する工程と、
を具備する方法によって達成される。
上記第2の目的は、遺伝子発現頻度を解析する方法であって、
(a)コントロール細胞と被検細胞との両方について、上記の遺伝子発現プロファイルを作製する方法を用いて遺伝子発現プロファイルを作製する工程と、
(b)得られた2つの遺伝子発現プロファイルを比較することにより被検細胞の遺伝子発現頻度の変化を解析する工程とを具備する方法
によって達成される。
本発明の更なる目的および利点は、以下に続く記載および実施例において説明されるであろう。それらの記載および実施例によって本願発明はより明白に理解され得るであろう。また、本発明の目的および利点は、以下に示される方法および組み合わせの手段によって詳細に理解され、且つ達成され得る。
〔発明を実施するための最良の形態〕
1.発明の概要
本発明者らは、特定の細胞において発現される遺伝子を如何に分類するかによって、遺伝子発現プロファイルの作製に掛かる操作の煩雑性やコストパフォーマンスが大きく変わることを見出した。そのような知見を基に鋭意研究を行った結果、本発明が達成された。
本発明の1つの態様に従うと、特定の細胞において発現される遺伝子のほぼ全てを包含するような広い範囲に亘る遺伝子の発現プロファイルを一度に且つ簡便に作製することが可能な方法が提供される。発現されるほぼ全ての遺伝子の識別が可能であることにより、従来の方法よりも格段に多くの発現遺伝子が識別できる。
本発明の1態様は、制限酵素DNA断片長とポリメラーゼ連鎖反応(即ち、PCR)を基に開発された遺伝子発現プロファイル法である。そのような遺伝子発現プロファイル方法によって、発現される殆ど全ての遺伝子、即ち、公知の遺伝子も未知の遺伝子も同様に、識別することが可能である。また、この方法は、1つ1つの遺伝子を漏れなく、夫々に識別して検出することが可能である。その上、それらの発現頻度を決定することも可能である。
本発明の遺伝子発現プロファイルを作製する方法の基本となる特徴の1つは、特定の細胞において発現された遺伝子を以下のように分類することにある。特定の細胞において発現されるmRNAは、約20000種類であると考えられている。まず、発現されたmRNAからcDNAを合成する。得られた二本鎖cDNAを適切な2つの制限酵素によって切断し、夫々に識別可能なだけの長さを有した断片を作製する。その後、得られた断片の一部分の配列を認識して256分画に分類する。この分類は、先ず任意に設計された256種類のプライマーセットを用いて行われる。相対的な発現量を反映したままで、プライマーセット毎または幾つかのプライマーセット毎に前記断片を増幅し、前記断片を分類する。分類され、且つ得られた分画、例えば、256分画の夫々について、1分画毎に電気泳動を行い、その成分を分離する。このようにして、1つの細胞から得られた発現遺伝子の情報は、解析可能な程度にまで分類される。それによって、殆ど全ての遺伝子を漏れなく、1つ1つの遺伝子の発現量を正確に捉えることが可能な遺伝子発現プロファイルが、簡便に作製される。
例えば、256分画に分類する具体的な手段を図1を用いて説明する。発現されたmRNAからなる群1からcDNA群2を合成する。これを適切な2つの制限酵素によって切断してcDNA断片群3を得る。このcDNAの両末端の各2塩基、全4塩基の配列に応じて、即ち、それらの配列がアデニン(以下Aと略す)、グアニン(以下Gと略す)、シトシン(以下Cと略す)またはチミン(以下Tと略す)の何れであるかによって分類する。即ち、5’末端(図1においては黒色により示す)の塩基によってまず4つの集団4に分類される。これは次の塩基によって更に16の集団5に分類され、更に3’末端の2番目の塩基によって64の集団6に分類され、更に3’末端の塩基により256の集団7に分類される。一般的に発現されるmRNAの種類から推測すると、最終的に得られる256の集団7には、夫々、約80から約100種類のcDNAが含まれることになる。即ち、夫々の集団を電気泳動すれば、約80から約100のピークが検出されるであろう。従って、特定の細胞から得られた全mRNAは、約80から約100のピークを有した256のチャートとして表現される。即ち、この256のチャートによって、発現された遺伝子についてのプロファイルが構成される。例えば、そのようなプロファイルに含まれる1チャートの例は図3に示す通りである。図3のチャートは、断片の分類後に、各分画をPCRにより増幅し、反応産物を電気泳動して得た1分画に含まれる成分を示すチャートである。
また、本発明の特徴の1つは、発現したmRNAから得たcDNAを適切な2種類の制限酵素、好ましくは、MspIとMseI、を用いて適切に切断することである。適切に切断することによって上記の分類を達成することが可能になる。以下、本発明を更に詳しく説明する。
2.詳細な説明
(1)遺伝子発現プロファイル
本発明の遺伝子発現プロファイルを作製する方法は、基本的には以下の工程を具備する。即ち、
(a)細胞から抽出されたmRNAに対して、その3’末端にタグ物質を付加されたcDNAを合成する工程と、
(b)得られた反応産物を第1の制限酵素Xによって切断する工程と、
(c)第1の制限酵素Xの制限酵素切断部位の配列に相補的な配列を有するXアダプターを、工程bで得られた断片に対して結合させる工程と、
(d)前記タグ物質に高親和性を有する物質に結合することにより、工程cで得られた断片を回収する工程と、
(e)工程dで回収された断片を第2の制限酵素Yで切断し、前記タグ物質に結合した断片を取り除くことにより、切断されたcDNAの5’側を含む断片を得る工程と、
(f)工程eにおいて得られた断片に対して、第2の制限酵素Yの認識切断部位の配列に相補的な配列を有するYアダプターを付加する工程と、
(g)前記Xアダプターの配列に相補的な配列を有し且つその3’末端に任意の2塩基配列であるNNを有するプライマーと、前記Yアダプターの配列に相補的な配列を有し且つその3’末端に任意の2塩基配列であるNNを有するプライマーとを用いて、前記工程fで得られた断片についてPCR反応を行う工程と、
(h)得られたPCR産物を電気泳動し、移動距離とピークを検出することによって遺伝子発現プロファイルを作製する工程である。
ここで、特に断りのないかぎり、センス鎖(鋳型となるmRNAに相同な配列)の5’側を二本鎖cDNAの5’側とし、センス鎖の3’側を二本鎖cDNAの3’側とする。
本願発明の遺伝子発現プロファイルを作製する方法の具体的な例を図2を用いて説明する。ここで、図2における各アルファベットは塩基配列を構成する塩基を示す。Aはアデニン(以下Aと略す)、Gはグアニン(以下Gと略す)、Cはシトシン(以下Cと略す)およびTはチミン(以下Tと略す)を示す。また、ここでは、N、W、X、YおよびZは任意の塩基を示す。また、XとY、およびWとZは、互いに相補的に結合する。また、上記の工程(a)から工程(h)の工程と図2における工程aから工程hは、夫々のアルファベット同士で対応する。
まず、試験対象となる特定の細胞からmRNA11を抽出する。
抽出されたmRNA11の3’末端のポリAテイルに相補的なオリゴdTプライマーをビオチン13で標識化する。これをプライマーとして用いてcDNAを合成し、二本鎖12を得る(図2、工程a)。ここでは、タグ物質としてビオチンを使用した例を示す。
二本鎖12を4塩基認識制限酵素であるMspIを第1の制限酵素Xとして用いて切断する(図2、工程b)。ここでは、第1の制限酵素XとしてMspIを使用した例を示す。
その後、ストレプトアビジン14を用いてビオチン13を捕捉する。これにより、切断された二本鎖cDNAの3’側を捕捉する(図2、工程c)。ここでは、タグ物質に高親和性を有する物質としてストレプトアビジンを使用した例を示す。
回収された二本鎖cDNAの5’側に、第1の制限酵素X、即ち、MspI、の認識切断部位に相補的な配列を有するXアダプター15を結合させる(図2、工程d)。
これを第2の制限酵素Yである制限酵素MseIを用いて切断する(図2、工程e)。ここでは、第2の制限酵素YとしてMseIを使用した例を示す。
次に、制限酵素Y、即ち、MseI、の認識切断部位に相補的な配列を有するYアダプター16を付加する(図2、工程f)。以上の処理によって、当該二本鎖の両末端に既知配列を含む二本鎖配列17が構築される。
次に、この二本鎖配列17を鋳型として用い、蛍光色素で標識した二本鎖cDNAの5’側の(アンチセンス鎖用)のPCRプライマー18と、蛍光標識を持たない二本鎖cDNAの3’側の(センス鎖用)プライマー19を用いてPCR反応を行う(図2、工程g)。ここでは、前記PCRのためのXプライマー18およびYプライマー19は、夫々、前記アダプター、即ち、XアダプターおよびYアダプターの配列に相補的な配列と、増幅させる方向に更に2塩基とを有する配列を使用する。前記任意の2塩基は、A、G、CおよびTの4種類の塩基の組み合わせから得られる全ての配列が含まれるように設計されているので、合計256種類のプライマーセットが得られる。即ち、これらのプライマーセットを用いて、全ての当該二本鎖のcDNAについてPCRを行うことにより、存在する全cDNAを256の群に分類すると共にPCR増幅を行うことが可能である。当該プライマーセットの任意の計4塩基の組合せを図4に示した。図4にはAA-AAからTA-GAまでの組合せを記載した。
最終工程である図1の工程hにおいて、得られた256の分画のPCR産物を電気泳動し、ピークを測定することによって遺伝子発現プロファイルを得る(図1、工程h)。得られた256の分画のうちの1分画を電気泳動した場合に得られる結果は、例えば、図3に示すチャートとして得られる。縦軸には、蛍光強度を指標とした発現量が示される。横軸には、電気泳動の移動距離を指標とした分子量を示す。
また、前記工程cと工程dの順番を入れ替えることも可能である。即ち、前記工程dを工程cに先駆けて行ってもよい。
更に、第1の制限酵素を第2の制限酵素とし、第2の制限酵素を第1の制限酵素として使用することによって、より多くの遺伝子についての切断が可能になり、それによって検出感度が向上する。
即ち、上記工程aで得られた二本鎖12を2つに分けて、cDNAミックスAとcDNAミックスBとし、cDNAミックスAに関しては上述の通りに工程bからhを行い、それと並行してまたは逐次的に、cDNAミックスBに関して次のように処理を行うことも可能である。即ち、cDNAミックスBは、第1の制限酵素として制限酵素MseIを用い、第2の制限酵素として制限酵素MspIを用いて、その他の点は上述の方法と同様に処理する。このように、第1の制限酵素と第2の制限酵素を交換して使用することにより、交換しない場合には検出されなかった遺伝子についても検出することが可能となる。
cDNAミックスBの処理は、具体的には、cDNAミックスBに含まれる二本鎖12を4塩基認識制限酵素であるMseIを用いて切断する。その後、制限酵素MseIの認識切断部位に相補的な配列を有するMseIアダプターを結合させ、ストレプトアビジンを用いてビオチンを捕捉し、切断された二本鎖12の3’側を回収する。次に、これを制限酵素MspIを用いて切断する。続いて、制限酵素MspIの認識切断部位に相補的な配列を有するMspIアダプターを付加する。以上の処理によって、当該二本鎖12の両末端に既知配列を含む配列が構築される。次に、この配列について、蛍光色素で標識したXプライマー18と、蛍光標識を持たないYプライマー19を用いて、cDNAについてPCR反応を行う。ここで、前記2つのプライマー18および19は、夫々の当該アダプター、即ち、YアダプターおよびXアダプターに相補的な配列に加えて、増幅させる方向に更に2塩基を付加したものを使用する。付加する任意の2塩基は、A、G、CおよびTの4種類の塩基の組み合わせから得られ得る全ての配列が含まれるように設計されるので、合計256種類のプライマーセットが得られる(図2工程aから工程f、具体的な256種類のNN-NN塩基配列は図4に示す)。即ち、これらのプライマーセットを用いて全てのcDNAについてPCRを行うことにより、存在する全種類のcDNAを256の群に分類することが可能である。得られた256群のPCR産物を電気泳動し、移動距離とピークを測定することによって遺伝子発現プロファイルが得られる。
本発明の態様に従う方法により分類される発現遺伝子は、図5に示すとおり、例えばマウスの場合、無作為に選択した100個のマウスの遺伝子の約85%が識別され検出される。即ち、第1の制限酵素としてMspIを使用し第2の制限酵素としてMseIを使用した場合には、発現された遺伝子の約66%が切断される。第1の制限酵素としてMseIを使用し、第2の制限酵素としてMspIを使用した場合には、発現した遺伝子の約19%が切断される。従って、第1の制限酵素と第2の制限酵素を交換することによって、全体としては、発現された遺伝子の約85%が識別され検出される。これにより、より正確に遺伝子プロファイルを作製することが可能である。従来の方法において識別される遺伝子の割合は、通常では20から30%、最高でも50%である。従って、本発明の態様に従う方法により作成された遺伝子発現プロファイルにおいて識別される遺伝子の割合は、従来の割合よりも飛躍的に向上されたものである。理論的には1細胞に含まれる遺伝子のほぼ全てを認識できると言える。
ここで使用される「遺伝子発現プロファイル」語は、ある条件下における特定の細胞における遺伝子の発現パターン、公知および未知遺伝子の発現の有無、発現される全ての遺伝子の発現量等を含む情報を示すものである。また、当該遺伝子発現プロファイルは、遺伝子の発現を解析するための手段として使用することが可能である。
ここで使用される「ポリAテイル」とは、一般的にポリAとも称されるmRNAの3’末端の配列を指す。また、ポリAテイルに相補的な配列を有した「オリゴdTプライマー」によって、当該ポリAテイルを有するmRNAからcDNAは合成され得る。ここで使用される「オリゴdTプライマー」は、一般的にはオリゴ(dT)プライマーとも称される。オリゴdTプライマーによるcDNAの合成は、一般的に行われる何れかの条件により達成することが可能である。
ここで使用される「タグ物質」および「タグ物質に高親和性を有する物質」とは、互いに高親和性をもって特異的に結合することが可能な結合対を構成する一方の物質を指す。上述の項目、即ち、「(1)遺伝子発現プロファイル」において記載した例においては、タグ物質としてビオチンを、タグ物質に高親和性を有する物質としてストレプトアビジンを使用しているが、これに限るものではない。互いに高親和性をもって特異的に結合するこが可能な結合対であれば使用することが可能である。本発明に使用可能なタグ物質とタグ物質に高親和性を有する物質の組合せの例は、ビオチンとストレプトアビジン、ビオチンとアビジン、FITCとFITC抗体、DIGとアンタイDIG、プロテインAとマウスIgG、およびラテックス粒子等を含むが、これに限るものではない。また、各組合せにおいて、どちらがタグ物質として使用されても、どちらがタグ物質に高親和性を有する物質として使用されてもよい。
ここで使用される「制限酵素」とは、一般的に、制限エンドヌクレアーゼとも称される酵素であり、特定の配列において二本鎖DNAを加水分解し切断する酵素である。本発明の態様に従う方法においては、適切な断片を得るために2種類の制限酵素XおよびYを組み合わせて使用する。本発明に使用可能な制限酵素は、発現された遺伝子であるmRNAから合成されたcDNAからなる二本鎖を、識別可能な長さを有する断片に切断することが可能な酵素が好ましい。また、得られた当該二本鎖のより多くを、好ましくは殆ど全ての二本鎖を切断するような酵素が好ましい。そのような酵素の例を表1に示す。表1の酵素から何れか2つを選択し、組み合わせて使用することが可能である。また、表1に示した酵素は4塩基認識酵素であるが、その他の4塩基認識酵素、または6塩基認識酵素を使用してもよい。特に、本発明の態様に従う方法では、4塩基認識酵素の使用が好ましく、より好ましくはMspIとMseIとを組み合わせて使用することが好ましい。上述の例においては、制限酵素XとしてMspI(またはMseI)を、制限酵素YとしてMseI(またはMspI)を用いた。
JP0004437171B2_000002t.gifここで使用される「アダプター」とは、最終的なPCR増幅の際に用いるプライマーを結合させるために用いるものである。使用されるアダプターは、使用する制限酵素に応じて設計される。即ち、制限酵素Xの認識切断部位に結合するためのXアダプターは、制限酵素Xの認識切断部位に相補的な配列を含み、更に任意の配列を有してもよい。更なる任意の配列および塩基の長さは、PCRの効率等を考慮して設計することが可能である。好ましくは、Xアダプターは15塩基前後で設計され得る。それによって安定したPCRが行える。制限酵素Yの認識切断部位に結合するためのYアダプターは、制限酵素Yの認識切断部位に相補的な配列を含み、更に任意の配列を有する。更なる任意の配列および塩基の長さは、PCRの効率等を考慮して設計することが可能である。好ましくはYアダプターは15塩基前後で設計され得る。それによって安定したPCRが行える。
例えば、制限酵素XとしてMspIを使用する場合の好ましいXアダプターの配列を図6(a)に、制限酵素XとしてMseIを使用する場合の好ましいXアダプターの配列を図6(b)に示した。また、制限酵素YとしてMspIを使用する場合の好ましいYアダプターの配列を図6(c)に、制限酵素YとしてMseIを使用する場合の好ましいアダプターの配列を図6(d)に示した。しかしながら、これらに限定されるものではない。
工程gにおいて使用される「プライマーセット」とは、工程fにおいて得られた二重鎖cDNAをPCRにより増幅するために使用する1組のXとYプライマーからなる。詳しくは上述した通りである。ここで使用される「任意の2塩基配列であるNN」は、アデニン、チミン、グアニンおよびシトシンから任意に選択される配列である。上述した通り、任意の配列を2塩基(即ち、NN)とした場合、1サンプルのPCRによって得られるチャートには、約80から約100のピークが含まれる。ここで、各任意の配列を2塩基としたのは、当該方法の簡便性と解析精度を考慮した結果である。従って、本発明の態様に従う方法においては、好ましくは各任意の配列は2塩基NNであり、好ましいプライマーセットの数は256である。しかしながら、これに限定されるものでない。当該2つのプライマーに夫々含まれる任意の2塩基配列NNを、何れかのプライマー(XまたはYプライマー)または両方のプライマー(XおよびYプライマー)について3塩基以上とすることも可能である。それによってプライマーセットに含まれるプライマーの種類が増える。その場合、得られる分画は、夫々、1024または4096となる。
また、本発明の態様に従うと、PCRの後の検出を容易にするために、当該プライマーの何れかの末端に蛍光物質を予め結合しておくことが好ましい。好ましくは、Xアダプターに相補的な配列を有するXプライマーの5’末端に結合される。本発明の方法において使用することが可能な蛍光物質は、6-カルボキシフルオレッセイン(以下、FAMと称す)、4,7,2’,4’,5’,7’-ヘキサクロロ-6-カルボキシフルオレッセイン(以下、HEXと称す)、NED(アプライドバイオシステムズジャパン社)および6-カルボキシ-X-ローダミン(以下、Roxと称す)等が含まれる。
本発明の態様に従い実施されるPCR反応は、一般的に行われる条件下で実施されてよい。例えば、95℃1分、(95℃20秒、68℃30秒、72℃1分)×28回、60℃30分のような条件下において行い得る。
本発明の態様に従って使用可能な電気泳動手段は、一般的に分子量により試料を分離することが可能な電気泳動手段であれば何れの手段であってもよい。例えば、シークエンサ、ABI PRISM3100(アプライドバイオシステムズジャパン社)、ABI PRISM 3700(アプライドバイオシステムズジャパン社)およびMegaBACE 1000(アマシャムファルマシア社)を含む一般的な電気泳動装置が使用され得る。
(3)ピークの同定
更に、本発明の態様に従うと、上述のように得られた当該チャートの各ピークに含まれる遺伝子を同定することも可能である。当該ピークを同定することにより、特定の状況において発現された、また、発現量の増減した遺伝子を同定することが可能である。
当該遺伝子の同定は、当該チャートにおけるピークを回収し、例えば、シーケンシング等の一般的に行われる方法等の実験的手法によって、その配列を決定することによって行うことが可能である。
また、上記のような実験的手法を用いずに、コンピュータ上で、理論的に求めることも可能である。例えば、一般的に使用可能なデータベースから入手されるデータから、使用した制限酵素の認識部位と切断により得られる断片の分子量を基に、コンピュータ上で同定することが可能である。
データベースから入手した任意の遺伝子配列を特定の制限酵素で切断したときに得られる断片の長さと、当該制限酵素の認識部位は、コンピュータのディスプレイ上で容易に決定することができる。一方、実際に本方法において使用される制限酵素による切断で得られる断片の長さは、電気泳動を行うことによって明らかである。従って、使用したアダプター配列を考慮すれば、実験的に解析を行わずとも、当該断片がどの遺伝子に由来するものであるかを同定することが可能である。コンピュータを用いた理論的な同定法の1例は、後述する実施例1において説明する。
また、ここで使用することが可能なコンピュータは、一般的に使用されるコンピュータでよく、例えば、キーボードおよびマウス等の入力部、プリンターおよびディスプレイ等の出力部、CPU等の演算部等を具備する装置が使用可能である。
また、データ入手することが可能なデータベースの例は、ジェンバンク(GenBank)、EMBLおよびDDBJ等の公共のデータバンク、並びに商用データベース等のその他のデータバンクのデータが挙げられるが、これに限られるものではない。
また、実験的手法と理論的手法の両方を組み合わせて行うことも可能である。
(4)遺伝子発現頻度解析
また、本発明の態様に従う遺伝子発現プロファイルの作製方法では、被検細胞において発現された遺伝子の発現量は、当該チャートに示される夫々のピークの大きさに反映される。従って、当該ピークの大きさの変化を観察することにより、遺伝子の発現頻度を解析することが可能である。
例えば、正常細胞と異常細胞との比較、正常細胞と癌細胞の比較、異なる細胞間での比較、および異なる条件により処理された細胞間での比較等が可能である。
また、予め本方法により、特定の刺激により発現されるまたは発現量の変化する遺伝子を同定しておけば、それ以降の試験では、その特定の遺伝子についてのプライマーのみを用いて、一部分の遺伝子発現プロファイルを作製すればよい。それによって、目的とする遺伝子の発現頻度を解析することが可能である。
実施例1
p21、mdm2およびcyclinGの発現量における放射線照射による影響
以下の通りに、p21、mdm2およびcyclinGの発現量における放射線照射の影響を検討した。マウス乳ガン細胞株SR-1に対して放射線照射を行った後に得たmRNAと、未照射の該細胞から得たmRNAとを用いて、遺伝子発現プロファイルを作製し、比較した。
1.遺伝子発現プロファイルの作製
本発明の態様に従って遺伝子発現プロファイルを実際に作製した。
1-1.mRNAの抽出とcDNAの合成
75cmフラスコ(Falcon社)中のαMEM培地中でマウス乳ガン細胞株SR-1(横浜市大、小山博士より分与)を培養した。この細胞に対して、上部から、パンタック島津製作所を用いて7Gyの放射線を照射した。照射時間は3時間とした。また、並行して未照射の細胞を対照群として準備した。夫々の細胞から、FastTrack2.0kit(Invitrogen社)を用いて総mRNAを20μg抽出した。
抽出した20μgのmRNAとを0.8μL中で100pmoleの5’-ビオチン化オリゴdTプライマー(BRL社)と混合し、65℃で5分間インキュベートした。氷冷した後、これを、逆転写バッファー20.0μL中で、最終濃度5mMのMgClと0.5mMのdNTPミックス(BRL社)と10mMのDTT(BRL社)と共に、42℃で60分間インキュベートした。続いて、これを、2本鎖合成バッファー150.0μL中で、最終濃度0.27mMのdNTPミックス(BRL社)と1.33mMのDTT(BRL社)と20.0ユニットのE.coliリガーゼ(BRL社)と40.0ユニットのE.coli DNAポリメラーゼ(BRL社)と2.0ユニットのRNaseH(BRL社)と共に16℃で120分間インキュベートし、続いて70℃で15分間インキュベートし、反応を止めた。得られた反応産物を2等分し、反応産物ミックスAと反応産物ミックスBとした。
1-2.反応産物ミックスAの処理
以下のように反応産物ミックスAを処理した。ここでは、第1の制限酵素としてMspIを使用し、第2の制限酵素としてMseIを使用した。
まず、100μL中で最終濃度20ユニットの制限酵素MspI(Takara)と、10μgのmRNAを含む反応産物ミックスAとを、37℃で360分間、反応した。反応後、エタノールを用いて精製した(500μL×3回)。続いて、これを、15μLのT4 DNAリガーゼバッファー中でGCの配列(即ち、制限酵素MspIの切断断片部位の相補的配列である)を有する5.0μgのXアダプター(BRL社)と、10ユニットのT4 DNA リガーゼ(NEB社)を用いてライゲーションした。続いて、この反応液に、ストレプトアビジン(ダイナル社)を固定した磁気ビーズを添加した。固定されたストレプトアビジンに対して、反応液中の二本鎖に含まれるビオチンを結合し、ライゲーション産物を得た。
続いて、これを、200μL中で最終濃度50ユニットの制限酵素MseI(NEB社)と、37℃で360分間、反応した。その上清を別のチューブに移し、エタノールで精製した(1000μL×3回)。続いて、これを、10μLのT4 DNAリガーゼバッファー中でATの配列(即ち、制限酵素MseIの切断断片部位の相補的配列である)を有する10pmoleのYアダプター(BRL社)と、10ユニットのT4 DNA リガーゼ(NEB)を用いてライゲーションを行った。
次に、得られたライゲーション産物についてPCRを行った。ここでは、Xアダプターに相補的な配列を有するXプライマーの5’側には、3種類の蛍光色素FAM、NEDおよびNEDの何れかが結合されている。更に、Xプライマーは3’側に任意の2塩基NNを有する。一方、Yアダプターに相補的な配列を有するYプライマーは3’側に任意の2塩基NNを有する。各NNと蛍光色素の組合せは図4に示す通りである。図4には標識に用いた物質毎、即ち、FAMで標識した配列をaの欄に、同じくHEXをbの欄に、NEDをcの欄に、また、(XプライマーのNN)-(YプライマーのNN)として任意の2塩基配列を記載した。ここで、3種類の蛍光プローブを用いているが、これは作業効率を上げるために行っている。従って、1つの蛍光プローブを用いても同様に実施することが可能である。
具体的には、ライゲーション終了後、その反応液をトリス塩酸緩衝液(以下、TEと称す)を用いて612μLに希釈した。この希釈反応液の1μLに対し、図4に示すFAMとHEXとNEDの各々の欄に具備される第1の配列、即ち、a)FAMでは「AA-AA」、b)HEXでは「CT-AA」およびc)NEDでは「CA-AA」、のプライマーを含有する各々1μLの溶液を混合したものを添加して混合した。同様に、各々の位置に記載した配列のプライマーを3つ1組で混合したものと該希釈反応液の1μLとを混合した。a)FAMの第81から第96までは対応するHEXとNEDが存在しないので、単独で該希釈反応液の1μLと混合した。以上の操作によって256種類からなるプライマーセットから生じるPCR反応産物を96の電気泳動用サンプルとした。
この96の電気泳動用サンプルについて電気泳動を行った。電気泳動は、キャピラリーシーケンサー(ABI PRISM 3100、アプライドバイオシステムズジャパン社)を使用し、泳動電圧15kVおよび泳動時間2000秒の条件下で行った。電気泳動の結果は、横軸に移動距離を指標とした分子量、縦軸に蛍光強度を指標とした発現量を示すチャートとして得た。1つのサンプルに3種類の蛍光物質で標識されたPCR産物が含まれるが、波長を変えることによってこれらは識別される。
1-3.反応産物ミックスBの処理
第1の制限酵素としてMseIを使用し、第2の制限酵素としてMspIを使用すること以外は、上述の反応産物ミックスAと同様に反応産物ミックスBを処理した。また、反応産物ミックスAと同様に、96サンプルについて電気泳動を行ってチャートを得た。
上述した1-1と1-2と同様の方法によって、遺伝子発現プロファイルを電気泳動結果のチャートとして得た。
1-4.遺伝子データベースの解析
得られた遺伝子発現プロファイルに検出されたピークについて、そこに含まれる遺伝子を同定するために、データベースのデータを用いて、使用した制限酵素の切断部位と、切断により得られる断片に関する情報を得た。
まず、ジェンバンク(GenBank)の遺伝子データベースからのmRNAの全長が明らかな遺伝子と、一部の配列のみ登録されているESTからの全てのデータを集積し、種類毎に各遺伝子に由来するデータを1つに纏めた。集めたデータからコンセンサス配列を求めた。コンセンサス配列とコンセンサス配列を構成するのに用いた配列の一部分を図7に示す(図7)。最上部に示した配列がコンセンサス配列である。ここで使用する「コンセンサス配列」とは、1種類の遺伝子の同じ部位に関して、複数の配列が同定されている全ての配列に、高い確率で共通している配列を決定することにより得られた共通配列をいう。図6では、例としてのヒトアリラミンN-アセチルトランスフェラーゼの遺伝子配列の一部分を示した。
次に、このコンセンサス配列と、コンセンサス配列を構成するのに用いた全てデータについて、3’側に一番近い制限酵素Xの認識配列を検出した。次に、制限酵素Xの認識部位から3’方向で最も近くにある制限酵素Yの認識配列を検出した。MspI、の認識配列は、C/CGGであり、「/」の位置において切断される。また、MseIの認識配列は、T/TAAである。更に、そのようにして得られた制限酵素XおよびYの切断断片から得られるDNAの塩基数を理論的に算出した。以上のようにして得られたデータの1例を図8に示す(図8)。
図8では、ジェンバンクのデータベースからのデータとESTの多くの登録データから、104bpの切断断片が得られることが分かる(図8の「length」の欄を参照されたい)。しかしながら、また、当該データからは、幾つかのデータには変異またはシーケンスの読み違いがあり、23bpの切断断片も得られる可能性も示唆されている(図8の「length」の欄を参照されたい)。
続いて、前記遺伝子データの中から、放射線照射により発現が増加することが明らかとなっている遺伝子、p21、mdm2、cyclinGおよびgadd45について、その切断断片長と、制限酵素認識部位の内側の2塩基の配列を調べた。
1-5.遺伝子の同定
上述の1-2および1-3により得られたデータと、1-4により得られたデータを比較検討することにより、本発明の遺伝子発現プロファイルで検出されたピークに含まれる遺伝子の同定を行った。
データベースから得られたp21、mdm2、cyclinGおよびgadd45の切断断片長と、制限酵素認識部位の内側の2塩基の配列を元に、本方法において使用した512種類のプライマーのうち、どのプライマーセット、即ち、XプライマーとYプライマーのセット、からp21、mdm2、cyclinGおよびgadd45が検出されるのかが判明した。
また、同様に検出されるDNAの長さが明らかにされた。それを基に、電気泳動により分離した分子のうち、対応する分子量に相当するピークを分取した。分取されたピークに含まれるDNAについてシーケンシングにより塩基配列を調べ、目的の遺伝子、即ち、p21、mdm2、cyclinGおよびgadd45、であることを確認した。
1-6.p21、mdm2、cyclinGおよびgadd45の発現量における放射線照射の影響
上述の方法により得たp21、mdm2およびcyclinGの夫々の遺伝子のピークを、図9、10および11に示した。各図の上段のチャートが放射線未照射の細胞から得たmRNA由来の遺伝子発現プロファイルの1部分である。下段のチャートは3時間の7Gy被照射細胞から得たmRNA由来の遺伝子発現ファイルの1部分である。矢印により目的の遺伝子のピークを示した。
図9から11に示す通り、放射線照射によりp21、mdmおよびcyclinGは、夫々、発現量が増加することが確認された。また、データは示していないが、gadd45についても同様の結果が得られた。
実施例2
遺伝子発現頻度解析
更に、遺伝子発現頻度解析を行った。細胞は、分裂酵母(以下、S.p.と示す)と出芽酵母(以下、S.c.と示す)を使用した。実施例1と同様にmRNAを抽出し、得られた総mRNAの混合比を、S.p.のmRNA量を0、0.02、0.2、1、2および2μg、S.c.のmRNA量を2、2、2、2、2および0で、図12に示す通りに夫々混合した。
上記のように調製した6種類のmRNA調製物について、実施例1に記載した通りに遺伝子発現プロファイルを作製した。
得られた遺伝子発現プロファイルの1部分のチャートを図13に示す。各チャートの由来するmRNA調製物の組成は、夫々の左側に示した。最上段のチャートはS.p.の遺伝子発現プロファイルの1部分を示し、最下段のチャートはS.c.の遺伝子発現プロファイルの1部分を示す。
図14は、図13に示したチャートにおけるS.p.に由来するピークを縦軸で結んだものである。図14に示すとおり、当該mRNA調製物中に含まれるS.p.のmRNA量に依存してピークの大きさが変化していた。
実施例1および2から、本発明の方法により遺伝子発現プロファイルが作製され、且つ得られた遺伝子発現プロファイルに示される遺伝子の発現量は、試料中に存在するmRNAの量を充分に反映していることが明らかになった。従って、本発明の方法により、遺伝子発現頻度を解析することが可能である。
本発明の態様に従う方法によって、広範囲に発現される遺伝子に関する遺伝子発現プロファイルが簡便に作成できる。また、そのような遺伝子発現プロファイルによって、従来の方法に比べて格段に多くの発現遺伝子、即ち、発現されたほぼ全ての遺伝子を識別することが可能である。また、本発明の態様に従う遺伝子発現プロファイルは、各遺伝子の識別を1つ1つの遺伝子毎に行うことが可能である。また更に、それは遺伝子の発現量を反映しているので、遺伝子発現頻度を解析することも可能である。特に、未知の遺伝子に関しても、既知の遺伝子と同様にその発現頻度を解析することが可能である。
更なる利点および変更は、当業者によって容易に見出されるであろう。従って、その広範な側面において本発明は、ここに示した詳細な説明および典型的な態様に限定されるものではない。従って、添付された請求の範囲およびその均等物により明示される全般的な発明の思想の精神または範囲から逸脱することなく、種々の変更が可能である。
【配列表】
JP0004437171B2_000003t.gifJP0004437171B2_000004t.gifJP0004437171B2_000005t.gifJP0004437171B2_000006t.gifJP0004437171B2_000007t.gifJP0004437171B2_000008t.gifJP0004437171B2_000009t.gifJP0004437171B2_000010t.gifJP0004437171B2_000011t.gif
【図面の簡単な説明】
本明細書に組み込まれ、その一部分をなす添付の図面は、必然的に、本発明の好ましい態様、並びに、上述の一般的な記載および後述の好ましい態様の詳細を説明するものであり、また、本発明の基本的な思想を説明するために使用される。
図1は、本発明の態様に従う遺伝子発現プロファイルの作製方法の概要を示す図である。
図2は、本発明の態様に従う遺伝子発現プロファイルの作製方法を示すスキームである。
図3は、本発明の態様に従って得られる遺伝子発現プロファイルの1部分を示すチャートの例である。
図4は、任意の2塩基配列の組合せを示す図である。
図5は、本発明の態様に従う遺伝子発現プロファイルにより検出される遺伝子の割合を示す図である。
図6は、好ましいXアダプターとYアダプターの例を示す図である。
図7は、データベースから得たヒトアリラミンN-アセチルトランスフェラーゼの一部の遺伝子配列を示す図である。
図8は、制限酵素により得られる断片についての情報の例を示す図である。
図9は、p21の発現を示す遺伝子発現プロファイルの1例の1部分を示す図である。
図10は、mdm2の発現を示す遺伝子発現プロファイルの1例の1部分を示す図である。
図11は、cyclinGの発現を示す遺伝子発現プロファイルの1例の1部分を示す図である。
図12は、実施例2で使用されたmRNA調製物の組成を示す図である。
図13は、実施例2において得られた遺伝子発現プロファイルの1部分を示す図である。
図14は、実施例2において得られた遺伝子発現プロファイルの1部分を示す図である。
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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