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明細書 :高周波信号伝送装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4835334号 (P4835334)
公開番号 特開2008-067012 (P2008-067012A)
登録日 平成23年10月7日(2011.10.7)
発行日 平成23年12月14日(2011.12.14)
公開日 平成20年3月21日(2008.3.21)
発明の名称または考案の名称 高周波信号伝送装置
国際特許分類 H01P   5/02        (2006.01)
H02J  17/00        (2006.01)
FI H01P 5/02 603
H02J 17/00 A
請求項の数または発明の数 10
全頁数 25
出願番号 特願2006-242098 (P2006-242098)
出願日 平成18年9月6日(2006.9.6)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 平成18年8月7日 インターネットアドレス「http://secure1.gakkai-web.net/gakkai/ieice/program/index.html」に発表
権利譲渡・実施許諾 特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
審査請求日 平成21年9月4日(2009.9.4)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304020292
【氏名又は名称】国立大学法人徳島大学
【識別番号】597065329
【氏名又は名称】学校法人 龍谷大学
発明者または考案者 【氏名】大野 泰夫
【氏名】粟井 郁雄
【氏名】佐藤 弘明
【氏名】菅 良太
個別代理人の代理人 【識別番号】110000338、【氏名又は名称】特許業務法人原謙三国際特許事務所
審査官 【審査官】岸田 伸太郎
参考文献・文献 特開平09-232822(JP,A)
国際公開第2004/095624(WO,A1)
特開平11-068033(JP,A)
山下卓史(外3名),「プリント回路基板両面に作製された二重結合共振器とその応用」,電子情報通信学会論文誌 C,2004年12月 6日,Vol.J87-C,No.12,pp.1045-1052
鬼塚浩平 外1名,チップ間ワイヤレス電源伝送に関する検討,2003年電子情報通信学会基礎・境界ソサイエティ大会講演論文集,日本,2003年 9月18日,p.3
調査した分野 H01P 5/02
H02J 17/00
H01L 25/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII)
特許請求の範囲 【請求項1】
異なる平面上の回路間で高周波信号を伝送する高周波信号伝送装置であって、
上記両平面上に、閉曲線線路の一部が開放部として開放されたオープンリング造を有する共振器と、当該共振器にインピーダンス整合が可能な取り付け位置で接続され、当該共振器に対して高周波信号の入出力を行う入出力線路とが形成されており、
上記両平面上に形成された共振器同士を電磁結合させて、高周波信号を伝送させ
一方の共振器における開放部と中心点とを結ぶ線と、他方の共振器における開放部と中心点とを結ぶ線とのなす角度が90度以上であることを特徴とする高周波信号伝送装置。
【請求項2】
上記共振器の線路長が、上記高周波信号の波長の1/2の奇数倍であることを特徴とする請求項1に記載の高周波信号伝送装置。
【請求項3】
上記両平面上に備えられた各共振器の中心軸は、一致する、もしくは、一致する位置から当該両共振器の開放部同士が近づく方向にずれていることを特徴とする請求項2に記載の高周波信号伝送装置。
【請求項4】
上記角度が180度であることを特徴とする請求項1に記載の高周波信号伝送装置。
【請求項5】
上記両平面上に備えられた共振器間の距離が、上記高周波信号の共振器間の媒質における波長の0.15倍以下であることを特徴とする請求項1に記載の高周波信号伝送装置。
【請求項6】
少なくとも一方の上記平面上の共振器が導電性の基板上に形成されているとき、
上記基板上に、金属膜、絶縁膜、上記共振器がこの順で積層されていることを特徴とする請求項1に記載の高周波信号伝送装置。
【請求項7】
上記両平面の各々は、異なる基板の表面であり、
両基板上に形成された上記共振器が互いに対向するように当該両基板が配置されており、かつ、両基板間に絶縁性のシートを挟んだことを特徴とする請求項1に記載の高周波信号伝送装置。
【請求項8】
上記共振器と当該共振器に接続される上記入出力線路とのインピーダンス整合が、当該共振器と当該入出力線路との接続位置によって調整されていることを特徴とする請求項1に記載の高周波信号伝送装置。
【請求項9】
一方の上記共振器が電力を送信する送電装置に備えられており、他方の上記共振器が当該電力を受信する受電装置に備えられていることを特徴とする請求項1に記載の高周波信号伝送装置。
【請求項10】
異なる平面上の回路間で高周波信号を伝送する高周波信号伝送装置であって、
上記両平面上に、閉曲線線路の一部が開放された構造もしくはスパイラル構造を有する共振器と、当該共振器に接続され、当該共振器に対して高周波信号の入出力を行う入出力線路とが形成されており、
上記両平面上に形成された共振器同士を電磁結合させて、高周波信号を伝送させ、
少なくとも一方の上記平面上の共振器が導電性の基板上に形成されているとき、
上記基板上に、金属膜、絶縁膜、上記共振器がこの順で積層されていることを特徴とする高周波信号伝送装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波信号を伝送する伝送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルLSIのような半導体チップにおいて内部動作の高速化が進んでおり、内部クロック信号は、2GHzを超えるようになっている。しかしながら、このような高周波信号を半導体チップの外に取り出す際の速度は800MHz程度に留まっている。その理由は、半導体チップから樹脂やセラミックで作製された基板への信号取り出しを、ボンディングワイアなどの金属配線を用いて行うためである。これらの配線ではボンディングパッド、ボンディング配線が不安定な寄生容量や寄生インダクタンスを生じさせるため、この部分で高周波信号の劣化をもたらす。また、高周波信号を効率的に半導体チップの外に伝送するためには、インピーダンス整合の調整を精度よく行わなければ、反射や不要輻射のため伝送ロスが発生してしまう。特に、電気的接続を用いる装置では、接続の機械加工の精度や、接続の信頼性などの問題も発生する。
【0003】
この問題を解決するため、半導体チップと外部との信号のやりとりを光で行う光配線や光電子集積回路技術が研究されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、半導体チップと外部との信号のやりとりを、一般の無線通信に使うようなアンテナを用いる方法(特許文献2,3、4)がある。また、コイルを用いて磁界結合を利用する方法(特許文献5,6)等がある。これは、誘導結合や容量結合といった低周波回路で用いられる技術を、異なる基板間の高周波信号の伝送に応用する考えである。その他、スロットアンテナを用いる方法(特許文献7)、リングスロットを介する方法(特許文献8)、誘電体共振器を介する方法(特許文献9)、金属板に形成したスロットを介する方法(特許文献10)などが提案されている。これらの無線接続は既存の半導体技術の組み合わせで可能である。
【0005】
さらに、線路の端部に配置した片端開放の矩形λ/4-TEモード共振器を対向させ、共振器間の電磁結合により基板間のRF信号の伝送を行う方法が非特許文献1に開示されている。
【0006】
なお、非特許文献2には、広帯域の周波数の信号を取り出すためのフィルタとして、2つのオープンリング共振器を電磁結合させたものが記載されている。ただし、これは、バンドパスフィルタとして用いるものであり、ある基板上の信号を他の基板上へ無線伝送する際に用いられるものではない。

【特許文献1】特開2002-9379(2002年1月11日公開)
【特許文献2】特開平11-68033(1999年3月9日公開)
【特許文献3】特開2004-327568(2004年11月18日公開)
【特許文献4】特開2000-68904(2000年3月3日公開)
【特許文献5】特開2005-203657(2005年7月28日公開)
【特許文献6】特開2005-228981(2005年8月25日公開)
【特許文献7】特開平6-85513(1994年3月25日公開)
【特許文献8】特開2000-269708(2000年9月29日公開)
【特許文献9】特開2004-159247(2004年6月6日公開)
【特許文献10】特開2004-187281(2004年7月2日公開)
【非特許文献1】向山和孝 他,”電磁結合を用いた60GHz帯非接触回路接続構造”,電子情報通信学会エレクトロニクスソサイエティ大会,C-2-95,2004年
【非特許文献2】IKuo Awai, "Open Ring Resonators Applicable to Wide-band BPF", 2006年度輻射科学研究会資料 RS06-02,2006年5月23日
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1のように光配線技術を半導体チップに適用する場合、発光素子と半導体チップとの構成材料が異なるため、異種材料の組み合わせが必要となる。そのため、技術的、コスト的課題が多い。さらに、電気から光、光から電気への信号変換時にエネルギーのロスを伴う。
【0008】
また、特許文献2~4のようなアンテナは、もともと電磁波を空中に放射するための装置であるので、ほとんどの信号が空中に放出されてしまい、受信側には一部の信号しか達しない。一方、特許文献5,6のような磁界結合では、コイル内に発生する磁界を隣接するコイルで受信し電流に変換する。この場合も、大部分の磁力線は受信コイルを通り抜けて空中へ放散する。そのため、これらの文献では、むしろ空中に放散する特性を利用して、多数のチップへ信号を伝える方式が提案されている。
【0009】
しかし、空中へ信号を放散することは受信側での信号強度が低くなるため感度が低下して誤動作確率を高くし、また受信アンテナのそばに受信増幅器を置かねばならないという実装上の大きな制約を受ける。出力を大きくすることも必要なため、低消費電力化という点では欠点となる。また、空中に放出された信号は他のチップにとっては雑音であり、電磁干渉という問題を引き起こす。また、特許文献7-10の技術においても伝送効率が低くロスが大きくなる。
【0010】
また、誘導結合や容量結合といった低周波回路の結合技術は、整合の概念がなく、端子間で信号が伝わりさえすればよいという設計方針のため、高価な高周波信号源で発生された高周波信号を無駄なく効率的に伝送する技術に応用することができない。
【0011】
さらに、非特許文献1では、異なる基板の端部に形成された共振器を同一面内に配置したナローサイド構造である。そのため、2つの共振器の結合が弱く、両基板間の距離をほぼ0にする必要がある。一方、異なる基板間で信号伝送を行う場合、共振器以外の回路などの制約により、基板間の距離をある程度確保する必要がある。よって、非特許文献1の技術を、離間している異なる基板間の信号伝送に応用することができない。
【0012】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、離間している異なる平面上の回路間において、効率よく高周波信号を伝送することが可能な高周波信号伝送装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る高周波信号伝送装置は、上記課題を解決するために、異なる平面上の回路間で高周波信号を伝送する高周波信号伝送装置であって、上記両平面上に、閉曲線線路の一部が開放された構造もしくはスパイラル構造を有する共振器と、当該共振器に接続され、当該共振器に対して高周波信号の入出力を行う入出力線路とが形成されており、上記両平面上に形成された共振器同士を電磁結合させて、高周波信号を伝送させることを特徴とする。
【0014】
ここで、高周波信号とは、例えば、マイクロ波やミリ波である。
【0015】
上記構成によれば、各平面上において、共振器と入出力線路とが接続されている。共振器と入出力線路とのインピーダンス整合は、当該共振器と当該入出力線路との接続位置によって調整可能である。そして、異なる平面上に形成された共振器同士が電磁結合される。このとき、共振器は閉曲線線路の一部が開放された構造もしくはスパイラル構造を有しているため、共振器間の結合が強くなる。そのため、共振器間の距離をある程度広くしても、共振器間で高周波信号を効率的に伝送させることができる。その結果、異なる平面上の回路間での干渉を低減させることができる。
【0016】
例えば、両共振器を直径0.24mm、線幅0.045mm、開放部の幅0.02mmのオープンリング状とし、共振器間にサファイア基板を挿入した場合、共振器間の距離を0.2mmにまで広げても、伝送効率が50%以上となる伝送帯域が57~60GHzとなった。特に、59.5GHzでは伝送効率97%となり、不要な輻射が全くないことを確認できた。
【0017】
このように、上記の構成にすることにより、離間している異なる平面上の回路間で、無駄なく効率的に高周波信号を伝送することが可能な高周波信号伝送装置を実現することができる。
【0018】
さらに、本発明の高周波信号伝送装置は、上記の構成に加えて、上記共振器の線路長が、上記高周波信号の波長の1/2の奇数倍であることが好ましい。これにより、共振器と共振波長が適合する。さらに、共振器の線路長が高周波信号の波長の1/2であるため、共振器の線路の両端部の電位が逆相となる。そして、共振器が閉曲線線路の一部が開放された構造もしくはスパイラル構造を有しているため、両端部間の距離が近く、共振器から外部への電磁波の輻射を防止することができる。これにともない、共振器間の伝送効率を高くすることができる。
【0019】
さらに、本発明の高周波信号伝送装置は、上記の構成に加えて、上記両平面上に備えられた各共振器の中心軸は、一致する、もしくは、一致する位置から当該両共振器の端部同士が近づく方向にずれていることが好ましい。シミュレーションの結果、各共振器の端部同士が近づく方向に共振器をずらしたとしても、共振器の中心軸が一致する場合とほぼ同じ伝送効率を示すことがわかった。このため、高周波信号を効率的に伝送することができる。
【0020】
さらに、本発明の高周波信号伝送装置は、上記の構成に加えて、一方の共振器における端部と中心点とを結ぶ線と、他方の共振器における端部と中心点とを結ぶ線とのなす角度が、90度以上であることが好ましい。この構成によれば、電磁結合する2つの共振器間の結合が一層強くなる。その結果、共振器間の距離の制約、もしくは、共振器間の媒質の制約が緩くなる。すなわち、共振器間の距離を長くすることができたり、共振器間の媒質として比較的誘電率の低い物質を用いることができる。なお、上記角度は180度であることが最も好ましい。
【0021】
さらに、本発明の高周波信号伝送装置は、上記の構成に加えて、上記両平面上に備えられた共振器間の距離が、上記高周波信号の共振器間の媒質における波長の0.15倍以下であることが好ましい。
【0022】
共振器間の距離が、伝送される上記記高周波信号の共振器間の媒質における波長の0.15倍を超えると、不要な輻射が発生し、共振器間の伝送効率が低下することがわかった。そのため、上記の構成にすることで、高い伝送効率を実現することができる。
【0023】
なお、高周波信号の共振器間の媒質における波長の0.15倍とは、例えば、共振周波数60GHzで共振器間の媒質がサファイアの場合、約0.25mmである。この程度の距離であれば、異なる平面上の回路の干渉は大きな問題にはならない。
【0024】
さらに、本発明の高周波信号伝送装置は、上記の構成に加えて、少なくとも一方の上記平面上の共振器が導電性の基板上に形成されているとき、上記基板上に、金属膜、絶縁膜、上記共振器がこの順で積層されていることが好ましい。
【0025】
上記平面は、通常、サファイアやシリコン等の基板の表面であり、回路・共振器・入出力線路は、当該基板上に形成される。
【0026】
基板がサファイア等のように絶縁性であれば問題ないが、シリコン等の導電性を有する場合、共振器で発生した電磁波を基板が吸収して損失が発生し、伝送効率が低下する。
【0027】
しかしながら、上記の構成によれば、共振器と基板との間に金属膜が存在するため、共振器で発生した電磁波が基板に吸収されることを防止することができる。
【0028】
さらに、本発明の高周波信号伝送装置は、上記の構成に加えて、上記両平面の各々は、異なる基板の表面であり、両基板上に形成された上記共振器が互いに対向するように当該両基板が配置されており、かつ、両基板間に絶縁性のシートを挟んでいることが好ましい。
【0029】
上記の構成によれば、例えばLSIから高周波信号を他の平面上の回路に伝送させる場合、LSIが搭載された基板の表面と当該他の平面との間隔が上記シートの膜厚で均一に保持できる。例えば、高周波配線回路と上記共振器とが形成された回路基板上に、薄い上記シートを載せ、その上に、上記共振器が形成されたLSIチップを裏返して置くことで、容易に高周波信号の伝送システムが実現できる。また、従来、LSI等の製品検査でのプローバ測定では、金属針をパッドに当てて測定していたが、上記構成では薄い絶縁性のシートを挟んだ軽い接触での測定が可能となり、信頼性の向上やパッドの傷を残さないなどのメリットがある。なお、DC電源は、直接の金属の接触で伝送してもよいし、高周波信号を整流して得てもよい。高周波信号を整流する場合には、完全非接触でLSIの測定や動作が可能となる。
【0030】
さらに、本発明の高周波信号伝送装置は、上記の構成に加えて、一方の上記共振器が電力を送信する送電装置に備えられており、他方の上記共振器が当該電力を受信する受電装置に備えられている。
【0031】
これによれば、車両や電化製品への電力伝送を効率的に実現することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明に係る高周波信号伝送装置は、異なる平面上の回路間で高周波信号を伝送する高周波信号伝送装置であって、上記両平面上に、閉曲線線路の一部が開放された構造もしくはスパイラル構造を有する共振器と、当該共振器に接続され、当該共振器に対して高周波信号の入出力を行う入出力線路とが形成されており、上記両平面上に形成された共振器同士を電磁結合させて、高周波信号を伝送させる。それゆえ、異なる平面上の回路間を、無駄なく効率的に高周波信号を伝送することが可能な高周波信号伝送装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明の高周波信号伝送装置に関する実施の一形態について図1~図23に基づいて説明すれば以下のとおりである。
【0034】
本実施形態に係る高周波信号伝送装置は、特定の周波数の高周波信号を、異なる平面上に形成された回路間で無線伝送する装置である。
【0035】
高周波信号伝送装置が伝送する高周波信号(以下、伝送信号という)は、例えば、マイクロ波およびミリ波帯の信号である。
【0036】
(高周波信号伝送装置の構造について)
図1は、本実施形態の高周波信号伝送装置1の主たる構成を示す斜視図である。図1に示されるように、高周波信号伝送装置1は、所定の面間距離だけ離れた異なる2つの平面P-a・P-bの各々の上に形成された、共振器2(2a・2b)と、当該共振器2に対して信号の入出力を行うための入出力線路3(3a・3b)を備えている。なお、平面P-a上に形成された共振器および入出力線路の符号を2aおよび3aとし、平面P-b上に形成された共振器および入出力線路の符号を2bおよび3bとしている。
【0037】
図2は、各平面に形成された共振器2および入出力線路3を示す上面図である。図2に示されるように、共振器2は、閉曲線線路の一箇所(開放部21(以下、共振器2aの開放部を21a、共振器2bの開放部を21bとする))がオープンとなっている(切断されている)構造である。すなわち、共振器2は、周回状となっていない。具体的には、共振器2は、リング共振器の一部の配線が除かれたオープンリング共振器である。また、共振器2の線路長は、伝送信号の波長の1/2の奇数倍になるように設定されている。ここで、共振器2の線路長とは、図2に示されるように、開放部21を形成している一方の端部から他方の端部までの線路の長さである。
【0038】
図2に示されるように、入出力線路3は、2つの接地電極4に挟まれたコプレーナ線路である。入出力線路3と共振器2との接続位置(取り付け位置)22を調整することによって、共振器と入出力線路とのインピーダンス整合が可能となる。ここでは、共振器2の中心点と開放部21とを結ぶ線と、当該中心点と取り付け位置22とを結ぶ線とのなす角度(以下、取り付け角度という)θ1を適宜設定することにより、インピーダンス整合が可能となる。そのため、入出力線路3は、共振器2に対して反射無しに伝送信号を入出力するために、インピーダンス整合が可能となる取り付け位置22で共振器2と接続するように設計される。
【0039】
そして、図1に示されるように、異なる平面P-a・P-b上の2つの共振器2a・2bは、中心軸が同一であり、かつ、開放部21a・21bが当該中心軸に対して対称の位置(180度ずれた位置)になるように配置されている。これにより、共振器2a・2b間の結合が一層強くなる。
【0040】
各共振器2、当該共振器2に接続された入出力線路3および接地電極4は、図3に示されるように、それぞれ異なる基板の一方の面上に形成されている。すなわち、基板10aの一方の面P-a上に共振器2a,入出力線路3aおよび接地電極4aが形成されており、基板10bの一方の面P-b上に共振器2b,入出力線路3bおよび接地電極4bが形成されている。そして、基板10aおよび基板10bは、共振器2aおよび2bが形成された面が対向するように、スペーサ板5を間に挟んで配置される。
【0041】
基板10a・10bは、回路が形成された基板であり、例えば、窒化ガリウム系AlGaN/GaN HFFTによるMMICが搭載されたサファイア基板である。また、スペーサ板5は、絶縁体で構成されており、例えば、サファイア基板や樹脂膜である。
【0042】
(製造方法)
本実施形態の高周波信号伝送装置は、従来の集積回路作成技術で製造可能である。窒化ガリウム系FETは、サファイアの基板10に作成される。サファイアの基板10の厚さは、一般的には0.3mm~0.5mmであるが、研磨や研削技術により0.1mmまでは容易に薄層化できる。そして、基板10上に窒化ガリウムをMOCVD法などで成長させる。活性層とならないアイソレーション部は、表面エッチング、イオン注入などにより高抵抗化する。この部分にコプレーナ構造の入出力線路3や共振器2を作成する。共振器2の大きさは、伝送信号の周波数に依存するが、60GHz帯であれば0.3mm程度であり、1μm程度の精度が有れば十分である。現在の集積回路技術では容易に作成できる精度である。例えば、金メッキなどにより金属パターンを形成する。
【0043】
2枚の基板の間に挟むスペーサ板5は、コストを下げたい場合、ガラスやプラスチックなど、電気的に高抵抗かつ高周波での損失が少ない物質でかまわない。共振器2の寸法を小さくする場合には、誘電率の高いセラミック板やサファイア板を用いると良い。
【0044】
そして、2枚の基板間では、共振器2の中心軸が一致し、かつ、開放部21が中心軸に対して対称の位置になるように配置する。例えば、セラミックやプラスチック基板では、あらかじめ、他方の基板の位置を規定するようなノッチを付けておけば容易に位置合わせも可能である。
【0045】
(伝送メカニズムについて)
本実施形態の高周波信号伝送装置1によれば、一方の共振器2aに入力された伝送信号は、当該共振器2aと電磁的に結合された他方の共振器2bに無線伝送することができる。以下、当該共振器2a・2b間の伝送メカニズムについて説明する。
【0046】
一般に、共振器は、1/2波長の整数倍の線路で形成することができる。ただし、この構造は、アンテナの構造と同じであり、共振器間のみならず自由空間にも電磁波を放射してしまうため、効率良い伝送ができない。しかしながら、本実施形態の共振器2は、伝送信号の波長の1/2の奇数倍の線路長を有する線路をリング状にし、その両端が接近している構造を有する。そのため、共振器2の両端での電位が逆相となり、電磁波の自由空間への放射が大幅に低減できる。すなわち、共振器2は、信号を閉じ込める作用を有するため、外部への不要輻射が極めて少なくなる。
【0047】
一方、ブロードサイド結合した2つのオープンリング状の共振器2の間では電界同士、磁界同士が強く結合する。そのため、所定範囲の距離だけ離れた位置に配置された共振器2a・2b間には、電磁的な強い結合が生じる。その結果、一方の共振器2aから他方の共振器2bへ伝送信号が伝達される。
【0048】
また、両共振器2a・2bの開放部21a・21bが、当該共振器2a・2bの中心軸に対して対称な位置に配置されている。図4は、各共振器2a・2bの開放部21a・21bと中心軸とを結ぶ線のなす角度θを変えたときの、共振器2a・2b間の結合係数(右軸)および共振周波数(左軸)を示すグラフである。なお、図4は、オープンリング状の共振器2の直径を59.52mm、線路幅を1mm、開放部21の幅(共振器2の両端間の距離)を0.5mm、共振器2a・2b間の垂直方向の距離を0.28mm、共振器2a・2b間の媒質(スペーサ板5)の誘電率を3.27としたときの結果である。図4に示されるように、両共振器2の開放部21は、互いに大きな角度をなすほど結合が増大し、当該共振器2の中心軸に対して対称な位置に配置されているときに最も共振器2a・2b間の結合が強くなる。その結果、共振器2a・2b間の信号の伝送を効率的に行うことができる。
【0049】
共振器間の結合が強いほど、共振器間の距離が長くても伝送効率が高い状態で信号を伝送することができる。ただし、図4に示されるように、各共振器2a・2bの開放部21a・21bと中心軸とを結ぶ線のなす角度θが90度以上であれば、結合係数0.5以上を得ることができる。また、結合の強さは、共振器2a・2b間のスペーサ板5の誘電率にも依存する。そのため、角度θが90度以上であれば、スペーサ板5の材料や共振器2a・2b間の距離を適宜設定することで、高い伝送効率で信号を共振器間で伝送することができる。このように、各共振器2a・2bの開放部21a・21bと中心軸とを結ぶ線のなす角度θは、90度~180度が好ましく、最も好ましいのは180度である。
【0050】
(変形例1)
上記説明では、共振器2をオープンリング状として説明した。しかしながら、共振器2の形状は、これに限定されるものではなく、様々な形状のものが考えられる。ただし、異なる平面上の共振器2間の信号を効率的に伝送させるため、共振器2間の結合が強い、閉曲線線路の一部(開放部21)がオープンとなっている形状、もしくは、スパイラル状(螺旋状)であることが好ましい。例えば、図5に示されるようなU字状や、図6に示されるようなスパイラル状でもよい。
【0051】
スパイラル状の共振器を用いる場合、占有面積に対して線路長が長くなるため、共振器の占有面積を減らすことができる。なお、占有面積を減らしたとしても、共振器間の距離を狭くする必要はない。共振器間の結合を劣化させる主原因は不要モードによる電磁エネルギーの散逸であり、それは、共振器面間の距離で決まり、占有面積の大きさとは直接関係がない。そのため、共振器間の結合の強さを維持するために、共振器間の距離を狭くする必要がない。
【0052】
また、共振器2は、線路長が伝送信号波長の1/2の奇数倍であり、その両端部同士が近いことが好ましい。具体的には、両端部同士の距離(すなわち、開放部21の幅)は、信号波長の1/4以下であることが望ましい。これにより、不要な電磁波の輻射を防止することができ、より一層共振器間の結合を強くすることができる。
【0053】
例えば、図5のようにU字状であれば、端部同士が接近しているため、外部への不要輻射を防ぎ、かつ、他方の共振器との位相関係を一致させることができる。また、図6に示されるように、両端部が中心軸から同じ方向に位置するスパイラル状の共振器であっても、端部同士が接近しているため、外部への不要輻射を防ぎ、かつ、他方の共振器との位相関係を一致させることができる。
【0054】
(変形例2)
上記説明では、2つの共振器2a・2bが異なる基板10a・10b上に形成され、共振器2a・2bが形成された面が対向するように基板10a・10bを配置し、当該基板10a・10b間にスペーサ板5を挟む構造とした。しかしながら、本実施形態の高周波信号伝送装置の構成はこれに限られるわけではなく、結合する2つの共振器2a・2bが異なる平面上に配置されていればよい。
【0055】
例えば、図7に示されるように、2つの共振器2a・2bが1つの基板10の表面および裏面上に形成されており、一方の共振器2aから他方の共振器2bに伝送信号を無線伝送することもできる。この場合、基板10が共振器間に位置するスペーサ板5としても機能している。なお、図7に示す高周波信号伝送装置の場合、両面目合わせ方式のマスクアライナーを用いて製造すればよい。
【0056】
もしくは、図8に示されるように、2つの共振器2a・2bがそれぞれ異なる基板10a・10b上に形成されており、一方の基板10bの共振器2bが形成されている面と、他方の基板10aの共振器2aが形成されていない面とが対向するように、両基板10a・10bを配置してもよい。この場合、2つの共振器2a・2b間には、基板10aがスペーサ板5として配置することとなる。
【0057】
また、図8に示されるように、本実施形態に係る高周波信号伝送装置を複数用いて、3以上の基板上に形成された回路を、無線接続することもできる。図8では、同一平面上に並べた異なる2つの基板10b・10c間を、2つの共振器2a・2a’および入出力線路3aが形成された接続用の基板10aで接続する例である。基板10a上では、2つの共振器2a・2a’が入出力線路3aで接続されている。そして、共振器2aが基板10b上の共振器2bと結合可能な位置に配置され、共振器2a’が基板10c上の共振器2cと結合可能な位置に配置される。これにより、基板10b上の信号は、共振器2b→共振器2a→共振器2a’→共振器2cと伝送される。
【0058】
図8のような構成の具体例は次のようなものが考えられる。すなわち、下側の基板10b・基板10c上には、60GHz帯の信号を用いる超高速LSI(例えば、シリコンVLSI)が搭載されており、上側の基板10aが例えばガラス板であり、その両端に共振器2a・2a’を置き、共振器2a・2a’を入出力線路3aで接続しただけの構造である。このように、上側の基板10a上には、超高速LSIを搭載した基板10b・10cに対し、多数の共振器2a・2a’と入出力線路3aを配置する。これにより、超高速LSI間の信号結線が可能となる。さらに、60GHz帯の場合、互いに結合する共振器は、後述するように、0.1mm程度の位置合わせ誤差が許されるので安価に製造することができる。なお、最近の組み立てロボットでは20μmの精度で位置あわせができている。
【0059】
また、図8を上下反転し、共振器2と伝送線路のみからなる基板に多数の共振器と線路を形成することで高速LSIの実装基板が作成できる。その際はDC電源のみをフリップチップなどの直接的な金属接続で形成すればよい。
【0060】
また、共振器2からなる基板を複数枚組み合わせることで、多層配線が形成できる。この場合、図33に示されるように、同一箇所に180度回転したオープンリング状の共振器2(2-1~2-4)を交互に積み重ね、最上部と最下部の共振器2(2-1、2-4)に入出力線路3(3-1、3-4)を接続する。この構成にすることで、厚みのある基板の上下の面間に信号を伝搬させることが出きる。この方法を用いれば、複数の薄い絶縁基板に対し、高周波信号伝送装置1の部分以外に金属配線パターンを置かないことで等価的に厚い絶縁膜とし、高周波信号伝送装置1以外での上下基板間の信号干渉を避けることができる。
【0061】
なお、共振器間には必ずしもスペーサ板が必要ではなく、空気のみが存在する構成であってもよい。
【0062】
(変形例3)
上記説明では、共振器2が形成される基板10の一例として絶縁体であるサファイアを挙げた。しかしながら、基板10の材料はこれに限られるものではない。例えば、シリコンであってもよい。ただし、シリコンはある程度の導電性を有するため、共振器2で発生した電磁波がシリコン基板に電流を発生させジュール損を引き起こす。この損失を防止するためには、シリコン基板を薄層化する方法、重金属等で半絶縁性にする方法がある。ただし、シリコン集積回路技術において容易に実現できる以下の方法が好ましい。
【0063】
すなわち、図9に示されるように、シリコンの基板10上に、例えば銅や金などの金属膜11を蒸着し、当該金属膜11を接地する。次に、金属膜11上に絶縁膜(例えば、シリコン酸化膜)12を積層し、その上に共振器2、入出力線路3および接地電極4を形成する。なお、絶縁膜12の形成方法としては、CVD法などを用いればよい。
【0064】
シリコンの基板10と共振器2との間に金属膜11が形成されているため、共振器2で発生した電磁波が基板10に吸収されることを防止することができる。
【0065】
なお、共振器2と金属膜11との間に薄い絶縁膜12を形成しているため、共振器2と金属膜11との静電容量が大きくなるが、後述するように、共振器2における入出力線路3の取り付け位置22を調整することで、入出力線路3と共振器2とのインピーダンス整合が可能となる。
【0066】
(シミュレーション結果)
(スペーサ板がサファイアの場合)
図10(a)は、3次元電磁界シミュレーション(使用ソフト:アンソフト社製「HFSS」)を行った高周波信号伝送装置1の斜視図を示す。図10(b)は、当該高周波信号伝送装置1の断面図を示す。図10(a)(b)に示されるように、金属膜、サファイアの基板10、共振器2、サファイアのスペーサ板5、共振器2、サファイアの基板10、金属膜がこの順に積層された高周波信号伝送装置1についてのシミュレーションを行った。なお、共振器2は、伝送信号の半波長の線路長を有しており、図10(c)に示されるようにオープンリング状である。なお、60GHz付近において結合するように共振器2の設計を行い、シミュレーションを行った。具体的には、オープンリング状の共振器2の外径D=0.24mm、線路幅a=0.045mm、共振器2の両端部のギャップ(すなわち、開放部21の幅)p=0.02mm、基板10およびスペーサ板5の材料を全てサファイアと想定し、厚さ及び比誘電率をそれぞれ0.2mm、10とした。
【0067】
また、入出力線路3にはコプレーナ線路(特性インピーダンス50Ω)を用いるものとした。
【0068】
入出力線路3および共振器2のインピーダンス整合は、共振器2への入出力線路3の取り付け位置22により調整を行うことが可能である。図11は、入出力線路3および共振器2における、オープンリング状の共振器2の中心点と開放部21とを結ぶ線と、当該中心点と取り付け位置22とを結ぶ線とのなす取り付け角度θ(図2参照)が18度、28度、38度のときのS21のシミュレーション結果を示すグラフである。
【0069】
なお、高周波信号の伝送効率を示す指標S21は、第2信号端子(ここでは、結合する2つの共振器2の一方)で受け取る第1信号端子(ここでは、他方の共振器2)から出た信号の割合で、デシベル(dB)単位で表される。100%とは0dBであり、損失があると負の値となる。また、もう1つのパラメータとしてS11がある。S11は、第1信号端子の信号が再び第1信号端子へ戻る率であり、その分S21は減少する。高周波信号伝送装置としては、所望の帯域に置いて指標S21が限りなく1に近く、S11はできるだけ小さい方が好ましい。
【0070】
図11に示されるように、取り付け角度θが28度のときに、S21が最もよくなることがわかる。すなわち、取り付け角度θ=28度のときに、インピーダンス整合が取れている。このように、入出力線路3と共振器2とのインピーダンス整合は、入出力線路3を共振器2に取り付ける取り付け位置22によって調整可能である。なお、最適な取り付け角度θ1は、各種のパラメータによって変動する。
【0071】
図12は、インピーダンス整合の調整を行った高周波信号伝送装置1(すなわち、取り付け角度28度に設定されたもの)のS11およびS21のシミュレーション結果を示すグラフである。図12に示されるように、57~61GHzにかけて共振しており、S11は、59.5GHzでピーク値となった。その時の値は、S21=-0.16dB(伝送効率約97%)、S11=-26dBであり、ほぼ不要な放射なく伝送できることがわかる。伝送効率50%となる周波数帯域(以下、伝送帯域という)は、57~61GHzであり、中心周波数の7%を確保している。
【0072】
上記設定条件においてスペーサ板5の厚み、すなわち、共振器2間の距離を変化させたときのシミュレーションを行った。図13は、60GHzの伝送信号の指標S11、S21のシミュレーション結果を示すグラフである。図13に示されるように、スペーサ板5の厚み、すなわち、共振器2間の距離が大きくなるにつれて、S21が低下することがわかる。特に、スペーサ板5の厚みが0.25mmを超えると、低下率が大きくなる。一方、S11は、スペーサ板5の厚みに拘わらず、小さい値である。そのため、共振器2間の距離が大きくなるにつれ、伝送信号の一部が空中に放出されていることがわかる。なお、60GHzの伝送信号のサファイア中での波長は、約1.67mmである。そのため、共振器2間の距離は、共振器2間の媒質中での波長の0.25/1.67=約0.15倍以下とすることが好ましい。
【0073】
(スペーサ板が樹脂膜の場合)
次に、図14に示されるように、共振器2間に挿入するスペーサ板5をサファイアではなく誘電率2程度のビニール系のシート(厚さ0.02mm~0.06mm)にし、その他の条件を図10(a)~(c)と同条件としたときのシミュレーションを行った。図15~17はシミュレーション結果を示すグラフであり、図15はスペーサ板5の厚み0.02mm、図16は厚み0.04mm、図17は厚み0.06mmのときである。ビニール系のシートであるスペーサ板5の厚みが0.02mmの場合、伝送効率50%となる伝送帯域は、35~90GHzにまで広がることがわかる。また、スペーサ板5の厚みを0.06mmとしても、伝送帯域幅は33GHzもあり、高周波信号伝送装置1として十分に機能させることができる。
【0074】
共振器2間の結合の強さは、共振器2間の電束密度に依存するため、〔共振器2間の距離〕/〔共振器2間に充填される物質の誘電率〕 によって変化する。すなわち、共振器2間の距離が小さく、共振器2間に充填される物質(ここでは、スペーサ板5)の誘電率が大きいほど、結合が強くなる。そして、共振器2間の結合が強くなると、共振器2間で伝送される信号の伝送効率が50%以上となる伝送帯域が大きくなる。
【0075】
ただし、高周波信号伝送装置の場合、予め伝送信号の周波数がわかっており、当該伝送信号が伝送可能な伝送帯域を確保できる範囲で、共振器2間の距離を長くすることができる。
【0076】
(基板が導電性の場合)
次に、図18に示されるような、導電性を有するシリコン基板上に、金属膜、シリコン酸化膜(3μm)、共振器、サファイア基板(0.1mm)、共振器、シリコン酸化膜(3μm)、金属膜をこの順に積層した高周波信号伝送装置1について、シミュレーションを行った。なお、共振器の形状は、図10(c)、外径D=0.24mm、線路幅a=0.045mm、共振器2の両端部のギャップp=0.02mmである。図19は、図18の構造を有する高周波信号伝送装置1におけるS11、S21のシミュレーション結果を示すグラフである。図19に示されるように、シリコン基板を用いたとしても、共振器間距離0.1mmであっても、伝送帯域幅2GHzで効率的に信号を伝送することができる。
【0077】
図20は、2つのシリコン酸化膜の厚みを変化させたときの、共振器の共振周波数と共振器間の結合係数kを示すグラフである。図示されるように、シリコン酸化膜が薄くなると、共振器間の結合係数が小さくなる。これは、シリコン酸化膜が薄くなると、共振器と金属膜との結合が強くなる、その分だけ共振器間の結合が弱くなるためである。したがって、共振器間の結合を強くし、共振器間の距離をなるべく長くしたい場合には、シリコン酸化膜の厚みを厚くすればよい。
【0078】
図21および図22は、スペーサ板5として誘電率3.6の樹脂膜を用いた場合の高周波信号伝送装置の断面図とS11およびS21のシミュレーション結果を示すグラフである。なお、図21は樹脂膜の厚みが0.02mm、図22は樹脂膜の厚みが0.003mmの場合である。図21および図22に示されるように、樹脂膜の厚みが薄くなるにつれて、伝送効率50%となる伝送帯域が拡大することがわかる。
【0079】
(中心軸をずらした場合)
上記の各シミュレーションは、結合する2つの共振器の中心軸が同一となるように両共振器が重なり合うものとして行った。しかしながら、共振器の相対位置は、製造上の組み立て精度によってずれる可能性がある。そこで、2つの共振器の各々の中心軸がずれた場合のシミュレーションを行った。
【0080】
図24(a)および(b)は、両共振器の中心軸が一致しているときの伝送効率のシミュレーション結果を示す図であり、図24(a)は、共振器間の厚みが0.1mm、図24(b)は、共振器間の厚みが0.2mmのときのグラフである。なお、共振器間の距離以外の条件は、図10(a)(b)に示した構造と同一とし、共振器2の外径D=0.24mm、線路幅a=0.045mm、共振器2の両端部のギャップ(すなわち、開放部21の幅)p=0.02mmとした。両共振器の開放部は中心軸に対して対称な位置にある。
【0081】
次に、共振器の中心点と開放部とを結ぶ方向(X方向)に共振器をずらしたときの結果を説明する。ここでは、図25に示されるように、両共振器間の中心軸が一致しているときをX方向のずれ量x=0とし、各共振器の開放部が近づく方向をずれ量xをプラスで表し、各共振器の開放部が離れる方向のずれ量xをマイナスで表すこととする。図26は、ずれ量x=100μmのときの両共振器の上面図であり、互いの開放部が近づいていることがわかる。
【0082】
図27(a)および(b)は、両共振器の中心軸がX方向にずれ量x=100μmずれているときの伝送効率のシミュレーション結果を示す図であり、図27(a)は、共振器間の厚みが0.1mm、図27(b)は、共振器間の厚みが0.2mmのときのグラフである。一方、図28(a)および(b)は、両共振器の中心軸がX方向にずれ量x=-100μmずれているときの伝送効率のシミュレーション結果を示す図であり、図28(a)は、共振器間の厚みが0.1mm、図28(b)は、共振器間の厚みが0.2mmのときのグラフである。
【0083】
図27(a)(b)および図28(a)(b)に示されるように、開放部が近づくように共振器をずらした場合であっても、伝送効率の低下はほとんどないことがわかった。一方、開放部が離れるように共振器をずらした場合、伝送効率の低下が発生する。ただし、ずれ量x=-100μmであっても、中心周波数の伝送効率は50%以上が得られることがわかった。
【0084】
続いて、X方向に垂直なY方向に共振器をずらしたときの結果を説明する。図29は、Y方向のずれを示す図であり、図中の2つの共振器は、Y方向のずれ量y=-100μmのときの相対位置関係を示している。また、図30は、ずれ量y=100μmのときの両共振器の上面図である。
【0085】
図31(a)および(b)は、両共振器の中心軸がY方向にずれ量y=100μmずれているときの伝送効率のシミュレーション結果を示す図であり、図31(a)は、共振器間の厚みが0.1mm、図31(b)は、共振器間の厚みが0.2mmのときのグラフである。一方、図32(a)および(b)は、両共振器の中心軸がY方向にずれ量y=-100μmずれているときの伝送効率のシミュレーション結果を示す図であり、図32(a)は、共振器間の厚みが0.1mm、図32(b)は、共振器間の厚みが0.2mmのときのグラフである。
【0086】
図31(a)(b)および図32(a)(b)に示されるように、Y方向に中心軸がずれることで、伝送効率の低下が見られるか、Y方向に±100μmずれたとしても、中心周波数の伝送効率は50%以上が得られることがわかった。
【0087】
以上のように、図27(a)および(b)の結果から、X方向のずれ量0~100μmにおいて伝送効率の差がほとんどなかった。そのため、各共振器の中心軸は、一致する、もしくは、一致する位置から当該両共振器の端部同士が近づく方向にずれていることが好ましい。また、図27の結果から、X方向のプラス側のずれに対する許容度が大きいといえる。そのため、両共振器の各中心軸は、一致する位置から各共振器の開放部が互いに近づく方向にずれた位置を製造目標値として設定することが好ましい。これにより、製造上の位置ずれに対して、特性変動を最小限に抑えることができる。
【0088】
(適用例)
次に、本実施形態の高周波信号伝送装置の適用例について説明する。
【0089】
(適用例1)
ミリ波無線通信では、アンテナは低コストのプラスチック製、信号増幅部は高出力が増幅可能な窒化ガリウム系FETによる集積回路、信号処理部はシリコンCMOS ICという構成が理想的である。近年、微細化によりシリコンCMOSでも60GHz級の高周波信号が生成されるようになっている。しかし、微細化のために出力電圧が低く、通信に使うには信号電力が小さいという欠点があった。
【0090】
しかしながら、シリコンVLSIで生成されるデジタル信号を60GHz帯の高周波信号に変調し、これを本実施形態の高周波信号伝送装置を用いて、窒化ガリウム系FETによる集積回路へ伝送し、増幅させる。そして、本実施形態の高周波信号伝送装置を用いて、増幅した高周波信号をプラスチック製のアンテナへ導くことで、極めて低コストのミリ波無線通信が実現できる。
【0091】
なお、本実施形態の高周波信号伝送装置では、2つの共振器のそれぞれの共振周波数を、伝送される高周波信号の周波数に合わせる必要があるが、線路が形成される基板や、共振器間の膜の材質に従って、共振器の大きさを変えることで共振周波数を伝送信号の周波数に合わせることができる。
【0092】
また、両共振器2は、結合を強くするために、できるだけ中心軸が合い、開放部21が90度以上ずれることが好ましい。そのため、シリコンCMOS IC、窒化ガリウム系FETによる集積回路、アンテナを精度よく配置する必要がある。ただし、上述したシミュレーション結果から、0.1mm程度のずれであっても、伝送効率や伝送帯域に変化を起こしにくいことがわかっている。そのため、シリコンCMOS IC、窒化ガリウム系FETによる集積回路、アンテナの微細なアライメントを行わなくても十分な伝送効率が得られるので、これらの実装も容易に実現できる。
【0093】
(適用例2)
デジタルLSIにおいては、半導体チップ内で数10GHzの信号を発生することができるが、従来のボンディングパッドやボンディングワイアを使用すると反射や輻射のため、当該信号を半導体チップの外に取り出すことができなかった。しかしながら、本実施形態の高周波信号伝送装置1を用いれば、半導体チップで発生した高周波信号を、損失なく、回路基板間で高周波信号を伝送する際に使用することができる。
【0094】
伝送する信号周波数が60GHzである場合、共振器のサイズは、約0.4mm角程で作成される。そのため、4mm×4mm程度のチップあたり、10個以上の共振器2を配置することができる。例えば、伝送帯域が5GHzであると、1本の線路で5Gbps、あるいは、8bit幅のデジタル信号を600Mbpsで伝送することができる。
【0095】
なお、共振器をスパイラル状にすることで、共振器のサイズを一層小さく(オープンリング状の共振器の約1/2)することもできる。
【0096】
(適用例3)
セラミック基板上にDC電源線とミリ波の伝送線路を作成する。ミリ波の伝送線路には平面回路で分配器を設け、端部にオープンリング状の共振器を設ける。このような基板をビニール系の薄膜で覆い、その上にやはりオープンリング状の共振器を持ったLSIチップを裏返しに設置する。このとき、ミリ波の伝送線路の端部に設けられた共振器と、LSIチップに設けられた共振器とは、中心軸が一致し、互いの開放部が中心軸に対して対称となるように配置する。これにより、両共振器が高周波信号伝送装置を構成し、両共振器間で10Gbps以上の信号を伝送させることができる。DC電源部は、ビニールに穴を開け通常のフリップチップボンディングを使う。また伝送効率が高いことから、高周波信号をチップに送ってそこで整流してDC電源化することも可能である。このような実装技術は信号の高周波化が可能であるばかりでなく、接触不良や断線が起こらないので高信頼システムが実現できる。
【0097】
(適用例4)
本実施形態の高周波信号伝送装置は、チップの動作確認をするICテスターにも利用できる。特開2006-105630には磁界結合(誘導結合)によるこのような応用が出ているが、伝送効率が高くないため、プローブとなる伝送装置の近くに信号増幅回路を設置する必要がある。しかしながら、本実施形態の高周波信号伝送装置は、通常のインピーダンス線路や同軸ケーブルで殆ど損失や混信無く信号を伝送できるので、周辺回路が大幅に簡略化される。すなわち、図8に示すような構成で、光配線と同様な受動部品のみによる配線が、集積回路技術のみで実現可能である。
【0098】
(適用例5)
本実施形態の高周波信号伝送装置は、送電装置から受電装置への電力伝送の用途にも使用することができる。なお、従来の電力伝送の技術としては、特開2006-174676や特開2000-342855などが知られている。しかしながら、本実施形態の高周波信号伝送装置を用いることで、従来技術に比べて効率的な電力伝送を行うことができる。
【0099】
図23に示されるように、電力供給側の送電装置40は、電源41と、マイクロ波またはミリ波の信号発生ユニット42と、第1のオープンリング共振器43と、当該信号発生ユニットで発生された高周波信号を当該第1のオープンリング共振器43に入力するための第1の入出力線路44とを備える。
【0100】
一方、電力受信側の受電装置50は、上記第1のオープンリング共振器43と電磁結合可能な第2のオープンリング共振器52と、当該第2のオープンリング共振器52が第1のオープンリング共振器43から受けた高周波信号をインピーダンス変換して高電圧にし、ダイオードにて整流する整流回路51と、当該整流回路51および当該第2のオープンリング共振器52を接続する第2の入出力線路53とを備える。
【0101】
ここで、第1のオープンリング共振器43、第2のオープンリング共振器52、第1の入出力線路44および第2の入出力線路53は、図1に示した共振器2a・2bおよび入出力線路3a・3bと同構造である。
【0102】
ここで、送電装置40の第1のオープンリング共振器43と、受電装置50の第2のオープンリング共振器52とを、所定の距離だけ離れた状態で対向させるように配置する。このとき、両共振器43・52の中心軸が同一で、かつ、開放部が中心軸に対して180度ずれた位置となるように配置する。これにより、第1のオープンリング共振器43、第2のオープンリング共振器53、第1の入出力線路44および第2の入出力線路53が、高周波信号伝送装置1として構成される。その結果、第1のオープンリング共振器43と第2のオープンリング共振器52とが電磁結合し、送電装置40の信号発生ユニット42で発生された高周波信号を受電装置50に伝送することができる。そして、受電装置50は、伝送された高周波信号をインピーダンス変換して高電圧にし、整流することで直流を得ることができる。
【0103】
図13に示したシミュレーション結果から、共振器間の距離が共振器間の媒質中での波長の約0.15倍以下であれば、高い伝送効率で信号を伝送することができる。
【0104】
信号発生ユニット42で発生させる信号周波数を300MHzとした場合(波長=1m:媒質 空気)が、第1のオープンリング共振器43と第2のオープンリング共振器52間が空気であっても、両共振器間の距離20cmで効率的に信号を転送することが可能である。そのため、例えば、送電装置40を地面に設置し、受電装置50を車両に設置することにより、地面から車両に電力を送ることができる。
【0105】
また、信号発生ユニット42で発生させる信号周波数を10GHzとした場合(波長=3cm:媒質 空気)、第1のオープンリング共振器43と第2のオープンリング共振器52間が空気であっても、両共振器間の距離約5mmでも効率的に信号を転送することが可能である。そのため、例えば、各種電化製品(例えば、電気カミソリやノートパソコン)の充電システムに適用することができる。
【0106】
以上のように、本実施形態に係る高周波信号伝送装置1は、異なる平面P-a・P-b上の回路間で高周波信号を伝送する装置である。そして、両平面P-a・P-b上に、閉曲線線路の一部が開放された構造もしくはスパイラル構造を有する共振器2と、当該共振器2に接続され、当該共振器2に対して高周波信号の入出力を行う入出力線路3とが形成されており、上記両平面P-a・P-b上に形成された共振器2同士を電磁結合させて、高周波信号を伝送させる。
【0107】
なお、共振器2と入出力線路3とのインピーダンス整合は、当該共振器2と当該入出力線路3との取り付け位置(接続位置)22によって調整可能である。そして、異なる平面P-a・P-b上に形成された共振器2同士が電磁結合される。このとき、共振器2は閉曲線線路の一部が開放された構造もしくはスパイラル構造を有しているため、共振器2間の結合が強くなる。そのため、共振器2間の距離をある程度広くしても、共振器2間で高周波信号を効率的に伝送させることができ、異なる平面P-a・P-b上の回路間での干渉を低減させることもできる。
【0108】
このように、上記の構成にすることにより、異なる平面P-a・P-b上の回路間を、無駄なく効率的に高周波信号を伝送することが可能な高周波信号伝送装置1を実現することができる。
【0109】
さらに、共振器2の線路長が、伝送される高周波信号の波長の1/2の奇数倍である。これにより、共振器2と共振波長が適合する。さらに、共振器2の線路長が高周波信号の波長の1/2であるため、共振器2の線路の両端部の電位が逆相となる。そして、共振器2が閉曲線線路の一部が開放された構造もしくはスパイラル構造を有しているため、両端部間の距離が近く、共振器2から外部への電磁波の輻射を防止することができる。これにともない、共振器2間の伝送効率を高くすることができる。
【0110】
さらに、両平面P-a・P-b上に備えられた共振器2の中心軸は、一致する、もしくは、一致する位置から当該両共振器の端部同士が近づく方向にずれていることが好ましい。これにより、高周波信号を効率的に伝送することができる。
【0111】
さらに、一方の共振器2aおける開放部21a(共振器2aの端部ともいえる)と中心点とを結ぶ線と、他方の共振器2bにおける開放部21b(共振器2bの端部ともいえる)と中心点とを結ぶ線とのなす角度が90度以上であることが好ましい。
【0112】
上記の構成によれば、電磁結合する2つの共振器間の結合が一層強くなる。その結果、共振器間の距離の制約、もしくは、共振器間の媒質の制約が緩くなる。すなわち、共振器間の距離を長くすることができたり、共振器間の媒質として比較的誘電率の低い物質を用いることができる。なお、上記角度は180度であることが最も好ましい。
【0113】
さらに、両平面P-a・P-b上に備えられた共振器2間の距離が、伝送される高周波信号の共振器2間の媒質における波長の0.15倍以下であることが好ましい。
【0114】
共振器2間の距離が上記高周波信号の共振器2間の媒質における波長の0.15倍を超えると、不要な輻射が発生し、共振器2間の伝送効率が低下することがわかった。そのため、上記の構成にすることで、高い伝送効率を実現することができる。
【0115】
なお、高周波信号の共振器2間の媒質における波長の0.15倍とは、例えば、共振周波数60GHzで共振器2間の媒質がサファイアの場合、約0.25mmである。この程度の距離であれば、異なる平面P-a・P-b上の回路の干渉は大きな問題にはならない。
【0116】
さらに、少なくとも一方の平面上の共振器2が導電性の基板10上に形成されているとき、基板10上に、金属膜11、絶縁膜12、共振器2がこの順で積層されていることが好ましい。共振器2と基板10との間に金属膜11が存在するため、共振器2で発生した電磁波が基板10に吸収されることを防止することができる。
【0117】
なお、高周波信号伝送装置1は、次のような構成をとってもよい。すなわち、両平面P-a・P-bの各々は、異なる基板10の表面であり、両基板10上に形成された共振器2が互いに対向するように当該両基板10が配置されており、かつ、両基板10間に絶縁性のシート(スペーサ板)5を挟んでいる。または、一方のオープンリング共振器43が電力を送信する送電装置40に備えられており、他方のオープンリング共振器52が当該電力を受信する受電装置50に備えられている構成であってもよい。このような様々な適用が考えられる。
【0118】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0119】
異なる平面上の回路間で高周波信号を伝送するシステムに適用することができ、集積回路や電力伝送の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】本実施形態に係る高周波信号伝送装置の構成を示す斜視図である。
【図2】共振器および入出力線路を示す上面図である。
【図3】図1に示す高周波信号伝送装置の縦断面図である。
【図4】各共振器の開放部と中心軸とを結ぶ線のなす角度θを変えたときの、共振器間の結合係数(右軸)および共振周波数(左軸)を示すグラフである。
【図5】共振器の変形例の構造を示す図である。
【図6】共振器の別の変形例の構造を示す図である。
【図7】本実施形態の高周波信号伝送装置の変形例を示す縦断面図である。
【図8】本実施形態の高周波信号伝送装置の別の変形例を示す縦断面図である。
【図9】本実施形態の高周波信号伝送装置のさらに別の変形例の一部を示す縦断面図である。
【図10】(a)は、シミュレーションを行った高周波信号伝送装置の構造を示す図であり、(b)は、当該高周波信号伝送装置の断面図、(c)は、該高周波信号伝送装置が備える共振器の構造を示す図である。
【図11】取り付け角度によるS21の変化を示すグラフである。
【図12】図10に示す高周波信号伝送装置における伝送効率のシミュレーション結果を示すグラフである。
【図13】スペーサ板の厚みを変化させたときの指標S11、S21のシミュレーション結果を示すグラフである。
【図14】スペーサ板を誘電率2程度のビニール系のシートとしたときの高周波信号伝送装置の構造を示す縦断面図である。
【図15】スペーサ板を誘電率2程度のビニール系のシート(厚さ0.02mm)としたときのS11およびS21のシミュレーション結果を示すグラフである。
【図16】スペーサ板を誘電率2程度のビニール系のシート(厚さ0.04mm)としたときのS11およびS21のシミュレーション結果を示すグラフである。
【図17】スペーサ板を誘電率2程度のビニール系のシート(厚さ0.06mm)としたときのS11およびS21のシミュレーション結果を示すグラフである。
【図18】シリコン基板を用いた場合の高周波信号伝送装置の構造を示す縦断面図である。
【図19】図18の高周波信号伝送装置における、S11およびS21のシミュレーション結果を示すグラフである。
【図20】図18に示す高周波信号伝送装置において、シリコン酸化膜の厚みを変化させたときの共振周波数および共振器間の結合係数を示すグラフである。
【図21】スペーサ板として誘電率3.6の樹脂膜(厚み0.02mm)を用いた場合の高周波信号伝送装置の断面図とS11およびS21のシミュレーション結果を示すグラフである。
【図22】スペーサ板として誘電率3.6の樹脂膜(厚み0.003mm)を用いた場合の高周波信号伝送装置の断面図とS11およびS21のシミュレーション結果を示すグラフである。
【図23】本実施形態の高周波信号伝送装置を適用した電力伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図24】両共振器の中心軸が一致しているときの伝送効率のシミュレーション結果を示す図であり、(a)は、共振器間の厚みが0.1mm、(b)は、共振器間の厚みが0.2mmのときのグラフである。
【図25】X方向のずれを示す図である。
【図26】X方向のずれ量x=100μmのときの両共振器の上面図である。
【図27】両共振器の中心軸がX方向に100μmずれているときの伝送効率のシミュレーション結果を示す図であり、(a)は、共振器間の厚みが0.1mm、(b)は、共振器間の厚みが0.2mmのときのグラフである。
【図28】両共振器の中心軸がX方向に-100μmずれているときの伝送効率のシミュレーション結果を示す図であり、(a)は、共振器間の厚みが0.1mm、(b)は、共振器間の厚みが0.2mmのときのグラフである。
【図29】Y方向のずれを示す図である。
【図30】Y方向のずれ量y=100μmのときの両共振器の上面図である。
【図31】両共振器の中心軸がY方向に100μmずれているときの伝送効率のシミュレーション結果を示す図であり、(a)は、共振器間の厚みが0.1mm、(b)は、共振器間の厚みが0.2mmのときのグラフである。
【図32】両共振器の中心軸がY方向に-100μmずれているときの伝送効率のシミュレーション結果を示す図であり、(a)は、共振器間の厚みが0.1mm、(b)は、共振器間の厚みが0.2mmのときのグラフである。
【図33】本実施形態の高周波信号伝送装置のさらに別の変形例の一部を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0121】
1 高周波信号伝送装置
2(2a・2a’・2b・2c) 共振器
3(3a・3b・3c) 入出力線路
4(4a・4b・4c) 接地電極
5 スペーサ板
10(10a・10b) 基板
11 金属膜
12 絶縁膜
21(21a・21b) 開放部
22 取り付け位置(接続位置)
P-a・P-b 平面
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
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【図8】
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【図9】
8
【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
18
【図20】
19
【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
23
【図25】
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【図26】
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【図27】
26
【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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