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明細書 :画像表示装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5082092号 (P5082092)
公開番号 特開2008-040049 (P2008-040049A)
登録日 平成24年9月14日(2012.9.14)
発行日 平成24年11月28日(2012.11.28)
公開日 平成20年2月21日(2008.2.21)
発明の名称または考案の名称 画像表示装置
国際特許分類 G03B  21/00        (2006.01)
G02B  27/22        (2006.01)
G02B  27/02        (2006.01)
H04N   5/74        (2006.01)
FI G03B 21/00 D
G02B 27/22
G02B 27/02 Z
H04N 5/74 C
請求項の数または発明の数 3
全頁数 11
出願番号 特願2006-212933 (P2006-212933)
出願日 平成18年8月4日(2006.8.4)
審査請求日 平成21年7月10日(2009.7.10)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304019399
【氏名又は名称】国立大学法人岐阜大学
発明者または考案者 【氏名】木島 竜吾
個別代理人の代理人 【識別番号】110000659、【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
【識別番号】100083932、【弁理士】、【氏名又は名称】廣江 武典
【識別番号】100129698、【弁理士】、【氏名又は名称】武川 隆宣
【識別番号】100129676、【弁理士】、【氏名又は名称】▲高▼荒 新一
【識別番号】100135585、【弁理士】、【氏名又は名称】西尾 務
審査官 【審査官】田井 伸幸
参考文献・文献 特開2000-010194(JP,A)
特表平08-511631(JP,A)
特開2003-287818(JP,A)
特開2001-013450(JP,A)
特開2004-062209(JP,A)
特開2001-042251(JP,A)
特開2001-066696(JP,A)
調査した分野 G03B 21/00
G02B 27/02
G02B 27/22
H04N 5/74
特許請求の範囲 【請求項1】
再帰反射性を有する材料をスクリーンとして用い、該スクリーンに投影する投影装置からの投影光路の収束位置に相当する位置から観察するようにされた画像表示装置であって、
前記投影装置から前記スクリーンの位置までの投影距離と投影の焦点距離との間に意図的に所定量の定常的な偏差を設けたことによって、前記スクリーンの位置から投影像点までの区間で、同じボケ量の像を得ることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
偏差は、0を超え0.1以下の範囲内から選択されていることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項3】
再帰反射の広がり角度は、0を超え角度θ(tanθ=(観察者の瞳半径/投影距離))程度の範囲内から選択されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、投影装置とスクリーンとを備えた画像表示装置に関する。特に、投影装置がスクリーン上に画像を投影し、それを観察する場合、通常、(a)投影装置による投影像を結ぶ点(以下、「投影像点位置」という。)とスクリーン位置を合わせること(投影装置の投影の焦点がスクリーンに合うこと)、(b)観察者はスクリーン位置に目の視焦点を合わせること、が必要である。本発明は、この2点の制限を緩和しようとするものである。
【背景技術】
【0002】
従来の画像表示装置は一般に、表示点に像が存在し、観察者はその位置に目の視焦点を合わせる必要がある(水晶体調節)。つまり、投影装置の投影像点位置、スクリーン位置、観察者の目の視焦点位置は一致していなければならない。投影装置の投影像点位置とスクリーン位置が一致していないとスクリーン上にできる像はぼやける。また、投影された画像が明瞭であっても、目の焦点調節がスクリーン位置と一致していないと、網膜像には大きなボケが発生する。健常者が正確に水晶体調節を行った場合、観察されるボケ量は像のボケ量にまで減少し、調節精度が悪いと、ボケ量は増大する。
【0003】
図5aは、スクリーンに拡散スクリーンを用い、プロジェクタからスクリーンの位置までの投影距離と、投影の焦点距離との間のオフセット量を0とした場合の組合せの状態を示す図である。通常、投影装置としてプロジェクタを用いる場合には、スクリーンに拡散スクリーンを用い、そこに投影像がくるようにプロジェクタの投影像点位置を調節している。観察者にとっては、視焦点位置をスクリーン位置に合わせた場合に、最もボケが少ない明瞭な像が見える。つまり、像はスクリーン位置のみに存在することとなる。そこから視焦点がずれると、観察される像はボケてくる。
【0004】
図5bは、拡散スクリーンとオフセット(偏差)有りの組合せの状態であって、投影像点位置を、あえてスクリーン位置からずらした場合を示す図である。この場合、観察者は、スクリーン前後のある程度の幅に視焦点を合わせると、同じようにボケた像を観察できる。つまり、大きくボケた像が、ある程度の距離幅をもって存在することになる。
【0005】
このため、(1) 曲面のスクリーンを用いる場合、平面スクリーンでも、スクリーンが投影装置による投影光路に対して垂直に立っていない場合には、投影装置の投影距離と、スクリーン各部分への距離を全て合わせることは出来ない。また、スクリーンを動かすような使い方では、投影距離を追従させる機構が必要である。このような場合には、上記(a)投影像点位置とスクリーン位置を合わせることの制約が緩和されることが望ましい。
【0006】
また、(2) 立体画像を用いる為に、一般に、左右両眼に視差を有する別々の画像を提示する方法が用いられるが、スクリーン位置と立体画像の存在位置は一致しないため、観察者に負担がかかる。また、老眼などによって、目の焦点調節自体が困難な場合もある。このような場合には、上記(b)観察者がスクリーン位置に目の視焦点を合わせることの制約が緩和されることが望ましい。
【0007】
ところで、本発明に関連する文献公知発明として、発明者が知っているものをしいて挙げるとすれば、再帰反射材を用いたディスプレーとして類似のものがある(非特許文献1参照)。

【非特許文献1】"ホログラフィ・3D・空間映像"、[online]、石川光学造形研究所、[平成18年6月20日検索]、インターネット<URL:http://www.holoart.co.jp/3d.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
発明が解決しようとする課題は、次のとおりである。すなわち、
(1) 曲面のスクリーンを用いる場合、平面スクリーンでも、スクリーンが投影装置による投影光路に対して垂直に立っていない場合には、投影装置の投影距離と、スクリーン各部分への距離を全て合わせることは出来ない。また、スクリーンを動かすような使い方では、投影距離を追従させる機構を新たに備える必要がある。
【0009】
また、(2) 立体画像を用いる為に、一般に、左右両眼に視差を有する別々の画像を提示する方法が用いられるが、スクリーン位置と立体画像の存在位置は一致しないため、観察者に負担がかかる。
さらに、(3) 老眼などによって、目の焦点調節自体が困難な場合もある。立体画像でなくとも負担がかかる、あるいは網膜像のボケ量が増大する。
【0010】
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、a)スクリーン形状やスクリーンの設置、運動の制約を緩和することができ、b)水晶体調節の厳密性をさげることができ、ひいては観察者の目に対する負担が減少し得る画像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る画像表示装置は、上記課題を解決するために、(1)投影像点位置にスクリーンを置かず、そこから意図的にオフセットさせること、それとともに、(2)適切な再帰反射性を有する材料をスクリーンとして用いること、(3)投影装置からの投影光路の収束位置に相当する位置から観察すること、により、投影装置の焦点位置とスクリーンの間に、奥行き方向に長い実像を生成せしめ、目の焦点調節の対象範囲を長くするものである。
【0012】
すなわち、上述の課題を解決するために本発明の画像表示装置は、再帰反射性を有する材料をスクリーンとして用い、該スクリーンに投影する投影装置からの投影光路の収束位置に相当する位置から観察するようにされた画像表示装置であって、前記投影装置から前記スクリーンの位置までの投影距離と投影の焦点距離との間に意図的に所定量の定常的な偏差を設けたことによって、前記スクリーンの位置から投影像点までの区間で、同じボケ量の像を得ることを特徴とする画像表示装置、とするものである(請求項1)。
【0013】
これにより、(a)投影像点位置とスクリーン位置を合わせること(投影装置の投影の焦点がスクリーンに合うこと)の制約が緩和され、かつ、(b)観察者はスクリーン位置に目の焦点を合わせることの制約が緩和される。したがって、ある距離に正確に水晶体調節を合わせる必要はなくなり、この範囲であればどこに焦点を合わせても、同程度の精細度をもった画像を観察することができるようになる。その結果として観察者の目の焦点調節負担を軽減する。
【0014】
より具体的には、(a)投影距離とスクリーン距離との制約に関して、
1.再帰反射性を有する材料をスクリーンとして用いること、
2.投影装置からの投影光路の集合位置に相当する位置から観察すること、
を行う。この場合、再帰反射角度が小さいものを用いる。
【0015】
まず、再帰反射性とは、光が来た方向に反射を行う性質のことである。入射方向に対してどの程度の広がりをもつかを再帰反射角という。通常の拡散反射スクリーンは、いわば再帰反射性が極めて低い、即ち再帰反射角が極めて大きい材料といえる。
【0016】
(b)視焦点位置とスクリーン位置の制約に関して、
上記に加え、一般的投影系と異なる構成として、
3.スクリーン位置と投影の焦点を意図的に適切な量オフセットさせること、
を行う。通常、投影装置の画像を結ぶ位置にスクリーンをおくが、本手段の構成の鍵は、これをあえてオフセットさせることである。オフセット量は、スクリーンよりも投影装置側であってもよいし、スクリーンよりも投影装置の反対側であってもよい。
【0017】
本発明の一態様によれば、上記の画像表示装置に関して、極めて強い再帰反射を得ることができる。すなわち、本発明の画像表示装置は、偏差は、0を超え0.1以下の範囲内から選択されていることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置、とするものである(請求項2)。
【0018】
これは、まず、投影像点をあえてスクリーンからオフセットさせる。再帰性が極めて強いスクリーンを使うと、像はややボケるものの、スクリーン位置ではなく、投影像点に存在するようになる。つまり、スクリーンと投影像点の位置関係に自由度が生まれる。スクリーンを正確に投影像点に置かなくても、図5bに比べて遙かに少ないボケで済む。
【0019】
この場合、前記1.の条件として再帰反射角が0、つまり完全再帰反射スクリーンを用い、前記2.の条件を満たす場合には、スクリーン上ではなく、投影装置の焦点位置に明瞭な像が観察される。つまり、スクリーンを拡散反射ではなく、再帰反射性を有する素材に変えても、投影像点がスクリーンと一致している場合、拡散反射の場合と同様に、像はスクリーン位置にある(図2a参照)。
【0020】
逆に、前記1.の条件として、後述の再帰反射の広がり角度と異なる通常のスクリーンを用いると、投影装置の焦点位置ではなく、スクリーン上のボケた像が観察される(図2b参照)。
【0021】
さらに、適切な再帰反射角度を選択することで、プロジェクタの焦点位置からスクリーンまでの間に、ほぼ同等のボケ量を有する画像が観察できる(図2c参照)。
【0022】
すなわち、本発明の一態様によれば、上記の画像表示装置に関して、適切な再帰反射を得ることができる。すなわち、本発明の画像表示装置は、再帰反射の広がり角度は、0を超え角度θ(tanθ=(観察者の瞳半径/投影距離))程度の範囲内から選択されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示装置、とするものである(請求項3)。
【0023】
再帰反射角度を弱めて、おおむね、(観察者の瞳半径/投影距離)程度にする。そうすると、図5bに比べ遙かに少ないボケ量の像が、スクリーン位置から投影像点までの間に存在することになる(図2c参照)。この間では、どこに視焦点を合わせても同じ像が見えるため、視焦点に自由度が生まれる。
【発明の効果】
【0024】
本請求項1に記載された発明によれば、以下の2点の効果を奏する。すなわち、
a)投影装置の投影距離(結像距離)とスクリーン各部分への距離が一致していなければならないという制約を緩和することができる。つまり、スクリーン形状やスクリーンの設置、運動の制約を緩和することができるという効果を奏する。さらに、
b)スクリーン位置までのスクリーン各部分への距離と視焦点位置までの目の焦点距離が一致していなければならないという制約を緩和することができる。つまり、水晶体調節の厳密性を下げることができ、ひいては観察者の目に対する負担が減少することができるという効果を奏する。
【0025】
また、本請求項2に記載された発明によれば、請求項1記載の発明の奏する効果に加えて、投影像点の位置に像を見ることができ、スクリーンを正確に投影像点に置かなくても済むという効果を奏する。
【0026】
本請求項3に記載された発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の奏する効果に加えて、スクリーン位置から投影像点までの間のどこに視焦点を合わせても同じ像を見ることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら以下の例に限定されるものではない。図1は、本発明の一実施形態の画像表示装置の概略的な装置構成を示す図である。図2は、視焦点位置と観察像のボケ量との関係を示すグラフを示す図である。以下、本実施例について順に説明する。
【0028】
(実施例1)
本発明を実施するための最良の形態の一例をあげて説明すると、図1のような構成となる。すなわち、本実施例1の画像表示装置10は、再帰反射性を有する材料をスクリーン(以下「再帰反射スクリーン」ともいう)1として用いる。図1(a)に示すように、再帰反射スクリーン1に投影する投影装置2としてプロジェクタを用い、投影装置2の投写光をハーフミラー3で反射させ、再帰反射スクリーン1に投写するようにしてある。
【0029】
そして、観察者Uが、投影装置2からの投影光路の収束位置Cに相当する位置から観察するようにしてある。図1(b)に示すように、再帰反射スクリーン1の反射光は投影装置2のレンズ方向に回帰するので、ハーフミラー3に関して投影装置2のレンズの対称の点Cに投写光が集束し、そこに相当する位置が観察視点位置となる。かかる位置において観察者Uが観察すると、虚像点Vの方向に、裸眼にて焦点ボケのない比較的高画質の画像を見ることができる。
【0030】
さらに、図2aの視焦点位置と観察像のボケ量との関係において、図2bに示すように、投影装置2から再帰反射スクリーン1の位置(スクリーン位置)までの投影距離L1と投影の焦点距離L2との間に意図的に所定量の定常的な偏差を設ける。かかる偏差は、0を超え0.1以下の範囲内から選択してあることが好ましい。
【0031】
再帰反射スクリーン1は、その再帰反射材料によりプロジェクタ2とスクリーン面の間の反射角に依存する非線形分布パターンに従って光を反射する。再帰反射スクリーン1の再帰反射の広がり角度θは、その角度を弱めて、0を超え角度θ(tanθ=(観察者の瞳半径/投影距離))程度の範囲内から選択してあるとよい。このとき像のボケは、図2cに示すように、スクリーン-投影結像点間でほぼ一定となる。
【0032】
したがって、画像表示装置10によれば、図5bに比べ遙かに少ないボケ量の像が、スクリーン位置から投影像点までの間L3(=L1×偏差)に存在することになる。この間では、どこに視焦点を合わせても同じ像が見えるため、視焦点に自由度が生まれる。
【0033】
さらに、視差のある画像を投影した場合には、観察者Uの両眼にかかる画像が分離されて観察され、裸眼にて高画質の3次元画像を見ることができる。なお、適宜偏光ミラーを設けてもよい。
【0034】
また、ハーフミラー3を設けたことにより、光路は、視点位置より片側の方向に集約されるので、画像表示装置10を小型化することができる。
【0035】
さらに、再帰反射スクリーン1を箱の背面から天井4に移した構成をとっても観察者Uは同様の画像を見ることが出来る。この場合、背面を開放しておけばハーフミラー3の透過により前方を見ることができる。
【0036】
(実施例2)
他の実施例について、図3を参照して説明する。図3は、画像表示装置を仮想現実画像用の画像表示装置に用いた例である。実施例1との相違点は、観察者Uの頭部に装着して使用される点と、観察者Uが動く点と、及び対象物に凹凸がある点(即ち立体スクリーンを用いる点)である。尚、実施例1の画像表示装置10と同一部分については同様の符号を付して説明する。
【0037】
画像表示装置20は、観察者Uの頭部に装着して使用され、ハーフミラー3を介して表示される画面の内容を観察者Uの動作や運動に基づいて変化させるシステム(VR:バーチャル・リアリティ・システム/MR:ミックスド・リアリティ・システム、以下「VR/MRシステム」という。)において、この画面変化を観察者の動作等に完全に合致させるようにしたものである。
【0038】
これは、画像表示装置20に設けた運動計測装置(図示せず)の出力データに基づいて画像を生成し出力する計算機(図示せず)をさらに備えている。運動計測装置は、例えば磁気センサ、ジャイロセンサなどである。計算機は、画像生成演算を行い仮想現実画像を生成する画像生成機器であり、例えば、グラフィックワークステーション、ゲーム機、パーソナルコンピュータ等が挙げられる。これは、運動計測装置による検出出力によって検出された頭部の動きに基づく画像を生成して投影装置2へ出力する。
【0039】
一方、再帰反射スクリーン1は、実施例1と異なり、立体物の表面に設けてある。つまり、この立体物が対象物であり、対象物に曲がり、奥行きがあるため、従来の画像表示装置においては焦点がずれていた。これに対し、画像表示装置20によれば、スクリーン位置から投影像点までの間L3(図2c参照)では、どこに視焦点を合わせても同じ像が見えるため、視焦点に自由度が生まれる。したがって、裸眼にて焦点ボケのない比較的高画質で同程度の精細度をもった画像を見ることができる。また、段落番号0033に述べたのと同様に、両眼立体視を行う場合にも視焦点の緩和は有利である。
【0040】
(実施例3)
他の実施例について、図4を参照して説明する。図4は、画像表示装置20を医用教育に用いた例である。実施例2との相違点は、対象物を手で動かす点である。尚、実施例1、2の画像表示装置10、20と同一部分については同様の符号を付して説明する。
【0041】
実施例3の画像表示装置30においては、再帰反射スクリーン1を人体の模型に設けてある。さらに、人体の模型に運動測定手段(図示せず)を設け、この運動計測手段の位置・姿勢を感知して計算機へ出力するようにしてある。
【0042】
計算機は、運動計測手段の検出結果に基づいて人体の模型の位置・姿勢を検出する。これとともに、画像表示装置30の磁気センサとジャイロセンサにより頭部運動を計測し、これに基づいて仮想物体を示す画像を描画及び補正して投影装置2に出力する。
【0043】
画像表示装置30に表示される画像は、例えば、ビデオ映像、コンピュータグラフィックス、平面映像又は立体映像からなる100%仮想現実映像のバーチャル・リアリティ、外界を示す現実の空間の上に仮想現実映像からなる仮想空間映像を重畳させたミックスド・リアリティ等が挙げられる。
【0044】
観察者Uは、自身の頭部に画像表示装置30を装着し、人体の模型の方向を見ると、見る方向に応じて、対応する人体の臓器の画像が透過して見え、人体の模型に投影して見ることができる。したがって、これにより医学教育用の電子臓器模型を構成することができる。
【0045】
観察者Uとしては、例えば医師、医療助手又は医学部生が挙げられ、かかる観察者Uは、画像表示装置30を介して又は直接に人体の模型を監視する。計算機が、観察者U及び人体の模型の位置及び方向、即ち、横揺れ(ロール)α、縦揺れ(ピッチ)θp、偏揺れ(ヨー)φを測定する。
【0046】
そして、計算機は、それを処理すると共に、データの選択されたレンダリング(表現)を作成する。かかるレンダリングは、計算機によって人体の表面、手術など施術に応じた内部構造及び露出している外部構造のそれぞれについて個別の立体として扱うことができ、三次元(3D)で投影することによって観察者Uに可視画像を与える。
【0047】
計算機は、運動計測手段から、そして位置及び方向を追跡する磁気センサとジャイロセンサから入力データを受け取って、人体の模型の内部構造を表示する方向を選択する。計算機により生成されたコンピュータ生成画像は、投影装置2によりハーフミラー3を介して人体の模型に設けられている再帰反射スクリーン1に投影される。
【0048】
画像表示装置30によれば、焦点位置からのズレが生じても、距離L3(図2c参照)の範囲であればどこに視焦点を合わせても、裸眼にて焦点ボケのない比較的高画質で同程度の高精細な画像を見ることができる。
【0049】
また、画像表示装置30によれば、内部構造と、露出している外部構造に対する内部構造の関係とが同時に表示されるので、画像表示装置30を使用する観察者Uは、外部構造のどこを切るべきかについての非常に正確な表示を認識することにより、重大な内部構造を回避しつつ、所望の内部構造に到達することができる。このように、医用教育用として有効に活用できる。また、段落番号0033に述べたのと同様に、両眼立体視を行う場合にも視焦点の緩和は有利である。
【0050】
以上、本発明の画像表示装置についての最良の形態を、実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、特に本体ディスプレー、老人、焦点調節異常者用ディスプレー、手でスクリーンを運動させるタイプのディスプレー、曲面を用いたディスプレー、平面のスクリーンに斜めに統制するディスプレーにもそのまま適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】実施例1の画像表示装置の概略的なシステム構成を示す図であり、図1(a)は、説明斜視図であり、図1(b)は、画像表示装置の光路の収束位置及び虚像位置を示す説明側面図である。
【図2a】図2aは、再帰反射スクリーンとオフセット無しの組合せの状態を示す図である。
【図2b】図2bは、再帰反射スクリーンとオフセット有りの組合せの状態であって、極めて強い再帰反射の状態を示す図である。
【図2c】図2cは、再帰反射スクリーンとオフセット有りの組合せの状態を示す図である。
【図3】実施例2の画像表示装置の概略的なシステム構成を示す図である。
【図4】実施例3の画像表示装置の概略的なシステム構成を示す図である。
【図5a】図5aは、拡散スクリーンとオフセット無しの組合せの状態を示す図である。
【図5b】図5bは、拡散スクリーンとオフセット有りの組合せの状態を示す図であって、投影像点位置を、あえてスクリーン位置からずらした場合を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
1 スクリーン
2 投影装置
3 ハーフミラー
10、20、30 画像表示装置
C 収束位置
L1 投影距離
L2 焦点距離
図面
【図1】
0
【図2a】
1
【図2b】
2
【図2c】
3
【図3】
4
【図4】
5
【図5a】
6
【図5b】
7