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明細書 :カルボン酸エステルの製造方法及びエステル化触媒

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4092406号 (P4092406)
登録日 平成20年3月14日(2008.3.14)
発行日 平成20年5月28日(2008.5.28)
発明の名称または考案の名称 カルボン酸エステルの製造方法及びエステル化触媒
国際特許分類 C07C  67/08        (2006.01)
C07C  69/24        (2006.01)
B01J  27/125       (2006.01)
B01J  27/053       (2006.01)
B01J  27/25        (2006.01)
B01J  31/04        (2006.01)
B01J  27/128       (2006.01)
B01J  27/138       (2006.01)
C07B  61/00        (2006.01)
FI C07C 67/08
C07C 69/24
B01J 27/125 Z
B01J 27/053 Z
B01J 27/25 Z
B01J 31/04 Z
B01J 27/128 Z
B01J 27/138 Z
C07B 61/00 300
請求項の数または発明の数 14
全頁数 19
出願番号 特願2006-548770 (P2006-548770)
出願日 平成17年12月5日(2005.12.5)
国際出願番号 PCT/JP2005/022312
国際公開番号 WO2006/064685
国際公開日 平成18年6月22日(2006.6.22)
優先権出願番号 2004359319
2005168884
優先日 平成16年12月13日(2004.12.13)
平成17年6月8日(2005.6.8)
優先権主張国 日本国(JP)
日本国(JP)
審査請求日 平成19年4月20日(2007.4.20)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304019399
【氏名又は名称】国立大学法人岐阜大学
発明者または考案者 【氏名】杉 義弘
【氏名】小村 賢一
【氏名】クシュディラム マントリ
個別代理人の代理人 【識別番号】100095577、【弁理士】、【氏名又は名称】小西 富雅
【識別番号】100114362、【弁理士】、【氏名又は名称】萩野 幹治
審査官 【審査官】松本 直子
参考文献・文献 特開2004-250388(JP,A)
特開平08-504762(JP,A)
特開2002-020348(JP,A)
特開平08-071429(JP,A)
調査した分野 C07C 67/08
C07C 69/24
C07C 69/58
B01J 27/053
B01J 27/125
B01J 27/25
B01J 27/135
B01J 27/128
B01J 38/00
特許請求の範囲 【請求項1】
アルコールとカルボン酸とを触媒の存在下で反応させるカルボン酸エステルの製造方法において、
前記触媒はアルミニウム、ガリウム、インジウム、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛及びニオブから選ばれた少なくとも一種の金属塩水和物を含み、前記アルコールは炭素数が10以上のアルコールであり、前記カルボン酸は炭素数10以上のカルボン酸であることを特徴とするカルボン酸エステルの製造方法。
【請求項2】
前記金属塩水和物は、ハロゲン化金属水和物以外の金属塩水和物であることを特徴とする請求項1記載のカルボン酸エステルの製造方法。
【請求項3】
前記金属塩水和物は、硝酸塩水和物、硫酸塩水和物、カルボン酸塩水和物及び過塩素酸塩水和物の少なくとも一種であることを特徴とする請求項2記載のカルボン酸エステルの製造方法。
【請求項4】
アルコール及びカルボン酸は、ともに炭素数12以上の分子である
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のカルボン酸エステルの製造方法。
【請求項5】
エステル化反応終了後に触媒を回収し、再使用することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のカルボン酸エステルの製造方法
【請求項6】
前記金属塩水和物が担体に担持されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のカルボン酸エステルの製造方法。
【請求項7】
担体の表面は疎水性であることを特徴とする請求項6記載のカルボン酸エステルの製造方法。
【請求項8】
担体の表面が疎水化処理されていることを特徴とする請求項7記載のカルボン酸エステルの製造方法。
【請求項9】
担体はメソポーラスシリカであることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項記載のカルボン酸エステルの製造方法。
【請求項10】
アルミニウム、ガリウム、インジウム、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛及びニオブから選ばれた少なくとも一種の金属塩水和物であって、炭素数10以上のアルコールと炭素数10以上のカルボン酸をエステル化するエステル化触媒。
【請求項11】
前記金属塩水和物は、ハロゲン化金属水和物以外の金属塩水和物であることを特徴とする請求項10記載のエステル化触媒。
【請求項12】
前記金属塩水和物は、硝酸塩水和物、硫酸塩水和物、カルボン酸塩水和物及び過塩素酸塩水和物の少なくとも一種であることを特徴とする請求項11記載のエステル化触媒。
【請求項13】
アルコール及びカルボン酸は、ともに炭素数12以上の分子であることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項記載のエステル化触媒。
【請求項14】
前記金属塩水和物が担体に担持されてなることを特徴とする請求項10乃至13のいずれか1項記載のエステル化触媒。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、高級カルボン酸の高級アルコールエステルを製造するためのカルボン酸エステルの製造方法、及びそれに用いるエステル化触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カルボン酸エステルの製造方法として、アルコールとカルボン酸とを触媒の存在下で反応させる方法が知られている。触媒としては、シリカ、アルミナ、ゼオライト、ニオブ酸等の固体酸触媒や、硫酸、リン酸、塩酸、ヘテロポリ酸等の無機酸が用いられている。また、カルボン酸の誘導体を用いる方法として、カルボン酸塩化物とアルコールとを塩基の存在下で反応させ、エステルとする方法も知られている。
【0003】
エステル化反応に用いられる触媒のうち、固体酸触媒は、反応後に生成物の分離が容易であり、廃酸を発生することもないという利点があるため、エステル化触媒として広く用いられている。しかし、アルコールとカルボン酸の炭素数がともに10以上であるような、大きな分子同士のエステル化反応に対しては、従来の固体酸触媒は触媒活性がほとんどないというのが、これまでの当業者の常識であった。しかしながら、高級アルコールの高級カルボン酸エステルは、化粧品、可塑剤、潤滑剤、表面光沢剤、和ロウソク等の機能性材料として用いられる重要なエステルであり、その効率的な製造方法が求められている。
【0004】
こうした高級アルコールと高級カルボン酸のエステル化の方法としては、従来、濃硫酸等の無機強酸が使用されている。しかし、この方法は(1)反応に長時間を要すること、(2)重質成分のコークが大量に副生し、その抑制も困難であること、(3)種々の副反応が起こり、高純度化のための精製が困難であること、等の問題点がある。また、反応終了後に、使用した無機酸を回収して再利用することは困難であるため、廃酸が大量に発生し、その処理が問題となる。また、カルボン酸を酸塩化物にした後、塩基の存在下でアルコールと反応させ、エステルとする方法も行われてきたが、酸塩化物の製造のために塩化チオニル、三塩化リン、五塩化リン等の有害な物質を用いなければならず、多量の副生成物が生成し、製造コストも高いという問題があった。
【0005】
一方、近年、エステル化のための新たな酸触媒として、ジルコニウム化合物やハフニウム化合物が報告されている。
【0006】
例えば、特許文献1には、四価のハフニウム化合物や四価のジルコニウム化合物からなるエステル化触媒が記載されている。これらのエステル化触媒の存在下において、アルコールとカルボン酸とを等モルで反応させた場合、比較的高収率でエステルを得ることができる。このため、原料の無駄が少なく、エステルの分離も容易であるという利点がある。しかしながら、アルコール及びカルボン酸がともに炭素数10以上の分子からなるカルボン酸エステルについては、得られたという報告はされていない。

【特許文献1】特開2002-121170号公報
【0007】
また、特許文献2には、四価のジルコニウム化合物や四価のハフニウム化合物からなるエステル化触媒を用いて、炭素数10以上のアルコールであるシクロドデカノールと、炭素数が10以上のカルボン酸である4-フェニル酪酸とのエステル化反応を行うことができる旨の記載がなされている。しかし、ここで用いられたカルボン酸は4-フェニル酪酸であり、エステル化反応の活性が低い炭素数が10以上の脂肪族カルボン酸については報告されていない。

【特許文献2】特開2004-250388号公報 段落番号0047~0048
【0008】
比較的大きな分子同士を高収率でエステル化することができる触媒としては、ヘテロポリ酸の金属塩を触媒とする方法が知られている(非特許文献1)。この文献によれば、各種のヘテロポリ酸塩触媒を用いて、カプリン酸と1-オクタノールという比較的大きな分子同士のエステルが得られている。

【非特許文献1】第35回中部化学関係学協会支部連合秋季大会 要旨集(2004)190ページ
【0009】
また、特許文献3には、高級アルコールと高級脂肪酸のエステル化反応の触媒として、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素、塩化亜鉛、塩化スズ、塩化チタン、塩化アンチモン等のルイス酸を用いることができる旨記載されている。これらの化合物をルイス酸として機能させるためには、水の無い状態で反応させなければならない(もし水が存在するならば、水和してプロトン供与体、すなわちブレンステッド酸となるからである)。すなわち、この特許文献3には、上記の金属塩の水和物がエステル化触媒として機能するか否かについては、何ら記載されていない。

【特許文献3】特公平6-721号公報 カラム6 14行目から19行目
【0010】
なお、本発明に関連し、金属化合物を用いたエステル化触媒に関する先行技術として、以下のものがある。

【非特許文献2】Indian Chemical Manufacturers, Vol. 17, No.1, 27-30 (1979)
【非特許文献3】Tetrahedron Letters, No.21, 1823(1973)
【非特許文献4】Indian Journal Chemistry, section B, vol. 16, 725-728 (1978).
【非特許文献5】Chemical Engineering Technology, Vol. 19, No. 12, 538-542 (1996)
【非特許文献6】Microporus and Mesoporuos Materials, Vol. 46, No. 10, 179-183 (2001)
【非特許文献7】Studies in Surface Science and Catalysis, Vol. 130, D,3429-3434 (2000)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記従来の実情に鑑みなされたものであり、アルコール及びカルボン酸がともに炭素数10以上の分子からなるカルボン酸エステルを高収率で製造可能であり、使用した触媒を再利用することができ、廃棄物が少なく、環境問題を生ずるおそれの少ないカルボン酸エステルの製造方法及びそれに用いることが可能なエステル化触媒を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
発明者らは、上記課題を解決するために、エステル化触媒として金属塩を用いることについて検討した。従来、金属塩を触媒として用いる場合には、無水物の形態でルイス酸として用いるのが常識とされている。ところがエステル化反応においては、金属塩を水和物の形態で反応系に存在させることにより、高級アルコールと高級カルボン酸とのエステル化反応が迅速に進行するという驚くべき発見をし、本発明を完成させるに至った。
【0013】
すなわち、第1発明のカルボン酸エステルの製造方法は、アルコールとカルボン酸とを触媒の存在下で反応させるカルボン酸エステルの製造方法において、前記触媒はアルミニウム、ガリウム、インジウム、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、ジルコニウム、ハフニウム及びニオブから選ばれた少なくとも一種の金属塩水和物を含み、前記アルコールは炭素数が10以上のアルコールであり、前記カルボン酸は炭素数10以上のカルボン酸(ジルコニウム塩水和物及び/又はハフニウム塩水和物を含む場合においては炭素数10以上の脂肪族カルボン酸)であることを特徴とする。
【0014】
発明者らの試験結果によれば、アルコールとカルボン酸のエステル化反応において、触媒としてアルミニウム、ガリウム、インジウム、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、ジルコニウム、ハフニウム及びニオブから選ばれた少なくとも一種の金属塩水和物を用いれば、アルコールとカルボン酸の炭素数がともに10以上の場合のエステル化反応である場合においても、エステル化反応が促進され、高収率でエステルを得ることができる。これらの金属塩水和物は、あらかじめ用意しておいたものを反応系に添加してもよいが、金属塩無水物として反応系に添加することも可能である。エステル化反応では脱水により水が生成するため、添加した金属塩無水物が水和されて金属塩水和物に変化するからである。例えば、金属塩として塩化ジルコニウムをエステル化触媒とした場合、塩化ジルコニウムは反応溶液中に生成した水と反応してジルコニウム塩水和物であるZrOCl・8H2Oとなり、触媒としての効果を発揮する。
【0015】
第1発明のカルボン酸エステルの製造方法では、アルコールとカルボン酸とを等モルで反応させても、対応するエステルが高収率で得られるため、原料を過剰に使用する必要がなく、無駄が少なくなる。さらには、触媒として使用した金属塩水和物は、エステル化反応終了後にろ過やデカンテーション等の手段によって簡単に回収することができる。また、回収した金属塩水和物を再利用した場合においても、触媒活性はほとんど低下しない。このため、触媒の再利用が可能である。また、オレイン酸やリノール酸等、分子内に二重結合を有するカルボン酸を用いた場合、シス-トランス間で異性化を起こすこともないという利点も有する。
【0016】
第2発明のカルボン酸エステルの製造方法は、アルコールとカルボン酸とを触媒の存在下で反応させるカルボン酸エステルの製造方法において、前記触媒はアルミニウム、ガリウム、インジウム、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、ジルコニウム、ハフニウム及びニオブから選ばれた少なくとも一種の金属塩水和物が担体に担持されてなり、前記アルコールは炭素数が10以上のアルコールであり、前記カルボン酸は炭素数10以上のカルボン酸であることを特徴とする。
【0017】
第2発明は金属塩水和物を担体に担持させて固体触媒として用いる。固体触媒にすることにより、触媒のハンドリングが容易となる。さらに、担体に担持された触媒は、ろ過等の手段によって簡単に回収することができ、回収された触媒の活性もそれほど低下しないため、再利用は十分に可能である。担体としては、例えばメソポーラスシリカ、シリカゲル、アルミナ、ジルコニア、活性炭等を用いることができる。
【0018】
金属塩水和物を担体に担持させて固体触媒として用いる場合、担体の表面は疎水性であることが好ましい。こうであれば、アルコールとカルボン酸とのエステル化反応で生じた水が担体表面から速やかに排除されることとなり、エステル化反応が進行し、エステル収率も高くなる。疎水性表面を有する担体としては、メソポーラスシリカやシリカゲル等のシリカや、活性炭等が挙げられる。
【0019】
また、担体の表面を疎水化処理しても同様の効果を得ることができる。このような疎水化処理方法として、例えば、疎水基を有するシランカップリング剤でシリカ担体の表面を処理する方法等が挙げられる。担体の表面が疎水性である場合であっても、その担体の表面を疎水化処理すれば、さらにエステル化反応を促進することができる。
【0020】
第1発明及び第2発明に用いられる金属塩水和物としては特に限定はなく、金属塩としては、塩化物、臭化物等のハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、燐酸塩、過塩素酸塩及び酢酸塩、クロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、アセチル酢酸塩等のカルボン酸塩、メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩のスルホン酸塩等が挙げられ、これらの水和物を用いることができる。
【0021】
また第1発明及び第2発明の製造方法を溶媒中で行う場合に用いられる溶媒としては、水酸基を有する溶媒を除き、特に制限はないが、芳香族炭化水素溶媒等の炭化水素溶媒を用いれば、エステル化に伴って生ずる水が共沸して除去され、反応平衡をエステル側に偏らせることができるため好適である。特にメシチレンやテトラリンのような高沸点の炭化水素は、反応温度を高くして反応速度を高めることができるため、さらに好ましい。
【0022】
さらに、第1発明及び第2発明に用いられるアルコールは、炭素数が10以上のアルコールが用いられる。炭素数が10以上のアルコールとして、例えばカプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等が挙げられる。不飽和アルコール、分枝アルコール、第2アルコール等を用いることも、もちろん可能である。
【0023】
また、第1発明及び第2発明に用いられるカルボン酸は、炭素数が10以上のものが用いられる。このようなカルボン酸として、例えば飽和脂肪酸系としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等がある。また、不飽和脂肪酸としては、トウハク酸、リンデル酸、ツズ酸、ゾーマリン酸、オレイン酸、ガドレイン酸、エルシン酸、セラコレイン酸、リシノール酸、リノール酸、ヒラゴ酸、リノレイン酸、エレオステアリン酸、エライジン酸等がある。また、カルボン酸は、直鎖であってもよく、枝分かれをしていてもよく、芳香環を有するカルボン酸であってもよい。
【0024】
第1発明のカルボン酸エステルの製造方法では、上述したように、金属塩水和物が用いられる。すなわち、第3発明のエステル化触媒は、アルミニウム、ガリウム、インジウム、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、ジルコニウム、ハフニウム及びニオブから選ばれた少なくとも一種の金属塩水和物であって、炭素数10以上のアルコールと炭素数10以上のカルボン酸(ジルコニウム塩水和物及び/又はハフニウム塩水和物を含む場合においては炭素数10以上の脂肪族カルボン酸)をエステル化することを特徴とする。
【0025】
また、第2発明のカルボン酸エステルの製造方法では、上述したように、担体に担持された金属塩水和物が用いられる。すなわち、第4発明のエステル化触媒は、アルミニウム、ガリウム、インジウム、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、ジルコニウム、ハフニウム及びニオブから選ばれた少なくとも一種の金属塩水和物が担体に担持されている。
【発明の効果】
【0026】
本発明のカルボン酸エステルの製造方法及びエステル化触媒は、高級アルコールと高級カルボン酸のエステルを高収率で製造することができ、使用した触媒を再利用することが可能であるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明を具体化した実施例を説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
【0028】
(実施例1~4)
実施例1~4では表1に示す各種のアルミニウム塩を用い、以下のようにしてパルミチン酸とセチルアルコールのエステル化を行った。すなわち、100mlフラスコにメシチレン40mlを入れ、さらにパルミチン酸(6mmol)、セチルアルコール(6mmol)及び表1に示すアルミニウム塩(0.12mmol)を加える。そして、オイルバスによって温度を162°Cとし、スターラで撹拌しながら反応により生成する水を冷却管で凝縮して留去させた。24時間経過後、反応液をろ過し、減圧下で溶媒を留去させて、ガスクロマトグラフィー(Ultra-1キャピラリーカラム)で分析し、対応するエステル収率を求めた。結果を表1に示す。
【表1】
JP0004092406B1_000002t.gif

【0029】
表1に示すように、エステル化触媒としてアルミニウム塩を用いれば、そのアルミニウム塩の種類にかかわらず、炭素数16のカルボン酸であるパルミチン酸と、炭素数16のアルコールであるセチルアルコールを高い収率でエステル化できることが分かった。
【0030】
(実施例5~11)
実施例5~11ではエステル化触媒としてAlCl3・6H2Oを0.12mmol(実施例10及び実施例11では0.6mmol)用い、各種の高級カルボン酸と高級アルコールとのエステル化反応を行った。他の条件は実施例1~4と同様である。結果を表2に示す。
【表2】
JP0004092406B1_000003t.gif

【0031】
表2に示すように、エステル化触媒としてAlCl3・6H2Oを用いれば、各種の高級カルボン酸と各種の高級アルコールとのエステル化反応を行うことができることが分かった。また、分子内に二重結合を有するオレイン酸及びリノレイン酸については、シス-トランス間の異性化を起こすこともなかった。
【0032】
(実施例12~16)
実施例12~16では、各種のアルミニウム塩をメソポーラスシリカに担持させた触媒を用いた。
-メソポーラスシリカ担持触媒の調製-
表3に示す各種のアルミニウム塩(72.5mg,0.06mmol)をエタノ-ル25mlに溶解し、メソポーラスシリカ(MCM-41)(290mg)を加え、一夜放置する。その後、溶媒を減圧下で除去し、110℃で乾燥したものをメソポーラスシリカ担持触媒とした。
-メソポーラスシリカ担持触媒によるエステル化-
100mlフラスコにメシチレン40mlを入れ、さらにパルミチン酸6mmol、セチルアルコール6mmol及び上記メソポーラスシリカ担持触媒を加える。そして、オイルバスによって温度を165°Cとし、スターラで撹拌しながら反応により生成する水を冷却管で凝縮して留去させた。そして12時間経過後、反応液をろ過し、減圧下で溶媒を留去させて、ガスクロマトグラフィー(Ultra-1キャピラリーカラム)で分析した。結果を表3に示す。
【表3】
JP0004092406B1_000004t.gif

【0033】
表3に示すように、メソポーラスシリカ担持触媒を用いても、高級カルボン酸と高級アルコールのエステル化反応を促進することが分かった。これらのメソポーラスシリカ担持触媒は、反応終了後、ろ過によって簡単に回収することができ、さらにそれを再度エステル化反応に使用することも十分に可能であり、触媒活性もそれほど低下することはなかった。
【0034】
(実施例17)
実施例17では、メソポーラスシリカに対するAlCl3・6H2Oの担持量を変えて、パルミチン酸とセチルアルコールとのエステル化反応を行った。他の反応条件は実施例12~16と同様である。結果を表4に示す。
【表4】
JP0004092406B1_000005t.gif

【0035】
(実施例18~23)
実施例18~23では、実施例12と同じメソポーラスシリカ担持AlCl3・6H2Oを用い、各種の高級カルボン酸と高級アルコールとのエステル化反応を行った。反応条件は実施例12と同様である。結果を表5に示す。
【表5】
JP0004092406B1_000006t.gif

【0036】
(実施例24~39)
実施例24~39では、表6に示す各種の金属塩を用い、パルミチン酸とセチルアルコールとのエステル化反応を行った。反応条件は実施例1~4と同様である。結果を表6に示す。
【表6】
JP0004092406B1_000007t.gif

【0037】
表6から、ジルコニウムの硝酸塩、硫酸塩及び酢酸塩や、ガリウム塩、インジウム塩、鉄塩、コバルト塩、ニッケル塩、及び亜鉛塩を用いても、炭素数が10以上の高級カルボン酸と、炭素数が10以上の高級アルコールとのエステル化反応を高収率で行うことができることが分かる。
【0038】
(実施例40~52)
実施例40~52では、実施例27~39で用いた金属塩をメソポーラスシリカに担持させた触媒を用いた。触媒調製方法及び反応条件は実施例12~16と同様である。結果を表7に示す。
【表7】
JP0004092406B1_000008t.gif

【0039】
(実施例53~59)
実施例53~59では、表8に示す各種の金属塩を用い、イソステアリン酸(あるいはパルミチン酸)とセチルアルコールとのエステル化反応を行った。反応条件は実施例1~4と同様(ただし実施例53~55では触媒量を他の5倍とした)である。結果を表8に示す。
【表8】
JP0004092406B1_000009t.gif

【0040】
(実施例60~66)
実施例60~66では、実施例53~59で用いた金属塩をメソポーラスシリカに担持させた触媒を用いた。担持方法は実施例12~16と同様であり、反応条件は実施例53~59と同様である(ただし実施例60~62では触媒量を実施例63~66の1/2の量とした)。結果を表9に示す。
【表9】
JP0004092406B1_000010t.gif

【0041】
<ZrOCl水和物を触媒として用いたカルボン酸エステルの製造>
(実施例67)
100mlフラスコにメシチレン40mlを入れ、さらにステアリン酸6mmol、デカノール6mmol及びZrOCl水和物0.12mmolを加える。そして、オイルバスによって温度を165°Cとし、スターラで撹拌しながら反応により生成する水を冷却管で凝縮して留去させた。24時間経過後、反応液をろ過し、減圧下で溶媒を留去させて、ガスクロマトグラフィー(Ultra-1キャピラリーカラム)で分析し、対応するエステル収率を求めた。
【0042】
(実施例68、69)
アルコールとして、実施例68ではラウリルアルコール、実施例69ではミリスチルアルコールを用いた。他の条件は実施例67と同様である。
【0043】
(実施例70~72)
実施例70~72では、アルコールとしてセチルアルコールを用い、カルボン酸として実施例70ではカプリン酸、実施例71ではラウリン酸、実施例72ではミリスチン酸を用いた。他の条件は実施例67と同様である。
【0044】
上記実施例67~72における結果を表10に示す。
【表10】
JP0004092406B1_000011t.gif

【0045】
表10に示すように、エステル化触媒としてZrOCl水和物を用いれば、炭素数10以上のカルボン酸と、炭素数10以上のアルコールとを極めて高い収率でエステル化できることが分かった。
【0046】
(実施例73)
100mlフラスコにテトラリン40mlを入れ、さらにパルミチン酸6mmol、セチルアルコール6mmol及びZrOCl水和物0.12mmolを加える。そして、オイルバスによって温度を207°Cとし、スターラで撹拌しながら反応により生成する水を冷却管で凝縮して留去させた。そして24時間経過後、実施例67と同様の方法によりエステル収率を求めた。
【0047】
(実施例74)
実施例74では溶媒としてメシチレンを用い、反応温度を165°Cとし、反応時間を24時間とした。他の条件は、実施例73と同様である。
【0048】
上記実施例73及び74におけるエステル収率を表11に示す。
【表11】
JP0004092406B1_000012t.gif

【0049】
表11に示すように、高沸点の反応溶媒を用いて反応温度を高くすれば、短時間で高いエステル収率が得られることが分かった。
【0050】
(実施例75)
実施例75では、溶媒としてテトラリンを用い、ステアリルアルコールとパルミチン酸とのエステル化反応を行った。他の条件は実施例73と同様である。その結果、パルミチン酸ステアリルへの収率は99.9%以上という極めて高い値となった。
【0051】
(実施例76)
100mlフラスコにメシチレン40mlを入れ、さらにイソステアリン酸6mmol、ステアリルアルコール6mmol及びZrOCl水和物0.12mmolを加える。そして、オイルバスによって温度を165°Cとし、スターラで撹拌しながら反応により生成する水を冷却管で凝縮して留去させた。そして、24時間経過後、実施例67と同様の方法によりエステル収率を求めた。
【0052】
(実施例77~79)
アルコールとして、実施例77ではセチルアルコール、実施例78ではミリスチルアルコール、実施例79ではラウリルアルコールを用いた。他の条件は実施例76と同様である。
【0053】
(実施例80)
実施例80では、アルコールとしてセチルアルコールを用い、溶媒はテトラリンを使用し、反応温度は207°Cとした。他の条件は実施例76と同様である。
【0054】
上記実施例76~80における結果を表12に示す。
【表12】
JP0004092406B1_000013t.gif

【0055】
表12に示すように、エステル化触媒としてZrOCl水和物を用いれば、分枝を有するイソステアリン酸の各種の高級アルコールエステルが得られることが分かった。また、実施例76と実施例80との比較から、高沸点の反応溶媒を用いて反応温度を高くすれば、短時間で高いエステル収率が得られることが分かった。
【0056】
(実施例81)
100mlフラスコにメシチレン40mlを入れ、さらにパルミチン酸6mmol、2-ドデカノール6mmol及びZrOCl水和物0.12mmolを加える。そして、オイルバスによって温度を162°Cとし、スターラで撹拌しながら反応により生成する水を冷却管で凝縮して留去させた。そして、24時間経過後、実施例67と同様の方法によりエステル収率を求めた。
【0057】
(実施例82、83)
アルコールとして、実施例82では2-テトラデカノール、実施例83では2-ヘキサデカノールを用いた。他の条件は実施例81と同様である。
【0058】
上記実施例81~83における結果を表13に示す。
【表13】
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【0059】
表13に示すように、エステル化触媒としてZrOCl水和物を用いれば、分枝を有する各種アルコールのカルボン酸エステルが得られることが分かった。
【0060】
(実施例84~86)
実施例84~86では、エステル化反応において、ZrOCl水和物触媒を0.04mmol用い、セチルアルコールを2mmol、不飽和カルボン酸(実施例84ではオレイン酸(cis)、実施例85ではエライジン酸(trans)、実施例86ではリノレン酸)を2mmol用い、溶媒としてメシチレンを30ml用いた。他の条件は実施例76と同様である。
【0061】
上記実施例84~86における結果を表14に示す。
【表14】
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【0062】
表14に示すように、不飽和カルボン酸のエステル化反応においても、触媒としてZrOCl水和物を用いれば、異性化反応することなく高い収率で対応するエステルを得ることができた。
【0063】
<メソポーラスシリカ担持触媒によるカルボン酸エステルの製造>
(実施例87)
-メソポーラスシリカ担持触媒の調製-
市販のZrOCl・8水和物 (0.1g,0.31mmol)をエタノ-ル25mlに溶解し、メソポーラスシリカ([Si]-MCM-41) 1gを加え、一夜放置する。その後、溶媒を減圧下で除去し、110℃で乾燥したものをメソポーラスシリカ担持触媒とした。
-メソポーラスシリカ担持触媒によるエステル化-
100mlフラスコにメシチレン40mlを入れ、さらにパルミチン酸6mmol、セチルアルコール6mmol及び上記メソポーラスシリカ担持触媒0.05gを加える。そして、オイルバスによって温度を165°Cとし、スターラで撹拌しながら反応により生成する水を冷却管で凝縮して留去させた。そして24時間経過後、反応液をろ過し、減圧下で溶媒を留去させて、ガスクロマトグラフィー(Ultra-1キャピラリーカラム)で分析した。
【0064】
(実施例88)
実施例88では、エステル化反応において、メソポーラスシリカ担持触媒を0.2g用いた。他の条件は実施例87と同様である。
【0065】
(実施例89)
実施例89では、メソポーラスシリカ担持触媒の調整において、メソポーラスシリカ1gに対してZrOCl・8水和物 を(0.15g,0.46mmol)とし、メソポーラスシリカ担持触媒の使用量を0.1gとした。また、エステル化反応における溶媒はm-キシレンとし、反応温度は140°Cとした。他の条件は実施例87と同様である。
【0066】
(実施例90)
実施例90では、メソポーラスシリカ担持触媒の使用量を0.05gとした。他の条件は実施例87と同様である。
【0067】
(実施例91)
実施例91では、カルボン酸としてミリスチン酸を用いた。他の条件は実施例90と同様である。
【0068】
(実施例92)
実施例92では、アルコールとしてステアリルアルコールを用い、メソポーラスシリカ担持触媒の使用量を0.15gとした。他の条件は実施例90と同様である。
【0069】
(実施例93)
実施例93では、カルボン酸としてイソステアリン酸を用い、アルコールとしてセチルアルコール用いた。また、メソポーラスシリカ担持触媒の使用量を0.15gとした。他の条件は実施例90と同様である。
【0070】
(実施例94)
実施例94では、カルボン酸としてパルミチン酸を用い、アルコールとしてラウリルアルコールを用いた。また、メソポーラスシリカ担持触媒の使用量を0.05gとした。他の条件は実施例90と同様である。
【0071】
実施例87~94の結果を表15に示す。
【表15】
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【0072】
表15に示すように、メソポーラスシリカ担持触媒は、炭素数10以上のカルボン酸と、炭素数10以上のアルコールとのエステル化反応を促進することが分かった。
【0073】
(実施例95)
実施例95では、エステル化反応において、メソポーラスシリカ担持触媒を0.15g用いた。他の条件は実施例75と同様である。また、反応終了後、ろ過によってメソポーラスシリカ担持触媒を回収し、再度それを使用して同じ反応をおこなった。回収されたメソポーラスシリカ担持触媒によるエステル化反応は2回繰り返した。
【0074】
実施例95の結果を表16に示す。
【表16】
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【0075】
表16に示すように、メソポーラスシリカ担持触媒を再利用した場合、エステルの収率が若干低下するものの、十分再利用が可能であることが分かった。
【0076】
(実施例96~98)
実施例96~98では、カルボン酸としてパルミチン酸を用い、アルコールは第2アルコール(実施例96では2-ドデカノール、実施例97では2-テトラデカノール、実施例98では、2-ヘキサデカノール)を用いた。他の条件は実施例90と同様である。
【0077】
上記実施例96~98における結果を表17に示す。
【表17】
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【0078】
表17に示すように、アルコールが分枝アルコールであってもエステル化が可能であることが分かった。
【0079】
(実施例99~101)
実施例99~101では、カルボン酸として不飽和脂肪酸(実施例99ではオレイン酸、実施例100ではエライジン酸、実施例101ではリノレン酸)を2mmol用い、アルコールとしてセチルアルコールを2mmol用いた。他の条件は実施例90と同様である。
【0080】
上記実施例99~101における結果を表18に示す。
【表18】
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【0081】
表18に示すように、いずれの場合もエステルへの収率100%という高率で対応するエステルが得られた。また、シス-トランス間での異性化反応も生じなかった。
【0082】
<ジルコニア担持触媒によるカルボン酸エステルの製造>
(実施例102)
-ジルコニア担持触媒の調製-
100ml-フラスコにメソポーラスジルコニア10g、濃塩酸70mlを入れ、110℃で6時間撹拌した。その後120℃で真空乾燥を2時間行い、ZrOCl水和物がジルコニアに担持された、ジルコニア担持触媒(以下「ZrOCl2/ZrO2触媒」で表わす)を得た。この触媒を原子吸光分析装置によって分析した結果、塩素含量は0.65mmol/gであった。
【0083】
-ジルコニア担持触媒によるエステル化-
100mlフラスコにカプリン6mmol、セチルアルコール6mmol、ZrOCl2/ZrO2触媒0.25g及び溶媒としてメシチレン40mlを入れ、反応により生成する水を除去しながら165°Cを保った。24時間経過後、ZrOCl2/ZrO2触媒をろ過によって分離し、溶媒を除去した後、GC(Ultra-1キャピラリーカラム)で生成物を分析した。
【0084】
(実施例103~106)
実施例103~106では、アルコールとしてセチルアルコールを用い、カルボン酸として実施例103ではカプリン酸、実施例104ではラウリン酸、実施例105ではミリスチン酸、実施例106はパルミチン酸を用いた。他の条件は実施例102と同様である。
【0085】
実施例103~106の結果を表19に示す。
【表19】
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【0086】
表19に示すように、ZrOCl2/ZrO2触媒を用いても、炭素数10以上のカルボン酸と、炭素数10以上のアルコールとのエステル化反応を促進することが分かった。このZrOCl2/ZrO2触媒は、反応終了後、ろ過によって簡単に回収することができ、さらにそれを再度エステル化反応に使用することも十分に可能であり、触媒活性のもそれほど低下することはなかった。
【0087】
(実施例107)
実施例107では、疎水化処理したメソポーラスシリカにZrOCl・8水和物を担持させたエステル化触媒を用いた。詳細は以下のとおりである。
【0088】
-シランカップリング剤によるメソポーラスシリカの疎水化処理-
デシルトリメトキシシランの1%メタノール溶液50ml中にメソポーラスシリカ([Si]-MCM-41) 1gを加え、5分間撹拌した後、ろ別し、さらにメタノールで洗浄し、乾燥して疎水化メソポーラスシリカを得た。
【0089】
-疎水化メソポーラスシリカ担持触媒の調製-
市販のZrOCl・8水和物 (0.1g,0.31mmol)をエタノ-ル25mlに溶解し、上記疎水化メソポーラスシリカ([Si]-MCM-41) 1gを加え、一夜放置する。その後、溶媒を減圧下で除去し、110℃で乾燥したものを疎水化メソポーラスシリカ担持触媒とした。
【0090】
-疎水化メソポーラスシリカ担持触媒によるエステル化-
上記疎水化メソポーラスシリカ担持触媒を用いて実施例79と同様のエステル化反応を行った。すなわち、100mlフラスコにメシチレン40mlを入れ、さらにパルミチン酸6mmol、セチルアルコール6mmol及び上記疎水化メソポーラスシリカ担持触媒0.05gを加える。そして、オイルバスによって温度を165°Cとし、スターラで撹拌しながら反応により生成する水を冷却管で凝縮して留去させた。そして24時間経過後、反応液をろ過し、減圧下で溶媒を留去させて、ガスクロマトグラフィー(Ultra-1キャピラリーカラム)で分析した。
【0091】
その結果、表20に示すように、疎水化メソポーラスシリカにZrOCl・8水和物を担持させた実施例107では、疎水化を行っていないメソポーラスシリカにZrOCl・8水和物を担持させた実施例90と比較してエステル収率が高いことが分かった。これは、実施例107では、担体が疎水化処理されているため、アルコールとカルボン酸とのエステル化反応で生じた水が担体表面から速やかに排除されることとなり、エステル化反応が進行しやすくなるためであると考えられる。
【表20】
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【0092】
実施例108~111では、実施例67~72におけるZrOCl水和物に替えて、HfOCl水和物を用いて同様の試験を行った。結果を表21に示す。
【表21】
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【0093】
表21に示すように、エステル化触媒としてHfOCl水和物を用いても、炭素数10以上のカルボン酸と、炭素数10以上のアルコールとを極めて高い収率でエステル化できることが分かった。
【0094】
実施例114、115では、実施例87、88におけるZrOCl水和物に替えて、HfOCl水和物を用いてメソポーラスシリカ担持触媒を調製し、同様の試験を行った。結果を表22に示す。
【表22】
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【0095】
表22に示すように、HfOCl水和物を用いたメソポーラスシリカ担持触媒でも、炭素数10以上のカルボン酸と、炭素数10以上のアルコールとを極めて高い収率でエステル化できることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明によれば、高級アルコールと高級カルボン酸のエステルを高収率で製造することができる。このようなカルボン酸エステルは、化粧品、可塑剤、潤滑剤、表面光沢剤離型剤、和ロウソク等の機能性材料として用いることができる。使用した触媒を再利用することもでき、エステル製造に伴う廃棄物も少ない。