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明細書 :プラスチックの分解方法及び微生物

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4982738号 (P4982738)
公開番号 特開2007-319077 (P2007-319077A)
登録日 平成24年5月11日(2012.5.11)
発行日 平成24年7月25日(2012.7.25)
公開日 平成19年12月13日(2007.12.13)
発明の名称または考案の名称 プラスチックの分解方法及び微生物
国際特許分類 C12N   1/20        (2006.01)
C12R   1/01        (2006.01)
FI C12N 1/20 ZABF
C12N 1/20 ZNAA
C12N 1/20 ZABF
C12R 1:01
C12N 1/20 ZNAA
C12R 1:01
請求項の数または発明の数 5
微生物の受託番号 IPOD FERM P-20919
全頁数 10
出願番号 特願2006-152728 (P2006-152728)
出願日 平成18年5月31日(2006.5.31)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 平成18年2月20日 静岡大学主催の「平成17年度修士論文発表会」において文書をもって発表
審査請求日 平成21年5月8日(2009.5.8)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304023318
【氏名又は名称】国立大学法人静岡大学
発明者または考案者 【氏名】徳山 真治
個別代理人の代理人 【識別番号】100079049、【弁理士】、【氏名又は名称】中島 淳
【識別番号】100084995、【弁理士】、【氏名又は名称】加藤 和詳
【識別番号】100085279、【弁理士】、【氏名又は名称】西元 勝一
【識別番号】100099025、【弁理士】、【氏名又は名称】福田 浩志
審査官 【審査官】幸田 俊希
参考文献・文献 特開平09-037776(JP,A)
特開平10-108669(JP,A)
特開平11-004680(JP,A)
特開平11-046755(JP,A)
特開2000-060540(JP,A)
特開2001-128693(JP,A)
特開2004-166542(JP,A)
NISHIDA,H. AND TOKIWA,Y.,Distribution of Poly(b-hydroxybutyrate) and Poly(e-caprolactone) Aerobic Degrading Microorganisms in Different Environments.,J. Environ. Polym. Degrad.,1993年 9月,Vol.1, No.3,pp.227-33
PRANAMUDA,H. et al.,Polylactide Degradation by an Amycolatopsis sp.,Appl. Environ. Microbiol.,1997年 4月,Vol.63, No.4,pp.1637-40
調査した分野 C12N 15/00
C12N 1/20
CA/BIOSIS/MEDLINE(STN)
PubMed
WPI
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII)

特許請求の範囲 【請求項1】
プラスチック分解能を有するサーモアクチノマイセス属に属する微生物又はその破砕物を用いて、生分解性プラスチックを分解することを特徴とするプラスチックの分解方法。
【請求項2】
前記生分解性プラスチックが、分子構造中にエステル結合を有する生分解性プラスチックであることを特徴とする請求項1記載のプラスチックの分解方法。
【請求項3】
前記サーモアクチノマイセス属に属する微生物が、サーモアクチノマイセス・ブルガリス、サーモアクチノマイセス・ディコトミカス、サーモアクチノマイセス・インターメディウス、サーモアクチノマイセス・プチダス、サーモアクチノマイセス・サッカリからなる群より選択された少なくとも一つであることを特徴とする請求項1又は2記載のプラスチックの分解方法。
【請求項4】
前記サーモアクチノマイセス属に属する微生物が、サーモアクチノマイセス・ブルガリスT7-1(FERM-20919)であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項記載のプラスチックの分解方法。
【請求項5】
サーモアクチノマイセス・ブルガリスT7-1(FERM-20919)。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチックの分解方法及び微生物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プラスチックの使用量が増加するにつれて、環境への配慮から天然環境下で分解可能な生分解性プラスチックの開発が進められている。例えばポリ乳酸は、水系環境下で加水分解可能な高分子であり、その分解には酵素が用いられることもある。またポリ乳酸を直接分解する微生物についてもいくつか同定されている。
ポリ乳酸分解能を有する微生物としては、例えば、土中から30℃で分離されたアミコラトプシス属放線菌、サッカロスリクス属放線菌、ストレプトマイセス属放線菌が知られている(例えば、特許文献1~4)。また分子構造中にエステル結合を有するプラスチックの分解能を有するペニバチルス属細菌も、土中から30℃で分離されている(特許文献5)。これらの菌は、30℃2週間程度の処理でポリ乳酸を分解する。また、特許文献6~7には、土中から50℃で分離されたバチルス属細菌、アクチノマデュラ属放線菌、スタフィロコッカス属細菌が記載されている。これらの菌は、50℃における2週間程度の処理でポリ乳酸を分解する。

【特許文献1】特開平9-37776号公報
【特許文献2】特開2000-60540号公報
【特許文献3】特開2001-128693号公報
【特許文献4】特開平10-108669号公報
【特許文献5】特開2004-166542号公報
【特許文献6】特開平11-4680号公報
【特許文献7】特開平11-46755号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、プラスチックの分解処理速度は一般に温度に依存して速くなるが、微生物の生育適温を超えると微生物による分解活性が低下する。一方、微生物のプラスチック分解能は、その微生物種によって異なる。
従って、本発明は、生分解性プラスチックを効率よく分解可能なプラスチック分解方法及びこれに利用可能な微生物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のプラスチックの分解方法は、プラスチック分解能を有するサーモアクチノマイセス属に属する微生物又はその破砕物を用いて、生分解性プラスチックを分解することを特徴としている。
ここで、前記生分解性プラスチックが、分子構造中にエステル結合を有する生分解性プラスチックであることが好ましい。
上記発明において、前記サーモアクチノマイセス属に属する微生物は、サーモアクチノマイセス・ブルガリス、サーモアクチノマイセス・ディコトミカス、サーモアクチノマイセス・インターメディウス、サーモアクチノマイセス・プチダス、サーモアクチノマイセス・サッカリからなる群より選択された少なくとも一つであることが好ましく、サーモアクチノマイセス・ブルガリスT7-1(FERM-20919)であることがより好ましい。
本発明の微生物は、サーモアクチノマイセス・ブルガリスT7-1(FERM-20919)である。
なお、本発明において、「生分解性プラスチック」を単に「プラスチック」と称する場合がある。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、生分解性プラスチックを効率よく分解可能なプラスチック分解方法及びこれに利用可能な微生物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明のプラスチックの分解方法は、プラスチック分解能を有するサーモアクチノマイセス属に属する微生物又はその破砕物を用いて、プラスチックを分解することを特徴としている。
本発明におけるプラスチックとしては、プラスチックの分子構造中にエステル結合を有するものが挙げられ、例えば、ポリヒドロキシカルボン酸系などが含まれる。ポリヒドロキシカルボン酸系としては、ポリグリコール酸、ポリ乳酸などの分岐ヒドロキシカルボン酸系、ポリグリコリド系、ポリラクチド系およびラクチド共重合体系、ポリε-カプロラクトン系、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート(PBS)、PBSA(ポリブチレンサクシネート・アジペート)、PES(ポリエチレンサクシネート)、PBSC(ポリブチレンサクシネート・カーボネート)、PEST(ポリエチレンサクシネート・テレフタレート)などのPBS系、乳酸-ジカルボン酸-ジオール系などが該当する。これらのうちの少なくとも一種であることが好ましく、中でも分解活性の観点からポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペートであることが特に好ましい。
【0007】
ポリ乳酸としては、乳酸を主成分とする重合体であればよく、ポリL-乳酸及びポリD-乳酸のようなホモポリマー、ポリL/D-乳酸、これらと他の成分から構成される共重合を挙げることができる。共重合体である場合には、乳酸成分は重量比率が10%以上のものであることが好ましい。また共重合体を構成する他の成分としては、ε-カプロラクトン、グリコリド、デプシペプチド等を挙げることができる。これらの他の成分は1種であっても、2種以上であってもよい。
ポリブチレンサクシネートとしては、その主鎖中に1,4-ブタンジオールとコハク酸とで形成されるエステル結合(ブチレンサクシート結合)を含む樹脂を意味し、そのブチレンサクシネート結合の主鎖中の割合は、85モル%以上、好ましくは95モル%以上である。このようなポリブチレンサクシネートには、1,4-ブタンジオール/コハク酸からなるポリエステルの他、1,4-ブタンジオール及びコハク酸成分以外のモノマー成分として例えばアジピン酸等の脂肪族二塩基酸やエチレングリコール等のジオールを更に含むモノマー混合物から形成された脂肪族共重合ポリエステル、ポリブチレンサクシネートと他の脂肪族ポリエステルや芳香族ポリエステルとをブロック共重合させたポリエステル、これらのポリブチレンサクシネートのブレンド体、並びにこれらのポリブチレンサクシネートと他のポリマーとのブレンド体等が包含される。また、上記ポリブチレンサクシネートには、カーボネート結合をその主鎖中に5~15モル%程度含有するものも包含される。前記ブロック共重合及びブレンド体において、そのポリブチレンサクシネート系樹脂の割合は、重量比率で40~95%、好ましくは50~85%である。ポリブチレンサクシネート・アジペートとしては、上記ポリブチレンサクシネートとアジピン酸との共重合体を意味する。共重合体中のアジピン酸成分の割合は、特に制限されない。
【0008】
本発明によって分解可能なプラスチックの分子量には特に制限はないが、例えばポリ乳酸の場合には、数平均分子量10,000~300,000、分解速度の観点から好ましくは50,000~100,000、ポリブチレンサクシネート及びポリブチレンサクシネート・アジペートの場合には、数平均分子量30,000~300,000、分解速度の観点から好ましくは100,000~250,000とすることができる。
【0009】
本発明のプラスチックの分解方法に用いられる微生物は、サーモアクチノマイセス属に属する微生物である。サーモアクチノマイセス属に属する微生物は、好気性、グラム陽性、高温性(50~60℃)の細菌で、気菌糸及び栄養菌糸上に単胞子の高度耐熱性内生胞子を形成するものであり、本発明には、そのうちの1種又は2種以上を用いることができる。サーモアクチノマイセス属に属する微生物のうち、分解活性の高さからサーモアクチノマイセス・ブルガリス、サーモアクチノマイセス・ディコトミカス、サーモアクチノマイセス・インターメディウス、サーモアクチノマイセス・プチダス、サーモアクチノマイセス・サッカリを挙げることができ、特に、サーモアクチノマイセス・ブルガリスであることが分解能の観点から好ましい。
【0010】
サーモアクリノマイセス・ブルガリスとしては、この種に属する微生物であればプラスチックを分解可能であるが、T7-1株(茨城県つくば市東1-1-1中央第6、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター、受領番号FERM AP-20919、2006年5月22日付受領にて寄託)であることが分解活性の高さから好ましい。
サーモアクチノマイセス・ブルガリスT7-1は、後述するように、森林土壌から、50℃の温度条件下でポリ乳酸を分解可能な微生物として分離された菌であり、形態的特徴は放線菌に類似しているが、内生胞子を有し、プラスチックの分解について優れた能力を有する。
【0011】
本発明に用いられる微生物は、通常用いられる条件下で培養して、維持・増殖させることができる。このような培養条件としては、pH4~10、生育速度の観点から好ましくはpH6.0~8.0のpH、また40~60℃、生育速度の観点から好ましくは50~55℃の培養温度とすることができる。
本発明に係る微生物を維持可能な培養培地(以下、単に「培地」という)としては、窒素源として例えば硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウムなど、その他無機塩類としては、例えばリン酸二カリウム、リン酸一ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸第一鉄、モリブデン酸ナトリウム、塩化マンガンなどを、それぞれ含むものであって、通常利用される固体又は液体培地であればいずれも好ましく使用できる。なお、培地には、上記成分の他、微生物の成育を促進させるための各種ビタミン、ミネラル、その他の栄養成分を含ませてもよい。
【0012】
本微生物は、種々の形態でプラスチックの分解に用いられる。このような形態としては、微生物菌体、菌体の破砕物及び微生物の培養上清などの各形態から適宜選択することができる。菌体の場合には、その培養物から遠心分離等の集菌操作によって得られる生菌体、菌体を凍結乾燥した乾燥粉末、微生物を含む培養液のいずれであってもよい。破砕物としては、物理的手段又は化学的手段によって破砕されたものであればよく、物理的手段としては、超音波粉砕機、グラスビーズを用いた細胞破砕機などを挙げることができ、化学的手段としては、リゾチームなどの溶菌酵素を挙げることができる。物理的手段又は化学的手段を用いて菌体を破砕する場合には、それぞれ破砕物の分解活性を損なわない穏和な条件下で行うことが好ましい。培養上清としては、前述した液体培地中で微生物を培養したものであればよく、培養上清における分解活性の強さから、好ましくは培養2日目以降、更に好ましくは培養3日以降の培養上清を使用することができる。
【0013】
プラスチックの分解処理は、適当な形態に調製された上記微生物を、好気条件下、処理されるべきプラスチックと接触させることによって行われる。分解処理時のpHは、pH4~10、分解速度の観点から好ましくはpH6.0~8.0とすることができる。また分解処理時の温度は、40~60℃、分解速度の観点から好ましくは50~55℃とすることができる。処理時間は、5日間~15日間、処理効率の観点から好ましくは7~10日間とすることができる。
また、プラスチックの分解処理を行う際のプラスチックの形態は、フィルム(シート)、成型体、破砕物、粉末、懸濁液などを挙げることができ、これらのいずれであってもよい。
【0014】
分解処理におけるプラスチックの量は、対象となるプラスチックの形態及び処理に用いる微生物の形態によって異なるが、例えばポリ乳酸の場合、本菌培養液100mlに対して、0.1~5.0グラムとすることができ、分解速度の観点から0.5~1.0グラムとすることができる。
処理は、培養槽に、基本培地、処理対象のプラスチック、分解能を有する微生物又はその破砕物を配合した粉末、錠剤、培養液を添加することによって行ってもよく、微生物を活性汚泥及びコンポストに組み込むことによって行ってもよい。
この他、プラスチックの分解に適用可能な条件としては、本発明にかかる微生物の活性を損なわない限り、既知の条件をそのまま適用可能である。
【実施例】
【0015】
以下に本発明の実施例について説明するが、これに限定されるものではない。
[実施例1]
微生物の分離
1. ポリ乳酸(PLA)を分解する微生物の分離
(1) 表1に示す組成のポリ乳酸(PLA)含有基本培地を400ml調製し、それを等量に分け、一つには寒天を6g添加し加熱滅菌(120℃、20分間)する。加熱滅菌後、寒天を添加していない培地に16mlのジクロロメタンで溶解したPLA(レイシアH400、住友化学社製)を加え、超音波破砕機を用いて十分に乳化(10分間)させた。この乳化したPLAを、寒天を添加した培地に加え十分攪拌後、シャーレに分注し、PLA乳化寒天培地を作製した。
【0016】
【表1】
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【0017】
(2) 森林土壌から、マイクロスパーテルを用いて少量の土壌サンプルを採取し、試験管に分注してある3mlの滅菌水に懸濁する。次に超音波洗浄機で試験管を30秒間処理して、さらに攪拌機を用いて十分(3分間)に懸濁する。この懸濁液0.1mlを、上記PLA乳化寒天培地に塗抹し、50℃で培養した。この結果、寒天培地上にPLA分解によるクリアゾーンを形成する微生物T7-1を得た。
【0018】
2.微生物の同定
分離菌株(T7-1)をTSB(Trypticase Soy Broth, Becton Dickinson)平板培地に画線し、50℃にて24時間培養した。コロニーを楊枝でピックアップし、20μlの滅菌蒸留水に懸濁した。楊枝の先で、押しつぶしながら混ぜ、180μlのInstaGene Matrix(BIO-RAD社製)を加えた。手で軽く攪拌し、100℃で15分間加熱した。加熱後、10秒間以上攪拌し、12,000rpm(13,000×g)で2~3分間遠心した。上澄み20μlを50μlスケールのPCRテンプレートとして用いた。
T7-1株の16SrDNA遺伝子の増幅は、後述の表4に記載した9F(配列番号1)及び1541R(配列番号2)をプライマーとして使用して行った。
サーマルサイクラーは、TaKaRa PCR Thermal Cycler Dice Standard(タカラバイオ株式会社)を使用した。ポリメラーゼには、Hot Star Taq DNA polymerase(株式会社キアゲン)を使用した。反応液の組成は以下のとおりとし、PCR反応を、96℃5分間を1サイクル、97℃45秒間、50℃30秒間、74℃1分間の一連の処理を5サイクル、96℃45秒間、50℃30秒間、74℃1分間の一連の処理を25サイクルとして行い、PCR産物は、PCR Purification Kit -Spin Type- (BIONEX社製)を用いて精製した。
【0019】
【表2】
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【0020】
DNAシークエンスはダイターミネーター法により行った。塩基配列の決定には、ABI PRISM 3100 DNA Sequencer(Applied Biosystems社)を使用した。サイクルシークエンス、シークエンシング産物の生成、シークエンス条件は、マニュアルの方法に従い、以下の方法で行った。
(1)シーケンスサンプルの調製
シーケンスサンプルの調製は、専用キットBigGye Terminator v3.1 Cycle Sequencing Kit(Applied Biosystems社製)を使用し、シーケンスには、表4に記載した9F、802R(配列番号3)を使用した。サイクルシークエンス条件及びサンプル調製方法はマニュアルの方法を一部改変し、表3に示す反応液を用いて、PCR反応を行った。PCR条件は、96℃1分間を1サイクル、96℃10秒間、50℃5秒間、60℃4分間の一連の処理を25サイクルとした。
【0021】
【表3】
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【0022】
【表4】
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【0023】
(2)シークエンシングサンプルの精製
上記で得られたサンプルに、Clean SEQ(Agencourt社製)10μlを混ぜながら添加した。62μlの85%エタノールを添加して、ピペッティング後、磁気プレート上に置き、3分間静止した。透明になっていることを確認して溶液を廃棄した。85%エタノールを100μl添加し、30秒静置した。溶液を廃棄し、同操作を繰り返した。37℃で10分間インキュベートし、0.1mM EDTA(pH8.0)を40μl加えて、5分間静置した。
【0024】
16S rDNA部分塩基配列の決定および系統解析は以下のとおりに行った。
各プライマーから得られた塩基配列は、Genetix-ATGC ver.10.1(Software development 社製)で編集し、16S rDNA部分塩基配列を決定した(図1)。決定された塩基配列を、大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所 日本DNAデータバンク(DDBJ:http://www.ddbj.nig.ac.jp/)よりBLAST検索を行った。BLAST検索の結果から、T7-1株はサーモアクチノマイセス・ブルガリス(Thermoactinomycetes vulgaris)と推定した。
【0025】
3.T7-1株によるPLA分解
上記で得られたT7-1株のPLA分解能を調べた。上記1で使用したPLA乳化寒天培地に、T7-1株を移植し、50℃で5日間培養した。結果を図2に示す。T-1株により50℃培養5日間の培地には、直径約3.2センチのクリアゾーンが形成された。
また、50℃3日間の培養では、T7-1株による直径約2センチのクリアゾーンが形成された。従来のPLA分解活性性微生物(ストプトアロテイカス・ヒンズスタヌス、サッカロモノスポラ・アズレア、キブデロスポランギウム・アリズム、サッカロポリスポラ・エリスラエ、サッカロポリスポラ・ホルデイ、ストレプトアロテイカス・ヒンズスタヌス、レントゼア・アルビドカピラタ、アクチノキネオスポラ・リバリア、アクチノポリスポラ・ハロフィラ、アクチノポリスポラ・モルチバリス、アクチノマデュラ・ビィリディス、ストレプトマイセス・ビオァセウスニガー、ストレプトマイセス・シアネス、アミコラトプシス・メディテラネイ)が同程度のクリアゾーンを形成するのに2週間かかることから、T7-1株によるPLA分解活性は従来の菌株よりも優れていることがわかる。
【0026】
[実施例2]
T7-1株によるポリブチレンサクシネート・アジペート(PBSA)の分解
PBSA(ビオノーレ、昭和高分子社製)を含むPBSA乳化寒天培地を、実施例1のPLA乳化寒天培地と同様に作製した。このPBSA乳化寒天培地にT7-1株を移植し、50℃で7日間培養した。結果を図3に示す。
T7-1株により50℃7日間培養の培地には、直径約3.0センチ以上のクリアゾーンが形成された。従来のPLA分解活性微生物(アミコラトプシス・メディテラネイ、ペニバシラス・アミロリチカス)が同様のクリアゾーンを形成するのに2週間かかることから、T7-1株によるPBSA分解活性は従来の菌株よりも優れていることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明のT7-1株の16S rDNA部分塩基配列である。
【図2】本発明のT7-1株によるPLA分解活性を示す写真である。
【図3】本発明のT7-1株によるPBSA分解活性を示す写真である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2