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明細書 :イオンビーム微細加工方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4803513号 (P4803513)
公開番号 特開2003-051488 (P2003-051488A)
登録日 平成23年8月19日(2011.8.19)
発行日 平成23年10月26日(2011.10.26)
公開日 平成15年2月21日(2003.2.21)
発明の名称または考案の名称 イオンビーム微細加工方法
国際特許分類 H01L  21/302       (2006.01)
FI H01L 21/302 201B
請求項の数または発明の数 4
全頁数 8
出願番号 特願2001-238972 (P2001-238972)
出願日 平成13年8月7日(2001.8.7)
審査請求日 平成20年6月20日(2008.6.20)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503092180
【氏名又は名称】学校法人関西学院
発明者または考案者 【氏名】金子 忠昭
【氏名】浅岡 康
【氏名】佐野 直克
個別代理人の代理人 【識別番号】100089196、【弁理士】、【氏名又は名称】梶 良之
【識別番号】100104226、【弁理士】、【氏名又は名称】須原 誠
審査官 【審査官】今井 淳一
参考文献・文献 特開平08-031775(JP,A)
特開平05-109670(JP,A)
特開平10-172912(JP,A)
調査した分野 H01L 21/302
特許請求の範囲 【請求項1】
単体のGaAs及びInP基板を含む、GaxIn1-xAsy1-y(0≦x、y≦1)層表面に、任意のイオンビーム径、イオン電流密度に制御したGaイオンを注入し、前記GaxIn1-xAsy1-y層表面に形成されている表面酸化膜の存在又は酸素分子照射のもとでのGaイオン打ち込みにより酸化層を選択的にGa23置換又は生成させた後、前記GaxIn1-xAsy1-y層表面を臭素化物により一原子層単位でドライエッチングし、前記Ga23置換した部分以外の前記表面酸化膜及びGaxIn1-xAsy1-y基板を除去するネガ型リソグラフィを可能にするイオンビーム微細加工方法。
【請求項2】
単体のGaAs及びInP基板を含む、GaxIn1-xAsy1-y(0≦x、y≦1)層表面に、任意のイオンビーム径、イオン電流密度に制御したGaイオンを注入し、前記GaxIn1-xAsy1-y層表面に形成されている表面酸化膜の存在又は酸素分子照射のもとでのGaイオン打ち込みにより酸化層を選択的にGa23置換又は生成させ、前記Gaイオンにより前記Ga23一部をスパッタリングし、前記Ga23スパッタリングされた部分から該Gaイオンを前記GaxIn1-xAsy1-y層に注入して前記GaxIn1-xAsy1-y層を非晶質化させた後、臭素化物により一原子層単位でドライエッチングし、前記Ga23置換した部分以外の前記表面酸化膜及びその部分のGaxIn1-xAsy1-y層とGaイオン注入で非晶質化されたGaxIn1-xAsy1-y層を除去するポジ型リソグラフィを可能にするイオンビーム微細加工方法。
【請求項3】
前記臭素化物に、AsBr3、PBr3を用いる請求項1又は2に記載のイオンビーム微細加工方法。
【請求項4】
前記Gaイオンの注入量を制御することによって前記GaxIn1-xAsy1-y層表面を、ナノ・オーダー単位でエッチング深さ、及び加工領域の側面形状をその場で制御することが可能な請求項1~3のいずれかに記載のイオンビーム微細加工方法。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化合物半導体基板、特にGaAs及びInP基板上にエピタキシャル成長された、GaxIn1-xAsy1-y層表面のイオンビーム微細加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、マイクロエレクトロニクスの中核をなすULSIの集積度の向上とともに、これら量子デバイスにおける回路パターンは微細化の一途をたどっている。従来、半導体デバイスの作製プロセスでは、絶縁膜や金属薄膜の不要部分を、レジストパターン通りに高精度で取り除くための基礎技術として、半導体結晶のエッチング法が広く採用されている。このエッチング法のための手段として、ハロゲンガスを用いたドライエッチングの検討も進められている。このドライエッチングは、超高真空中の比較的清浄な雰囲気でエッチングを行うため、微細な量子デバイスの加工が可能なものとして期待されている。
【0003】
例えば、デバイス材料として代表的なSiについては、フッ素および塩素系のハロゲンガスによるドライエッチングプロセスが検討されてきている。しかしながら、これまでのところ、このシリコンの場合についても、より微細な量子素子を作製するためのドライエッチングプロセスはいまだ完成していないのが実情である。そして、GaAsを含むGaxIn1-xAsy1-y等の化合物半導体についてもドライエッチングプロセスに関する報告は多いが、量子素子の作製を可能とする技術的手段についてはいまだSi同様に、完成していないのが実情である。
【0004】
例えば、GaAsはSiに比べ電子の移動度が大きく、Siより高周波、高速の動作が可能な材料であって、資源の豊かさ、結晶の完全性等の点から工業規模の大きさで発展し、Siに代わり、その限界を克服する化合物半導体の1種としてその優れた性質と多様性で注目されているものである。またこのGaAs等の化合物半導体のエピタキシャル結晶技術として、MBE(分子線エピタキシャル成長)法や、MOCVD(有機金属気相成長)法等の技術が進歩し、一様な結晶成長が可能になってきており、化合物半導体のデバイス材料としての重要度は増してきている。
【0005】
そこで、本発明者は、化合物半導体等に対する従来のハロゲンガスによるドライエッチング方法の技術的限界を克服するドライエッチング方法として、半導体結晶表面を臭素化物により一原子層単位でドライエッチングする方法を開発し、特開平8-321483号公報で開示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、GaAs層表面に精度良く回路パターンを形成するためには、前述の一原子層単位でドライエッチングする場合であっても、ドライエッチング用マスクを形成する必要があった。近年の、量子デバイスにおける回路パターンは微細化、複雑化に伴い、このドライエッチング用マスクそのものの作製も困難となり、形状、寸法の再現性が悪くなるという問題があった。
【0007】
また、GaAs層表面には、自然にAs23の表面酸化膜が形成されており、ドライエッチング用マスクを形成するにあたり、この表面酸化膜を除去する必要もあった。
【0008】
本発明は、前記問題点に鑑みなされたものであり、GaAsを含むGaxIn1-xAsy1-y層表面に、自然に形成されているAs23の表面酸化膜を予め除去する必要性がなく、また、複雑で微細化された回路パターンを形成するためのドライエッチング用マスクを形成することなく、GaxIn1-xAsy1-y層表面に、量子デバイスに用いられる微細な回路パターンをその場で形成するイオンビーム微細加工方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明のイオンビーム微細加工方法は、単体のGaAs及びInP基板を含む、GaxIn1-xAsy1-y層表面に、任意のイオンビーム径、イオン電流密度に制御したGaイオンを注入し、前記GaxIn1-xAsy1-y層表面に形成されている表面酸化膜の存在又は酸素分子放射のもとでのGaイオン打ち込みにより酸化層を選択的にGa23置換又は生成させた後、前記GaxIn1-xAsy1-y層表面を臭素化物により一原子層単位でドライエッチングし、前記Ga23置換した部分以外の前記表面酸化膜及びGaxIn1-xAsy1-yを除去するものである。また、前記臭素化物に、AsBr3、PBr3を用いるものである。また、前記Gaイオンの注入量を制御することによって前記GaxIn1-xAsy1-y層表面を、ネガ型、ポジ型のいずれにも加工することができるものである。
【0010】
本発明は、GaxIn1-xAsy1-y層表面に、直接、任意のイオンビーム径及びイオン電流密度に調整したGaイオンを注入し、GaxIn1-xAsy1-y層表面に自然に形成されているAs23の酸化物を選択的に化学的に安定なGa23に置換する。そして、それ以外のAs23の酸化物を10-8Pa以下程度の減圧環境下において選択的に熱脱離させる。このとき、安定な酸化膜(Ga23)に置換された酸化膜が従来のリソグラフィ法に用いられていたマスクと同等の役割を果たし、GaxIn1-xAsy1-y層母材を、AsBr3等の臭素化物の雰囲気で一原子層毎にエッチングすると、化学的に安定な酸化膜であるGa23がGaxIn1-xAsy1-y層表面に残り、GaxIn1-xAsy1-y層表面に回路パターンを形成できるものである。したがって、Gaイオン注入時にイオンビームによって、GaxIn1-xAsy1-y層表面に回路パターン等を描くことによって、GaxIn1-xAsy1-y層表面のGaイオン注入部には、化学的に安定なGa23が形成され、このGa23が臭素化物によるドライエッチング時にエッチングされずに残り、GaxIn1-xAsy1-y層に任意のパターンの回路パターンを加工することが可能となる。また、Gaイオン注入時のGaイオン注入量によって、GaxIn1-xAsy1-y層表面をポジ型、ネガ型のいずれにも加工することが可能となる。このように、本発明のイオンビーム微細加工方法は、ドライエッチングの際に用いていたドライエッチング用マスクを作製して使用する必要もなく、Gaイオンの注入量を制御することによって、GaxIn1-xAsy1-y層表面に形成されるパターンを自在に調整することが可能となる。このため、近年の量子デバイスに用いられる回路パターンのように、複雑化し、微細化した回路パターンにも対応が可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明に係るイオンビーム微細加工方法の実施の形態の一例を説明する。図1において、1はGaAs層であり、2はGaAs層1表面に自然に形成されているAs23等の表面の表面酸化膜を示している。また、図1において、紙面左から右にかけて、即ち、図1(a)~(d)に移るにしたがってGaイオンの注入量が増加していることを示している。
【0012】
本実施形態例に係るイオンビーム微細加工方法は、まず、GaAs層1表面に自然に形成されているAs23等の表面酸化膜2を除去することなく、この表面酸化膜2の表面に向ってイオンビーム径を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.1μm以下に絞ったGaイオン4を真空中で照射して、表面酸化膜2にGaイオンを注入する。Gaイオンの注入により、表面酸化膜2のAs23の酸化物は、ある注入量以下では化学的に安定した酸化物Ga23置換される(図1(a)上段参照)。図1において、3はGa23膜を示している。次に、表面酸化膜2の一部をGa233に置換したGaAs層1を580℃に昇温する事によりGa233以外の表面酸化膜2が熱脱離し、その後表面を臭素化物で照射する事により原子層一層単位でドライエッチングし、Ga233に置換された部分以外を除去する(図1(a)下段参照)。この時、GaAs層1の表面を所定の回路パターンとなるように、Gaイオンによってパターニングすると、GaAs層1表面に任意の回路パターンを加工することが可能となる。
【0013】
ここで、このドライエッチングによると、平坦性のよい表面を再現性よく得ることを可能としている。具体的には、この臭素化物によるエッチングでは、エッチングされていく原子が表面のステップ位置およびキンク位置の原子であって、表面の凹凸を構成しているステップ・キンクを優先的に取り除くため、原子層を一層単位でエッチングすることができる。このような一層単位でのエッチングの結果得られる表面はきわめて平坦性の高いものである。すなわち原子レベルで平坦な表面を得ることができる。さらにこの方法はへき開面である(110)面でも、面指数に関わらない同様なエッチングを可能としている。このため、GaAs結晶の表面は(100)、(110)、(111)のいずれの面でも面指数によらず一層単位でのエッチング、すなわち、ナノ・オーダー単位でのエッチング深さ、及び加工領域の側面形状をその場で制御することが可能となる。
【0014】
このドライエッチングにおいては、臭素化物ガスを用いて超高真空中で、たとえば10-8Paレベルへの排気後、500~600℃で10-6~10-5PaのV族分子ガス分圧下でのエッチャントガスの導入によりエッチングを実施することができる。ここで、エッチャントガスとして用いられる臭素化物としては、好ましくはAsとの化合物であるAsBr3、又Pとの化合物であるPBr3がその代表的なものとして例示される。もちろん、他種のものであってもよい。
【0015】
このように、表面原子層一層単位毎にエッチングすることが可能であるため、GaxIn1-xAsy1-y層表面に存在する表面酸化膜がGaイオンの照射によって形成される微細寸法の化学的に安定なGa23に置換された以外の部分をナノ・オーダー単位で加工することが可能となり、再現性良く且つ容易に高アスペクト比の微細構造を形成することができ、ネガ型リソグラフィを行う事が可能となる。
【0016】
Gaイオン4を、前述の場合よりも高いイオン電流密度で照射して、その注入量を多くすると、図1(b)に示すように、ある所定の注入量を超えるとGa23膜3はスパッタリングされGaイオンはGaAs層1に侵入し、GaAs層1にGaイオンが注入される。そして、Gaイオンが注入されることによって、GaAs層1は、非晶質化されたGaAs層5となり、表面には溝が形成される(図1(b)上段参照)。次に、表面酸化膜2の一部をGa233に置換したGaAs層1の表面を臭素化物により原子層一層単位でドライエッチングし、Ga233に置換された部分以外、及びGa233のGaイオンに依りスパッタリングされた部分を除去すると、頂点部分に溝が形成された所定のパターンにパターニングされた表面ができる(図1(b)下段参照)。
【0017】
また、図1(c)に示すように、表面酸化膜2へのGaイオン4の注入量を多くすると、表面に形成されているAs23がGa23に置換していくが、前述同様、ある所定のGaイオン注入量を超えると、Ga23がGaイオンによってスパッタリングされるようになる(図1(c)上段参照)。そして、GaAs層1にGaイオンが注入されることで、GaAs層1は非晶質化したGaAs層5となる。この非晶質化したGaAs層5は、単結晶GaAsに比べ大きなエッチング速度を示す。このため、GaAs層1の表面を、臭素化物ガスを用いて超高真空中で、たとえば10-8Paレベルへの排気後、500~600℃で10-6~10-5Paのガス分圧でのエッチャントガスの導入によりドライエッチングを行うと、Gaイオン4が注入されていない部分に比べて早くエッチングされ、図1(c)下段に示すように、溝の外側に比べエッチングされる量が多く、内側に深いエッチングのV溝が形成される。
【0018】
さらに、注入するGaイオン量を増やしていくと、GaAs層1の非晶質化の範囲が拡大して、Gaイオンによってスパッタリングされる(図1(d)上段参照)。このGaAs層1の表面を、前述同様に臭素化物ガスを用いて超高真空中で、たとえば10-8Paレベルへの排気後、500~600℃で10-6~10-5Paのガス分圧でのエッチャントガスの導入によりドライエッチングを行うと、表面に深い溝を加工することができる(図1(d)下段参照)。
【0019】
このように、本発明に係るイオンビーム微細加工方法によると、GaAs層表面に自然に形成されているAs23等の表面酸化膜を除去することなく、該表面酸化膜にGaイオンを注入することで、表面に化学的に安定なGa23を形成することが可能となる。そして、注入するGaイオン量を制御することによって臭素化物によるドライエッチング後のGaAs層表面をネガ型、ポジ型のいずれにも加工することが可能となる。また、Gaイオン注入時に所定の回路パターンとなるようにGaAs層表面をイオンビームで描画することによって、容易に任意の回路パターンを再現性良く加工することができる。これによって、半導体デバイスはもちろんであるが、波長弁別デバイス、マイクロマシニングやマイクロコンポーネント等の微細加工、量子細線・量子箱等へ応用が可能となる。なお、本実施形態例では、GaAs層について説明したが、GaxIn1-xAsy1-y層であれば、本実施形態例で説明したGaAs層と同様の効果を奏し、GaAs層に限定されるものではない。
【0020】
以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明する。
(実施例1)
GaAs層表面に自然に形成されているAs23等の表面酸化膜の表面に向ってイオンビーム径を0.1μmに絞ったGaイオンを真空中で6×1013個/cm2、加速電圧30kVで照射して、表面酸化膜にGaイオンを注入する。Gaイオン注入後、超高真空装置に設置し、10-8Paレベルへ排気後、580℃に昇温し、Ga23以外の酸化膜の除去後に、500~630℃で10-6~10-5Paのガス分圧でのAsBr3ガスを導入してエッチングを行なう。
【0021】
図2(a)に、その表面の原子間力顕微鏡(以下、AFMという。)像を示す。図2(a)に示すように、GaAs層表面には、AsBr3ガスによってエッチングされなかったGaイオンが注入されて表面酸化膜がGa23に置換された部分が凸状に形成されているのが観察できる。
【0022】
(実施例2)
Gaイオンの注入量を6×1014個/cm2とした以外、実施例1と同様にして、Gaイオンを注入した後、表面をAsBr3ガスでドライエッチングをおこなった。
【0023】
図2(b)に、注入領域中心部分ではドーズ量(注入量)が局部的に増大し安定なGa23がスパッタリングされ、頂点部分に溝が形成されたパターンが形成されているのが観察できる。
【0024】
(実施例3)
Gaイオンの注入量を6×1015個/cm2とした以外、実施例1と同様にして、Gaイオンを注入した後、表面をAsBr3ガスでドライエッチングをおこなった。
【0025】
図2(c)に、その表面のAFM像を示す。図2(c)に示すように、GaAs層表面には、Gaイオンによって、GaAs層がアモルファス化することで、AsBr3にエッチングされ易くなり深い溝が形成されているのが観察できる。
【0026】
(実施例4)
Gaイオンの注入量を6×1017個/cm2とした以外、実施例1と同様にして、Gaイオンを注入した後、表面をAsBr3ガスでドライエッチングをおこなった。
【0027】
図2(d)に、その表面のAFM像を示す。図2(d)に示すように、GaAs層表面には、Gaイオンによって、GaAs層が非晶質化することで、AsBr3にエッチングされ易くなり深い溝が形成されているのが観察できる。
【0028】
以上のように、GaAs層表面に形成されている表面酸化膜にGaイオンを注入することによって、臭素化物によってエッチングされない化学的に安定なGa23を形成することができ、さらに、Gaイオンの注入量を制御することによって、GaAs層表面に形成されるパターンをポジ型、ネガ型のいずれにも加工することが可能となる。
【0029】
【発明の効果】
以上詳しく説明した通り、この発明により、GaxIn1-xAsy1-y層等の化合物半導体を含む半導体結晶表面に自然に形成されている表面酸化膜を除去することなく、その表面酸化膜にGaイオンを注入することによって、臭素化物によってエッチングされない化学的に安定なGa23を形成することができる。このため、従来のようにエッチングの際にエッチング用マスクを使用することなく表面に任意の回路パターンを加工することができる。さらに、Gaイオンの注入量を制御することによって、GaxIn1-xAsy1-y層表面に形成されるパターンをポジ型、ネガ型のいずれにも加工することが可能となる。これによって、多様な量子デバイス特性を生かした有用な素子例えば量子細線、量子箱、回折格子、マイクロマシンの実現も可能となる。また、一原子層毎にエッチングすることが可能であるため、GaxIn1-xAsy1-y層の結晶方位によって、形成される溝の形状を自在に制御可能とできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るイオンビーム微細加工方法の実施形態例をイオン・ドーズ量(イオン注入量)の違いによる形成過程の違いを説明するための図である。
【図2】本発明に係るイオンビーム微細加工方法のイオン・ドーズ量(イオン注入量)が異なる基板表面のAFM像を示す図である。
【符号の説明】
1 GaAs層
2 自然酸化膜
Ga23
4 Gaイオンビーム
5 Gaイオンが注入されたGaAs層
図面
【図1】
0
【図2】
1