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明細書 :生体情報計測用パネル及びそれを用いた生体情報計測システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5006018号 (P5006018)
公開番号 特開2008-142461 (P2008-142461A)
登録日 平成24年6月1日(2012.6.1)
発行日 平成24年8月22日(2012.8.22)
公開日 平成20年6月26日(2008.6.26)
発明の名称または考案の名称 生体情報計測用パネル及びそれを用いた生体情報計測システム
国際特許分類 A61B   5/11        (2006.01)
A61B   5/00        (2006.01)
FI A61B 5/10 310A
A61B 5/00 101R
A61B 5/00 102B
請求項の数または発明の数 9
全頁数 13
出願番号 特願2006-335896 (P2006-335896)
出願日 平成18年12月13日(2006.12.13)
審査請求日 平成21年12月10日(2009.12.10)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】505246789
【氏名又は名称】学校法人自治医科大学
発明者または考案者 【氏名】川上 勝
個別代理人の代理人 【識別番号】100083116、【弁理士】、【氏名又は名称】松浦 憲三
審査官 【審査官】遠藤 孝徳
参考文献・文献 特開2006-43445(JP,A)
特開2006-129933(JP,A)
特開2005-110920(JP,A)
特開2005-177471(JP,A)
特開昭63-229302(JP,A)
特開昭62-163904(JP,A)
特開平2-46831(JP,A)
特表平4-507000(JP,A)
特開2000-107154(JP,A)
特開2004-81806(JP,A)
特開2002-159457(JP,A)
特許第2985645(JP,B2)
特表2006-512112(JP,A)
特開2004-31853(JP,A)
特許第3697387(JP,B2)
特開2005-52524(JP,A)
調査した分野 A61B 5/103 - 5/113
A61B 5/00
A61B 5/02 - 5/0295
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII)
特許請求の範囲 【請求項1】
被検体の下に配置されることによって、前記被検体の生体情報を計測する生体情報計測用パネルにおいて、
可撓性を有する板状体と、
前記板状体に取り付けられた歪みセンサと、
前記板状体を挟み込むように配置された二枚のシート部材と、
前記シート部材と前記板状体との間に介在されるとともに、前記板状体の幅寸法に対して少なくともその1/10以上かつ1/4以下の幅寸法を有し、互いに平行に配置された複数の線状部材と、
を備えることを特徴とする生体情報計測用パネル。
【請求項2】
前記線状部材は、前記板状体を挟んで対向する位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の生体情報計測用パネル。
【請求項3】
前記歪みセンサは、前記板状体の中央部に配置され、前記線状部材は、前記歪みセンサの両側に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の生体情報計測用パネル。
【請求項4】
前記線状部材が前記板状体の中央部に配置されることを特徴とする請求項1~3のいずれか1に記載の生体情報計測用パネル。
【請求項5】
前記線状部材の方向を示す指標が前記生体情報計測用パネルの外観に設けられることを特徴とする請求項1~4のいずれか1に記載の生体情報計測用パネル。
【請求項6】
前記歪みセンサは、前記板状体に取り付けられた四つの歪みゲージでブリッジ回路を形成することによって構成されることを特徴とする請求項1~5のいずれか1に記載の生体情報計測用パネル。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1に記載の生体情報計測用パネルと、
該生体情報計測用パネルで得られたデータを管理する管理装置と、
前記生体情報計測用パネルのデータのサンプリング頻度を前記管理装置に設定する設定手段と、
を備えたことを特徴とする生体情報計測システム。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか1に記載の生体情報計測用パネルと、
該生体情報計測用パネルで得られたデータを管理する管理装置と、を備え、
前記管理装置は、前記生体情報計測用パネルで得られたデータに基づいて、該データのサンプリング頻度を決定することを特徴とする生体情報計測システム。
【請求項9】
請求項1~6のいずれか1に記載された生体情報計測用パネルであって、複数の被検体の下方にそれぞれ配置される複数の生体情報計測用パネルと、
該複数の生体情報計測用パネルと無線又は有線により通信され、前記複数の生体情報計測用パネルから送信されたデータを管理する中央管理装置と、
前記複数の被検体の情報を前記中央管理装置に入力する入力手段と、を備え、
前記入力手段で入力された前記被検体の情報に応じて、前記中央管理装置が各生体情報計測用パネルのサンプリングパターンを決定することを特徴とする生体情報計測システム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は生体情報計測用パネルに係り、特にベッド上の被検者の体動情報を検知するための生体情報計測用パネル、及び、それを用いた生体情報計測システムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療施設や介護施設では、ベッド上の被検者(患者や高齢者など)の状態を把握したいという要望があり、被検者の生体情報を計測する様々な方法が提案されている。たとえば、被検者の頭や胸などにセンサを取り付けて脳波や心電図などを測定したり、腕時計型体動計測器を腕に装着して活動と休息を判別したり、ピエゾフィルムなどから成る生体センサをマットレスの下や体の下に敷設する方法が提案されている。
【0003】
しかし、いずれの方法も被検者を拘束するという問題や、コストが高いという問題があり、被検者の自由度が高く且つ低コストの生体情報計測方法が望まれている。
【0004】
特許文献1には、ベッドのマット上、或いはマット内に配置される生体情報計測用パネルが開示されている。この生体情報計測用パネルは、歪みセンサを取り付けたアルミ板を二枚の弾性シート材で挟みこむことによって構成され、生体情報計測用パネルをベッドのマット上、或いはマット内に配置することによって、被検者の呼吸や脈拍等の生体情報を測定することができる。

【特許文献1】特開2006-43445号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の生体情報計測用パネルは、ノイズの問題やデータを増幅する必要があり、被検者の生体情報を正確に把握しにくい問題や、複数の歪みセンサを取り付けるためにデータ量が多くなり解析が複雑になるという問題があった。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、生体情報の測定感度を高めることができ、寝返りなどの生体情報も簡単に計測することのできる生体情報計測用パネル、及び、それを用いた生体情報計測システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は前記目的を達成するために、被検体の下に配置されることによって、前記被検体の生体情報を計測する生体情報計測用パネルにおいて、可撓性を有する板状体と、前記板状体に取り付けられた歪みセンサと、前記板状体を挟み込むように配置された二枚のシート部材と、前記シート部材と前記板状体との間に介在されるとともに、前記板状体の幅寸法に対して少なくともその1/10以上かつ1/4以下の幅寸法を有し、互いに平行に配置された複数の線状部材と、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項1の発明によれば、板状とシート部材との間に、複数の線状部材を平行に介在させたので、板状体と各シート部材との間には間隙が形成され、板状体は線状の線状部材と直交する方向に湾曲しやすくなる。したがって、歪みセンサによって板状体の歪みを感度良く計測することができ、被検体の寝返りなどの生体情報を正確に測定することができる。
【0009】
また、請求項1の発明によれば、板状体の歪みを感度良く測定することができるので、歪みセンサの数を減らすことができる。したがって、データ量が無駄に多くならず、データの管理を容易に行うことができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は請求項1の発明において、前記線状部材は、前記板状体を挟んで対向する位置に配置されることを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明によれば、線状部材が板状体の両側で同じ位置に配置されるので、板状体がより湾曲しやすくなり、感度をさらに向上させることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は請求項1又は2の発明において、前記歪みセンサは、前記板状体の中央部に配置され、前記線状部材は、前記歪みセンサの両側に配置されることを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明によれば、歪みセンサが板状体の中央部に配置され、その両側に線状部材が配置されるので、板状体が湾曲しやすく、且つ、その湾曲を歪みセンサによって感度良く測定することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は請求項1~3のいずれか1に記載の発明において、前記線状部材が前記板状体の中央部に配置されることを特徴とする。
【0015】
請求項4の発明によれば、線状部材が板状体の中央部に配置されるので、被検体の寝返りを正確に計測することができる。すなわち、被検体の寝返りによって板状体の中央部からサイド部に荷重が移動した際の板状体の歪みを正確に測定することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明は請求項1~4のいずれか1に記載の発明において、前記線状部材の方向を示す指標が前記生体情報計測用パネルの外観に設けられることを特徴とする。
【0017】
請求項5の発明によれば、線状部材の方向を示す指標が設けられているので、たとえば被検体の背骨の方向と線状部材の方向を合わせるように生体情報計測用パネルを被検体の下に配置することによって、被検体の寝返りを正確に検出することができる。
【0018】
請求項6に記載の発明は請求項1~5のいずれか1に記載の発明において、前記ひずみ
センサは、前記板状体に取り付けられた四つの歪みゲージでブリッジ回路を形成することによって構成されることを特徴とする。
【0019】
請求項6の発明によれば、ブリッジ回路を利用して歪み量を測定するので、差分計算により歪み量を算出することができる。したがって、データのサンプリング頻度を少なくしても、生体情報を正確に測定することができる。
【0020】
請求項7に記載の発明は、請求項1~6のいずれか1に記載の生体情報計測用パネルと、該生体情報計測用パネルで得られたデータを管理する管理装置と、前記生体情報計測用パネルのデータのサンプリング頻度を前記管理装置に設定する設定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0021】
請求項7の発明によれば、生体情報計測用パネルのデータのサンプリング頻度を、得たい生体情報に応じて予め設定することができるので、無駄なデータを増やすことなく、被検体の生体情報を正確に測定することができる。
【0022】
請求項8に記載の発明は、請求項1~6のいずれか1に記載の生体情報計測用パネルと、該生体情報計測用パネルで得られたデータを管理する管理装置と、を備え、前記管理装置は、前記生体情報計測用パネルで得られたデータに基づいて、該データのサンプリング頻度を決定することを特徴とする生体情報計測システムを提供する。
【0023】
請求項8の発明によれば、生体情報計測用パネルで得られたデータにより、被検体の体動パターンを解析し、データのサンプリング頻度を決定する。たとえば、得られたデータにより、被検体の睡眠深度が深いと判断した場合にはサンプリング頻度を少なくし、被検体の睡眠深度が浅いと判断した場合にはサンプリング頻度を多くする。これにより、無駄なデータを増やすことなく、被検体の生体情報を正確に測定することができ、被検体の状態(たとえば被検体の起床予備動作や睡眠潜時(Sleep latency)の推定)を確実に判断することができる。
【0024】
請求項9に記載の発明は、請求項1~6のいずれか1に記載された生体情報計測用パネルであって、複数の被検体の下方にそれぞれ配置される複数の生体情報計測用パネルと、該複数の生体情報計測用パネルと無線又は有線により通信され、前記複数の生体情報計測用パネルから送信されたデータを管理する中央管理装置と、前記複数の被検体の情報を前記中央管理装置に入力する入力手段と、を備え、前記入力手段で入力された前記被検体の情報に応じて、前記中央管理装置が各生体情報計測用パネルのサンプリングパターンを決定することを特徴とする生体情報計測システムを提供する。
【0025】
請求項9の発明によれば、被検体の情報に応じてデータのサンプリングパターンを決定する。たとえば、徘徊の危険がある被検体の場合には離床を把握するために0.1~1回/秒程度の低速サンプリングにしたり、小児の場合には体動や呼吸数を把握するために睡眠時のサンプリング頻度を20回/秒以上にしたりする。これにより、被検体ごとに正確な生体情報を求めることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、板状体とシート部材との間に、複数の線状の線状部材を平行に介在させたので、板状体が線状部材と直交する方向に湾曲しやすくなり、被検体の寝返りなどの生体情報を起歪材の歪みによって感度良く計測することができる。
【0027】
また、本発明によれば、生体情報計測用パネルで得られたデータや被検体の情報に基づいて、データのサンプリング頻度を決定するので、被検体の状態を確実に検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下添付図面に従って本発明に係る生体情報計測用パネル及びそれを用いた生体情報計測システムの好ましい実施の形態について詳述する。
【0029】
図1は本実施の形態の生体情報計測システムの構成を模式的に示す図であり、生体情報計測用パネル10を備えたベッド12を示している。
【0030】
同図に示す生体情報計測用パネル10は、ベッド12のマット14上で寝る被検者(被検体)16の生体情報を得るものであり、マット14の上(すなわち被検者16の下方)に配置される。なお、生体情報計測用パネル10は、被検者16の下方で、且つ、被検者16の体動を検知できる位置に配置されていればよく、たとえばマット14の内部やマット14の下方に設置してもよい。
【0031】
図2は生体情報計測用パネル10を示す斜視図であり、図3は生体情報計測用パネル10の分解斜視図を示している。また、図4は起歪板20の上面を、図5は起歪板20の下面を示しており、図6は生体情報計測用パネル10の断面図を示している。
【0032】
図3に示すように、生体情報計測用パネル10は主として、起歪板(板状体に相当)20と、起歪板20の両側に設けられた一対のシリコンゴムシート(シート部材に相当)22、24と、緩衝部材(線状部材に相当)26~30とで構成される。
【0033】
起歪板20は、湾曲可能な矩形の板材であり、たとえば厚み2~3mmで一辺が250mmの正方形のアルミ板で構成される。なお、起歪板20は、被検者16の体動によって十分に湾曲するものであればよく、その材質及び形状は特に限定するものではない。
【0034】
シリコンゴムシート22、24は、起歪板20よりも大きな矩形の板状に形成され、起歪板20を挟んだ状態でシリコンゴムシート22、24の同士が周縁部の全周にわたって接着される。これにより、一対のシリコンゴムシート22、24によって袋状の矩形体が形成され、その内部に起歪板20が配置される。
【0035】
ゴムシート22、24の厚みは、後述の歪みセンサ32の感度に影響するため、用途に応じて適宜設定することが好ましく、たとえば本実施の形態の場合には1mm以上10mm以下が好ましく、4mm以上6mm以下がより好ましい。ゴムシート22、24がこの範囲よりも薄いと強度不足となり、反対に厚いと全体が重くなったり、ゴムシート22、24の自重で歪みが生じたりする恐れがある。
【0036】
なお、シリコンゴムシート22又は24の表面には、緩衝部材26~30の方向を示す指標(たとえば矢印や文字等)を表示することが好ましい。また、シリコンゴムシート22又は24の表面には、生体情報計測用パネル10の上下を示す指標を設けることが好ましい。このように構成された生体情報計測用パネル10は、指標の向き(すなわち緩衝部材の向き)が被検者16の向き(すなわち背骨の向き)になるようにして、被検者16の背中の下方に設置される。これにより、被検者16の寝返りなどの情報を正確に測定することが可能となる。
【0037】
起歪板20とシリコンゴムシート22との間、及び、起歪板20とシリコンゴムシート24との間には、複数の緩衝部材26~30が設けられる。緩衝部材26~30は、ウレタン等の弾性材から成り、線状(棒状)に形成されている。また、複数の緩衝部材26~30は、全てが同じ方向に平行に配置されており、起歪板20の両側に設けられている。具体的には、図6に示すように、起歪板20の上面側に三個の緩衝部材26、28、30が配設され、起歪板20の下面側に二個の緩衝部材27、29が配設される。また、図4に示すように緩衝部材26、28、30は、起歪板20を巾方向に四等分する位置に配置される。すなわち、起歪板20の巾寸法をWとした際に、緩衝部材26、30は、起歪板20の巾方向の縁からW/4の間隔で配置され、緩衝部材28は、起歪板20の中央位置に配置される。また、図5及び図6に示すように緩衝部材27、29は、起歪板20を挟んで緩衝部材26、30の反対側に配置される。
【0038】
緩衝部材26~30は、起歪板20とシート部材22との間、及び、起歪板20とシート部材24との間に隙間を形成するためのものであり、その厚み寸法は、起歪板20を十分に湾曲させ且つシート部材22、24に必要以上の凹凸が形成されることを防止するために、2mm以上10mm以下が好ましく、3mm以上7mm以下がより好ましい。上記の範囲よりも小さいと、緩衝部材26~30を設けた効果(すなわち起歪板20が湾曲しやすくなる効果)が十分に得られず、上記の範囲よりも大きいと緩衝部材26~30によって後述の歪み測定の感度が悪化するおそれがある。
【0039】
また、緩衝部材26~30の巾寸法は、起歪板20の巾寸法Wに対してW×1/10以上W×1/4以下が好ましく、W×1/8以上W×1/5以下がより好ましく、W×1/6程度がさらに好ましい。上記の範囲よりも小さいと、シート部材22、24が起歪板20に接触してシート部材22、24と起歪板20との隙間がかえって小さくなり、上記の範囲よりも大きいと、緩衝部材26~30の幅が広過ぎてシート部材22、24と起歪板20との隙間が小さくなるため、緩衝部材26~30を設けた効果が十分に得られなくなる。なお、起歪板20の下面とシート部材24との間に十分な隙間が形成されている状態であれば、起歪板20の上面とシート部材22との間に隙間がない状態(すなわち、緩衝部材26、28、30が互いに接触している状態)であってもよい。この場合には、起歪板20の下側に隙間を設けたことによって、起歪板20が十分に湾曲しやすくなる。
【0040】
なお、上述した実施形態では、全ての緩衝部材26~30を同形状としたが、これに限定するものではなく、たとえば、両サイド部の緩衝部材26、27、29、30を中央部の緩衝部材28よりも大きく形成してもよい。
【0041】
図4、図5に示すように、起歪板20には、歪みセンサ32として四つの歪みゲージ32a~32dが取り付けられている。歪みゲージ32a、32cは起歪板20の上面で且つ中央部に取り付けられており、歪みゲージ32b、32dは起歪板20を挟んで歪みゲージ32a、32cの反対側に取りつけられている。また、各歪みゲージ32a~32dは、緩衝部材26~30と直交する向きに配置されている。なお、歪みゲージ32a、32cは、緩衝部材28の下側に取りつけられている。
【0042】
歪みゲージ32a~32dは、図7に示すように電気的に接続され、ブリッジ回路が形成される。図7の如く4ゲージ法を採用することによって、起歪板20の歪みを四倍に増幅して測定することができる。また、歪みゲージ32a~32dを用いた場合、差分計算によって歪み量を求めるので、圧電フィルムを用いた場合のようにサンプリング頻度を増やさなくても、正確な測定を行うことができる。
【0043】
上記の如く構成された歪みセンサ32は、図に示すように導線34を介して通信装置36に接続されており、この通信装置36によって歪みセンサ32の測定データを管理装置38に送信することができる。なお、通信装置36の代わりにフィルム状のアンテナ等をシリコンゴムシート22の裏面に貼り付けるようにしてもよい。
【0044】
管理装置38は、ベッド12と離れた位置(たとえば病院施設のナースステーション)に設けられており、この管理装置38に測定データが送信される。この管理装置38は、歪みセンサ32から測定データを受信すると、その測定データに基づいて被検者16の状態を判断する。たとえば、被検者がベッド12のマット14上に居るか否かを判断したり、被検者16の寝返りなどの体動や、睡眠深度、起床予備動作、睡眠潜時などを判断したりする。
【0045】
また、管理装置38は、歪みセンサ32の測定データから被検者16の状態を判断した後、その判断した状態に基づいてサンプリング頻度を変更する。たとえば、起床予備動作を判断した場合にはサンプリング頻度を(たとえば0.05s~60s間隔に)増やし、被検者16の起床動作若しくは離床動作を正確に測れるようにする。また、睡眠潜時と判断した場合にはサンプリング頻度を(10分~30分間隔に)減らして睡眠深度の評価などを行う。これにより、無駄なデータ量を減らしつつ、被検者16の状態を正確に測定することができる。
【0046】
次に上記の如く構成された生体情報計測システムの操作方法について図8(A)、図8(B)を用いて説明する。図8(A)は、歪みセンサ32で測定した歪みεの経時変化例を示しており、図8(B)はその際の変動量Δεの経時変化例を示している。
【0047】
まず、図1の管理装置38は、生体情報計測用パネル10から所定のサンプリング頻度(たとえば1分~10分間隔で)データを受信することにより、ベッド12上の被検者16の有無を判断する。その際、ベッド12上の被検者16の有無は、歪みセンサ32で測定した歪みεの絶対値によって把握する。たとえば、図8(A)において歪みεが0の場合は、ベッド12上に被検者16が居ない状態であり、歪みεが0でない場合は、ベッド12上に被検者が居る状態である。このようにして被検者16の有無を検出した後、被検者16がベッド12に居ない場合にはサンプリング頻度を少なくし、被検者16がベッド12に戻るまで、その少ない頻度でデータを受信する。
【0048】
被検者16がベッド12に居ると判断した場合には、連続して生体情報計測用パネル10のデータを受信し、被検者16の睡眠潜時を判断するまで、データの受信及び睡眠潜時の判断を行う。その際、睡眠潜時の判断は、歪みセンサ32で測定した歪みεの変化量Δεによって行う。たとえば図8(B)の変動量Δεが100ε以下で継続する間を睡眠潜時とし、その変化が無くなった後の時間を睡眠状態と判断する。睡眠状態と判断した後は、サンプリング頻度を(たとえば10分~30分間隔に)低下させながらデータを受信し、寝返りなどの体動や睡眠深度の判断を行う。このデータ受信及び解析は、被検者16に起床予備動作が表れるまで(或いは、起床予備動作なしに被検者16が起き上がるまで)連続して行う。起床予備動作は、図8(B)に示す変動量Δεが100ε以下の睡眠状態が30分以上続いた後、変動量Δεが500~1000ε程度の状態が検知された際に、起床予備動作と判断する。
【0049】
起床予備動作が生じた後は、サンプリング頻度を(たとえば0.05s~60s間隔に)小さくしてデータを受信し、被検者16の起床若しくは離床に備える。これにより、被検者16の起床若しくは離床を迅速且つ正確に検出することができる。その際、被検者16の起床動作若しくは離床動作は、図8(A)に示す歪みεが0になることによって判断する。
【0050】
被検者16の起床動作若しくは離床動作を感知した際、管理装置38は不図示のモニタに警告表示を行ったり、不図示のブザーで警音を発したりすることによって、作業者(医者、看護師、警備員など)に報告するとよい。また、被検者16の睡眠時に何らかの異常な反応(たとえば痙攣などを示す体動や、生体反応が無くなったことを示す反応など)を検知した場合も同様に、警告表示や警音を発するようにするとよい。
【0051】
次に上記の如く構成された生体情報計測用パネル10の作用について説明する。上述したように生体情報計測用パネル10は、起歪板20とシート22との間、及び、起歪板20とシート24との間に緩衝部材26~30が設けられ、起歪板20と各シート22、24との間に間隙が設けられているので、起歪板20は撓みやすくなっている。特に、本実施の形態では、複数の緩衝部材26~30が棒状に形成されるとともに平行に配置されているので、起歪板20は、緩衝部材26~30と直交する方向に撓みやすくなっている。したがって、被検者16の寝返りなどによって被検者16の荷重バランスが左右方向で変動した場合に起歪板20が確実に撓むので、歪みセンサ32によって被検者16の体動を確実に測定することができる。
【0052】
また、本実施の形態では、起歪板20の中央部に緩衝部材28が配置されているので、起歪板20の中央部からサイド部への撓みを精度よく検出することができる。すなわち、被検者16の荷重が起歪板20の中央部からサイド部に移動した場合に、起歪板20を確実に撓ませることができる。これにより、被検者16の体動を精度よく測定することができる。
【0053】
さらに、本実施の形態によれば、生体情報計測用パネル10を被検者16の下方(たとえばマット14上やマット14内)に配置するだけでよいので、従来構造のベッド12にも取り付けることができ、イニシャルコストを大幅に削減することができる。
【0054】
図9は、複数の生体情報計測用パネル10、10…を用いた生体情報計測システムを示す模式図である。同図に示すように、複数個の生体情報計測用パネル10はそれぞれ、異なるベッド12のマット14上に配置され、各生体情報計測用パネル10に通信装置36が接続されている。この通信装置36によって、ベッド12から離れた位置の中央管理装置40に、各生体情報計測用パネル10のデータが送信される。なお、ベッド12は、同じ病院施設42内に限定するものではなく、在宅患者の場合には家44のベッド12であってもよい。また、中央管理装置40は、救急センター46などに設けるとよい。
【0055】
中央管理装置40には、データ入力装置(たとえばキーボード等)が設けられており、このデータ入力装置によって、各ベッド12に横たわる被検者16のデータ(たとえば年齢、病状、検出したい生体情報等)が入力される。なお、入力装置は、生体情報計測用パネル10に直接接続したり、或いは生体情報計測用パネル10に設けたりしてもよい。
【0056】
中央管理装置40は、入力された被検者16の情報に基づいて、各生体情報計測用パネル10のサンプリングパターン(サンプリング時刻やサンプリング頻度)を決定する。たとえば、徘徊の心配がある被検者16の場合には、起き上がりの情報を正確に得るために、サンプリング頻度(特に起床予備動作を得た後のサンプリング頻度)を増加させる。これにより、被検者16の起き上がり動作を確実に測定することができる。また、術後まもない患者や小児などの被検者16の場合には、睡眠時にも細かいサンプリング頻度でデータを受信し、その被検者16の体動を管理する。これにより、被検者16の睡眠時の体動を確実に検出することができる。
【0057】
中央管理装置40は、被検者16の情報として行動パターンを入力し、その行動パターンに基づいてサンプリング頻度を変動させるようにしてもよい。たとえば、被検者16の徘徊が集中する時刻を入力し、その時刻近辺でサンプリング頻度を高めるようにしてもよい。
【0058】
上記の如く構成された第2の実施形態によれば、中央管理装置40において複数の生体情報計測用パネル10のデータを管理することができ、複数の被検者16の状態を同時に把握することができる。
【0059】
また、第2の実施形態によれば、データ入力装置42によって各被検者16のデータを入力し、被検者16ごとにサンプリングパターンを決定したので、データ量を無駄に増やすことなく、各被検者16に適したデータを得ることができる。したがって、複数の被検者16を管理する場合であっても、被検者16の状態を容易に且つ正確に測定することができる。
【0060】
なお、上述した実施形態は、被検者16の起床を検知することを主な目的とした例で説明したが、本発明の生体情報計測用パネル10は様々な目的で使用することができる。たとえば、被検者16の睡眠時の体動データを生体情報計測用パネル10から得ることによって、睡眠薬などの薬剤の効能を調べることができる。
【0061】
また、生体情報計測用パネル10のデータから被検者16の生活パターンを把握することによって、問題の有無を判別することができる。たとえば、昼と夜のリズムが崩れている人を判別した場合には、その人の徘徊を重点的に監視することによって、未然に防止することができる。さらに、生体情報計測用パネル10の測定データから被検者16の呼吸数を解析することによって、被検者16の健康状態を検出することもできる。
【0062】
また、上述した実施形態は、生体情報計測用パネル10をベッド12に設けた例で説明したが、生体情報計測用パネル10の設置場所はこれに限定するものではなく、たとえば車椅子の座面上に生体情報計測用パネル10を配置して被検者16の状態や乗り心地を測定したり、風呂場や玄関のマットの下に生体情報計測用パネル10を配置して被検者16の入浴や外出を検出したりしてもよい。
【0063】
さらに、上述した実施形態は、被検体が人である例で説明したが、被検体は生物であれば良く、たとえば以下に示すように動物であってもよい。
【0064】
図9は、生体情報計測用パネル10によって動物の生体情報を検知する例を示している。同図に示すゲージ50は、被検体である豚を収容して観察するものであり、豚の尻側となる位置には、尻当て用の屈曲した柵54が設けられている。この柵54によって、ゲージ50の大きさは、収容された豚が体の向きを変えられないように(すなわち、豚の動きを座るか立つかに規制するように)構成されている。ゲージ50には、給餌装置52が取り付けられており、この給餌装置52によって豚に餌が与えられる。
【0065】
生体情報計測用パネル10は、豚の前足の下方に配置されている。また、生体情報計測用パネル10は、その緩衝部材26~30(図3参照)の向きが豚の体の向きに一致するように配置されている。なお、その他の構成は上述した第1又は第2の実施形態と同様であり、その説明を省略する。
【0066】
上述した実施の形態によれば、豚の下方に生体情報計測用パネル10が配置されているので、豚の体動パターンや呼吸などの生体情報を生体情報計測用パネル10によって検知することができる。なお、この実施形態の場合にも、被検体の種類に応じてサンプリング頻度を設定することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の第1の実施形態の生体情報計測システムを模式的に示す図
【図2】本発明の生体情報計測用パネルを示す斜視図
【図3】本発明の生体情報計測用パネルを示す分解斜視図
【図4】起歪板の上面を示す図
【図5】起歪板の下面を示す図
【図6】生体情報計測用パネルの断面図
【図7】歪みセンサの構成を示す回路図
【図8】歪みセンサで測定した歪みε及びその変動量Δεの経時変化例
【図9】第2の実施形態の生体情報計測システムを模式的に示す図
【図10】動物の生体情報を検知するシステムを模式的に示す図
【符号の説明】
【0068】
10…生体情報計測用パネル、12…ベッド、14…マット、16…被検者、20…起歪板、22…ゴムシート、24…ゴムシート、26~30…緩衝部材、32…歪みセンサ、32a~32d…歪みゲージ、34…導線、36…通信装置、38…管理装置、40…中央管理装置、42…データ入力装置、50…ゲージ、52…給餌装置、54…柵
図面
【図1】
0
【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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