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明細書 :流動性不良粉末の定量供給装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4821027号 (P4821027)
公開番号 特開2008-074592 (P2008-074592A)
登録日 平成23年9月16日(2011.9.16)
発行日 平成23年11月24日(2011.11.24)
公開日 平成20年4月3日(2008.4.3)
発明の名称または考案の名称 流動性不良粉末の定量供給装置
国際特許分類 B65G  65/32        (2006.01)
B65G  47/14        (2006.01)
B65G  47/16        (2006.01)
B30B  11/00        (2006.01)
FI B65G 65/32 B
B65G 47/14 101C
B65G 47/16
B30B 11/00 F
請求項の数または発明の数 2
全頁数 11
出願番号 特願2006-258516 (P2006-258516)
出願日 平成18年9月25日(2006.9.25)
審査請求日 平成20年4月9日(2008.4.9)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】505374783
【氏名又は名称】独立行政法人日本原子力研究開発機構
発明者または考案者 【氏名】皆川 進
個別代理人の代理人 【識別番号】100078961、【弁理士】、【氏名又は名称】茂見 穰
審査官 【審査官】八板 直人
参考文献・文献 特開2002-001592(JP,A)
実開昭64-021137(JP,U)
特開昭57-037501(JP,A)
特開昭61-193800(JP,A)
調査した分野 B65G 65/30-65/48
B30B 11/00-11/34
B65G 47/14
B65G 47/16
特許請求の範囲 【請求項1】
粉末を搬送する粉末供給部と、該粉末供給部から搬送されてきた粉末を定量切り出しする粉末切り出し部と、該粉末切り出し部の後段に位置する予備加圧部を具備し、
前記粉末供給部は、断面U型の粉末搬送トラフを有する直線フィーダと、前記粉末搬送トラフの一端部の上方に取り付けた造粒処理が施されていない流動性不良粉末を受ける粉箱と、該粉箱の下面全体にわたって前記トラフの底面に対して平行に間隔をおいて設置した篩網とを備え、粉箱に投入され凝集している流動性不良粉末を振動する篩網で解きほぐし粒径サイズが揃ったダマとして篩網の目を通過して粉末搬送トラフの底面まで落下させ直線フィーダにより粉末搬送トラフで搬送する構造であり、
前記粉末切り出し部は、粉末を収容するように立設されている筒体と、該筒体内で軸方向に摺動自在のロッドと、該ロッドの上面位置を制御するロッド駆動手段と、筒体上面の粉末を掻き払うスクレーパ機構と、筒孔に収容されている粉末の重量を測定する粉末重量測定手段を備え、前記粉末切り出し部のロッド駆動手段は、ロッドをパルスモータにより変位させ位置決めする機構であり、前記粉末重量測定手段は、筒体、ロッド、ロッド駆動手段、及びそれらを支持している支持部材が載っているロードセルからなり、前記筒孔に収容される粉末量をロッド上面位置で制御し、該ロッドの上昇で粉末を払い出しスクレーパ機構により定量切り出す構造であり、
前記予備加圧部は、粉末収容筒と、該粉末収容筒内に嵌入する加圧用ロッドを備え、定量切り出された粉末に軽荷重を加えて固めた状態で搬送可能にする構造であることを特徴とする流動性不良粉末の定量供給装置。
【請求項2】
請求項1記載の流動性不良粉末の定量供給装置を用い、前記粉末切り出し部で、必要とする1回分より若干多めの粉末を供給し、前記粉末切り出し部では、筒体内のロッドを、必要とする1回分の粉末量が得られる付近の位置まで引き下げ、筒孔の深さと粉末充填量がほぼ直線関係になることを利用して、筒孔の深さ及び秤量データを基に演算を行い、過不足がある場合に筒孔の粉末を排出もしくは筒孔に粉末を追加する操作を1回乃至2回行うことにより微調整して粉末を定量切り出し、定量切り出された粉末を前記予備加圧部で軽く固めた状態とし次工程に搬送する流動性不良粉末の定量供給方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、造粒処理が施されていない流動性不良粉末を円滑に搬送でき、ばらつきの少ない定量供給を実現できる粉末定量供給装置に関するものである。この技術は、特に流動性の悪い粉末を用いて成型するプロセスを有する分野で有用である。
【背景技術】
【0002】
粉末を所定形状のペレットに圧縮成型する装置については、既に様々な方式のものが製品化されている。例えば特許文献1には、粉末圧縮成型方法とその成型機が開示されている。これは、通常同様、成型ダイスと下杵と上杵などから構成される。成型ダイスのダイス孔に粉末が充填され、粉末のすり切りを行うことで、1個のペレットを成型するのに必要な計量が行われ、定量化される。成型ダイス内の粉末に対して、昇降する下杵と上杵が粉末を圧縮成型する。成型されたペレットは、下杵によって成型ダイスの外部に押し上げられ、排出される。
【0003】
これら従来の圧縮成型機では、造粒などの処理を行って流動性を向上させた粉末を使用する。しかし、造粒処理が施されていない粉末は流動性が悪く、そのような流動性不良粉末は、成型ダイスへの定量供給が困難であり、そのままでは既存の圧縮成型機では使用できない。
【0004】
ところで、将来の高速増殖炉燃料用原料粉末は、放射線強度、発熱率が大幅に増加し、粉末の流動性調整が困難になることが予想される。そこで、粉末の流動性調整が不要になれば、その意義は極めて大きい。しかし、ダイス孔へ流動性不良粉末を定量充填できる技術は、未だ開発されていない。
【0005】
そればかりではなく、造粒粉末の搬送には断面U型のトラフをもつ直進フィーダが用いられるが、造粒処理が施されていない流動性不良粉末は、そのような一般的な直進フィーダでは円滑に搬送できない問題もある。

【特許文献1】特開平10-193193号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、流動性不良粉末を円滑に搬送でき、必要とする一定量を正確に切り出して、粉末圧縮成型装置の成型ダイスなどの次工程に確実に供給・充填できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、流動性不良粉末を搬送する粉末供給部と、該粉末供給部から搬送されてきた粉末を定量切り出しする粉末切り出し部と、該粉末切り出し部の後段に位置する予備加圧部を具備している流動性不良粉末の定量供給装置である。なお、流動性不良粉末とは、造粒処理などが施されていない流動性指数の低い粉末をいう。
【0008】
ここで前記粉末供給部は、断面U型の粉末搬送トラフを有する直線フィーダと、前記粉末搬送トラフの一端部の上方に取り付けた流動性不良粉末を受ける粉箱と、該粉箱の下面にて前記トラフの底面に対して平行に間隔をおいて設置した篩網とを備え、粉箱に投入され凝集している流動性不良粉末を振動する篩網で解きほぐし直線フィーダにより粉末搬送トラフで搬送する構造である。また、前記粉末切り出し部は、粉末を収容するように立設されている筒体と、該筒体内で軸方向に摺動自在のロッドと、該ロッドの上面位置を制御するロッド駆動手段と、筒体上面の粉末を掻き払うスクレーパ機構と、筒孔に収容されている粉末の重量を測定する粉末重量測定手段を備え、筒孔に収容される粉末量をロッド上面位置で制御し、該ロッドの上昇で粉末を払い出しスクレーパ機構により定量切り出す構造である。更に、前記予備加圧部は、粉末収容筒と、該粉末収容筒内に嵌入する加圧用ロッドを備え、定量切り出された粉末に軽荷重を加えて固めた状態で搬送可能にする構造である。
【0009】
記粉末切り出し部のロッド駆動手段は、ロッドをパルスモータにより変位させ高精度で位置決めする機構である。また粉末重量測定手段は、筒体、ロッド、ロッド駆動手段、及びそれらを支持している支持部材が載っているロードセルからなる。



【0010】
このような流動性不良粉末の定量供給装置を用い、前記粉末切り出し部で、必要とする1回分より若干多めの粉末を供給し、前記粉末切り出し部では、筒体内のロッドを、必要とする1回分の粉末量が得られる付近の位置まで引き下げ、筒孔の深さと粉末充填量がほぼ直線関係になることを利用して、筒孔の深さ及び秤量データを基に演算を行い、過不足がある場合に筒孔の粉末を排出もしくは筒孔に粉末を追加することにより微調整して粉末を定量切り出し、定量切り出された粉末を前記予備加圧部で軽く固めた状態とし次工程に搬送する。つまり本発明では、リニアな計量調整機構を利用し、複数回の切り出しと計量を行うことで、定量化を図っている。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る流動性不良粉末の定量供給装置は、篩網を有する粉箱をトラフ底面に近接配置することで造粒処理が施されていない流動性不良粉末を解きほぐし円滑に搬送でき、次いで筒体内のロッド上面位置を制御することで重量誤差ならびにばらつきの少ない状態で一定量の粉末を切り出すことができ、更に予備加圧によって固めた状態とすることで一定量の粉末量を確実に成型ダイスに搬送・充填することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明に係る流動性不良粉末の定量供給装置の構成例を図1に示す。Aは側面図、Bは正面図(視野Xから見た図)である。この装置は、流動性不良粉末を搬送する粉末供給部10と、該粉末供給部10から搬送されてきた粉末を定量切り出しする粉末切り出し部12と、該粉末切り出し部12の後段に位置する予備加圧部14とから構成される。ここで粉末供給部10は流動性不良粉末を円滑に搬送する機能を有する部分、粉末切り出し部12は必要とする量の粉末を定量切り出す機能を有する部分、予備加圧部14は定量切り出した粉末を次工程である圧縮成型機16に確実に搬送する機能を有する部分である。流動性不良粉末は、造粒処理などが施されていない流動性指数の低い(例えば流動性指数が30以下)粉末である。
【0013】
粉末供給部10は、断面U型の粉末搬送トラフ20を有する直線フィーダ22と、該粉末搬送トラフ20の基端部の上方に取り付けた流動性不良粉末を受ける粉箱24と、該粉箱24の下面にて前記粉末搬送トラフ20の底面に対して僅かな間隔(例えば5mm程度)をおいて平行に設置した篩網26とを備え、粉箱24に投入され凝集している流動性不良粉末を振動する篩網26で解きほぐし直線フィーダ22により粉末搬送トラフ20で搬送する構造である。
【0014】
粉末供給部10による流動性不良粉末の搬送動作を図2に示す。上方の原料投入口から粉箱24に供給された流動性不良粉末は、図2のAに示すように、篩網26上で保持されるが、付着力が強いため多数の粉末が凝集して固まった状態(凝集した固まり状態を太線で示し、個々の粉末を細線で示す)になっている。直進フィーダの運転を開始すると、図2のBに示すように、粉箱24内で凝集している流動性不良粉末は、直進フィーダの振動により篩網26上で解きほぐされ、ほぼ2個程度ずつに分離され粒径サイズが揃ったダマとなって篩網26の目を通過して落下する。このダマが粉末搬送トラフ20の底面まで落下し堆積するが、落下距離が短いことと、堆積する高さが低いため各ダマは変形することなく、その形状を維持し、あたかも造粒処理した粉末とほぼ同等の流動性が向上した状態となる。このため、図2のCに示すように、流動性良好粉末とほぼ同様に円滑に粉末搬送トラフ20の底面上を搬送できる。
【0015】
直進フィーダ22により粉末搬送トラフ20の排出側に到達した流動性不良粉末は、先端部から落下して粉末を供給する。この時、粉末が広範囲に拡散しないように、先端を絞った漏斗28を設けている。なお、粉末搬送量の調整は、粉末搬送トラフの間口寸法を増減させてもできるが、直進フィーダの振動数または振幅を電気的に調整して行なうこともできる。
【0016】
前記粉末切り出し部12は、粉末を収容できるように立設されている筒体30と、該筒体30内で軸方向に摺動自在のロッド32と、該ロッド32の上面位置を制御するロッド駆動手段と、筒体上面の粉末を掻き払うスクレーパ機構と、筒孔34内に収容されている粉末の重量を測定する粉末重量測定手段を備え、筒孔34に収容される粉末量をロッドの位置で制御し、該ロッド32の上昇で払い出しスクレーパ機構により定量切り出す構造である。前記筒体30は、粉末供給部10の漏斗28の直下に配置される。
【0017】
ここでロッド駆動手段は、パルスモータ36により連結軸38を回転することでロッド32を変位させ高精度で位置決めできるようにした機構である。パルスモータ36を正転・逆転することにより、筒孔34の深さを任意に調整することができる。粉末重量測定手段はロードセル40である。ロードセル40上には、筒体30、ロッド32、ロッド駆動手段(パルスモータ36と連結軸38)など、及びそれらを支持している支持部材42が載っており、それらの重量を差し引くことで筒孔34に充填されている粉末重量を計測することができる。またスクレーパ機構は、筒体30の上面上方の粉末を払い除くスクレーパ44と、該スクレーパ44を水平方向に移動自在に支持する支持機構46と、スクレーパ44を駆動するモータ48とからなる。そして、支持機構46の前下方と後下方に、払い除いた粉末を受ける余剰粉末用漏斗50と切り出し粉末用漏斗52とが配置される。
【0018】
粉末切り出し部12による定量切り出し方法は、筒孔34に粉末を上方から落とし込んで供給すると、筒孔深さと筒孔の中に充填した粉末量が、ほぼ直線関係になることを利用している。具体的には、筒体30内のロッド32を、必要とする1回分の粉末量が得られる付近の位置まで引き下げ、この筒孔34に粉末を上方から落とし込んで供給して、充填した粉末量を測定する。充填した粉末量が必要とする量と一致しているか否かを判定し、過不足がある場合には、筒孔の深さ及び秤量データを基に演算を行い、筒孔の粉末を排出もしくは筒孔に粉末を追加することにより微調整して粉末を定量切り出しする。
【0019】
予備加圧部14は、粉末収容筒60と、該粉末収容筒内60に嵌入する加圧用ロッド62を備え、定量切り出された粉末に軽荷重を加えて固めた状態で次工程へ搬送する構成である。粉末切り出し漏斗52に払い出した粉末は、粉末受け口64を通り、粉末収納筒60に収納される。モータ66とギア68により加圧用ロッド62を下降させ、粉末に軽荷重を加えて崩れない程度に軽く固める。なお、粉末収納筒60の形状は、次工程の圧縮成型装置17の成型ダイス70の孔径より一回り小さい孔径とする。加圧用ロッド62をモータ66とギア68により元の位置に戻し、ダイス孔72上まで移動させて(白抜き矢印で示す)、軽く固められた状態のままダイス孔に落とし込んで充填する。
【0020】
このような定量供給装置の次工程に位置する圧縮成型装置は、既存のものでよく、成型ダイス70と下杵74と上杵(図示するのを省略)とから構成され、成型ダイス内に粉末(軽く固められた状態)が充填され、昇降する下杵74と上杵が粉末を圧縮成型する。成型されたペレットは、下杵74によって成型ダイス70の上部に押し上げられ、排出される。
【0021】
次に、本発明装置による粉末の定量切り出しについて図3により説明する。この定量切り出し方法では、必要とする粉末量に対し、少し多めの粉末を筒孔内に供給し、秤量・演算により余剰粉末を払い出して必要とする粉末量に調整する。
【0022】
(a)粉末供給および調整(切り出し1回目)
筒体30の筒孔深さを、必要とする粉末量に対して少し多めに充填できる深さh0 (mm)に設定する。漏斗28から筒孔34に供給する粉末量は、筒孔34に充填して、少し溢れ出るぐらいに直進フィーダ22の振動数、ストローク、運転時間などを調整する。溢れ出た粉末は、モータ48を運転することにより余剰粉末用漏斗50方向に向かうスクレーパ44で掻き払い、余剰粉末用漏斗50に払い出す。払い出された粉末はコンベアなどの余剰粉末リサイクル手段を用い、粉箱24に戻す。筒孔34内に充填している粉末重量を、ロードセル40で測定する(この重量をW0 (g)とする)。なお、必要とする重量をW(g)とする。この状態では、W<W0 となっている。
【0023】
(b)余剰粉末を取り除く操作(切り出し2回目)
前記(a)の操作により、充填深さh0 (mm)のときの粉末充填量W0 (g)は分かっている。また充填深さと粉末充填量は、充填深さ0(mm)のとき粉末充填量0(g)となる直線関係にあるものとする。これより、任意の充填深さh(0≦h≦h0 )における粉末充填量W(h)は次式のような関係となる。
W(h)=(W0 /h0 )・h=A・h …(1)
従って、必要とする粉末重量W(g)に対して余剰粉末重量ΔWは次式のようになる。
ΔW=W0 -W …(2)
(1)式から、
h=W(h)/A …(3)
であるので、(3)式のW(h)にΔW(g)を代入し、余剰粉末重量(ΔW)に相当する充填深さh′(mm)を求めると、
h′=ΔW/A …(4)
となる。そこで、パルスモータ36によってロッド32を、(4)式で算出した充填深さh′(mm)上昇させて、h′(mm)深さ分の粉末を筒孔34から押し出す。そして、モータ48を運転することにより余剰粉末用漏斗50方向に向かうスクレーパ44で掻き払い、余剰粉末用漏斗50に払い出す。この払い出された粉末は、剰余粉末リサイクル手段を経て粉箱24に戻す。筒孔34に充填されている粉末重量をロードセル40で測定する(この重量をW0 ′(g)とする)。必要とする粉末重量はW(g)である。
W≧W0 ′である場合は (d)項に示す操作を行ない定量切り出す。
W<W0 ′である場合は、次の(c)項の操作を行なう。
【0024】
(c)余剰粉末を取り除く操作(切り出し3回目)
前記(b)項の操作終了時には、(4)式の充填深さh′(mm)に対する粉末重量はW0 -W0 ′(g)のデータが得られる。従って、充填深さh0 (mm)のときの粉末充填量W0 (g)と(4)式の充填深さh′(mm)のときの粉末重量W0 -W0 ′(g)の2つのデータから、任意の充填深さh(0≦h≦h0 )における充填量W′(h)は次式のような関係となる。
W′(h)=h・(W0 -(W0 -W0 ′))/(h0 -h′)
=h・W0 ′/(h0 -h′)
=h・B …(5)
以下、(b)項の(2)式以降と同様に展開していく。必要とする重量W(g)に対して余剰粉末重量ΔW′は(6)式となる。
ΔW′= W0 ′-W …(6)
(5)式を変形すると、
h=W′(h)/B …(7)
である。(7)式のW′(h)をΔW′(g)を代入し、余剰粉末重量(ΔW′)に相当する充填深さh″(mm)を求めると、
h″=ΔW′/B …(8)
となる。そこでパルスモータ36によりロッド32を、(8)式で算出した充填深さh″(mm)上昇させて、h″(mm)深さ分の粉末を筒孔34から押し出す。モータ48を運転することにより余剰粉末用漏斗50方向に向かうスクレーパ44で掻き払い、余剰粉末用漏斗50に払い出す。この払い出された粉末は、剰余粉末リサイクル手段を経て粉箱24に戻す。筒孔34内に充填されている粉末重量をロードセル40で測定する。
【0025】
(d)粉末切り出し
筒孔34内に充填されている粉末を、パルスモータ36によってロッド32を筒体30の上面位置まで上昇させて筒孔34内の粉末を払い出す。モータ44を運転することにより、粉末切り出し漏斗52方向に向かうスクレーパ44で粉末を掻き払い、粉末切り出し漏斗52に払い出す。粉末切り出し漏斗52の排出口から切り出した粉末を排出し、次工程へ搬送する。
【0026】
上記の粉末切り出しの例では、筒孔34に、切り出したい粉末量に対し、あらかじめ少し多めに充填して、1回乃至2回の取り除き操作を行って定量にする方法を説明したが、筒孔に少なめに充填して、その後、粉末を加える操作を行って定量にする方法もある。これらの演算・制御は、マイクロコンピュータなどを用いプログラムで行うようにする。
【実施例】
【0027】
実際に粉末を用いて試験を行った結果について説明する。試験に用いた粉末の流動性測定結果を表1に示す。これは、パウダテスタPT-N型(製品名:ホソカワミクロン株式会社製)で流動性測定した結果(3回測定の平均値)である。流動性の総合的評価は、流動性指数が100点に近づくに従い流動性良好と評価する。
【0028】
【表1】
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材料組成によらず、造粒粉は流動性が良好であるが、造粒処理していない微粉は流動性指数が30程度以下で流動性は悪い。
【0029】
モリブデン粉末を用いて、従来構造のトラフ(粉箱及び篩網無し)と本発明構造のトラフ(粉箱及び篩網付き)の直進フィーダによる粉末の搬送試験を行った。通常使用されている従来構造のトラフでは、流動性良好な粉末(造粒粉)は円滑に搬送できたが、流動性不良粉末(造粒処理されていない微粉)は搬送できなかった。しかし、本発明構造のトラフを用いると、従来技術では搬送できなかった流動性不良粉末も円滑に搬送することができた。試験結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
JP0004821027B2_000003t.gif

【0031】
筒孔深さに対する粉末充填量の関係を図4に示す。これは、モリブデン微粉を用い、5回試験を試みた結果である。この結果から、筒孔に粉末を上方から落とし込んで供給すると、筒孔深さと筒孔の中に充填された粉末量が、ほぼ直線関係になることが分かる。
【0032】
次に、発明方法により粉末定量切り出し試験を行なった結果を表3に示す。
【表3】
JP0004821027B2_000004t.gif

【0033】
比重10.2g/cm3 のモリブデン粉の切り出し量を2.65gに設定し、流動性良好粉末、および流動性不良粉末について切り出し試験を行なった。その結果、流動性良好粉末、流動性不良粉末ともに、切り出し3回で設定した切り出し量2.65gに揃えることができた。また、切り出し2回目以降では、流動性良好粉末、および流動性不良粉末の標準偏差(重量ばらつき幅)が同じとなることを確認した。また、比重5.0g/cm3 のフェライト粉の切り出し量を0.55gに設定し、流動性良好粉末、および流動性不良粉末について切り出し試験を行なった。その結果、流動性良好粉末、流動性不良粉末ともに、切り出し3回で設定した切り出し量0.55gに揃えることができた。また、切り出し2回目以降では、流動性良好粉末、および不良粉末の標準偏差値(重量ばらつき幅)が同じとなることを確認した。これらの結果から、3回の切り出し操作で、ばらつきの少ない(標準偏差値が0.01g以下)定量切り出しができることが確認できた。なお、許容できる標準偏差値が大きくてよい場合(例えば、許容できる標準偏差値が0.04g以上の場合など)には、切り出し1回でよいため、流動性不良粉末を短時間(0.5秒程度)で供給できることも確認できた。
【0034】
圧縮成型機のダイス孔への粉末充填状況について説明する。流動性不良粉末は、約49kPa(0.5kg/cm2 :加圧用ロッドの重量も含む)の圧力を加えることにより固まり(ペレット)状態となり、固まった状態でダイス孔に落とし込み充填できることが確認できた。また、ダイス孔に充填された流動性不良粉末の固まりに対して、下杵と上杵で圧縮することで、所定の形状・重量の製品に成型することができた。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係る流動性不良粉末の定量供給装置の構成例を示す説明図。
【図2】その粉末供給部の動作説明図。
【図3】粉末切り出し方法の一例を示すフロー図。
【図4】筒孔深さと粉末充填量の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
【0036】
10 粉末供給部
12 粉末切り出し部
14 予備加圧部
16 圧縮成型機
20 粉末搬送トラフ
22 直進フィーダ
24 粉箱
26 篩網
30 筒体
32 ロッド
34 筒孔
36 パルスモータ
40 ロードセル
44 スクレーパ
60 粉末収納筒
62 加圧用ロッド
70 成型ダイス
72 ダイス孔
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3