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明細書 :投影露光装置および投影露光方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5190860号 (P5190860)
公開番号 特開2008-176257 (P2008-176257A)
登録日 平成25年2月8日(2013.2.8)
発行日 平成25年4月24日(2013.4.24)
公開日 平成20年7月31日(2008.7.31)
発明の名称または考案の名称 投影露光装置および投影露光方法
国際特許分類 G03F   7/20        (2006.01)
H01L  21/027       (2006.01)
G02B   3/00        (2006.01)
FI G03F 7/20 501
H01L 21/30 515D
H01L 21/30 516Z
H01L 21/30 529
G02B 3/00 A
G02B 3/00 B
請求項の数または発明の数 13
全頁数 26
出願番号 特願2007-037073 (P2007-037073)
出願日 平成19年1月22日(2007.1.22)
審査請求日 平成21年11月12日(2009.11.12)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】800000068
【氏名又は名称】学校法人東京電機大学
発明者または考案者 【氏名】堀内 敏行
【氏名】小林 宏史
個別代理人の代理人 【識別番号】100079108、【弁理士】、【氏名又は名称】稲葉 良幸
【識別番号】100109346、【弁理士】、【氏名又は名称】大貫 敏史
【識別番号】100117189、【弁理士】、【氏名又は名称】江口 昭彦
【識別番号】100134120、【弁理士】、【氏名又は名称】内藤 和彦
【識別番号】100109586、【弁理士】、【氏名又は名称】土屋 徹雄
審査官 【審査官】植木 隆和
参考文献・文献 特開平09-244254(JP,A)
再公表特許第00/059012(JP,A1)
特開2005-062847(JP,A)
特開2000-277408(JP,A)
特開2001-085328(JP,A)
調査した分野 H01L 21/027
G03F 7/20
G03F 1/00~1/86
特許請求の範囲 【請求項1】
パターンが形成されたマスクを照明するための照明装置と、
円柱状のレンズ要素を単数または複数列に互いに円周面を接触させると共に固定用の基板で挟むことにより形成され、前記照明装置からのマスク照明光線によって該マスクに形成されたパターンを被露光基板に投影露光転写する、前記マスクの露光領域の幅よりも長い分布屈折率レンズアレイと、
露光のために該分布屈折率レンズアレイを、前記レンズ要素の配列方向と直交する方向に、前記被露光基板に対して相対的に走査または間欠移動する機構と、
前記分布屈折率レンズアレイを被露光基板に対して相対的に走査または間欠移動する方向に対して直交する方向に露光中または露光工程の間に動かす機構
備えた投影露光装置
【請求項2】
パターンが形成されたマスクを照明するための照明装置と、
円柱状のレンズ要素を単数または複数列に互いに円周面を接触させると共に固定用の基板で挟むことにより形成され、前記照明装置からのマスク照明光線によって該マスクに形成されたパターンを被露光基板に投影露光転写する、前記マスクの露光領域の幅よりも長い複数の分布屈折率レンズアレイと、
露光のために前記複数の分布屈折率レンズアレイを、前記レンズ要素の配列方向と直交する方向に、前記被露光基板に対して相対的に走査または間欠移動する機構とを備え、
前記複数の分布屈折率レンズアレイは、互いに平行すると共に、レンズ要素の配列方向にずれた位置にある、投影露光装置
【請求項3】
パターンが形成されたマスクを照明するための照明装置と、
円柱状のレンズ要素を単数または複数列に互いに円周面を接触させると共に固定用の基板で挟むことにより形成され、前記照明装置からのマスク照明光線によって該マスクに形成されたパターンを被露光基板に投影露光転写する、前記マスクの露光領域の幅よりも長い分布屈折率レンズアレイと、
露光のために該分布屈折率レンズアレイを、前記レンズ要素の配列方向と直交する方向に、前記被露光基板に対して相対的に走査または間欠移動する機構と、
前記照明装置と前記マスクとの間、または、前記マスクの直後、または、該マスクのパターン面と共役な面付近に位置する前記被露光基板に照射される露光光線の光強度分布の不均一性を低減させることが可能な明暗の濃度分布を有する光学フィルター
備えた投影露光装置
【請求項4】
パターンが形成されたマスクを照明するための照明装置と、
円柱状のレンズ要素を単数または複数列に互いに円周面を接触させると共に固定用の基板で挟むことにより形成され、前記照明装置からのマスク照明光線によって該マスクに形成されたパターンを被露光基板に投影露光転写する、前記マスクの露光領域の幅よりも長い分布屈折率レンズアレイと、
露光のために該分布屈折率レンズアレイを、前記レンズ要素の配列方向と直交する方向に、前記被露光基板に対して相対的に走査または間欠移動する機構と、
前記マスクの直後または該マスクのパターン面と共役な面付近に位置する、該分布屈折率レンズアレイの前記レンズ要素の配列方向と直交する方向の投影範囲を制御する開口制御板と
備えた投影露光装置
【請求項5】
パターンが形成されたマスクを照明するための照明装置と、
円柱状のレンズ要素を単数または複数列に互いに円周面を接触させると共に固定用の基板で挟むことにより形成され、前記照明装置からのマスク照明光線によって該マスクに形成されたパターンを被露光基板に投影露光転写する、前記マスクの露光領域の幅よりも長い分布屈折率レンズアレイと、
露光のために該分布屈折率レンズアレイを、前記レンズ要素の配列方向と直交する方向に、前記被露光基板に対して相対的に走査または間欠移動する機構とを備え
前記分布屈折率レンズアレイを被露光基板に対して相対的に走査または間欠移動する方向に対して直交する方向に露光中または露光工程の間に動かす機構、前記分布屈折率レンズアレイに対して平行すると共に、レンズ要素の配列方向にずれた位置にある他の分布屈折率レンズアレイ、前記照明装置と前記マスクとの間、または、前記マスクの直後、または、該マスクのパターン面と共役な面付近に位置する前記被露光基板に照射される露光光線の光強度分布の不均一性を低減させることが可能な明暗の濃度分布を有する光学フィルター、前記マスクの直後または該マスクのパターン面と共役な面付近に位置する、該分布屈折率レンズアレイのレンズ要素の配列方向と直交する方向の投影範囲を制御する開口制御板、のうち少なくとも2つ以上を備えた投影露光装置
【請求項6】
記マスクが、液晶パネルなどの透過型微小シャッターアレイであり、露光前または露光中における該微小シャッターアレイを構成するセルの透過・遮光の切替および/または照明光透過量の変更により、該微小シャッターアレイの射出光に明暗分布を作り、該明暗分布をマスクパターンとする、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の投影露光装置
【請求項7】
記マスクが、ディジタルミラーデバイス、空間光変調器などの反射型微小シャッターアレイであり、露光前または露光中における該微小シャッターアレイを構成する反射素子で反射した照明光が前記分布屈折率レンズアレイを通過するか否かの切替および/または通過する量の変更により、該微小シャッターアレイの射出光に明暗分布を作り、該明暗分布をマスクパターンとする、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の投影露光装置
【請求項8】
前記マスクと該マスクを照明するための前記照明装置に代えて、発光ダイオード、レーザダイオード、エレクトロルミネッセンス発光素子などの微小発光素子を並べたアレイや、任意の光源装置に接続して光射出端の明暗を制御できる光ファイバーアレイ、などの微小発光アレイを有し、露光前または露光中における該微小発光アレイの射出光の制御により明暗分布を作り、該明暗分布をマスクパターンとする、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の投影露光装置
【請求項9】
パターンが形成されたマスクを照明装置により照明しながら、該マスクと被露光基板との間に配置され、円柱状のレンズ要素を単数または複数列に互いに円周面を接触させると共に固定用の基板で挟むことにより形成され、前記マスク上の前記パターンを被露光基板上に投影する、前記マスクの露光領域の幅よりも長い分布屈折率レンズアレイを、前記レンズ要素の配列方向と直交する方向に、前記被露光基板に対して相対的に走査または間欠移動する工程と、
該工程の最中に、前記分布屈折率レンズアレイを該相対的に走査または間欠移動する方向に対して直交する方向に動かす工程
を含む投影露光方法
【請求項10】
パターンが形成されたマスクを照明装置により照明しながら、該マスクと被露光基板との間に配置され、円柱状のレンズ要素を単数または複数列に互いに円周面を接触させると共に固定用の基板で挟むことにより形成され、前記マスク上の前記パターンを被露光基板上に投影する、前記マスクの露光領域の幅よりも長い分布屈折率レンズアレイを、前記レンズ要素の配列方向と直交する方向に、前記被露光基板に対して相対的に走査または間欠移動する工程と、
記分布屈折率レンズアレイを該相対的に走査または間欠移動する方向に対して直交する方向に動かす工程と、
再度前記分布屈折率レンズアレイを、前記レンズ要素の配列方向と直交する方向に、該被露光基板に対して相対的に走査または間欠移動する工程
を含む投影露光方法
【請求項11】
照明装置からの照明光に対し、液晶パネルなどの透過型微小シャッターアレイを構成するシャッターセル毎の透過・遮光の切替および/または透過量の変更を行う第1の工程と、
円柱状のレンズ要素を単数または複数列に互いに円周面を接触させると共に固定用の基板で挟むことにより形成され、前記マスクの露光領域の幅よりも長い分布屈折率レンズアレイにより、前記透過型微小シャッターアレイの射出光の明暗分布をマスクパターンとして、該マスクパターンを被露光基板上に投影し、前記分布屈折率レンズアレイを、前記レンズ要素の配列方向と直交する方向に、前記被露光基板に対して相対的に走査または間欠移動する第2の工程備え、
前記透過・遮光の切替および/または透過量の変更は、前記照明装置及び前記分布屈折率レンズアレイの組み合わせによって生ずる光強度分布の不均一を打ち消すものである、投影露光方法
【請求項12】
照明装置からの照明光に対し、ディジタルミラーデバイス、空間光変調器などの反射型微小シャッターアレイを構成する反射セル毎に、反射した照明光が分布屈折率レンズアレイを通過するか否かの切替および/または通過する量の変更を行う第1の工程と、
透過型微小シャッターアレイの射出光の明暗分布をマスクパターンとして、該マスクパターンを分布屈折率レンズアレイにより被露光基板上に投影し、該分布屈折率レンズアレイを、該分布屈折率レンズアレイのレンズ要素の配列方向と直交する方向に、前記被露光基板に対して相対的に走査または間欠移動する第2の工程備え、
前記分布屈折率レンズアレイは、円柱状の前記レンズ要素を単数または複数列に互いに円周面を接触させると共に固定用の基板で挟むことにより形成され、前記マスクの露光領域の幅よりも長く、
前記透過・遮光の切替および/または透過量の変更は、前記照明装置及び前記分布屈折率レンズアレイの組み合わせによって生ずる光強度分布の不均一を打ち消すものである、
投影露光方法
【請求項13】
光ダイオードやレーザダイオード、エレクトロルミネッセンス発光素子などの微小発光素子を並べたアレイや、任意の光源装置に接続して光射出端の明暗を制御できる光ファイバーアレイ、などの微小発光素子アレイを用いて、該微小発光素子を発光させるか否かの切替および/または発光する量の変更を行う第1の工程と、
透過型微小発光素子アレイの射出光の明暗分布をマスクパターンとして、該マスクパターンを分布屈折率レンズアレイにより被露光基板上に投影し、該分布屈折率レンズアレイを、前記分布屈折率レンズアレイのレンズ要素の配列方向と直交する方向に、前記被露光基板に対して相対的に走査または間欠移動する第2の工程備え、
前記分布屈折率レンズアレイは、円柱状の前記レンズ要素を単数または複数列に互いに円周面を接触させると共に固定用の基板で挟むことにより形成され、前記マスクの露光領域の幅よりも長く、
前記透過・遮光の切替および/または透過量の変更は、前記照明装置及び前記分布屈折率レンズアレイの組み合わせによって生ずる光強度分布の不均一を打ち消すものである、投影露光方法
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
この発明は、ディスプレイ、半導体集積回路、光エレクトロニクス素子、マイクロマシン部品等の微細パターンを、大寸法のガラス基板、プラスチック基板、銅箔付きプラスチック基板、スクリーン印刷用のスクリーン、金属シート、大口径ウエハ等の大きい面積の被露光基板上に転写する、投影露光装置および投影露光方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
露光は、ガラス等の透明基板上にクロム等の遮光体を蒸着、エッチングしてパターンを形成したマスクを使用し、このマスクを通して短波長可視光、紫外線、遠紫外線などを被露光基板に照射し、被露光基板上に付したレジストなどの感光性材料にマスクのパターンを転写するために用いられる。露光後に現像など、感光性材料の露光部または未露光部のみを選択的に残す工程を加えることにより、マスクパターンに対応する該感光性材料のパターンを形成する。
【0003】
露光方式には、密着露光方式、プロキシミティ露光方式、投影露光方式がある。
【0004】
密着露光方式では、マスクと被露光基板を密着保持して露光する。マスクと被露光基板を密着させるのは、解像度を上げるためである。マスクと被露光基板との隙間を狭くするほど、マスクの透過部から射出される光の回折の影響を小さくでき、解像度が上がる。
【0005】
しかし、小型の液晶パネルや小口径のウエハなどではマスクと被露光基板とをほぼ均一に密着させることが可能であるが、フラットディスプレイパネルなどの大型の被露光基板では、マスクと被露光基板の表面を完全な平面に製作すること、保持することが難しく、密着時に接触圧力が均等になるように制御することも難しいため、マスク全体を均一に密着することができない。そのため、一部に力が集中し、接触圧の高い部分の感光性材料の一部がマスクに転移しやすくなる。転移した感光性材料の破片は次の露光時にマスクパターンの半遮光部や遮光部となり、転写欠陥を生じる。また、密着を繰り返すことによって、転移した感光性材料に起因するマスクの欠陥は加速度的に増大する。
【0006】
また、マスクと被露光基板との不均一な接触は、マスクと被露光基板に面方向の相対的な移動を生ずることがあるため、たまたま接触部に硬いごみが挟まっていたりすると、マスクや被露光基板に傷が発生する場合もある。
【0007】
一方、プロキシミティ露光では、マスクと被露光基板との間に微小な間隙(例えば、10μm~50μm)を置いてマスクと被露光基板を近接保持して露光する。被露光基板上の感光性材料が、マスク側に付着することによるマスクの汚染、転写欠陥の発生や、マスクと被露光基板が接することによるマスクまたは被露光基板への傷の発生は、プロキシミティ露光とすることにより、密着露光よりかなり低減できる。
【0008】
しかし、プロキシミティ露光方式においても、大きなマスクと大きな被露光基板を近接させる場合には、マスクと被露光基板との間隙を均一に一定に保つことが困難である。そのため、マスクと被露光基板が部分的に接触し、感光性材料の一部がマスクに転移して転写欠陥となったり、マスクや被露光基板に傷が発生する、といった密着露光の問題を完全に解決することはできない。そして、露光フィールドが大きくなればなるほど、マスクと被露光基板が部分的に接触するリスクが上がる。
【0009】
また、露光フィールドが大きい場合には、マスクと被露光基板との間の微小な間隙のばらつきも大きくなり、露光により転写されるパターンの線幅・形状が該マスクと被露光基板との間隙に依存するため、露光フィールド内で、パターンの線幅・形状のばらつきが大きくなるという問題があった。
【0010】
投影露光方式とは、マスクと被露光基板の間に、鏡筒内にレンズを直列に並べて組み合わせた投影レンズやミラーの組み合わせで構成した投影ミラー光学系などの投影光学系を入れ、パターンの光像を被露光基板上に作って感光性材料を露光する方式である。
【0011】
この方法を利用すると、マスク上に形成されたパターンは、投影光学系を介して被露光基板上に転写されることから、マスクと被露光基板は接触せず、感光性材料の一部がマスクに転移して転写欠陥となったり、マスクや被露光基板に傷が発生する、といった問題は生じない。
【0012】
また、投影光学系を入れることで、ワーキングディスタンスとある程度の焦点深度を確保できることから、露光のためのセッティングが簡易化でき、露光フィールド内のパターンの線幅・形状のばらつきを少なくできるというメリットがある。
【0013】
しかし、この投影露光方式において、フラットディスプレイ用などの大寸法のガラス基板、プラスチック基板、銅箔付きプラスチック基板、スクリーン印刷用のスクリーン、金属シート、大口径ウエハ等の大型の被露光基板を露光する場合、一括露光を試みようとすると、被露光基板と同等またはそれ以上の大きさの大露光フィールドを有する投影光学系が必要となる。そして、大口径の前記投影レンズや投影ミラー光学系は、製造が難しい上、保持や使用環境の制御にも特殊な工夫が必要なため、極めて高価であり、露光装置や露光のコストが大幅に増大する。
【0014】
また、大露光フィールドに対処する一方策として、小型の投影光学系による走査露光を行ったり、露光フィールドをつなぎ合せたりすれば大フィールドを露光できる。しかし、一般的に用いられている、投影光学系は、投影レンズに代表されるように、マスク上のパターンの倒立実像を形成する投影光学系である。
【0015】
そのため、図13に例示するように、該投影光学系を複数隣合せて並べ、マスク上のパターンABを露光すると、投影レンズ61によって光像A1’B1’が投影され、投影レンズ62によって光像A2’B2’が投影され、投影レンズ63によって光像A3’B3’が投影されるため、被露光基板上で光像が同じ位置に重ならず、パターンをうまく転写できない。ここで線群64は光線を示している。
【0016】
したがって、倒立実像を形成する投影光学系の場合、走査露光を行うにしても一つの投影光学系によって行なうか、複数の投影光学系を十分距離を離して設置し、同一のパターンからの光が同時に該複数の投影光学系に入らないようにすることが必要であった。
【0017】
また、走査露光を行うにしても、露光フィールドをつなぎ合せるにしても、マスクと被露光基板とを精確に同期させて逆方向に動かすことが必要であるため、走査機構やその制御が複雑で機構の調整工数がかさむ、精度の維持・管理に手間がかかるなどの問題があった。
【0018】
この問題を解決して小径のレンズ要素を複数隣合せて並べ、レンズ要素にまたがるパターンの像をきちんと作るには、投影されるパターンを等倍正立像にし、かつ、各レンズ要素で形成される像を同じ位置に重ねる必要がある。
【0019】
等倍正立像を形成する小型、簡便、安価な投影光学系を作る手段としては、マスクと被露光基板の間に、分布屈折率レンズアレイを入れた等倍の投影露光方式(例えば、特許文献1参照)があげられる。
【0020】
分布屈折率レンズアレイは、円柱軸から円周面に向けて半径方向に屈折率の分布を有する円柱状のレンズ要素71を単列または複数列に互いに円周面を接触させて固定用の基板72で挟み、図14に示すようにアレイ状に配置した光学部品である。
【0021】
この分布屈折率レンズアレイを利用すると、物体面と像面を適切な位置に取れば等倍の正立実像が形成され、図15に示すように、マスク上の点パターンPおよび矢印パターンABは、分布屈折率レンズアレイの隣接した複数のレンズ要素65、66、67により、被露光基板上の同じ位置P’およびA’B’に重ねて転写される。ここで線群68、69は光線を示している。
【0022】
したがって、マスクと被露光基板との間に分布屈折率レンズアレイを置いて、分布屈折率レンズアレイ付近のマスクパターンの等倍正立実像を被露光基板上に形成し、該分布屈折率レンズアレイをレンズ要素の配列と直交する方向に走査すれば、小さい光学部品により大領域を露光してパターンを転写することができる。

【特許文献1】特開昭61-77830号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
しかしながら、以上に述べた従来技術の分布屈折率レンズアレイを用いた等倍投影露光においても、単純に分布屈折率レンズアレイを用いただけでは、マスクパターンの像を均質に形成することができない。なぜならば、分布屈折率レンズアレイは、入射光線の光強度分布が均一な状態でも、射出側の照射範囲や光強度分布は、分布屈折率レンズアレイを構成する各レンズ要素からの射出光が重畳するため、レンズ要素の幾何配列に左右され、被露光基板上で図16に例示するような、輪郭に周期性が見られる照射範囲70となる。また、レンズ要素の製造誤差、配列のピッチ誤差、端面の平面度誤差などによっても均一性が劣化するため、照射範囲内の光強度分布も不均一な状態になる。
【0024】
このように光強度分布に不均一性が出るため、半導体製造や液晶パネル製造などのように、最小線幅2~100μm程度の微細パターンを投影する場合、単純に分布屈折率レンズアレイをレンズ要素の配列と直交する方向に走査してマスクパターンを投影できるようにしただけでは、この不均一性が影響して走査露光したフィールド内の全領域に精度よく所定のパターンを作ることができない。
【0025】
本発明は、このような従来の構成が有していた問題を解決しようとするものであり、照射範囲の光強度分布の不均一性を低減し、同じマスクパターン線幅に対して転写パターンの線幅変化が少なく、側壁が滑らかで、従来以上に微細なパターンを形成できる投影露光装置と投影露光方法を実現することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
そして、上記目的を達成するために、本発明の請求項1の投影露光装置は、パターンが形成されたマスクを照明するための照明装置と、前記照明装置からのマスク照明光線によって該マスクに形成されたパターンを被露光基板に投影露光転写する分布屈折率レンズアレイを有し、該分布屈折率レンズアレイを該被露光基板に対してに相対的に走査または間欠移動する機構を設けた投影露光装置において、前記分布屈折率レンズアレイを被露光基板に対して相対的に走査または間欠移動する方向に対して直交する方向に露光中または露光工程の間に動かす機構を設けたことを特徴とする。
【0027】
また、本発明の請求項2の投影露光装置は、パターンが形成されたマスクを照明するための照明装置と、前記照明装置からのマスク照明光線によって該マスクに形成されたパターンを被露光基板に投影露光転写する分布屈折率レンズアレイを有し、該分布屈折率レンズアレイを該被露光基板に対して相対的に走査または間欠移動する機構を設けた投影露光装置において、前記分布屈折率レンズアレイを前記走査方向に複数設け、該配置位置をレンズ要素の配列方向にずらして配置したことを特徴とする。
【0028】
さらに、本発明の請求項3の投影露光装置は、パターンが形成されたマスクを照明するための照明装置と、前記照明装置からのマスク照明光線によって該マスクに形成されたパターンを被露光基板に投影露光転写する分布屈折率レンズアレイを有し、該分布屈折率レンズアレイを該被露光基板に対して相対的に走査または間欠移動する機構を設けた投影露光装置において、照明装置2とマスク3との間、または、マスクの直後、または、該マスクのパターン面と共役な面付近に、明暗の濃度分布を有する光学フィルターを設けたことを特徴とする。
【0029】
また、本発明の請求項4の投影露光装置は、パターンが形成されたマスクを照明するための照明装置と、前記照明装置からのマスク照明光線によって該マスクに形成されたパターンを被露光基板に投影露光転写する分布屈折率レンズアレイを有し、該分布屈折率レンズアレイを該被露光基板に対して相対的に走査または間欠移動する機構を設けた投影露光装置において、前記マスクの直後または該マスクのパターン面と共役な面付近に、該分布屈折率レンズアレイのレンズ要素の配列方向と直交する方向の投影範囲を制御する、開口制御板を設けたことを特徴とする。
【0030】
本発明の請求項5の投影露光装置は、パターンが形成されたマスクを照明するための照明装置と、前記照明装置からのマスク照明光線によって該マスクに形成されたパターンを被露光基板に投影露光転写する分布屈折率レンズアレイを有し、該分布屈折率レンズアレイを該被露光基板に対して相対的に走査または間欠移動する機構を設けた投影露光装置において、請求項1に示す前記分布屈折率レンズアレイを被露光基板に対して相対的に走査または間欠移動する方向に対して直交する方向に露光中または露光工程の間に動かす機構の設置、請求項2に示す前記分布屈折率レンズアレイを前記走査または間欠移動する方向に複数設け、該配置位置をレンズ要素の配列方向にずらした配置、請求項3に示す照明装置とマスクとの間、または、マスクの直後、または、該マスクのパターン面と共役な面付近への、明暗の濃度分布を有する光学フィルターを設置、請求項4に示す前記マスクの直後または該マスクのパターン面と共役な面付近への、該分布屈折率レンズアレイのレンズ要素の配列方向と直交する方向の投影範囲を制御する、開口制御板の設置、のうち少なくとも2つ以上を同時に実施したことを特徴とする。
【0031】
本発明の請求項6の投影露光装置は、請求項1乃至請求項5の投影露光装置において、前記マスクが、液晶パネルなどの透過型微小シャッターアレイであり、露光前または露光中における該微小シャッターアレイを構成するセルの透過・遮光の切替および/または照明光透過量の変更により、該微小シャッターアレイの射出光に明暗分布を作り、該明暗分布をマスクパターンとすることを特徴とする。
【0032】
本発明の請求項7の投影露光装置は、請求項1乃至請求項5の投影露光装置において、前記マスクが、ディジタルミラーデバイス、空間光変調器などの反射型微小シャッターアレイであり、露光前または露光中における該微小シャッターアレイを構成する反射素子で反射した照明光が前記分布屈折率レンズアレイを通過するか否かの切替および/または通過する量の変更により、該微小シャッターアレイの射出光に明暗分布を作り、該明暗分布をマスクパターンとすることを特徴とする。
【0033】
また、本発明の請求項8の投影露光装置は、請求項1乃至請求項5の投影露光装置において、前記マスクと該マスクを照明するための照明装置に代えて、発光ダイオード、レーザダイオード、エレクトロルミネッセンス発光素子などの微小発光素子を並べたアレイや、任意の光源装置に接続して光射出端の明暗を制御できる光ファイバーアレイ、などの微小発光アレイを有し、露光前または露光中における該微小発光アレイの射出光の制御により明暗分布を作り、該明暗分布をマスクパターンとすることを特徴とする。
【0034】
本発明の請求項9の投影露光方法は、パターンが形成されたマスクを照明装置により照明しながら、該マスクと前記被露光基板との間に配置され、前記マスク上の前記パターンを被露光基板上に投影する分布屈折率レンズアレイを該被露光基板に対して相対的に走査または間欠移動する工程と、該工程の最中に、前記分布屈折率レンズアレイを該相対的に走査または間欠移動する方向に対して直交する方向に動かす工程、とを含むことを特徴とする。
【0035】
本発明の請求項10の投影露光方法は、パターンが形成されたマスクを照明装置により照明しながら、該マスクと前記被露光基板との間に配置され、前記マスク上の前記パターンを被露光基板上に投影する分布屈折率レンズアレイを該被露光基板に対して相対的に走査または間欠移動する工程と、該工程の後に、前記分布屈折率レンズアレイを該相対的に走査または間欠移動する方向に対して直交する方向に動かす工程と、再度前記分布屈折率レンズアレイを該被露光基板に対して相対的に走査または間欠移動する工程、とを含むことを特徴とする。
【0036】
また、本発明の請求項11の投影露光方法は、照明装置からの照明光に対し、液晶パネルなどの透過型微小シャッターアレイを構成するシャッターセル毎の透過・遮光の切替および/または透過量の変更を行う工程と、該微小シャッターアレイの射出光の明暗分布をマスクパターンとして、該マスクパターンを分布屈折率レンズアレイにより被露光基板上に投影し、該分布屈折率レンズアレイを該被露光基板に対して相対的に走査または間欠移動する工程、とを含む投影露光方法において、前記透過型微小シャッターアレイの射出光の明暗分布をマスクパターンとして、該マスクパターンを分布屈折率レンズアレイにより被露光基板上に投影し、該分布屈折率レンズアレイを該被露光基板に対して相対的に走査または間欠移動する工程の間に、透過型微小シャッターアレイを構成するシャッターセル毎の透過・遮光の切替および/または透過量の変更を行う工程を設けることを特徴とする。
【0037】
本発明の請求項12の投影露光方法は、照明装置からの照明光に対し、ディジタルミラーデバイス、空間光変調器などの反射型微小シャッターアレイを構成する反射セル毎に、反射した照明光が分布屈折率レンズアレイを通過するか否かの切替および/または通過する量の変更を行う工程と、該微小シャッターアレイの射出光の明暗分布をマスクパターンとして、該マスクパターンを分布屈折率レンズアレイにより被露光基板上に投影し、該分布屈折率レンズアレイを該被露光基板に対して相対的に走査または間欠移動する工程、とを含む投影露光方法において、前記反射型微小シャッターアレイの射出光の明暗分布をマスクパターンとして、該マスクパターンを分布屈折率レンズアレイにより被露光基板上に投影し、該分布屈折率レンズアレイを該被露光基板に対して相対的に走査または間欠移動する工程の間に、反射型微小シャッターアレイを構成する反射セル毎の、反射した照明光が分布屈折率レンズアレイを通過するか否かの切替および/または通過する量の変更を行う工程を設けることを特徴とする。
【0038】
本発明の請求項13の投影露光方法は、照明装置とマスクの代りに発光ダイオードやレーザダイオード、エレクトロルミネッセンス発光素子などの微小発光素子を並べたアレイや、任意の光源装置に接続して光射出端の明暗を制御できる光ファイバーアレイ、などの微小発光素子アレイを用いて、該微小発光素子を発光させるか否かの切替および/または発光する量の変更を行う工程と、該微小発光素子の射出光の明暗分布をマスクパターンとして、該マスクパターンを分布屈折率レンズアレイにより被露光基板上に投影し、該分布屈折率レンズアレイを該被露光基板に対して相対的に走査または間欠移動する工程、とを含む投影露光方法において、前記微小発光素子アレイの射出光の明暗分布をマスクパターンとして、該マスクパターンを分布屈折率レンズアレイにより被露光基板上に投影し、該分布屈折率レンズアレイを該被露光基板に対して相対的に走査または間欠移動する工程の間に、微小発光素子アレイを構成する発光素子毎の射出光が分布屈折率レンズアレイを通過するか否かの切替および/または通過する量の変更を行う工程を設けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0039】
本発明の投影露光装置および投影露光方法によれば、投影露光でマスクと被露光基板が接触することがないので、密着露光やプロキシミティ露光における、マスクへの汚れ付着による露光パターンへの転写欠陥の発生や、マスクや被露光基板の傷発生をなくすことができる。また、マスクと被露光基板とのクリアランスが確保でき、被露光基板は焦点深度の範囲でZ方向にずれても大丈夫なので装置のセッティングが容易になる。
【0040】
また、分布屈折率レンズアレイにより等倍正立実像を作って露光するため、倒立実像を作って露光する従来の投影露光装置のようにマスクと被露光基板とを逆方向に精確に同期させて動かす仕組みが不要であり、装置の走査または間欠移動機構およびその制御を大幅に簡単化できる。
【0041】
さらに、本発明の請求項1の投影露光装置および請求項9または10の投影露光方法によると、分布屈折率レンズアレイを、被露光基板に対して相対的にX軸方向1軸に移動するだけでなく、X軸方向に走査または間欠移動中に同期してY軸方向にも露光領域が重なるように走査または間欠移動、またはX軸方向に移動完了時に露光領域が重なるようにY軸方向に移動した後再度走査または間欠移動して露光することで、X軸方向だけでなくY軸方向に対しても露光範囲を複数回重畳しながら被露光基板の全露光範囲を照明するため、分布屈折率レンズアレイから射出される露光光線の照射範囲内で光強度分布が不均一であっても、該光強度分布の不均一性を低減することができる。このため、パターン線幅の均一化や側壁がスムーズなパターンの形成が可能となり、より微細なパターンをも形成可能になる。
【0042】
本発明の請求項2の投影露光装置によると、複数の分布屈折率レンズアレイを用いてX軸方向だけでなくY軸方向に対しても露光範囲を重畳しながら被露光基板の全露光範囲を照明するので、分布屈折率レンズアレイから射出される露光光線の照射範囲内で光強度分布が不均一であっても、該光強度分布の不均一性を低減することができる。このため、パターン線幅の均一化や側壁がスムーズなパターンの形成が可能となり、より微細なパターンをも形成可能になる。
【0043】
そして、複数の分布屈折率レンズアレイを、同時に被露光基板に対して相対的にX軸方向1軸に移動するだけでよいので、Y軸方向への移動機構や移動工程を必要としない分、装置構成や露光方法が簡単になる。
【0044】
本発明の請求項3の投影露光装置によると、明暗の濃度分布を有する光学フィルターを設けたことにより、分布屈折率レンズアレイを透過した際に、生じる照射範囲の光強度分布の不均一性を低減することができるため、パターン線幅の均一化や側壁がスムーズなパターンの形成が可能となり、より微細なパターンをも形成可能になる。
【0045】
また、分布屈折率レンズアレイを、被露光基板に対して相対的にX軸方向1軸に移動するだけでよいので、Y軸方向への移動機構や移動工程を必要としない分、装置構成や露光方法が簡単になる。
【0046】
本発明の請求項4の投影露光装置によると、開口制御板によって、分布屈折率レンズアレイから照射される光強度分布の不均一な露光領域の周辺部分の使用を制限し、中心部の光強度の均一な領域のみで露光するので、照射範囲の光強度分布の不均一性を低減できるため、パターン線幅の均一化や側壁がスムーズなパターンの形成が可能となり、より微細なパターンをも形成可能になる。
【0047】
また、分布屈折率レンズアレイを、被露光基板に対して相対的にX軸方向1軸に移動するだけでよいので、Y軸方向への移動機構や移動工程を必要としない分、装置構成や露光方法が簡単になる。
【0048】
さらに、後述するように、マスクの代りに透過型微小シャッターアレイ、反射型微小シャッターアレイを用いる場合や、照明装置2とマスク3の代りに微細発光素子アレイを用いる場合に、分布屈折率レンズアレイのレンズ要素の配列方向と直交する方向に開口を制限していることから、レンズ要素の配列方向と直交する方向、すなわちX軸方向のマスクに代る各種アレイのパターンの大きさを制限することが可能となり、該方向の転写分解能を向上させることができる。
【0049】
本発明の請求項5の投影露光装置によれば、分布屈折率レンズアレイを被露光基板に対して相対的に走査または間欠移動する方向に対して直交する方向に露光中または露光工程の間に動かす機構の設置、分布屈折率レンズアレイを走査または間欠移動する方向に複数設け、該配置位置をレンズ要素の配列方向にずらした配置、照明装置とマスクとの間、または、マスクの直後、または、マスクのパターン面と共役な面付近への、明暗の濃度分布を有する光学フィルターを設置、マスクの直後またはマスクのパターン面と共役な面付近への該分布屈折率レンズアレイのレンズ要素の配列方向と直交する方向の投影範囲を制御する開口制御板の設置、のうち少なくとも2つ以上の光強度均一化の方策を同時に実施するため、露光領域の光強度の不均一性はより改善される。
【0050】
また、本発明の請求6乃至8の投影露光装置によると、透過型微小シャッターアレイまたは反射型微小シャッターアレイまたは微小発光素子アレイの射出光の明暗分布をマスクパターンとして、該マスクパターンを分布屈折率レンズアレイにより被露光基板上に投影露光するので、従来の投影露光装置には、不可欠であった透過基板に遮光膜パターンを付けたマスクやステンシルマスク等の原図基板を用いることなく、任意の形状のパターンを露光することが可能となる。したがって、高価で作成に時間がかかる原図基板を用いないため、製品価格を削減できるほか、パターンを設計してから露光するまでの所要時間を大幅に短縮できる。
【0051】
また、透過型微小シャッターアレイまたは反射型微小シャッターアレイまたは微小発光素子アレイは、分布屈折率レンズアレイの視野範囲と同等の大きさでよいため、装置を著しく小型化することが可能である。
【0052】
さらに、本発明の請求項6乃至8の投影露光装置によると、透過型微小シャッターアレイまたは反射型微小シャッターアレイまたは微小発光素子アレイは、露光のため分布屈折率レンズアレイを被露光基板に対して走査または間欠移動する方向に、アレイを構成するセルを最低1列配列すればよいので、各セルとセルとの間に駆動配線を設けたり、セル内に駆動用のトランジスタを設けたりする必要がなくなり、これらをセルの配列の外側の領域に配置できる。そのため、セルの間隔48の精細化が可能になる。
【0053】
このため、分布屈折率レンズアレイのレンズ要素の配列方向に対しての表示分解能を上げるのに有利となり、より微細なパターン形状の指定が可能となる。
【0054】
また、セル間の常時暗部となるブラックマトリックス幅を狭くすることができるため、被露光基板上に作られるパターン像にセルのつなぎ目の影響が出にくくなる。
【0055】
さらに、分布屈折率レンズアレイのレンズ要素の配列方向(Y軸方向)にのみアレイ要素の数をたくさん取ればよいので、該方向のみを非常に大規模とした透過型微小シャッターアレイまたは反射型微小シャッターアレイまたは微小発光素子アレイを適用でき、一層大面積に対応し易くなる。
【0056】
本発明の請求項11乃至13の投影露光装置によると、透過型微小シャッターアレイまたは反射型微小シャッターアレイまたは微小発光素子アレイは、露光中に分布屈折率レンズアレイの被露光基板に対する相対的な走査または間欠移動に合わせ、任意のパターン形状や明暗に変更することが可能であるため、分布屈折率レンズアレイと照明装置の組み合わせによって生ずる光強度分布の不均一を打ち消すべく、明暗分布の指定を加えれば、より一層露光の均一化を図ることができる。
【0057】
また、分布屈折率レンズアレイを被露光基板に対して露光のため相対的に走査または間欠移動するのに同期して、透過型微小シャッターアレイまたは反射型微小シャッターアレイまたは微小発光素子アレイを、該露光のための走査または間欠移動方向と直交する方向に露光領域がずれて重なるように移動することで、露光範囲を複数回重畳しながら露光するため、ブラックマトリックス部をずらした露光を重ねるようにすれば、ブラックマトリックスの影響を低減することができる。
【発明の実施するための最良の形態】
【0058】
図1乃至図3は、本発明の第1実施形態の投影露光装置および投影露光方法の説明図である。
【産業への適用】
【0059】
まず、本発明の第1実施形態の投影露光装置について、図1を参照して説明する。図1において、直交座標であるXYZ座標系のうち、鉛直方向をZ軸方向、水平方向で分布屈折率レンズアレイのレンズ配列方向と直交する方向をX軸方向、分布屈折率レンズアレイ1のレンズ要素配列方向をY軸方向とする。
【符号の説明】
【0060】
光源と照明光学系とから構成される照明装置2によってマスク3を照明し、照明光によってマスク3上のパターン形状を、投影光学系である分布屈折率レンズアレイ1を介して、被露光基板4上に投影し、被露光基板4上に付した感光性材料5を感光させる。
【0061】
分布屈折率レンズアレイ1は、ステージ6の上に設置されている。ステージ6は、被露光基板4の全露光範囲に対して、マスク3のパターン形状を投影できるように、被露光基板4の全露光範囲より大きいX軸方向の移動範囲を有し、被露光基板4と平行にX軸方向に連続駆動または間欠駆動する。また、Y軸方向にも、後述のように露光の均一性を上げるために任意の距離移動可能となし、分布屈折率レンズアレイ1がY軸方向において、被露光基板4の全露光範囲より十分大きいY軸方向幅に照射可能な場合でも、Y軸方向に駆動可能になっている。
【0062】
なお、本実施形態では、照明装置2は、不図示のステージに設置され、分布屈折率レンズアレイ1に常に一定の光量が入射するように、ステージ6と同期してまたは一体として移動する。7は照明光線であり、点線100は、分布屈折率レンズアレイ1と照明装置2が同期してまたは一体として移動するユニット100であることを示している。
【0063】
マスク3の全面を常に照射するような大きな照明領域を持つ照明装置2を用いて照明装置2を固定とし、分布屈折率レンズアレイ1のみを移動するようにしても良い。
【0064】
8はマスク3を保持するステージ、9は被露光基板4を保持するステージである。
【0065】
ステージ6および照明装置2の駆動制御すなわちユニット100の駆動制御は、コンピュータ10によって行う。11で示した線はユニット100がコンピュータ10とケーブルなどで接続され、制御されていることを示す。大きな照明領域を持つ照明装置2を用いて照明装置2を固定とし、分布屈折率レンズアレイ1のみを移動するようにする場合には、ステージ6のみをコンピュータ10と接続すればよい。
【0066】
図2は本発明の第1実施形態の投影露光方法を説明する図である。図1を上から見た図であるが、図を見易くする便宜上、分布屈折率レンズアレイ1をマスク3の上に描いてある。分布屈折率レンズアレイ1の中に描いた多数の円は分布屈折率レンズアレイ1のレンズ要素の断面を模式的に示している。
【0067】
コンピュータ10により、ステージ6をX軸方向1軸に移動制御するだけでなく、図2(a)に示すように、矢印で示す分布屈折率レンズアレイ1のX軸方向への走査または間欠移動51の最中に、同期してY軸方向にも矢印で示す分布屈折率レンズアレイ1の走査または間欠移動52を制御し、分布屈折率レンズアレイ1の露光領域50がずれて重なるようにする。
【0068】
または、図2(b)に示すように、矢印で示すX軸方向への走査または間欠移動53の完了時に、露光領域50がY軸方向に重なるように、Y軸方向に矢印で示す所定の距離の移動54を行うよう制御する。すなわち、分布屈折率レンズアレイ1の四隅ABCDをA’B’C’D’に動かした後、A”B”C”D”に動かす。なお、動かす量は図を分かり易くするため、誇張して大きく描いてある。そして、分布屈折率レンズアレイ1と照明装置2がX軸の負方向に走査または間欠移動を行うように制御する。以上のX軸方向への走査または間欠移動53と移動54の後のX軸負方向への走査または間欠移動の間に露光を繰り返し行い、合計の露光量が適切な露光量となるようにして、被露光基板4の感光性材料5を露光する。
【0069】
Y軸方向への所定の距離の移動54の後、ステージ6を辺ABの側に一旦戻すか、ステージ6を辺ABの側に一旦戻してからY軸方向への所定の距離の移動54を行い、再び分布屈折率レンズアレイ1と照明装置2がX軸の正方向に走査または間欠移動するようにしてもよい。なお、X軸方向への走査または間欠移動は2回に限らず、Y軸方向への所定の距離の移動と組み合わせて任意の回数行ってもよいことは言う迄もない。
【0070】
コンピュータ10は、さらに、被露光基板4上の感光性材料5に対して最適な露光量を与えられるように制御するステージ制御システムを持っている。
【0071】
ここで、最適な露光量とは、被露光基板4上の感光性材料5の感光する閾値に達する露光量、または、該閾値露光量以上の露光量で現像などのパターン顕在化工程の後に得られるパターンの寸法・形状が所望の値・形となる露光量である。コンピュータ10によって、ステージ6の移動速度制御や露光領域の重ね合わせ量の制御の指令を与え、X軸方向への走査または間欠移動の速度や回数、感光性材料5の感光特性等を考慮して、感光性材料5に与える露光量が適切な量となるようにコントロールする。
【0072】
なお、本実施形態では、被露光基板4に対して、分布屈折率レンズアレイ1と照明装置2が、ユニット100として移動する構成としたが、照明装置2と分布屈折率レンズアレイ1が固定されていて、マスク3と被露光基板4が移動する構成のように、お互いが相対的に移動する構成ならば良い。
【0073】
図3は、分布屈折率レンズアレイ1と照明装置2を固定とし、マスク3と被露光基板4とを移動するようにした、第1実施形態の別の投影露光装置である。ステージ8と9を同期してまたは一体として移動するユニット101に構成し、マスク3と被露光基板4とをX軸方向へ走査または間欠移動させる。また、図2に示したように、X軸方向へ走査または間欠移動の最中にY軸方向にも走査または間欠移動させるか、X軸方向へ走査または間欠移動とY軸方向への移動との組み合わせにより、露光領域をずらして重畳させた露光を行う。ユニット101の制御はコンピュータ10により行う。線11はユニット101がケーブルなどによってコンピュータ10に接続され、制御されていることを示す。
【0074】
分布屈折率レンズアレイ1の被露光基板4に対する走査または間欠移動や移動は相対的に行えばよいので、X軸方向への走査または間欠移動や移動はステージ8と9とによりマスク3と被露光基板4を同期してまたは一体として動かして行い、Y軸方向へ走査または間欠移動はステージ6によって分布屈折率レンズアレイ1を動かして行う、など、任意に組み合わせて行うようにしてもよい。
【0075】
なお、Y軸方向への走査または間欠移動や移動の距離は任意でよいが、図10に示したように、分布屈折率レンズアレイ1の結像面の光強度分布として、レンズ要素の幾何配列にほぼ対応する形で周期的に現れる特徴を持つ光強度むらの成分があるため、X軸方向へ走査または間欠移動して露光中にY軸方向へ走査または間欠移動するならば、該光強度むらのピッチの整数倍動かすようにすればなおよい。該Y軸方向へ走査または間欠移動は、静止させた分布屈折率レンズアレイ1により投影されるX軸方向の幅に相当する距離を分布屈折率レンズアレイ1が通過する間に最小でも該光強度むらの1ピッチ分は動かした方がよく、X軸方向の全露光領域を走査または間欠移動しながら露光する間に何度も動かす。Y軸の同じ方向に走査または間欠移動を多数回繰り返すと重畳して露光される部分が狭くなってしまうので、Y軸の正方向と負方向への走査または間欠移動を交互に行い、往復動させるとよい。
【0076】
また、X軸方向へ走査または間欠移動しての露光とY軸方向への移動を順次行うならば、前記光強度むらのピッチをX軸方向への走査または間欠移動の回数で除した距離ずつY軸方向へ移動するとよい。
【0077】
図1乃至図3に示した本発明の第1実施形態の投影露光装置および投影露光方法によれば、分布屈折率レンズアレイ1を、被露光基板4に対して相対的に、X軸方向へ走査または間欠移動するのに加えてY軸方向にも走査または間欠移動や移動させるため、X軸方向だけでなくY軸方向に対しても露光範囲を複数回重畳しながら被露光基板4を露光することができる。
【0078】
図4は、本発明の第1実施形態の投影露光装置および投影露光方法による露光範囲の重畳の説明図である。同じマスク上のパターンが、少しずつ位置のずれた3回の照射により範囲25、26、27と3回重畳して投影露光される場合を例示している。3回重畳しての露光量を合計すると、投影露光領域28内の光強度はほぼ均一化される。
【0079】
そして、図1乃至図3に示した本発明の投影露光装置および投影露光方法によれば、投影露光であってマスク3と被露光基板4が接触することがないので、密着露光やプロキシミティ露光における、マスクへの汚れ付着による露光パターンへの転写欠陥の発生や、マスク3や被露光基板4の傷発生をなくすことができる。また、マスク3と被露光基板4とのクリアランスが確保でき、被露光基板4は焦点深度の範囲でZ方向にずれても大丈夫なので、装置のセッティングが容易になる。
【0080】
さらに、本第1実施形態では、分布屈折率レンズアレイ1を、被露光基板4に対して相対的にX軸方向1軸に移動するだけでなく、X軸方向に走査または間欠移動中に同期してY軸方向にも露光領域が重なるように走査または間欠移動、またはX軸方向に移動完了時に露光領域が重なるようにY軸方向に移動した後再度走査または間欠移動して露光することで、X軸方向だけでなくY軸方向に対しても露光範囲を複数回重畳しながら被露光基板の全露光範囲を照明するため、分布屈折率レンズアレイ1から射出される露光光線の照射範囲内で光強度分布が不均一であっても、該光強度分布の不均一性を低減することができる。このため、パターン線幅の均一化や側壁がスムーズなパターンの形成が可能となり、より微細なパターンをも形成可能になる。
【0081】
図5は、本発明の第2実施形態の投影露光装置、図6は、第2実施形態の投影露光方法の説明図である。図5に示した投影露光装置と図1に示した本発明の第1実施形態の投影露光装置との相違点は複数の分布屈折率レンズアレイをレンズ要素の配列方向(Y軸方向)と平行に配置し、配置位置をレンズ要素の配列方向(Y軸方向)にずらして配置した点である。図6は図5を上から見た図であるが、図を見易くする便宜上、分布屈折率レンズアレイ1をマスク3の上に描いてある。
【0082】
図5では、一例として分布屈折率レンズアレイを走査方向に3つ設けている。また、この3つの分布屈折率レンズアレイ1,17,18は、単純にY軸方向に揃えて配置せず、図6に示すように、ずらして配置している点が特徴である。
【0083】
ここで、問題なのは図6に示す分布屈折率レンズアレイ1,17,18をY軸方向へずらす量22、23であるが、図16に示したように、分布屈折率レンズアレイ1、17、18の結像面の明暗成分として、分布屈折率レンズアレイ1、17、18のレンズ要素の幾何配置にほぼ対応する形で周期的に現れる特徴を持つ光強度分布のむらがあるため、分布屈折率レンズアレイ1、17、18のレンズ要素の幾何配列が全く同じならば、前記光強度分布のピッチを分布屈折率レンズアレイの配置数、すなわちこの場合は3で除した距離ずつY軸方向へずらせばなおよい。分布屈折率レンズアレイ1、17、18のレンズ要素の幾何配列がずれている場合には、隣り合う分布屈折率レンズアレイ間で幾何配列が同量ずつずれるようにずらすのがよい。隣り合う分布屈折率レンズアレイ間で幾何配列が同量ずつ配列ピッチに対して半端にずれるようにずらせば、分布屈折率レンズアレイのピッチ以上ずらしても問題はないが、あまり大きくずらし過ぎると、重畳して露光できる露光領域が狭くなってしまう。
【0084】
もちろん、Y軸方向へずらす量23は、可変できるようになっていることが好ましい。例えば、分布屈折率レンズアレイのレンズ配列が偶数と奇数では、照射される光の不均一性が変わる。また、個体差によっても照射される光の不均一性が変ってくることから、Y軸方向へずらす量23の自由度は高いほうが良いことは言うまでもない。
【0085】
また、照明装置2は、3つの分布屈折率レンズアレイ1、17、18に光が入射するように、大きなものを配置している。もちろん、各分布屈折率レンズアレイ1、17、18毎にそれぞれ照明装置を3つ設置する構成でも良い。
【0086】
図5では、X軸方向に分布屈折率レンズアレイを移動するステージ6は、3つの分布屈折率レンズアレイ1、17、18が一体化され動く構成になっているが、3つの分布屈折率レンズアレイ1、17、18がそれぞれに別のステージ上に配置された構成であっても、同時にX軸方向に動く構成ならばよい。
【0087】
点線102は、分布屈折率レンズアレイ1、17、18を載せたステージ6と照明装置2が同期してまたは一体として動くユニット102であることを示す。
【0088】
図5におけるその他の構成は図1に示した本発明の第1実施形態の投影露光装置と同じであるので、図1に示した投影露光装置と同じ構成要素には、同じ番号をつけ、説明は省略する。
【0089】
露光を行うには、照明装置2、マスク3、分布屈折率レンズアレイ1、17、18を同期してまたは一体として、被露光基板4の露光領域全面に対する相対的な走査または間欠移動51を行う。
【0090】
照明装置2から射出された光は、マスクを通過し、それぞれの分布屈折率レンズアレイ1、17、18に入る。それぞれの分布屈折率レンズアレイは、X軸方向に同時に移動可能な構成になっていることから、露光基板4上の感光性物質5は、分布屈折率レンズアレイ1、17、18から照射された少しずつ位置がずれた露光領域によって重畳露光される。そのため、本発明の第1実施形態の投影露光装置および投影露光方法と同様に、模式的に描けば図4に示したように露光領域が重なり、光強度が均一化される。
【0091】
なお、本実施形態では、被露光基板4に対して、分布屈折率レンズアレイ1、17、18と照明装置2が、ユニット102として移動する構成としたが、照明装置2と分布屈折率レンズアレイ1が固定されていて、マスク3と被露光基板4が移動する構成のように、お互いが相対的に移動する構成ならば良い。
【0092】
図7は、分布屈折率レンズアレイ1、17、18と照明装置2を固定とし、マスク3と被露光基板4とを移動するようにした、第2実施形態の別の投影露光装置である。ステージ8と9を同期してまたは一体として移動するユニット103に構成し、マスク3と被露光基板4とをX軸方向へ走査または間欠移動させることによって、ずらした露光領域を重畳させた露光を行う。ユニット103の制御はコンピュータ10により行う。線11はユニット103がケーブルなどによってコンピュータ10に接続され、制御されていることを示す。
【0093】
以上に説明したように、本発明の第2実施形態の投影露光装置および投影露光方法によれば、マスク3と被露光基板4の間に、複数の分布屈折率レンズアレイ1,17,18をY軸方向にずらして配置し、照明装置2、マスク3、分布屈折率レンズアレイ1、17、18を同期してまたは一体として被露光基板4の露光領域全面に相対的に走査または間欠移動し、マスク3に形成されたパターンを投影露光することで、図1および図3に示した第1実施形態の投影露光装置と同様の効果を得ることができる。
【0094】
すなわち、第2実施形態の本発明の投影露光装置および投影露光方法によっても、マスク3と被露光基板4が接触することがないので、密着露光やプロキシミティ露光における、マスクへの汚れ付着による露光パターンへの転写欠陥の発生や、マスク3や被露光基板4の傷発生をなくすことができる。また、マスク3と被露光基板4とのクリアランスが確保でき、被露光基板4は焦点深度の範囲でZ方向にずれても大丈夫なため、装置のセッティングが容易になる。
【0095】
さらに、X軸方向だけでなくY軸方向に対しても露光範囲を重畳しながら被露光基板の全露光範囲を照明するので、分布屈折率レンズアレイから射出される露光光線の照射範囲内で光強度分布が不均一であっても、該光強度分布の不均一性を低減することができる。このため、パターン線幅の均一化や側壁がスムーズなパターンの形成が可能となり、より微細なパターンをも形成可能になる。
【0096】
本第2実施形態では、分布屈折率レンズアレイ1、17、18を、被露光基板4に対して相対的にX軸方向1軸に移動するだけでよいので、Y軸方向への移動機構や移動工程を必要としない分、装置構成や露光方法が簡単になる。
【0097】
また、分布屈折率レンズアレイを複数設置したため、同時に露光できる露光領域が増し露光時間の短縮が可能になる。
【0098】
なお、図5乃至図7では、分布屈折率レンズアレイを3つとして説明したが、分布屈折率レンズアレイの数は任意でよく、数が増えるほど、露光領域の均一効果と露光時間の短縮効果が大きいことは、言うまでもない。
【0099】
図8は、本発明の第3実施形態の投影露光装置および投影露光方法の説明図である。分布屈折率レンズアレイ1に入射する光の強度分布を均一化するために、明暗の濃度分布を有する光学フィルター31を照明装置2とマスク3との間に配置した。光学フィルター31はマスクの直後、被露光基板4の直前など、マスク3のパターン面と共役な面付近に配置してもよい。
【0100】
分布屈折率レンズアレ1を走査または間欠移動させるステージ6は最低限X軸方向にのみ動けばよく、必ずしもY軸方向には動かなくてもよい。
【0101】
また、装置の構成を図3と同様にしてマスク3および被露光基板4を走査または間欠移動するようにしてもよく、その場合も、ステージ8およびステージ9は最低限X軸方向にのみ動けばよく、必ずしもY軸方向には動かなくてもよい。
【0102】
分布屈折率レンズアレイ1の物体面を均一に照明する時の像面の光強度分布は、分布屈折率レンズアレイ1の個体に依存するものの、該分布屈折率レンズアレイ1と物体面および像面との距離を一定に保てば、いつも同じである。したがって、光強度が比較的弱い部分を基準にそれより光強度が高い部分の光強度を分布に対応させて弱める光学フィルター31を挿入すれば光強度の不均一を改善できる。
【0103】
照射フィールド内における光強度不均一の許容限界は投影露光するパターンの寸法・形状などに依存する。解像限界ぎりぎりの微細パターンの場合には分布屈折率レンズアレイ1から照射された光線の光強度の不均一が照射フィールド内でたとえば±1%以下になるように、明暗の濃度分布を調整する。また、比較的ラフなパターンの場合には光強度の不均一が、たとえば±5%以下になるように調整する。
【0104】
以上の構成によると、明暗の濃度分布を有する光学フィルター31を透過した光は、分布屈折率レンズアレイ1を介して、被露光基板4上の感光性材料5にほぼ均一に照射される。
【0105】
第1実施形態および第2実施形態の投影露光装置および投影露光方法は、分布屈折率レンズアレイ1のレンズ要素の幾何配置に起因する周期性のある光強度の不均一の低減にとくに有効であるのに対し、本第3実施形態の投影露光装置および投影露光方法は、分布屈折率レンズアレイ1のレンズ要素の配列方向(Y軸方向)の不規則的な光強度の不均一低減にとくに有効である。
【0106】
光学フィルター31を入れる第3実施形態の投影露光装置および投影露光方法によれば、第1実施形態および第2実施形態の投影露光装置および投影露光方法と同様に、マスク3と被露光基板4が接触することがないので、密着露光やプロキシミティ露光における、マスクへの汚れ付着による露光パターンへの転写欠陥の発生や、マスク3や被露光基板4の傷発生をなくすことができる。また、マスク3と被露光基板4とのクリアランスが確保でき、被露光基板4は焦点深度の範囲でZ方向にずれても大丈夫なので装置のセッティングが容易になる。また、分布屈折率レンズアレイ1から射出される露光光線の光強度分布が不均一であっても、光学フィルター31の働きによって、該光強度分布の不均一性を低減することができるため、パターン線幅の均一化や側壁がスムーズなパターンの形成が可能となり、より微細なパターンをも形成可能になる。
【0107】
さらに、本第3実施形態では、第2実施形態の投影露光装置および投影露光方法と同様に、分布屈折率レンズアレイ1を、被露光基板4に対して相対的にX軸方向1軸に移動するだけでよいので、Y軸方向への移動機構や移動工程を必要としない分、装置構成や露光方法が簡単になる。
【0108】
図9は、本発明の第4実施形態の投影露光装置および投影露光方法の説明図である。図9(a)に示すように、被露光基板に届く光を制限する開口制御板32をマスク3の直後に配置している。開口制御板32は、被露光基板4の直上などマスク面と共役な面付近に配置してもよい。
【0109】
開口制御板32は、図9(b)に示すように、分布屈折率レンズアレイ1のレンズ配列方向と直交する方向の投影範囲を制御するように遮光部33と透過部34から作られている。ガラスや石英板などの光透過基板に遮光体を付けて遮光部33と透過部34を作ってもよく、金属板などの遮光板に穴を開けて遮光部33と透過部34を作ってもよい。また、開口制御板32の配置は、分布屈折率レンズアレイ1のレンズ配列方向の中心軸と開口制御板32の中心軸が概略一致するように設置することが望ましい。
【0110】
以上の構成によると、分布屈折率レンズアレイ1を透過した光は、開口制御板32で一部を遮光され、制限された投影範囲の光のみが、被露光基板4上の感光性材料5に照射される。
【0111】
その他の構成は図1と同様である。しかし、分布屈折率レンズアレイ1を走査または間欠移動させるステージ6は最低限X軸方向にのみ動けばよく、必ずしもY軸方向には動かなくてもよい。
【0112】
また、装置の構成を図3と同様にしてマスク3および被露光基板4を走査または間欠移動するようにしてもよく、その場合も、ステージ8およびステージ9は最低限X軸方向にのみ動けばよく、必ずしもY軸方向には動かなくてもよい。
【0113】
開口制御板32を入れる構成にした第4実施形態の投影露光装置および投影露光方法によれば、第1実施形態および第2実施形態の投影露光装置および投影露光方法と同様に、マスク3と被露光基板4が接触することがないので、密着露光やプロキシミティ露光における、マスクへの汚れ付着による露光パターンへの転写欠陥の発生や、マスク3や被露光基板4の傷発生をなくすことができる。また、マスク3と被露光基板4とのクリアランスが確保でき、被露光基板4は焦点深度の範囲でZ方向にずれても大丈夫なので装置のセッティングが容易になる。
【0114】
分布屈折率レンズアレイ1から照射される光強度分布の不均一な露光領域の周辺部分の使用を制限し、中心部の光強度の均一な領域のみで露光するので、照射範囲の光強度分布の不均一性を低減できるため、パターン線幅の均一化や側壁がスムーズなパターンの形成が可能となり、より微細なパターンをも形成可能になる。
【0115】
また、本第4実施形態では、第2実施形態および第3実施形態の投影露光装置および投影露光方法と同様に、分布屈折率レンズアレイ1を、被露光基板4に対して相対的にX軸方向1軸に移動するだけでよいので、Y軸方向への移動機構や移動工程を必要としない分、装置構成や露光方法が簡単になる。
【0116】
また、後述するように、マスク3の代りに透過型微小シャッターアレイ、反射型微小シャッターアレイを用いる場合や、照明装置2とマスク3の代りに微細発光素子アレイを用いる場合に、分布屈折率レンズアレイ1のレンズ要素の配列方向と直交する方向に開口を制限していることから、レンズ要素の配列方向と直交する方向、すなわちX軸方向のマスク3に代る各種アレイのパターンの大きさを制限することが可能となり、該方向の転写分解能を向上させることができる。
【0117】
また、本発明の第1実施形態乃至第4実施形態の投影露光装置および投影露光方法のうち任意の二つ以上の実施形態を一緒に用いてもよい。すなわち、分布屈折率レンズアレイ1を被露光基板4に対して相対的に走査または間欠移動する方向に対して直交する方向に露光中または露光工程の間に動かす機構の設置、分布屈折率レンズアレイを走査または間欠移動する方向に複数設け、該配置位置をレンズ要素の配列方向にずらした配置、照明装置2とマスク3との間、または、マスク3の直後、または、マスク3のパターン面と共役な面付近への、明暗の濃度分布を有する光学フィルターを設置、マスク3の直後またはマスク3のパターン面と共役な面付近への該分布屈折率レンズアレイのレンズ要素の配列方向と直交する方向の投影範囲を制御する開口制御板の設置、のうち少なくとも2つ以上を同時に実施してもよい。
【0118】
二つ以上の光強度均一化の方策を一緒に用いることにより、露光領域の光強度の不均一性はより改善される。
【0119】
ところで、前記の本発明の露光装置の第1実施形態乃至第4実施形態においては、マスク3として、石英やガラスなどの透過基板上にクロムなどの遮光体でパターンを作ったり、金属板にパターン形状の穴を開けたステンシルマスクなどの原図基板ではなく、代りに図10に示すように、液晶パネルなどの透過型微小シャッターアレイ41を用いたり、図11に示すように、ディジタルミラーデバイスや、空間光変調器などの反射型微小シャッターアレイ42を用いればさらに有効である。また、図12に示すように、照明装置2とマスク3の代りに発光ダイオードやレーザダイオード、エレクトロルミネッセンス発光素子などの微小発光素子を並べたアレイや、任意の光源装置に接続して光射出端の明暗を制御できる光ファイバーアレイ、などの微小発光素子アレイ43を用いても有効である。
【0120】
図10(a)に示すのは、マスク3の代りに透過型微小シャッターアレイ41を用いた第1実施形態の投影露光装置である。透過型微小シャッターアレイ41上にパターン形状を指定するため、パターン指定部44を設ける。パターン指定部44は、パターンデータをパターン形状として表示するディスプレイ、指示を与えるためのキーボード、パターンデータを処理、記憶、検査するコンピュータ等で構成されている。線45は、透過型微小シャッターアレイ41とパターン指定部44が、ケーブルなどで接続されていることを示す。
【0121】
パターン指定部44により該微小シャッターアレイを構成するセルにおける透過・遮光の切替および/または照明光透過量の変更を行い、該微小シャッターアレイの射出光に明暗分布を作り、該明暗分布をマスクパターンとする。
【0122】
本実施形態では、透過型微小シャッターアレイ41は、分布屈折率レンズアレイ1と照明装置2とともにユニット104となり、同期してまたは一体として被露光基板4に対して相対的に同時に動くようになっている。
【0123】
ユニット104を同期してまたは一体として動かす代りに、ユニット104を固定し、被露光基板4をステージ9によって動かしてもよい。
【0124】
透過型微小シャッターアレイ41は、露光中に分布屈折率レンズアレイ1の被露光基板4に対する相対的な走査または間欠移動に合わせ、パターン指定部44からの信号により任意のパターン形状に変更することが可能である。このため、透過型微小シャッターアレイ41の大きさは、分布屈折率レンズアレイ1の視野範囲の大きさと同等でよく、X方向の配列は、1列から数列でよい。パターン形状を分布屈折率レンズアレイ1の被露光基板4に対する相対的な走査または間欠移動に合わせて変化させることで、2次元のパターンを被露光技基板4の上に作成することができる。
【0125】
このように構成される図10(a)に示す本発明の投影露光装置は、前記の図1および図3に示した実施形態と同様の効果をもつことはいうまでもないが、さらにパターン指定部44により作成されたパターン形状により、透過型微小シャッターアレイ41の透過・遮光の切り替えや、照明光透過量の変更が簡便に可能になることから、従来の投影露光装置には、不可欠であった透過基板に遮光膜パターンを付けたマスクやステンシルマスク等の原図基板を用いることなく、任意の形状のパターンを露光することが可能となる。したがって、高価で作成に時間がかかる原図基板を用いないため、製品価格を削減できるほか、パターンを設計してから露光するまでの所要時間を大幅に短縮できる。
【0126】
また、透過型微小シャンターアレイ41は、分布屈折率レンズアレイの視野範囲と同等の大きさでよいため、図10(b)に示すように分布屈折率レンズアレイ1のレンズ素子の配列方向と直交する方向に透過型微小シャッターアレイ41のセル46を最低1列配列すれば、被露光基板4に任意の2次元パターンを露光できるので、装置を著しく小型化することが可能である。
【0127】
一方、一般的な二次元の液晶パネルをマスク3の代りとして、鏡筒内にレンズを直列に並べて組み合わせた投影レンズやミラーの組み合わせで構成した投影ミラー光学系などの投影光学系を用いて、所定の露光時間露光してパターンを形成した場合には、液晶セルと液晶セルとの間のブラックマトリックス部が常に遮光部となるため、ブラックマトリックス部に対応する位置のポジ型レジスト転写パターンにくびれが出たり、ネガ型レジスト転写パターンに出っ張りができたりする。
【0128】
それに対し、本発明のこの実施形態によれば、分布屈折率レンズアレイ1を、被露光基板4に対して相対的にX軸方向1軸に移動するだけでなく、X軸方向に走査または間欠移動中に同期してY軸方向にも露光領域が重なるように走査または間欠移動、またはX軸方向に移動完了時に露光領域がずれて重なるようにY軸方向に移動してから再度走査または間欠移動することで、X軸方向だけでなくY軸方向に対しても露光範囲を複数回重畳しながら被露光基板の全露光範囲を照明するため、ブラックマトリックス部をずらした露光を重ねるようにすれば、ブラックマトリックスの影響を低減することができる。
【0129】
さらに、透過型微小シャッターアレイ41は、セル46をX軸方向には最低1列配列すればよいので、各セル46とセル46との間に駆動配線を設けたり、セル46内に駆動用のトランジスタを設けたりする必要がなくなり、これらをセル46の配列の外側の領域47に配置できる。そのため、セル46の間隔48の精細化が可能になる。また、セル46間のブラックマトリックス幅を狭くすることができる。
【0130】
このため、分布屈折率レンズアレイ1のレンズ配列方向に対しての表示分解能を上げるのに有利となり、より微細なパターン形状の指定が可能となる。また、セル46間のブラックマトリックス幅が狭いので、被露光基板4上に作られるパターン像にセル46のつなぎ目の影響がさらに出にくくなる。
【0131】
さらに、透過型微小シャッターアレイ41は、露光中に分布屈折率レンズアレイ1の被露光基板4に対する相対的な走査または間欠移動に合わせ、パターン指定部44からの信号によりパターン形状や明暗を任意に変更することが可能であるため、分布屈折率レンズアレイ1と照明装置2の組み合わせによって生ずる光強度分布の不均一を打ち消すべく、該透過型微小シャッターアレイ41に透過分布の指定を加えれば、より一層露光の均一化を図ることができる。
【0132】
図11は、マスク3の代りに、図10(a)に示した透過型微小シャッターアレイ41ではなく反射型微小シャッターアレイ42を用いた本発明の第1実施形態の投影露光装置である。
【0133】
該反射型微小シャッターアレイを構成する反射素子で反射した照明光が前記分布屈折率レンズアレイを通過するか否かの切替および/または通過する量の変更により、該微小シャッターアレイの射出光に明暗分布を作り、該明暗分布をマスクパターンとする。
【0134】
反射型微小シャッターアレイ42を、分布屈折率レンズアレイ1と照明装置2とともにユニット105となし、同期してまたは一体として被露光基板4に対して相対的に同時に動くようにする。
【0135】
ユニット105を同期してまたは一体として動かす代りに、ユニット105を固定し、被露光基板4をステージ9によって動かしてもよい。
【0136】
透過型微小シャッターアレイ41を反射型微小シャッターアレイ42に変更しただけでそのほかの構成は図10(a)と同じであり、動作や効果などは透過型微小シャッターアレイ41を用いた場合と同様であるため、説明を省略する。
【0137】
なお、反射型微小シャッターアレイ42も、露光中に分布屈折率レンズアレイ1の被露光基板4に対する相対的な走査または間欠移動に合わせ、パターン指定部44からの信号により任意のパターン形状や明暗に変更することが可能であるため、分布屈折率レンズアレイ1と照明装置2の組み合わせによって生ずる光強度分布の不均一を打ち消すべく、反射分布の指定を加えれば、より一層露光の均一化を図ることができる。
【0138】
さらに、図12に示すように、照明装置2とマスク3の代りに発光ダイオードやレーザダイオード、エレクトロルミネッセンス発光素子などの微小発光素子を並べたアレイ、任意の光源装置に接続して光射出端の明暗を制御できる光ファイバーアレイ、などの微小発光素子アレイ43を用いてもよい。
【0139】
該微小発光素子を発光させるか否かの切替および/または発光する量の変更を行いつつ該微小発光素子の射出光の明暗分布をマスクパターンとして、該マスクパターンを分布屈折率レンズアレイにより被露光基板上に投影し、該分布屈折率レンズアレイを該被露光基板に対して相対的に走査または間欠移動して投影露光する。
【0140】
微小発光素子アレイ43を、分布屈折率レンズアレイ1と照明装置2とともにユニット106となし、同期してまたは一体として被露光基板4に対して相対的に同時に動くようにする。
【0141】
ユニット106を同期してまたは一体として動かす代りに、ユニット106を固定し、被露光基板4をステージ9によって動かしてもよい。
【0142】
動作や効果などは透過型微小シャッターアレイ41を用いた図10(a)の場合と同様であるが、照明装置が不要になるため、投影露光装置をより簡便・小型にすることができる。
【0143】
また、微小発光素子アレイ43も、露光中に分布屈折率レンズアレイ1の被露光基板4に対する相対的な走査または間欠移動に合わせ、パターン指定部44からの信号によりパターン形状や明暗を任意に変更することが可能であるため、分布屈折率レンズアレイ1と照明装置2の組み合わせによって生ずる光強度分布の不均一を打ち消すべく、発光分布の指定を加えれば、より一層露光の均一化を図ることができる。
【0144】
本発明の第2実施形態、第3実施形態、第4実施形態についても、マスク3の代りに液晶パネルなどの透過型微小シャッターアレイ41や、ディジタルミラーデバイス、空間光変調器などの反射型微小シャッターアレイ42を用いたり、照明装置2とマスク3の代りに発光ダイオードやレーザダイオード、エレクトロルミネッセンス発光素子などのアレイ、任意の光源装置に接続して光射出端の明暗を制御できる光ファイバーアレイ、などの微小発光素子アレイ43を用いたりすることができるのは明らかである。
【0145】
第4実施形態により開口制御板32を用いてマスク3の代りに用いる透過型微小シャッターアレイ41や反射型微小シャッターアレイ42、微小発光素子アレイ43のX軸方向の寸法を小さく制限することは、転写パターン寸法を微細化したり、パターンの転写精度を上げる上でとくに有効である。
【0146】
ディスプレイ用の液晶パネルなどの透過型微小シャッターアレイ41やディジタルミラーデバイスなどの反射型微小シャッターアレイ42はカラー表示用に開発されたものが多いことから、赤青緑の3セルを横に並べて正方形の1画素とするため、セルが3:1に近い縦長寸法であることが多い。これを露光に適した波長の単色用に用い、開口制御板32を用いて長い方向のセル寸法を制限すれば、微細なセルとして使用できるため、パターン形成の解像度を大幅に上げることができる。
【実施例】
【0147】
本発明の第1実施形態の図1に示す構成の投影露光装置を、分布屈折率レンズアレイ1として日本板硝子株式会社製のレンズ要素の直径1.1mm、列数2のSLA(セルフォックレンズアレイ)、照明装置2として、住田光学ガラス製のハロゲンランプ、コンピュータ10としてノートパソコンを用いることにより実現できた。
【0148】
実験に用いた分布屈折率レンズアレイ1は、静止させて投影露光すると、東京応化工業株式会社製のポジ型レジストをシリコンウエハ上に膜厚1μmに塗布した被露光基板上に線幅5~10μmのラインアンドスペースを形成できる解像度を有するが、横幅約195mm、厚さ約5mm、高さ約16mmで、重量約0.4Nと小型軽量であり、1本1万円以下の低価格である。
【0149】
鏡筒内にレンズを直列に並べた投影レンズやミラーの組み合わせで構成した投影ミラー光学系などの投影光学系で、幅195mm以上の領域を10μm以下の解像度で投影できるものの価格は数100万円以上もする。また、寸法も外形250mm以上、長さ400mm以上、重量200N以上と推測されることから、分布屈折率レンズアレイを用いる本発明により、大幅な低価格化と小型軽量化が可能である。
【0150】
以上に説明したように、本発明によれば、非常に簡便、小型、安価な装置により、微細パターンを、大寸法のガラス基板、プラスチック基板、銅箔付きプラスチック基板、スクリーン印刷用のスクリーン、金属シート、大口径ウエハ等の大きい面積の被露光基板上に転写することができる。
【0151】
したがって、半導体集積回路、光エレクトロニクス素子、フレキシブル配線シート、プリント基板、スクリーン印刷用のスクリーン、エンコーダ、マイクロマシン部品、等の製造に適用すれば、製品の低価格化、高精細化による小型化や高性能化が図れる。
【0152】
また、透過型微小シャッターアレイまたは反射型微小シャッターアレイまたは微小発光素子アレイを用いた本発明の投影露光装置および投影露光方法によれば、任意のマスクパターンをパターン指定部から容易に即座に指定することができるため、マスクの設計、製作のために生ずる待ち時間をなくすことができ、上記の製品を製造するのに要する時間を大幅に低減できる。多品種少量生産品の製造に利用すれば、QTAT(クイック ターンアラウンド タイム)化に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0153】
【図1】第1実施形態の投影露光装置の説明図
【図2】第1実施形態の投影露光方法の説明図
【図3】第1実施形態の別の投影露光装置の説明図
【図4】露光範囲の重畳の説明図
【図5】第2実施形態の投影露光装置の説明図
【図6】第2実施形態の投影露光方法の説明図
【図7】第2実施形態の別の投影露光装置の説明図
【図8】本発明の第3実施形態の投影露光装置および投影露光方法の説明図
【図9】本発明の第4実施形態の投影露光装置および投影露光方法の説明図
【図10】透過型微小シャッターアレイを用いた第1実施形態の投影露光装置
【図11】反射型微小シャッターアレイを用いた第1実施形態の投影露光装置
【図12】微小発光素子アレイを用いた第1実施形態の投影露光装置
【図13】倒立実像ができる投影光学系を複数隣合せて並べた時の問題点の説明図
【図14】分布屈折率レンズアレイ
【図15】分布屈折率レンズを複数隣合せて並べた時の結像の説明図
【図16】分布屈折率レンズアレイの照射領域の不均一性
【0154】
1:分布屈折率レンズアレイ
2:照明装置
3:マスク
4:被露光基板
5:感光性材料
6:ステージ
7:照明光線
8:マスクを保持するステージ
9:被露光基板を保持するステージ
10:コンピュータ
16:分布屈折率レンズアレイ
17:分布屈折率レンズアレイ
22、23:分布屈折率レンズアレイをずらす量
31:光学フィルター
32:開口制御板
41:透過型微小シャッターアレイ
42:反射型微小シャッターアレイ
43:微小発光素子アレイ
44:パターン指定部
51、52、53:走査または間欠移動
54:移動
100、101、102、103、104、105、106:ユニット
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図16】
15