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明細書 :好中球機能検査システムおよび好中球機能検査方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4869020号 (P4869020)
公開番号 特開2008-107210 (P2008-107210A)
登録日 平成23年11月25日(2011.11.25)
発行日 平成24年2月1日(2012.2.1)
公開日 平成20年5月8日(2008.5.8)
発明の名称または考案の名称 好中球機能検査システムおよび好中球機能検査方法
国際特許分類 G01N  33/49        (2006.01)
G01N  21/76        (2006.01)
G01N  21/78        (2006.01)
FI G01N 33/49 A
G01N 21/76
G01N 21/78 C
G01N 21/78 Z
請求項の数または発明の数 8
全頁数 19
出願番号 特願2006-290557 (P2006-290557)
出願日 平成18年10月25日(2006.10.25)
審査請求日 平成21年5月13日(2009.5.13)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】596009814
【氏名又は名称】メビオール株式会社
【識別番号】899000068
【氏名又は名称】学校法人早稲田大学
【識別番号】395024506
【氏名又は名称】森 有一
発明者または考案者 【氏名】鈴木 克彦
【氏名】佐藤 裕子
【氏名】三浦 茂樹
【氏名】坂巻 秀男
【氏名】吉岡 浩
【氏名】森 有一
審査官 【審査官】草川 貴史
参考文献・文献 特開2003-043033(JP,A)
国際公開第2004/074463(WO,A1)
特開平08-047399(JP,A)
特開平10-227792(JP,A)
調査した分野 G01N 33/48-33/98
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII)
特許請求の範囲 【請求項1】
好中球を遊走させる温度において、細胞接着因子を不溶化させた状態で含有するハイドロゲルを用い;該ハイドロゲル中に侵入した好中球を、該ハイドロゲル中において、該好中球の活性酸素産生能により検出することを特徴とする好中球機能検査システム。
【請求項2】
前記好中球の活性酸素産生能を化学発光により検出することを特徴とする請求項1記載の好中球機能検査システム。
【請求項3】
前記好中球の活性酸素産生能を比色により検出することを特徴とする請求項1記載の好中球機能検査システム。
【請求項4】
前記ハイドロゲルが、低温でゾル状態、高温でゲル化する熱可逆的なゾル-ゲル転移現象を示し、且つゾル-ゲル転移温度より高い温度で該ゲルは実質的に水不溶性である請求項1~3のいずれかに記載の好中球機能検査システム。
【請求項5】
前記ハイドロゲルが、好中球走化因子を含有することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の好中球機能検査システム。
【請求項6】
前記請求項1~5の好中球機能検査システムを使用し、検出される活性酸素産生能として化学発光量あるいは吸光度を指標とする好中球機能検査方法。
【請求項7】
前記請求項4に記載の好中球機能検査システムを使用し、該ゾル-ゲル転移温度より高い温度でハイドロゲル中に侵入した好中球の活性酸素産生能を測定した後、該ゾル-ゲル転移温度より低い温度でハイドロゲルを溶解してハイドロゲル中に侵入した細胞数を測定することを特徴とする好中球機能検査方法。
【請求項8】
前記細胞数の測定をATP活性測定により行うことを特徴とする請求項7に記載の好中球機能検査方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、動物やヒトの好中球における遊走能および活性酸素産生能などの細胞機能を検査するシステムに関する。
【0002】
本発明の好中球機能検査システムは好中球機能の亢進や低下を定量的に検出するものであり、動物やヒトの病気などの診断、予防に有用である。
【0003】
また、各種の薬剤が好中球機能に及ぼす影響をスクリーニングすることにも利用できる。
【背景技術】
【0004】
動物やヒトの白血球は、生体の感染防御において重要な役割を担っている。白血球の中でも好中球は最も数が多く、生体内に細菌などの異物が侵入すると血液中に存在する好中球が異物に向かって血管外へ遊走し、活性酸素を放出して細菌を殺菌する。従って好中球の遊走能や活性酸素産生能が低下すると感染症などの病態に陥る危険性が高くなる。
【0005】
また、ある種の抗菌薬によって好中球の遊走能や活性酸素産生能が阻害されたり、促進されたりすることも知られている(例えば、倉辻忠俊、感染症学雑誌、52,358-363(1978);非特許文献1、赤松浩彦、炎症、14,59-60(1994);非特許文献2を参照)。
【0006】
さらに最近では、動脈の異常部位に遊走した好中球が産生する活性酸素が動脈硬化の要因であることも指摘されている。
【0007】
このように好中球機能の評価が重要であることが知られているにもかかわらず、一般には好中球数の検査のみが行われ、好中球の遊走能や活性酸素産生能の検査は行われていない。これは、好中球の遊走能や活性酸素産生能の評価が容易に実施できないことに起因している。
【0008】
細胞遊走能の評価装置としては、細胞懸濁液と走化因子溶液との間に微孔性の膜を設置し、膜を通過して走化因子側に移動する細胞数を測定するボイデン・チャンバー方式、微孔性膜のかわりに基板上に多数形成した微小流路を用いるアレイ方式などがある。しかし、これらの方法では非常に手間のかかる作業を必要とし、一般に普及するには限界があった。
【0009】
一方、好中球の活性酸素産生能の検査は、フローサイトメーターを用いて測定する方法があるが、装置が大型で検査費用も高額にならざるを得なかった。フローサイトメーターのような特殊な機械を使用せずに好中球の活性酸素産生能を測定するには、血液から好中球のみを分離する必要があり、密度勾配遠心法などの手間のかかる作業を必要とした。さらにこの全血から好中球を分離する作業の間に好中球の活性が低下し、正常な好中球の活性酸素産生能を測定することが困難であった。

【非特許文献1】倉辻忠俊、感染症学雑誌、52,358-363(1978)
【非特許文献2】赤松浩彦、炎症、14,59-60(1994)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、上記した従来の好中球機能検査システムの問題点を解消した好中球機能検査システムを提供することにある。すなわち、全血から好中球を予め分離することを必要とせず、簡便な操作で好中球の遊走能と活性酸素産生能を同時に検査することのできる好中球機能検査システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは鋭意研究の結果、好中球が選択的に吸着あるいは侵入するハイドロゲルを用い;該ハイドロゲル中に侵入した好中球を、該ハイドロゲル中において、該好中球の活性酸素産生能により検出することが上記課題の解決に有効であることを見出し、本発明を完成した。
【0012】
本発明者らは、全血を特定のハイドロゲルと接触させると、好中球のみが選択的に該ハイドロゲル中に侵入し、活性酸素を産生することを見出した。この時、活性酸素に反応して発光あるいは吸光する試薬を共存させると、ハイドロゲルからの発光量あるいは吸光量が好中球の活性酸素産生能に対応することを見出し、本発明を完成した。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、特定のハイドロゲルを用いることにより好中球を予め全血から分離することなく、補体等を含む血漿成分が共存する生理的な環境下で、好中球の遊走能を評価することができる。
【0014】
さらに本発明によれば、ハイドロゲル中に遊走した好中球により産生される活性酸素を定量するので、好中球の活性酸素産生能も同時に評価することができる。
【0015】
さらに本発明によれば、活性酸素産生能を化学発光量の測定により行うことができ、発光量を連続的に測定することにより好中球の活性酸素産生能の経時変化を観測することができる。
【0016】
本発明の好中球機能検査システムでは、従来測定が困難であった生理的条件下での好中球の遊走能と活性酸素産生能を同時に、且つ簡便に検査することが可能となる。従って、好中球機能に関連した様々な病態の診断、予防、治療薬の開発などに極めて有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(化学発光による活性酸素検出)
好中球は、スーパーオキシド(O2-)、過酸化水素(H2O2)、次亜塩素酸(HOCl/OCl-)などの種々の活性酸素分子種を産生する。従って、これらの活性酸素分子種と化学的に反応して発光する試薬を共存させることにより、好中球の活性酸素産生能を発光量によって定量することができる。
【0018】
本発明で用いられる活性酸素分子種と化学的に反応して発光する試薬としては、ルミノール (luminol) やルシゲニン
(lucigenin) などの発光試薬、ヒドロキシフェニルフルオレセイン
(hydroxyphenylfluorescein) やアミノフェニルフルオレセイン
(aminophenylfluorescein)などの蛍光試薬を例示することができる。
【0019】
特に好中球は、細胞質の顆粒内にミエロペルオキシダーゼ(myeloperoxidase:MPO)という酵素を含有しており、他の白血球とは異なる活性酸素種の代謝を行う細胞である。すなわち、このMPOは好中球に特異的に存在する酵素であり、過酸化水素と塩素イオンを基質として次亜塩素酸を生成する。
【0020】
ここで、化学発光の増感剤であるルミノール(luminol)は、主にこのMPOを介して生成される次亜塩素酸を検出する。(ア)MPOは好中球のみに存在するため好中球に特異的な反応をモニターでき、(イ)好中球が活性化されMPOが脱顆粒されなければ反応は起こらず、さらに(ウ)殺菌や組織傷害に直接関わる強力な活性酸素種(次亜塩素酸)を検出するので病理学的意義づけに有用であり、(エ)発光はバックグランドノイズが小さく、他の化学発光物質に比べ検出力が強く(S/N比に優れ)、(オ)試薬としても安定に保存できるという点で、ほかの化学発光物質にはない優れた特長を有している。
【0021】
しかし、全血を検査試料とする場合には、共存する赤血球のヘモグロビン色素によるquenching作用で化学発光が減弱したり、血漿に含まれる抗酸化物質が活性酸素種を消去してしまう等の問題があり、検出に支障があった。本発明の好中球機能検査システムでは、好中球が選択的に侵入するハイドロゲルを用い、以上の測定阻害因子の影響を抑えながら、ハイドロゲル中に侵入した好中球のみを、その活性酸素産生により検出することが可能となった。逆にハイドロゲル中に侵入していない好中球は、活性酸素種を産生したとしても周囲を取り囲む圧倒的多数の赤血球により発光を阻害されることから、結果として透明なハイドロゲルに浸潤した好中球のみの反応を検出することとなる。
【0022】
ハイドロゲルを膨潤させるMedium(細胞培養液)としては、白血球関連の実験でよく使われるHanks' Balanced Salt Solution (HBSS)や細胞培養に使用されるRPMI、DMEMなどを用いることができる。発光の検出感度を高める観点からは、フェノールレッド等の色素を含まないものが好ましく用いられる。
【0023】
発光試薬は予め、後述する本発明のハイドロゲル中に含有させておいても良いし、全血と混和してハイドロゲル上の溶液中に共存させても良い。ルミノールに関しては、まず全血と混和してハイドロゲル中に遊走させるように条件設定したところ、あらかじめゲル中に拡散させるよりも好中球のルミノール依存性化学発光の検出力は良好であったが、これは好中球が当初からルミノールにさらされることで、検出力を高めているものと考えられる。
【0024】
このように、本発明の好中球機能検査システムを用いれば、全血を使用して好中球の遊走能と活性酸素産生能を同時に、しかも短時間で簡便に評価することができ、既存の測定方法と比較しても生体内に近い好中球の活性動態を反映する測定法であるため、有用な新規炎症マーカーとなると考えられる。
【0025】
尚、好中球の産生する活性酸素の化学発光による検出については下記の文献を参照することができる。
<nplcit num="3"><text>Hasegawa, H., Suzuki, K.,Nakaji, S., and Sugawara, K: Analysis and assessment of the capacity ofneutrophils to produce reactive oxygen species in a 96-well microplate formatusing lucigenin- and luminol-dependent chemiluminescence. Journal of Immunological Methods 210:1-10, 1997.</text></nplcit>
【0026】
(比色による活性酸素検出)
化学発光による活性酸素の検出には、ルミノメーター等の測定機器を必要とし、測定費用がかかるため一般の医療機関に容易に普及できないという問題がある。酸化還元試薬であるnitroblue tetrazolium(NBT)による呈色反応を応用すれば、特殊な測定装置がなくても、好中球機能を簡易モニターできる利点がある。
【0027】
従来この呈色反応は、組織化学的NBT還元法として好中球の活性酸素産生能の顕微鏡的検査に用いられ、活性酸素産生能の欠如した慢性肉芽腫症の診断や活性酸素産生能の亢進した重症感染症等の炎症のモニターに用いられ、微量血しか採取できない小児でも検査できるように、ヘマトクリット用毛細管を用いた微量血検査法が考案されていた。しかし手技が煩雑で、顕微鏡で細胞を観察するのに時間がかかり、判定が験者の主観によるため定量性に問題があり、臨床検査としても使われなくなってきていた。
【0028】
本発明の好中球機能検査システムでは、好中球が選択的に侵入するハイドロゲルを用いることによって、透明なゲル中に浸潤した好中球が活性酸素を生成すると、NBTを還元して黒色を呈色し肉眼的にも判別できるため、半定量化することが可能となった。
【0029】
NBTに関しても、予め、後述する本発明のハイドロゲル中に含有させておいても良いし、全血と混和してハイドロゲル上の溶液中に共存させても良い。
【0030】
NBTには抗トロンビン作用があり血液凝固を阻止できるため、まず全血と混和した後でゲル中に遊走させるようにすると、ヘパリン等の抗凝固剤を用いることなく、全血を本発明の検査に使用できるという利点がある。
【0031】
このように、本発明の好中球機能検査システムを用いれば、全血をそのまま使用して好中球の遊走能と活性酸素産生能を同時に、しかも短時間で簡便に評価することができる。
【0032】
今後、G-CSF療法等を在宅で進めるためには、簡易に微量血で特殊機器も必要とせず、好中球機能を評価して薬物投与の是非を判定する必要があり、この呈色反応を検出系として用いる本発明は、有用な検査指標となるものと考えられる。
【0033】
尚、好中球の産生する活性酸素の比色による検出については下記の文献を参照することができる。
<nplcit num="4"><text>鈴木克彦ほか、NBT還元試験による食細胞活性酸素産生能の分析・評価法およびその応用性、体力・栄養免疫学雑誌、3、31-39、 1993。</text></nplcit>
【0034】
(ハイドロゲル)
本発明で使用されるハイドロゲルは、37℃においてゲル状態を維持し、好中球が選択的に吸着あるいは侵入するハイドロゲルであれば特に制限なく用いることができる。好中球の遊走能を評価するためには単なる吸着ではなく、ハイドロゲル中に好中球が侵入し得るものであることが好ましい。好中球以外の血球成分がハイドロゲル中に侵入すると、好中球の産生する活性酸素を検出することが困難となる。また、好中球以外の血球成分が侵入し得るハイドロゲルでは、好中球も遊走能によらず該ハイドロゲル中に侵入し得るため、好中球の遊走能を評価することができなくなる。
【0035】
本発明において好適なハイドロゲルは以下の方法によりスクリーニングすることができる。
【0036】
材料および機器:
2mLクライオチューブ(AXY社製、商品コード:MCT-200-L-C)
ハンクス平衡塩液(HBSS、インビトロジェン社製、カタログNo. 1425-076)
ルミノール試薬;ルミノール(シグマ社製、カタログNo.
A-8511)17.72mgを1NのNaOH10mLに溶解し、1Nの塩酸でpHを8.5に調整した後、0.34gのNaClを加えて蒸留水で全量を40mLにする。この原液をHBSSで5倍に希釈し、0.2NのNaOHまたは塩酸でpHを7.4に調整する(ルミノール濃度0.5mM)。
ヘパリン加末梢血液
ルミノメーター;(ジーンライト GL55、マイクロテック・ニチオン社製)
【0037】
方法:
2mLクライオチューブの底にHBSSを溶媒とするハイドロゲル0.05mLを隙間なく形成させる。ルミノール試薬0.075mLとヘパリン加末梢血液0.075mLを混合し、該ハイドロゲル上に乗せる。37℃で60分間静置し、ルミノメーターに該クライオチューブを入れ、発光量を測定する。
【0038】
本発明で使用されるハイドロゲルは、上記の操作で得られる発光量(RLU)が50以上、好ましくは100以上、より好ましくは500以上である。上記発光量が50を下回る場合は、該ハイドロゲル中に好中球が遊走侵入していないか、他の血球成分が該ハイドロゲル中に同時に侵入したために好中球の活性酸素によるルミノール依存性化学発光が検出できないものと考えられるので、本発明で使用されるハイドロゲルとしては好ましくない。
【0039】
ハイドロゲルの素材としては、天然の高分子材料や合成の高分子材料を適宜選択して用いることができる。
【0040】
天然の高分子材料としては、コラーゲン、ゼラチンなどの蛋白質、ヒアルロン酸、アルギン酸などの酸性多糖類やその塩、寒天、アガロース、セルロースなどの中性多糖類やその誘導体(低融点アガロースやメチルセルロースなど)、キチン、キトサンなどの塩基性多糖類を挙げることができる。
【0041】
合成の高分子材料としては、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコ-ル、ポリN-ビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリアクリルアミド、ポリメタアクリルアミド、ポリN-メチルアクリルアミド、ポリヒドロキシメチルアクリレ-ト、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸およびそれらの塩、ポリN,N-ジメチルアミノエチルメタクリレ-ト、ポリN,N-ジエチルアミノエチルメタクリレ-ト、ポリN,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミドおよびそれらの塩等が挙げられる。
【0042】
本発明で使用されるハイドロゲルとして、低温でゾル状態、高温でゲル化する熱可逆的なゾル-ゲル転移現象を示し、且つゾル-ゲル転移温度より高い温度で該ゲルは実質的に水不溶性である熱可逆ハイドロゲルを好ましく用いることができる。上述したような熱可逆的なゾル-ゲル転移を示す(すなわち、ゾル-ゲル転移温度を有する)限り、本発明に使用可能な熱可逆ハイドロゲル形成性の高分子は特に制限されない。
【0043】
その水溶液がゾル-ゲル転移温度を有し、該転移温度より低い温度で可逆的にゾル状態を示す高分子の具体例としては、例えば、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドとのブロック共重合体等に代表されるポリアルキレンオキサイドブロック共重合体;メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のエーテル化セルロース;キトサン誘導体(K.R.Holme.et al. Macromolecules、24,3828(1991))等が知られている。
【0044】
ポリアルキレンオキサイドブロック共重合体として、ポリプロピレンオキサイドの両端にポリエチレンオキサイドが結合したプルロニック(Pluronic)F-127(商品名、BASF Wyandotte
Chemicals Co. 製)ゲルが開発されている。このプルロニックF-127の高濃度水溶液は、約20℃以上でハイドロゲルとなり、これより低い温度で水溶液となることが知られている。しかしながら、この材料の場合は約20質量%以上の高濃度でしかゲル状態にはならず、また約20質量%以上の高濃度でゲル化温度より高い温度に保持しても、さらに水を加えるとゲルが溶解してしまう。また、プルロニックF-127は分子量が比較的小さく、約20質量%以上の高濃度のゲル状態で非常に高い浸透圧を示すのみならず細胞膜を容易に透過するので、好中球に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0045】
これに対して、本発明者らの検討によれば、好ましくは0℃より高く42℃以下であるゾル-ゲル転移温度を有する熱可逆ハイドロゲル形成性の高分子(例えば、曇点を有する複数のブロックと親水性のブロックが結合してなり、その水溶液がゾル-ゲル転移温度を有し、且つゾル-ゲル転移温度より低い温度で可逆的にゾル状態を示す高分子)を用いて好中球機能検査システムを構成した場合に、上記問題は解決されることが判明している。
【0046】
(好適なハイドロゲル形成性の高分子)
本発明で好適に使用可能な疎水結合を利用した熱可逆ハイドロゲル形成性の高分子は、曇点を有する複数のブロックと親水性のブロックが結合してなることが好ましい。該親水性のブロックは、ゾル-ゲル転移温度より低い温度で該ハイドロゲルが水溶性になるために存在することが好ましく、また曇点を有する複数のブロックは、ハイドロゲルがゾル-ゲル転移温度より高い温度でゲル状態に変化するために存在することが好ましい。換言すれば、曇点を有するブロックは該曇点より低い温度では水に溶解し、該曇点より高い温度では水に不溶性に変化するために、曇点より高い温度で、該ブロックはゲルを形成するための疎水結合からなる架橋点としての役割を果たす。
【0047】
すなわち、疎水性結合に由来する曇点が、上記ハイドロゲルのゾル-ゲル転移温度に対応する。ただし、該曇点とゾル-ゲル転移温度とは必ずしも一致しなくてもよい。これは、上記した「曇点を有するブロック」の曇点は、一般に、該ブロックと親水性ブロックとの結合によって影響を受けるためである。
【0048】
本発明に用いる熱可逆ハイドロゲルは、疎水性結合が温度の上昇と共に強くなるのみならず、その変化が温度に対して可逆的であるという性質を利用したものである。1分子内に複数個の架橋点が形成され、安定性に優れたゲルが形成される点からは、熱可逆ハイドロゲル形成性の高分子が「曇点を有するブロック」を複数個有することが好ましい。一方、上記ハイドロゲル形成性の高分子中の親水性ブロックは、前述したように、該ハイドロゲル形成性の高分子がゾル-ゲル転移温度よりも低い温度で水溶性に変化させる機能を有し、上記転移温度より高い温度で疎水性結合力が増大しすぎて上記ハイドロゲルが凝集沈澱してしまうことを防止しつつ、含水ゲルの状態を形成させる機能を有する。
【0049】
生理的温度(0~42℃程度)において好適なゾル-ゲル変化を示すことが容易な点からは、例えば、該熱可逆ハイドロゲル形成性の高分子中の曇点を有する複数のブロックと親水性のブロックの曇点、両ブロックの組成および両ブロックの疎水性度、親水性度、および/又は分子量等をそれぞれ調整することによって達成することが好ましい。
【0050】
(曇点を有する複数のブロック)
曇点を有するブロックとしては、水に対する溶解度-温度係数が負を示す高分子のブロックであることが好ましく、より具体的には、ポリプロピレンオキサイド、プロピレンオキサイドと他のアルキレンオキサイドとの共重合体、ポリN-置換アクリルアミド誘導体、ポリN-置換メタアクリルアミド誘導体、N-置換アクリルアミド誘導体とN-置換メタアクリルアミド誘導体との共重合体、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルアルコール部分酢化物からなる群より選ばれる高分子が好ましく使用可能である。上記の高分子(曇点を有するブロック)の曇点が4℃より高く40℃以下であることが、本発明に用いる熱可逆ハイドロゲル形成性高分子(曇点を有する複数のブロックと親水性のブロックが結合した化合物)のゾル-ゲル転移温度を4℃より高く40℃以下とする点から好ましい。ここで曇点の測定は、例えば、上記の高分子(曇点を有するブロック)の約1質量%の水溶液を冷却して透明な均一溶液とした後、除々に昇温(昇温速度約1℃/min)して、該溶液がはじめて白濁する点を曇点とすることによって行うことが可能である。
【0051】
本発明に使用可能なポリN-置換アクリルアミド誘導体、ポリN-置換メタアクリルアミド誘導体の具体的な例を以下に列挙する。ポリ-N-アクロイルピペリジン;ポリ-N-n-プロピルメタアクリルアミド;ポリ-N-イソプロピルアクリルアミド;ポリ-N,N-ジエチルアクリルアミド;ポリ-N-イソプロピルメタアクリルアミド;ポリ-N-シクロプロピルアクリルアミド;ポリ-N-アクリロイルピロリジン;ポリ-N,N-エチルメチルアクリルアミド;ポリ-N-シクロプロピルメタアクリルアミド;ポリ-N-エチルアクリルアミド。
【0052】
上記の高分子は単独重合体(ホモポリマー)であっても、上記重合体を構成する単量体と他の単量体との共重合体であってもよい。このような共重合体を構成する他の単量体としては、親水性単量体、疎水性単量体のいずれも用いることができる。一般的には、親水性単量体と共重合すると生成物の曇点は上昇し、疎水性単量体と共重合すると生成物の曇点は下降する。従って、これらの共重合すべき単量体を選択することによっても、所望の曇点(例えば4℃より高く40℃以下の曇点)を有する高分子を得ることができる。
【0053】
(親水性単量体)
上記親水性単量体としては、N-ビニルピロリドン、ビニルピリジン、アクリルアミド、メタアクリルアミド、N-メチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシメチルメタアクリレート、ヒドロキシメチルアクリレート、酸性基を有するアクリル酸、メタアクリル酸およびそれらの塩、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸等、並びに塩基性基を有するN,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N-ジエチルアミノエチルメタクリート、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミドおよびそれらの塩等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0054】
(疎水性単量体)
一方、上記疎水性単量体としては、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等のアクリレート誘導体およびメタクリレート誘導体、N-n-ブチルメタアクリルアミド等のN-置換アルキルメタアクリルアミド誘導体、塩化ビニル、アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0055】
(親水性のブロック)
一方、上記した曇点を有するブロックと結合すべき親水性のブロックとしては、具体的には、メチルセルロース、デキストラン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリN-ビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリアクリルアミド、ポリメタアクリルアミド、ポリN-メチルアクリルアミド、ポリヒドロキシメチルアクリレート、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸およびそれらの塩;ポリN,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリN,N-ジエチルアミノエチルメタクリレート、ポリN,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミドおよびそれらの塩等が挙げられる。
【0056】
曇点を有するブロックと上記の親水性のブロックとを結合する方法は特に制限されないが、例えば、上記いずれかのブロック中に重合性官能基(例えばアクリロイル基)を導入し、他方のブロックを与える単量体を共重合させることによって行うことができる。また、曇点を有するブロックと上記の親水性のブロックとの結合物は、曇点を有するブロックを与える単量体と、親水性のブロックを与える単量体とのブロック共重合によって得ることも可能である。
【0057】
また、曇点を有するブロックと親水性のブロックとの結合は、予め両者に反応活性な官能基(例えば水酸基、アミノ基、カルボキシル基、イソシアネート基等)を導入し、両者を化学反応により結合させることによって行うこともできる。この際、親水性のブロック中には通常、反応活性な官能基を複数導入する。
【0058】
また、曇点を有するポリプロピレンオキサイドと親水性のブロックとの結合は、例えば、アニオン重合またはカチオン重合で、プロピレンオキサイドと「他の親水性ブロック」を構成するモノマー(例えばエチレンオキサイド)とを繰り返し逐次重合させることで、ポリプロピレンオキサイドと「親水性ブロック」(例えばポリエチレンオキサイド)が結合したブロック共重合体を得ることができる。このようなブロック共重合体は、ポリプロピレンオキサイドの末端に重合性基(例えばアクリロイル基)を導入後、親水性のブロックを構成するモノマーを共重合させることによっても得ることができる。
【0059】
更には、親水性のブロック中に、ポリプロピレンオキサイド末端の官能基(例えば水酸基)と結合反応し得る官能基を導入し、両者を反応させることによっても、本発明に用いる高分子を得ることができる。
【0060】
また、ポリプロピレングリコールの両端にポリエチレングリコールが結合した、プルロニック F-127(商品名、旭電化工業(株)製)等の材料を連結させることによっても、本発明に用いるハイドロゲル形成性の高分子を得ることができる。
【0061】
この曇点を有するブロックを含む態様における本発明の高分子は、曇点より低い温度においては、分子内に存在する上記「曇点を有するブロック」が親水性のブロックとともに水溶性であるので、完全に水に溶解し、ゾル状態を示す。しかし、この高分子の水溶液の温度を上記曇点より高い温度に加温すると、分子内に存在する「曇点を有するブロック」が疎水性となり、疎水的相互作用によって、別個の分子間で会合する。一方、親水性のブロックは、この時(曇点より高い温度に加温された際)でも水溶性であるので、本発明の高分子は水中において、曇点を有するブロック間の疎水性会合部を架橋点とした三次元網目構造を持つハイドロゲルを生成する。
【0062】
このハイドロゲルの温度を再び、分子内に存在する「曇点を有するブロック」の曇点より低い温度に冷却すると、該曇点を有するブロックが水溶性となり、疎水性会合による架橋点が解放され、ハイドロゲル構造が消失して、本発明の高分子は、再び完全な水溶液となる。このように、好適な態様における本発明の高分子のゾル-ゲル転移は、分子内に存在する曇点を有するブロックの該曇点における可逆的な親水性、疎水性の変化に基づくものであるので、温度変化に対応して、完全な可逆性を有する。
【0063】
(ゲルの溶解性)
上述したように水溶液中でゾル-ゲル転移温度を有する高分子を少なくとも含む本発明のハイドロゲル形成性の高分子は、該ゾル-ゲル転移温度より高い温度(d℃)で実質的に水不溶性を示し、ゾル-ゲル転移温度より低い温度(e℃)で可逆的に水可溶性を示す。上記した高い温度(d℃)は、ゾル-ゲル転移温度より1℃以上高い温度であることが好ましく、2℃以上(特に5℃以上)高い温度であることが更に好ましい。
【0064】
また、上記「実質的に水不溶性」とは、上記温度(d℃)において、水100mLに溶解する上記高分子の量が、5.0g以下(更には0.5g以下、特に0.1g以下)であることが好ましい。一方、上記した低い温度(e℃)は、ゾル-ゲル転移温度より(絶対値で)1℃以上低い温度であることが好ましく、2℃以上(特に5℃以上)低い温度であることが更に好ましい。また、上記「水可溶性」とは、上記温度(e℃)において、水100mLに溶解する上記高分子の量が、0.5g以上(更には1.0g以上)であることが好ましい。
【0065】
更に「可逆的に水可溶性を示す」とは、上記熱可逆ハイドロゲル形成性の高分子の水溶液が、一旦(ゾル-ゲル転移温度より高い温度において)ゲル化された後においても、ゾル-ゲル転移温度より低い温度においては、上記した水可溶性を示すことをいう。
【0066】
本発明に使用可能な「熱可逆ハイドロゲル形成性の高分子」は、その水溶液または水分散液が0℃以上、42℃以下の温度領域中のある特定の温度より高い温度でハイドロゲルとなり、且つ、該温度より低い温度ではゾルないし液状となる特性を有する。
【0067】
(ゾル-ゲル転移温度)
本発明において、試料のゾル-ゲル転移温度の測定は、文献(H. Yoshioka ら、Journal of
Macromolecular Science, A31(1), 113 (1994))に記載された方法に従う。
【0068】
即ち、観測周波数1Hzにおける試料の動的弾性率を徐々に温度を変化(低温側から高温側へ、または高温側から低温側へ1℃/1分)させて測定し、該試料の貯蔵弾性率(G’、弾性項)と損失弾性率(G”、粘性項)が交差する点の温度をゾル-ゲル転移温度温度とする。一般に、G”>G’の状態がゾル、G”<G’の状態がゲルと定義される。昇温時と降温時でゾル-ゲル転移温度が(例えば、絶対値で2℃以上)異なる場合には、その中間の温度をゾル-ゲル転移温度とする。このゾル-ゲル転移温度の測定に際しては、下記の測定条件が好適に使用可能である。
【0069】
<動的弾性率の測定条件>
測定機器:商品名=ストレス制御式レオメ-タ-AR500、TAインスツルメンツ社製、試料溶液(ないし分散液)の濃度(ただし「熱可逆ハイドロゲル形成性組成物」の濃度として):10(重量)%、試料溶液の量:約0.8
g測定用セルの形状・寸法:アクリル製平行円盤(直径4.0cm)、ギャップ600μm。適用ストレス:線形領域内。観測周波数:1Hz。
【0070】
本発明で好ましく用いられるハイドロゲルは、上記の動的粘弾性測定で得られるゾル-ゲル転移温度が0℃以上42℃以下の範囲である。
【0071】
また、本発明で好ましく用いられるハイドロゲルは、上記の動的粘弾性測定で得られる37℃における貯蔵弾性率(G’)が10Pa以上1000Pa以下、より好ましくは50Pa以上500Pa以下、さらに好ましくは100Pa以上200Pa以下の範囲である。G’がこの範囲を下回ると好中球を遊走させる温度(37℃)においてハイドロゲルの強度が低く、好中球以外の細胞も該ハイドロゲル中に侵入し易くなるので好ましくない。一方、この範囲を上回るとハイドロゲルの強度が高過ぎて好中球の該ハイドロゲル中への侵入が困難となるので好ましくない。
【0072】
ハイドロゲルの強度(G’)を上記の好ましい範囲に調整するには、ハイドロゲル形成性高分子の濃度を調整することにより行う。ハイドロゲル形成性高分子の好ましい濃度範囲はハイドロゲル形成性高分子の種類によって異なるが、通常は0.2質量%以上20質量%以下、好ましくは1質量%以上12質量%以下、より好ましくは5質量%以上10質量%以下の範囲である。
【0073】
(細胞接着因子)
さらに本発明者らは、本発明のハイドロゲルに細胞接着因子を含有させることが好中球のゲル中における遊走を促進する効果のあることを見出した。この細胞接着因子としては、コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニン、ビトロネクチン、トロンボスポンジン、テネイシン、オステオネクチンなどの細胞外マトリックス分子を使用することができる。
【0074】
また、細胞接着因子としてゼラチンを用いることも有用であるが、ゼラチンの水溶液は低温でゲル化する性質があり、本発明のハイドロゲルとして高温でゲル化する熱可逆ハイドロゲルを用いる場合、熱可逆ハイドロゲル形成性高分子の水溶液または水分散液が低温で流動性のある水溶液状態となることの妨げとなる場合がある。この場合、コラーゲンやゼラチンを酵素等により分解した低分子量のコラーゲンペプチドあるいは水溶性ゼラチンを用いることが好ましい。コラーゲンやゼラチンの分子量が大きいと低温でゲル化する傾向が強くなるため、本発明で用いるコラーゲンやゼラチンの分子量は3万以下、好ましくは1万以下、より好ましくは5000以下である。
【0075】
本発明で使用する細胞接着因子として合成ペプチドを使用することもできる。すなわち、コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニン、ビトロネクチン、トロンボスポンジン、テネイシン、オステオネクチンなどの細胞外マトリックス分子が細胞接着関連の基本構造として分子内に有するアミノ酸配列を合成、再構成したものである。
【0076】
具体的にはRGD(Arg-Gly-Asp、アルギニン-グリシン-アスパラギン酸)やRGDS(Arg-Gly-Asp-Ser、アルギニン-グリシン-アスパラギン酸-セリン)、YIGSR、PDGSR、RYVVLPR、RNAEIIKDA、REDV、LRGDN、LRE、IKVAV、EILDV、IDAPSなどが知られている。
【0077】
上記細胞接着因子を前記ハイドロゲル中に含有させる方法としては、ハイドロゲルを形成する高分子水溶液中に上記細胞接着因子を混合してそのままゲル化させることができる。また、ハイドロゲルを形成する高分子に上記細胞接着因子を直接結合させることも可能である。
【0078】
上記細胞接着因子が水溶性の場合、ハイドロゲル中に混合しただけでは細胞接着因子として機能しない場合がある。そこでさらに別の方法として、上記細胞接着因子を、曇点を有する高分子化合物に結合させ、好中球を遊走させる温度で細胞接着因子を不溶化、相分離させることができる。ここで用いる曇点を有する高分子化合物は、前述の熱可逆ハイドロゲル形成性高分子中の曇点を有するブロックと同様のものを用いることができる。
【0079】
曇点を有する高分子化合物と細胞接着因子との結合は、予め両者に反応活性な官能基(例えば水酸基、アミノ基、カルボキシル基、イソシアネート基等)を導入し、両者を化学反応により結合させることによって行うことができる。あるいは、細胞接着因子に重合可能な官能基を導入し、該重合性細胞接着因子と曇点を有する高分子化合物を与える単量体とを共重合させることによっても、曇点を有する高分子化合物と細胞接着因子との結合を行うことができる。
【0080】
(好中球走化因子)
さらに本発明者らは、本発明のハイドロゲルに好中球走化因子を含有させることが好中球のゲル中における遊走を促進する効果のあることを見出した。好中球走化因子としては、補体由来因子であるC3a、C5a、N-ホルミル-Met-Leu-Phe(fMLP)、Interleukin 8などを例示することができる。好中球走化因子を本発明のハイドロゲル中に含有させる方法としては、ハイドロゲルを形成する高分子水溶液中に上記細胞接着因子を混合してそのままゲル化させることができる。また、ハイドロゲルを形成する高分子に上記細胞接着因子を直接結合させることも可能である。
【0081】
(好中球を遊走させる態様)
本発明の好中球機能検査システムにおいて、本発明のハイドロゲルを収容する容器としては、発光、蛍光、比色による好中球の検出が直接行えるよう透明な容器であることが好ましい。発光、蛍光、比色による好中球の検出に支障が無ければ、完全に透明である必要はなく、白濁している容器であっても差し支えない。好ましく用いられる容器としては、クライオチューブ、マルチウェルプレートなどのプラスチック容器や試験管などの硝子容器を例示することができる。
【0082】
本発明の好中球機能検査システムにおいて好中球を遊走させる態様としては、上記した容器底面に本発明のハイドロゲルを敷き詰め、その上に全血を乗せ静置する。ハイドロゲルの厚みは100μm~5mm、好ましくは300μm~3mm、より好ましくは500μm~2mmの範囲である。好中球を遊走させる温度は、20℃~40℃、好ましくは35~38℃の範囲である。検出試薬は前述のように、ハイドロゲル中に溶解させておいても良いし、全血中に共存させておいても良く、ゲル中および全血中の両方に共存していても良い。
【0083】
全血あるいは全血と検出試薬の混合物をハイドロゲル上に乗せ静置すると、全血中の血球成分がハイドロゲル上面に沈降し、遊走性を持った好中球のみがハイドロゲル中に遊走、侵入する。ハイドロゲル中に侵入した好中球が活性酸素を産生することにより、活性酸素の検出試薬(発光試薬、蛍光試薬、呈色試薬など)が反応して、発色あるいは呈色する。
【0084】
発光あるいは蛍光を検出する場合、ハイドロゲル底面から光を捕捉する態様が好ましく用いられる。すなわち、クライオチューブ、マルチウェルプレートなどのハイドロゲルを収容した容器の下部に光電子倍増管、フォトダイオードなどの光センサを置き、受光面がハイドロゲル底面に近い位置で平行となる配置が好ましい(図1)。
【0085】
好中球を遊走させる時間は10分~90分の範囲が適当である。通常は、遊走時間が長くなるほどハイドロゲル中に遊走する好中球数が増加する。しかしながら、遊走時間が長くなり過ぎると好中球の活性が低下し、活性酸素産生量も低下する傾向がある。本発明によれば、活性酸素産生量と相関する発光や呈色を連続的に測定することで、この過程を経時的に観測することも可能である。
【0086】
(遊走細胞数の測定)
本発明の好中球機能検査システムにおいて、好中球が選択的に吸着あるいは侵入するハイドロゲルとして前記の熱可逆ハイドロゲルを用いる場合には、そのゾル-ゲル転移温度以上の温度で好中球をゲル中へ遊走させた後、そのゾル-ゲル転移温度以上の温度でゲル外の成分(赤血球、血小板、遊走しなかった白血球など)を洗い流し、残ったゲルをそのゾル-ゲル転移温度以下の温度で溶解することにより、ゲル中に遊走した好中球を回収することができる。
【0087】
上記により回収した好中球数を測定することにより、ゲル中へ遊走した好中球数を知ることができるので、好中球の活性酸素産生能と遊走能を独立に評価することが可能である。ここで、好中球数の測定は自動血球計測機等を用いて全血中の白血球数あるいは好中球数と同様に行うことができる。あるいは好中球数と相関する細胞活性を好中球数の指標にすることもできる。
【0088】
好中球数と相関する細胞活性の測定法は適宜、従来公知の様々な手法を採用することができる。例えば、MTTアッセイに代表される吸光度測定や、アラマーブルーによる蛍光強度測定法、ATP活性に基づく発光強度測定法などが利用できる。特にルシフェリン/ルシフェラーゼ反応を利用したATP測定法は、ルミノール反応による活性酸素測定と同様に発光強度を測定するものであり、操作の簡便性、感度、測定ダイナミックレンジの広さなどの点で有利であり、好中球数の指標として好ましく用いられる。
【0089】
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
【実施例】
【0090】
実施例1 (熱可逆ハイドロゲル形成性高分子の合成)
N-イソプロピルアクリルアミド((株)興人)602g及びn-ブチルメタクリレ-ト(和光純薬)37.1gをエタノ-ル9470gに溶解し、ポリエチレングリコ-ルジメタクリレ-ト(PDE-6000、日本油脂(株))192.9gを蒸留水1093gに溶解した水溶液および蒸留水5466gを加え、窒素気流下70℃で10質量%過硫酸アンモニウム(APS)水溶液68mL及びN,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン(TEMED)6.8mLを加え、窒素気流下70℃に保持したまま30分間反応させた。窒素気流下70℃に保持したまま上記APS水溶液68mLとTEMED6.8mLを加える操作を30ごとに4回繰り返した。
【0091】
反応液を4℃の蒸留水30Lで希釈し、該水溶液を4℃で分画分子量10万の限外濾過膜(バイオマックス100、P2B100V20、ミリポア社製)を用いて10Lまで濃縮した。濃縮液に蒸留水35Lを加えて希釈、再度4℃で10Lまで限外濾過濃縮を行った。この希釈、濃縮操作を更に8回(合計9回)繰り返し、未反応物及び低分子量物を除去した。
【0092】
得られた最終濃縮液を凍結乾燥して、熱可逆ハイドロゲル形成性高分子496gを得た。得られたハイドロゲル形成性高分子1.0gに蒸留水を加えて全体を10gとし、冷却下(4℃)で溶解して濃度10質量%の均一水溶液とした。この水溶液を加温すると体温でハイドロゲルとなり、動的粘弾性の測定によりゾル-ゲル転移温度を求めると、昇温時および降温時ともに20℃であった。該水溶液は0℃以上15℃より低い温度では常に液状であって、ゲル化することはなかった。
【0093】
実施例2 (曇点を有する高分子化合物と細胞接着因子との結合)
酸処理豚皮由来コラーゲン酵素分解物(コラーゲンペプチドSCP-5100,分子量5,000、新田ゼラチン(株)製)24gを蒸留水96gに37℃で溶解し、N-アクリロイルスクシンイミド(国産化学(株))3.26gを加えて37℃で4日間反応させることにより、コラーゲンペプチドに重合性基を導入してなる重合性コラーゲンペプチドの水溶液を得た。
【0094】
N-イソプロピルアクリルアミド((株)興人)108.5g及びn-ブチルメタクリレ-ト(和光純薬)4.26gをエタノ-ル600gに溶解し、上記の重合性コラーゲンペプチドの水溶液123.3gおよび蒸留水400gを加え、窒素気流下37℃で10質量%過硫酸アンモニウム(APS)水溶液10mL及びN,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン(TEMED)1mLを加え、窒素気流下37℃に保持したまま5時間反応させた。
【0095】
反応液を4℃の蒸留水30Lで希釈し、該水溶液を4℃で分画分子量10万の限外濾過膜(バイオマックス100、P2B100V20、ミリポア社製)を用いて3Lまで濃縮した。濃縮液に蒸留水30Lを加えて希釈、再度4℃で3Lまで限外濾過濃縮を行った。この希釈、濃縮操作を更に4回(合計5回)繰り返し、未反応物及び低分子量物を除去した。
【0096】
得られた最終濃縮液を凍結乾燥して、コラーゲンペプチドを結合した曇点を有する高分子化合物105gを得た。得られた高分子1gを生理食塩水99gに4℃で溶解して透明な1質量%水溶液を調製した。該水溶液の温度を徐々に上げて行くと20℃で白濁した。37℃まで昇温すると白濁はさらに強くなった。該白濁水溶液を4℃に冷却すると再び透明な水溶液に戻った。
【0097】
実施例3 (細胞接着因子を含有するハイドロゲル)
実施例1で得られた熱可逆ハイドロゲル形成性高分子10gと実施例2で得られたコラーゲンペプチドを結合した曇点を有する高分子化合物10gをハンクス平衡塩液(HBSS、インビトロジェン社製)313gに4℃で溶解した。ストレス制御式レオメ-タ-AR500を用いて観測周波数1Hzにおいて該溶液の動的粘弾性を測定した結果、ゾル-ゲル転移温度は17℃であり、37℃における貯蔵弾性率G’は149Paであった。
【0098】
実施例4 (化学発光試薬の調製)
ルミノール(シグマ社製、カタログNo.
A-8511)17.72mgを1NのNaOH10mLに溶解し、1Nの塩酸でpHを8.5に調整した後、0.34gのNaClを加えて蒸留水で全量を40mLにした。この原液をHBSSで5倍に希釈し、0.2NのNaOHまたは塩酸でpHを7.4に調整し、ルミノール試薬とした(ルミノール濃度0.5mM)。
【0099】
実施例5 (好中球機能検査)
実施例3で得られた高分子水溶液0.05mLを2mLクライオチューブ(AXY社製、商品コード:MCT-200-L-C)に4℃で注入し、37℃に昇温してクライオチューブ底面にハイドロゲルを一様に形成させた。37℃に加温したルミノール試薬0.075mLとヘパリン加末梢血液0.075mLを混合し、37℃で上記クライオチューブ底面のハイドロゲル上に乗せた。37℃に保温しながら、ルミノメーター(ジーンライト GL55、マイクロテック・ニチオン社製)でルミノール発光による発光量(RLU)を測定した結果(n=6の平均±SD)、0分で21±9、30分で741±46、60分で838±46、90分で2072±234であった。
【0100】
比較例1
実施例1で得られた熱可逆ハイドロゲル形成性高分子を10質量%の濃度でHBSSに4℃で溶解した高分子水溶液0.05mLを、実施例3で得られた高分子水溶液の代わりに使用して実施例5と同様の実験を行い、ルミノール発光による発光量(RLU)を測定した結果(n=6の平均±SD)、0分で6±5、30分で28±8、60分で102±48、90分で143±76であった。
【0101】
実施例6 (ゲル中に侵入した細胞数の測定)
実施例5で90分間好中球を遊走させた後、クライオチューブ底面のハイドロゲル上にあるルミノール試薬とヘパリン加末梢血液(0.15mL)をピペットで吸引除去した。37℃に加温した生理食塩水0.9mLをクライオチューブ底面のハイドロゲル上に注入し、3秒間ボルテックスミキサーで攪拌した。該生理食塩水0.9mLをピペットで吸引除去し、新たに37℃に加温した生理食塩水0.9mLをクライオチューブ底面のハイドロゲル上に注入し、3秒間ボルテックスミキサーで攪拌した。該生理食塩水0.9mLをピペットで吸引除去し、4℃に冷却した生理食塩水0.9mLをクライオチューブ底面のハイドロゲル上に注入した。該クライオチューブを4℃に冷却して、ハイドロゲルを完全に溶解させた。
【0102】
次いでルシフェリン試薬(CellTiter-Glo,
Promega製)0.15mLを加えて室温で10分間放置した後、ルシフェリン発光による発光量(RLU)をルミノメーター(ジーンライト GL55、マイクロテック・ニチオン社製)で測定したところ(n=6の平均±SD)、51000±5900であった。このルシフェリン発光量は細胞のATP活性に基づくものであり、ゲル中に侵入した細胞数(自動血球計数装置、Sysmex社製、pocH-100i にて測定)と相関するものであることを別途確認した。
【0103】
実施例7
(ハイドロゲル中に遊走した細胞の様子)
実施例6の方法でゲルより回収した細胞を集細胞遠心装置(CytoSpin3 Cat.No.730 SHANDON社製)を用いて750回転/分で5分間遠心し専用スライド(CYTOSLIDE
Cat.No.59910051)に回収した後、メリグリュンワルド液 (May-Grunwald’s solution modified, MERK社製)とギムザ液(Giemsa’s solution,MERK社製)で染色を行った。その顕微鏡観察像を図2に示す。図2の染色像は本発明の方法でハイドロゲル中に遊走した細胞が好中球であることを示している。
【0104】
比較例2
比較例1で90分間好中球を遊走させた後、実施例6と同様の操作を行い、ルシフェリン発光による発光量(RLU)をルミノメーターで測定したところ(n=6の平均±SD)、4659±5812であった。この発光量は実施例6に比べて著しく小さく、またばらつきも大きいものであった。
【0105】
比較例1で用いたハイドロゲルは細胞接着因子を含有しないため、好中球の侵入が起こりにくくルミノール発光量が小さくなったものと考えられる。また比較例1で用いたハイドロゲルは細胞侵入の選択性も低く、単なる沈降によって細胞が無差別にハイドロゲル中に侵入したため、ATP活性に基づくルシフェリン発光量のばらつきが大きいものと考えられる。
【0106】
実施例8
実施例5および6の測定をボランティア43名について実施した結果を図3にまとめた(横軸は遊走90分後のルミノール発光値、縦軸は遊走90分後のルシフェリン発光値)。
好中球の遊走能、活性酸素産生能には個人差があるものと考えられ、図2に示すように、本発明の好中球機能検査システムによって個人差を有効に評価可能である。高齢者群と若年者群で比較すると、高齢者群においてルミノール発光値、ルシフェリン発光値とも高い傾向がある。これは高齢者が軽度の炎症状態に陥っている場合が多いことを示唆している可能性がある。
【0107】
実施例9
(LPS試薬の調製)
リポポリサッカライド(LIPOPOLYSACCHARIDE (LPS):SIGMA社製、Cat.No.L-2630) をHBSSに溶解し、10ug/mL LPS溶液とした。
【0108】
(LPSの効果)
実施例3で得られた高分子水溶液0.05mLを2mLクライオチューブ(AXY社製、商品コード:MCT-200-L-C)に4℃で注入し、37℃に昇温してクライオチューブ底面にハイドロゲルを一様に形成させた。37℃に加温したルミノール試薬0.075mLとヘパリン加末梢血液0.075mL、さらにLPS溶液を0.015mL混合し、37℃で上記クライオチューブ底面のハイドロゲル上に乗せた。37℃に保温しながら、ルミノメーターでルミノール発光による発光量(RLU)を測定した。また対照としてLPS溶液の代わりにHBSSを0.015mL混合し測定を行った。
【0109】
ボランティア62人(各個人n=2、高齢者37人、若年者25人)でルミノール発光による発光量(RLU)を測定した結果を表1に示す(LPSおよび対照の測定各個人n=2、その結果の比をとったものの平均±SD)。
【0110】
【表1】
JP0004869020B2_000002t.gif

【0111】
LPS刺激による好中球の遊走能、活性酸素産生能には個人差があるものの、表2(LPS/HBSS最大値を示す時間における人数の割合)に示すように60分までLPSの効果が検出できた。LPSに反応を示さなかった人(LPS/HBSS≦1)は、老人群、若年群で1人もいなかった。本発明の好中球機能検査システムによって高齢者群と若年者群で比較すると、LPSに反応しHBSSより高値を示す時間が高齢者群において遅延する傾向がある。これは高齢者と若年者でLPSに対する反応性に差があることを示唆する。
【0112】
【表2】
JP0004869020B2_000003t.gif

【0113】
実施例10
(リコピン試薬の調製)
トマトリコピン2%含有液(Tomat-O-Red 2% SG:LycoRed Ltd.製)をHBSSに溶解し、トマトリコピン0.002% 溶液を作成した。
【0114】
(リコピンの抗酸化力の評価)
実施例3で得られた高分子水溶液0.05mLを2mLクライオチューブ(AXY社製、商品コード:MCT-200-L-C)に4℃で注入し、37℃に昇温してクライオチューブ底面にハイドロゲルを一様に形成させた。37℃に加温したルミノール試薬0.0675mLとヘパリン加末梢血液0.0675mL、さらにトマトリコピン0.002%溶液を0.015mLを加え混合したものを37℃で上記クライオチューブ底面のハイドロゲル上に乗せた(リコピン最終濃度 0.0002%)。37℃に保温しながら、ルミノメーター(ジーンライト GL55、マイクロテック・ニチオン社製)でルミノール依存性化学発光による発光量(RLU)を測定した(各サンプルn=2)。
【0115】
図4に示すように、HBSSを混合したサンプルより測定される化学発光量と比べて、トマトリコピン0.002% 溶液を添加したサンプルについて、30分では33%、60分では24%、90分では19%に減少した。この結果は、リコピンの抗酸化力によって好中球の遊走性が抑制されることを示している可能性がある。
【0116】
実施例11
(ペクチン試薬の調製)
ペクチン(三昌株式会社製、GENU pectin type USP)を蒸留水に溶解し、1%ペクチン溶液を作成した。
【0117】
(ペクチンの抗酸化力の評価)
実施例3で得られた高分子水溶液0.05mLを2mLクライオチューブ(AXY社製、商品コード:MCT-200-L-C)に4℃で注入し、37℃に昇温してクライオチューブ底面にハイドロゲルを一様に形成させた。37℃に加温したルミノール試薬0.0675mLとヘパリン加末梢血液0.0675mL、さらにペクチン1%溶液を0.015mLを加え混合したもの(最終濃度ペクチン0.1%)を37℃で上記クライオチューブ底面のハイドロゲル上に乗せた。37℃に保温しながら、ルミノメーター(ジーンライト GL55、マイクロテック・ニチオン社製)でルミノール依存性化学発光による発光量(RLU)を測定した(各サンプルn=2)。
【0118】
図5に示すように、HBSSのみを混合したサンプルより測定される化学発光量と比べて、ペクチン0.1%溶液を添加したサンプルの化学発光量は、30分では50%、60分では58%、90分では72%に減少した。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本発明の好中球機能検査システムでは、従来測定が困難であった生理的条件下での好中球の遊走能と活性酸素産生能を同時に、且つ簡便に検査することが可能となる。従って、好中球機能に関連した様々な病態の診断、予防、治療薬の開発などに極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】は、本発明の好中球機能検査システムの概念図を示したものである。
【図2】は、本発明の好中球機能検査システムにおいてハイドロゲル中に遊走した血液細胞が好中球であることを示す染色像である。
【図3】は、本発明の好中球機能検査方法により検査したボランティアのルミノール発光値とルシフェリン発光値をグラフ化したものである。黒丸は高齢者、白丸は若年者の測定値を示す。
【図4】は、本発明の好中球機能検査システムにおいて、トマトリコピン添加によりルミノール依存性化学発光が減少することを示すものである。
【図5】は、本発明の好中球機能検査システムにおいて、ペクチン添加によりルミノール依存性化学発光が減少することを示すものである。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4