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明細書 :多段無線中継方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4168152号 (P4168152)
公開番号 特開2006-319787 (P2006-319787A)
登録日 平成20年8月15日(2008.8.15)
発行日 平成20年10月22日(2008.10.22)
公開日 平成18年11月24日(2006.11.24)
発明の名称または考案の名称 多段無線中継方法
国際特許分類 H04Q   7/38        (2006.01)
H04L  12/56        (2006.01)
H04Q   7/22        (2006.01)
FI H04Q 7/00 302
H04L 12/56 G
H04Q 7/00 584
H04Q 7/00 621
請求項の数または発明の数 18
全頁数 18
出願番号 特願2005-141617 (P2005-141617)
出願日 平成17年5月13日(2005.5.13)
審査請求日 平成19年12月27日(2007.12.27)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504145342
【氏名又は名称】国立大学法人九州大学
発明者または考案者 【氏名】古川 浩
早期審査対象出願または早期審理対象出願 早期審査対象出願
個別代理人の代理人 【識別番号】100128749、【弁理士】、【氏名又は名称】海田 浩明
審査官 【審査官】齋藤 浩兵
参考文献・文献 国際公開第2005/020517(WO,A1)
国際公開第03/075515(WO,A1)
国際公開第2004/114598(WO,A1)
特開平11-068880(JP,A)
Furukawa, H. ,Hop count independent throughput realization by a new wireless multihop relay,Vehicular Technology Conference, 2004. VTC2004-Fall. 2004 IEEE 60th,米国,IEEE,2004年 9月,第4巻,第2999-3003ページ
小野 真和,アドホックネットワークのためのチェックポイントリカバリプロトコル,電子情報通信学会技術研究報告,日本,社団法人電子情報通信学会 The Institute of Electronics,Information and Communication Engineers,2004年11月11日,第104巻,第13-18ページ,IN2004-101
調査した分野 H04Q 7/38
H04L 12/56
H04Q 7/22
特許請求の範囲 【請求項1】
複数の周辺ノードならびに複数の経路ノードからなり、当該経路ノードはさらにひとつの始点ノード、ひとつもしくは複数の中間ノード、およびひとつの終点ノードからなり、各経路ノードは互いに中継しあうことで枝分かれのない1本の中継経路を形成し、前記始点ノードから前記終点ノードへ向けて当該中継経路に沿って前記中間ノードを経由してフレームが中継伝送される多段無線中継方法であって、
前記複数の経路ノードに隣接する前記複数の周辺ノードのうちの一部のノードの送信を一時停止にする無線チャネル予約ステップと、
無線チャネル予約ステップにより予約された無線チャネル上で始点ノードが送信フレームを間欠送信する際の送信周期を設定する周期設定ステップと、
無線チャネル予約ステップにより予約された無線チャネル上で始点ノードが前記周期設定ステップにより設定された送信周期で送信フレームを周期的に間欠送信するフレーム中継ステップからなる多段無線中継方法。

【請求項2】
複数の周辺ノードならびに複数の経路ノードからなり、当該経路ノードはさらにひとつの始点ノード、ひとつもしくは複数の中間ノード、およびひとつの終点ノードからなり、各経路ノードは互いに中継しあうことで枝分かれのない1本の中継経路を形成し、前記始点ノードから前記終点ノードへ向けて当該中継経路に沿って前記中間ノードを経由してフレームが中継伝送され、前記始点ノードから前記終点ノードへ向かう中継方向を順方向とし、前記終点ノードから前記始点ノードへ向かう中継方向を逆方向とし、前記経路ノードのうちの始点ノードを除く各ノードから見て、逆方向経路上のすぐ隣に位置する経路ノードを先行ノード,順方向経路上のすぐ隣に位置する経路ノードを後続ノードとする多段無線中継方法であって、
前記無線チャネル予約ステップでは、前記始点ノードより前記中間ノードを経て順方向に前記終点ノードまで予約ビーコンフレームを中継し、当該予約ビーコンフレームを受信した前記周辺ノードは送信を見合わせ、前記予約ビーコンフレームを受信した前記終点ノードは予約ACKフレームを前記始点ノードへ向けて前記中間ノードを経て逆方向に中継し、
前記周期設定ステップでは、前記予約ACKフレームを受信した前記始点ノードより送信周期設定先行フレームを送信し、さらに時間Tss後に送信周期設定後続フレームを送信し、送信周期設定先行フレームならびに送信周期設定後続フレームは、それぞれ前記中間ノードを経由して前記終点ノードまで順方向に中継され、前記送信周期設定後続フレームが終点ノードまで到達しなかったならば始点ノードは時間Tssを増大させて再度送信周期設定先行フレームの送信からやりなおし、前記送信周期設定後続フレームが終点ノードにおいて正しく受信されたならば当該終点ノードより前記中間ノードを経由して始点ノードまで周期設定ACKフレームが中継され、
前記フレーム中継ステップでは、周期設定ACKフレームを受信した始点ノードは時間Tssの最終値毎に送信フレームを間欠送信し、前記各経路ノードでは先行ノードもしくは後続ノードより送信された送信フレームを待ち受け、送信フレームを受信したら当該送信フレームをバッファに蓄え、一定時間経過の後、バッファ内の送信フレームの一つを前記先行ノードもしくは前記後続ノードへ向けて送信することを特徴とする請求項1に記載の多段無線中継方法。


【請求項3】
前記予約ビーコンフレームには前記複数の経路ノードが無線回線を占有する時間を記載し、当該予約ビーコンフレームを受信した周辺ノードは当該予約ビーコンフレームが指定した無線回路を占有する時間の間、送信を見合わせることを特徴とする請求項2に記載の多段無線中継方法。

【請求項4】
前記送信周期設定後続フレームには当該フレームを発信した始点ノードが用いた送信周期Tssの値を記載し、各経路ノードは当該フレームの受信により送信周期を知ることができることを特徴とする請求項2に記載の多段無線中継方法。

【請求項5】
始点ノード以外の各経路ノードは前記送信周期設定先行フレームを先行ノードより受信したのち当該送信周期設定先行フレームの後続ノードへの送信に成功し、その後、前記送信周期設定後続フレームを先行ノードより受信したものの当該送信周期設定後続フレームの後続ノードへの送信に失敗したことを検出すると、周期再設定要求フレームを始点ノードへむけて送信し、当該周期再設定要求フレームは前記中間ノードを経由して始点ノードへ中継され、前記周期再設定要求フレームを受信した始点ノードは送信周期Tssを増大させた後、前記送信周期設定先行フレームの送信からやり直すことを特徴とする請求項2に記載の多段無線中継方法。

【請求項6】
前記送信周期設定先行フレームもしくは送信周期設定後続フレーム、いずれかを前記先行ノードより受信した前記ノードAは、ある一定時刻経過後直ちに受信した当該送信周期設定先行フレームもしくは送信周期設定後続フレームを前記後続ノードへ中継伝送することを特徴とする請求項2に記載の多段無線中継方法。

【請求項7】
前記始点ノードより送信された送信周期設定先行フレームが後続の経路ノードより順方向へ中継されることによりキャリア検出される期間をT_busyとし、T_busyに意図的周期Tsを加えた値に定数をかけたものを前期送信周期Tssとすることを特徴とする請求項2に記載の多段無線中継方法。

【請求項8】
ある経路ノードSが新たに始点ノードとして送信フレームを終点ノードDへ向けて伝送しようとする場合に、当該経路ノードSが過去に中間ノードとして同一の終点ノードDへ向けて送信フレームを中継した事があるならば、当該中継時の送信周期Tssを用い、直ちに送信フレームを周期的に間欠送信することを特徴とする請求項4に記載の多段無線中継方法。

【請求項9】
前記送信フレームはデータフレームもしくは制御フレームからなることを特徴とする請求項1もしくは2記載の多段無線中継方法。

【請求項10】
前記送信フレームは、いずれも長さが一定となるように整形されることを特徴とする請求項1もしくは2記載の多段無線中継方法。

【請求項11】
前記終点ノードは前記待ち受けバッファに当該終点ノードで新たに発生したデータフレームを任意の時間に任意の数だけ格納することができることを特徴とする請求項2に記載の多段無線中継方法。

【請求項12】
終点ノードは、当該終点ノードに対する先行ノードより伝送された送信フレームを受信の後、新たに終点ノードで発生した送信フレームを始点ノードへ向けて送信可能であることを特徴とする請求項2に記載の多段無線中継方法。

【請求項13】
各中間ノードでは順方向の送信フレームと逆方向の送信フレームの中継伝送比率が一定となるように順方向と逆方向の送信フレームの送信優先度を決定することを特徴とする請求項2に記載の多段無線中継方法。

【請求項14】
前記始点ノードにおいて送信すべき送信フレームがなくなった場合、グループACK要求フレームを送信し、グループACK要求フレームは中間ノードを経由して終点ノードまで順方向に中継され、グループACK要求フレームを受信した終点ノードはグループACKフレームを始点ノードへ向けて返信し、グループACKフレームは中間ノードを経由して始点ノードまで逆方向に中継され、グループACKフレームを受信した始点ノードはグループACK返答フレームを送信し、グループACK返答フレームは中間ノードを経由して終点ノードまで順方向に中継されることを特徴とする請求項2に記載の多段無線中継方法。

【請求項15】
前記グループACK要求フレームを送信した前記始点ノードは、それまでに逆方向データフレームを一度でも受信している場合には、終点ノードからのグループACKフレームが到来するまで、送信周期Tssにより送信フレームと同様にダミーフレームを送り続け、それまでに逆方向データフレームを全く受信していない場合にはなんらフレームを送信せず、前記ダミーフレームを受信した前記中間ノードでは当該ノードの前記待ち受けバッファが空である場合にはダミーフレームを後続ノードへ順方向に送信し、前期待ち受けバッファに送るべき送信フレームがある場合には当該フレームを先行ノードもしくは後続ノードへ送信することを特徴とする請求項14記載の多段無線中継方法。

【請求項16】
前記中間ノードが前記グループACKフレームを受信した場合、当該中間ノードがそれ以前に全く逆方向の送信フレームを受信したことがなければ、ただちに当該グループACKフレームを前記先行ノードへ逆方向に送信することを特徴とする請求項14記載の多段無線中継方法。

【請求項17】
前記始点ノードが逆方向の送信フレームを全く受信しなかった場合には前記グループACK返答フレームを送信しないことを特徴とする請求項14に記載の多段無線中継方法。

【請求項18】
前記グループACKフレームには前記終点ノードにおいて受信に失敗した順方向の送信フレーム番号が記載され、前記グループACK返答フレームには前記始点ノードにおいて受信に失敗した逆方向の送信フレーム番号が記載されることを特徴とする請求項14に記載の多段無線中継方法。


発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、無線ノードが存在し、各無線ノードが無線により互いにパケットの中継を行う無線マルチホップネットワークにおける無線中継方法に関するものであり、事前に中継経路が与えられている場合に適用される。
【背景技術】
【0002】
数10Mbpsクラスのブロードバンドを収容する次世代の移動通信システムではセル半径の狭小化は必須であるとされる。しかし、セルを狭小化する場合、面的に広いエリアをサービスエリアとするためには極めて多数の基地局を設置しなくてはならない。最大の問題は、各基地局を基幹ネットワークに接続するための有線回線敷設に膨大な投資が必要となることである。そこで、有線ネットワークに接続された基地局(コアノード)を所々に設置し、このコアノード群でカバーしきれないエリアを無線マルチホップ中継で接続した中継ノードによりカバーするセルラーネットワーク(以下、無線基地局中継網)が検討されている。この無線基地局中継網を用いると、有線回線の敷設はコアノードのみでよいため投資を抑制することが可能となる。ここでの課題は、無線マルチホップネットワークにおいて如何にして伝送効率の高いパケット中継伝送を実現するかにある。
【0003】
伝送効率の高いパケット中継伝送を実現するパケット中継伝送法として、非特許文献1では周期的間欠送信法(Intermittent Periodic Transmit)が提案された。以下、当該パケット伝送方式について説明する。
図12は非特許文献1に示された周期的間欠送信法を説明するシーケンス図である。図12では各ノードは一次元等間隔で配列している場合を想定している。図12の例では、周波数リユース距離は3である。すなわち例えば始点ノードN_Sと中継ノードN_4とで同一の周波数を繰り返して利用可能であることを意味する。
周期的間欠送信法では、始点ノードN_Sにおいて一定の送信周期P_S_3でフレームを伝送し、一方中継ノードN_iではパケットを受信後即座に中継先ノードへ中継伝送することを特徴とする。図12のように送信周期P_S_3を与えることにより例えば時刻T1における同一周波数を再利用するノードはN_SとN_4であり、周波数リユース距離3を満足していることが分かる。
図13に周波数リユース距離5の場合の非特許文献1に示された周期的間欠送信法による中継伝送を説明するシーケンス図を示す。図12との違いはリユース距離が長くなったことにより、始点ノードN_Sにおける送信周期をP_S_5とすることである。P_S_5はP_S_3よりも長く設定する。時刻T1における同一周波数を利用するノードはN_SとN_5であり、同一周波数リユース距離5が得られている事が分かる。
以上のように周期的間欠送信法では始点ノードにおいて周期的、間欠的にフレームを送信し、一方中継ノードでは即フレームを中継伝送することにより周波数リユース間隔を制御する事が可能となり、所要の周波数リユース間隔となる送信周期を与えることでスループットの最大化を達成する事が可能となる。
また、図12ならびに図13より明らかなように周期的間欠送信法によると終点ノードN_Eにおいて観測されるスループットは中継段数によらず一定に保つ事ができる。

【非特許文献1】H. Furukawa, “Hop Count Independent Throughput Realization by A New Wireless Multihop Relay,” in Proc. IEEE VTC 2004 Fall, 4.4.2.2, Sep. 2004.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
無線マルチホップ中継における中継経路は一般に枝分かれ分岐があるため、このような場合周期的間欠送信を適用する事は難しかった。中継経路に枝分かれ分岐が存在する場合の課題を図14を用いて説明する。始点ノードNA_1からNA_2、NA_3、NA_4,NA_5、そしてNA_6までフレームが中継されている場合を考える。当該通信セッションをセッションAとおく。また図14のようにノードNA_4はノードNB_3と接続され、ノードNB_3からNB_2,NB_1へいたる別の経路、枝経路が存在する。このようにノードNA_4を分岐点とし、中継経路に枝分かれが存在すると、セッションAの中継途中にノードNB_3からノードNA_4へ別の通信セッションのフレームが混入する。周期的間欠送信では、このような経路外のフレームが混入してしまうと、中継の流れが滞ってしまい中継伝送効率が低下してしまうのである。
同様に中継経路外に存在するノードからの電波干渉によっても、周期的間欠送信による高効率なフレーム中継が滞ってしまう。
さらに、図12ならびに図13より明らかなように、周期的間欠送信法では中継経路上で両方向のフレームを同時に中継伝送することができなかった。
【0005】
本発明はこれら3つの課題を同時に解決可能な無線中継法を提示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
複数の周辺ノードならびに複数の経路ノードからなり、当該経路ノードはさらにひとつの始点ノード、ひとつもしくは複数の中間ノード、およびひとつの終点ノードからなり、各経路ノードは互いに中継しあうことで枝分かれのない1本の中継経路を形成し、前記始点ノードから前記終点ノードへ向けて当該中継経路に沿って前記中間ノードを経由してフレームが中継伝送される多段無線中継において、前記複数の経路ノードに隣接する前記複数の周辺ノードのうちの一部のノードの送信を一時停止にする無線チャネル予約ステップと、無線チャネル予約ステップにより予約された無線チャネル上で始点ノードが送信フレームを周期的に間欠送信する際の送信周期を設定する周期設定ステップと、無線チャネル予約ステップにより予約された無線チャネル上で始点ノードが前記周期設定ステップにより設定された送信周期で送信フレームを周期的に間欠送信するフレーム中継ステップからなる。
【発明の効果】
【0007】
無線チャネル予約ステップにより、前記中継経路と接続する枝経路上のノードからのフレームの混入を防ぎ、周期的間欠送信によるフレーム中継が滞ることを防ぐ。また無線チャネル予約ステップは中継経路外の無線ノードからの電波干渉を抑制することもできる。周期設定ステップにより周期的間欠送信で必要な送信周期の適応的な設定が可能となり、かつフレーム中継ステップにより文献1で示された周期的間欠送信と同様、高効率なフレーム中継を達成する。
【実施例1】
【0008】
本発明では中継経路は事前に与えられていることを前提とする。中継経路の設定方法は、各ノードが新たに送信すべきフレームを有してから中継経路を決定するオンデマンド経路設定手法や、送信すべきフレームの有無に関わらず、事前に経路を設定しておく事前経路設定手法のいずれをも適用する事ができる。
本発明によるフレーム中継法は図1に示すように次の3つのステップからなる。
ステップ1:与えられた中継経路に属する中継ノードが、当該中継経路に属さないノードから干渉を受けないように無線チャネルの排他的利用権を獲得するための無線チャネル予約ステップ。
ステップ2:ステップ1において無線チャネルの排他的利用権を得た当該中継経路上の始点ノードが、フレームの送信周期を設定するための送信周期設定ステップ
ステップ3:ステップ2においてフレームの送信周期を設定し終えた始点ノードが周期的に送信するフレームを間欠送信し、各中継ノードが受信した中継フレームを中継伝送するフレーム中継ステップ
以下では、各ステップ毎に詳細を説明する。
まず本発明による無線チャネル予約ステップを図2により説明する。ここでは、Node_1、Node_2、・・・、Node_Nまでに至る中継経路が与えられているものとする。
始点ノードNode_1はビーコンフレームBeacon_1を送信する。Node_1の中継先ノードNode_2はBeacon_1フレームを受信してからIFS_1時間経過の後、ビーコンフレームBeacon_2を送信する。当該中継経路に属さず、かつBeacon_1フレームを受信したノードNode_O1はそれ以降の送信を見合わせる。これにより、Node_O1が送信することによる当該中継経路上のフレーム中継伝送への干渉を回避できる。同様に、Beacon_2フレームを受信した、Node_2の中継先ノードNode_3はIFS_1時間待機の後、Beacon_3フレームを送信する。Beacon_2,Beacon_3フレームを受信した当該中継経路に属さないノードは、それ以降の送信を見合わせる。以上を繰り返し、終点ノードNode_NがビーコンフレームBeacon_Nを送信し、無線チャネル予約のためのビーコンフレーム送信は完了する。
【0009】
無線チャネル予約のためのビーコンフレーム送信が完了後、終点ノードNode_Nは経路予約完了フレームACK_Rを始点ノードNode_1へ向けて送信し、Node_1が当該フレームを受信して無線チャネル予約は完了する。始点ノードND_1ではある時間以上たってもACK_Rを受信しなければ、再度、ビーコンフレームBeacon_1の送信からやり直し、ACK_Rが受信できるまで繰り返す。ただし、ある回数以上繰り返してもなおACK_Rが受信できなければ、通信経路の切断や、定常的な干渉が発生している可能性があるため、上位システムへ向けて警告信号を報知し、それ以降の処理を中止する。
【0010】
中継経路上の各中継ノードが送信したビーコンフレームを受信した当該中継経路に属さない周辺ノードがそれ以降の送信を見合わせることにより、当該中継経路上のフレーム中継伝送時に周辺ノードから及ぼされる干渉を抑制できる。
ビーコンフレームには、送信を見合わせる時間を指定する情報が含まれる。中継経路に属さない周辺ノードは、ビーコンフレームを受信すると、当該ビーコンフレームが指定する時間の間送信を見合わせる。複数のビーコンノードを周辺ノードにおいて受信した場合、最も見合わせる時間が長い設定のビーコンの指示に従う。
始点ノードNode_1は、送信見合わせの中止を指示するビーコンフレームを送信することもできる。当該フレームはやはり終点ノードまで中継伝送され、これらを周辺ノードが受信すれば一定時間の後、送信の見合わせを中止する。
次に本発明における送信周期設定ステップについて図3ならびに図4を用いて説明する。
まず図3を参照しながら説明する。今、10個のノードND_1~ND_10までの中継が行われている場合を考える。TB1~TB11は時間をあらわしている。ノードND_1は時間TB1において周期設定先行フレームPD_1を送信する。ノードND_2の時間TB1に示した楕円R_OKは当該ノードにおいて送信元ノードからのフレームが正しく受信されたことを表す。周期設定先行フレームPD_1を受信したノードND_2は時間SIFSだけ待機した後、ただちに同フレームPD_1をノードND_3へ向けて時間TB2において中継伝送する。ノードND_2より送信されたフレームは電波伝搬特性によりノードND_1においても受信され、ノードND_2がノードND_3へ向けて送信したフレームをノードND_1が受信することで、ノードND_1は時間TB1で伝送した周期設定先行フレームPD_1のACK信号とみなす。同様に、ノードND_3,ND_4.・・・、ND_9と周期設定先行フレームは中継伝送される。
ノードND_1では時間TB3においてノードND_3がノードND_4へ向けて送信した周期設定先行フレームが受信される。さらに、時間TB4においてはノードND_4が送信した周期設定先行フレームはもはや電波減衰によりノードND_1へは到達しない。ノードND_1は時間TB3終了時からキャリア検出を行っており、TB4の先頭DIFS期間の間、キャリア検出されなければ、続く時間TB5において周期設定後続フレームPD_2をノードND_2へ向けて送信する。すなわち、周期設定先行フレームPD_1と周期設定後続フレームPD_2の送信時間間隔はTssにより規定される。送信周期Tssは具体的には次式で与えられる。
【0011】
【数1】
JP0004168152B2_000002t.gif
ここで、T_PD_1は周期設定先行フレームPD_1の時間長を、T_PD_1_BusyはノードND_1が周期設定先行フレームPD_1を送信後に、キャリアを検出した時間ブロック数、Tsは意図的周期時間ブロック数を表す。1時間ブロックはT_PD_1+SIFSの長さを有する。なお、周期設定後続フレームの時間長はT_PD_1と等しい。
【0012】
周期設定後続フレームPD_2には送信周期Tssの値を情報として記載する。これにより、始点ノード以外のノードも送信周期を知ることができる。ある経路ノードSが新たに始点ノードとして送信フレームを終点ノードDへ向けて伝送しようとする場合に、当該経路ノードSが過去に中間ノードとして同一の終点ノードDへ向けて送信フレームを中継した事があるならば、当該中継時の送信周期Tssを用い、周期設定ステップを実行せず直ちに送信フレームを周期的に間欠送信することができる。
ノードND_2では時間TB5において、ノードND_1から送信された周期設定後続フレームPD_2を正しく受信すると、時間TB6において同フレームをノードND_3へ向けて中継伝送する。ノードND_2からの周期設定後続フレームPD_2を時間TB6で受信したノードND_3は続く時間TB7において当該フレームをノードND_4へ向けて送信する。
一方、時間TB7において、ノードND_4は、ノードND_7がノードND_8へ向けて中継伝送した周期設定先行フレームPD_1が干渉として到来しており、ノードND_3からの周期設定後続フレームPD_2の受信に失敗する。受信失敗の状態を図3のR_NGにより表した。ノードND_4は時間TB7において周期設定後続フレームPD_2の受信に失敗したので、続く時間TB8において、ノードND_4は何も送信しない。ノードND_3では時間TB7において送信した周期設定後続フレームPD_2のACK受信に失敗することを意味する。すなわち、ノードND_3は時間TB8においてノードND_4が送信するであろう周期設定後続フレームの受信を期待するが、キャリア検出期間DIFSをまっても受信されないのである。これにより、ノードND_3は時間TB8においてACKを受けていないと判断する。ACK受信できなかったノードND_3は時間TB9において衝突検出フレームCDをノードND_2へむけて送り返し、送り返された衝突検出フレームCDはノードND_1へ向けて中継される。そして、衝突検出フレームを受信したノードND_1は再び周期設定先行フレームPD_1を送信する。
【0013】
図4により本発明における送信周期ステップについてさらに説明を進める。衝突検出フレームを受信したノードND_1は再び、周期設定先行フレームPD_1ならびに周期設定後続フレームPD_2の送信を順次行い、各フレームは終点ノードへ向けて中継される。その際、周期設定先行フレームPD_1と周期設定後続フレームPD_2との意図的周期時間ブロック数Tsを1だけ増加させる。すなわち、 数1より、送信周期Tssは1時間ブロック長、T_PD_1+SIFS分、増大させる。1時間ブロック長だけ増大された送信周期Tssにより、ノードND_1は時間TB6において周期設定後続フレームPD_2を送信する。周期設定後続フレームPD_2には送信周期Tssの値を情報として記載する。これにより、始点ノード以外のノードも送信周期を知ることができる。
【0014】
終点ノードND_10において周期設定先行フレームPD_1ならびに周期設定後続フレームPD_2を受信すると、周期設定完了フレームOKを始点ノードND_1へ向けて中継する。図4ではノードND_10の時間TB10がその時である。周期設定完了フレームOKが時間TB12において始点ノードND_1へ受信されると周期設定処理は完了である。完了時の送信周期Tssが設定後の送信周期となる。
【0015】
何らかの原因によりある時間以上まっても周期設定完了フレームOKが始点ノードND_1において受信されない場合、当該ノードは、意図的周期時間ブロックを1増やしたのち、再度、周期設定先行フレームPD_1ならびに周期設定後続フレームPD_2を送信する。これを周期設定完了フレームOKが受信されるまで繰り返す。ただし、ある再送回数をおこなってもOKフレームの受信が行われない場合は、中継経路の途中の無線回線が断絶している可能性があるので、それ以上の送信周期設定処理は行わず、上位の制御システムへ警告を出し経路変更等の処理を委託する。
【0016】
また、何らかの原因により、終点ノードND_10においてPD_2は受信できたが、PD_1を受信できなかった場合には、終点ノードはCDフレームを始点ノードND_1へ向けて送信する。
本発明によるフレーム中継ステップの第一の実施例を具体的なフレーム中継を例にして、図5~図8を用いて説明する。まず、図5をより説明する。
5つのノードND_1~ND_5による中継を考える。始点ノードND_1は第一データフレームDT_U1を時間TB1においてノードND_2へ向けて送信する。図5においては、受信状態を楕円で示している。たとえば、ノードND_2の時間TB1に示した楕円は、ノードND_1からのデータフレームDT_U1が正しく受信されたことを示している。ノードND_2はノードND_1からのデータフレームDT_U1を受信後、IPT_IFS期間の後、直ちにDT_U1を時間TB2においてノードND_3へ向けて送信する。後続のノードにおいても、これを繰り返すことで、終点ノードND_5までのデータフレーム中継が行われる。
【0017】
終点ノードND_5は、時間TB4においてデータフレームDT-U1を受信の後、IPT_IFS期間を待って、ノードND_1へ向けて時間TB5において逆方向のデータフレームDT_D1を送信する。なお、時間TB5においてノードND_5になんら送信すべきデータフレームが存在しない場合には当該ノードはなんらフレームを送信しない。
【0018】
ノードND_2がノードND_3へ時間TB2において送信したデータフレームDT_U1は、ノードND_1におけるキャリア検出回路において検出されるため、これにより、ノードND_1は当該ノードがノードND_2へ向けて送信したデータフレームDT_U1が正しくノードND_2において受信されたこと(ACK検出)を知る。一例としてその様子をノードND_1の時間TB2に示した。ノードND_1では、時間TB2においてノードND_2がノードND_3へ向けて送信したフレームが同時に届くため、TB1においてノードND_1が送信したデータフレームへのACKを得る事ができるのである。他のノードにおいても同様に中継先ノードが正しくデータフレームを受信できたかどうか知る事ができる。ただし、たとえデータフレームの送信に失敗した事がわかっても再送は行わない。送信に失敗したデータフレームは、始点ノードND_1において全データフレームを送信後に、まとめて再送する。
【0019】
送信元ノードにおいて常に送信先ノードからのACK検出ができない場合、何らかの原因で当該ノード間の無線回線が切断されていることが予想される。このような無線回線断の状態は送信元ノードが把握できる。この場合、非常シグナルをネットワーク制御システムへ向けて報知することにより、それ以降の処理の中止を要求することができる。
【0020】
終点ノードから時間TB5において送信された逆方向のデータフレームDT_D1は中間ノードND_2~ND_4において始点ノードND_1へ向けて中継される。逆方向データフレームの送信は、順方向(始点ノードND_1からND_5へ向かう方向)データフレームの場合と全く同様に、各ノードにおいて新たなフレームを受信した後、IPT_IFS時間後に伝送される。ここで、各ノードでは、直前に受信したフレームを直ちに送信しなくてはならないわけではなく、過去に受信したデータフレームを順方向、順方向問わずに送信できる。
各ノードには受信した順方向、逆方向フレームを蓄えておく待ち受けバッファを持つ。順方向のデータフレームと逆方向のデータフレームの中継伝送比率が一定となるように順方向と逆方向の送信フレームの送信優先度を決定することで順方向、逆方向のフレーム中継スループットを調整できる。
順方向および逆方向データフレームは同一の時間長となるように整形される。データフレーム長を短くすればするほど1フレームが始点ノードから終点ノードまで伝送されるのにようする遅延時間を短縮する事ができる。順方向および逆方向データフレームには各種の制御情報を含ませることができる。
【0021】
ノードND_1では、データフレームDT_U1送信開始時からTspc_A時間毎に、後続のデータフレームの送信を行う。ここで、Tspc_Aは次のように定義される。
【0022】
【数2】
JP0004168152B2_000003t.gif
T_DATはデータフレームの時間長、Δspcは各ノードの内臓タイマーの誤差を考慮したマージンである。
【0023】
始点ノードND_1ではTspc_A時間の周期で順方向データフレームおよび制御フレームの伝送を行う。
【0024】
更に図6を用いて、本発明におけるフレーム中継ステップの第一の実施例の説明を続ける。終点ノードにおいて、送信するべき逆方向データフレームがない場合には、ノードND_5は何も送信する必要はない。たとえば、ノードND_5の時間TB14や時間TB17がその例である。
【0025】
始点ノードにおいて、送信するべき順方向データフレームがもはやなくなった場合には、制御フレームであるグループACK要求フレームDT_ARを伝送する。ノードND_1の時間TB16においてその一例を示した。ノードND_1は先行する時間TB13において最後の順方向データフレームDT_U5を送信したので、次の送信時間タイミングTB16においてDT_ARを送信している。
【0026】
グループACK要求フレームDT_ARは他の順方向データフレームと同様に終点ノードへ向けて中継される。DT_ARを受信した各ノードは、当該フレームを他の順方向データフレームより先に中継してはならない。これにより、終点ノードND_5においてDT_ARを受信したととき、終点ノードND_5では順方向データフレームがそれ以上受信されないことを知る事ができる。
【0027】
始点ノードND_1はグループACK要求フレームDT_ARを送信後、終点ノードからの制御フレームであるグループACKフレームDT_GAの受信を待つ。始点ノードND_1はDT_ARを送信した後、もしそれ以前に逆方向データフレームを受信した事がある場合には、DT_ARを送信した後、データフレームの送信の場合と同様、送信周期Tspc_Aの間隔でダミーフレームDT_EPを伝送する。ダミーフレームDT_EPを受信したノードは、もし他に送信すべきフレームを有している場合には、当該フレームを無視し、送信すべきフレームがない場合には、通常の順方向データフレームと同様に中継する。
【0028】
更に図7を用いて、本発明におけるフレーム中継ステップの第一の実施例の説明を続ける。時間TB19(図6)においてDT_ARを受信したノードND_2は、それ以前に中継すべきデータフレームDT_D3を有しているため、時間TB26にてノードND_3へ向けてDT_ARを中継する、後続のノードND_3,ND_4においてはTB27時間以降、すでに送信すべきフレームが無いため、直ちにノードND_5へむけて中継される。
【0029】
グループACK要求フレームDT_ARを受信した終点ノードND_5は、当該フレームへの応答であるグループACKフレームDT_GAを返信する。DT_GAを返信した終点ノードはND_5は反対方向データフレームの送信をそれ以降行わない。
【0030】
終点ノードがグループACK要求フレームDT_ARを受信する事は、すなわち、順方向データフレームの送信が完了したことを意味する。終点ノードでは、データフレームのタイムスタンプ等の情報から、受信されていないデータフレームを抽出し、これらのデータフレームの再送を促すための情報をDT_GAに載せる。
【0031】
更に図8を用いて、本発明におけるフレーム中継ステップの第一の実施例の説明を続ける。DT_GAを受信した中間ノードは、もし当該ノードが過去に全く逆方向データフレームを受信した事がなければ、ただちに受信したDT_GAを先行するノードへ向けて返信してよい。しかし、DT_GAを受信した中間ノードが、もし当該ノードが1度でも逆方向データフレームを受信した事があれば、逆方向データフレームの中継の場合と同様、中継元ノードからのフレームの到着を待つ。
ノードND_4は、時間TB30(図7)においてノードND_3よりダミーフレームDT_EPを受信した後、時間TB31において、すでに受信済みのグループACKフレームDT_GAをノードND_3へ向けて中継する。ノードND_3,ノードND_2においても同様にDT_GAの中継を行い、時間TB35において当該フレームはノードND_1に到達する。
【0032】
各ノードでは逆方向データフレームより先にDT_GAの送信は行わない。これにより、始点ノードがグループACKフレームDT_GAを受信することは、すなわちすべての順方向データフレーム、すべての逆方向データフレームの伝送が完了したことを意味する。
【0033】
DT_GAを受信した始点ノードは、さらに終点ノードへ、逆方向データフレームの受信に失敗した欠落データフレームの情報を終点ノードへ知らせるための制御フレームである逆方向グループACKフレームDT_GARを終点ノードへ向けて伝送する。
【0034】
DT_GAR送信開始からTspc_A時間後に順方向データフレームDT_Uxの再送を行う。もし過度の再送が必要と判断された場合には、 数2で与えられる送信周期Tspc_Aを、Tssを増大させた上で再計算する。
【0035】
始点ノードND_1が逆方向のデータフレームを全く受信していない場合にはDT_GARの伝送を行う必要はない。DT_GARの伝送を行わない場合は即座に順方向データフレームの再送を開始する。もし逆方向データフレームしか再送すべきデータフレームがない場合には、始点ノードはダミーフレームDT_EPを周期的に送信することになる。
【0036】
順方向、逆方向共に再送すべきデータフレームがなくなるまで上述の処理を行う。順方向、逆方向共に再送すべきデータフレームがなくなれば無線チャネル予約解除のための制御フレームを始点ノードから中間ノードを経由して終点ノードまで中継し、すべての中継処理を終える。
【実施例2】
【0037】
次に本発明のフレーム中継ステップにおける第二の実施例を図9~図11より用いて説明する。第二の実施例は、第一の実施例において順方向フレームのみしか伝送しない場合のフレーム中継に相当するものである。なお、逆方向フレームのみしか伝送しない場合も始点ノードと終点ノードを読み違えれば同様であるため、説明を割愛する。
【0038】
5つのノードND_1~ND_5による中継を考える。始点ノードND_1は第一データフレームDT_U1を時間TBS1においてノードND_2へ向けて送信する。ノードND_2はノードND_1からのデータフレームDT_U1を時間TBS1において受信後、IPT_IFS期間の後、直ちにDT_U1を時間TBS2においてノードND_3へ向けて送信し、これを繰り返すことで、終点ノードND_5までのデータフレーム中継が行われる。
【0039】
図5においては、受信状態を楕円で示している。たとえば、ノードND_2の時間TBS1に示した楕円は、ノードND_1からのデータフレームDT_U1が正しく受信されたことを示している。
【0040】
ノードND_1では、データフレームDT_U1送信開始時からTspc_A時間毎に、後続のデータフレームの送信を周期的に行う。ここで、Tspc_Aは 数2で与えられる。
【0041】
ノードND_2がノードND_3へ時間TBS2において送信したデータフレームDT_U1は、ノードND_1におけるキャリア検出回路において検出されるため、これにより、ノードND_1は当該ノードがノードND_2へ向けて送信したデータフレームDT_U1が正しくノードND_2において受信されたこと(ACK検出)を知る。一例としてその様子をノードND_1の時間TBS2に示した。ノードND_1では、時間TBS2においてノードND_2がノードND_3へ向けて送信したフレームが同時に届くため、TBS1においてノードND_1が送信したデータフレームへのACKを得る事ができるのである。他のノードにおいても同様に中継先ノードが正しくデータフレームを受信できたかどうか知る事ができる。ただし、たとえデータフレームの送信に失敗した事がわかっても再送は行わない。送信に失敗したデータフレームは、始点ノードND_1において全データフレームを送信後に、まとめて再送する。
【0042】
送信元ノードにおいて常に送信先ノードからのACK検出ができない場合、何らかの原因で当該ノード間の無線回線が切断されていることが予想される。このような無線回線断の状態は送信元ノードが把握できる。この場合、非常シグナルをネットワーク制御システムへ向けて報知することにより、それ以降の処理の中止を要求することができる。
【0043】
更に図10を用いて、本発明の第二の実施例の説明を続ける。始点ノードND_1に置いて、送信するべき順方向データフレームがもはやなくなった場合には、グループACK要求フレームDT_ARを伝送する。ノードND_1の時間TBS16においてその一例を示した。ノードND_1は先行する時間TBS13において最後の順方向データフレームDT_U5を送信したので、次の送信時間タイミングTBS16においてDT_ARを送信している。
【0044】
グループACK要求フレームDT_ARは他の順方向データフレームと同様に終点ノードへ向けて中継される。DT_ARを受信した各ノードは、当該フレームを他の順方向データフレームより先に中継してはならない。これにより、終点ノードND_5においてDT_ARを受信したととき、終点ノードND_5では順方向データフレームがそれ以上受信されないことを知る事ができる。
【0045】
更に図11を用いて、本発明の第二の実施例の説明を続ける。 始点ノードND_1はグループACK要求フレームDT_ARを送信後、終点ノードからのグループACKフレームDT_GAの受信を待つ。始点ノードND_1は逆方向データフレームを一切受信していないので、ダミーフレームDT_EPを送信する必要はない。
【0046】
グループACK要求フレームDT_ARを受信した終点ノードND_5は、当該フレームへの応答であるグループACKフレームDT_GAを返信する。DT_GAを受信した各ノードは、それ以前に逆方向データフレームを一切受信していない場合、即座にDT_GAを先行するノードへ向けて中継する。たとえば、ノードND_4では時間TBS20においてDT_GAを終点ノードから受信しており、かつそれ以前に全く逆方向データフレームを受信していないため、時間TBS21においてただちにDT_GAをノードND_3へ向けて返信している。これを繰り返し、DT_GAは始点ノードまで届けられる。
【0047】
終点ノードでは、データフレームのタイムスタンプ等の情報から、受信されていないデータフレームを抽出し、これらのデータフレームの再送を促すための情報をDT_GAに載せる。
【0048】
DT_GAを時間TBS23において受信した始点ノードND_1は、もし受信したDT_GAに再送データフレームの要求がきさいされていれば、該当するフレームを再送する。
【0049】
以上を再送する順方向フレームが無くなるまで続け、再送すべきデータフレームがなくなれば無線チャネル予約解除のための制御フレームを始点ノードから中間ノードを経由して終点ノードまで中継し、すべての中継処理を終える。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、無線LAN、セルラーシステム、FWA等の無線アクセスシステムにおける無線中継ネットワークとして広く適用可能である。また、いわゆるアドホックネットワークと呼ばれる端末間無線中継にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明におけるフレーム中継法の概要を説明する図
【図2】本発明における無線チャネル予約ステップを説明する図
【図3】本発明における送信周期設定ステップを説明する第一図
【図4】本発明における送信周期設定ステップを説明する第二図
【図5】本発明におけるフレーム中継ステップの第一の実施例を説明する第一の図
【図6】本発明におけるフレーム中継ステップの第一の実施例を説明する第ニの図
【図7】本発明におけるフレーム中継ステップの第一の実施例を説明する第三の図
【図8】本発明におけるフレーム中継ステップの第一の実施例を説明する第四の図
【図9】本発明の第二の実施例におけるフレーム中継を説明する第一の図
【図10】本発明の第二の実施例におけるフレーム中継を説明する第二の図
【図11】本発明の第二の実施例におけるフレーム中継を説明する第三の図
【図12】周期的間欠送信法を説明する第一の図
【図13】周期的間欠送信法を説明する第二の図
【図14】中継経路に枝分かれ分岐が存在する場合の問題を説明する図
【符号の説明】
【0052】
N_S 始点ノード
N_1~N_7 中継ノード
N_E 終点ノード
P_S_3、P_S_5 送信周期
f1 周波数
T1 時間
NA_1~NA_6 ノード
NB_1~NB_3 ノード
Node_1 始点ノード
Node_2~Node_N-1 中継ノード
Node_N 終点ノード
Beacon_1、Beacon_2、Beacon_N ビーコンフレーム
Node_O1 周辺ノード
ACK_R 経路予約完了フレーム
ND_1~ND_10 経路ノード
TB1~TB39 時間ブロック番号
TBS1~TBS28 時間ブロック番号
PD_1 周期設定先行フレーム
PD_2 周期設定後続フレーム
R_OK 受信成功状態を示す記号
R_NG 受信失敗の状態を示す記号
DIFS キャリア検出期間
SIFS 周期設定ステップにおけるフレーム送信待機時間
IPT_IFS フレーム中継ステップにおける送信待機時間
Tss 送信周期
T_PD_1 周期設定先行フレームの時間長
T_PD_1_Busy 周期設定先行フレームが始点ノードにおいてキャリア検出される時間ブロック数
Ts 意図的周期時間ブロック数
CD 衝突検出フレーム
OK 周期設定完了フレーム
DT_U1~DT_U5 順方向のデータフレーム
DT_D1~DT_D3 逆方向のデータフレーム
DT_EP ダミーフレーム
DT_AR グループACK要求フレーム
DT_GA グループACKフレーム
DT_GAR グループACK返答フレーム
Tspc_A 送信周期
DT_R1、DT_R2、DT_Ux 順方向の再送データフレーム
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13