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明細書 :新規化合物、求電子的ペルフルオロアルキル化剤、求電子的フルオロメチル化剤、ペルフルオロアルキル化有機化合物の製造方法およびフルオロメチル化有機化合物の製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4910147号 (P4910147)
公開番号 特開2008-214281 (P2008-214281A)
登録日 平成24年1月27日(2012.1.27)
発行日 平成24年4月4日(2012.4.4)
公開日 平成20年9月18日(2008.9.18)
発明の名称または考案の名称 新規化合物、求電子的ペルフルオロアルキル化剤、求電子的フルオロメチル化剤、ペルフルオロアルキル化有機化合物の製造方法およびフルオロメチル化有機化合物の製造方法
国際特許分類 C07C 381/00        (2006.01)
C07C 319/14        (2006.01)
C07C 323/09        (2006.01)
FI C07C 381/00 CSP
C07C 319/14
C07C 323/09
請求項の数または発明の数 6
全頁数 17
出願番号 特願2007-054891 (P2007-054891)
出願日 平成19年3月5日(2007.3.5)
審査請求日 平成22年2月2日(2010.2.2)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304021277
【氏名又は名称】国立大学法人 名古屋工業大学
発明者または考案者 【氏名】柴田 哲男
【氏名】融 健
【氏名】則竹 瞬
審査官 【審査官】水島 英一郎
参考文献・文献 特開2005-145917(JP,A)
調査した分野 C07C 381/00
C07C 323/09
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
基質を求電子的にペルフルオロアルキル化するのに用いられ、下記の一般式(1)で表される求電子的ペルフルオロアルキル化
一般式(1):
【化1】
JP0004910147B2_000018t.gif

(式中,R,R,R,R,及びR,は同一の若しくは異なる基であって,水素原子,ハロゲン原子,ニトロ基,シアノ基,炭素数6から10のアリール基,炭素数1から6で置換もしくは未置換のアルキル基,炭素数1から6のハロアルキル基,炭素数1から6のアルコキシ基,炭素数2から6のアルカノイル基,炭素数2から6のアルコキシカルボニル基,炭素数3から7のカルバモイル基,アルキル及びアリール置換スルホニル基を表し,RとR,RとRが結合して環状構造を成してもよく,その環は芳香環であっても良い。RとRは同一の若しくは異なる基であって,炭素数6から10のアリール基,炭素数1から6で置換もしくは未置換のアルキル基,炭素数1から6のハロアルキル基,炭素数2から6のアルカノイル基,アルキル及びアリール置換スルホニル基を表し,
RとRが結合して環状構造を成してもよく,その環は芳香環であっても良い。Rfは炭素数1から20のペルフルオロアルキル基を示す。Xはハロゲン原子,トリフラート,トリフルオロメタンスルホンイミダイド,テトラフルオロボレート,ヘキサフルオロホスフェート,ペンタフルオロアンチモネートを表す。)
【請求項2】
基質を求電子的にフルオロメチル化するのに用いられ、下記の一般式(2)で表される求電子的フルオロメチル化
一般式(2):
JP0004910147B2_000019t.gif
(式中,R,R,R,R及びR,は同一の若しくは異なる基であって,水素原子,ハロゲン原子,ニトロ基,シアノ基,炭素数6から10のアリール基,炭素数1から6で置換もしくは未置換のアルキル基,炭素数1から6のハロアルキル基,炭素数1から6のアルコキシ基,炭素数2から6のアルカノイル基,炭素数2から6のアルコキシカルボニル基,炭素数3から7のカルバモイル基,アルキル及びアリール置換スルホニル基を表し,RとR,RとRが結合して環状構造を成してもよく,その環は芳香環であっても良い。RRは同一の若しくは異なる基であって,炭素数6から10のアリール基,炭素数1から6で置換もしくは未置換のアルキル基,炭素数1から6のハロアルキル基,炭素数2から6のアルカノイル基,アルキル及びアリール置換スルホニル基を表し,
RとRが結合して環状構造を成してもよく,その環は芳香環であっても良い。Xはハロゲン原子,トリフラート,トリフルオロメタンスルホンイミダイド,テトラフルオロボレート,ヘキサフルオロホスフェート,ペンタフルオロアンチモネートを表す。nは1から3の数字を表す。)
【請求項3】
下記の一般式(1)表される化合物
一般式(1):
JP0004910147B2_000020t.gif
(式中,R,R,R,R,及びR,は同一の若しくは異なる基であって,水素原子,ハロゲン原子,ニトロ基,シアノ基,炭素数6から10のアリール基,炭素数1から6で置換もしくは未置換のアルキル基,炭素数1から6のハロアルキル基,炭素数1から6のアルコキシ基,炭素数2から6のアルカノイル基,炭素数2から6のアルコキシカルボニル基,炭素数3から7のカルバモイル基,アルキル及びアリール置換スルホニル基を表し,RとR,RとRが結合して環状構造を成してもよく,その環は芳香環であっても良い。RとRは同一の若しくは異なる基であって,炭素数6から10のアリール基,炭素数1から6で置換もしくは未置換のアルキル基,炭素数1から6のハロアルキル基,炭素数2から6のアルカノイル基,アルキル及びアリール置換スルホニル基を表し,
RとRが結合して環状構造を成してもよく,その環は芳香環であっても良い。Rfは炭素数1から20のペルフルオロアルキル基を示す。Xはハロゲン原子,トリフラート,トリフルオロメタンスルホンイミダイド,テトラフルオロボレート,ヘキサフルオロホスフェート,ペンタフルオロアンチモネートを表す。)
【請求項4】
下記の一般式(2)で表される化合物。
一般式(2):
JP0004910147B2_000021t.gif
(式中,R,R,R,R,及びR,は同一の若しくは異なる基であって,水素原子,ハロゲン原子,ニトロ基,シアノ基,炭素数6から10のアリール基,炭素数1から6で置換もしくは未置換のアルキル基,炭素数1から6のハロアルキル基,炭素数1から6のアルコキシ基,炭素数2から6のアルカノイル基,炭素数2から6のアルコキシカルボニル基,炭素数3から7のカルバモイル基,アルキル及びアリール置換スルホニル基を表し,RとR,RとRが結合して環状構造を成してもよく,その環は芳香環であっても良い。RRは同一の若しくは異なる基であって,炭素数6から10のアリール基,炭素数1から6で置換もしくは未置換のアルキル基,炭素数1から6のハロアルキル基,炭素数2から6のアルカノイル基,アルキル及びアリール置換スルホニル基を表し,
RとRが結合して環状構造を成してもよく,その環は芳香環であっても良い。Xはハロゲン原子,トリフラート,トリフルオロメタンスルホンイミダイド,テトラフルオロボレート,ヘキサフルオロホスフェート,ペンタフルオロアンチモネートを表す。nは1から3の数字を表す。)
【請求項5】
請求項に記載した求電子的ペルフルオロアルキル化剤と基質とを反応させて、ペルフルオロアルキル基を有する有機化合物を直接的に得る、ペルフルオロアルキル化有機化合物の製造方法。
【請求項6】
請求項2に記載した求電子的フルオロメチル化剤と基質とを反応させて、フルオロメチル基を有する有機化合物を直接的に得る、フルオロメチル化有機化合物の製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は,新規化合物、求電子的ペルフルオロアルキル化剤、求電子的フルオロメチル化剤、ペルフルオロアルキル化有機化合物の製造方法およびフルオロメチル化有機化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年,含フッ素有機化合物が医薬,農薬,マテリアルサイエンスなどの分野で注目を集めており,中でもペルフルオロアルキル基を有する有機化合物は重要なターゲット分子である。しかし直接的なペルフルオロアルキル化反応の報告例は少なく,実用的な方法には程遠い。
【0003】
ペルフルオロアルキル基として代表的なものにトリフルオロメチル(CF3)基がある。CF3基を直接的に有機分子に導入する方法は,その主流として求核的CF3化試薬あるいは求電子的CF3化試薬を用いる二つのタイプに大別できる。求核的CF3化試薬として,最も一般的には(トリフルオロメチル)トリメチルシランが用いられている。一方,求電子的CF3化試薬としてこれまでに,梅本らが開発したチオフェニウム塩(後記の非特許および特許)や,Togniらによるヨードニウム塩(後記の非特許)などが,わずかに報告されているが,いずれも反応性は低く,試薬を開発した研究者を含め,ほとんど使用された形跡がない。このような状況から新しい,直接的な求電子的CF3化試薬の開発が望まれていた。

【非特許文献1】Umemoto, Teruo; Ishihara, Sumi. Journal of the American Chemical Society (1993), 115(6), 2156-64.
【非特許文献2】Umemoto, Teruo; Ishihara, Sumi. Tetrahedron Letters (1990), 31(25), 3579-82.
【非特許文献3】Umemoto, Teruo; Ishihara, Sumi. Tetrahedron Letters (1990), 31(25), 3579-82.
【非特許文献4】Eisenberger, Patrick; Gischig, Sebastian; Togni, Antonio. Chemistry--A European Journal (2006), 12(9), 2579-2586.
【非特許文献5】Kieltsch, Iris; Eisenberger, Patrick; Togni, Antonio. Angew. Chem. Int.Ed. (2007), 46(5), 754-757
【特許文献6】Adachi, Kenji; Ishihara, Toshimi. (2005), JP 2005145917
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような事情から,本発明の目的は,新規化合物、それを用いた求電子的ペルフルオロアルキル化剤、求電子的フルオロメチル化剤提供することであり,さらにそれを用いたペルフルオロアルキル化有機化合物の製造方法、フルオロメチル化有機化合物の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
即ち,本発明は,下記の一般式(1)で表される化合物および求電子的ペルフルオロアルキル化に係わるものである。
一般式(1):
【0006】
【化1】
JP0004910147B2_000002t.gif

【0007】
(式中,R,R,R,R,及びR,は同一の若しくは異なる基であって,水素原子,ハロゲン原子,ニトロ基,シアノ基,炭素数6から10のアリール基,炭素数1から7で置換もしくは未置換のアルキル基,炭素数1から6のハロアルキル基,炭素数1から6のアルコキシ基,炭素数2から6のアルカノイル基,炭素数2から6のアルコキシカルボニル基,炭素数3から7のカルバモイル基,アルキル及びアリール置換スルホニル基を表し,RとR,RとRが結合して環状構造を成してもよく,その環は芳香環であっても良い。RとRは同一の若しくは異なる基であって,炭素数6から10のアリール基,炭素数1から6で置換もしくは未置換のアルキル基,炭素数1から6のハロアルキル基,炭素数2から6のアルカノイル基,アルキル及びアリール置換スルホニル基を表し,
RとRが結合して環状構造を成してもよく,その環は芳香環であっても良い。Rfは炭素数1から20のペルフルオロアルキル基を示す。Xはハロゲン原子,トリフラート,トリフルオロメタンスルホンイミダイド,テトラフルオロボレート,ヘキサフルオロホスフェート,ペンタフルオロアンチモネートを表す。)
本発明はまた,下記の一般式(2)で表される化合物および求電子的フルオロメチル化試薬にも係わるものである。
一般式(2):
【0008】
【化2】
JP0004910147B2_000003t.gif

【0009】
(式中,R,R,R,R,R,R,R,及びXは,前記したものと同じである。nは1から3の数字を表す。)
本発明は更に, 一般式(1)で表される求電子的ペルフルオロアルキル化剤と基質とを反応させて、ペルフルオロアルキル基を有する有機化合物を直接的に得る、ペルフルオロアルキル化有機化合物の製造方法や、一般式(2)で表される求電子的フルオロメチル化剤と基質とを反応させて、フルオロメチル基を有する有機化合物を直接的に得る、フルオロメチル化有機化合物の製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明者は,鋭意研究の結果,新規な構造を持つ新規化合物の製造に成功し、さらに、新規な構造を持つ求電子的ペルフルオロアルキル化を用いて,求電子的ペルフルオロアルキル化反応を見出すことに成功した。
すなわち、本発明によれば、新規化合物、それを用いた求電子的ペルフルオロアルキル化剤、求電子的フルオロメチル化剤を提供することができる。さらにそれを用いたペルフルオロアルキル化有機化合物の製造方法、フルオロメチル化有機化合物の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明において,下記の一般式(1)で表される求電子的ペルフルオロアルキル化試薬が,特に好ましい。
【0012】
一般式(1):
JP0004910147B2_000004t.gif
【0013】
(式中,R,R,R,R,及びR,は同一の若しくは異なる基であって,水素原子,ハロゲン原子,ニトロ基,シアノ基,炭素数6から10のアリール基,炭素数1から7で置換もしくは未置換のアルキル基,炭素数1から6のハロアルキル基,炭素数1から6のアルコキシ基,炭素数2から6のアルカノイル基,炭素数2から6のアルコキシカルボニル基,炭素数3から7のカルバモイル基,アルキル及びアリール置換スルホニル基を表し,RとR,RとRが結合して環状構造を成してもよく,その環は芳香環であっても良い。RとRは同一の若しくは異なる基であって,炭素数6から10のアリール基,炭素数1から6で置換もしくは未置換のアルキル基,炭素数1から6のハロアルキル基,炭素数2から6のアルカノイル基,アルキル及びアリール置換スルホニル基を表し,
RとRが結合して環状構造を成してもよく,その環は芳香環であっても良い。Rfは炭素数1から20のペルフルオロアルキル基を示す。Xはハロゲン原子,トリフラート,トリフルオロメタンスルホンイミダイド,テトラフルオロボレート,ヘキサフルオロホスフェート,ペンタフルオロアンチモネートを表す。)
本発明において,前記Rfがトリフルオロメチル基であるのがよい。この他に,前記Rfとして,ペンタフルオロエチル基,ペルフルオロプロピル基,ペルフルオロイソプロピル基,ペルフルオロブチル基,ペルフルオロイソブチル基,ペルフルオロペンチル基,ペルフルオロイソペンチル基,ペルフルオロヘキシル基,ペルフルオロシクロヘキシル基,ペルフルオロクチル基,ペルフルオロデシル基,ペルフルオロドデシル基,ペルフルオロクタデシル基,などを挙げることができる。
【0014】
また,前記一般式(1)又は前記一般式(2)で表される求電子的ペルフルオロアルキル化剤において
前記ハロゲン原子とは,フッ素原子,塩素原子,臭素原子,ヨウ素原子を表し,
前記炭素数6から10のアリール基として,フェニル基,ナフチル基などが挙げられ,
前記炭素数1から7のアルキル基として,メチル基,エチル基,プロピル基,イソプロピル基,ブチル基,イソブチル基,ペンチル基,ベンジル基などが挙げられ,
前記炭素数1から6のハロアルキル基として,トリフルオロメチル基,ペンタフルオロエチル基,ペルフルオロプロピル基,ヘキサフルオロイソプロピル基,ペルフルオロブチル基,ペルフルオロペンチル基,ジフルオロメチル基,1,1,2,2-テトラフルオロエチル基,2,2,2-トリフルオロエチル基,3,3,3-トリフルオロプロピル基,トリクロロメチル基,2,2,2-トリクロロエチル基などが挙げられ,
前記炭素数1から6のアルコキシ基として,メトキシ基,エトキシ基,プロポキシ基,イソプロポキシ基,ブトキシ基などが挙げられ,
炭素数2から6のアルカノイル基として,アセチル記,エタノイル基,プロパノイル基,イソプロパノイル基,ブタノイル基,イソブタノイル基,などが挙げられ,
炭素数2から6のアルコキシカルボニル基として,メトキシカルボニル基,エトキシカルボニル基,プロポキシカルボニル基などが挙げられ,
炭素数3から7のカルバモイル基として,ジメチルカルバモイル基,ジエチルカルバモイル基などが挙げられ,
アルキル及びアリール置換スルホニル基として,メシチル基,トシル基,ノシル基,トリフルオロメタンスルホニル基などが挙げられる。
【0015】
具体的には,下記の構造の化合物が例示できるが,これに限定されるわけではない。
【0016】
【化3】
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【0017】
これらの求電子的ペルフルオロアルキル化剤は,下記の反応機構で合成することができる。これらの反応の原料であるスルホキシイミンは,対応するジスルフィドから,既に報告されている公知の方法(Synthesis, 1982, 252-254; J. Org. Chem. 1999, 64, 2873-2876; J. Org. Chem. USSR., 1984, 20, 2051-2052)で合成することができる。
【0018】
【化4】
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【0019】
ペルフルオロアルキル化反応を受ける基質としては,さまざまな求核剤が挙げられ,これらに限定されるわけではないが,例えば,グリニヤール試薬(R-MgX,Ar-MgX),アルキルメタル(R-M),アルケニルメタル(RRC=CRM),アルキニルメタル(RC≡CM),アリールメタル(Ar-M),などの有機金属試薬,エナミン,シリルエノールエーテル,アルコキシド,フェノキシド,チオアルコキシド及びチオフェノキシドなどが挙げられる。ただし,式中,MはLi,Na,K,ZnX,およびCuXなどである(ただし,Rはアルキル基,Arはアリール基,R,R及びRは水素原子,ハロゲン原子,アルキル基またはアリール基,Xはハロゲン原子を表す。以下,同様。)。
【0020】
ペルフルオロアルキル化反応に用いる溶媒としては,通常有機溶媒で使用される溶媒を用いることができる。例えば,ジエチルエーテル,ジイソプロピルエーテル,テトラヒドロフラン(THF),ジメトキシエタン,のようなエーテル計溶媒,塩化メチレン等のハロゲン系溶媒,アセトニトリル,プロピオニトリル,ジメチルホルムアミド(DMF),ジメチルスルホキシド(DMSO),N-メチル-2-ピロリジノン(NMP),ヘキサメチルホスホルアミド(HMPA),1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI)などが挙げられ, これらの溶媒を2種以上混合して用いてもよい。
【0021】
反応温度は,それぞれの反応で適した温度を選択すればよいが, -100度Cから250度Cの範囲内で行なわれ, 好ましくは-80度Cから150度Cで実施される。
【実施例】
【0022】
以下,本発明を実施例及び比較例により更に説明するが,本発明は下記の例に何ら限定されるものではない。
求電子的ペルフルオロアルキル化試薬の合成
まず,実施例1において,求電子的ペルフルオロアルキル化試薬として種々のトリフルオロメチル化試薬6を合成した。
<実施例1>(トリフルオロメチル化試薬6の合成)
下記のように,ジフェニルジスルフィド(1)からベンゼンスルフィン酸メチル(2)を経て,フッ化セシウム触媒存在下,(トリフルオロメチル)トリメチルシランと反応させることにより,フェニル(トリフルオロメチル)スルホキシド(3)を合成し,これを発煙硫酸中,ナトリウムアジドにてS-フェニル-S-トリフルオロメチルスルホキシイミン(4)とし,アルキルハライド(RXと略記。Rはアルキル基,Xはハロゲン原子を表す。)によってモノアルキル化体5を合成し,続いて,メチルトリフラートによってトリフルオロメチル化剤であるスルホキシイミン4のジアルキル化体トリフルオロメタンスルホン酸塩6を合成した。実施した合成の,スキームの一例を示す。
【0023】
【化4】
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【0024】
【化5】
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【0025】
ジフェニルジスルフィド(1)(10.0 g, 45.8 mmol)の200 mlメタノール懸濁液を, 氷浴にて0 度Cに冷却し, そこへN-ブロモスクシンイミド(24.5 g, 137 mmol)を加え, 撹拌しながら徐々に室温まで昇温し,15分間撹拌した。
【0026】
塩化メチレンを加え, 混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にて2 回洗浄した後,水で1 回,飽和塩化ナトリウム水溶液で1 回洗浄し,無水硫酸ナトリウムで乾燥,有機溶媒を留去し,ベンゼンスルフィン酸メチル(2)(7.21 g , 定量的収率)を得た。
【0027】
ベンゼンスルフィン酸メチル(2)(7.21 g, 46.2 mmol ),(トリフルオロメチル)トリメチルシラン (7.02 ml, 47.5 mmol), フッ化セシウム (70.2 mg, 0.462 mmol)の混合物を100 度Cに加熱し,5時間撹拌した後,(トリフルオロメチル)トリメチルシラン (7.02 ml, 47.5 mmol), フッ化セシウム (70.2 mg, 0.462 mmol)を再度加え,100 度Cで2時間撹拌した。
【0028】
室温まで冷却した後,反応混合物を水で1 回,飽和塩化ナトリウム水溶液で1 回洗浄し,無水硫酸ナトリウムで乾燥,有機溶媒を留去し,シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 50 g, ヘキサン:酢酸エチル=8.5:1.5→8:2)で精製し,フェニル(トリフルオロメチル)スルホキシド(3)(7.83 g, 87%収率)を得た。
【0029】
フェニルトリフルオロメチルスルホキシド(3)(1 g, 5.15 mmol)を25% 発煙硫酸5 mlに溶解させ,0 度Cに冷却し, そこへナトリウムアジド(335 mg, 5.2 mmol)を少量ずつ5 分かけて加えた。その後,70 度Cに加熱し,1.5 時間撹拌した後,室温まで冷却し,再度ナトリウムアジド(335 mg, 5.2 mmol)を少量ずつ5 分かけて加え,70 度Cで1.5 時間撹拌した。
【0030】
室温まで冷却して,反応液を氷水に加えた。混合物を塩化メチレンで3 回抽出した後,有機層を混合し,飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で1 回,飽和塩化ナトリウム水溶液で1 回洗浄し,無水硫酸ナトリウムで乾燥,有機溶媒を留去し,S-フェニル-S-トリフルオロメチルスルホキシイミン(4)(873 mg, 81%収率)を得た。
【0031】
【化6】
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【0032】
S-フェニル-S-トリフルオロメチルスルホキシイミン(4)(243 mg, 1.16 mmol)と,炭酸カリウム(802 mg, 5.80 mmol)の8.5 ml THF懸濁液に, ヨウ化メチル (0.361 ml, 5.80 mmol)を加え,撹拌しながら16.5 時間加熱還流した。
【0033】
室温まで冷却した後,セライトを用いて反応混合物をろ過し,溶媒を留去してからシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 8 g, ヘキサン:酢酸エチル=8.5:1.5)で精製し,N-メチル-S-フェニル-S-トリフルオロメチルスルホキシイミン(5a)(0.199 g, 77%収率)を得た。
【0034】
N-メチル-S-フェニル-S-トリフルオロメチルスルホキシイミン(5a)(500 mg, 2.24 mmol)とトリフルオロメタンスルホン酸メチル(0.253 ml, 2.24 mmol)を混合し,室温で6 時間撹拌した。
【0035】
粗製性物の19F NMRから93%の転化率で反応が進行していることを確認した。粗製性物を水に溶かしこれをジエチルエーテルにて洗浄し,水を減圧下留去し,凍結乾燥し,(ジメチルアミノ)(トリフルオロメチル)フェニルオキソスルホニウム トリフルオロメタンスルホン酸塩(6a)を得た。
【0036】
【化7】
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【0037】
S-フェニル-S-トリフルオロメチルスルホキシイミン(4)(200 mg, 0.956 mmol)と,炭酸カリウム(661 mg, 4.78 mmol)の3.0 ml THF懸濁液に, ヨウ化エチル (0.382 ml, 4.78 mmol)を加え,撹拌しながら1.5日間加熱還流した。さらにヨウ化エチル (0.153 ml, 1.91 mmol)を加え,10時間撹拌した。
【0038】
室温まで冷却した後,セライトを用いて反応混合物をろ過し,溶媒を留去してからシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 15 g, ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製し,N-エチル-S-フェニル-S-トリフルオロメチルスルホキシイミン(5b)(124 mg, 55%収率)を得た。
【0039】
N-エチル-S-フェニル-S-トリフルオロメチルスルホキシイミン(5b)(173 mg, 0.728 mmol)とトリフルオロメタンスルホン酸メチル(0.0824 ml, 0.728 mmol)を混合し,室温で1日間撹拌した。
【0040】
粗製性物の19F NMRから95%の転化率で反応が進行していることを確認した。粗製性物を水に溶かしこれをジエチルエーテルにて洗浄し,水を減圧下留去し,凍結乾燥し,[(エチル)(メチル)アミノ](トリフルオロメチル)フェニルオキソスルホニウム トリフルオロメタンスルホン酸塩(6b)を得た。
【0041】
【化8】
JP0004910147B2_000011t.gif

【0042】
S-フェニル-S-トリフルオロメチルスルホキシイミン(4)(200 mg, 0.956 mmol)と,炭酸カリウム(661 mg, 4.78 mmol)の3.0 ml THF懸濁液に, 1-臭化プロパンを加え,撹拌しながら5日間加熱還流した。合計,1-臭化プロパン1.56 ml(17.2 mmol)を,3回に分けて加えた。
【0043】
室温まで冷却した後,セライトを用いて反応混合物をろ過し,溶媒を留去してからシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 15 g, ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製し,N-(1-プロピル)-S-フェニル-S-トリフルオロメチルスルホキシイミン(5c)(116 mg, 48%収率)を得た。
【0044】
N-(1-プロピル)-S-フェニル-S-トリフルオロメチルスルホキシイミン(5c)(110 mg, 0.439 mmol)とトリフルオロメタンスルホン酸メチル(0.0497 ml, 0.439 mmol)を混合し,室温で1日間撹拌した。
【0045】
粗製性物の19F NMRから91%の転化率で反応が進行していることを確認した。粗製性物を水に溶かしこれをジエチルエーテルにて洗浄し,水を減圧下留去し,凍結乾燥し,[(メチル)(1-プロピル)アミノ](トリフルオロメチル)フェニルオキソスルホニウム トリフルオロメタンスルホン酸塩(6c)を得た。
【0046】
【化9】
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【0047】
S-フェニル-S-トリフルオロメチルスルホキシイミン(4)(1 g, 4.78 mmol)と,炭酸カリウム(3.3 g, 23.9 mmol)の35 ml THF懸濁液に, 臭化ベンジル (2.84 ml, 23.9 mmol)を加え,撹拌しながら40時間加熱還流した。
【0048】
室温まで冷却した後,セライトを用いて反応混合物をろ過し,溶媒を留去してからシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 10 g, ヘキサン:酢酸エチル=8:2)で精製し,N-(ベンジル)-S-フェニル-S-トリフルオロメチルスルホキシイミン(5d)(1.25 g, 87%収率)を得た。
【0049】
N-(ベンジル)-S-フェニル-S-トリフルオロメチルスルホキシイミン(5d)(500 mg, 1.67 mmol)とトリフルオロメタンスルホン酸メチル(0.189 ml, 1.67 mmol)を混合し,室温で1日間撹拌した。
【0050】
粗製性物の19F NMRから76%の転化率で反応が進行していることを確認した。粗製性物を水に溶かしこれをジエチルエーテルにて洗浄し,水を減圧下留去し,凍結乾燥し,[(ベンジル)(メチル)アミノ](トリフルオロメチル)フェニルオキソスルホニウム トリフルオロメタンスルホン酸塩(6d)を得た。
【0051】
【化10】
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【0052】
S-フェニル-S-トリフルオロメチルスルホキシイミン(4)(200 mg, 0.956 mmol)と,炭酸カリウム(661 mg, 4.78 mmol)の3.0 ml THF懸濁液に, 2-ヨードプロパンを加え,撹拌しながら5日間加熱還流した。合計,1-臭化プロパン1.72 ml(17.2 mmol)を,3回に分けて加えた。
【0053】
室温まで冷却した後,セライトを用いて反応混合物をろ過し,溶媒を留去してからシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 15 g, ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製し,N-(2-プロピル)-S-フェニル-S-トリフルオロメチルスルホキシイミン(5e)(65.8 mg, 27%収率)を得た。
【0054】
N-(2-プロピル)-S-フェニル-S-トリフルオロメチルスルホキシイミン(5e)(110 mg, 0.439 mmol)とトリフルオロメタンスルホン酸メチル(0.0497 ml, 0.439 mmol)を混合し,室温で1日間撹拌した。
【0055】
粗製性物の19F NMRから91%の転化率で反応が進行していることを確認した。粗製性物を水に溶かしこれをジエチルエーテルにて洗浄し,水を減圧下留去し,凍結乾燥し,[(メチル)(2-プロピル)アミノ](トリフルオロメチル)フェニルオキソスルホニウム トリフルオロメタンスルホン酸塩(6e)を得た。
【0056】
得られたトリフルオロメチル化試薬6のアニオン交換を実施した。具体的にはトリフルオロメタンスルホン酸イオンからテトラフルオロホウ酸イオンへの交換を行なった。イオン交換法は公知の方法(Organometallics, 2006, 25, 1831-1834)を参考に行なった。
【0057】
【化11】
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【0058】
(ジメチルアミノ)(トリフルオロメチル)フェニルオキソスルホニウム トリフルオロメタンスルホン酸塩(6a)(100 mg, 0.258 mmol)と,飽和テトラフルオロホウ酸ナトリウム水溶液3 mlの混合物を30 mlのメタノールに溶かし,室温にて1日間撹拌した。
【0059】
減圧下,メタノールを留去し,残留物を水に溶かし,塩化メチレンにて3回抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し,溶媒を減圧下留去し,(ジメチルアミノ)(トリフルオロメチル)フェニルオキソスルホニウム テトラフルオロホウ酸塩(7a)(76.9 mg, 92%収率)を得た。
【0060】
【化12】
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【0061】
[(エチル)(メチル)アミノ](トリフルオロメチル)フェニルオキソスルホニウム トリフルオロメタンスルホン酸塩(6b)(32.1 mg, 0.080 mmol)と,飽和テトラフルオロホウ酸ナトリウム水溶液1 mlの混合物を15 mlのメタノールに溶かし,室温にて1日間撹拌した。
【0062】
減圧下,メタノールを留去し,残留物を水に溶かし,塩化メチレンにて3回抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し,溶媒を減圧下留去し,[(エチル)(メチル)アミノ](トリフルオロメチル)フェニルオキソスルホニウム テトラフルオロホウ酸塩(7b)(20.6 mg, 76%収率)を得た。
【0063】
【化13】
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【0064】
[(ベンジル)(メチル)アミノ](トリフルオロメチル)フェニルオキソスルホニウム トリフルオロメタンスルホン酸塩(6d)(36.5 mg, 0.0788 mmol)と,飽和テトラフルオロホウ酸ナトリウム水溶液1 mlの混合物を15 mlのメタノールに溶かし,室温にて1日間撹拌した。
【0065】
減圧下,メタノールを留去し,残留物を水に溶かし,塩化メチレンにて3回抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し,溶媒を減圧下留去し,[(ベンジル)(メチル)アミノ](トリフルオロメチル)フェニルオキソスルホニウム テトラフルオロホウ酸塩(7d)(23.2 mg, 73%収率)を得た。
【0066】
ベンゼンスルフィン酸メチル(2),フェニル(トリフルオロメチ)スルホキシド(3),S-フェニル-S-トリフルオロメチルスルホキシイミン(4),スルホキシイミンのモノアルキル化体5a-d,スルホキシイミンのモノアルキル化体 トリフルオロメタンスルホン酸塩6a-d,スルホキシイミンのモノアルキル化体 テトラフルオロホウ酸塩7a,b,dのスペクトルデータを以下に示す。
ベンゼンスルフィン酸メチル(2):
1H NMR (200 MHz, CDCl3): δ 7.73-7.68 (m, 2H, PhH), 7.58-7.53 (m, 3H, PhH),3.48 (s, 3H, OCH3) ppm
フェニル(トリフルオロメチ)スルホキシド(3):
1H NMR (200 MHz, CDCl3): δ 7.81-7.77 (m, 2H, PhH), 7.67-7.60 (m, 3H, PhH) ppm
19F NMR (188 MHz, CDCl3): δ-74.3 (s, 3F, CF3) ppm
S-フェニル-S-トリフルオロメチルスルホキシイミン(4):
1H NMR (200 MHz, CDCl3): δ 8.14 (d, J=7.8 Hz, 2H, PhH), 7.82-7.73 (m, 1H, PhH), 7.68-7.59 (m, 2H, PhH), 3.60 (br, 1H, NH) ppm
19F NMR (188 MHz, CDCl3): δ-78.6 (s, 3F, CF3) ppm
N-メチル-S-フェニル-S-トリフルオロメチルスルホキシイミン(5a):
1H NMR (200 MHz, CDCl3): δ 8.07 (d, J=7.8 Hz, 2H, PhH), 7.72 (t, J=7.8 Hz, 1H, PhH), 7.58 (t, J=7.8 Hz, 2H, PhH), 3.09 (q, 3H, J=2.2 Hz, NCH3) ppm
19F NMR (188 MHz, CDCl3): δ-72.1 (s, 3F, CF3) ppm
IR (NaCl): 3068, 2937, 2890, 2831, 1449, 1298, 1204, 1174, 1135, 1085, 1026, 999, 858, 759, 746, 719, 685 cm-1
DI-MS: 223(M+), 154(M+- CF3), 125(M+- CF3-N CH3)
(ジメチルアミノ)(トリフルオロメチル)フェニルオキソスルホニウム トリフルオロメタンスルホン酸塩(6a):
1H NMR (200 MHz, CDCl3): δ 8.46 (d, J=7.6 Hz, 2H, PhH), 8.18 (t, J=7.6 Hz, 1H, PhH),8.02 (t, J=7.6 Hz, 2H, PhH), 3.49 (s, 6H, N(CH3)2) ppm
19F NMR (188 MHz, CDCl3): δ-63.5 (s, 3F, PhS(O)(N(CH3) 2CF3), -78.3 (s, 3F, OSO2 CF3)ppm
IR (NaCl): 3089, 3065, 1636, 1575, 1453, 1261, 1154, 1115, 1074, 1031, 957, 776, 754, 694, 678, 638 cm-1
DI-MS: 238(M+-OTf), 194 (M+-OTf-N(CH3) 2), 169(M+-OTf- CF3), 154(M+-OTf- CF3- CH3), 125(M+-OTf- CF3-N(CH3) 2)
(ジメチルアミノ)(トリフルオロメチル)フェニルオキソスルホニウム テトラフルオロホウ酸塩(7a):
1H NMR (200 MHz, CDCl3): δ 8.39 (d, J=8.0 Hz, 2H, PhH), 8.18 (t, J=8.0 Hz, 1H, PhH), 8.01 (t, J=8.0 Hz, 2H, PhH), 3.46 (s, 6H, N(CH3)2) ppm
19F NMR (188 MHz, CDCl3): δ -63.7(s, 3F, PhS(O)(N(CH3) 2CF3), -151.9 (s, 4F, BF4) ppm
IR (KBr): 3082, 3006, 1630, 1573, 1450, 1299, 1254, 1226, 1120, 1073, 1036, 963, 776, 753, 694, 678 cm-1
DI-MS:
N-エチル-S-フェニル-S-トリフルオロメチルスルホキシイミン(5b):
1H NMR (200 MHz, CDCl3): δ 8.08 (d, J=7.8 Hz, 2H, PhH), 7.71 (t, J=7.8 Hz, 1H, PhH), 7.57 (t, J=7.8 Hz, 2H, PhH), 3.57-3.33 (m, 2H, N CH2-), 1.31 (td, J=7.2, 0.6 Hz, 3H, NCH2-CH3) ppm
19F NMR (188 MHz, CDCl3): δ -72.8 (s, 3F, CF3) ppm
IR (NaCl): 3070, 2978, 2936, 2877, 1583, 1477, 1449, 1362, 1315, 1302, 1277, 1200, 1174, 1132, 1083, 1026, 998, 814, 758, 746, 720, 685 cm-1
DI-MS:
[(エチル)(メチル)アミノ](トリフルオロメチル)フェニルオキソスルホニウム トリフルオロメタンスルホン酸塩(6b):
1H NMR (200 MHz, CDCl3): δ 8.42 (d, J=8.0 Hz, 2H, PhH), 8.14 (t, J=8.0 Hz 1H, PhH), 8.02 (t, J=8.0 Hz, 2H, PhH), 3.88 (q, J=7.2 Hz, 2H, NCH2-), 3.45 (s, 3H, NCH3), 1.47 (t, J=7.2 Hz, 3H, NCH2-CH3) ppm
19F NMR (188 MHz, CDCl3): δ -63.9 (s, 3F, ,PhS(O)(N(Me)(Et))CF3), -78.3 (s, 3F, OSO2 CF3)ppm
IR (NaCl): 3094, 3070, 1635, 1575, 1452, 1394, 1334, 1275, 1225, 1157, 1117, 1072, 1032, 997, 979, 930, 774, 757, 737, 688, 638 cm-1
DI-MS: 223(M+-OTf-C2H5), 183(M+-OTf- CF3), 168(M+-OTf- CF3- CH3), 154(M+-OTf- CF3- C2H5 ), 139 (M+-OTf- CF3- CH3- C2H5), 125 (M+-OTf- CF3-N(CH3)( C2H5))
[(エチル)(メチル)アミノ](トリフルオロメチル)フェニルオキソスルホニウムテトラフルオロホウ酸塩(7b):
1H NMR (200 MHz, CDCl3): δ 8.36 (d, J=8.0 Hz, 2H, PhH), 8.19 (t, J=8.0 Hz, 1H, PhH), 8.03(t, J=8.0 Hz, 2H, PhH), 3.84 (q, J=7.0 Hz, 2H, NCH2-), 3.42 (s, 3H, NCH3), 1.46 (t, J=7.0 Hz, 3H, NCH2-CH3) ppm
19F NMR (188 MHz, CDCl3): δ -64.0 (s, 3F, PhS(O)(N(CH3)( C2H5))CF3), -152.0 (s, 4F, BF4) ppm
IR (NaCl): 3100, 2988, 2925, 1636, 1575, 1453, 1395, 1336, 1281, 1231, 1120, 1056, 977, 930, 774, 758, 742, 688 cm-1
DI-MS: 223(M+-OTf-C2H5), 183(M+-OTf- CF3), 168(M+-OTf- CF3- CH3), 154(M+-OTf- CF3- C2H5 ), 125 (M+-OTf- CF3-N(CH3)( C2H5))
N-(1-プロピル)-S-フェニル-S-トリフルオロメチルスルホキシイミン(5c):
1H NMR (200 MHz, CDCl3): δ 8.08 (d, J=7.8 Hz, 2H, PhH), 7.71 (t, J=7.8 Hz, 1H, PhH), 7.57 (t, J=7.8 Hz, 2H, PhH), 3.50-3.22 (m, 2H, NCH2-), 1.68 (sex, J=7.2 Hz, 2H, NCH2-CH2-), 1.00 (t, J=7.2 Hz, 3H, NCH2CH2- CH3) ppm
19F NMR (188 MHz, CDCl3): δ -72.7 (s, 3F, CF3)
IR (NaCl): 2966, 2932, 2876, 1541, 1449, 1318, 1200, 1174, 1131, 1085, 867, 746, 720, 685 cm-1
DI-MS: 251 (M+), 222 (M+-C2H5), 194 (M+-NC3H7), 182 (M+-CF3), 139 (M+-CF3-C3H7), 125 (M+-CF3-NC3H7)
[(メチル)(1-プロピル)アミノ](トリフルオロメチル)フェニルオキソスルホニウム トリフルオロメタンスルホン酸塩(6c):
1H NMR (200 MHz, CDCl3): δ 8.46 (d, J=7.4 Hz, 2H, PhH), 8.18 (t, J=7.4 Hz, 1H, PhH), 8.03 (t, J=7.4 Hz, 2H, PhH), 3.96-3.62 (m, 2H, NCH2-), 3.46 (s, 3H, NCH3), 1.96-1.75 (m, 2H, NCH2-CH2-), 0.96 (t, J=7.4 Hz, 3H, NCH2CH2-CH3) ppm
19F NMR (188 MHz, CDCl3): δ -63.5 (s, 3F, PhS(O)(N(CH3)( C3H7))CF3), -78.2 (s, 3F, OSO2 CF3) ppm
IR (NaCl): 3094, 2976, 2885, 1636, 1575, 1452, 1267, 1225, 1156, 1119, 1073, 1032, 996, 961, 899, 756, 737, 705, 682, 639 cm-1
DI-MS: 237 (M+-OTf-C2H5), 223 (M+-OTf-C3H7), 197 (M+-OTf-CF3), 194 (M+-OTf-N(CH3)(C3H7)), 182 (M+-OTf-CF3-CH3), 168 (M+-OTf-CF3-C2H5), 139 (M+-OTf-CF3-CH3-C3H7), 125 (M+-OTf-CF3-N(CH3)(C3H7))
N-ベンジル-S-フェニル-S-トリフルオロメチルスルホキシイミン(5d):
1H NMR (200 MHz, CDCl3): δ 8.13 (d, J=7.8 Hz, 2H, PhH), 7.73 (t, J=7.8 Hz, 1H, PhH), 7.59 (t, J=7.8 Hz, 2H, PhH), 7.43-7.16 (m, 5H, CH2PhH), 4.58 (dd, J=45.6, 14.6 Hz, 2H, NCH2-), ppm
19F NMR (188 MHz, CDCl3): δ-72.6 (s, 3F, CF3)ppm
IR (NaCl): 3066, 3032, 2919, 2863, 1701, 1583, 1497, 1475, 1449, 1297, 1174, 1128, 1083, 1027, 999, 890, 745, 720, 684 cm-1
DI-MS: 299 (M+), 230 (M+-CF3), 125 (M+-CF3-NCH2Ph)
[(ベンジル)(メチル)アミノ](トリフルオロメチル)フェニルオキソスルホニウム トリフルオロメタンスルホン酸塩(6d):
1H NMR (200 MHz, CDCl3): δ 8.53 (d, J=8.0 Hz, 2H, PhH), 8.19 (t, J=8.0 Hz, 1H, PhH), 8.04 (t, J=8.0 Hz, 2H, PhH), 7.43-7.30 (m, 5H, CH2PhH), 4.97 (dd, J=42.6, 15.2 Hz, 2H, NCH2-), 3.31 (s, 3H, NCH3) ppm
19F NMR (188 MHz, CDCl3): δ -63.1 (s, 3F, PhS(O)(N(CH3)( CH2Ph))CF3), -78.2 (s, 3F, OSO2 CF3) ppm
IR (KBr): 3100, 3067, 2967, 1575, 1498, 1455, 1274, 1154, 1114, 1077, 1032, 995, 964, 935, 913, 856, 822, 810, 769, 759, 746, 696, 683, 639 cm-1
DI-MS: 299 (M+-CH3), 230 (M+-CF3-CH3), 154 (M+-CF3-CH2Ph), 139 (M+-CF3-CH3-CH2Ph), 125 (M+-CF3-N(CH3)(CH2Ph))
[(ベンジル)(メチル)アミノ](トリフルオロメチル)フェニルオキソスルホニウムテトラフルオロホウ酸塩(7d):
1H NMR (200 MHz, CDCl3): δ 8.47 (d, J=8.0 Hz, 2H, PhH), 8.20 (t, J=8.0 Hz, 1H, PhH), 8.04 (t, J=8.0 Hz, 2H, PhH), 7.42-7.25 (m, 5H, CH2PhH), 4.92 (dd, J=35.4, 15.2 Hz, 2H, NCH2-), 3.29 (d, J=1.2 Hz, 3H, NCH3) ppm
19F NMR (188 MHz, CDCl3): δ -63.1 (s, 3F, PhS(O)(N(CH3)( CH2Ph))CF3), -151.6 (s, 4F, BF4)
IR (NaCl): 3098, 3031, 2969, 2925, 1636, 1573, 1497, 1452, 1269, 1233, 1175, 1058, 996, 961, 934, 908, 768, 740, 706, 694, 678, 639 cm-1
DI-MS: 299 (M+-CH3), 230 (M+-CF3-CH3), 125 (M+-CF3-N(CH3)(CH2Ph))
N-(2-プロピル)-S-フェニル-S-トリフルオロメチルスルホキシイミン(5e):
1H NMR (200 MHz, CDCl3): δ 8.08 (d, J=7.4 Hz, 2H, PhH), 7.70 (t, J=7.4 Hz, 1H, PhH), 7.57 (t, J=7.4 Hz, 2H, PhH), 4.00 (m, 1H, NCH-), 1.29 (dd, J=6.2, 2.0 Hz, 6H, NCH-(CH3)2) ppm
19F NMR (188 MHz, CDCl3): δ -73.0 (s, 3F, CF3) ppm
IR (NaCl): 3072, 2974, 2933, 1583, 1449, 1297, 1199, 1173, 1131, 1074, 1025, 999, 905, 778, 752, 722, 685cm-1
DI-MS:
[(メチル)(2-プロピル)アミノ](トリフルオロメチル)フェニルオキソスルホニウム トリフルオロメタンスルホン酸塩(6e):
1H NMR (200 MHz, CDCl3): δ 8.35 (d, J=7.8 Hz, 2H, PhH), 8.20 (t, J=7.8 Hz, 1H, PhH), 8.04 (t, J=7.8 Hz, 2H, PhH), 4.30 (sep, 1H, NCH-), 3.27(s, 3H, J=6.2 Hz, NCH3), 1.51 (dd, J=6.2, 5.7 Hz, 6H, NCH-(CH3)2) ppm
19F NMR (188 MHz, CDCl3): δ -63.6 (s, 3F, PhS(O)(N(CH3)( CH(CH3)2))CF3), -78.3 (s, 3F, OSO2 CF3) ppm
IR (NaCl): 3150, 3095, 2989, 2947, 1716, 1653, 1575, 1469, 1453, 1402, 1382, 1276, 1226, 1158, 1116, 1071, 1031, 935, 879, 773, 757, 736, 721, 684, 638 cm-1
DI-MS:
求電子的ペルフルオロアルキル化反応の実施
実施例2において,求電子的ペルフルオロアルキル化反応として,実施例1で合成したトリフルオロメチル化試薬を用い,トリフルオロメチル化反応を実施した。基質として2-ナフタレンチオールを用いた。
<実施例2>
【0067】
【化14】
JP0004910147B2_000017t.gif


【0068】
2-ナフタレンチオール(20.0 mg, 0.125 mmol)と炭酸カリウム(51.8 mg, 0.375 mmol)をDMF 0.25 ml に懸濁させ,そこへ,トリフルオロメチル化試薬 6bのDMF 0.25 ml溶液を,室温にて滴下した。5分間撹拌した後,水を加えた。
【0069】
反応混合物を酢酸エチルにて3回抽出した後,飽和塩化ナトリウム水溶液にて2回洗浄し,無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。減圧下溶媒を留去し,粗製性物の19F NMR NMRから27%の転化率で目的の(2-ナフチル)トリフルオロメチルスルフィドが得られていることが分かった(内部標準としてトリフルオロメチルベンゼンを1当量加えて分析した)。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 3 g, ヘキサン:トルエン=9:1)で精製し,(2-ナフチル)トリフルオロメチルスルフィド(6.2 mg, 22%収率)とジ(2-ナフチル)ジスルフィド(35.8 mg, 57%収率)を得た。
(2-ナフチル)トリフルオロメチルスルフィド:
1H NMR (200 MHz, CDCl3): δ 8.13 (s, 1H, ArH), 7.89-7.84 (m, 3H, ArH), 7.67-7.61 (m, 1H, ArH), 7.59-7.53(m, 2H, ArH) ppm
19F NMR (188 MHz, CDCl3): δ -42.7 (s, 3F, CF3) ppm

ジ(2-ナフチル)ジスルフィド:
1H NMR (200 MHz, CDCl3): δ 7.96 (s, 1H, ArH), 7.78-7.61 (m, 3H, ArH), 7.62-7.57 (m, 1H, ArH), 7.49-7.38 (m, 2H, ArH) ppm

【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の新規求電子的ペルフルオロアルキル化剤の製造方法は医農薬産業に利用可能である。