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明細書 :光学顕微鏡写真の色むら除去方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4756264号 (P4756264)
公開番号 特開2007-078864 (P2007-078864A)
登録日 平成23年6月10日(2011.6.10)
発行日 平成23年8月24日(2011.8.24)
公開日 平成19年3月29日(2007.3.29)
発明の名称または考案の名称 光学顕微鏡写真の色むら除去方法
国際特許分類 G02B  21/36        (2006.01)
G02B  21/00        (2006.01)
FI G02B 21/36
G02B 21/00
請求項の数または発明の数 3
全頁数 7
出願番号 特願2005-264224 (P2005-264224)
出願日 平成17年9月12日(2005.9.12)
審査請求日 平成20年9月8日(2008.9.8)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】301023238
【氏名又は名称】独立行政法人物質・材料研究機構
発明者または考案者 【氏名】升田 博之
審査官 【審査官】井上 信
参考文献・文献 特開平3-291093(JP,A)
特開2001-318360(JP,A)
特開2007-60354(JP,A)
調査した分野 G02B 21/36
H04N 1/46
特許請求の範囲 【請求項1】
光学顕微鏡写真のカラー画像のR、G、Bの各成分画像について、画像全体の色の平均濃度値を求め、X方向の各ラインごとに、濃度レベルが画像全体の色の平均濃度値に対して所定レベル以内の画素について色濃度の平均を求め、着目ラインの色の平均濃度値と画像全体の色の平均濃度値の差分を求め、着目ラインの各画素の色濃度に前記差分を加えることにより、X方向の平坦化処理を行い、次いで、Y方向の各ラインごとに、濃度レベルが画像全体の色の平均濃度値に対して所定レベル以内の画素について色濃度の平均を求め、着目ラインの色の平均濃度値と画像全体の色の平均濃度値の差分を求め、着目ラインの各画素の色濃度に前記差分を加えることにより、Y方向の平坦化処理を行い、平坦化処理されたR、G、Bの各成分画像を元のR、G、Bの各成分画像と置き換えることにより色むらを除去することを特徴とする光学顕微鏡写真の色むら除去方法。
【請求項2】
光学顕微鏡写真のカラー画像がR,G、B各8ビットの24ビットカラー画像であることを特徴とする請求項1記載の光学顕微鏡写真の色むら除去方法。
【請求項3】
カラー画像の特定領域以外にマスクをかけてX方向及びY方向の平坦化処理を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の光学顕微鏡写真の色むら除去方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
この出願の発明は、カラーレーザ顕微鏡や金属顕微鏡等の光学顕微鏡で撮像した写真の色むら除去方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カラーレーザ顕微鏡や金属顕微鏡等の光学顕微鏡を用い、金属材料等の腐食や割れの形態等を観察する場合、研磨状態の微妙な不具合から光学顕微鏡写真に色むらが発生し、写真の精度が下がることが多々ある。
【0003】
白黒ないしカラー画像の色むら補正方法としてはシェーディング補正がある。このシェーディング補正は、装置に関連したカラープロファイルを設定しておき、画像に補正をかける手法である(たとえば特許文献1、2)。
【0004】
しかし、シェーディング補正では、光学顕微鏡が本来有する色むらの補正は可能であるが、上記のような研磨した試料のように研磨状態によって引き起こされる色むら除去は不可能である。
【0005】
このように、従来の手法では、光学顕微鏡写真に発生する種々の色むらの除去には対応することができなかった。

【特許文献1】特開2005-94214号公報
【特許文献2】特開2005-109831号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、この出願の発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたもので、光学顕微鏡写真に発生する種々の色むらを除去し、高度な画像解析を可能とする光学顕微鏡写真の色むら除去方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この出願の発明は、上記課題を解決するものとして、第1には、光学顕微鏡写真のカラー画像のR、G、Bの各成分画像について、画像全体の色の平均濃度値を求め、X方向の各ラインごとに、濃度レベルが画像全体の色の平均濃度値に対して所定レベル以内の画素について色濃度の平均を求め、着目ラインの色の平均濃度値と画像全体の色の平均濃度値の差分を求め、着目ラインの各画素の色濃度に前記差分を加えることにより、X方向の平坦化処理を行い、次いで、Y方向の各ラインごとに、濃度レベルが画像全体の色の平均濃度値に対して所定レベル以内の画素について色濃度の平均を求め、着目ラインの色の平均濃度値と画像全体の色の平均濃度値の差分を求め、着目ラインの各画素の色濃度に前記差分を加えることにより、Y方向の平坦化処理を行い、平坦化処理されたR、G、Bの各成分画像を元のR、G、Bの各成分画像と置き換えることにより色むらを除去することを特徴とする光学顕微鏡写真の色むら除去方法を提供する。
【0008】
また、第2には、上記第1の発明において、光学顕微鏡写真のカラー画像がR,G、B各8ビットの24ビットカラー画像であることを特徴とする光学顕微鏡写真の色むら除去方法を提供する。
【0009】
さらに、第3には、上記第1又は第2の発明において、カラー画像の特定領域以外にマスクをかけてX方向及びY方向の平坦化処理を行うことを特徴とする光学顕微鏡写真の色
むら除去方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
この出願の発明によれば、研磨した金属面を撮像した場合のような光学顕微鏡写真に発生する種々の色むらを除去することができ、金属材料等の腐食や割れなどを観察する際に画像解析の精度を上げることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
この出願の発明は上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態について説明する。
【0012】
この出願の発明に係る光学顕微鏡写真の色むら除去方法では、光学顕微鏡写真のカラー画像のR、G、Bの各成分画像について、画像全体の色の平均濃度値を求め、X方向の平坦化処理を行った後、Y方向の平坦化処理を行い、平坦化処理されたR、G、Bの各成分画像を元のR、G、Bの各成分画像と置き換えることにより色むらを除去する。
【0013】
X方向の平坦化処理は、X方向の各ラインごとに、濃度レベルが画像全体の色の平均濃度値に対して所定レベル以内の画素について色濃度の平均を求め、着目ラインの色の平均濃度値と画像全体の色の平均濃度値の差分を求め、着目ラインの各画素の色濃度に前記差分を加えることにより行う。
【0014】
Y方向の平坦化処理は、Y方向の各ラインごとに、濃度レベルが画像全体の色の平均濃度値に対して所定レベル以内の画素について色濃度の平均を求め、着目ラインの色の平均濃度値と画像全体の色の平均濃度値の差分を求め、着目ラインの各画素の色濃度に前記差分を加えることにより行う。以下、具体例を示しながら更に詳細に説明する。
【0015】
図1は、この出願の発明の一実施形態に係る光学顕微鏡写真の色むら除去方法の手順を示すフローチャートである。図2は、代表的な色むらのあるカラー光学顕微鏡写真の画像(塩化マグネシウム液滴を付着させて腐食したステンレス鋼)、図3は、図2のR成分画像、図4は、色むらを除去したR成分画像、図5は、R、G、B全成分について色むらを除去した画像を示している。
【0016】
ここでは、R、G、B各8ビットの24ビットカラー画像に対する色むらを除去する場合を例に述べるが、この出願の発明はこれに限定されない。色むらの除去処理は、24ビットRGB画像を8ビットR、G、B各成分画像に分解でき、且つそれらを24ビットRGB画像に合成できる市販の画像処理ソフトウェアを利用して行うことができる。
【0017】
まず、光学顕微鏡に付設したCCDカメラ等より撮像した光学顕微鏡写真の24ビットカラーデジタル画像情報を、上記画像処理ソフトウェアを備えたパソコン等の処理装置に入力する(ステップS1)。
【0018】
次に、カラー画像の研磨面(ある特定な面)以外にマスク(図3の○で囲んだ部分)をかけて、マスクがかかっていない部分について処理対象とする(ステップS2)。この場合、マスクをかけるのは研磨された面の緩やかな色濃度変化の情報のみ取得するためで、マスクをしないで全ての色情報を取り込むと平坦化ができなくなる。
【0019】
次に、処理対象のカラー画像のR、G、B各成分画像について、それぞれ画像全体の色の平均濃度値を求める(ステップS3)。そして、R、G、B各8ビット成分画像について、X方向の各ラインごとに、濃度レベルが平均濃度値に対して所定レベル以内(たとえば濃度レベルが画素全体の平均濃度値に対して30以内)の画素について色濃度の平均を
求める(ステップS4)。次に、着目ラインの色の平均濃度値と画像全体の色の平均濃度値の差分を求め、着目ラインの各画素の色濃度に前記差分を加える(ステップS5)。以上により、X方向の平坦化処理が行われ、Y方向に対して色むらのない画像が得られる。
【0020】
次に、R、G、B各成分画像について、Y方向の各ラインごとに、濃度レベルが平均濃度値に対して所定レベル以内(上記と同様)の画素について色濃度の平均を求める(ステップS6)。そして、着目ラインの色の平均濃度値と画像全体の色の平均濃度値の差分を求め、着目ラインの各画素の色濃度に前記差分を加える(ステップS7)。以上により、Y方向の平坦化処理が行われ、X方向に対して色むらのない画像が得られる。
【0021】
R、G、B各成分画像について、X方向及びY方向の平坦化処理が完了すると、平坦化したR、G、B各成分画像を元のR、G、B各成分画像と置き換える。すると図5に示す、全体として色むらのないカラー画像が得られる(ステップS8)。
【0022】
なお、上記では省略したが、平坦化処理後のR、G、B各成分画像の平均色濃度を、予め求めておいた元のR、G、B各成分画像の平均色濃度と同じになるように補正することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この出願の発明の一実施形態に係る光学顕微鏡写真の色むら除去方法の手順を示すフローチャートである。
【図2】代表的な色むらのあるカラー光学顕微鏡写真の画像(塩化マグネシウム液滴を付着させて腐食したステンレス鋼)を示す図である。
【図3】図2のR成分画像を示す図である。
【図4】色むらを除去したR成分画像を示す図である。
【図5】R、G、B各成分について色むらを除去した画像を示す図である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4