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明細書 :培地添加因子

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5140829号 (P5140829)
公開番号 特開2008-228587 (P2008-228587A)
登録日 平成24年11月30日(2012.11.30)
発行日 平成25年2月13日(2013.2.13)
公開日 平成20年10月2日(2008.10.2)
発明の名称または考案の名称 培地添加因子
国際特許分類 C12N   5/071       (2010.01)
FI C12N 5/00 202A
請求項の数または発明の数 9
全頁数 8
出願番号 特願2007-069284 (P2007-069284)
出願日 平成19年3月16日(2007.3.16)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 平成19年2月25日社団法人日本農芸化学会発行の「日本農芸化学会2007年度(平成19年度)大会プログラム集」第21頁、86頁及び87頁に発表
特許法第30条第1項適用 平成19年3月5日社団法人日本農芸化学会発行の「日本農芸化学会2007年度(平成19年度)大会講演要旨集」第232頁に発表
審査請求日 平成22年1月26日(2010.1.26)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504145320
【氏名又は名称】国立大学法人福井大学
発明者または考案者 【氏名】寺田 聡
個別代理人の代理人 【識別番号】100080791、【弁理士】、【氏名又は名称】高島 一
審査官 【審査官】小金井 悟
参考文献・文献 特表平11-504049(JP,A)
食品と開発,2006年,Vol.41, No.5,pp.78-79
調査した分野 C12N 1/00- 7/08
CA/BIOSIS/MEDLINE/WPIDS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII)
PubMed
特許請求の範囲 【請求項1】
ラッキョウの根または根茎由来のフルクタンを有効成分として含有する、動物細胞培養用培地添加因子。
【請求項2】
動物細胞が哺乳動物細胞である、請求項記載の添加因子。
【請求項3】
細胞増殖促進である、請求項1または2記載の添加因子。
【請求項4】
細胞機能および/または生存率の向上である、請求項1または2記載の添加因子。
【請求項5】
凍結保護である、請求項1または2記載の添加因子。
【請求項6】
請求項1~のいずれか一項に記載の添加因子を含む、培養用培地。
【請求項7】
添加因子を0.0001~10重量%含有する、請求項記載の培地。
【請求項8】
動物細胞を請求項または記載の培地にて培養することを特徴とする、動物細胞の培養方法。
【請求項9】
動物細胞が哺乳動物細胞である、請求項記載の方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、動物細胞培養のための基礎培地に添加して、動物細胞の増殖の促進および細胞の有用性の向上を可能とする、培地添加因子に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、生命科学の分野では、細胞培養あるいは組織培養の技術が盛んに用いられ、有用物質の大量生産には目的物質を産生する動物細胞の大量培養が行われている。しかしながら、このような細胞・組織は一般に培養が困難で、これらの動物細胞を培養する為には、通常、アミノ酸・ビタミン・無機塩および糖類からなる基礎培地に、動物細胞増殖因子を添加する必要がある。この動物細胞増殖因子としては通常、ウシ胎仔血清または仔ウシ血清が使用される。ウシ胎仔血清または仔ウシ血清は基礎培地に通常2~20容量%添加される(非特許文献1)。
【0003】
しかしウシ胎仔血清及び仔ウシ血清は、その供給に制限があり、非常に高価で、さらにロットによりその特質に差がある(非特許文献2)。また動物由来の血清には、ヤコブ病を導くことが危惧されている狂牛病・ヒツジのスクレイピーといったプリオンに加え、ウイルス感染の危険がある(非特許文献3)。
【0004】
また血清はあらゆる種類の成分から構成される物質である為、生命科学の分野で実験に用いた場合、複雑な実験系となり、原因と結果の関係を論じる際に混乱が生じるという問題がある(非特許文献3)。
【0005】
最近では、実験系をより単純な系にする目的で、ウシ胎仔血清及び仔ウシ血清に代えて既知の細胞成長因子類やホルモン類が細胞培養に用いる培地の添加因子として利用されるようになってきている(非特許文献4)。しかしこれらの因子自体、天然における存在量が微量であり、ウシ胎仔血清または仔ウシ血清にもまして高価である事から、使用には制限があった。

【非特許文献1】動物細胞培養法入門、松谷豊著、学会出版センター、63頁、66頁、1993年
【非特許文献2】細胞工学概論、村上浩紀著、コロナ社、42頁、1994年
【非特許文献3】Culture of Animal Cells、5th Edition、R. I. Freshney編集、WILEY社、10-1章「Disadvantage of Serum-free Media」、129-134頁
【非特許文献4】細胞工学概論、村上浩紀著、コロナ社、43頁、1994年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、動物細胞の培養に際し、非常に有効であるが問題の多いウシ胎仔または仔ウシ血清の使用量を極力減らす事を可能にすると共に、通常より優れた細胞増殖効果および目的有用産物の産生促進効果をもたらす添加因子(添加剤)を提供する事にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、植物由来のフルクタンを低濃度で培地に添加する事により、細胞の増殖や機能が活性化される事を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は次の通りである。
〔1〕フルクタンを有効成分として含有する、培地添加因子。
〔2〕フルクタンが植物の根または根茎由来である、上記〔1〕記載の添加因子。
〔3〕フルクタンがネギ属植物、アヤメ科植物、イネ科植物、キク科植物、ユリ科植物、ラン科植物からなる群より選ばれる植物の根または根茎由来である、上記〔1〕または〔2〕記載の添加因子。
〔4〕フルクタンがラッキョウ、ニンニク、タマネギからなる群より選ばれるネギ属植物の根または根茎由来である、上記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の添加因子。
〔5〕動物細胞培養用である、上記〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の添加因子。
〔6〕動物細胞が哺乳動物細胞である、上記〔5〕記載の添加因子。
〔7〕細胞増殖促進剤である、上記〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の添加因子。
〔8〕細胞機能および/または生存率の向上剤である、上記〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の添加因子。
〔9〕凍結保護剤である、上記〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の添加因子。
〔10〕上記〔1〕~〔9〕のいずれかに記載の添加因子を含む、培養用培地。
〔11〕添加因子を0.0001~10重量%含有する、上記〔10〕記載の培地。
〔12〕動物細胞を上記〔10〕または〔11〕記載の培地にて培養することを特徴とする、動物細胞の培養方法。
〔13〕動物細胞が哺乳動物細胞である、上記〔12〕記載の方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、フルクタンを有効成分とする安価で安全性の高い優れた細胞培養用培地添加因子を提供することができる。本発明の培地添加因子は、培養培地に添加することで、細胞の形態や種類を問題にせず増殖を促進させ、さらにタンパク質生産などの細胞機能を発揮させる事ができる。また、本発明の培地添加因子を培地に添加すると、細胞の生存率や冷凍保存性も高めることもできる。さらに、フルクタンは天然物由来であり人体への安全性が高いので、本発明の培地添加因子を添加した培地で培養した細胞は、臨床診断薬(抗体)生産、タンパク質医薬生産、再生医療・細胞治療への応用が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、フルクタンを有効成分として含有する培地添加因子を提供する。
【0010】
本発明の有効成分であるフルクタンは、フルクトースのみからなるホモ多糖であり、主に微生物および植物内に存在している。フルクタンには、禾本科植物の葉や茎などに存在し、また、細菌の作用により蔗糖から生成される細菌分泌多糖であるレバン(D-フラクトフラノースがβ2→6結合)、キク科、ユリ科、アヤメ科、ラン科植物の根、根茎、殻物などに存在するイヌリン(D-フラクトフラノースがβ2→1結合)、ラッキョウ、ニンニク、タマネギなどのネギ属植物の球根に含まれるフルクタン(特許第3111378号公報参照)などが知られているが、本発明においてフルクタンとは、レバン、イヌリン、ネギ属植物由来フルクタンの何れをも含む。なお、本発明においてフルクタンとは、フルクタンの加水分解物をも含む意である、ここでフルクタンの加水分解物とは、細胞の増殖や機能を活性化する限り特に限定されないが、例えば、重合度20~1000(分子量3~200kDa(好ましくは分子量6~100kDa))のフルクタンの加水分解物などが挙げられる。
【0011】
本発明で用いるフルクタンとしては、合成物、天然物の何れであってもよいが、微生物由来、植物由来などの天然物であることが好ましい。フルクタンは、好ましくは植物由来、より好ましくは植物の根または根茎由来である。このような植物の例としては、ラッキョウ、ニンニク、タマネギなどのネギ属植物、アヤメ科、イネ科、キク科、ユリ科、ラン科植物などが挙げられ、ラッキョウ、ニンニク、タマネギなどのネギ属植物の根または根茎由来のフルクタンが、β(2→6)結合とβ(2→1)結合が混合しているために構造がより複雑であり、様々な生理活性をしめし得るという理由で特に好ましい。
【0012】
本発明で用いるフルクタンは、具体的には、熱水を用いて抽出し、その後、液体クロマトグラフィなどの技法により調製することができる。また、特許第3111378号公報に記載の方法により調製してもよい。さらに、フルクタンは市販のものを用いてもよく、例えば、三里浜特産農業協同組合製のフルクタンなどが挙げられる。
【0013】
本発明の培地添加因子は、フルクタンのみから構成されていてもよい。また、培地に添加することで細胞の増殖や機能を活性化する限り本発明の培地添加因子中のフルクタンの純度は特に限定されず、例えば、フルクトースやその他の糖類、タンパク質、核酸、脂質、無機塩類などを含んでいてもよい。
【0014】
本発明の培地添加因子は、必要に応じて滅菌することができる。滅菌方法としては、濾過滅菌、高圧蒸気滅菌などが挙げられる。特に、本発明で有効成分として用いられるフルクタンは、熱に強いため、より確実性の高い滅菌法である高圧蒸気滅菌が適用できるという点で優れている。
【0015】
本発明の培地添加因子は、培養培地に添加することができる。添加方法としては、特に限定されないが、培地に溶解させて添加する方法が望ましい。
【0016】
培地は、動物細胞の培養に用いられる培地を基礎培地とし、本発明の培地添加因子を添加することにより調製することができる。基礎培地としては、例えば、EagleMEM培地、αMEM培地、DMEM培地、ハム培地、RPMI1640培地、Fischer’s培地、およびこれらの混合培地が挙げられる。培地は、例えば、脂肪酸または脂質、アミノ酸、ビタミン、増殖因子、抗酸化剤、2-メルカプトエタノール、ピルビン酸、緩衝剤、無機塩類等を含むことができる。好ましくは、培地はDMEM培地、RPMI1640培地がよい。
【0017】
培地中の本発明の培地添加因子の含有量は、通常、有効成分(フルクタン)量として、0.0001~10重量%、好ましくは、0.0005~1重量%、より好ましくは、0.0005~0.1重量%である。なお、本発明の培地添加因子は少量でも充分な効果を示すが、水溶性に優れ且つ安全性も高い為、必要に応じて多量に添加することも可能である。
【0018】
本発明の培地添加因子を含有する培地には、培地添加因子の他に、通常動物細胞の培養培地に使用されるタンパク質やポリペプチド、ホルモン、アミノ酸、ビタミン類、脂質因子、糖類、浸透圧調節剤、pH緩衝剤、界面活性剤などの各成分が含まれていてもよい。
【0019】
本発明の培地添加因子を含有する培地は、動物細胞の培養に用いることができる。該培地で培養可能な細胞の種類は、特に限定されず、例えば、ヒトを含む哺乳動物(マウス、ラット、モルモット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ヤギ、サル、ヒトなど)、鳥類(ニワトリ、ダチョウなど)、は虫類(ワニなど)、両生類(カエルなど)、魚類(ゼブラフィッシュ、メダカなど)などの脊椎動物、昆虫(蚕、蛾、ショウジョウバエなど)などの非脊椎動物などの細胞が挙げられる。より好ましくは、本発明で対象とされる細胞は、哺乳動物細胞である。
【0020】
当該細胞は、例えば、BHK細胞、HepG2細胞、MG63細胞、CHO細胞、ハイブリドーマ細胞などの癌細胞を含む培養細胞株であっても、線維芽細胞などの個体や組織より単離された細胞、さらには膵ランゲルハンス島のような細胞集合体・組織もしくは組織片の細胞であってもよい。
【0021】
培養温度、CO濃度、培養時間等の他の培養条件は、培養する細胞の種類によって異なり、当業者であれば適宜設定することができる。一般的には、培養温度は、特に限定されるものではないが、例えば約30~40℃、好ましくは約37℃である。また、CO濃度は、例えば約1~10%、好ましくは約5%である。培養時間は、例えば約1日~14日間である。
【0022】
本発明の培地添加因子を含有する培地で細胞を培養すると、後述の実施例から明らかなように細胞増殖が促進され、および/または生存率が向上する。また、抗体や組み換えタンパク質などのタンパク質生産能などの細胞機能が向上する。従って、本発明の培地添加因子は、細胞増殖促進剤、細胞機能および/または生存率の向上剤としても用いることができる。
【0023】
さらに、動物細胞を凍結保存する際、本発明の培地添加因子を含む細胞凍結液を用いれば、凍結保存中の細胞の死滅および凍結操作に伴う細胞死滅を抑制し、細胞の生存率を高めることができる。従って、本発明の培地添加因子は、凍結保護剤としても用いることができる。
【0024】
本発明の培地添加因子を凍結保護剤として用いる場合、PBSなどの緩衝液、培養に用いられる培地、血清などのいずれか、あるいはこれらに塩や糖類、アミノ酸などを加えて改良したものをベースとし、これらにさらに5~20容積%のDMSOや、グリセリンなどの因子を添加したものにフルクタンを添加する。細胞凍結液中の本発明の培地添加因子の含有量は、通常、有効成分量として、0.0001~10重量%、好ましくは、0.0005~1重量%、より好ましくは、0.001~0.1重量%である。
【0025】
また、凍結細胞の回復時の培養液に本発明の培地添加因子を含む培地を用いれば、解凍操作における細胞死の抑制および速やかな細胞状態の回復を達成することができる。凍結細胞の回復時の培養液に含める本発明の培地添加因子の濃度は、上述の細胞培養に用いる培地中の濃度と同様でよい。
【0026】
本明細書中で挙げられた特許および特許出願明細書を含む全ての刊行物に記載された内容は、本明細書での引用により、その全てが明示されたと同程度に本明細書に組み込まれるものである。
【0027】
以下に実施例を用いて本発明を詳述するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0028】
〔試験例1〕ハイブリドーマ細胞の増殖促進効果
フルクタン(ラッキョウより熱水処理により抽出したフルクタン、あるいは特許第3111378号公報記載の方法によりラッキョウより調製されたフルクタン)はあらかじめ指定の濃度(0.001重量%(10μg/ml))になるようRPMI1640培地に溶解させて添加し、抗体産生マウスハイブリドーマ細胞(東京大学の牧島房夫らによって樹立された)を2.6×10(cells/ml)の細胞密度で24ウェル培養プレートに播種した。細胞は5%容量CO-95%空気の雰囲気下、37℃で2日間培養した。細胞密度は通常の血球計算盤で計測した。
【0029】
【表1】
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【0030】
この結果、フルクタン添加によって浮遊性細胞であるハイブリドーマ細胞の増殖が強く促進される事が明らかとなった。
【0031】
〔試験例2〕HepG2細胞の増殖促進効果
フルクタンはあらかじめ指定の濃度(0.001重量%(10μg/ml))になるようDMEM培地に溶解させて添加し、ヒトの肝由来の細胞で、バイオ人工肝臓にも利用されているHepG2細胞(理研細胞バンク)を3.1×10(cells/ml)の細胞密度で24ウェル培養プレートに播種した。細胞は5%容量CO-95%空気の雰囲気下、37℃で4日間培養した。細胞密度は、トリプシン処理によって培養皿より剥離した後に、血球計算盤で計測した。
【0032】
【表2】
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【0033】
また、1×10個のHepG2細胞に対して、無添加、0.0005重量%、0.001重量%、0.002重量%のフルクタンを添加して2日間培養したところ、それぞれ、3.98×10個、4.34×10個、4.42×10個、4.15×10個の細胞数が得られた。
【0034】
この結果、フルクタンは培地に添加する事で、付着性細胞である、HepG2の増殖を促進する事が明らかとなった。
【0035】
〔試験例3〕BHK細胞の増殖
フルクタンはあらかじめ指定の濃度(0.001重量%(10μg/ml))になるようDMEM培地に溶解させて添加し、ベービーハムスターの腎臓由来の細胞で、医薬品など生理活性の高い組み換えタンパク質の生産にひろく利用されているBHK細胞(American Type Culture Collection (ATCC))を2.4×10(cells/ml)の細胞密度で24ウェル培養プレートに播種した。細胞は5%容量CO-95%空気の雰囲気下、37℃で3日間培養した。細胞密度は、トリプシン処理によって培養皿より剥離した後に、血球計算盤で計測した。
【0036】
【表3】
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【0037】
この結果、フルクタンを添加した培地は、有用物生産に利用される細胞の増殖を促進した。
【0038】
〔試験例4〕冷凍保護効果
動物細胞を冷凍保存する際、凍結保存中での細胞死滅に対するフルクタンの効果を調査したところ、細胞生存の改善が認められた。
通常動物細胞を冷凍保存する方法は一般的であるが、その際に凍結保存中での細胞死滅、および凍結操作・解凍操作に伴う細胞死滅が問題になる。
PBSに、終濃度10%になるようDMSOを添加し、さらにフルクタンを0.01%(100μg/ml)になるよう添加したものを凍結液としてハイブリドーマ細胞を-80℃で1週間凍結保存した。解凍し培養したところ、フルクタン無添加の対照凍結液で凍結・解凍した細胞と比較すると、フルクタン凍結液を用いた場合には、解凍3日後には、3倍の生細胞数が得られた。
本試験によりフルクタンは培地だけでなく細胞凍結液に加える事で、細胞の生存率を高め、冷凍保護効果を示す事が明らかとなった。
また、解凍後の培養液にフルクタンを添加することも、解凍操作における細胞死を抑制し、速やかに細胞の状態が回復する効果が認められた。