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明細書 :ポリイソシアネート構成成分内包微粒子、その製造方法、及び1液型ポリウレタン接着剤組成物

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4899047号 (P4899047)
公開番号 特開2007-217615 (P2007-217615A)
登録日 平成24年1月13日(2012.1.13)
発行日 平成24年3月21日(2012.3.21)
公開日 平成19年8月30日(2007.8.30)
発明の名称または考案の名称 ポリイソシアネート構成成分内包微粒子、その製造方法、及び1液型ポリウレタン接着剤組成物
国際特許分類 C08G  18/00        (2006.01)
B01J  13/16        (2006.01)
FI C08G 18/00 A
B01J 13/02 D
請求項の数または発明の数 1
全頁数 18
出願番号 特願2006-041682 (P2006-041682)
出願日 平成18年2月17日(2006.2.17)
審査請求日 平成20年10月15日(2008.10.15)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504150450
【氏名又は名称】国立大学法人神戸大学
発明者または考案者 【氏名】大久保 政芳
【氏名】南 秀人
【氏名】鈴木 登代子
個別代理人の代理人 【識別番号】100065215、【弁理士】、【氏名又は名称】三枝 英二
【識別番号】100076510、【弁理士】、【氏名又は名称】掛樋 悠路
【識別番号】100118382、【弁理士】、【氏名又は名称】多田 央子
審査官 【審査官】小森 勇
参考文献・文献 特開平3-124717(JP,A)
調査した分野 C08G 18/00
C08G 18/08
特許請求の範囲 【請求項1】
シェル及び中空部分からなる中空微粒子の中空部分に、イソシアネート樹脂構成成分が内包された微粒子の製造方法であって、
分散安定剤の水溶液中に、ポリイソシアネートと、ポリオール、ポリアミン、及びポリチオールからなる群より選ばれる活性水素化合物とを含む混合物であって、活性水素化合物の配合比率がポリイソシアネートに対して化学当量比で2~25であるか、又はポリイソシアネートの配合比率が活性水素化合物に対して化学当量比で2~25である混合物を分散させる第1工程と、ポリイソシアネートと活性水素化合物とを重付加反応させる第2工程とを含む製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリウレタン、ポリウレア、ポリチオウレタンなどのイソシアネート樹脂からなるシェル内に、これらのイソシアネート樹脂の構成成分であるポリイソシアネート又は活性水素化合物が封入された微粒子、その簡単な製造方法、このポリイソシアネート樹脂構成成分内包微粒子を用いた1液型イソシアネート樹脂接着剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリイソシアネートは、ポリオール、ポリアミン、ポリチオールなどの活性水素化合物と反応して、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリチオウレタン樹脂のような三次元網目構造の不溶、不融の樹脂を与える。
【0003】
イソシアネート基と活性水素化合物とで形成される結合の凝集エネルギーは比較的大きいことから、イソシアネート樹脂は接着剤として使用される。またイソシアネート樹脂からなる接着層は、接着力が強いのみならず、耐熱性、耐水性、耐衝撃性などに優れる。さらに、ポリイソシアネートや活性水素化合物の選択により、極性、結晶性、柔硬、ガラス転移点などを自由に変えることができるため、被着体の性質に合った構造に設計することができる。
【0004】
イソシアネート樹脂接着剤には、1液型タイプと2液型タイプとがある。2液型タイプは、現場でイソシアネート成分と活性水素成分とを混合することにより硬化させるものである。また、1液型タイプには、例えばポリオールの末端にポリイソシアネートを付加したプレポリマーからなり空気中の水分や被着体表面の吸着水や活性水素基と反応して硬化させるタイプや、ポリイソシアネートのイソシアネート基をブロック剤で封鎖したものと活性水素化合物との混合物からなり高温に加熱することによりブロック剤を解離させてポリイソシアネートを活性化し活性水素化合物と反応させるタイプ等が知られている。作業が簡単で、現場での混合比率の間違いなどが起こらない簡便さのために、1液型タイプが主流である。
【0005】
しかし、湿気硬化型1液型タイプは湿気に敏感なために貯蔵安定性に劣り、またブロック剤で封止した1液型タイプは、現在のところ解離温度が100℃以上のものしか開発されていないため、実用化はされていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、貯蔵安定性に優れる実用的な1液型イソシアネート樹脂接着剤組成物、この組成物の構成成分として使用できるイソシアネート樹脂構成成分内包微粒子、及びこの微粒子の簡単な製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明者らは研究を重ね、以下の知見を得た。
(i) 分散安定剤の水溶液中に、ポリイソシアネートと、ポリオール、ポリアミン、及びポリチオールからなる群より選ばれる活性水素化合物とを含み、活性水素化合物の配合比率がポリイソシアネートに対して化学当量比で2~25である混合物を分散させた後、ポリイソシアネートと活性水素化合物とを重付加反応させることにより、硬化したイソシアネート樹脂からなるシェル内に活性水素化合物が封入された微粒子が簡単に得られる。
(ii) 分散安定剤の水溶液中に分散させる混合物が、さらに、下記の性質を有する補助ポリマー又は補助溶媒を含む場合は、混合物中でポリイソシアネートと活性水素化合物とが反応してイソシアネート樹脂となり、このイソシアネート樹脂が水との界面に吸着される際に、ポリイソシアネート及び活性水素化合物とイソシアネート樹脂との相分離を促進するため、イソシアネート樹脂からなるシェル内にポリイソシアネート及び活性水素化合物を含む微粒子が容易に得られるようになる。このため、補助ポリマー又は補助溶媒を用いる場合は、ポリイソシアネート及び活性水素化合物の種類を広い範囲から任意に選択して使用できるようになる。
【0008】
補助ポリマー又は補助溶媒:ポリイソシアネートと活性水素化合物との反応により得られるイソシアネート樹脂に対して相溶性が低く、かつ、補助ポリマー又は補助溶媒と水との間の界面張力(γ)(mN/m)とイソシアネート樹脂と水との間の界面張力(γ)(mN/m)との関係において、γ≧γの条件を満たすポリマー又は溶媒
(iii) 上記(i)、(ii)の製法において、ポリイソシアネートを活性水素化合物に対して過剰とし、即ちポリイソシアネートの配合比率を活性水素化合物に対して化学当量比で2~25とする場合は、イソシアネート樹脂からなるシェル内にポリイソシアネートが封入された微粒子が簡単に得られる。
(iv) 活性水素化合物内包微粒子とポリイソシアネートとを含む組成物は、使用時に押圧又は磨り潰すなどの刺激によりシェルを破壊すれば、或いは熱を加えて活性水素化合物を放出すれば、ポリイソシアネートと活性水素化合物とが接触して反応し硬化するため、1液型接着剤として使用できる。
【0009】
同様に、ポリイソシアネート内包微粒子と活性水素化合物とを含む組成物は、押圧や加熱によりシェルを破壊してポリイソシアネートを放出すれば、ポリイソシアネートと活性水素化合物とが接触して反応し硬化するため、1液型接着剤として使用できる。
【0010】
本発明は上記知見に基づき完成されたものであり、以下のイソシアネート樹脂構成成分内包微粒子、その製造方法、及び1液型イソシアネート樹脂接着剤組成物を提供する。
【0011】
項1. シェル及び中空部分からなる中空微粒子の中空部分に、ポリオール、ポリアミン、及びポリチオールからなる群より選ばれる活性水素化合物又はポリイソシアネートが内包された微粒子であって、シェルが、実質的に、内包された成分と同種の成分とポリイソシアネート又は上記活性水素化合物との重付加反応により得られるイソシアネート樹脂からなるものであるイソシアネート樹脂構成成分内包微粒子。
【0012】
項2. イソシアネート樹脂構成成分の内包量が、シェルに対して50~1500重量%である項1に記載の微粒子。
【0013】
項3. 平均粒径が0.1~50μmである項1又は2に記載の微粒子。
【0014】
項4. 下記の式に従い算出される、イソシアネート樹脂構成成分含有部分の容積比率Rが30~95%である項1~3のいずれかに記載の微粒子。
【0015】
R(%)=(rh/rp)×100
(式中、rhは微粒子のイソシアネート樹脂構成成分含有部分の半径であり、rpは微粒子の半径である。)
項5. ポリオール、ポリアミン、及びポリチオールからなる群より選ばれる活性水素化合物が内包された項1~4のいずれかに記載の微粒子。
【0016】
項6. ポリイソシアネートが内包された項1~4のいずれかに記載の微粒子。
【0017】
項7. 項1~6のいずれかに記載の微粒子を含む1液型イソシアネート樹脂接着剤成分。
【0018】
項8. シェル及び中空部分からなる中空微粒子の中空部分に、イソシアネート樹脂構成成分が内包された微粒子の製造方法であって、
分散安定剤の水溶液中に、ポリイソシアネートと、ポリオール、ポリアミン、及びポリチオールからなる群より選ばれる活性水素化合物とを含む混合物であって、活性水素化合物の配合比率がポリイソシアネートに対して化学当量比で2~25であるか、又はポリイソシアネートの配合比率が活性水素化合物に対して化学当量比で2~25である混合物を分散させる第1工程と、ポリイソシアネートと活性水素化合物とを重付加反応させる第2工程とを含む製造方法。
【0019】
項9. 分散安定剤の水溶液中に分散させる混合物が、ポリイソシアネート及び上記活性水素化合物に加えて、下記の性質を有する補助ポリマー又は補助溶媒を含むものである項8に記載の方法。
【0020】
補助ポリマー又は補助溶媒:ポリイソシアネートと活性水素化合物との重付加反応により得られるイソシアネート樹脂に対して相溶性が低く、かつ、補助ポリマー又は補助溶媒と水との間の界面張力(γ)(mN/m)とイソシアネート樹脂と水との間の界面張力(γ)(mN/m)との関係において、γ≧γの条件を満たすポリマー又は溶媒
項10. 項5に記載の微粒子と、ポリイソシアネートとを含む1液型ポリウレタン接着剤組成物。
【0021】
項11. 項6に記載の微粒子と、ポリオール、ポリアミン、及びポリチオールからなる群より選ばれる活性水素化合物とを含む1液型ポリウレタン接着剤組成物。
【発明の効果】
【0022】
本発明のイソシアネート樹脂構成成分内包微粒子は、内包成分がポリイソシアネートである場合は、活性水素化合物と配合して1液型イソシアネート樹脂接着剤組成物とすることができる。また、内包成分が活性水素化合物である場合は、ポリイソシアネートと配合して1液型イソシアネート樹脂接着剤組成物とすることができる。
【0023】
この1液型イソシアネート樹脂接着剤は、使用に際して、押圧したり磨り潰すなどの刺激により微粒子シェルを破壊したり、又は熱を加えてシェル層のガラス転移温度以上にすると内部の成分を放出して、放出した成分と他方成分とを反応させることができる。
【0024】
また、本発明のイソシアネート樹脂構成成分内包微粒子は、シェルがイソシアネート樹脂層からなるか、または主にこの樹脂からなるため、硬化後の接着剤中に残るシェル由来の成分が不純物とならない。このことから、不純物による接着力の低下がなく、また透明性が大幅に向上する。
【0025】
また本発明方法によれば、分散安定剤水溶液中で、ポリイソシアネートと活性水素化合物とを含む混合物を分散させた後、両者を反応させるという簡単な操作で、実質的にイソシアネート樹脂からなるシェル内にポリイソシアネート又は活性水素化合物が封入された微粒子が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明を詳細に説明する。先ずイソシアネート樹脂構成成分内包微粒子の製造方法について説明し、次いでそれにより得られる微粒子、及び1液型接着剤組成物について説明する。
(I)イソシアネート樹脂構成成分内包微粒子の製造方法
本発明の製造方法は、シェル及び中空部分からなる中空微粒子の中空部分に、ポリオール、ポリアミン、及びポリチオールからなる群より選ばれる活性水素化合物又はポリイソシアネートが内包された微粒子の製造方法である。この方法は、分散安定剤の水溶液中に、ポリイソシアネートと上記活性水素化合物とを含む混合物を分散させる第1工程と;ポリイソシアネートと上記活性水素化合物とを重付加反応させる第2工程とを含む。この混合物は、ポリイソシアネートに対して化学当量比で2~25程度になる比率で上記活性水素化合物を含むか、又は上記活性水素化合物に対して化学当量比で2~25程度になる比率でポリイソシアネートを含む。
分散安定剤
分散安定剤としては、ポリイソシアネート、活性水素化合物、及び補助ポリマー又は補助溶媒の混合物を、水中に分散して形成した液滴が、合一しないようにする作用を有するものを広い範囲から使用できる。
【0027】
例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリアクリル酸、ポリアクリルイミド、ポリエチレンオキシド、ポリ(ハイドロオキシステアリン酸-g-メタクリル酸メチル-co-メタクリル酸)共重合体等の高分子分散安定剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。中でも、ポリビニルアルコール等の高分子分散安定剤が好ましい。
【0028】
分散安定剤の使用量は、広い範囲から選択できるが、一般には、ポリイソシアネート、活性水素化合物、及び補助ポリマー又は補助溶媒の混合物の1重量部に対して、0.005~1重量部程度、特に0.01~0.5重量部程度とするのが好ましい。
【0029】
また、分散安定剤の水溶液において、分散安定剤の濃度は上記液滴が合一しないような濃度となるように適宜選択すればよい。一般には、分散安定剤水溶液の濃度は、0.05~5重量%程度、特に0.1~2重量%程度の範囲に調整するのが好ましい。
ポリイソシアネート
ポリイソシアネートは、水難溶性であることが好ましいが、通常はこの要件は満たされる。
【0030】
ポリイソシアネートは、特に制限されず、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する公知の化合物を使用できる。例えば、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、水添加MDI、4,4’-ビフェニルジイソシアネートトリデンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、1,3-キシリレンジイソシアネート、1,4-キシレンジイソシアネート、p-テトラメチルキシレンジイソシアネート、m-テトラメチルキシレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4-テトラメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,8-オクタメチレンジイソシアネート、L-リジンジイソシアネート、1,6,11-ウンデカントリイソシアネート、4,4’,4’’-トリフェニルメタントリイソシアネート、2,4,4’-ビフェニルトリイソシアネート、2,4,4’-ジフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンフェニルイソシアネートなどが挙げられる。ポリイソシアネートは単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0031】
特に、ポリイソシアネートを含む液滴を分散させる第1工程の作業性がよい点で室温で液体状のものが好ましく、このようなポリイソシアネートとしてイソフォロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、日本ポリウレタン工業社製のコロネートHX等が
挙げられる。中でも、イソフォロンジイソシアネートがより好ましい。
【0032】
また、2官能イソシアネート及び3官能イソシアネートの双方を使用できるが、イソシアネート樹脂からなるシェルが内包成分を長期にわたり保持できる強度を有する点で、3官能イソシアネートがより好ましい。
活性水素化合物
本発明においては、活性水素化合物として、ポリオール、ポリアミン、及びポリチオールからなる群より選ばれる化合物を用いる。ポリオールはポリイソシアネートと反応してポリウレタン樹脂を与え、ポリアミンはポリイソシアネートと反応してポリウレア樹脂を与え、ポリチオールはポリイソシアネートと反応してポリチオウレタン樹脂を与える。
【0033】
活性水素化合物は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。また、例えばポリオールとポリアミンとを混合使用することもできる。
<ポリオール>
ポリオールとしては、ポリウレタンの製造原料として公知の油溶性のポリアルコールを広く使用できる。具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール(1,3-または1,4-ブチレングリコール)、テトラメチレンエーテルグリコール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、ノナンジオール,ドデカンジオール,ビスフェノールA、ビスフェノールF、p-キシリレングリコール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
【0034】
また、これらの低分子ポリアルコールの重合体または共重合体、またはこれらの低分子アルコールの1種又は2種以上にエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン、スチレンオキシドなどの1種又は2種以上を付加することにより得られるポリエーテルポリアルコールも挙げられる。
【0035】
さらに、これらの低分子ポリアルコール又はこれらのアルキレンオキシド付加物等の1種又は2種以上と、マロン酸、マレイン酸、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、ピメリン酸、セバシン酸、シュウ酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸などの1種又は2種以上を反応させることにより得られるポリエステルポリアルコール;プロピオラクトン、ブチロラクトン、カプロラクトンなどの環状エステルを開環重合させることにより得られるポリエステルポリアルコール;ポリアルコールと環状エステルとから得られるポリエステルポリアルコールなども例示できる。
【0036】
ポリエーテルポリアルコール又はポリエステルポリアルコールは、分子量80~300程度、特に100~200程度のものを使用できる。
【0037】
特に、難水溶性であるために水中に分散させ易い点で、ポリエーテルポリアルコール、ポリエステルポリアルコールが好ましく、中でもポリエステルアルコールがより好ましい。
<ポリアミン>
ポリアミンの種類も特に限定されず、ポリウレア製造に通常用いられるポリアミンを制限無く使用できる。
【0038】
このようなポリアミンとして、エチレンジアミン、イソホロンジアミン、3,9-ジプロパンアミン-2,4,8,10-テトラオキサスピロドウンデカン、リシン、フェニレンジアミン、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、トリレンジアミン、ヒドラジン、ピペラジン、ヘキサメチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジシクロヘキシルメタン-4,4-ジアミン、2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、又はジ-2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン,変性脂肪族アミン等のジアミンを挙げることができる。
【0039】
中でも、水への溶解度が低く、かつ粘度が低いために水中に分散させ易い点で、3,9-ジプロパンアミン-2,4,8,10-テトラオキサスピロドウンデカンや変性脂肪族アミンが好ましく、変性脂肪族アミンがより好ましい。
<ポリチオール>
ポリチオールとしては、例えば、1,2-エタンジチオール、1,2-プロパンジチオール、1,3-プロパンジチオール、1,4-ブタンジチオール、1,5-ペンタンジチオール、1,6-ヘキサンジチオール、1,7-ヘプタンジチオール、1,8-オクタンジチオール、1,9-ノナンジチオール、1,10-デカンジチオール、1,12-ドデカンジチオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジチオール、3-メチル-1,5-ペンタンジチオール、2-メチル-1,8-オクタンジチオール、1,4-シクロヘキサンジチオール、1,4-ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、2-メルカプトエチルエーテル、2-メルカプトエチルスルフィド、2-メルカプトエチルジスルフィド、2,5-ビス(メルカプトメチル)-1,4-ジオキサン、2,5-ビス(メルカプトメチル)-1,4-ジチアン、1,1,1-トリス(メルカプトメチル)エタン、2-エチル-2-メルカプトメチル-1,3-プロパンジチオール、テトラキス(メルカプトメチル)メタン、3,3’-チオビス(プロパン-1,2-ジチオール)、2,2’-チオビス(プロパン-1,3-ジチオール)、ペンタエリスリトールテトラキス(メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(メルカプトアセテート)等の脂肪族ポリチオール や;
1,2-ベンゼンジチオール、1,3-ベンゼンジチオール、1,4-ベンゼンジチオール、1,3,5-ベンゼントリチオール、1,2-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5-トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、トルエン-3,4-ジチオール等の芳香族ポリチオールが挙げられる。
【0040】
特に、1,10-デカンジチオールや1,12-ドデカンジチオールが好ましく、1,12-ドデカンジチオールがより好ましい。
ポリイソシアネートと活性水素化合物との組み合わせ
ポリイソシアネートと活性水素化合物との好ましい組み合わせとしては、イソフォロンジイソシアナートと変性脂肪族アミンとの組み合わせ、イソフォロンジイソシアナートとドデカンジオールとの組み合わせ、メチレンジイソシアネート(例えばミリオネートMR-200(商品名))と変性脂肪族アミンとの組み合わせ、コロネートHX(商品名)と変性脂肪族アミンとの組み合わせ、イソフォロンジイソシアナートと3,9-ジプロパンアミン-2,4,8,10-テトラオキサスピロドウンデカンとの組み合わせ等が挙げられる。
【0041】
活性水素化合物の方を過剰とする場合、ポリイソシアネートと活性水素化合物との化学当量比が、ポリイソシアネート:活性水素化合物=1:2~25程度、好ましくは3~23程度、より好ましくは4~20程度になるようにすればよい。ここでいう化学当量比は、ポリイソシアネートのイソシアネート基数と活性水素化合物の活性水素供与基数との比率である。即ち、この場合、ポリイソシアネートのイソシアネート基の数1に対して、活性水素化合物の活性水素供与性官能基数が2~25程度になるように、活性水素化合物の使用量を定めればよい。
【0042】
このようにポリイソシアネートに対して過剰量の活性水素化合物を使用することにより、シェル形成に関与しない余剰の活性水素化合物がシェル内の中空部分に取り込まれる。また、ポリイソシアネートに対する活性水素化合物の使用量が余りに多いと、イソシアネート樹脂が生成し難いが、上記範囲であればポリイソシアネートと活性水素化合物との重付加反応によるシェル形成が迅速に行われる。
【0043】
一方、ポリイソシアネートの方を過剰とする場合は、活性水素化合物とポリイソシアネートとの化学当量比が、活性水素化合物:ポリイソシアネート=1:2~25程度、好ましくは3~23程度、より好ましくは4~20程度になるようにすればよい。この場合、活性水素化合物の活性水素供与基の数1に対して、ポリイソシアネートのイソシアネート基数が2~25程度になるように、ポリイソシアネートの使用量を定めればよい。
【0044】
このように活性水素化合物に対して過剰量のポリイソシアネートを使用することにより、シェル形成に関与しない余剰のポリイソシアネートがシェル内の中空部分に取り込まれる。また、活性水素化合物に対するポリイソシアネートの使用量が余りに多いと、イソシアネート樹脂が生成し難いが、上記範囲であればポリイソシアネートと活性水素化合物との重付加反応によるシェル形成が迅速に行われる。
補助ポリマー・補助溶媒
分散安定剤の水溶液中に分散させる混合物は、ポリイソシアネート、活性水素化合物に加えて、下記の補助ポリマー又は補助溶媒を含むことが好ましい。
【0045】
即ち、ポリイソシアネートと活性水素化合物との反応により得られるイソシアネート樹脂に対して相溶性が低く、かつ、補助ポリマー又は補助溶媒と水との間の界面張力(γ)(mN/m)とイソシアネート樹脂と水との間の界面張力(γ)(mN/m)との関係において、γ≧γの条件を満たす補助ポリマー又は補助溶媒である(条件A)。
【0046】
また、このポリマー又は溶媒は、ポリウレタンと活性水素化合物との重付加反応により得られるイソシアネート樹脂に対して低い相溶性を有していればよい(条件B)。
【0047】
具体的には、補助ポリマー及び補助溶媒としては、ポリウレタンと活性水素化合物との重付加反応により得られるイソシアネート樹脂より、極性が低いものを用いることができる。
【0048】
本明細書において、補助ポリマー及び補助溶媒とイソシアネート樹脂との相溶性は、次の方法で測定したものである。すなわち、イソシアネート樹脂の原料であるポリイソシアネートと、補助ポリマー又は補助溶媒と、必要であればトルエンとを適当な重量比率で含む溶液に、活性水素化合物(ポリイソシアネートに対して等化学当量)を添加し、70℃、窒素ガス雰囲気中で、重付加反応を起こさせる。この反応を光路長1cmの石英ガラスセル内で行い、波長550nmの光を照射した場合の光透過率を経時的に測定する。補助ポリマー又は補助溶媒の濃度を増加させていくと、当初約100%であった透過率が、イソシアネート樹脂が相分離することによって架橋時間経過時に急激に0%近くまで低下する。この場合に、補助ポリマー又は補助溶媒とイソシアネート樹脂との相溶性が低いと0%近くまで低下するが、補助ポリマー又は補助溶媒とイソシアネート樹脂との相溶性が高いと透過率はほとんど低下しない。また、補助ポリマー又は補助溶媒とイソシアネート樹脂との相溶性が低いほど、硬化開始から透過率の低下が起こるまでの時間が短くなる。
【0049】
イソシアネート樹脂に対して低い相溶性を有する補助ポリマー又は補助溶媒としては、前記方法で透過率を測定した場合に、ポリイソシアネートの架橋率が1~20%程度、好ましくは1~10%程度で透過率の低下が起こる補助ポリマー又は補助溶媒が挙げられる。
【0050】
また本発明において、界面張力は、ASTM-971-50に規定されるデュヌイの白金リング法で測定した値である。
【0051】
なお、補助ポリマー及び補助溶媒は、ポリイソシアネート及び活性水素化合物の混合物に溶解するものであることが望ましいが、通常この要件は満たされる。
【0052】
条件A及び条件Bを満たす補助ポリマー及び補助溶媒は、ポリイソシアネート及び活性水素化合物とそれらの重付加反応により得られるイソシアネート樹脂との相分離を促進する。さらに、ポリイソシアネート、活性水素化合物、補助ポリマー又は/及び補助溶媒の混合物中で、ポリイソシアネートと活性水素化合物とが反応してイソシアネート樹脂となり、このイソシアネート樹脂が水との界面に吸着される際に、イソシアネート樹脂の方が補助ポリマー又は/及び補助溶媒よりも水との界面に吸着され易くなり、その結果、イソシアネート樹脂からなるシェルを有する微粒子が得られる。この際、前述したように、イソシアネート又は活性水素化合物が過剰に存在するため、過剰成分が補助ポリマー又は/及び補助溶媒とともにシェル内に取り込まれる。
【0053】
補助ポリマーとしては、例えばポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチルなどを使用できる。また、補助ポリマーは分子量10万~30万程度が好ましく、この範囲であれば相分離を十分に促進しかつ、ポリイソシアネート、活性水素化合物、及び補助ポリマー又は補助溶媒を含む混合物の粘度がそれほど上昇しない。補助ポリマーは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0054】
条件A及び条件Bを満たすような、ポリイソシアネートと活性水素化合物と補助ポリマーとの組み合わせは、前述した方法により容易に選択することができるが、例えば、イソフォロンジイソシアネートと変性脂肪族アミンとポリメタクリル酸メチルとの組み合わせ等を例示できる。
【0055】
また補助溶媒としては、常温で液体である炭素数12~16程度の溶媒を用いることができる。このような溶媒としては、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカンのような直鎖状および分岐状脂肪族炭化水素系溶媒;シクロヘキシルベンゼン、1,2-ジメチルナフタレン、1,3-ジメチルナフタレン、1,6-ジメチルナフタレンのような芳香族炭化水素系溶媒;ジベンジルエーテルのようなエーテル系溶媒;アセチルクエン酸トリエチル、安息香酸イソアミル、安息香酸ベンジル、サリチル酸イソアミル、サリチル酸ベンジル、シュウ酸ジアミル、酒石酸ジブチル、フタル酸ジエチルのようなエステル系溶媒;ジオクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N-ジブチルアニリン、トリアミルアミン、トリ-n-ブチルアミンのような含窒素系溶媒などが挙げられる。補助溶媒は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0056】
条件A及び条件Bを満たすような、ポリイソシアネートと活性水素化合物と補助溶媒との組み合わせは、前述した方法により容易に選択することができるが、例えば、イソフォロンジイソシアネートと変性脂肪族アミンとヘキサデカンとの組み合わせ等を例示できる。
【0057】
ポリイソシアネート及び活性水素化合物自身がそれぞれ条件A及び条件Bを満たすものである場合は、補助ポリマー又は補助溶媒を必ずしも使用しなくてもよい。この場合、ポリイソシアネート及び活性水素化合物が、相分離剤として機能して、シェルの形成を促進する。
【0058】
補助ポリマーを使用する場合のその使用量は、それには限定されないが、ポリイソシアネート及び活性水素化合物の合計量1重量部に対して、0.01~2重量部程度、特に0.02~0.1重量部程度とするのが好ましい。
【0059】
また補助溶媒を使用する場合のその使用量は、それには限定されないが、ポリイソシアネート及び活性水素化合物の合計量1重量部に対して、0.1~5重量部程度、特に0.5~2重量部程度とするのが好ましい。
【0060】
補助ポリマー及び/又は補助溶媒の使用量が上記範囲であれば、シェル形成が十分に行われるとともに、相対的にイソシアネート樹脂構成成分の内包量が少なくなりすぎることがない。
第1工程(分散工程)
本発明では、分散安定剤の水溶液中に、ポリイソシアネート、活性水素化合物、並びに補助ポリマー又は/及び補助溶媒を前記使用割合で含有する混合物を分散させ、懸濁架橋反応を行う。
【0061】
分散工程においては、活性水素化合物と、補助ポリマー又は/及び補助溶媒とはポリイソシアネートに溶解して、均一溶液となっているのが好ましい。混合時の温度は特に限定はなく、例えば、0~30℃程度とすればよい。
【0062】
こうして得られたポリイソシアネート、活性水素化合物、並びに補助ポリマー又は/及び補助溶媒の混合物を、分散安定剤の水溶液中で分散させる。
【0063】
この均一溶液は、分散安定剤の水溶液100重量部当たり、1~200重量部程度、特に5~100重量部程度となるような量で使用するのが好ましいが、特にこの範囲に限定されるものではない。
【0064】
分散方法は、特に限定されず公知の方法を採用すればよい。このような公知の分散方法として、ホモジナイザーを用いた方法や膜乳化法など機械的せん断力による分散方法などが挙げられる。分散の際の温度条件はそれには限定されないが、0~30℃程度とすればよい。
【0065】
上記例示した分散方法では、ポリイソシアネート、活性水素化合物、並びに補助ポリマー又は/及び補助溶媒の混合物が分散されて形成される液滴の大きさは単分散ではなく、一般に種々の異なる粒子径の液滴が混在したものとなる。従って、最終的に得られる微粒子も異なる粒子径を有する。
【0066】
一方、分散方法を選択することにより、液滴の大きさを均一にして、単分散の液滴を得ることもできる。そのような単分散液滴を得る方法としては、例えば、多孔質ガラス(SPG)を利用した膜乳化法により単分散液滴を作製する方法やシード膨潤法(特開平8-20604号公報に記載の方法)などを挙げることができる。
【0067】
このような粒子径が均一に揃った単分散の液滴を調製した場合は、最終的に得られるイソシアネート樹脂構成成分内包微粒子も粒子径が均一に揃った単分散となる。単分散のイソシアネート樹脂構成成分内包微粒子は、1液型エポキシ樹脂接着剤としたときに、破壊条件が均一になり、その結果、内包成分の濃度分布、ひいては接着力が均一な接着剤が得られる。
【0068】
いずれの場合も、上記液滴の平均粒子径は、所望するイソシアネート樹脂構成成分内包微粒子の平均粒子径に応じて適宜決定すればよいが、一般には0.1~50μm程度とするのが好ましい。ポリイソシアネート、活性水素化合物、並びに補助ポリマー又は/及び補助溶媒の混合物の粘度、分散安定剤の使用量、分散安定剤水溶液の粘度、分散方法・分散条件を上記範囲で適宜設定することにより、この範囲の液滴平均粒子径が得られる。
第2工程(懸濁重付加反応工程)
ポリイソシアネート、活性水素化合物、並びに補助ポリマー又は/及び補助溶媒の混合物が分散された分散安定剤の水溶液を、撹拌しながら加熱することにより、液滴中のポリイソシアネートと活性水素化合物とを反応させる。
【0069】
反応温度は、ポリイソシアネート及び活性水素化合物の種類によって異なるが、一般には、20~150℃程度、特に30~120℃程度が好ましい。重付加反応に要する時間は、ポリイソシアネート、活性水素化合物、及び補助ポリマー又は/及び補助溶媒の種類等により変動するが、一般には3~48時間程度である。
【0070】
反応系の温度を上記範囲にすることにより、ポリイソシアネート、活性水素化合物、並びに補助ポリマー又は/及び補助溶媒の混合物の液滴中で、ポリイソシアネートと活性水素化合物とが重付加反応してイソシアネート樹脂が生成し硬化する。得られたイソシアネート樹脂は、補助ポリマー及び/又は補助溶媒の存在により、相分離が促進され、その結果、単層構造のシェル、即ち、イソシアネート樹脂からなるシェルが形成される。一方、コア部には、余剰のポリイソシアネート又は活性水素化合物と、補助ポリマー及び/又は補助溶媒とが内包された状態となる。
【0071】
このようにして得られたイソシアネート樹脂構成成分内包微粒子を、ろ過などにより分散液から回収すればよい。また、例えば温度0~50℃程度、圧力10~10Pa程度の条件下で乾燥することができる。また、自然蒸発、減圧処理、シリカゲルなどの乾燥剤の使用によって乾燥することもできる。
【0072】
補助溶媒を使用して作製したイソシアネート樹脂構成成分内包微粒子を1液型接着剤の成分として使用する場合は、シェル内にイソシアネート樹脂構成成分とともに溶媒が封入された状態で使用してもよく、または溶媒を除去してから使用してもよい。
(II)イソシアネート樹脂構成成分内包微粒子
このようにして得られる微粒子は、シェル及び中空部分からなる中空微粒子の中空部分に、ポリオール、ポリアミン、及びポリチオールからなる群より選ばれる活性水素化合物又はポリイソシアネートが内包された微粒子であって、シェルが、実質的に、内包された成分と同種の成分とポリイソシアネート又は上記活性水素化合物との重付加反応により得られるイソシアネート樹脂からなるものである微粒子である。
【0073】
シェルは、イソシアネート樹脂からなる単層構造を採り、その内部に、ポリイソシアネート又は活性水素化合物とともに、補助ポリマー及び/又は補助溶媒が封入されている。
【0074】
シェルを構成するイソシアネート樹脂は、活性水素化合物としてポリオールを用いる場合はポリウレタン樹脂であり、活性水素化合物としてポリアミンを用いる場合はポリウレア樹脂であり、活性水素化合物としてポリチオールを用いる場合はポリチオウレタン樹脂である。また、例えばポリオールとポリアミンとを用いる場合は、ウレタン結合とウレア結合の双方を含むイソシアネート樹脂からなるシェルが形成される。この場合、活性水素化合物の一方がポリイソシアネートとの反応性が極端に高い場合は、反応性の高い成分がシェル形成し、反応性の低い成分はシェル内に封入される。
【0075】
場合によっては、イソシアネート樹脂層の内側に補助ポリマーからなる層が形成された2層構造になっていてもよいが、補助ポリマーの量はイソシアネート樹脂の量に比べて格段に少ないため、シェルは実質的にイソシアネート樹脂層からなる。
【0076】
本発明の微粒子におけるイソシアネート樹脂構成成分、即ちポリイソシアネート又は活性水素化合物のうち過剰の方の成分の内包量は特に限定されないが、前述した比率でポリイソシアネートと活性水素化合物とを用いることにより、本発明の微粒子は、シェルに対して50~1500%程度、好ましくは100~1000重量%程度のイソシアネート樹脂構成成分を内包するものとなる。
【0077】
また本発明の微粒子の平均粒径は0.1~50μm程度であることが好ましく、0.5~20μm程度であることがより好ましい。上記の平均粒径の範囲であれば、シェルが十分に厚くなり封入された成分が遺漏し難いとともに、シェル層を円滑に形成することができる。
【0078】
本発明における平均粒径は、光学顕微鏡を用いて100個の微粒子の粒径を測定した平均値である。
【0079】
本発明の微粒子は、イソシアネート樹脂構成成分の封入部分(中空部分)の容積比率Rが30~95%程度であることが好ましく、50~90%程度であることがより好ましい。中空部分の容積比率Rは、下記の式で表される値である。
【0080】
R(%)=(rh/rp)×100
(式中、rhは微粒子のイソシアネート樹脂構成成分内包部分の半径であり、rpは微粒子の半径である。)
ここで、イソシアネート樹脂構成成分内包部分とは、微粒子からイソシアネート樹脂構成成分を除去した場合の中空部分をいう。イソシアネート樹脂構成成分内包部分の容積比率が上記範囲であればシェルの厚みが大きくなりすぎず1液型接着剤用成分としての使用に際して適当な力でシェルを破壊することができるものとなる。また、イソシアネート樹脂構成成分の含有量が十分になり1液型接着剤の調製時に微粒子量が少なくて済む。
【0081】
容積比率は、例えば上記説明した製造方法において、各成分の混合比率を調節することにより、上記範囲に調整することができる。即ち、上記容積比率は、製造に使用したポリイソシアネートと活性水素化合物との反応性比を1/1と仮定して、両者の使用比率から内包成分の容積比率を算出することによっても求めることができる。
【0082】
また本発明の微粒子は、ポリイソシアネート及び活性水素化合物の種類、シェル厚さ、イソシアネート樹脂構成成分の内包量等によって異なるが、微小圧縮試験器(島津製作所社製)を用いて測定した場合の圧裂限界荷重が通常1~100mN程度であり、好ましくは3~50mN程度である。この範囲であることにより、接着剤組成物の成分として使用する場合に、簡単に破壊することができるとともに、接着剤組成物中で使用前に潰れてしまうということがない。
(III)1液型イソシアネート樹脂接着剤組成物
本発明の1液型イソシアネート樹脂接着剤組成物は、上記説明した本発明のイソシアネート樹脂構成成分内包微粒子と、微粒子に封入された成分と重付加反応してイソシアネート樹脂を形成できる対成分とを含むものである。即ち、微粒子にポリイソシアネートが封入されている場合はこの微粒子と活性水素化合物とを含む組成物であり、微粒子に活性水素化合物が封入されている場合はこの微粒子とポリイソシアネートとを含む組成物である。
【0083】
微粒子と対成分との使用比率は、組成物中に含まれる全ポリイソシアネートと全活性水素化合物との化学当量比が、ポリイソシアネート:活性水素化合物=1:0.5~2程度、好ましくは1:1程度になるような比率で使用すればよい。
【0084】
またこの接着剤組成物は、イソシアネート樹脂接着剤組成物に通常添加される種々の添加剤を含むことができる。接着剤の用途により異なるが、このような添加剤として、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムのような充填剤、熱可塑性エラストマーのような可撓性付与剤、水酸化アルミニウムのような難燃剤、ガラス繊維のような補強剤、カーボンブラックのような導電性付与剤、ロジンのような粘着剤付与剤、フタル酸ジブチルのような希釈剤、微粉末シリカのようなチクソ剤、シリコーンオイルのような消泡剤、アクリル樹脂のようなレベリング剤、エステル系ワックスのような離型剤、顔料などが挙げられる。
【0085】
この組成物は、1対の被接着物間に塗布し、それらを押圧することにより微粒子のシェルが破壊されて封入されたポリイソシアネート又は活性水素化合物が放出され、対成分と反応してイソシアネート樹脂となる。
実施例
以下、本発明を実施例を示してより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<平均粒径>
光学顕微鏡を用いて100個の微粒子について測定し、平均値を求めた。
<イソシアネート樹脂構成成分内包部分の容積比率>
製造に使用したポリイソシアネートと活性水素化合物との反応性比を1/1と仮定して、両者の使用比率から内包成分の容積比率を算出した。この比率を、内包成分を除外した場合の微粒子の中空部分の容積比率とみなした。
実施例1(ポリイソシアネートが過剰である場合)
分散安定剤としてポリビニルアルコール 300mgを水に溶解させて得た水溶液30gに、ポリイソシアネートとしてイソフォロンジイソシアネート(和光純薬工業株式会社、094-03025)1709mg、活性水素化合物として変性脂肪族ポリアミン(ジャパンエポキシレジン株式会社、YLH1204 244mg、補助ポリマーとしてポリメタクリル酸メチル(分子量:120,000)8.5mgを均一混合してなる溶液を懸濁させた。
【0086】
ポリイソシアネートと活性水素化合物との化学当量比は、ポリイソシアネート:活性水素化合物=5:1である。
【0087】
懸濁の方法は、装置としてホモジナイザーを用い、攪拌速度1000rpm、温度0℃の条件下で行った。得られた懸濁液の液滴は、平均粒子径が7μm程度のものであった。
【0088】
次いで、懸濁液を、70℃に加熱し、24時間重付加反応させた。
【0089】
得られた分散液を光学顕微鏡観察したところ、均一構造が観察され,テトラヒドロフランに分散させ硬化剤を抽出することにより,シェル層が観察され,活性水素化合物カプセル化高分子微粒子が得られていた。
【0090】
得られた微粒子は、平均粒径が7μmであり、硬化剤内包部分の容積比率が66%であった。また、イソシアネートの内包量はシェルに対して200重量%であった。
実施例2(ポリイソシアネートが過剰である場合;補助ポリマー不使用)
分散安定剤としてポリビニルアルコール 450mgを水に溶解させて得た水溶液45gに、ポリイソシアネートとしてイソフォロンジイソシアネート(和光純薬工業株式会社,094-03025)2800mg、活性水素化合物として変性脂肪族ポリアミン(ジャパンエポキシレジン株式会社,YLH1204)250mgを均一混合してなる溶液を懸濁させた。
【0091】
ポリイソシアネートと活性水素化合物との化学当量比は、ポリイソシアネート:活性水素化合物=8:1である。
【0092】
懸濁の方法は、装置としてホモジナイザーを用い、攪拌速度1000rpm、温度0℃の条件下で行った。得られた懸濁液の液滴は、平均粒子径が8μm程度のものであった。
【0093】
次いで、懸濁液を、70℃で加熱し、24時間重付加反応させた。
【0094】
得られた分散液を光学顕微鏡観察したところ、均一構造が観察され、テトラヒドロフランに分散させ硬化剤を抽出することにより、シェル層が観察され、活性水素化合物カプセル化高分子微粒子が得られていた。
【0095】
得られた微粒子は、平均粒径が8μmであり、硬化剤内包部分の容積比率が78%であった。また、イソシアネートの内包量はシェルに対して350重量%であった。
実施例3(ポリイソシアネートが過剰である場合;補助ポリマー不使用)
分散安定剤としてポリビニルアルコール 450mgを水に溶解させて得た水溶液45gに、ポリイソシアネートとしてイソフォロンジイソシアネート(和光純薬工業株式会社,094-03025)2800mg、活性水素化合物として変性脂肪族ポリアミン(ジャパンエポキシレジン株式会社,YLH1204)100mgを均一混合してなる溶液を懸濁させた。
【0096】
ポリイソシアネートと活性水素化合物との化学当量比は、ポリイソシアネート:活性水素化合物=20:1である。
【0097】
懸濁の方法は、装置としてホモジナイザーを用い、攪拌速度1000rpm、温度0℃の条件下で行った。得られた懸濁液の液滴は、平均粒子径が6μm程度のものであった。
【0098】
次いで、懸濁液を、70℃で加熱し、24時間重付加反応させた。
【0099】
得られた分散液を光学顕微鏡観察したところ、均一構造が観察され,テトラヒドロフランに分散させ硬化剤を抽出することにより,シェル層が観察され,活性水素化合物カプセル化高分子微粒子が得られていた。
【0100】
得られた微粒子は、平均粒径が6μmであり、硬化剤内包部分の容積比率が90%であった。また、イソシアネートの内包量はシェルに対して950重量%であった。
実施例4(ポリイソシアネートが過剰である場合;補助ポリマー不使用)
分散安定剤としてポリビニルアルコール 300mgを水に溶解させて得た水溶液30gに、ポリイソシアネートとしてイソフォロンジイソシアネート(和光純薬工業株式会社,094-03025)1400mg、活性水素化合物として変性脂肪族ポリアミン(ジャパンエポキシレジン株式会社,YLH1204)500mgを均一混合してなる溶液を懸濁させた。
【0101】
ポリイソシアネートと活性水素化合物との化学当量比は、ポリイソシアネート:活性水素化合物=2:1である。
【0102】
懸濁の方法は、装置としてホモジナイザーを用い、攪拌速度1000rpm、温度0℃の条件下で行った。得られた懸濁液の液滴は、平均粒子径が4μm程度のものであった。
【0103】
次いで、懸濁液を、70℃で加熱し、24時間重付加反応させた。
【0104】
得られた分散液を光学顕微鏡観察したところ、均一構造が観察され,テトラヒドロフランに分散させ硬化剤を抽出することにより,シェル層が観察され,活性水素化合物カプセル化高分子微粒子が得られていた。
【0105】
得られた微粒子は、平均粒径が4μmであり、硬化剤内包部分の容積比率が33%であった。また、イソシアネートの内包量はシェルに対して50重量%であった。
実施例5(ポリイソシアネートが過剰である場合;補助ポリマー不使用)
分散安定剤としてポリビニルアルコール 300mgを水に溶解させて得た水溶液30gに、ポリイソシアネートとしてジャパンエポキシレジン株式会社,コロネートHX 1975mg、活性水素化合物として変性脂肪族ポリアミン(ジャパンエポキシレジン株式会社,YLH1204)100mgを均一混合してなる溶液を懸濁させた。
【0106】
ポリイソシアネートと活性水素化合物との化学当量比は、ポリイソシアネート:活性水素化合物=5:1である。
【0107】
懸濁の方法は、装置としてホモジナイザーを用い、攪拌速度1000rpm、温度0℃の条件下で行った。得られた懸濁液の液滴は、平均粒子径が4μm程度のものであった。
【0108】
次いで、懸濁液を、30℃で加熱し、24時間重付加反応させた。
【0109】
得られた分散液を光学顕微鏡観察したところ、均一構造が観察され,テトラヒドロフランに分散させ硬化剤を抽出することにより,シェル層が観察され,活性水素化合物カプセル化高分子微粒子が得られていた。
【0110】
得られた微粒子は、平均粒径が4μmであり、硬化剤内包部分の容積比率が66%であった。また、イソシアネートの内包量はシェルに対して200重量%であった。
実施例6(ポリイソシアネートが過剰である場合補助ポリマー不使用)
分散安定剤としてポリビニルアルコール 300mgを水に溶解させて得た水溶液30gに、ポリイソシアネートとしてメチレンジイソシアネート(ジャパンエポキシレジン株式会社,ミリオネートMR-200)1975mg、活性水素化合物として変性脂肪族ポリアミン(ジャパンエポキシレジン株式会社,YLH1204)100mgを均一混合してなる溶液を懸濁させた。
【0111】
ポリイソシアネートと活性水素化合物との化学当量比は、ポリイソシアネート:活性水素化合物=5:1である。
【0112】
懸濁の方法は、装置としてホモジナイザーを用い、攪拌速度1000rpm、温度0℃の条件下で行った。得られた懸濁液の液滴は、平均粒子径が5μm程度のものであった。
【0113】
次いで、懸濁液を、30℃で加熱し、24時間重付加反応させた。
【0114】
得られた分散液を光学顕微鏡観察したところ、均一構造が観察され,テトラヒドロフランに分散させ硬化剤を抽出することにより,シェル層が観察され,活性水素化合物カプセル化高分子微粒子が得られていた。
【0115】
得られた微粒子は、平均粒径が5μmであり、硬化剤内包部分の容積比率が66%であった。また、イソシアネートの内包量はシェルに対して200重量%であった。
実施例7(ポリイソシアネートが過剰である場合)
分散安定剤としてポリビニルアルコール 300mgを水に溶解させて得た水溶液30gに、ポリイソシアネートとしてイソフォロンジイソシアネート(和光純薬工業株式会社,094-03025)1750mg、活性水素化合物としてドデカンジオール(ナカライテスク株式会社,14204-52)320mgを溶解性が悪いためテトラヒドロフラン(ナカライテスク株式会社,33113)3700mgに溶解させたものを均一混合してなる溶液を懸濁させた。
【0116】
ポリイソシアネートと活性水素化合物との化学当量比は、ポリイソシアネート:活性水素化合物=5:1である。
【0117】
懸濁の方法は、装置としてホモジナイザーを用い、攪拌速度1000rpm、温度0℃の条件下で行った。得られた懸濁液の液滴は、平均粒子径が4μm程度のものであった。
【0118】
次いで、懸濁液を、30℃で加熱し、24時間重付加反応させた。
【0119】
得られた分散液を光学顕微鏡観察したところ、均一構造が観察され,テトラヒドロフランに分散させ硬化剤を抽出することにより,シェル層が観察され,活性水素化合物カプセル化高分子微粒子が得られていた。
【0120】
得られた微粒子は、平均粒径が4μmであり、硬化剤内包部分の容積比率が66%であった。また、イソシアネートの内包量はシェルに対して200重量%であった。

比較例1(活性水素化合物に対してポリイソシアネートが少なすぎる場合;補助ポリマー不使用)
分散安定剤としてポリビニルアルコール 450mgを水に溶解させて得た水溶液45gに、ポリイソシアネートとしてイソフォロンジイソシアネート(和光純薬工業株式会社,094-03025)1709mg、活性水素化合物として変性脂肪族ポリアミン(ジャパンエポキシレジン株式会社,YLH1204)1220mgを均一混合してなる溶液を懸濁させた。
【0121】
ポリイソシアネートと活性水素化合物との化学当量比は、ポリイソシアネート:活性水素化合物=1:1である。
【0122】
懸濁の方法は、装置としてホモジナイザーを用い、攪拌速度1000rpm、温度0℃の条件下で行った。得られた懸濁液の液滴は、平均粒子径が5μm程度のものであった。
【0123】
次いで、懸濁液を、70℃で加熱し、24時間重付加反応させた。
【0124】
得られた分散液を光学顕微鏡観察したところ、均一構造が観察され,テトラヒドロフランに分散させ硬化剤を抽出することにより,シェル層が観察されず,活性水素化合物カプセル化高分子微粒子が得られていたなかった。
【0125】
得られた微粒子は、平均粒径が5μmであり、中空部分は観察されなかった。また、イソシアネートは全く封入されていなかった。
比較例2(活性水素化合物に対してポリイソシアネートが多すぎる場合;補助ポリマー不使用)
分散安定剤としてポリビニルアルコール 450mgを水に溶解させて得た水溶液45gに、ポリイソシアネートとしてイソフォロンジイソシアネート(和光純薬工業株式会社,094-03025)7000mg、活性水素化合物として変性脂肪族ポリアミン(ジャパンエポキシレジン株式会社,YLH1204)100mgを均一混合してなる溶液を懸濁させた。
【0126】
ポリイソシアネートと活性水素化合物との化学当量比は、ポリイソシアネート:活性水素化合物=50:1である。
【0127】
懸濁の方法は、装置としてホモジナイザーを用い、攪拌速度1000rpm、温度0℃の条件下で行った。得られた懸濁液の液滴は、平均粒子径が6μm程度のものであった。
【0128】
次いで、懸濁液を、70℃で加熱し、24時間重付加反応させた。
【0129】
得られた分散液を光学顕微鏡観察したところ、均一構造が観察され,テトラヒドロフランに分散させ硬化剤を抽出することにより,シェル層が観察され,活性水素化合物カプセル化高分子微粒子が得られていた。
【0130】
得られた微粒子は、平均粒径が6μmであり、硬化剤内包部分の容積比率が96%であった。また、イソシアネートの内包量はシェルに対して2450重量%であった。
【0131】
生成物は強固なシェル層を形成しておらず、乾燥段階で粒子状態で得ることができなかった。
実施例8(活性水素化合物が過剰である場合)
分散安定剤としてポリビニルアルコール 300mgを水に溶解させて得た水溶液30gに、ポリイソシアネートとしてイソフォロンジイソシアネート(和光純薬工業株式会社,094-03025)200mg、活性水素化合物として変性脂肪族ポリアミン(ジャパンエポキシレジン株式会社,YLH1204)715mgを均一混合してなる溶液を懸濁させた。
【0132】
ポリイソシアネートと活性水素化合物との化学当量比は、ポリイソシアネート:活性水素化合物=1:5である。
【0133】
懸濁の方法は、装置としてホモジナイザーを用い、攪拌速度1000rpm、温度0℃の条件下で行った。得られた懸濁液の液滴は、平均粒子径が7μm程度のものであった。
【0134】
次いで、懸濁液を、70℃で加熱し、24時間重付加反応させた。
【0135】
得られた分散液を光学顕微鏡観察したところ、均一構造が観察され,テトラヒドロフランに分散させ硬化剤を抽出することにより,シェル層が観察され,活性水素化合物カプセル化高分子微粒子が得られていた。
【0136】
得られた微粒子は、平均粒径が7μmであり、硬化剤内包部分の容積比率が66%であった。また、活性水素化合物の内包量はシェルに対して200重量%であった。
1液型イソシアネート樹脂接着剤組成物の処方例・接着性試験
<処方例1>
実施例1で得られたポリイソシアネート含有カプセル化高分子微粒子と変性脂肪族アミン(ジャパンエポキシレジン株式会社製,YLH1204)を化学当量比1:1(ポリイソシアネート:カプセル化活性水素化合物)になるように混合して一液型接着剤とした。
【0137】
10mm×50mm×1mmのアルミ板2枚用い,接着面積1cmとして一液型接着剤を塗布し,2枚のアルミ板を万力で押圧した。
【0138】
これを,室温,又は70℃で1日放置したものの引っ張り剪断試験をオートグラフ(島津製作所製)を用いて行った。室温で放置したものは接着性を示さなかったが,70℃で放置したものは強固に接着しており,約190N/cmの接着強度を示した。微粒子の破壊により放出されたポリイソシアネートとポリアミンとが加熱することにより重付加反応して硬化したと考えられる。
【0139】
このことから、本発明の活性水素化合物を内包した微粒子を配合したイソシアネート樹脂組成物は、1液型接着剤として実用できると判定された。
<処方例2>
比較例2で得られた微粒子と変性脂肪族アミン(ジャパンエポキシレジン株式会社製,YLH1204)を化学当量比1:1(ポリイソシアネート:カプセル化活性水素化合物)になるよう混合し一液型接着剤とした。この接着剤を処方例1と同様にして接着力を評価したが、全く接着力を示さなかった。