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明細書 :新規ポリヌクレオチド、それを用いた深在性輸入真菌症原因菌ペニシリウム・マルネッフェイ(Penicilliummarneffei)の検出用マーカ、プローブ、プライマー、検出方法およびキット

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4576489号 (P4576489)
公開番号 特開2005-341955 (P2005-341955A)
登録日 平成22年9月3日(2010.9.3)
発行日 平成22年11月10日(2010.11.10)
公開日 平成17年12月15日(2005.12.15)
発明の名称または考案の名称 新規ポリヌクレオチド、それを用いた深在性輸入真菌症原因菌ペニシリウム・マルネッフェイ(Penicilliummarneffei)の検出用マーカ、プローブ、プライマー、検出方法およびキット
国際特許分類 C12N  15/09        (2006.01)
C12Q   1/68        (2006.01)
C12R   1/80        (2006.01)
FI C12N 15/00 ZNAA
C12Q 1/68 A
C12Q 1/68 A
C12R 1:80
請求項の数または発明の数 7
全頁数 9
出願番号 特願2004-197446 (P2004-197446)
出願日 平成16年6月7日(2004.6.7)
審査請求日 平成19年3月26日(2007.3.26)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304021831
【氏名又は名称】国立大学法人 千葉大学
発明者または考案者 【氏名】横山 耕治
【氏名】王 麗
【氏名】スワラジット ケー ビスワス
【氏名】遠藤 成朗
【氏名】西村 和子
審査官 【審査官】松原 寛子
参考文献・文献 特開2002-142774(JP,A)
国際公開第98/010073(WO,A1)
日本細菌学雑誌,2002年,Vol.57,p.207
FEBS Letters,2003年,Vol.555,p.469-477
調査した分野 C12N 15/00
C12Q 1/68
CA/BIOSIS/MEDLINE(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
SwissProt/PIR/GeneSeq



特許請求の範囲 【請求項1】
配列番号2記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むペニシリウム・マルネッフェイを検出するためのプライマー。
【請求項2】
フォワード側プライマーである請求項1記載のプライマー。
【請求項3】
配列番号3記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むペニシリウム・マルネッフェイを検出するためのプライマー。
【請求項4】
リバース側プライマーである請求項3記載のプライマー。
【請求項5】
配列番号2記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号3記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、を有するペニシリウム・マルネッフェイを検出するためのキット。
【請求項6】
配列番号2記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むペニシリウム・マルネッフェイを検出するためのプローブ。
【請求項7】
配列番号3記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むペニシリウム・マルネッフェイを検出するためのプローブ。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、新規ポリヌクレオチド、それを用いた深在性輸入真菌症原因菌ペニシリウム・マルネッフェイ(Penicilliummarneffei)の検出用マーカ、プローブ、プライマー、検出方法およびキットに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、世界的なグローバル化が急速に進み、以前は地域が限定され風土病とされていた病気が、流行地からの原材料を扱う人や当地を訪問した人が感染し異動先などで発病する例が増加している。これらのうち真菌によって起こる病気を輸入真菌症と呼び、通常の深在性真菌症よりも深刻で、これらの原因菌は病原性が強く、重篤に至る率が高いため早急に同定診断する必要がある。また、バイオテロリズムなどに悪用される可能性も高いため、これらの菌種を迅速に検出・同定することが望まれている。ペニシリウム・マルネッフェイ(Penicilliummarneffei)は、コクシジオイデス・イミチス(Coccidioidesimmitis)と共に、危険度クラス3に属する真菌において、最も危険とされる菌であり、培養や培養後の取り扱いは慎重を要し、特定の設備を持った機関でのみ取り扱う必要がある。
従来の深在性真菌症原因菌としては、カンジダ(Candida、以下C.と略す。)属真菌、アスペルギルス(Aspergillus、以下A.と略す。)属真菌、クリプトコッカス(Cryptococcus、以下Cr.と略す。)属真菌などが知られているが、的確な治療などのために、これらの深在性真菌感染とペニシリウム・マルネッフィとを迅速に区別する必要がある。
【0003】
近年、深在性真菌症は免疫不全患者に目和見感染症として増加しているが、その患者は重篤な基礎疾患を持つことが多く、早期に起炎菌を明らかにして的確な治療をすることが必要である。深在性真菌症の診断は血液培養法が基本であるが検出感度などに問題がある。これまでに抗体による診断薬が市販されているが、抗体による診断は免疫不全状態の患者には役立たない。このような現状で、近年、抗原やその他の菌体成分を直接検出する方法が開発されてきている。たとえば、マンナン、D一アラビニトル、グルカンなどを検出して感染を診断する方法が開発されている。一方、分子生物学の発展につれて、結核菌やクラミジアなど各種病原菌のDNAを抽出し、いわゆるPCR法などによって核酸を検出することによって診断する方法が開発されている。深在性真菌症の分野でもリボゾームRNAを検出して診断する方法などが提示されている(例えば、下記非特許文献1参照。)。本発明者らは、先にこれら各種真菌症の原因となる真菌のミトコンドリアに存在するチトクロームbの遺伝子に着目し、アスペルギルス属およびカンジダ属真菌を検出するために用いられる核酸を提供し、さらにそれを用いることによる簡便、迅速、特異的かつ高感度な深在性真菌症の原因菌、さらにはアスペルギルス属およびカンジダ属真菌の検出方法を開発した(例えば下記特許文献1、下記特許文献2参照。)。

【特許文献1】特開2002-142774号公報
【特許文献2】国際特許第98/10073号パンフレット
【非特許文献1】「臨床病理」、43省補冊、1995年、119頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、深在性輸入真菌症の原因菌のうちペニシリウム・マルネッフェイを種特異的に検出するのに使用可能な新規なポリヌクレオチドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、各種深在性真菌症の原因菌、なかでもペニシリウム・マルネッフェイの遺伝子に関する種々の検討を重ねた。その結果、これら各種深在性真菌症の原因となる真菌のミトコンドリアに存在するチトクロームbの遺伝子の一部を増幅し、その配列を解読することに成功した。本発明者らは、その配列を基にさらに研究を重ねた結果、ペニシリウム・マルネッフェイに特異的な配列(例えば、配列番号1)を見出し、これが検出用マーカ配列として使用可能であることを突き止めた。そして、この配列を基にさらに研究を重ねた結果、前記特異的配列を検出可能なプローブおよびプライマーを設計した(例えば、配列番号2若しくは3)。本発明によれば、簡便、迅速、特異的かつ高感度にペニシリウム・マルネッフェイを検出・同定することが可能である。
【0006】
すなわち、本発明の第1のポリヌクレオチドは、下記の(a),(b)および(c)のいずれかのポリヌクレオチドである。
(a) 配列番号1記載の塩基配列(但し、任意の位置のチミン(t)は、ウラシル(u)で置換されていてもよい。以下、同じ)からなるポリヌクレオチド。
(b) 配列番号1記載の塩基配列と相補的配列からなるポリペプチド。
(c) 配列番号1記載の塩基配列において、1若しくは数個の塩基が、置換、欠失若しくは付加している塩基配列からなるポリペプチドであって、(a)または(b)のポリペプチドと、ストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリペプチド。
また、本発明の第2のポリヌクレオチドは、下記の(d),(e)および(f)のいずれかのポリヌクレオチドである。
(d) 配列番号1記載の塩基配列における少なくとも10塩基連続する塩基配列からなるポリヌクレオチド。
(e) 配列番号1記載の塩基配列と相補的配列における少なくとも10塩基連続する塩基配列からなるポリヌクレオチド。
(f) 配列番号1記載の塩基配列において、1若しくは数個の塩基が、置換、欠失若しくは付加している塩基配列における少なくとも10塩基連続する塩基配列からなるポリヌクレオチドであって、(d)または(e)のポリペプチドと、ストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリペプチド。
【発明の効果】
【0007】
本発明により従来、同定に時間のかかっていたペニシリウム・マルネッフェイを迅速、簡便に特異的且つ高感度で検出・同定することが可能となる。本発明の第1および第2のポリヌクレオチドは、マーカ、遺伝子増幅反応用のプライマー、若しくは直接検出用のプローブとして用いることが可能である。また、プライマーにより増幅した産物をプローブで検出することにより、感度、特異性をさらに高くすることも可能であり、その臨床的意義は大きく、さらに、現在、特に問題になっているバイオテロリズムにも迅速に対応できる。なお、本発明において、第2のポリヌクレオチドは、第1のポリヌクレオチドと同一の場合がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の第1のポリヌクレオチドにおいて、前記(c)における前記(a)のポリヌクレオチドとストリンジェンドな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチドは、例えば、配列番号4の塩基配列からなるポリヌクレオチドである。
【0009】
本発明のマーカは、ペニシリウム・マルネッフェイを検出するためのマーカであって、前記第1のポリヌクレオチドを含むマーカである。このマーカを、後述の本発明のプローブやプライマーを用いて検出することにより、ペニシリウム・マルネッフェイを検出・同定できる。
【0010】
前記第2のポリヌクレオチドにおいて、少なくとも10塩基連続する塩基配列が、配列番号1の3‘末端若しくは5’末端から連続する塩基配列であってもよい。前記第2のポリヌクレオチドにおいて、その塩基数は、10塩基以上、好ましくは20~30塩基である。
【0011】
本発明のプローブは、ペニシリウム・マルネッフェイを検出するためのプローブであって、本発明の第2のポリヌクレオチドを含むプローブである。本発明のプローブは、検出用の標識(ラベル)を有することが好ましい。前記標識としては、例えば、放射性標識、蛍光標識、酵素標識、ビオチンなどがある。なお、本発明のプローブは、前記第2のポリヌクレオチド単独で構成されていてもよいし、その他のポリヌクレオチドが連結されていてもよい。
【0012】
本発明のプライマーは、ペニシリウム・マルネッフェイを検出するためのプライマーであって、本発明の第2のポリヌクレオチドを含むプライマーである。このプライマーは、フォファード側であってもよいし、リバース側であってもよい。本発明のプライマーとしては、例えば、配列番号2記載の塩基配列からなるプライマーがある。このプライマーは、フォワード側プライマーであることが好ましい。また、本発明のプライマーとしては、例えば、配列番号3記載の塩基配列からなるプライマーがある。このプライマーは、例えば、リバース側プライマーであることが好ましい。なお、本発明のプライマーは、前記第2のポリヌクレオチド単独で構成されていてもよいし、その他のポリヌクレオチドが連結されていてもよい。
【0013】
本発明の第1のペニシリウム・マルネッフェイの検出方法は、本発明のプローブによりペニシリウム・マルネッフェイのチトクロームb遺伝子を検出する方法である。本発明のプローブは、前記チトクロームb遺伝子内の特異的配列(例えば、配列番号1)とハイブリダイズするので、これによりペニシリウム・マルネッフェイを種特異的に検出できる。また、本発明の第1のキットは、第1の検出方法によりペニシリウム・マルネッフェイを検出するためのキットであって、本発明のプローブを含むキットである。
【0014】
本発明の第2のペニシリウム・マルネッフェイの検出方法は、本発明のプライマーを用いた遺伝子増幅法によりペニシリウム・マルネッフェイのチトクロームb遺伝子を検出する方法である。本発明のプライマーは、前記チトクロームb遺伝子内に特異的配列(例えば、配列番号1)とハイブリダイズするので、これによりペニシリウム・マルネッフェイを種特異的に検出できる。また、本発明の第2のキットは、第2の検出方法によりペニシリウム・マルネッフェイを検出するためのキットであって、本発明のプライマーを含むキットである。前記遺伝子増幅法は、PCR法が好ましい。この場合、本発明の第2のキットは、PCR法用の試薬を含んでいても良く、前記試薬としては、例えば、DNAポリメラーゼ、dNTPなどがある。また、第2のキットは、増幅産物を検出するためのプローブを有していてもよく、前記プローブとしては、本発明のプローブが好ましい。
【0015】
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
【0016】
本発明のポリヌクレオチドは、DNAであってもよいし、RNAであってもよい。本発明において、「ストリンジェントな条件下」とは、一般的なハイブリダイズ条件をいい、例えば、下記実施例に記載するような通常のPCRにおけるアニーリング条件下で、鋳型となる標的核酸にハイブリダイズし、プライマーとして機能する条件、または、標的核酸とプローブのハイブリダイズにより検出可能な電圧や電流に変化を及ぼす条件である。また、「ハイブリダイズ」とは、一本鎖DNAやRNAの間で、互いに相補的な塩基配列を利用して人工的に二本鎖の雑種核酸分子を形成することである。なお、配列番号2及び3で示される塩基配列は、ペニシリウム・マルネッフェイのミトコンドリアにおけるチトクロームb遺伝子内の33nt~52nt(配列番号2)の領域及び367nt~386nt(配列番号3)の領域それぞれとハイブリダイズするものである。
【0017】
前述のように、本発明の第2のポリヌクレオチドは、プローブとして用いることができるし、PCRのような遺伝子増幅法のプライマーとして用いることもできる。プライマーとして用いる場合、2つの本発明の第2のポリヌクレオチドのうち、一方をフォワード側プライマーとして使用し、他方をリバース側プライマーとして使用することが好ましい。例えば、配列番号2の塩基配列からなるポリヌクレオチドをフォワード側プライマーとし、配列番号3の塩基配列からなるポリヌクレオチドをリバース側プライマーとして用いた場合には、被検試料中にペニシリウム・マルネッフェイのミトコンドリアチトクロームb遺伝子が存在していれば、354塩基対の長さの核酸(配列番号4)が増幅される。この場合、他の種のペニシリウム属菌、アスペルギルス属菌、カンジダ属、クリプトコックス属菌などの真菌遺伝子が存在していても、これらの他の菌由来の遺伝子断片の増幅は起きない。従って、増幅の有無を調べることによりペニシリウム・マルネッフェイの検出・同定が可能である。
【0018】
本発明のポリヌクレオチドは、菌由来のものであってもよいし、化学合成したものであってもよい。化学合成は、例えば、市販の核酸合成装置等を用いて実施できる。
【0019】
本発明の第2のポリヌクレオチドをプローブとして用いる場合、標識剤で標識することが好ましい。この場合、被験試料中のペニシリウム・マルネッフェイ遺伝子と標識プローブをハイブリダイズさせた後に、遺伝子と標識プローブとの結合物もしくは非結合の標識プローブを、標識剤に適した適当な検出法で検出する。プローブに用いる標識剤は、例えば、蛍光標識、放射標識、酵素標識、ビオチン等を挙げることができる。検体、すなわち被験試料中の真菌遺伝子と前記プローブとのハイブリダイズは、検体を通常の方法で前処理、精製したものを被験試料とし、それとプローブとを混合し、室温から80℃で10分から48時間処理することにより実施できる。標識の検出以外に、ハイブリダイズは、ハイブリダイズの結果生ずる電圧や電流の変化により検知しても良い。また、検体はあらかじめ本発明のプライマーを用いて増幅反応を行っておいてもよい。本発明のプローブは、例えば、DNAチップやDNAアレイなどの形態で使用してもよい。
【0020】
本発明の第2のポリヌクレオチドを、遺伝子増幅法用のプライマーとして用いれば、DNAポリメラーゼ等による伸長反応を行って遺伝子増幅することにより、ペニシリウム・マルネッフェイのチトクロームb遺伝子断片のみを特異的に増幅させ、この増幅産物を測定することによって、ペニシリウム・マルネッフェイを検出することができる。本発明のプライマーは、標識剤で標識化してもよい。ここで用いられる遺伝子増幅法としては、例えば、PCR法やその改変法があるが、特に限定されるものではなく、短鎖のオリゴ核酸をプライマーとして遺伝子合成の開始のために用いるいずれの遺伝子増幅法をも用いることができる。また、いわゆるリアルタイム検出PCRを実施してもよく、この場合には被検核酸の定量も可能になる。従って、本発明における「検出」には、定量的な検出も包含される。遺伝子増幅法によるペニシリウム・マルネッフェイの検出は、上記方法により増幅された増幅産物、すなわちチトクロームb遺伝子断片を検出することにより行うことができるし、その他、増幅されたチトクロームb遺伝子断片を制限酵素によって断片化し、その断片の生成パターンを比較することによっても検出できる。ここで用いる制限酵素は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。増幅されたチトクロームb遺伝子断片、または制限酵素でさらに断片化された遺伝子断片の検出手段は特に限定されることはなく、通常の遺伝子の検出方法(例えば電気泳動法など)が使用できる。増幅産物は、例えば電気泳動により分画され、特異的かつ検出に十分な程度に鮮明なバンドとして容易に検出できる。なお、遺伝子増幅法において、核酸混合物(dATP、dTTP、dGTP、dCTP)もしくはリボ核酸混合物(ATP、UTP、GTP、CTP)をDNAもしくはRNA合成の原料として使用することが好ましい。
【0021】
本発明のプローブを含む第1のキットは、前記プローブに加え、このプローブを検出するための試薬を含んでいても良い。前記その他の試薬としては、例えば、前記プローブが標識化されている場合の前記標識の検出剤、緩衝剤などがある。本発明のプライマーを含む第2のキットは、前記プライマーに加え、その他の試薬を含んでいても良い。前記その他の試薬としては、例えば、核酸合成酵素(例えば、DNAポリメラーゼ,RNAポリメラーゼ、逆転写酵素など)、デオキシリボヌクレオチド混合物(dATP、dTTP、dGTP、dCTP)、リボヌクレオチド混合物(ATP、UTP、GTP、CTP)、制限酵素、緩衝液などがある。また、本発明のプローブは、固相担体に結合させて、捕捉プローブとして用いることもできる。この場合、捕捉プローブと標識プローブの2つを組合せてサンドイッチアッセイを行ってもよい。また標的核酸を標識して捕捉する方法もある。さらに、本発明のプローブをビオチンで標識し、ハイブリダイズ後、アビジン結合担体で捕捉する方法もある。サンドイッチアッセイにおいて、どちらか一方に本発明のプローブを用いれば、種特異的な検出が可能となるため、他方のプローブの特異性は若干低くてもよい。また、前記結合担体で捕捉した際の電圧や電流の変化を検出しても良い。前述のように、本発明のプローブは、例えば、DNAチップやDNAアレイの形態で使用してもよい。
【実施例1】
【0022】
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0023】
(各種核酸の合成)
配列番号2および3の各塩基配列で表される各ポリヌクレオチドを化学合成した。以下、配列番号2若しくは3の塩基配列からなる各ポリヌクレオチドを、それぞれ核酸2,核酸3と呼ぶ
【0024】
(ペニシリウム・マルネッフェイのPCRによる同定)
ポテトデキストロース液体培地で培養して得たペニシリウム・マルネッフェイ(Penicillium marneffei IFM45542)の菌体を、75%エタノール処理し殺菌した。1500g、10分間の遠心分離で菌体を得、DNA抽出試薬(タカラバイオ社製、Genとるくん(登録商標)酵母用)を用いて核酸を抽出し乾燥後、-20℃に保存した。
【0025】
この核酸を鋳型にし、前記核酸2と核酸3をプライマーとして、タカラバオイ(株)のTaKaRa SYBR(登録商標)Premix Taqを用い、リアルタイムPCR装置(Smart Cycler(登録商標) II System)を使用して以下の方法でPCR反応を行い、チトクロームb遺伝子の一部を増幅し増幅の特異性を検証した。反応液の組成は次の通りであった。
【0026】
TaKaRa SYBR(登録商標)Premix Taq(2xconc.) 12.5μl
核酸2(Forward Primer; 10μlM) 0.5μl
核酸3(Reverse Primer: 10μlM) 0.5μl
Template(<30ng) 1μl
水にて全量を25μlにした。
【0027】
反応条件は次の通りであった。
熱変性:94℃、10秒
アニーリングと重合反応:60℃、30秒
サイクル数:40回
【0028】
増幅されたDNAを二重鎖DNAにインターカレーションにより蛍光を発するサイバーグリーンの蛍光強度から検出した。この結果を、図1のグラフに示す。配列2と配列3、TaKaRa S
JP0004576489B2_000002t.gif酸を加えて反応させた結果、ペニシリウム・マルネッフィから抽出した核酸のみに増幅反応が検出できた。すなわち、Penicilliumchrysogenum(以後PenicilliumP.と略す。)、P.citrinumdendritiumduclauxiiexpansumminioluteumpurpurogenumrugulosumspinulosumの近縁なペニシリウム属菌では、増幅は全くみられず、高頻度に罹患する深在性真菌症原因菌である、fumigatusalbicansCrneoformansから抽出した核酸においても増幅は全く認められなかった。
【0029】
増幅したDNAの解離温度を測定した。この結果を図2に示す。図示のように、解離温度は、増幅されたDNAのみ測定でき、それは78.03℃であることを示した。この解離温度はDNAの種類で特徴的な値を示し、検出した増幅DNAが、目的のものであること、すなわち、ペニシリウム・マルネッフィ由来の遺伝子断片であることが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明によれば、ペニシリウム・メルネッフェイを種特異的に検出可能である。
図面
【図1】
0
【図2】
1