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明細書 :ホモアリルアルコール又はホモアリルヒドラジドの製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5072026号 (P5072026)
公開番号 特開2008-255093 (P2008-255093A)
登録日 平成24年8月31日(2012.8.31)
発行日 平成24年11月14日(2012.11.14)
公開日 平成20年10月23日(2008.10.23)
発明の名称または考案の名称 ホモアリルアルコール又はホモアリルヒドラジドの製造方法
国際特許分類 C07C  29/38        (2006.01)
C07C  33/03        (2006.01)
C07C  33/30        (2006.01)
C07C  37/20        (2006.01)
C07C  39/19        (2006.01)
C07C  33/48        (2006.01)
C07C 213/00        (2006.01)
C07C 215/68        (2006.01)
C07C 201/12        (2006.01)
C07C 205/19        (2006.01)
C07C  33/28        (2006.01)
C07C  41/30        (2006.01)
C07C  43/23        (2006.01)
C07C  35/32        (2006.01)
C07C  35/36        (2006.01)
C07C  35/17        (2006.01)
C07C  35/21        (2006.01)
C07C  35/18        (2006.01)
C07D 213/30        (2006.01)
C07D 307/42        (2006.01)
C07D 333/16        (2006.01)
C07D 209/38        (2006.01)
C07C 241/04        (2006.01)
C07C 243/38        (2006.01)
C07F   7/18        (2006.01)
C07D 213/42        (2006.01)
C07B  41/02        (2006.01)
C07B  43/00        (2006.01)
C07B  61/00        (2006.01)
FI C07C 29/38
C07C 33/03
C07C 33/30
C07C 37/20
C07C 39/19
C07C 33/48
C07C 213/00
C07C 215/68
C07C 201/12
C07C 205/19
C07C 33/28
C07C 41/30
C07C 43/23 A
C07C 35/32
C07C 35/36
C07C 35/17
C07C 35/21
C07C 35/18
C07D 213/30
C07D 307/42
C07D 333/16
C07D 209/38
C07C 241/04
C07C 243/38
C07F 7/18 L
C07D 213/42
C07B 41/02 B
C07B 43/00
C07B 61/00 300
請求項の数または発明の数 1
全頁数 28
出願番号 特願2008-018887 (P2008-018887)
出願日 平成20年1月30日(2008.1.30)
優先権出願番号 2007060595
優先日 平成19年3月9日(2007.3.9)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成21年5月21日(2009.5.21)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】小林 修
【氏名】ウーベ シュナイダー
【氏名】上野 雅晴
個別代理人の代理人 【識別番号】100113022、【弁理士】、【氏名又は名称】赤尾 謙一郎
【識別番号】100110249、【弁理士】、【氏名又は名称】下田 昭
審査官 【審査官】小久保 敦規
参考文献・文献 特開昭59-062539(JP,A)
特開昭61-158934(JP,A)
特開昭63-222123(JP,A)
特開平05-125004(JP,A)
特開平10-182523(JP,A)
特開平11-228453(JP,A)
特開2003-261483(JP,A)
特開2006-206531(JP,A)
特開2006-265127(JP,A)
特開2008-255094(JP,A)
特開2009-215240(JP,A)
特開2010-209031(JP,A)
特開2010-215513(JP,A)
特開2011-184383(JP,A)
European Journal of Organic Chemistry,2006年,(17),p.3826-3833
Angewandte Chemie, International Edition,2007年,46(31),p.5909-5912
Tetrahedron,2008年,64(2),p.319-327
Tetrahedron Letters,2006年,47(25),p.4267-4269
Journal of Organic Chemistry ,2006年,71(22),p.8516-8522
Advanced Synthesis & Catalysis,2006年,348(12+13),p.1734-1742
調査した分野 C07C 29/38
C07C 33/00
C07C 35/00
B01J 31/22
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII)
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
式I
【化1】
JP0005072026B2_000049t.gif
で表されるピナコリルアリルボレートからなるホウ素を含むアリル化剤によってケトン又はN-アシルヒドラゾンをアリル化、前記ケトン又はN-アシルヒドラゾンに対し1~50mol%の1価又は0価のインジウムを触媒として用いるホモアリルアルコール又はホモアリルヒドラジドの製造方法であって、
前記ケトンは、R-C=O-R(R,Rは、芳香族基、複素環基、脂肪族基)で表され、
前記N-アシルヒドラゾンは、式XXIX
【化29】
JP0005072026B2_000050t.gif
(式中、Rは芳香族基、脂肪族基又は複素環基;Rは水素原子又は脂肪族基;Rは芳香族基)で表されるホモアリルアルコール又はホモアリルヒドラジドの製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
この発明は、アリル化剤によってケトン又はN-アシルヒドラゾンをアリル化するホモアリルアルコール又はホモアリルヒドラジドの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ケトンのアリル化による生成物(例えば、三級ホモアリルアルコール)は有用な中間体であり、その効率的な製造方法の確立が要望されている。
一方、従来から、有機合成反応において0価のインジウムが広く用いられている。これは、0価のインジウムは容易に入手可能であり、無毒で安価、さらに使用前の活性化が通常は必要なく、水や水溶液の存在下でも活性を失わない等の利点によるものである。
インジウムを用いた反応としては、ハロゲン化アリルのBarbier型反応でアリルインジウム種が生成し、これが求電子剤と反応することが報告されている(非特許文献1参照)。又、近年、0価のインジウムがアリルパラジウム前駆体を対応するアリルインジウム試薬へ変換し、又は二級アルキルハライドを対応するアルキルラジカルへと変換する性質を有することが明らかにされている(非特許文献2参照)。
【0003】
又、イミン類のアリル化は重要な炭素-炭素結合生成物であり(非特許文献3)、生成物のホモアリルアミン類は整理活性物質等の有用な中間体となる(非特許文献4)。イミンのアリル化は、通常はハロゲン化アリルをBarbier型反応条件で調製したアリルインジウム試薬を用いるが(非特許文献5)、最近ではアリルパラジウム(非特許文献6)やアリル水銀(非特許文献7)から金属交換反応でアリルインジウムを調製する方法も報告されている。
しかしながら、他のアリル化反応方法では毒性の高いアリルスズ(非特許文献8)や腐食性のあるアリルケイ素試薬(非特許文献9)、又は活性化されたイミン誘導体(非特許文献10)を用いる必要がある。一方、アシルヒドラゾン類は対応するカルボニル化合物から調製され、イミンに比べて非常に安定性が高い(非特許文献11)。しかしながらアシルヒドラゾンを用いる触媒的アリル化反応は、ごく限られた基質でしか報告されていない(非特許文献12)。
【0004】

【非特許文献1】L. A. Paquette, T. M. Mitzel, J. Am. Chem. Soc. 1996, 118, 1931-1937
【非特許文献2】H. Miyabe, T. Naito, Org. Biomol. Chem. 2004, 2, 1267-1270
【非特許文献3】Kobayashi, S.; Ishitani, H. Chem. Rev. 1999, 99, 1069
【非特許文献4】Ding, H.; Friestad, G. K. Synthesis 2005, 2815
【非特許文献5】Loh, T.-P.; Ho, D. S.-C.; Xu, K.-C.; Sim, K.-Y. Tetrahedron Lett. 1997, 38, 865
【非特許文献6】Cooper, I. R.; Grigg, R.; MacLachlan, W. S.; Sridharan, V.; Thornton-Pett, M. Tetrahedron Lett. 2003, 44, 403
【非特許文献7】Chan, T. H.; Yang, Y. J. Am. Chem. Soc. 1999, 121, 3228
【非特許文献8】Nakamura, H.; Nakamura, K.; Yamamoto, Y. J. Am. Chem. Soc. 1998, 120, 4242
【非特許文献9】Nakamura, K.; Nakamura, H.; Yamamoto, Y. J. Org. Chem. 1999, 64, 2614
【非特許文献10】Ferraris, D.; Dudding, T.; Young, B.; Drury, W. J. III; Lectka, T. J. Org. Chem. 1999, 64, 2168
【非特許文献11】Oyamada, H.; Kobayashi, S. Synlett 1998, 249
【非特許文献12】Cook, G. R.; Maity, B. C.; Kargbo, R. Org. Lett. 2004, 6, 1741
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した従来技術の場合、化学量論量(基質と同一の量)のインジウムが必要であるという問題があった。
従って、本発明は、触媒量のインジウムを用いてケトン又はN-アシルヒドラゾンをアリル化するホモアリルアルコール又はホモアリルヒドラジドの製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題を解決するために、本発明者らは鋭意研究した結果、ホウ素を含むアリル化剤を用いることにより、触媒量のインジウムでアリル化反応が進行することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明のホモアリルアルコール又はホモアリルヒドラジドの製造方法は、式I
【化1】
JP0005072026B2_000002t.gif
で表されるピナコリルアリルボレートからなるホウ素を含むアリル化剤によってケトン又はN-アシルヒドラゾンをアリル化、前記ケトン又はN-アシルヒドラゾンに対し1~50mol%の1価又は0価のインジウムを触媒として用いるホモアリルアルコール又はホモアリルヒドラジドの製造方法であって、前記ケトンは、R-C=O-R(R,Rは、芳香族基、複素環基、脂肪族基)で表され、前記N-アシルヒドラゾンは、式XXIX
【化29】
JP0005072026B2_000003t.gif
(式中、Rは芳香族基、脂肪族基又は複素環基;Rは水素原子又は脂肪族基;Rは芳香族基)で表される
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、触媒量のインジウムを用いてケトン又はN-アシルヒドラゾンをアリルボロネートによりアリル化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、触媒量のインジウムの存在下、ホウ素を含むアリル化剤によってケトン又はN-アシルヒドラゾンをアリル化するものである。
ホウ素を含むアリル化剤としては、以下の式II
【化2】
JP0005072026B2_000004t.gif
に示すアリルボロネート(Rは水素原子または脂肪族炭化水素基をあらわす)又はアリルボレートが挙げられる。
特に、アリル化剤として、式I
【化1】
JP0005072026B2_000005t.gif
で表されるピコナールアリルボレートを用いることが好ましい。
【0012】
一価のインジウムの場合、ホウ素原子と置換する(トランスメタル化)ことで高活性なアリルインジウムが生成するか、又はインジウムがホウ素原子に配位することでアリルボロネートの活性が向上すると考えられる。0価のインジウムの場合は、前述のトランスメタル化、又は、インジウムから一電子がホウ素に移動することによりラジカル機構で反応が進行していると考えられる。
【0013】
ケトンとしては、特に制限されず、例えば、環式ケトン、非環式ケトン、芳香族ケトン、複素環ケトン、脂肪族ケトン等を用いることができる。つまり本発明は、広い基質一般性を有する。又、ケトンとしては、アミノ基、水酸基、メトキシ基、クロロ基、ブロモ基、ニトロ基、アミド基などの種々の官能基を構造に含むものを用いることができる。
又、式XXIX
【化29】
JP0005072026B2_000006t.gif
(式中、Rは芳香族基、脂肪族基又は複素環基;Rは水素原子又は脂肪族基;Rは芳香族基)で表されるN-アシルヒドラゾンを用いることもできる。
【0014】
ケトン及びN-アシルヒドラゾンのアリル化の触媒として、前記ケトン又はN-アシルヒドラゾンに対し1~50mol%の1価又は0価のインジウムを用いる。前記ケトンに対するインジウムの量は、好ましくは1~20mol%、より好ましくは5~20mol%である。
1価のインジウムとしては、ヨウ化インジウム、臭化インジウム、塩化インジウム等のハロゲン化インジウム、またはインジウムトリフラートを好適に用いることができる。本発明で用いるインジウムは、水又は有機溶媒中に溶解又は分散させて用いることができ、有機溶媒としては、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、エタノール、ジメチルホルムアミド、アセトニトリルを例示することができる。特に、水を溶媒とする場合は、環境負荷が少なくなる。
但し、N-アシルヒドラゾンのアリル化においては、溶媒としてトルエンにメタノールを加えた系が適しており、水を溶媒とすると収率が低下する傾向にある。
【0015】
本発明において、反応系の溶媒中の各成分の濃度はそれぞれ0.01~5mol/lであることが好ましい。
この反応の温度は、好ましくは-78~60℃である。
この反応時間は、数分~数10時間程度である。
この反応系には上記成分のほか、適宜、触媒や界面活性剤等の公知の添加剤を添加してもよい。
【0016】
本発明の製造方法によって得られる生成物としては、2-フェニルー4-ペンテンー2-オール等、様々な置換基を有する三級ホモアリルアルコール又はホモアリルヒドラジドを例示することができる。
生成物は、抽出、カラムクロマトグラフィー、蒸留、再結晶等の一般的精製法を利用して回収できる。
【0017】
R1R2=Oで表されるケトンに対し、式Iで表されるピコナールアリルボレートをアリル化剤として用いた場合の反応式を式III
【化3】
JP0005072026B2_000007t.gif
に示す。
ここで、R1,R2としては、芳香族基、複素環基、脂肪族基等が挙げられる。
【0018】
以下、実施例にて本発明を例証するが本発明を限定することを意図するものではない。
【0019】
なお、以下の各実施例において、特に記載しない限り、全ての溶媒とケトン(市販のもの)は使用前にアルゴン下で蒸留又は再結晶した。市販品であるピナコールアリルボロネート2は既知法(Y.-C. Teo, J.-D. Goh, T.-P. Loh, Org. Lett. 2005, 7, 2743-2745)の改良法で調製した。
インジウム触媒として、ヨウ化インジウム(I) (10mesh-beads or powdered form; 99.999%), 塩化インジウム(I) (powder; 99.999%), 臭化インジウム(I) (10 mesh-beads or powdered form; 99.999%), 0価インジウム (100 mesh-powder; 99.99%), ヨウ化インジウム(III)(powder; 99.998%), インジウム(III)トリフラート (powder, 99+%))、InCl3(anhydrous powder, 99.999%),InBr3(anhydrous powder, 99.999%), In(OH)3(nanopowder, 99.99%)は全てAldrich社の市販品であり, さらなる精製を行わずに用いた。全ての反応操作は乾燥したガラス器具を用い、アルゴン下で行った。
【0020】
又、生成物の同定は、以下のNMR,IR,マススペクトル、及びクロマトグラフィーを用いた。NMR スペクトルは日本電子製のJEOL JNM-ECX400 を用い CDCl3 もしくはDMSO-d6.中で測定し、テトラメチルシラン(TMS; δ = 0.00 ppm) 及び非重水素化DMSO シグナル (δ = 2.49 ppm) を 1H NMRの内部標準とした。また、次の非重水素化溶媒シグナル (CDCl3: δ = 77.00 ppm; DMSO-d6: δ = 39.50 ppm) を13C NMRの内部標準として用いた。IR スペクトルはJASCO FT/IR-610 を用いて測定した。ESI 高分解能マススペクトル(ESI-HRMS) はブルカダルトニクスBioTOF IIを用いて測定した。 カラムクロマトグラフィーはSilica gel 60 (Merck) を用い、分取用薄層クロマトグラフィーはWakogel B-5Fを用いて行った。
【実施例1】
【0021】
<種々のインジウム触媒による、水中でのケトンのアリル化>
セプタム栓をし、乾燥した10mLの攪拌子入りシュレンク型フラスコに、アルゴン雰囲気下、純水(2.5ml,0.2mol/L)及び、上記した各種インジウム触媒20mol%を加えた後、ケトン1(0.5mmol) およびピナコールアリルボロネート 2( 0.75mmol; 1.5equiv)を順次加えた。アルゴン雰囲気下、40℃で24時間激しく攪拌し、塩化メチレンで希釈した後に飽和炭酸水素ナトリウ水溶液を加えた。相分離後、水相から塩化メチレンで三回の抽出を行い、有機相を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過の後に減圧濃縮した。残さをシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒:n-ヘキサン/酢酸エチル=99:1~1:1)にて精製し、対応する三級ホモアリルアルコール3を得た。
反応式を式IV
【化4】
JP0005072026B2_000008t.gif
に示す。
【0022】
実施例1で得られた結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
JP0005072026B2_000009t.gif

【0024】
表1より、1価のインジウム(特に、InBr,InI)を用いた場合に収率が最も高くなった。
【実施例2】
【0025】
<種々のインジウム触媒による、THF中でのケトンのアリル化>
溶媒として純水の代わりにテトラヒドロフラン(THF;2.5ml,0.2mol/L)を用い、インジウム触媒の添加量を表2に示すように変化させたこと以外は、実施例1とまったく同様にして三級ホモアリルアルコール3を得た。
実施例2で得られた結果を表2に示す。
【0026】
【表2】
JP0005072026B2_000010t.gif

【0027】
表2より、一価のインジウム触媒の量を1 mol%にまで減らしても反応が収率よく進行した。1価のインジウム触媒の中ではヨウ化インジウムが良好であった。また、0価のインジウム触媒や3価のインジウム触媒はそれぞれ単独では反応はほとんど進行しないが、0価と3価のインジウム触媒と共に用いると反応が進行した。これは系内で1価のインジウムが生成しているためと思われる。
【実施例3】
【0028】
<0価インジウムによる、種々の溶媒中でのケトンのアリル化>
溶媒として純水の代わりに表3に示すものを0.2mol/L用い、インジウム触媒として0価インジウムを用いたこと以外は、実施例1とまったく同様にして三級ホモアリルアルコール3を得た。
実施例3で得られた結果を表3に示す。
【0029】
【表3】
JP0005072026B2_000011t.gif

【0030】
表3より、水中で高い収率を示すことが判明した。
【実施例4】
【0031】
<種々のケトンに対する、ヨウ化インジウム触媒によるTHF中でのアリル化>
ケトン1の代わりに表4に示すケトンを用い、溶媒として純水の代わりにテトラヒドロフラン(THF;2.5ml,0.2mol/L)を用い、インジウム触媒としてヨウ化インジウム(I)(6.0mg;5mol%)用いたこと以外は、実施例1とまったく同様にして対応する三級ホモアリルアルコールを得た。
反応式を式III
【化3】
JP0005072026B2_000012t.gif
に示す。
実施例4で得られた結果を表4に示す。
【0032】
【表4】
JP0005072026B2_000013t.gif

【0033】
なお、表4におけるEntry1~24は、それぞれ以下の生成物3a~3xに対応するケトンと収率の組合せである。
【0034】
生成物3a;2-Phenylpent-4-en-2-ol (3a; entry 1): ケトンとしてacetophenone (1a)を用いたときに淡黄色液体 (収率: 88%)として得られ、式V
【化5】
JP0005072026B2_000014t.gif
で表されるものであった。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ= 1.55 (s, 3H), 2.08 (br s, 1H), 2.50 (dd, J = 8.4 Hz, J = 13.2 Hz, 1H), 2.69 (dd, J = 6.4 Hz, J = 13.2 Hz, 1H), 5.11-5.16 (m, 2H), 5.57-5.68 (m, 1H), 7.22-7.45 (m, 5H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz): δ= 29.87, 48.43, 73.59, 119.44, 124.73, 126.59, 128.14, 133.65, 147.61; IR (neat): ν = 3433, 3075, 2978, 2930, 1639, 1494, 1446, 1374, 1069, 999, 915, 866, 767, 700, 658, 567 cm-1; HRMS (ESI) calcd. for C11H13+ = [M-OH]+: m/z = 145.1012, found: m/z = 145.1008.
【0035】
生成物3b;5-(2-Hydroxypent-4-en-2-yl)benzene-1,3-diol(3b; entry 2): ケトンとして1-(3,5-dihydroxyphenyl)ethanone (1b)を用いたときに無色粘性液体 (収率: quant.)として得られ、式VI
【化6】
JP0005072026B2_000015t.gif
で表されるものであった。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ=1.41 (s, 3H), 2.30 (br s, 1H), 2.36 (dd, J = 8.0 Hz, J = 13.6 Hz, 1H), 2.56 (dd, J = 6.4 Hz, J = 13.6 Hz, 1H), 5.00-5.09 (m, 2H), 5.50-5.63 (m, 1H), 6.20 (t, J = 2.4 Hz, 1H), 6.41 (d, J = 2.4 Hz, 2H), 6.80 (s, 2H); 13C NMR CDCl3, 100 MHz): δ =29.59, 48.14, 73.77, 101.21, 104.31, 119.33, 133.70, 150.64, 157.26; IR (neat): ν = 3276, 2978, 2255, 1602, 1445, 1338, 1268, 1159, 1048, 1025, 1000, 918, 846, 736, 704 cm-1; HRMS (ESI) calcd. for C11H13O2+ = [M-OH]+: m/z = 177.0910, found: m/z = 177.0914.
【0036】
生成物3c;2-(2-Bromophenyl)pent-4-en-2-ol (3c; entry 3): ケトンとして1-(2-bromophenyl)ethanone (1c)を用いたときに無色液体 (収率: 97%);として得られ、式VII
【化7】
JP0005072026B2_000016t.gif
で表されるものであった。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ= 1.67 (s, 3H), 2.59 (dd, J = 8.0 Hz, J = 14.4 Hz, 1H), 2.59 (br s, 1H), 3.23 (dd, J = 6.4 Hz, J = 14.4 Hz, 1H), 5.02-5.11 (m, 2H), 5.45-5.55 (m, 1H), 7.04 (dt, J = 1.6 Hz, J = 7.6 Hz, 1H), 7.20-7.28 (m, 1H), 7.52 (dd, J = 0.8 Hz, J = 7.6 Hz, 1H), 7.64 (dd, J = 1.6 Hz, J = 7.6 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz): δ= 27.27, 45.02, 74.60, 119.32, 119.93, 127.37, 128.22, 128.51, 133.58, 135.00, 144.96; IR (neat): ν = 3464, 3073, 2977, 2932, 1639, 1562, 1463, 1432, 1375, 1345, 1270, 1016, 919, 864, 758, 739, 723 cm-1; HRMS (ESI) calcd. for C11H12Br+ = [M-OH]+: m/z = 223.0117, found: m/z = 223.0114.
【0037】
生成物3d;2-(4-Aminophenyl)pent-4-en-2-ol (3d; entry 4): ケトンとして1-(4-aminophenyl)ethanone (1d)を用いたときに淡黄色粘性液体 (収率: 99%)として得られ、式VIII
【化8】
JP0005072026B2_000017t.gif
で表されるものであった。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ= 1.43 (s, 3H), 1.88 (br s, 1H), 2.39 (dd, J = 8.4 Hz, J = 13.6 Hz, 1H), 2.57 (dd, J = 6.4 Hz, J = 13.6 Hz, 1H), 3.57 (br s, 2H), 4.98-5.08 (m, 2H), 5.51-5.64 (m, 1H), 6.59 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.15 (d, J = 8.8 Hz, 2H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz): δ= 29.82, 48.49, 73.36, 114.81, 119.07, 125.81, 134.06, 137.82, 144.91; IR (neat): ν = 3357, 2976, 2928, 1620, 1517, 1434, 1373, 1268, 1183, 1074, 999, 916, 830, 737 cm-1; HRMS (ESI) calcd. for C11H16NO+ = [M+H]+: m/z = 178.1226, found: m/z = 178.1226.
【0038】
生成物3e;2-(4-Nitrophenyl)pent-4-en-2-ol3 (3e; entry 5): ケトンとして1-(4-nitrophenyl)ethanone (1e)を用いたときに淡黄色液体 (収率: 91%)として得られ、式IX
【化9】
JP0005072026B2_000018t.gif
で表されるものであった。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ= 1.55 (s, 3H), 2.17 (s, 1H), 2.51 (dd, J = 8.4 Hz, J = 13.6 Hz, 1H), 2.65 (dd, J = 6.4 Hz, J = 13.6 Hz, 1H), 5.10-5.15 (m, 2H), 5.51-5.62 (m, 1H), 7.59 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.17 (d, J = 9.2 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz): δ= 29.82, 48.23, 73.64, 120.55, 123.42, 125.89, 132.42, 146.73, 155.00; IR (neat): ν = 3542, 3077, 2979, 2932, 1640, 1603, 1519, 1454, 1409, 1349, 1109, 1069, 1013, 998, 922, 854, 757, 741,
【0039】
生成物3f;2-(Naphthalen-1-yl)pent-4-en-2-ol (3f; entry 6): ケトンとして1-(naphthalen-4-yl)ethanone (1f)を用いたときに白色固体 (収率: quant.)として得られ、式X
【化10】
JP0005072026B2_000019t.gif
で表されるものであった。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ= 1.73 (s, 3H), 2.22 (s, 1H), 2.73 (dd, J = 7.6 Hz, J = 14.0 Hz, 1H), 3.02 (dd, J = 6.8 Hz, J = 14.0 Hz, 1H), 5.00-5.07 (m, 2H), 5.52-5.62 (m, 1H), 7.30-7.43 (m, 4H), 7.49 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.68 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.78 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.65 (d, J = 8.4 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz): δ= 29.59, 47.20, 75.21, 119.24, 123.65, 124.75, 125.09, 125.29, 126.77, 128.56, 129.18, 130.77, 133.88, 134.88, 142.13; IR (KBr): ν = 3242, 2973, 1639, 1599, 1508, 1449, 1366, 1273, 1130, 1103, 1065, 1022, 993, 935, 913, 874, 806, 779 cm-1; HRMS (ESI) calcd. for C15H15+ = [M-OH]+: m/z = 195.1168, found: m/z = 195.1161.
【0040】
生成物3g;2-(Naphthalen-2-yl)pent-4-en-2-ol2 (3g; entry 7): ケトンとして1-(naphthalen-3-yl)ethanone (1g)を用いたときに淡黄色液体 (収率: 98%)として得られ、式XI
【化11】
JP0005072026B2_000020t.gif
で表されるものであった。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ= 1.54 (s, 3H), 2.13 (s, 1H), 2.50 (dd, J = 8.0 Hz, J = 13.6 Hz, 1H), 2.71 (dd, J = 6.4 Hz, J = 13.6 Hz, 1H), 5.01-5.09 (m, 2H), 5.48-5.58 (m, 1H), 7.34-7.46 (m, 3H), 7.72-7.76 (m, 3H), 7.83 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz): δ= 29.90, 48.25, 73.77, 119.55, 123.18, 123.52, 125.67, 126.03, 127.44, 127.87, 128.12, 132.22, 133.14, 133.57, 144.95; IR (neat): ν = 3450, 3060, 2979, 2932, 1638, 1601, 1506, 1435, 1376, 1272, 1131, 998, 911, 857, 819, 748, 478 cm-1; HRMS (ESI) calcd. for C15H15+ = [M-OH]+: m/z = 195.1168, found: m/z = 195.1163.
【0041】
生成物3h;(E)-3-Methyl-1-phenylhexa-1,5-dien-3-ol (3h; entry 8): ケトンとして(E)-4-phenylbut-3-en-2-one (1h)を用いたときに淡黄色液体 (収率: quant.)として得られ、式XII
【化12】
JP0005072026B2_000021t.gif
で表されるものであった。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ= 1.31 (s, 3H), 1.75 (s, 1H), 2.28 (dd, J = 8.0 Hz, J = 13.6 Hz, 1H), 2.37 (dd, J = 6.4 Hz, J = 13.6 Hz, 1H), 5.07-5.11 (m, 2H), 5.71-5.82 (m, 1H), 6.22 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 6.52 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 7.13-7.32 (m, 5H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz): δ= 27.95, 47.30, 72.31, 119.31, 126.39, 127.38, 128.53, 133.53, 136.18, 136.87; IR (neat): ν = 3399, 3078, 3026, 2976, 2928, 1639, 1599, 1494, 1447, 1372, 1273, 1101, 970, 917, 851, 792, 748, 693, 599, 531 cm-1; HRMS (ESI) calcd. for C13H15+ = [M-OH]+: m/z = 171.1168, found: m/z = 171.1162.
【0042】
生成物3i;4-(3-Hydroxyhex-5-en-3-yl)phenol (3i; entry 9): ケトンとして1-(4-hydroxyphenyl)propan-1-one (1i)を用いたときに白色固体 (収率: 98%)として得られ、式XIII
【化13】
JP0005072026B2_000022t.gif
で表されるものであった。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ= 0.74 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 1.79 (dq, J = 3.6 Hz, J = 7.6 Hz, 2H), 1.97 (s, 1H), 2.45 (dd, J = 8.4 Hz, J = 13.6 Hz, 1H), 2.67 (dd, J = 6.0 Hz, J = 13.6 Hz, 1H), 5.06-5.14 (m, 2H), 5.51-5.63 (m, 1H), 5.86 (br s, 1H), 6.79 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.23 (d, J = 8.8 Hz, 2H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz): δ= 7.84, 35.21, 46.79, 75.91, 114.83, 119.52, 126.76, 133.60, 137.91, 154.08; IR (KBr): ν = 3219, 2935, 1609, 1574, 1513, 1436, 1359, 1286, 1257, 1228, 1174, 1019, 915, 880, 831, 735 cm-1; HRMS (ESI) calcd. for C12H15O+ = [M-OH]+: m/z = 175.1117, found: m/z = 175.1113.
【0043】
生成物3j;3-(4-Chlorophenyl)hex-5-en-3-ol (3j; entry 10):ケトンとして1-(4-chlorophenyl)propan-1-one (1j)を用いたときに淡黄色液体 (収率: 99%)として得られ、式XIV
【化14】
JP0005072026B2_000023t.gif
で表されるものであった。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ= 0.68 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 1.74 (dq, J = 3.6 Hz, J = 7.6 Hz, 2H), 1.90 (s, 1H), 2.41 (dd, J = 8.8 Hz, J = 13.6 Hz, 1H), 2.60 (dd, J = 6.4 Hz, J = 13.6 Hz, 1H), 5.04-5.08 (m, 2H), 5.43-5.53 (m, 1H), 7.21-7.27 (m, 4H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz): δ= 7.71, 35.21, 46.88, 75.74, 119.91, 126.94, 128.14, 132.22, 133.11, 144.29; IR (neat): ν = 3451, 3115, 2979, 1639, 1490, 1462, 1094, 1013, 981, 919, 877, 829, 753, 590, 414 cm-1; HRMS (ESI) calcd. for C12H14Cl+ = [M-OH]+: m/z = 193.0779, found: m/z = 193.0780.
【0044】
生成物3k;4-(4-Chlorophenyl)hept-1-en-4-ol (3k; entry 11):ケトンとして1-(4-chlorophenyl)butan-1-one (1k)を用いたときに淡黄色液体 (収率: 90%)として得られ、式XV
【化15】
JP0005072026B2_000024t.gif
で表されるものであった。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ= 0.77 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 0.91-1.02 (m, 1H), 1.20-1.29 (m, 1H), 1.62-1.74 (m, 2H), 1.92 (s, 1H), 2.40 (dd, J = 8.4 Hz, J = 14.0 Hz, 1H), 2.60 (dd, J = 6.4 Hz, J = 14.0 Hz, 1H), 5.03-5.08 (m, 2H), 5.42-5.52 (m, 1H), 7.21-7.26 (m, 4H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz): δ= 14.33, 16.69, 44.99, 47.27, 75.57, 119.96, 126.83, 128.15, 132.18, 133.08, 144.65; IR (neat): ν = 3467, 3077, 2959, 2872, 1639, 1490, 1456, 1399, 1093, 1013, 968, 919, 830, 757, 619 cm-1; HRMS (ESI) calcd. for C13H16Cl+ = [M-OH]+: m/z = 207.0935, found: m/z = 207.0940.
【0045】
生成物3l;1,1-Diphenylbut-3-en-1-ol (3l; entry 12):ケトンとしてbenzophenone (1l)を用いたときに無色粘性液体 (収率: 99%)として得られ、式XVI
【化16】
JP0005072026B2_000025t.gif
で表されるものであった。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ= 2.47 (s, 1H), 3.00 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 5.08-5.18 (m, 1H), 5.53-5.64 (m, 1H), 7.11-7.38 (m, 10H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz): δ= 46.67, 76.85, 120.46, 125.95, 126.84, 128.14, 133.40, 1146.48; IR (neat): ν = 3456, 3063, 1638, 1599, 1494, 1447, 1347, 1167, 1054, 991, 911, 754, 730, 700, 670, 621, 573 cm-1; HRMS (ESI) calcd. for C16H15+ = [M-OH]+: m/z = 207.1168, found: m/z = 207.1164.
【0046】
生成物3m;1-Allyl-2,3-dihydro-5-methoxy-1H-inden-1-ol (3m; Tentry 13):ケトンとして2,3-dihydro-5-methoxyinden-1-one (1m)を用いたときに淡黄色液体 (収率: 81%)として得られ、式XVII
【化17】
JP0005072026B2_000026t.gif
で表されるものであった。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ= 1.98 (br s, 1H), 2.05-2.16 (m, 1H), 2.29-2.40 (m, 1H), 2.53 (dd, J = 6.8 Hz, J = 13.6 Hz, 1H), 2.65 (dd, J = 7.6 Hz, J = 13.6 Hz, 1H), 2.74-2.85 (m, 1H), 2.94-3.05 (m, 1H), 3.81 (s, 3H), 5.13-5.22 (m, 2H), 5.79-5.94 (m, 1H), 6.76-6.84 (m, 2H), 7.27 (d, J = 6.4 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz): δ= 29.48, 39.95, 45.15, 55.38, 82.25, 109.76, 112.89, 118.657, 123.63, 133.93, 139.29, 144.85, 160.11; IR (neat): ν = 3419, 3073, 2939, 2835, 1606, 1491, 1435, 1305, 1255, 1144, 1102, 1033, 998, 917, 845, 821, 738 cm-1; HRMS (ESI) calcd. for C13H15O+ = [M-OH]+: m/z = 187.1117, found: m/z = 187.1116.
【0047】
生成物3n;1-Allyl-2,3-dihydro-6-methyl-1H-inden-1-ol (3n; entry 14):ケトンとして2,3-dihydro-6-methylinden-1-one (1n)を用いたときに無色液体 (収率: 85%)として得られ、式XVIII
【化18】
JP0005072026B2_000027t.gif
で表されるものであった。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ= 1.98-2.09 (m, 1H), 2.00 (s, 1H), 2.28-2.37 (m, 2H), 2.35 (s, 3H), 2.49 (dd, J = 6.8 Hz, J = 13.6 Hz, 1H), 2.61 (dd, J = 8.0 Hz, J = 13.6 Hz, 1H), 2.71-2.79 (m, 1H), 2.90-2.97 (m, 2H), 5.13-5.18 (m, 2H), 5.79-5.90 (m, 1H), 7.05-7.13 (m, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz): δ= 21.33, 28.97, 39.87, 44.94, 82.62, 118.75, 123.33, 124.62, 129.13, 133.83, 136.28, 139.94, 147.14; IR (neat): ν = 3387, 3075, 3008, 2925, 2854, 2246, 1639, 1493, 1440, 1319, 1265, 1168, 1054, 997, 911, 816, 735 cm-1; HRMS (ESI) calcd. for C13H15+ = [M-OH]+: m/z = 171.1168, found: m/z = 171.1166.
【0048】
生成物3o;1-Allyl-1,2,3,4-tetrahydro-6-methoxynaphthalen-1-ol (3o; entry 15):ケトンとして3,4-dihydro-6-methoxynaphthalen-1(2H)-one (1o)を用いたときに淡黄色液体 (収率: 70%);として得られ、式XIX
【化19】
JP0005072026B2_000028t.gif
で表されるものであった。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ= 1.71-2.04 (m, 4H), 1.91 (br s, 1H), 2.58 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 2.63-2.82 (m, 2H), 3.76 (s, 3H), 5.06-5.14 (m, 2H), 5.70-5.84 (m, 1H), 6.58 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 6.76 (dd, J = 2.8 Hz, J = 8.8 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 8.8 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz): δ= 19.70, 30.18, 36.24, 47.07, 55.12, 71.58, 112.55, 113.02, 118.39, 127.71, 134.10, 134.20, 138.39, 158.39; IR (neat): ν = 3433, 3072, 2935, 2835, 1608, 1576, 1499, 1444, 1320, 1254, 1159, 1127, 1039, 1011, 970, 914, 836, 743 cm-1; HRMS (ESI) calcd. for C14H17O+ = [M-OH]+: m/z = 201.1274, found: m/z = 201.1272.
【0049】
生成物3p;1-Allylcyclohexanol (3p; entry 16):ケトンとしてcyclohexanone (1p)を用いたときに淡黄色液体 (収率: 90%)として得られ、式XX
【化20】
JP0005072026B2_000029t.gif
で表されるものであった。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ= 1.15-1.61 (m, 10H), 1.80 (br s, 1H), 2.15 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 2.34 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.94-5.11 (m, 2H), 5.71-5.88 (m, 1H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz): δ= 21.98, 25.61, 37.03, 46.59, 71.25, 117.86, 133.75; IR (neat): ν = 3437, 3075, 2939, 2865, 1457, 1369, 1310, 1144, 1082, 1035, 911, 780 cm-1; HRMS (ESI) calcd. for C9H15+ = [M-OH]+: m/z 123.1168, found: m/z 123.1169.
【0050】
生成物3q;1-Allyl-4-phenylcyclohexanol (3q; entry 17):ケトンとして4-phenylcyclohexanone (1q)を用いたときにMajor diastereoisomerが淡黄色液体 (収率: 61%)として得られ、式XXI
【化21】
JP0005072026B2_000030t.gif
で表されるものであった。
Major diastereoisomer;1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ= 1.36 (s, 1H), 1.46-1.56 (m, 2H), 1.67-1.78 (m, 4H), 1.79-1.92 (m, 2H), 2.40 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 2.46 (tt, J = 3.2 Hz, J = 12.4 Hz, 1H), 5.10-5.19 (m, 2H), 5.85-5.98 (m, 1H), 7.13-7.32 (m, 5H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz): δ= 29.24, 37.24, 44.03, 48.60, 69.94, 119.01, 125.93, 126.85, 128.31, 133.53, 147.20; IR (neat): ν = 3419, 3074, 3026, 2926, 2859, 1638, 1602, 1494, 1443, 1219, 1144, 1029, 1001, 975, 914, 868, 757, 699, 533 cm-1; HRMS (ESI) calcd. for C15H19+ = [M-OH]+: m/z = 199.1481, found: m/z = 199.1473;
Minor diastereoisomer: 白色固体 (収率: 11%); 1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ= 1.51-1.66 (m, 5H), 1.77-1.92 (m, 4H), 2.41 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 2.51-2.62 (m, 1H), 5.12-5.22 (m, 2H), 5.83-5.97 (m, 1H), 7.14-7.32 (m, 5H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz): δ= 30.93, 38.18, 41.31, 43.39, 71.35, 119.17, 126.08, 126.79, 128.37, 133.40, 146.35; IR (KBr):ν = 3315, 3025, 2923, 2860, 1637, 1493, 1451, 1429, 1227, 1136, 1030, 998, 904, 877, 760, 703 cm-1; HRMS (ESI) calcd. for C15H19+ = [M-OH]+: m/z = 199.1481, found: m/z = 199.1483.
【0051】
生成物3r;1-Allylcyclohex-2-enol (3r; entry 18):ケトンとしてcyclohex-2-enone (1r)を用いたときに淡黄色液体(収率: 70%)として得られ、式XXII
【化22】
JP0005072026B2_000031t.gif
で表されるものであった。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ=1.60-1.72 (m, 4H), 1.81-2.04 (m, 3H), 2.23 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 4.98-5.10 (m, 2H), 5.55 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 5.71-5.87 (m, 2H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz): δ=18.72, 24.84, 35.11, 46.49, 68.85, 118.05, 129.73, 131.89, 133.47; IR (neat): ν = 3445, 3070, 2942, 2855, 1642, 1460, 1379, 1139, 1066, 1035, 997, 769 cm-1; HRMS (ESI) calcd. for C9H13+ = [M-OH]+: m/z = 121.1012, found: m/z = 121.1010.
【0052】
生成物3s;4-Methylnon-1-en-4-ol (3s; entry 19):ケトンとしてheptan-2-one (1s)を用いたときに淡黄色液体 (収率: 81%)として得られ、式XXIII
【化23】
JP0005072026B2_000032t.gif
で表されるものであった。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ=0.87 (t, J = 6.8 Hz, 3H), 1.14 (s, 3H), 1.21-1.45 (m, 9H), 2.20 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 5.05-5.16 (m, 2H), 5.77-5.91 (m, 1H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz): δ=14.04, 22.63, 23.51, 26.71, 32.37, 41.83, 46.25, 72.18, 118.59, 134.10; IR (neat): ν = 3387, 3076, 2932, 2861, 1640, 1461, 1376, 1309, 1143, 1080, 1038, 998, 913, 781 cm-1; HRMS (ESI) calcd. for C10H19+ = [M-OH]+: m/z = 139.1481, found: m/z = 139.1479.
【0053】
生成物3t;2-(Pyridin-4-yl)pent-4-en-2-ol (3t; entry 20):ケトンとして1-(pyridin-4-yl)ethanone (1t)を用いたときに無色粘性液体 (収率: 55%)として得られ、式XIV
【化24】
JP0005072026B2_000033t.gif
で表されるものであった。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ=1.47 (s, 3H), 2.43 (dd, J = 8.4 Hz, J = 14.0 Hz, 1H), 2.56 (dd, J = 6.4 Hz, J = 14.0 Hz, 1H), 2.77 (br s, 1H), 5.04-5.09 (m, 2H), 5.48-5.59 (m, 1H), 7.29 (dd, J = 1.6 Hz, J = 4.4 Hz, 2H), 8.46 (dd, J = 1.6 Hz, J = 4.4 Hz, 2H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz): δ=29.32, 47.89, 72.94, 120.13, 132.63, 149.56, 156.73; IR (neat): ν = 3219, 2978, 2930, 1640, 1603, 1557, 1413, 1372, 1225, 1162, 1067, 1002, 917, 860, 825, 734, 655, 576 cm-1; HRMS (ESI) calcd. for C10H14NO+ = [M+H]+: m/z = 164.1070, found: m/z = 164.1068.
【0054】
生成物3u;2-(Furan-2-yl)pent-4-en-2-ol (3u; entry 21):ケトンとして1-(furan-2-yl)ethanone (1u)を用いたときに淡黄色液体 (収率: 92%)として得られ、式XXV
【化25】
JP0005072026B2_000034t.gif
で表されるものであった。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ=1.47 (s, 3H), 2.08 (s, 1H), 2.47 (dd, J = 7.6 Hz, J = 13.6 Hz, 1H), 2.66 (dd, J = 6.8 Hz, J = 13.6 Hz, 1H), 5.04-5.09 (m, 2H), 5.56-5.66 (m, 1H), 6.13 (dd, J = 0.8 Hz, J = 3.2 Hz, 1H), 6.24 (dd, J = 1.6 Hz, J = 3.2 Hz, 1H), 7.29 (dd, J = 0.8 Hz, J = 1.6 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz): δ=26.51, 46.13, 70.71, 104.61, 109.99, 119.18, 133.24, 141.49, 159.24; IR (neat): ν = 3433, 2980, 1571, 1469, 1360, 1288, 1161, 1102, 1012, 917, 884, 809, 737 cm-1; HRMS (ESI) calcd. for C9H11O+ = [M-OH]+: m/z = 135.0804, found: m/z = 135.0803.
【0055】
生成物3v;2-(Thiophen-2-yl)pent-4-en-2-ol(3v; entry 22):ケトンとして1-(thiophen-2-yl)ethanone (1v)を用いたときに淡黄色液体 (収率: 98%)として得られ、式XXVI
【化26】
JP0005072026B2_000035t.gif
で表されるものであった。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ=1.54 (s, 3H), 2.23 (br s, 1H), 2.49 (dd, J = 7.6 Hz, J = 13.6 Hz, 1H), 2.63 (dd, J = 6.8 Hz, J = 13.6 Hz, 1H), 5.07-5.10 (m, 2H), 5.61-5.72 (m, 1H), 6.82-6.85 (m, 1H), 6.86-6.90 (m, 1H), 7.10-7.14 (m, 4H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz): δ=30.35, 49.11, 72.89, 119.68, 122.28, 123.82, 126.69, 133.27, 153.02; IR (neat): ν = 3415, 3150, 2981, 2933, 1640, 1436, 1374, 1234, 1110, 997, 919, 831, 698 cm-1; HRMS (ESI) calcd. for C9H11S+ = [M-OH]+: m/z = 151.0576, found: m/z = 151.0583.
【0056】
生成物3w;2-(Thiophen-3-yl)pent-4-en-2-ol (3w; entry 23):ケトンとして1-(thiophen-3-yl)ethanone (1w)を用いたときに淡黄色液体 (収率: quant.)として得られ、式XXVII
【化27】
JP0005072026B2_000036t.gif
で表されるものであった。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ=1.47 (s, 3H), 2.05 (br s, 1H), 2.42 (dd, J = 8.0 Hz, J = 13.6 Hz, 1H), 2.56 (dd, J = 6.8 Hz, J = 13.6 Hz, 1H), 5.02-5.10 (m, 2H), 5.53-5.66 (m, 1H), 6.98 (dd, J = 1.6 Hz, J = 5.2 Hz, 1H), 7.08 (dd, J = 1.6 Hz, J = 3.2 Hz, 1H), 7.21 (dd, J = 3.2 Hz, J = 5.2 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz): δ=29.47, 48.25, 72.61, 119.32, 119.49, 125.55, 125.80, 133.57, 149.64; IR (neat): ν = 3419, 3076, 2977, 2930, 1639, 1416, 1372, 1230, 1087, 998, 918, 867, 848, 788, 683, 657 cm-1; HRMS (ESI) calcd. for C9H11S+ = [M-OH]+: m/z = 151.0576, found: m/z = 151.0573.
【0057】
生成物3x;3-Allyl-3-hydroxyindolin-2-one (3x; entry 24):ケトンとしてindoline-2,3-dione (1x)を用いたときに無色固体 (収率: 80%)として得られ、式XXVIII
【化28】
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で表されるものであった。
1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ=2.42 (dd, J = 8.0 Hz, J = 13.2 Hz, 1H), 2.58 (dd, J = 6.4 Hz, J = 13.2 Hz, 1H), 4.90-4.94 (m, 2H), 5.37-5.48 (m, 1H), 5.95 (br s, 1H), 6.76 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.94 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.17 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.24 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 10.20 (br s, 1H); 13C NMR (DMSO-d6, 100 MHz): δ=42.07, 75.23, 109.41, 118.82, 121.42, 124.13, 128.85, 131.48, 131.76, 141.58, 178.71; IR (KBr): ν = 3251, 2927, 1719, 1623, 1472, 1435, 1335, 1265, 1225, 1186, 1084, 1049, 1025, 1004, 924, 822, 788, 754, 736, 701 cm-1; HRMS (ESI) calcd. for C11H10NO+ = [M-OH]+: m/z = 172.0757, found: m/z = 172.0755.
【実施例5】
【0058】
<N-ベンゾイルヒドラゾンに対する、ヨウ化インジウムによるアリル化>
セプタムキャップの付いた10 mLのフラスコにアルゴン雰囲気下、1価のヨウ化インジウム(Aldrich社、粉末、99.999%)、アシルヒドラゾン(N-ベンゾイルヒドラゾン)5(0.4 mmol、以下の文献(Kobayashi, S.; Ogawa, C.; Konishi, H.; Sugiura, M. J. Am. Chem. Soc. 2003, 125, 6610.)の方法に従って調製)を加えた。さらに乾燥したトルエン(800 μL)および乾燥したメタノール81 μL, 2.0 mmol)をN-ベンゾイルヒドラゾン5に加え、続いてピナコリルアリルボレート2(112.5 μL, 0.6 mmol)を加え、アルゴン雰囲気下、室温で撹拌した。TLCでN-ベンゾイルヒドラの消失を確認した後に塩化メチレン、飽和重曹水を加え、有機層を分離した。水層から塩化メチレンで3度抽出し、有機層を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過後、減圧濃縮して真空乾燥した。残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(PTLC、ヘキサン/酢酸エチル=9/1~2/1)で精製し、目的物であるホモアリルヒドラジド6を得た。
反応式を式XXX
【化30】
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に示す。
実施例5で得られた結果を表5に示す。
【0059】
【表5】
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【0060】
なお、表5におけるEntry1~8は、式XXXの反応において、それぞれインジウム触媒の種類や量、及び添加剤の量を変えた場合に対応する。
表5から明らかなように、1価のヨウ化インジウム5 mol%存在下、アセトアルデヒド由来のアシルヒドラゾン(N-ベンゾイルヒドラゾン)5a、及びピナコールアリルボレートを用い、トルエン中の室温で反応を行うと、添加剤無しでは反応が進行しなかったが(entry 1)、メタノールを5当量加えると生成物であるホモアリルヒドラジ6aが高い収率で生成した(entry 3)。添加剤であるメタノールの効果としては、アシルヒドラゾンの溶解性を上げる、ピナコールアリルボレートを活性化する、触媒回転を促進するなどが考えられる。
又、インジウム触媒量を0.5 mol%に減らしても高い収率で反応が進行した(entry 4)が、インジウム触媒無しでは反応は進行せず(entry 5)、又、0価や3価のインジウム触媒を用いると収率が低下した(entry 6-8)。
なお、実施例5では溶媒としてトルエンを用いたが、他の溶媒としてテトラヒドロフラン, ジメトキシエタン、1,4-ジオキサン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、水を用いることもできる。但し、本発明者らが実際に実験を行ったところ、上記他の溶媒を用いた場合、トルエンを用いた場合に比べて収率が低下したことを確認した。
このように、インジウムが触媒量でも反応が進行するのが本発明の大きな特徴であり、従来の方法、すなわちBarbier型反応やReformatsky型反応、インジウムへの金属交換反応やラジカル反応では、当量以上のインジウムが反応に必要である。
【実施例6】
【0061】
<種々のN-アシルヒドラゾンに対する、ヨウ化インジウム触媒によるトルエン中でのアリル化>
式XXXのアシルヒドラゾン(N-ベンゾイルヒドラゾン)5の代わりに、式XXXI及び表6に示すアシルヒドラゾン7を用い、インジウム触媒としてヨウ化インジウム(I)(6.0mg;5mol%)用いたこと以外は、実施例5とまったく同様にして対応する生成物を得た。
反応式を式XXXI
【化31】
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に示す。
実施例6で得られた結果を表6に示す。
【0062】
【表6】
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【0063】
なお、表6におけるEntry1~21は、それぞれ以下の生成物8a~8uに対応するヒドラゾン7a~7uと収率の組合せである。ただし、生成物8a, 8b, 8c, 8e, 8f, 8g, 8h, 8j, 8l, 8m,n,s,tは既知化合物であり、以下の報告データと同一であることを確認した。
Kobayashi, S.; Ogawa, C.; Konishi, H.; Sugiura, M. J. Am. Chem. Soc. 2003, 125, 6610.
Roush, W. R.; Adam, M. A.; Walts, A. E.; Harris, D. J. J. Am. Chem. Soc. 1986, 108, 3422.
Hirabayashi, R.; Ogawa, C.; Sugiura, M.; Kobayashi, S. J. Am. Chem. Soc. 2001,123, 9493.
Tan, K. L.; Jacobsen, E. N. Angew. Chem. Int. Ed. 2007, 46, 1315.
【0064】
表6において、1価のヨウ化インジウム5 mol%存在下、一級、二級、三級の脂肪族アルデヒド由来のアシルヒドラゾンではいずれも反応が進行し、高い収率でホモアリルヒドラジド8を与えた(entry 1-8)。不飽和アルデヒド由来のアシルヒドラゾンでは、1,2付加体が高い収率で生成した(entry 9-11)。様々な芳香環・ヘテロ環を有するアシルヒドラゾンを用いても高い収率で反応が進行した(entry 12-18)。さらに、アルデヒド由来のみならずケトン由来のアシルヒドラゾンを用いても高い収率で反応が進行した(entry 19-21)。従って、N-アシルヒドラゾンの種々の官能基(ジメチルアミノ基、メトキシ基、クロロ基、エステル基、シロキシ基、ピリジル基、二重結合、三重結合など)が表6の反応条件によって影響を受けず、共存可能であることがわかる。
【0065】
生成物8d; N'-(1-(1'-tert-butyldimethylsiloxy)hex-5-en-3-yl)benzohydrazide (; 表6のentry 4): ヒドラゾン8d から合成した黄色液体 (収率 96%)として得られ、式XXXII
【化32】
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で表されるものであった。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ= 0.05 (s, 6H), 0.86 (s, 9H), 1.66-1.72 (m, 2H), 2.24 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.08-3.14 (m, 1H), 3.72-3.84 (m, 2H), 5.08-5.15 (m, 2H), 5.22 (br s, 1H), 5.80-5.91 (m, 1H), 7.37-7.48 (m, 3H), 7.71-7.73 (m, 2H), 8.19 (br s, 1H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz): δ= -5.39, -5.35, 18.25, 25.89, 35.93, 38.04, 58.14, 60.99, 117.50, 126.79, 128.52, 131.56, 133.03, 135.20, 166.58; IR (neat): ν = 3286, 3071, 2954, 2928, 2884, 2857, 1638, 1578, 1540, 1462, 1360, 1313, 1257, 1095, 1027, 914, 837, 805, 777, 696, 664, 514 cm-1; HRMS (ESI) calcd. for C19H33N2O2Si+ = [M+H]+: m/z = 349.2306, found: m/z = 349.2294.
【0066】
生成物8i;N'-(hexa-1,5-dien-3-yl)benzohydrazide (表6のentry 9): ヒドラゾン8i から合成した淡黄色固体 (収率 82%)として得られ、式XXXIII
【化33】
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で表されるものであった。
mp = 65.4-67.5 ℃; 1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ= 2.30 (dd, J = 6.8 Hz, J = 7.2 Hz, 2H), 3.54 (dt, J = 6.8 Hz, J = 7.2 Hz, 1H), 5.00 (br s, 1H), 5.10-5.23 (m, 4H), 5.66-5.77 (m, 1H), 5.78-5.90 (m, 1H), 7.38-7.52 (m, 3H), 7.61 (br s, 1H), 7.67-7.72 (m, 2H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz): δ= 38.06, 62.96, 117.87, 118.10, 126.78, 128.69, 131.81, 132.89, 134.24, 138.52, 167.03; IR (neat): ν = 3281, 3076, 2980, 2908, 1641, 1604, 1578, 1537, 1460, 1324, 1067, 1027, 992, 921, 797, 694 cm-1; HRMS (ESI) calcd. for C13H17N2O+ = [M+H]+: m/z = 217.1335 and for C13H16N2Na+ = [M+Na]+: m/z = 239.1155, found: m/z = 217.1339 (major) and 239.1160 (minor).
【0067】
生成物8o;N'-(1-(2-methoxyphenyl)but-3-enyl)benzohydrazide (表6のentry 15): ヒドラゾン8o から合成した淡黄色液体 (収率 98%)として得られ、式XXXIV
【化34】
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で表されるものであった。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ= 2.40-2.50 (m, 1H), 2.51-2.60 (m, 1H), 3.76 (s, 3H), 4.60 (dd, J = 7.6 Hz, J = 8.0 Hz, 1H), 5.08-5.19 (m, 2H), 5.33 (br s, 1H), 5.83-5.95 (m, 1H), 6.86 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.97 (dd, J = 7.2 Hz, J = 7.6 Hz, 1H), 7.21-7.52 (m, 6H), 7.58 (dd, J = 1.2 Hz, J = 7.2 Hz, 2H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz): δ= 38.76, 55.34, 57.35, 110.66, 117.55, 120.62, 126.77, 127.43, 128.28, 128.55, 129.59, 131.60, 133.04, 135.14, 157.55, 166.79; IR (neat): ν = 3286, 3071, 2936, 2836, 1642, 1602, 1579, 1536, 1492, 1463, 1289, 1243, 1051, 1028, 917, 756, 694 cm-1; HRMS (ESI) calcd. for C18H21N2O2+ = [M+H]+: m/z = 297.1598 and for C18H20N2NaO2+ = [M+Na]+: m/z = 319.1417, found: m/z = 297.1591 (major) and 319.1407 (minor).
【0068】
生成物8p;N'-(1-(4-(dimethylamino)phenyl)but-3-enyl)benzohydrazide (表6のentry 16): ヒドラゾン8p から合成した淡黄色液体 (収率 75%)として得られ、式XXXV
【化35】
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で表されるものであった。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ= 2.43-2.56 (m, 2H), 2.94 (s, 6H), 4.05 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 5.08-5.26 (m, 3H), 5.77-5.90 (m, 1H), 6.71 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.21-7.48 (m, 6H), 7.58 (dd, J = 1.6 Hz, J = 7.2 Hz, 2H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz): δ= 40.01, 40.49, 40.49, 63.25, 112.42, 117.52, 126.77, 128.45, 128.45, 128.92, 131.53, 132.91, 134.89, 150.04, 166.88; IR (neat): ν = 3301, 3072, 2978, 2888, 2802, 1659, 1652, 1579, 1524, 1455, 1353, 1227, 1189, 1164, 1132, 1062, 1027, 994, 947, 913, 815, 731, 694, 647, 540 cm-1; HRMS (ESI) calcd. for C19H24N3O+ = [M+H]+: m/z = 310.1914 and for C19H23N3NaO+ = [M+Na]+: m/z = 332.1733, found: m/z = 310.1907 (minor) and 332.1721 (major).
【0069】
生成物8r;N'-(1-(pyridin-3-yl)but-3-enyl)benzohydrazide (表6のentry 18): ヒドラゾン8r から合成した白色固体 (収率 86%)として得られ、式XXXVI
【化36】
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で表されるものであった。
mp = 118.4-121.6 ℃ ; 1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ= 2.42-2.59 (m, 2H), 4.22 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 5.12-5.24 (m, 3H), 5.76-5.88 (m, 1H), 7.23-7.28 (m, 1H), 7.36 (dd, J = 7.2 Hz, J = 8.0 Hz, 2H), 7.46 (dd, J = 7.2 Hz, J = 8.0 Hz, 1H), 7.58-7.71 (m, 4H), 8.48 (dd, J = 4.4 Hz, J = 4.8 Hz, 1H), 8.59 (d, J = 2.4 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz): δ= 40.23, 61.69, 118.78, 123.50, 126.84, 128.67, 131.96, 132.55, 133.63, 135.43, 137.26, 149.05, 149.61, 167.63; IR (KBr): ν = 3436, 3019, 1657, 1579, 1528, 1459, 1429, 1363, 1324, 1216, 1085, 1028, 928, 770, 669 cm-1; HRMS (ESI) calcd. for C16H18N3O+ = [M+H]+: m/z = 268.1444 and for C16H17N3NaO+ = [M+Na]+: m/z = 290.1264, found: m/z = 268.1440 (major) and 290.1274 (minor).
【0070】
生成物8u;Methyl 2-(benzamido)-2-methylpent-4-enoate(表6のentry 21): ヒドラゾン8u から合成した淡黄色液体 (収率 89%)として得られ、式XXXVII
【化37】
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で表されるものであった。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ= 1.35 (s, 3H), 2.44-2.55 (m, 2H), 3.71 (s, 3H), 5.03 (br s, 1H), 5.10-5.14 (m, 2H), 5.73-5.83 (m, 1H), 7.36-7.48 (m, 3H), 7.70 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 7.97 (br s, 1H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz): δ= 21.04, 41.43, 52.26, 64.95, 119.46, 126.85, 128.57, 131.70, 132.10, 132.79, 166.76, 175.23; IR (neat): ν = 3278, 3077, 2943, 2891, 2865, 2170, 1643, 1604, 1579, 1532, 1463, 1384, 1365, 1316, 1071, 1027, 996, 918, 883, 793, 692, 677 cm-1; HRMS (ESI) calcd. fo C14H19N2O3+ = [M+H]+: m/z = 263.1390, found: m/z = 263.1401.
【実施例7】
【0071】
<溶媒による効果>
式XXXVIII
【化38】
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で表される反応により、ケトンのアリル化を行った。溶媒であるトルエンに対し、添加剤としてメタノールを加えた場合(収率95%)、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を用いた場合(収率11%)と比較して高い収率が得られた。これより、添加剤としてメタノールを加えたトルエンを溶媒として用いると、ケトンのアリル化にも有効であると考えられる。
【0072】
以上のように、本発明によれば、ケトン又はN-アシルヒドラゾンのアリル化反応において、温和な条件かつ簡便な方法で反応が進行し、インジウム(0価又は1価)は触媒量で十分である(従来は量論量以上必要)。又、本発明によれば、広い基質一般性を有し、種々の官能基が共存可能であるため、天然物合成等の多段階合成に適用可能である。さらに、生成物であるホモアリルアルコール又はホモアリルヒドラジドは有用な中間体となる。