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明細書 :氷蓄熱装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4644807号 (P4644807)
公開番号 特開2007-046863 (P2007-046863A)
登録日 平成22年12月17日(2010.12.17)
発行日 平成23年3月9日(2011.3.9)
公開日 平成19年2月22日(2007.2.22)
発明の名称または考案の名称 氷蓄熱装置
国際特許分類 F25C   5/04        (2006.01)
F24F   5/00        (2006.01)
F25C   1/08        (2006.01)
FI F25C 5/04 511
F24F 5/00 102K
F25C 1/08 A
請求項の数または発明の数 2
全頁数 11
出願番号 特願2005-233410 (P2005-233410)
出願日 平成17年8月11日(2005.8.11)
審査請求日 平成19年3月12日(2007.3.12)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304021831
【氏名又は名称】国立大学法人 千葉大学
発明者または考案者 【氏名】菱田 誠
【氏名】田中 学
【氏名】宮谷 章平
【氏名】石川 広太
【氏名】大谷 峻一
審査官 【審査官】柳幸 憲子
参考文献・文献 特表2000-514756(JP,A)
調査した分野 F25C 5/04
F24F 5/00
F25C 1/08
特許請求の範囲 【請求項1】
ブラインが循環する冷凍装置に接続されたブライン循環系統と、
蓄熱流体が循環する蓄熱流体循環系と、
該ブライン循環系統と該蓄熱流体循環系とに接続され、ブライン循環系統と該蓄熱流体循環系で熱交換をする伝熱部と、
電源装置と、
該ブライン循環系統および/または蓄熱流体循環系に配置された該電源装置により印加される電圧により電界を発生させる少なくとも一対の導電部材とを備え、
該電界の発生により該導電部材の表面に気泡を発生させ、
該気泡により、該蓄熱流体循環系の蓄熱流体配管に生成した氷を剥離させることを特徴とする氷蓄熱装置。
【請求項2】
ブラインが循環する冷凍装置に接続されたブライン循環系統と、
蓄熱流体が循環する蓄熱流体循環系と、
該ブライン循環系統と該蓄熱流体循環系とに接続され、ブライン循環系統と該蓄熱流体循環系で熱交換をする内表面を有する伝熱部と、
電源装置とを備え、
該電源装置と電気的に接続され該伝熱部における内表面を陽極として、対向する内表面を陰極とし、
該電源装置によって電圧を印加して、
該内表面から気泡を発生させ、該内表面から氷を剥離させることを特徴とする氷蓄熱装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、壁面に生成した氷を剥離する方法に関し、例えば氷蓄熱装置に好適に可能なものである。
【背景技術】
【0002】
蓄熱媒体に蓄熱し、熱交換を行うシステムの一種として、例えば、特許文献1に示すように、蓄熱媒体に氷を採用し、安価な深夜電力を利用して氷を製造及び貯蔵し、この氷を冷熱源として冷房や食品の冷蔵などに利用する氷蓄熱装置がある。
【0003】
一般に、氷蓄熱装置は、氷を製造及び貯蔵する部分としていわゆる氷蓄積槽を有しており、この氷蓄積槽により上記のとおり氷を冷熱源として利用するわけであるが、氷蓄積槽壁面に氷が固着することにより、製造した氷の冷熱源としての利用効率が低下するといった課題がある。
【0004】
この課題を解決すべく、公知の技術として、氷蓄積槽内にブレードを配置して、このブレードを回転させることで機械的に氷蓄積槽の壁面に固着した氷を剥ぎ取る方法または超音波発振手段を配置して、氷が生成した壁面に超音波振動を加えて氷を除去する方法が、例えば、特許文献2に記載されている。
【0005】

【特許文献1】特開平2004-3750号公報
【特許文献2】特開平8-54163号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献2に記載の方法では、氷を剥離するブレードまたは超音波振動で、氷蓄積槽壁面を損傷させ、氷蓄熱装置の故障を引き起こす虞がある。
【0007】
そこで本発明は、上記課題を解決し、氷蓄積槽壁面を損傷させず、信頼性が高く、極めて簡易な方法で、壁面に生成した氷を剥離させる方法およびこの方法を用いた冷熱源の利用効率の高い氷蓄熱装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を行ったところ、氷蓄積槽において用いられる配管の材料に着目し、これら氷蓄積槽の材料に電気的に分離された一対の導電性の材料を採用し、これらの間に電界を印加させることで水の電気分解を行わせて気泡を発生させ、この気泡により氷蓄積槽壁面に固着した氷を剥離させることができることに思い至った。これにより氷蓄積槽内部にブレードなどの機械的手段を用いる必要がなくなり、氷蓄積槽を損傷させる虞がなくなり、冷熱源の利用効率の向上を図ることができるようになる。
【0009】
即ち、本発明に係る氷剥離装置は、氷が生成した壁面の表面と、該壁面と電気的に分離された一対の導電性材料の間に電界を印加させることで水の電気分解を行わせて気泡を発生させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
以上、本発明によると、氷が生成した壁面の表面から気泡を発生させ、氷を剥離させることができるので、氷蓄積槽内部にブレードなどの機械的手段を用いる必要がなくなり氷蓄積槽を損傷させる虞がなくなり、冷熱源の利用効率の向上を図ることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施の形態について図面に基づき説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明の一実施形態(以下本発明とする。)に係る氷蓄熱装置(以下本氷蓄熱装置とする。)についてのブロック図である。本氷蓄熱装置1は、ブラインの循環流を形成するブライン配管2、ブライン配管2が形成する循環流内に配置される冷凍装置3及びブラインポンプ4、蓄熱流体の循環流を形成する蓄熱流体配管5、蓄熱流体配管5が形成する循環流内に配置される熱交換器6及び蓄熱流体ポンプ7を有して構成されており、更に、ブライン配管2が形成する循環流路内及び蓄熱流体配管5が形成する循環流路内には、伝熱部8が接続されており、図示はしないが、氷を蓄積する氷蓄積部が配置されている。また、本氷蓄熱装置1には、氷蓄積部に生成される氷を剥離するための電源装置9が伝熱部8に接続され気泡発生装置10を構成している。
【0013】
本氷蓄熱装置1におけるブラインは、ブラインポンプ4によりブライン配管2内を循環する。より具体的にブラインは、ブラインポンプ4により生ずる循環流により冷凍装置3に送られて冷却され、その後、伝熱部8へと送られて蓄熱流体と適宜な手段により熱交換を行い蓄熱流体を冷却し、蓄熱流体を凍らせる。なお蓄熱流体と熱交換を行ったブラインは、再び、冷凍装置3へと送られ、蓄熱流体との熱交換を繰り返す。
【0014】
本氷蓄熱装置1における蓄熱流体は、蓄熱流体ポンプ7により生ずる循環流により熱交換器6に送られて吸熱した後、伝熱部8へと送られて、ブラインと熱交換を行うことで冷却される。なおブラインと熱交換を行った蓄熱流体は再び熱交換器6に送られ、上記の熱交換を繰返す。
【0015】
本明細書における蓄熱流体としては、水または水溶液であれば特段の制限はないが、後述のように、水の電気分解による発泡させる観点から、例えば、電解質が溶解した水溶液が好適である。また本装置におけるブラインとは冷凍装置にて冷却しても凍らない程度に低い融点を有する水溶液であり、この機能を有する限り限定されないが、具体的には塩化カルシウムが溶解した水溶液が好適である。例えば、蓄熱流体はブラインと配管等を介して接することにより冷却されるため、凝固点の観点からブラインの凝固点は蓄熱流体の凝固点より低い方が望ましい。なお、熱交換は、能率、装置全体の大きさから、適宜な手段が選択される。上記に限定されるものではない。
【0016】
ところで、上記の過程を繰り返すことにより熱交換器を介して装置外部との熱交換が可能となるが、伝熱部8においては蓄熱流体の凝固点以下となる場合もあり、伝熱部8における蓄熱流体配管5の内壁に氷が発生することがある。この氷が発生すると蓄熱流体の流路が氷により妨げられ、熱伝効率の低下をもたらす場合がある。そこで、本発明では、伝熱部8における蓄熱流体配管5の内壁の氷を除去する。
【0017】
上記について、以下に説明する。本氷蓄熱装置1における伝熱部8の概略を図2に示す。図2に示す伝熱部8は、ブライン配管2及び蓄熱流体配管5の一部に形成されて熱交換をするものであって、本実施例に係る伝熱部8は、内部に蓄熱流体を流す蓄熱流体配管部分51と、この蓄熱流体配管部分51の外側に配置され、二重管を形成するブライン配管部分21とを有して構成されている。図3に図2のA-Aで切断した場合における断面図を示す。
【0018】
図3に示すように、本実施形態に係る伝熱部8におけるブライン配管部分21及び蓄熱流体配管部分51の断面は、例えば、四角形状であって、蓄熱流体配管部分51は、対向する一対の導電部材511と、対向する一対の絶縁部材512から構成されている。そしてこの一対の導電部材511はそれぞれ電源装置9に接続されており、電源装置9により印加される電圧により、一対の導電部材511の間に電界を発生させる。一対の導電部材511に電界が発生すると、導電部材511表面に気泡が発生し、図4に示すように、この気泡により、導電部材511表面に固着した氷を剥離させることができる。電源装置9は、図3に示すように一対の導電部材511に電界を発生させることができる限り制限されることはなく、電源装置9が印加する電圧も直流、交流のいずれであってもよい。
【実施例2】
【0019】
図5は、気泡発生装置14として、電圧電源27を用いた氷蓄熱装置の例である。電圧電源27によって、氷生成壁面20を陽極として、氷生成壁面21を陰極として電圧を印加し、図4に示す氷生成壁面の内表面28及び氷生成壁面の内表面29から気泡を発生させ、氷を剥離させる。
【0020】
本氷蓄熱装置では、ブライン循環系統11はブラインを冷凍機15にて冷却し、ポンプ16によって送り、配管17を介して途中で二股に分かれ、冷却流路18及び冷却流路19の下部に流入させる。そして冷却流路18及び冷却流路19を上方に流れる過程で氷生成壁面20及び氷生成壁面21を冷却し、その後、戻り配管22を流れ冷凍機15に戻し、循環させる。
【0021】
蓄熱流体循環系統12は、蓄熱流体を恒温槽23にて調温し、ポンプ24によって送り配管25を介して氷生成部13の下部に流入させる。そして蓄熱流体は氷生成部13を上方に流れる過程で、氷生成壁面20及び氷生成壁面21にて冷却され、氷生成壁面の内表面28及び氷生成壁面の内表面29に氷を生成する。氷にならなかった蓄熱流体は氷生成部13の上部より流出し、戻り配管26を介し恒温槽23に戻り、循環させる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明の利用可能性として、上記のように、一つ目に氷蓄熱装置がある。本発明を利用することで伝熱抵抗となる氷を剥離させることで効率良く氷を生成することができる。
【0023】
二つ目に流体の輸送における管内が凍結した場合、流路縮小及び管破裂を引き起こす。そこで本発明を利用することで、流路縮小及び管破裂を防止することができる。
【0024】
三つ目に積雪・氷柱などの除去ができる。建物の屋根に積もった雪は屋根表面で融けて氷になるため、本発明を利用することで積もった雪表面の氷を剥離させ、建物の下部に落下させることができる。それにより雪の重さによる建物の負担を軽減させることができる。また氷柱はいつ落下するか不確かであり、氷柱の下部は危険である。そのため本発明によって氷柱を落下させることができ、危険防止になる。このように、本発明は、壁面または管の内面に固着した氷を容易に剥離することができるので、広範囲に実施することができて、極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る氷蓄熱装置のブロック図を示す図である。
【図2】本発明に係る氷剥離装置の伝熱部の断面図である。
【図3】本発明に係る氷剥離装置の伝熱部の横断面図である
【図4】本発明に係る氷剥離装置の伝熱部の発泡を示す図である。
【図5】本発明に係る氷の氷蓄熱装置の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0026】
1…氷蓄熱装置
2…ブライン配管
3…冷凍装置
4…ブラインポンプ
5…蓄熱流体配管
6…熱交換器
7…熱流体ポンプ
8…伝熱部
9…電源装置
10…気泡発生装置
11…ブライン循環系統
12…蓄熱流体循環系統
13…氷生成部
14…気泡発生装置
15…冷却槽
16…ポンプ
17…送り配管
18…冷却流路
19…冷却流路
20…氷生成壁面
21…氷生成壁面
22…戻り配管
23…恒温槽
24…ポンプ
25…送り配管
26…戻り配管
27…電圧電源
28…氷生成壁面の内表面
29…氷生成壁面の内表面
51…蓄熱流体配管部
511…導電部材
512…絶縁部材





図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4