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明細書 :新規不斉ニッケル触媒の製造方法とこれらを用いる光学活性β-ヒドロキシ-α-アミノ酸誘導体の製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4677562号 (P4677562)
公開番号 特開2007-230914 (P2007-230914A)
登録日 平成23年2月10日(2011.2.10)
発行日 平成23年4月27日(2011.4.27)
公開日 平成19年9月13日(2007.9.13)
発明の名称または考案の名称 新規不斉ニッケル触媒の製造方法とこれらを用いる光学活性β-ヒドロキシ-α-アミノ酸誘導体の製造方法
国際特許分類 C07C 227/16        (2006.01)
C07C 229/36        (2006.01)
C07C 227/32        (2006.01)
C07B  53/00        (2006.01)
B01J  31/24        (2006.01)
C07B  61/00        (2006.01)
FI C07C 227/16
C07C 229/36
C07C 227/32
C07B 53/00 B
B01J 31/24 X
C07B 61/00 300
請求項の数または発明の数 1
全頁数 19
出願番号 特願2006-055350 (P2006-055350)
出願日 平成18年3月1日(2006.3.1)
審査請求日 平成19年3月28日(2007.3.28)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304021831
【氏名又は名称】国立大学法人 千葉大学
発明者または考案者 【氏名】濱田 康正
【氏名】牧野 一石
審査官 【審査官】棚橋 貴子
参考文献・文献 国際公開第2005/005371(WO,A1)
特開2007-161609(JP,A)
調査した分野 C07C 227/16
C07C 229/36
C07C 231/02
C07C 233/87
C07B 53/00
特許請求の範囲 【請求項1】
式(1)
【化1】
JP0004677562B2_000014t.gif
[式中、R1は、C1-20アルキル基(該C1-20アルキル基はC4-12芳香族基(該芳香族基は、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルオキシ基又はCONR4R5(式中、R4及びR5は、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6アルキル基を意味する。)で任意に置換されていてもよい。)、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシカルボニル基又はCONR4R5(式中、R4及びR5は、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6アルキル基を意味する。)で任意に置換されていてもよい。)又はC4-12芳香族基(該芳香族基は、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルオキシ基(該C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシカルボニル基及びC1-6アルキルカルボニルオキシ基は、C4-12芳香族基(該芳香族基は、ハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)で任意に置換されていてもよい。)又はCONR4R5(式中、R4及びR5は、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6アルキル基を芦味する。)で任意に置換されていてもよい。)を意味し、R2は、C1-20アルキル基(該C1-20アルキル基はC4-12芳香族基(該芳香族基は、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルオキシ基又はCONR4R5(式中、R4及びR5は、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6アルキル基を意味する。)で任意に置換されていてもよい。)、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシカルボニル基又はCONR4R5(式中、R4及びR5は、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6アルキル基を意味する。)で任意に置換されていてもよい。)又はC4-12芳香族基(該芳香族基は、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルオキシ基又はCONR4R5(式中、R4及びR5は、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6アルキル基を意味する。)で任意に置換されていてもよい。)を意味する。]で表されるα-アミノアシル酢酸エステル化合物を、酸の存在下、触媒的不斉水素化反応により水素化することを特徴とする、式(2)又は式(3)
【化2】
JP0004677562B2_000015t.gif
[式中、R1及びR2は、前記と同じ意味を示す。]で表される光学活性β-ヒドロキシ-α-アミノカルボン酸誘導体の製造方法であって、
前記触媒的不斉水素反応に使用される触媒が、下記式(4)で示される光学活性2座ホスフィン配位子及びテトラアリールボレートのニッケル金属錯体である光学活性β-ヒドロキシ-α-アミノカルボン酸誘導体の製造方法。
【化3】
JP0004677562B2_000016t.gif
(式中、R3は水素原子、トリフルオロメチル基、ニトロ基、ハロゲン、アルコキシ基を意味し、R4はシクロヘキシル基、シクロペンチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、フェニル基、ナフチル基(該フェニル基およびナフチル基はC1-6アルキル基又はC1-6アルコキシ基で任意に置換されてもよい。)を意味し、絶対配置は(R)-(S)または(S)-(R)のどちらかを意味する。)
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、医・農薬の中間体として有用である光学活性β-ヒドロキシ-α-アミノカルボン酸誘導体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光学活性β-ヒドロキシ-α-アミノカルボン酸誘導体は、医・農薬等の生理活性物質をはじめとする、種々のファインケミカルで有用な化合物の重要な中間体である。
【0003】
エリスロ型光学活性β-ヒドロキシ-α-アミノカルボン酸誘導体を製造する方法としては、アミノ基が無置換であるα-アミノアシル酢酸エステル化合物を、酸の存在下、ルテニウム、ロジウムまたはイリジウム-光学活性ホスフィン錯体を用いた触媒的不斉水素化反応により、アンチ選択的に光学活性β-ヒドロキシ-α-アミノカルボン酸誘導体を製造する方法が知られていた(例えば特許文献1並びに非特許文献1及び2参照。)。

【特許文献1】PCT WO 2005005371
【非特許文献1】J. Am. Chem. Soc. 2005, 127, p. 5784-5785.
【非特許文献2】Angew. Chem. Int. Ed.2004, 43, p. 882-884.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非特許文献1及び2並びに特許文献1、2、3に記載の方法は、光学活性β-ヒドロキシ-α-アミノカルボン酸誘導体のアンチ体を選択的に製造する方法としては優れているものである
【0005】
しかし錯体として利用する中心金属は地球上での埋蔵量の少ない高価な貴金属(ルテニウム、ロジウム、イリジウム)であり、安価な卑金属からなる錯体を用いた光学活性β-ヒドロキシ-α-アミノカルボン酸誘導体のアンチ体を製造する方法が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、より製造コストの優れたβ-ヒドロキシ-α-アミノカルボン酸誘導体のアンチ体を製造する方法について検討を重ねた結果、アミノ基が無置換であるα-アミノアシル酢酸エステル化合物を、酸の存在下、ニッケル-光学活性リン配位子-テトラアリールボレートまたはニッケル-光学活性リン配位子-テトラアルコキシアルミニウムからなる錯体を作用させることにより,水素加圧下、室温から50℃の条件にて、アンチ体の光学活性β-ヒドロキシ-α-アミノカルボン酸誘導体が選択的に得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
即ち、本発明は、
1.式(1)
【0008】
【化1】
JP0004677562B2_000002t.gif

【0009】
[式中、R1は、C1-20アルキル基(該C1-20アルキル基はC4-12芳香族基(該芳香族基は
、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルオキシ基又はCONR4R5(式中、R4及びR5は、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6アルキル基を意味する。)で任意に置換されていてもよい。)、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシカルボニル基又はCONR4R5(式中、R4及びR5は、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6アルキル基を意味する。)で任意に置換されていてもよい。)又はC4-12芳香族基(該芳香族基は、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルオキシ基(該C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシカルボニル基及びC1-6アルキルカルボニルオキシ基は、C4-12芳香族基(該芳香族基は、ハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)で任意に置換されていてもよい。)又はCONR4R5(式中、R4及びR5は、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6アルキル基を意味する。)で任意に置換されていてもよい。)を意味し、R2は、C1-20アルキル基(該C1-20アルキル基はC4-12芳香族基(該芳香族基は、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシカルボニル基、C1-6アル
キルカルボニルオキシ基又はCONR4R5(式中、R4及びR5は、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6アルキル基を意味する。)で任意に置換されていてもよい。)、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシカルボニル基又はCONR4R5(式中、R4及びR5は、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6アルキル基を意味する。)で任意に置換されていてもよい。)又はC4-12芳香族基(該芳香族基は、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルオキシ基又はCONR4R5(式中、R4及びR5は、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6アルキル基を意味する。)で任意に置換されていてもよい。)を意味する。]で表されるα-アミノアシル酢酸エステル化合物を、酸の存在下、触媒的不斉水素化反応により水素化することを特徴とする、式(2)又は式(3)
【0010】
【化2】
JP0004677562B2_000003t.gif

【0011】
[式中、R1及びR2は、前記と同じ意味を示す。]で表される光学活性β-ヒドロキシ-α-アミノカルボン酸誘導体の製造方法。
【0012】
2.触媒的不斉水素化反応に使用される触媒が、光学活性ホスフィン配位子とテトラアリールボレートからなる周期表第VIII族の遷移金属錯体である1.記載の光学活性β-ヒドロキシ-α-アミノカルボン酸誘導体の製造方法。
【0013】
3.2.記載のテトラアリールボレートのかわりにテトラアルコキシアルミニウムを用いる周期表第VIII族の遷移金属錯体である1.記載の光学活性β-ヒドロキシ-α-アミノカルボン酸誘導体の製造方法。
【0014】
4.反応系中にカルボン酸塩を加える2.および3.記載の光学活性β-ヒドロキシ-α-アミノカルボン酸誘導体の製造方法。
【0015】
5.周期表第VIII族の遷移金属錯体がニッケルであり、光学活性2座ホスフィン配位子が式(4)
【0016】
【化3】
JP0004677562B2_000004t.gif

【0017】
(式中、R3は水素原子、トリフルオロメチル基、ニトロ基、ハロゲン、アルコキシ基又を意味し、R4はシクロヘキシル基、シクロペンチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、フェニル基、ナフチル基(該ファニル基およびナフチル基はC1-6アルキル基又はC1-6アルコキシ基で任意に置換されてもよい。)を意味し、絶対配置は(R)-(S)または(S)-(R)のどちらかを意味する。)で表される化合物である請求項2および請求項3記載の光学活性β-ヒドロキシ-α-アミノカルボン酸誘導体の製造方法。
【0018】
6.テトラアリールボレートが式(5)
【化4】
JP0004677562B2_000005t.gif
(式中、R10は、水素原子、トリフルオロメチル基、3,5-ジトリフルオロメチルフェニル基を意味する。)
または式(6)
【化5】
JP0004677562B2_000006t.gif
である2.記載の光学活性β-ヒドロキシ-α-アミノカルボン酸誘導体の製造方法。
【0019】
7.テトラアルコキシアルミニウムが式(7)
【化6】
JP0004677562B2_000007t.gif
である請求項3記載の光学活性β-ヒドロキシ-α-アミノカルボン酸誘導体の製造方法。
【0020】
8.酸が強酸である請求項1~7の何れかに記載の光学活性β-ヒドロキシ-α-アミノカルボン酸誘導体の製造方法。
に関するものである。
【発明の効果】
【0021】
上記のように、アミノ基が無置換であるα-アミノアシル酢酸エステル化合物を、酸の存在下、ニッケル-光学活性リン配位子-テトラアリールボレートまたはニッケル-光学活性リン配位子-テトラアルコキシアルミニウムからなる錯体を作用させることにより、水素圧下、温室から50℃の条件にて、アンチ体の光学活性-β-ヒドロキシ-α-アミノカルボン酸誘導体が選択的に得られる。安価な卑金属からなる錯体を、通常の反応条件で用いることができるので、より製造コストの優れたアンチ体の光学活性β-ヒドロキシ-α-アミノカルボン酸誘導体が選択的に得られる。
【0022】
以下、更に詳細に本発明を説明する。
【0023】
尚、本発明中「n」はノルマルを「i」はイソを「S」はセカンダリ-を「t」はタ-シャリ-を「c」はシクロを「o」はオルトを「m」はメタを「p」はパラを意味する。
【0024】
まず、置換基R1及びR2の各置換基における語句について説明する。
【0025】
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素が挙げられる。
【0026】
C1-6アルキル基としては、直鎖、分枝及びC3-6シクロアルキル基を含んでいて
もよく、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、c-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、c-ブチル、1-メチルc-プロピル、2-メチル-c-プロピル、n-ペンチル、1-メチル-n-ブチル、2-メチル-n-ブチル、3-メチルn-ブチル、1,1-ジメチル-n-プロピル、1,2-ジメチルn-プロピル、2,2-ジメチル-n-プロピル、1-エチル-n-プロピル、c-ペンチル、1-メチルc-ブチル、2-メチル-c-ブチル、3-メチル-c-ブチル、1,2-ジメチル-c-プロピル、2,3-ジメチル-c-プロピル、1-エチル-c-プロピル、2-エチル-c-プロピル、n-ヘキシル、1-メチル-n-ペンチル、2-メチル-n-ペンチル、3-メチル-n-ペンチル、4-メチル-n-ペンチル、1,1-ジメチル-n-ブチル、1,2-ジメチル-n-ブチル、1,3-ジメチル-n-ブチル、2,2-ジメチル-n-ブチル、2,3-ジメチルn-ブチル、3,3-ジメチル-n-ブチル、1-エチル-n-ブチル、2-エチル-n-ブチル、1,1,2-トリメチル-n-プロピル、1,2,2-トリメチル-n-プロピル、1-エチル-1-メチル-n-プロピル、1-エチル-2-メチル-n-プロピル、c-ヘキシル、1-メチル-c-ペンチル、2-メチル-c-ペンチル、3-メチル-c-ペンチル、1-エチル-c-ブチル、2-エチル-c-ブチル、3-エチル-c-ブチル、1,2-ジメチル-c-ブチル、1,3-ジメチル-c-ブチル、2,2-ジメチル-c-ブチル、2,3-ジメチル-c-ブチル、2,4-ジメチル-c-ブチル、3,3-ジメチル-c-ブチル、1-n-プロピル-c-プロピル、2-n-プロピル-c-プロピル、1-i-プロピル-c-プロピル、2-i-プロピル-c-プロピル、1,2,2-トリメチル-c-プロピル、1,2,3-トリメチル-c-プロピル、2,2,3-トリメチル-c-プロピル、1-エチル-2-メチル-c-プロピル、2-エチル-1-メチル-c-プロピル、2-エチル2-メチルc-プロピル及び2-エチル-3-メチルc-プロピル等が挙げられる。
【0027】
C1-20アルキル基としては直鎖、分枝及びC3-20シクロアルキル基を含んでいてもよく、上記に加え、1-メチル1-エチルn-ペンチル、1-ヘプチル、2-ヘプチル、c-ヘプチル、1-エチル1,2-ジメチル-n-プロピル、1-エチル-2,2-ジメチルn-プロピル、1-オクチル、3-オクチル、c-オクチル、4-メチル-3-n-ヘプチル、6-メチル-2-n-ヘプチル、2-プロピル-1-n-ヘプチル、2,4,4-トリメチル-1-n-ペンチル、1-ノニル、2-ノニル、2,6-ジメチル-4-n-ヘプチル、3-エチル-2,2-ジメチル-3-n-ペンチル、3,5,5-トリメチル-1-n-ヘキシル、1-デシル、2-デシル、4-デシル、3,7-ジメチル-1-n-オクチル、3,7-ジメチル3-n-オクチル、n-ウンデシル、n-ドデシル、n-トリデシル、n-テトラデシル、n-ペンタデシル、n-ヘキサデシル、n-ヘプタデシル、n-オクタデシル、n-ノナデシル及びn-エイコシル等が挙げられる。
【0028】
C1-6アルコキシ基としては、直鎖、分枝及びC3-6シクロアルコキシ基を含んで
いてもよく、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、c-プロポキシ、n-ブトキシ、i-ブトキシ、s-ブトキシ、t-ブトキシ、c-ブトキシ、1-メチルc-プロポキシ、2-メチル-c-プロポキシ、n-ペンチルオキシ、1-メチル-n-ブトキシ、2-メチルn-ブトキシ、3-メチル-n-ブトキシ、1,1-ジメチル-n-プロポキシ、1,2-ジメチル-n-プロポキシ、2,2-ジメチル-n-プロポキシ、1-エチル-n-プロポキシ、c-ペンチルオキシ、1-メチル-c-ブトキシ、2-メチル-c-ブトキシ、3-メチル-c-ブトキシ、1,2-ジメチル-c-プロポキシ、2,3-ジメチル-c-プロポキシ、1-エチル-c-プロポキシ、2-エチルc-プロポキシ、n-ヘキシルオキシ、1-メチル-n-ペンチルオキシ、2-メチルn-ペンチルオキシ、3-メチル-n-ペンチルオキシ、4-メチルn-ペンチルオキシ、1,1-ジメチル-n-ブトキシ、1,2-ジメチルn-ブトキシ、1,3-ジメチル-n-ブトキシ、2,2-ジメチル-n-ブトキシ、2,3-ジメチルn-ブトキシ、3,3-ジメチル-n-ブトキシ、1-エチル-n-ブトキシ、2-エチル-n-ブトキシ、1,1,2-トリメチル-n-プロポキシ、1,2,2-トリメチル-n-プロポキシ、1-エチル-1-メチル-n-プロポキシ、1-エチル-2-メチルn-プロポキシ、c-ヘキシルオキシ、1-メチル-c-ペンチルオキシ、2-メチル-c-ペンチルオキシ、3-メチル-c-ペンチルオキシ、1-エチル-c-ブトキシ、2-エチル-c-ブトキシ、3-エチル-c-ブトキシ、1,2-ジメチル-c-ブトキシ、1,3-ジメチル-c-ブトキシ、2,2-ジメチル-c-ブトキシ、2,3-ジメチル-c-ブトキシ、2,4-ジメチル-c-ブトキシ、3,3-ジメチル-c-ブトキシ、1-n-プロピル-c-プロポキシ、2-n-プロピル-c-プロポキシ、1-i-プロピル-c-プロポキシ、2-i-プロピル-c-プロポキシ、1,2,2-トリメチル-c-プロポキシ、1,2,3-トリメチル-c-プロポキシ、2,2,3-トリメチル-c-プロポキシ、1-エチル-2-メチル-c-プロポキシ、2-エチル1-メチル-c-プロポキシ、2-エチル-2-メチルc-プロポキシ及び2-エチル-3-メチルc-プロポキシ等が挙げられる。
【0029】
C1-6アルコキシカルボニル基としては、直鎖、分枝及びC3-6シクロアルコキシ
カルボニル基を含んでいてもよく、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n-プロポキシカルボニル、i-プロポキシカルボニル、c-プロポキシカルボニル、n-ブトキシカルボニル、i-ブトキシカルボニル、s-ブトキシカルボニル、t-ブトキシカルボニル、c-ブトキシカルボニル、1-メチル-c-プロポキシカルボニル、2-メチル-c-プロポキシカルボニル、n-ペンチルオキシカルボニル、1-メチル-n-ブトキシカルボニル、2-メチル-n-ブトキシカルボニル、3-メチル-n-ブトキシカルボニル、1,1-ジメチル-n-プロポキシカルボニル、1,2-ジメチル-n-プロポキシカルボニル、2,2-ジメチル-n-プロポキシカルボニル、1-エチル-n-プロポキシカルボニル、c-ペンチルオキシカルボニル、1-メチル-c-ブトキシカルボニル、2-メチルc-ブトキシカルボニル、3-メチル-c-ブトキシカルボニル、1,2-ジメチル-c-プロポキシカルボニル、2,3-ジメチル-c-プロポキシカルボニル、1-エチル-c-プロポキシカルボニル、2-エチル-c-プロポキシカルボニル、n-ヘキシルオキシカルボニル、1-メチル-n-ぺンチルオキシカルボニル、2-メチルn-ペンチルオキシカルボニル、3-メチル-n-ペンチルオキシカルボニル、4-メチル-n-ペンチルオキシカルボニル、1,1-ジメチルn-ブトキシカルボニル、1,2-ジメチルn-ブトキシカルボニル、1,3-ジメチルn-ブトキシカルボニル、2,2-ジメチル-n-ブトキシカルボニル、2,3-ジメチル-n-ブトキシカルボニル、3,3-ジメチル-n-ブトキシカルボニル、1-エチル-n-ブトキシカルボニル、2-エチルn-ブトキシカルボニル、1,1,2-トリメチル-n-プロポキシカルボニル、1,2,2-トリメチルn-プロポキシカルボニル、1-エチル1-メチル-n-プロポキシカルボニル、1-エチル2-メチル-n-プロポキシカルボニル、c-ヘキシルオキシカルボニル、1-メチル-c-ペンチルオキシカルボニル、2-メチルc-ペンチルオキシカルボニル、3-メチルc-ペンチルオキシカルボニル、1-エチル-c-ブトキシカルボニル、2-エチルc-ブトキシカルボニル、3-エチル-c-ブトキシカルボニル、1,2-ジメチル-c-ブトキシカルボニル、1,3-ジメチル-c-ブトキシカルボニル、2,2-ジメチル-c-ブトキシカルボニル、2,3-ジメチル-c-ブトキシカルボニル、2,4-ジメチル-c-ブトキシカルボニル、3,3-ジメチル-c-ブトキシカルボニル、1-n-ブロビル-c-プロポキシカルボニル、2-n-プロピル-c-プロポキシカルボニル、1-i-プロピルc-プロポキシカルボニル、2-i-プロピルc-プロポキシカルボニル、1,2,2-トリメチル-c-プロポキシカルボニル、1,2,3-トリメチル-c-プロポキシカルボニル、2,2,3-トリメチルc-プ
ロポキシカルボニル、1-エチル2-メチルc-プロポキシカルボニル、2-エチル-1-メチル-c-プロポキシカルボニル、2-エチル2-メチルc-プロポキシカルボニル及び2-エチル-3-メチルC-プロポキシカルボニル等が挙げられる。
【0030】
C1-6アルキルカルボニルオキシ基としては、直鎖、分枝及びC3-6シクロアルキ
ルカルボニルオキシ基を含んでいてもよく、メチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシ、n-プロピルカルボニルオキシ、i-プロピルカルボニルオキシ、c-プロピルカルボニルオキシ、n-ブチルカルボニルオキシ、i-ブチルカルボニルオキシ、s-ブチルカルボニルオキシ、t-ブチルカルボニルオキシ、c-ブチルカルボニルオキシ、1-メチルc-プロピルカルボニルオキシ、2-メチルc-プロピルカルボニルオキシ、n-ペンチルカルボニルオキシ、1-メチル-n-ブチルカルボニルオキシ、2-メチルn-ブチルカルボニルオキシ、3-メチル-n-ブチルカルボニルオキシ、1,1-ジメチル-n-プロピルカルボニルオキシ、1,2-ジメチル-n-プロピルカルボニルオキシ、2,2-ジメチル-n-プロピルカルボニルオキシ、1-エチル-n-プロピルカルボニルオキシ、c-ペンチルカルボニルオキシ、1-メチル-c-ブチルカルボニルオキシ、2-メチル-c-ブチルカルボニルオキシ、3-メチル-c-ブチルカルボニルオキシ、1,2-ジメチル-c-プロピルカルボニルオキシ、2,3-ジメチル-c-プロピルカルボニルオキシ、1-エチル-c-プロピルカルボニルオキシ、2-エチル-c-プロピルカルボニルオキシ、
n-ヘキシルカルボニルオキシ、1-メチル-n-ペンチルカルボニルオキシ、2-メチルn-ペンチルカルボニルオキシ、3-メチル-n-ペンチルカルボニルオキシ、4-メチルn-ペンチルカルボニルオキシ、1,1-ジメチル-n-ブチルカルボニルオキシ、1,2-ジメチル-n-ブチルカルボニルオキシ、1,3-ジメチル-n-ブチルカルボニルオキシ、2,2-ジメチル-n-ブチルカルボニルオキシ、2,3-ジメチル-n-ブチルカルボニルオキシ、3,3-ジメチルn-ブチルカルボニルオキシ、1-エチルn-ブチルカルボニルオキシ、2-エチル-n-ブチルカルボニルオキシ、1,1,2-トリメチル-n-プロピルカルボニルオキシ、1,2,2-トリメチル-n-プロピルカルボニルオキシ、1-エチル-1-メチルn-プロピルカルボニルオキシ、1-エチル-2-メチル-n-プロピルカルボニルオキシ、c-ヘキシルカルボニルオキシ、1-メチル-c-ペンチルカルボニルオキシ、2-メチル-c-ペンチルカルボニルオキシ、3-メチルc-ペンチルカルボニルオキシ、1-エチル-c-ブチルカルボニルオキシ、2-エチル-c-ブチルカルボニルオキシ、3-エチル-c-ブチルカルボニルオキシ、1,2-ジメチル-c-ブチルカルボニルオキシ、1,3-ジメチル-c-ブチルカルボニルオキシ、2,2-ジメチル-c-ブチルカルボニルオキシ、2,3-ジメチル-c-
ブチルカルボニルオキシ、2,4-ジメチル-c-ブチルカルボニルオキシ、3,3-ジメチル-c-ブチルカルボニルオキシ、1-n-プロピルc-プロピルカルボニルオキシ、2-n-プロピルc-プロピルカルボニルオキシ、1-i-プロピル-c-プロピルカルボニルオキシ、2-i-プロピルc-プロピルカルボニルオキシ、1,2,2-トリメチル-c-プロピルカルボニルオキシ、1,2,3-トリメチルc-プロピルカルボニルオキシ、2,2,3-トリメチル-c-プロピルカルボニルオキシ、1-エチル-2-メチルc-プロピルカルボニルオキシ、2-エチル-1-メチル-c-プロピルカルボニルオキシ、2-エチル-2-メチル-c-プロピルカルボニルオキシ及び2-エチル3-メチル-c-プロピルカルボニルオキシ等が挙げられる。
【0031】
C4-12芳香族基としては、2-フリル、3-フリル、2-チエニル、3-チエニル、フェニル、α-ナフチル、β-ナフチル、o-ビフェニリル、m-ビフェニリル及びp-ビフェニル等が挙げられる。
【0032】
次に、R1及びR2の各置換基における具体例について説明する。
【0033】
R1の具体例としては、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、c-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、c-ブチル、1-メチルc-プロピル、2-メチルc-プロピル、n-ペンチル、1-メチル-n-ブチル、2-メチルn-ブチル、3-メチル-n-ブチル、1,1-ジメチル-n-プロピル、1,2-ジメチル-n-プロピル、2,2-ジメチル-n-プロピル、1-エチル-n-プロピル、c-ペンチル、1-メチル-c-ブチル、2-メチル-c-ブチル、3-メチル-c-ブチル、1,2-ジメチル-c-プロピル、2,3-ジメチル-c-プロピル、1-エチル-c-プロピル、2-エチル-c-プロピル、n-ヘキシル、1-メチルn-ペンチル、2-メチル-n-ペンチル、3-メチル-n-ペンチル、4-メチル-n-ペンチル、1,1-ジメチルn-ブチル、1,2-ジメチル-n-ブチル、1,3-ジメチル-n-ブチル、2,2-ジメチル-n-ブチル、2,3-ジメチル-n-ブチル、3,3-ジメチル-n-ブチル、1-エチル-n-ブチル、2-エチル-n-ブチル、1,1,2-トリメチル-n-プロピル、1,2,2-トリメチル-n-プロピル、1-エチル-1-メチル-n-プロピル、1-エチル-2-メチル-n-プロピル、c-ヘキシル、1-メチル-c-ペンチル、2-メチル-c-ペンチル、3-メチル-c-ペンチル、1-エチル-c-ブチル、2-エチル-c-ブチル、3-エチル-c-ブチル、1,2-ジメチル-c-ブチル、1,3-ジメチルc-ブチル、2,2-ジメチル-c-ブチル、2,3-ジメチル-c-ブチル、2,4-ジメチルc-ブチル、3,3-ジメチルc-ブチル、1-n-プロピルc-プロピル、2-n-プロピルc-プロピル、1-i-プロピルc-プロピル、2-i-プロピルc-プロピル、1,2,2-トリメチルc-プロピル、1,2,3-トリメチル-c-プロピル、2,2,3-トリメチル-c-プロピル、1-エチル2-メチルc-プロピル、2-エチル-1-メチルc-プロピル、2-エチル2-メチル-c-プロピル、2-エチル-3-メチルc-プロピル、c-ヘプチル、c-オクチル、2-フリル、3-フリル、2-チエニル、3-チエニル、フェニル、o-メチルフェニル、m-メチルフェニル、p-メチルフェニ
ル、o-メトキシフェニル、m-メトキシフェニル、p-メトキシフェニル、o-ベンジルオキシフェニル、m-ベンジルオキシフェニル、p-ベンジルオキシフェニル、o-クロロフェニル、m-クロロフェニル、p-クロロフェニル、o-ブロモフェニル、m-ブロモフェニル、p-ブロモフェニル、α-ナフチル、β-ナフチル及びベンジル等が挙げられ、又、n-プロピル、i-プロピル、t-ブチル、c-ペンチル、c-ヘキシル、c-ヘプチル、フェニル、p-ベンジルオキシフェニル、m-メチルフェニル、p-メチルフェニル、β-ナフチル、p-ブロモフェニル及び2-フリルが挙げられる。
【0034】
R2の具体例としては、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、c-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、c-ブチル、1-メチルc-プロピル、2-メチルc-プロピル、n-ペンチル、1-メチルn-ブチル、2-メチルn-ブチル、3-メチル-n-ブチル、1,1-ジメチル-n-プロピル、1,2-ジメチル-n-プロピル、2,2-ジメチル-n-プロピル、1-エチル-n-プロピル、c-ペンチル、1-メチル-c-ブチル、2-メチル-c-ブチル、3-メチル-c-ブチル、1,2-ジメチル-c-プロピル、2,3-ジメチルc-プロピル、1-エチル-c-プロピル、2-エチル-c-プロピル、n-ヘキシル、1-メチル-n-ペンチル、2-メチル-n-ペンチル、3-メチル-n-ペンチル、4-メチル-n-ペンチル、1,1-ジメチルn-ブチル、1,2-ジメチル-n-ブチル、1,3-ジメチル-n-ブチル、2,2-ジメチル-n-ブチル、2,3-ジメチル-n-ブチル、3,3-ジメチル-n-ブチル、1-エチル-n-ブチル、2-エチル-n-ブチル、1,1,2-トリメチル-n-プロピル、1,2,2-トリメチル-n-プロピル、1-エチル-1-メチル-n-プロピル、1-エチル-2-メチルn-プロピル、c-ヘキシル、1-メチル-c-ペンチル、2-メチルc-ペンチル、3-メチル-c-ペンチル、1-エチルc-ブチル、2-エチル-c-ブチル、3-エチルc-ブチル、1,2-ジメチル-c-ブチル、1,3-ジメチル-c-ブチル、2,2-ジメチル-c-ブチル、2,3-ジメチル-c-ブチル、2,4-ジメチル-c-ブチル、3,3-ジメチル-c-ブチル、1-n-プロピル-c-プロピル、2-n-プロピルc-プロピル、1-i-プロピル-c-プロピル、2-i-プロピル-c-プロピル、1,2,2-トリメチル-c-プロピル、1,2,3-トリメチル-c-プロピル、2,2,3-トリメチル-c-プロピル、1-エチル-2-メ
チルc-プロピル、2-エチル1-メチルc-プロピル、2-エチル-2-メチルc-プロピル、2-エチル-3-メチル-c-プロピル、c-ヘプチル、c-オクチル、フェニル及びベンジル等が挙げられる。
【0035】
好ましい式(1)で表されるα-アミノアシル酢酸エステル化合物としては、以下のものが挙げられる。
【0036】
1)R1がC1-20アルキル基又はC4-12芳香族基(該芳香族基は、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基又はベンジルオキシ基で任意に置換されていてもよい。)である式(1)で表されるα-アミノアシル酢酸エステル化合物。
【0037】
2)R2がC1-6アルキル基又はC4-12芳香族基で置換されたC1-6アルキル基である式(1)で表されるα-アミノアシル酢酸エステル化合物。
【0038】
3)R1がC1-20アルキル基又はC4-12芳香族基(該芳香族基は、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基又はベンジルオキシ基で任意に置換されていてもよい。)であり、R2がC1-6アルキル基又はC4-12芳香族基で置換されたC1-6アルキル基である式(1)で表されるα-アミノアシル酢酸エステル化合物。
【0039】
4)R1がn-プロピル、i-プロピル、t-ブチル、c-ペンチル、c-ヘキシル、c-ヘプチル、フェニル、p-ベンジルオキシフェニル、m-メチルフェニル、p-メチルフェニル、β-ナフチル、p-ブロモフェニル又は2-フリルである式(1)で表されるα-アミノアシル酢酸エステル化合物。
【0040】
5)R2がメチル又はベンジルである式(1)で表されるα-アミノアシル酢酸エステル化合物。
【0041】
6)R1がn-プロピル、i-プロピル、t-ブチル、c-ペンチル、c-ヘキシル、c-ヘプチル、フェニル、p-ベンジルオキシフェニル、m-メチルフェニル、p-メチルフェニル、β-ナフチル、P-ブロモフェニル又は2-フリルであり、R2がメチル又はベンジルである式(1)で表されるα-アミノアシル酢酸エステル化合物。
【0042】
本発明の触媒的不斉水素化反応に用いられる触媒としては、通常の触媒的不斉水素化反応に用いられる触媒を使用することができる。(I. Ojima ed. Catalytic Asymmetric Synthesis, 2nd ed.
(2000) Wi1ey-VCH, Inc参照。)
好ましい触媒としては、光学活性ホスフィン配位子とテトラアリールボレートからなる周期表第VIII族の遷移金属錯体が挙げられる。
【0043】
周期表第VIII族の遷移金属としては、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム及び白金が挙げられるが、ニッケルが好ましい。
【0044】
本発明に使用する光学活性ホスフィン配位子は全て光学活性体である。
【0045】
光学活性ホスフィン配位子としては、光学活性2座ホスフィン配位子が好ましい。
【0046】
光学活性2座ホスフィン配位子としては、BINAP、BIPHEMP、RROPHOS、DEGUPHOS、DIOP、DIPAMP、DuPHOS、NORPHOS、PNNP、SKEWPHOS、BPPFA、SEGPHOS、CHIRAPHOS、JOSIPHOS及びH8-BINAP等が挙げられる。
【0047】
BINAPとしては、BINAPの誘導体も含まれ、具体例としては、2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル、2,2'-ビス(ジ-p-トリルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル、2,2'-ビス(ジ-p-第3級ブチルフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル、2,2'-ビス(ジ-m-トリルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル、2,2'-ビス(ジ-3,5-ジメチルフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル、2,2'-ビス(ジ-p-メトキシフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル、2,2'-ビス(ジシクロペンチルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル、2,2'-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル、2-ジ(β-ナフチル)ホスフィノ-2'-ジフェニルホスフィノ-1,1'-ビナフチル及び2-ジフェニルホスフィノ-2'-ジ(p-トリフルオロメチルフェニル)ホスフィノ-1,1'-ビナフチル等が挙げられ、好ましくは、2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル、2,2'-ビス(ジ-p-トリルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル及び2,2'-ビス(ジ-p-第3級ブチルフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチルが挙げられる。
【0048】
BIPHEMPとしては、BIPHEMPの誘導体も含まれ、具体例としては、2,2'-ジメチル6,6'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビフェニル、2,2'-ジメチル6,6'-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)-1,1'-ビフェニル、2,2'-ジメチル4,4'-ビス(ジメチルアミノ)-6,6'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビフェニル、2,2',4,4'-テトラメチル6,6'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビフェニル、2,2'-ジメトキシ-6,6'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビフェニル、2,2',3,3'-テトラメトキシ-6,6'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビフェニル、2,2',4,4'-テトラメチル3,3'-ジメトキシ-6,6'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビフェニル、2,2'-ジメチル-6,6'-ビス(ジ-p-トリルホスフィノ)-1,1'-ビフェニル、2,2'-ジメチル6,6'-ビス(ジ-p-第3級ブチルフェニルホスフィノ)-1,1'-ビフェニル及び2,2',4,4'-テトラメチル3,3'-ジメトキシ-6,6'-ビス(ジ-p-メトキシフェニルホスフィノ)-1,1'-ビフェニルが挙げられ、好ましくは2,2'-ジメトキシ-6,6'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビフェニルが挙げられる。
【0049】
その他の光学活性2座ホスフィン配位子及びその誘導体の例を以下に図示するが、これらに限定されるものではない。
【0050】
【化7】
JP0004677562B2_000008t.gif

【0051】
本発明の触媒的不斉水素化反応に用いられる触媒は、遷移金属化合物及び光学活性ホスフィン配位子,テトラアリールボレートより調製することができるが、必要に応じて添加物を加えることもできる。
【0052】
遷移金属化合物としては、ニッケルアセテート、ニッケルトリフルオロアセテート、硝酸ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ニッケルアセチルアセトナート、過塩素酸ニッケル、クエン酸ニッケル、シュウ酸ニッケル、シクロヘキサン酪酸ニッケル、安息香酸ニッケル、ステアリン酸ニッケル、スルファミン酸ニッケル、炭酸ニッケル、チオシアン酸ニッケル、テトラキス(亜リン酸トリフェニル)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、トリフルオロメタンスルホン酸ニッケル、ビス(1,5‐シクロオクタジエン)ニッケル、ビス(4‐ジエチルアミノジチオベンジル)ニッケル、シアン化ニッケル(II)カリウム、フタロシアニンニッケル、ふっ化ニッケル、ふっ化ニッケル(IV)カリウム、ほう化ニッケル、次亜りん酸ニッケル(II)、硫酸アンモニウムニッケル(II)、水酸化ニッケル、シクロペンタジエニルニッケル、およびこれらの水和物等のニッケル化合物等が挙げられる。
【0053】
添加物としては、配位可能な化合物で有れぱ特に限定はしないが、例えぱ、ニッケル化合物を使用する場合は、N,N-ジメチルホルムアミド、Et3N、NaI, I2, CeCl3、MgCl2、CuCl2、CuCl、AlCl3、FeCl3、LaCl3、NbCl3、SmCl3、YbCl3、ZnCl2、SnCl4、TiCl4、HCl等が用いられる。
【0054】
光学活性ホスフィン配位子の使用量は、光学活性2座ホスフィン配位子として、遷移金属化合物に対して1等量以上、好ましくは1~2等量加えられ、より好ましくは、1.1~1.5等量加えられる。
【0055】
但し、遷移金属化合物と光学活性2座ホスフィン配位子が1:2の組成となる触媒的不斉水素化反応に用いられる触媒においては、上述の2倍の使用量となる。
【0056】
又、光学活性単座ホスフィン配位子を使用する場合は、価数の関係上、上述の2倍の使用量となる。
【0057】
本発明に使用するテトラアリールボレートはイリジウム錯体のテトラアリールボレートが式(5)
【化8】
JP0004677562B2_000009t.gif

【0058】
(式中、R10は、水素原子、トリフルオロメチル基、3,5-ジトリフルオロメチルフェニル基を意味する。)または式(6)
【化9】
JP0004677562B2_000010t.gif
で代表されるものであるが,これらに限定されるものではない。
【0059】
テトラアリールボレートの代わりに式(7)
【化10】
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に代表されるテトラアルコキシアルミニウムを用いることも可能であるが,これに限定されるものではない。
【0060】
添加物を加える際の使用量としては、触媒の組成比により一概には決定できないが、通常遷移金属化合物の使用量に対して1~100等量の範囲、好ましくは、1~10等量の範囲である。
【0061】
触媒的不斉水素化反応に用いられる触媒を調製する際は、空気中でもかまわないが,通常アルゴン等の不活性ガスの存在下で行うことが好ましい。
【0062】
触媒的不斉水素化反応に用いられる触媒のうち、ニッケル触媒に付き更に詳細に説明する。
【0063】
ニッケル-光学活性ホスフィン‐テトラアリールボレート錯体としては、ニッケル-JOSIPHOS-テトラアリールボレート錯体、ニッケル-MeO-BIPHEP-テトラアリールボレート錯体、ニッケル-BINAP-テトラアリールボレート錯体、ニッケル-BIPHEMP-テトラアリールボレート錯体、ニッケル-RROPHOS-テトラアリールボレート錯体、ニッケル-DEGUPHOS-テトラアリールボレート錯体、ニッケル-DIOP-テトラアリールボレート錯体、ニッケル-DIPAMP-テトラアリールボレート錯体、ニッケル-DuPHOS-テトラアリールボレート錯体、ニッケル-NORPHOS-テトラアリールボレート錯体、ニッケル-PNNP-テトラアリールボレート錯体、ニッケル-SKEWPHOS-テトラアリールボレート錯体、ニッケル-BPPFA-テトラアリールボレート錯体、ニッケル-SEGPHOS-テトラアリールボレート錯体、ニッケル-CHIRAPHOS-テトラアリールボレート錯体、ニッケル-H8-BINAP-テトラアリールボレート錯体等が挙げられる。
【0064】
以下、ニッケル-JOSIPHOS-テトラアリールボレート錯体について詳細を記載するが、同様に他の光学活性ホスフィン配位子を用いてもよい。
【0065】
好ましいニッケル-光学活性ホスフィン錯体としては、以下のものが挙げられる。
【0066】
1)
ニッケル-JOSIPHOS-テトラアリールボレート錯体であり、JOSIPHOSがPPF-PCy2であるニッケル-光学活性ホスフィン-テトラアリールボレート錯体。
【0067】
2)
ニッケル-BINAP-テトラアリールボレート錯体又はニッケル-BIPHEMP-テトラアリールボレート錯体。
【0068】
3)
ニッケル-BINAP-テトラアリールボレート錯体であり、BINAPが、BINAP,T-BINAP又はt-Bu-BINAPであるニッケル-光学活性ホスフィン-テトラアリールボレート錯体。
【0069】
4)
ニッケル-BIPHEMP -テトラアリールボレート錯体であり、BIPHEMPが2,2'-ジメトキシ-6,6'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビフェニルであるニッケル-光学活性ホスフィン-テトラアリールボレート錯体。
【0070】
5)遷移金属化合物としてNi(OAc)2・4H2Oまたはその無水物を使用する1)~4)何れかに記載のニッケル-光学活性ホスフィン錯体。
【発明を実施するための最良の形態】
【0071】
本発明の光学活性β-ヒドロキシ-α-アミノカルボン酸誘導体の製造方法について説明する。
【0072】
式(1)で表されるα-アミノアシル酢酸エステル化合物の触媒的不斉水素化反応に用いられる触媒及び酸の存在下、水素で還元することにより、式(2)又は式(3)で表される光学活性β-ヒドロキシ-α-アミノカルボン酸誘導体を製造することができる。
【0073】
【化11】
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【0074】
通常、本反応は溶媒中で行われる。
【0075】
溶媒の種類としては、反応に関与しない溶媒であれば特に限定はしないが、例えば酢酸、1,1-ジクロロエタン、1,2-ジクロロエタン、塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン及び1,2-ジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒、ジエチルテル、ジイソプロピルテル、テトラヒドロフラン等のエ-テル系溶媒、メタノ-ル、エタノ-ル、n-プロパノ-ル、i-プロパノ-ル、2-ブタノ-ル及びエチレングリコ-ル、2,2,2-トリフルオロエタノール等のアルコ-ル系溶媒並びに上記の溶媒の任意の混合溶媒が挙げられる。
【0076】
好ましい溶媒としては酢酸-2,2,2-トリフルオロエタノールの混合溶媒が挙げられる。
【0077】
触媒的不斉水素化反応に用いられる触媒の使用量は、式(1)で表されるα-アミノアシル酢酸エステル化合物の使用量に対して、0.01~100モル%の範囲であるが、反応効率及びコスト的な観点から好ましくは、0.01~20モル%の範囲、又、0.1~
10モル%の範囲、又、0.3~5モル%の範囲が挙げられる。
【0078】
式(1)で表されるα-アミノアシル酢酸エステル化合物を酸の存在する溶液に加えてもよいが、あらかじめ、式(1)で表されるα-アミノアシル酢酸エステル化合物と酸よりなる塩を調製し、その塩を溶液に加えることもできる。
【0079】
α-アミノアシル酢酸エステル化合物の安定性の観点からは、あらかじめ、式(1)で表されるα-アミノアシル酢酸エステル化合物と酸よりなる塩を調製し、その塩を溶液に加える方が好ましい。
【0080】
使用する酸としては、好ましくは、強酸が挙げられる。
【0081】
強酸の具体例としては、HCl,HBr,H2SO4,HC1O4,CH3SO3H,PhSO3H,TsOH(Tsは、p-トルンスルホニルを意味する。)、CF3SO3H及びCF3CO2H等が挙げられ、好ましくは、HClが挙げられる。
【0082】
酸の使用量は、式(1)で表されるα-アミノアシル酢酸エステル化合物の使用量に対して、0.8~3モル等量の範囲であり、好ましくは、0.9~2モル等量の範囲が挙げられる。
【0083】
尚、上記の酸の使用量は、あらかじめ、式(1)で表されるα-アミノアシル酢酸エステル化合物と酸よりなる塩を調製して加える場合は、その塩に含まれる酸の量を含んだ全量を意味する。
【0084】
反応系中にカルボン酸塩を添加することが望ましい。
【0085】
カルボン酸塩としては、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム及び酢酸カリウム等の酢酸アルカリ金属及び酢酸アンモニウム等が挙げられ、好ましくは、酢酸ナトリウムが挙げられる。
【0086】
カルボン酸塩を添加する場合の使用量としては、式(1)で表されるα-アミノアシル酢酸エステル化合物の使用量に対して、0.1~5等量の範囲であり、好ましくは、0.8~2等量の範囲である。
【0087】
使用する水素は、通常水素ガスを使用する。
【0088】
使用する水素の圧力は、通常1~150気圧の範囲であるが、好ましくは30~100気圧の範囲である。
【0089】
反応温度としては、0℃から溶媒の沸点までの範囲で反応を行うことができ、より好ましくは10~150℃の範囲であり、より好ましくは20~30℃の範囲である。
【0090】
反応時間は、反応温度および水素圧により変化するため一概に決定できないが、例えば反応温度が23℃、水素圧100気圧の場合、36時間以上行えば充分である。
【0091】
反応終了後は、塩酸を加え、濃縮することにより、目的の光学活性β-ヒドロキシ-α-アミノカルボン酸誘導体を塩として得ることができる。
【0092】
又は、溶媒を濃縮することにより、目的の光学活性β-ヒドロキシ-α-アミノカルボン酸誘導体を塩として得ることができる。
【0093】
あるいは反応液を塩基性とし、適当な溶剤で抽出することにより目的の光学活性β-ヒドロキシ-α-アミノカルボン酸誘導体を得ることができる。
【0094】
さらに、蒸留、再結晶及びシリカゲルカラムクロマトグラフィー等の常法による精製を行うことで、純度の高い純度の高い式(2)又は式(3)で表される光学活性β-ヒドロキシ-α-アミノカルボン酸誘導体を単離することができる。
【0095】
本発明で得られる、式(2)又は式(3)で表される光学活性β-ヒドロキシ-α-ア
ミノカルボン酸誘導体のジアステレオ選択性(de:シン体とアンチ体の選択性)及びエナンチオ選択性(ee)は、得られた光学活性β-ヒドロキシ-α-アミノカルボン酸誘導体をベンゾイル化した後、機器分析を行うことにより決定できる。
【0096】
即ち、式(2)又は式(3)で表される光学活性β-ヒドロキシ-α-アミノカルボン
酸誘導体又はその塩をテトラヒドロフラン中、安息香酸無水物、トリエチルアミンと処理することにより、式(2)又は式(3)で表される光学活性β-ヒドロキシ-α-アミノカルボン酸誘導体のベンゾイル化物を製造することができる。
【0097】
得られたベンゾイル化物は、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等で精製した後、1H-NMR等により、ジアステレオ選択性(de:シン体とアンチ体の選択性)を、又、光学活性ヵラムを用いたHPLC分析等により、エナンチオ選択性(ee)を決定することができる。
【0098】
実施例 Ni(OAc)2- (R)-(S)-PPFCy2-NaBARF(式中、NaBARFはナトリウム テトラキス(3,5-ビストリフルオロメチルフェニル)ボレートを意味する。)を触媒とする製造法。
【0099】
【化12】
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【0100】
Ni(OAc)2・4H2O
(5.2 mg, 0.021 mmo1)、(R)-(S)-PPF-PCy2・EtOH (16.1 mg, 0.025 mmo1)及びNaBARF・3H2O (39.4 mg, 0.042 mmo1)を塩化メチレン(1.0
mL)に加えた溶液を50度で、30分撹拌した。溶液を真空下乾燥し,黄色の触媒を得た。該触媒にα‐アミノ‐β-ケトエステル塩酸塩 (50 mg, 0.21 mmo1)、酢酸ナトリウム(17.3 mg, 0.21 mmo1)及び酢酸(0.8 mL)、2,2,2-トリフルオロエタノール(0.2 mL)を加えた。混合溶液を室温下、水素圧100気圧で撹拝した。36時間撹拌した後、反応溶液に1mo1/L塩酸(3.0 mL)を加え、40
℃以下で減圧下濃縮乾固した。残査にメタノールを加えて,再度40 ℃以下で減圧下濃縮乾固した。この操作を5回繰り返したのち,残査をテトラヒドロフラン(3 mL)に溶解し、安息香酸無水物(57 mg, 0.25 mmol)及びトリエチルアミン(0.9 mL, 0.63
mmo1)のテトラヒドロフラン(3 mL)溶液を0℃にて加えた。室温で12時間撹絆した後、反応液を酢酸エチル(10mL)で希釈し,1mo1/L塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、沈殿物を濾去した後、減圧下濃縮した。残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:2)に付し、N-ベンゾイル体(60.4 mg, 0.20 mmo1, 96%, >99%
de, 82% ee)を無色固体として得た
【0101】
1H-NMR (400 MHz, CDC13) δ; 3.79 (3H,s), 4.56 (1H, d, J =
5.6Hz), 5.24 (1H, dd, J = 3.6, 6.8Hz), 5.40 (1H, dd, J = 3.6, 5.6Hz), 6.87 (1H,
m), 7.2~7.4 (5H, m, Ar-H), 7.4~7.5 (2H, m, Ar-H),
7.5~7.6 (1H, m, Ar-H), 7.7~7.8
(2H, m, Ar-H); 13C-NMR(100 MHz,CDC13) δ; 52.6, 59.4, 75.1,
125.9, 127.1, 128.0, 128.3, 128.6, 132.1, 133.0, 139.1; FT-IR (KBr):3338, 1744,
1644, 1525, 1229, 1173, 693. FABMS (NBA) m/z: 300 (M+1); HPLC ana1ysis using CHIRALCEL
OD-H and hexane-iPrOH(85:15, 1.0 mL/min), Retention time for (2R,3R):8.6 min,
(2S,3S) for 12.0 min
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明によれば、医・農薬等の生理活性物質をはじめとする種々のファインケミカルで有用な化合物の中間体を安価に製造できるので、その有益性は、極めて、高い。