TOP > 国内特許検索 > プラズマ滅菌装置 > 明細書

明細書 :プラズマ滅菌装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4792604号 (P4792604)
公開番号 特開2008-264086 (P2008-264086A)
登録日 平成23年8月5日(2011.8.5)
発行日 平成23年10月12日(2011.10.12)
公開日 平成20年11月6日(2008.11.6)
発明の名称または考案の名称 プラズマ滅菌装置
国際特許分類 A61L   2/14        (2006.01)
FI A61L 2/14
請求項の数または発明の数 4
全頁数 10
出願番号 特願2007-108645 (P2007-108645)
出願日 平成19年4月17日(2007.4.17)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 2006年10月16日~19日 国立大学法人 北海道大学主催の「第13回 アジア放電国際会議」に文書をもって発表
審査請求日 平成22年2月26日(2010.2.26)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504209655
【氏名又は名称】国立大学法人佐賀大学
発明者または考案者 【氏名】関 偉民
【氏名】林 信哉
個別代理人の代理人 【識別番号】100099634、【弁理士】、【氏名又は名称】平井 安雄
審査官 【審査官】小久保 勝伊
参考文献・文献 特開2004-527073(JP,A)
国際公開第2007/032172(WO,A1)
特開2003-210556(JP,A)
特開2007-80772(JP,A)
調査した分野 A61L 2/00-2/28
C02F 1/48
H05H 1/00-1/54
特許請求の範囲 【請求項1】
略線状の導電体で形成される針状電極と、
前記針状電極の一部分のみを露出形状で、又は前記針状電極の軸方向に厚みが連続して変化する形状で外周部分を被覆し、誘電体で形成される貫通孔を有する略球体を複数連結してなる内側誘電体部と、
前記針状電極の導体部分及び内側誘電体部を取り囲む誘電体で形成される被滅菌処理物からなる中間誘電体部と、
前記針状電極の導体部分及び内側誘電体部及び中間誘電体部を取り囲む包囲状電極と、
前記針状電極と前記包囲状電極との間に電圧を印加し、グロー状のバリア放電を発生させてプラズマを発生させるプラズマ生成手段とを備え、
前記針状電極と前記包囲状電極との間にバリア放電によりラジカル化させる中間媒体を供給させることを
特徴とするプラズマ滅菌装置。
【請求項2】
前記請求項1に記載のプラズマ滅菌装置において、
前記中間誘電体部が、誘電体からなる略円筒状容器とされ、
前記包囲状電極が、前記中間誘電体部の外側面を、網目状且つ略円筒状に取り囲む配置として形成され、
少なくとも前記中間誘電体部の円筒中空部分に、中間媒体が供給されることを
特徴とするプラズマ滅菌装置。
【請求項3】
前記請求項1に記載のプラズマ滅菌装置において、
前記中間誘電体部が、長尺状の管路体からなる可撓性の被滅菌処理物からなり、
前記針状電極が可撓性を有し、前記中間誘電体部の管内全体にわたり挿入可能な長さとされ、
前記包囲状電極が槽内に収納された導電性の液体で構成され、
前記被滅菌処理物の管内に前記針状電極が挿入され、前記被滅菌処理物が前記導電性の液体に浸漬される部分の管内に、前記針状電極を位置させ、当該浸漬位置を移動させて管路体全体を滅菌させることを
特徴とするプラズマ滅菌装置。
【請求項4】
前記請求項1ないし3に記載のプラズマ滅菌装置において、
前記中間媒体には、水あるいはアルコール等の液体、又は過酸化水素、二酸化炭素、酸素、MRガス等の気体を用いることを
特徴とするプラズマ滅菌装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、放電プラズマを利用して、医療器材等の被処理物を滅菌するプラズマ滅菌装置に関し、特に放電発生時に電極の溶出を極力抑制できるプラズマ滅菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術となるプラズマ滅菌装置は、特開2003-210556号公報(第1の背景技術)、特開2004-268003号公報(第2の背景技術)に開示されるものがある。この各背景技術を図4及び図5に従来のプラズマ滅菌装置の概略構成断面図として示す。
【0003】
図4における、この第1の背景技術に係るプラズマ滅菌装置としての、管用プラズマ滅菌装置210は、放電プラズマを発生する放電部203と給電ケーブル204と放電電源205と放電部203を微細管202内で移動させるための放電部の移動機構206から構成されている。また、給電ケーブル204の先端には、外部電極と中心電極からなる放電電極が給電ケーブル204と同軸状に配置され、外部電極は接地されている。そして、中心電極に高電圧が印加されると、放電プラズマが生成されるように構成されている。そして、移動機構206によって、放電部203を微細管202内の所望の位置に移動させ、その位置で放電プラズマを発生させる。この操作を繰り返すことにより、微細管202の内壁全面を一様に滅菌する。
また、図5における、第2の背景技術に係るプラズマ滅菌装置は、多孔質誘電体パイプ306の内側に高電圧電極305を貼り付けて、多孔質誘電体パイプ306及び高電圧電極305の内部にガス通路を形成し、また、多孔質誘電体パイプ306の外部と囲んだ接地電極309の間に処理すべき水通路308を形成し、両電極に高電圧高周波電源又は高電圧パルス電源318を接続することで、多孔質誘電体パイプ306を通過した微細気泡319に水中放電プラズマを行う。これにより、多孔質誘電体パイプ306全体にわたって放電が発生し、容器の内部を一様に滅菌する。

【特許文献1】特開2003-210556号公報
【特許文献2】特開2004-268003号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記第1の背景技術に係るプラズマ滅菌装置は以上のように構成されていたことから、放電部203による放電プラズマが微細管202と当該放電部203との間、即ち当該微細管202中空部でのみ発生し、当該微細管202の内壁部分で発生するものではないために、当該微細管202の内壁について、滅菌効果が十分得られないという課題を有する。
【0005】
また、前記第2の背景技術に係るプラズマ滅菌装置は、水中の微細気泡319内での放電であり、この場合、気泡ガスの放電により発生したラジカル等の粒子が水に溶存する必要があるが、ラジカル等の粒子の寿命はマイクロ秒程度と短く、水に溶存するのは生成された粒子の一部であるため、エネルギーのロスが発生し、エネルギー効率が高くはないという課題を有する。
【0006】
さらに、他の背景技術に係るプラズマ滅菌装置としては、水又は水溶液を放電プラズマの中間媒体とする水中放電プラズマ法があり、この方法では水をダイレクトに電離させるためエネルギーのロスが無く、また、放電により発生したラジカル等の粒子が短寿命であっても効果的に活用できるが、一般的に水中放電では中間媒体の放電条件が時間とともに動的に変化するために、放電の持続が困難であるという課題を有する。
特に、前記各背景技術に係るプラズマ滅菌装置は、いづれも放電時に電極の金属が放電プラズマと共に溶出し、医療器材又は食品容器等を金属汚染等の課題を有する。
【0007】
本発明は、前記課題を解消するためになされたもので、水中放電プラズマ法を用いて、電極の金属溶出を極力抑制した状態で、被処理物を確実且つ効率良く滅菌することができるプラズマ滅菌装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るプラズマ滅菌装置は、略線状の導電体で形成される針状電極と、前記針状電極の一部分のみを露出形状で、又は前記針状電極の軸方向に厚みが連続して変化する形状で外周部分を被覆し、誘電体で形成される貫通孔を有する略球体を複数連結してなる内側誘電体部と、前記針状電極の導体部分及び内側誘電体部を取り囲む誘電体で形成される被滅菌処理物からなる中間誘電体部と、前記針状電極の導体部分及び内側誘電体部及び中間誘電体部を取り囲む包囲状電極と、前記針状電極と前記包囲状電極との間に電圧を印加し、グロー状のバリア放電を発生させてプラズマを発生させるプラズマ生成手段とを備え、前記針状電極と前記包囲状電極との間にバリア放電によりラジカル化させる中間媒体を供給させるものである。
【0009】
このように本発明によれば、前記針状電極における露出部分又は厚みの極小部分で絶縁破壊による放電を開始させ、この放電開始により放電領域近傍の中間媒体で電子なだれが生じて放電領域を中間媒体全領域に拡散させ、この放電開始後にグロー状のバリア放電に円滑に移行させることができることとなり、内側誘電体部の被覆部分又は厚みがより大きい部分においても、より低い電圧の印加で放電を発生させることが可能となり、放電開始を円滑に行えると共に、放電開始後に他の中間媒体領域へ放電領域を拡大させて電極の全体でプラズマを発生させることができ、処理体積を増大させることができる。また、前記針状電極の放電による前記中間媒体への接する部分が少なくなることとなり、前記針状電極材料のスパッタリングによる金属の溶出や、前記内側誘電体部のエッチングによる損耗を抑制することができる。また、前記針状電極と前記包囲状電極との間に供給される前記中間媒体前記被滅菌処理物内に介在させている構成を採ったことから、前記中間媒体全体がラジカル化されて、前記中間誘電体部の中空部分も同時に滅菌されることとなり、従来の前記内側誘電体部の内壁のみを対象とした滅菌装置よりも、より広範囲に滅菌することができる。
特に、前記中間媒体に対する誘電体厚みが空間的に変化する性質を有するので、前記中間媒体のプラズマ放電条件が変化した場合でも、前記誘電体厚みの適当な場所でプラズマ放電を発生させることとなり、プラズマ放電を持続的に安定して発生させることができる。すなわち、前記針状電極と中間媒体との距離に関して、前記針状電極と前記中間媒体との放電条件を満たす距離の値が動的に変化した場合でも、前記針状電極上の各点での距離の値がそれぞれ異なることにより、放電条件を満たす距離の値が前記針状電極上に常に存在するため、放電を安定的に持続させることができる。
【0010】
また、本発明に係るプラズマ滅菌装置は必要に応じて、前記中間誘電体部が、誘電体からなる略円筒状容器とされ、前記包囲状電極が、前記中間誘電体部の外側面を、網目状且つ略円筒状に取り囲む配置として形成され、少なくとも前記中間誘電体部の円筒中空部分に、中間媒体が供給されるものである。
このように本発明によれば、前記包囲状電極が、網目状の構造をしているので、前記中間誘電体部の外側面全体を覆う形状により、前記中間誘電体部における放電領域を広範囲に行えることとなり、ラジカルを前記中間誘電体部の全面に対して発生させることができる。
【0011】
また、本発明に係るプラズマ滅菌装置は必要に応じて、前記中間誘電体部が、長尺状の管路体からなる可撓性の被滅菌処理物からなり、前記針状電極が可撓性を有し、前記中間誘電体部の管内全体にわたり挿入可能な長さとされ、前記包囲状電極が槽内に収納された導電性の液体で構成され、前記被滅菌処理物の管内に前記針状電極が挿入され、前記被滅菌処理物が前記水又は前記所定の水溶液に浸漬される部分の管内に、前記針状電極を位置させ、当該浸漬位置を移動させて管路体全体を滅菌させるものである。
【0012】
このように本発明によれば、前記包囲状電極が前記液体で構成し、前記液体に浸漬して長尺状管路体の前記被滅菌処理物を長手方向へ移動させるので、接地側電極の形状が被滅菌処理物の外形に沿って柔軟に変化すると共に、気体中の放電に比べ前記被滅菌処理物へのダメージを極力抑制できることとなり、前記被滅菌処理物の外部形状に依らずに滅菌を行うことができる。また、掃引動作で滅菌処理できるので、前記被滅菌処理物の全体を連続に滅菌することとなり、容易な一連の操作のみで前記被滅菌処理物全体の滅菌を行うことができる。特に、前記被滅菌処理物が長尺状管路体であるカテーテルの場合には、前記カテーテルが誘電体で形成されて前記中間誘電体部として機能することから、前記カテーテルの微細な中空体内の滅菌が可能となる。
【0013】
また、本発明に係るプラズマ滅菌装置は必要に応じて、前記中間媒体には、水あるいはアルコール等の液体、又は過酸化水素、二酸化炭素、酸素、MRガス等の気体を用いるものである。
【0014】
このように本発明によれば、前記中間媒体の種類が固定されたものではないので、柔軟に前記中間媒体の選定が行えることとなり、前記被滅菌処理物の特質に応じて、最適な前記中間媒体を選定することができる。特に、水又は水溶液中での放電の場合には、液体中には水分子が存在するので、高エネルギーの荷電粒子は水分子との衝突により減衰するため、気体中の放電とは異なり、被滅菌処理物への滅菌処理による荷電粒子の衝突によるダメージを少なくすることができる。
【発明の効果】
【0017】
上述のように、本発明によれば、水又は水溶液中での安定したプラズマ放電により微細管の滅菌を行うことが可能であり、また、複雑な形状の微細管に対しても容易に滅菌処理が可能なプラズマ滅菌装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係るプラズマ滅菌装置を、図1に基づいて説明する。
同図において本実施形態に係るプラズマ滅菌装置は、高圧側の電極を形成する被膜電極1と、この被膜電極1を取り囲む、被滅菌処理物である微細管2と、この微細管2を取り囲む包囲状電極3と、この包囲状電極3を取り囲む外部容器4と、前記包囲状電極3と接続される接地側配線7と、前記被膜電極1と接続される高圧側配線6と、この高圧側配線6と接続されるパルス電圧を発生させるパルス電源5と、前記微細管2の中空部に供給される、バリア放電の中間媒体としての水80と、この水80を供給する中間媒体供給手段8とを備える構成である。
【0019】
また、被膜電極1は、針状の金属線で形成される針状電極11と、この針状電極11の中間部分の一部分のみを露出させて外周部分を被覆する誘電体被膜12とから構成される。
前記針状電極11又は前記包囲状電極3の素材には、異常放電等でも損傷・溶存が少ないタングステンや白金で構成することが望ましい。
また、前記包囲状電極3には、全体的に均一なメッシュ構造を有するメッシュ状電極を使用する。
また、前記パルス電源5から印加する電圧は、従来のパルス電圧のみならず、交流電圧(周波数:1~100kHz、電圧:1~10kV)も使用することができる。
【0020】
以下、前記構成に基づく本実施形態の具体的な滅菌動作について説明する。まず、図1に示すように、前記プラズマ滅菌装置の前記被膜電極1を前記微細管2に挿入し、前記水80を前記中間媒体供給手段8により前記微細管2に供給する。前記被膜電極1の前記針状電極11の露出部分が、前記水80に覆われ、且つ前記包囲状電極3に覆われた状態で、前記パルス電源5より非常に短時間(0.5~2μsec)でパルス幅の非常に短い大電力を発生させることで、前記針状電極11と前記包囲状電極3との間でバリア放電が発生する。
【0021】
このバリア放電は図6に示すように、放電開始地点から前記針状電極11の他部分へも伝播して放電領域を拡大する1種のグロー放電であり、従来の水中放電(気泡内放電も含む)における、放電形態が1地点のみ局地的に発生する雷のようなコロナ放電と比較して、格段に広範囲の放電を行うことができる。前記バリア放電によって前記水80中で発生したプラズマによって、水酸化(OH)ラジカル及び/又は酸素(O)ラジカル及び/又は水素(H)ラジカルを発生させ、この水酸化(OH)ラジカル及び/又は酸素(O)ラジカル及び/又は水素(H)ラジカルの強力な殺菌能力により、前記微細管2の内壁及び中空部の前記水80が滅菌される。
【0022】
(本発明の第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係るプラズマ滅菌装置の形態を、図2に基づいて説明する。
同図において本実施形態に係るプラズマ滅菌装置は、高圧側の電極を形成する被膜電極1と、この被膜電極1を取り囲む、被滅菌処理物であるカテーテル20と、このカテーテル20を浸漬させる、被膜電極1と対をなす放電電極の機能を有する水90と、この水90の内部で前記カテーテル20に接して配置される固定ローラー91と、前記水90を収納する外部容器4と、前記水90と接続される接地側配線7と、前記被膜電極1と接続される高圧側配線6と、この高圧側配線6と接続されるパルス電圧を発生させるパルス電源5と前記カテーテル20の中空部に供給される、バリア放電の中間媒体としての水80とから構成される。
【0023】
また、前記被膜電極1は、針状の金属線で形成される針状電極11と、この針状電極11の一部分のみを露出させて外周部分を被覆する誘電体被膜12とから構成される。
被滅菌処理物の前記カテーテル20は、長尺状管路体であり誘電体で形成されて前記中間誘電体部として機能することから、前記カテーテル20の微細な中空体内の滅菌が可能となる。
前記針状電極11の素材には、異常放電等でも損傷・溶存が少ないタングステンや白金で構成することが望ましい。
【0024】
以下、前記構成に基づく本実施形態の具体的な滅菌動作について説明する。まず、図2に示すように、前記プラズマ滅菌装置の前記被膜電極1を前記水90に浸漬させて、前記被膜電極1の前記針状電極11の露出部分が前記水90内部に配置されるよう前記被膜電極1を固定したのち、前記カテーテル20を被膜電極1を包囲するよう挿入し、前記カテーテル20の外壁部の開口先端部を、前記固定ローラー91に接するよう配置する。この動作を通じて、バリア放電の中間媒体としての前記水80は、前記水90から供給されることになる。前記カテーテル20を、前記固定ローラー91を回転軸にして、図2のA方向に向かって、前記カテーテル掃引動作21を行う。前記固定ローラー91に沿って、前記カテーテル20を開口先端部から末端に達するまで前記カテーテル掃引動作21により移動させ、前記カテーテル掃引動作21で移動している間はバリア放電が前記カテーテル20内部で発生するため、前記水80中で発生したプラズマによって、水酸化(OH)ラジカル及び/又は酸素(O)ラジカル及び/又は水素(H)ラジカルが発生し、この水酸化(OH)ラジカル及び/又は酸素(O)ラジカル及び/又は水素(H)ラジカルの強力な殺菌能力により、前記被膜電極1周囲の前記カテーテル20の内壁及び前記水80が滅菌される。このカテーテル掃引動作21が前記カテーテル20の末端まで達して、前記水90から前記カテーテル20を取り出した際には、管全体が一様に滅菌された前記カテーテル20を得ることができる。また図2の構成では、前記水90が接地側電極として常に前記カテーテル20を取り囲むこととなり、前記カテーテル20の形状に依存せず、上記動作のみで容易に前記カテーテル20の内壁及び前記水80を滅菌することができる。また、水中放電の場合には液体中に水分子が存在するので、高エネルギーの荷電粒子は水分子との衝突により減衰するため、気体中の放電とは異なり、被滅菌処理物への滅菌処理によるダメージを極力抑制した滅菌を行うことができる。
【0025】
(本発明の第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態に係るプラズマ滅菌装置の形態、特に針状電極を被覆する誘電体被膜の種類に関して、図3に基づいて説明する。本実施形態は上記第1または上記第2の実施形態の変形例であって、図3に示したように、針状電極11を被覆する誘電体被膜について、複数連結した誘電体で形成されるビーズ玉、または多孔質性セラミックを使用する場合の構成となる。
【0026】
以下、前記構成に基づく本実施形態の具体的な滅菌動作について説明する。本実施形態は、上記第1または上記第2の実施形態において、上記の誘電体被膜を構成することによって、前記針状電極11と中間媒体との距離Rに関して、前記針状電極11と前記中間媒体との放電条件を満たす距離Rの値が動的に変化した場合でも、前記針状電極上の各点での距離Rの値がそれぞれ異なることにより、放電条件を満たす距離Rの値が前記針状電極上に常に存在するため、放電が安定的に持続する。
【0027】
(本発明の他の実施形態)
本発明は、上述したような実施形態に限定されるものではなく、電極部の大きさ、誘電体被膜の材質、中間媒体の媒質等は適宜変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るプラズマ滅菌装置の概略構成図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係るプラズマ滅菌装置の概略構成図である。
【図3】本発明のプラズマ滅菌装置の針状電極を被覆する誘電体被膜の形状例である。
【図4】従来のプラズマ滅菌装置の概略構成断面図である。
【図5】従来のプラズマ滅菌装置の概略構成断面図である。
【図6】本発明の実験結果で、ビーズ玉を複数連結した誘電体被膜からのグロー放電の様子を示す写真である。
【符号の説明】
【0029】
301 ガス入口
302 水入口
303 水出口
304 高電圧電極305の内部
305 スパイラル電極(高電圧電極側)
306 多孔質誘電体パイプ
307 水
308 水の通路
309 接地電極
310 容器
311 容器フランジ(水入口部)
312 容器フランジ(水出口部)
313 電流導入端子
314 接地側配線
315 配線
316 ブッシング
317 高圧側配線
318 電源
319 微細気泡
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5