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明細書 :リング共振器とブラッググレーティングを用いた光波長検波型物理量計測センサを有する計測システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4742271号 (P4742271)
公開番号 特開2008-107141 (P2008-107141A)
登録日 平成23年5月20日(2011.5.20)
発行日 平成23年8月10日(2011.8.10)
公開日 平成20年5月8日(2008.5.8)
発明の名称または考案の名称 リング共振器とブラッググレーティングを用いた光波長検波型物理量計測センサを有する計測システム
国際特許分類 G01K  11/12        (2006.01)
G01B  11/16        (2006.01)
FI G01K 11/12 F
G01B 11/16 G
請求項の数または発明の数 8
全頁数 13
出願番号 特願2006-288631 (P2006-288631)
出願日 平成18年10月24日(2006.10.24)
審査請求日 平成19年1月31日(2007.1.31)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504237050
【氏名又は名称】独立行政法人国立高等専門学校機構
発明者または考案者 【氏名】佐野 安一
審査官 【審査官】古川 直樹
参考文献・文献 特開2002-310729(JP,A)
特開2005-128442(JP,A)
特開2004-233070(JP,A)
特開2004-347554(JP,A)
特開2000-346722(JP,A)
特開2000-111319(JP,A)
特開2000-208840(JP,A)
特開平05-181028(JP,A)
調査した分野 G01K 1/00 - 19/00
G01B 11/00 - 11/30
G02B 6/12
特許請求の範囲 【請求項1】
広帯域光源からの光を光方向性結合器あるいはサーキュレータに入射させ該光方向性結合器あるいはサーキュレータからの出射光を、光ファイバあるいは光導波路から成る光信号伝送ライン経由で1個のセンサに導き、あるいは複数のセンサを前記光信号伝送ラインを用いて直列に接続した直列回路に導き、前記1個あるいは複数のセンサからの反射光は逆の経路をたどって前記光方向性結合器あるいはサーキュレータ経由で波長検波器に導かれ該波長検波器において測定された前記センサからの反射スペクトルに基づいて温度若しくは歪が計測される計測システムであって、
前記センサは、前記光信号伝送ラインに接続されたリング共振器を含むとともに、1個のFBG(Fiber Bragg Grating)あるいは光導波路にブラッググレーティングを描画した素子(以下WBG(Waveguide Bragg Grating)という。)が前記リング共振器のドロップポートに接続されており、前記光信号伝送ラインとは入射ポート及びスルーポートを介して接続された、リング共振器とブラッググレーティングを用いた光波長検波型物理量計測センサであり、
前記センサにおいて、前記リング共振器の櫛形透過スペクトルは前記FBGあるいはWBGの反射波長帯域より帯域の線スペクトルを有し、一つの前記線スペクトルだけが前記反射波長帯域内に含まれる測定範囲で前記反射スペクトルに基づいて計測が行われることを特徴とする計測システム。
【請求項2】
前記センサにおいて、前記FBGあるいはWBGの前記反射波長帯域の半値全幅を前記リング共振器の前記櫛形透過スペクトルのフリースペクトルレンジよりも狭くしたことを特徴とする請求項1に記載の計測システム。
【請求項3】
前記センサにおいて、前記FBGあるいはWBGの前記反射波長帯域の反射中心波長の温度依存性は前記リング共振器の前記線スペクトルの温度依存性に等しいことを特徴とする請求項1に記載の計測システム。
【請求項4】
前記センサにおいて、前記リング共振器の前記櫛型透過スペクトルのうちの特定の前記一つの線スペクトルの変動の範囲が前記FBGあるいはWBGの前記反射波長帯域より狭い測定範囲で計測が行われることを特徴とする請求項1に記載の計測システム。
【請求項5】
前記光信号伝送ラインには複数の前記センサが直列に接続され、前記複数のセンサにおいて、それぞれの前記リング共振器の前記櫛型透過スペクトルのうち特定の前記一つの線スペクトルの変動の範囲が前記FBGあるいはWBGの反射波長帯域より狭いそれぞれの測定範囲で計測が行われ、しかも前記測定範囲では同時に前記反射波長帯域が前記複数のセンサ間で互いに重なり合わないように構成されることを特徴とする請求項1に記載の計測システム。
【請求項6】
歪の変化あるいは歪を測定する歪計測システムであって、
外力により発生する歪を検知するための第一のセンサ要素としての前記センサと、該第一のセンサ要素に隣接して直列に接続配置され、温度を検知し前記第一のセンサ要素の温度特性を補正するための第二のセンサ要素としての前記センサと、を有することを特徴とする請求項1に記載の計測システム。
【請求項7】
前記第一のセンサ要素の前記リング共振器に、前記FBGあるいはWBGの光軸に平行な方向に歪が印加されるように構成されることを特徴とする請求項6に記載の計測システム。
【請求項8】
前記第一のセンサ要素の前記リング共振器はレーストラック型の形状をしており該レーストラックの直線部は前記FBGあるいはWBGの光軸と平行であることを特徴とする請求項7に記載の計測システム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバブラッググレーティング(以下FBG)を用いた光ファイバセンサとして構成する場合に好適なセンサの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景技術としては第一の背景技術、第二の背景技術、第三の背景技術、第四の背景技術および第五の背景技術がある。まず、第一の背景技術につき説明する。図10を用いて従来技術を用いた分布型温度センサについて説明する。広帯域光源3からの光は光方向性結合器4を経てシングルモードファイバ(以下SMF)に入力され該SMFには1個または複数のFBGが描画されている。検出すべき温度はセンサのFBGの反射中心波長とリンクするため、これらの反射中心波長を測定することにより各センサの温度を測定することができる。各々のFBGの反射中心波長はそれらの帯域幅も含め互いにすべての測定範囲に亘ってオーバラップしないようにシステム設計されている。FBGからの反射光は前記SMFを逆にたどって光源側に戻っていき光源直前に設置されている前記光方向性結合器4により例えばファブリペロー干渉計から構成される波長検波器1に入力される(非特許文献1参照)。各々のFBGの反射中心波長は該ファブリペロー干渉計により測定される。ファブリペロー干渉計は狭帯域な櫛型帯域通過フィルタである。この通過帯域は例えば圧電素子などを使用し該干渉計の半透鏡の間隔を繰り返し該圧電素子に印加する電圧により変化させることができるため例えば該印加電圧を鋸波状に変化させれば前記ファブリペロー干渉計の狭帯域な櫛型帯域通過フィルタスペクトルも周期的に変化する。図11はこの従来技術を用いた分布型温度計測システムのスペクトラムの相互の関係を示す図である。使用される複数のFBGの占有する全波長帯域より広いフリースペクトルレンジ(以下FSR)になるようにファブリペロー干渉計を設計しておく。更にファブリペロー干渉計の複数存在する通過中心波長の内の1つ通過中心波長が前記圧電素子に印加する電圧の変化でFSRだけ掃引される。これにより各々のFBGの反射光の反射中心波長は該ファブリペロー干渉計からの出射光量を前記圧電素子への印加電圧とリンクして観測することにより印加電圧がいくらのとき最大になるかを計測することができる。一方あらかじめ該印加電圧と前記複数のFBGの占有する全波長帯域内に存在する単一のファブリペロー干渉計の透過スペクトル中心波長との関係は測定されており、このためファブリペロー干渉計からの出射光量を極大にする前記印加電圧を測定することにより前記複数のFBGの反射中心波長を測定することができる。そしてあらかじめ各センサの反射中心波長と温度との関係を測定しておきデータとして例えばProgramable Read Only Memory(以下PROM)に記憶しておけばこれが図10の波長温度変換部を構成するメモリとなる。波長温度変換部は波長検波器1に接続され入力されてきた各センサの波長に対応した各センサの温度を出力する。
【0003】
次に第二の背景技術である分布型の歪センサシステムに関する技術について説明する。 このうちの1つの技術は基本的には前記温度センサと同じ構成のものであってそのシステム構成を図12に示す。これは温度ではなくFBGに印加される歪の検出を行うものであり「非特許文献2」により公知の技術である。また光導波路にブラッググレーティングを描画した素子(以下WBG:Waveguide Bragg Grating)の歪による信号と温度による信号を分離するための技術が「非特許文献6」により知られている。この技術はセンサを2つのWBGから構成するものであって、空間的に互いに近傍に配置し両者がほぼ同一の温度になるようにし、かつ一方には外部から歪が印加でき他方には歪は印加できないような構造になっている。歪が印加されない構造になっているWBGからは補正用温度信号を得、歪が印加される構造になっているWBGからは歪と温度の両方の影響を受けた信号が得られ前記補正用温度信号を用いて歪信号のみを検出する歪検出技術である。
【0004】
次に第三の背景技術につき説明する。この技術は光通信の分野で波長多重通信のために研究されているリング共振器に関する技術である。リング共振器は波長多重通信のための狭帯域アド/ドロップ光フィルタであり、2入力2出力の光方向性結合器を2つ用いて光導波路ループが出来るように該2つの光方向性結合器を接続した構成になっている。接続されず残った光方向性結合器の4つの入出射端子のうち1つは光入射ポート、1つはスルーポート、1つはドロップポート、他の1つはアドポートとして使用される。光入射ポートからスルーポートへの透過率は繰り返しの櫛形バンドリジェクトフィルタ特性を示す。また光入射ポートからドロップポートへの透過率は繰り返しの櫛形バンドパスフィルタ特性を示す。更にアドポートからスルーポートへの透過特性も櫛形バンドパスフィルタ特性を示す(非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5参照)。
【0005】
次に第四及び第五の背景技術につき説明する。第三の背景技術は光導波路にブラッググレーティングを描画する技術である。コアにゲルマニウムをドープしたSiO2を用いた場合が報告されている(非特許文献6参照)。また第五の背景技術はブラッググレーティングではないがTa2O5-SiOからなるコアの屈折率を紫外線でトリミングできることが報告されている(非特許文献3参照)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
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【課題を解決するための手段】
【0007】
リング共振器とFBGまたは導波路にブラッググレーティングを描画した素子(以下WBG)からセンサを構成する。このWBGは従来のFBGに相当するものでこれ以外の広帯域光源3、光方向性結合器4あるいはサーキュレータ例えばファブリペロー干渉計からなる波長検波器1、SMFなどの光信号伝送ラインは上記従来の分布計測システムと同様に用いられる。FBGまたはWBGはリング共振器のドロップポートに接続される。光信号伝送ラインは入射ポートに接続されスルーポートは再び光信号伝送ラインに接続され次のセンサを構成する場合はそのリング共振器の入射ポートに接続されていく。
【0008】
リング共振器と帯域反射フィルタ特性を持つFBGまたはWBGを組み合わせる。これによりリング共振器7の櫛型繰り返し透過特性は取り除かれ櫛型フィルタスペクトルのうちの1つの帯域の線スペクトルだけがFBGまたはWBGで反射された後リング共振器の入射ポート10、光方向性結合器4あるいはサーキュレータを経由して例えばファブリペロー干渉計からなる波長検波器1に入力される。
【0009】
温度あるいは歪などの物理量の変化により発生するFBGあるいはWBGの反射中心波長の波長シフト量と、該FBGあるいはWBGの反射帯域内のリング共振器7の入射ポート/ドロップポート間の透過スペクトルの中心波長の波長シフト量が同一になるように両者は同一の材料で構成する。これにより確実にFBGあるいはWBGの反射波長領域内にリング共振器7の線スペクトル1個だけが存在することとなる。
【発明の効果】
【0010】
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【実施例】
【0011】
第一の発明の実施形態の分布型温度計測システムの全体構成を図1に示す。図2は図1に示すシステムのキーとなるセンサの構成を示す。図1において広帯域光源3から出射した光はSMF、光方向性結合器4を経てSMFに入射する。このSMFにはセンサが1個あるいは複数直列に接続されている。センサに入射した広帯域光は線スペクトルになって反射され光方向性結合器4経由ファブリペロー型干渉計からなる波長検波器1に入射する。入射した光の波長はこの検波器で波長が計測される。それぞれのセンサはそれぞれのセンサに与えられる温度の変化によって後述の理由から反射波長が変化する。したがってそれぞれのセンサの反射波長を波長検波器1で検波することにより各センサでの温度を測定できる。
【0012】
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【0013】
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【0014】
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【0015】
実際のリング共振器7の製作方法を図2を用いて次に述べる。製作方法は従来知られているリング共振器の製作プロセス(非特許文献5参照)と同じである。シリコン8のサブストレートの上にクラッド層としてSiOを成膜しその上に直線導波路12のコアに相当する層としてTa2O5- SiOをRFスパッタにより成膜する。そしてCrマスクとCF4を用いたドライエッチングによりコアを形成する。コア屈折率はTa2O5とSiOの%モル比で種々の値に制御できる。Ta2O5が30%モル比SiOが70%モル比のときTa2O5- SiOの屈折率は1.7825と成る。コア形成後SiO膜を更に成膜しクラッド9を構成しこのプロセスで直線導波路12が完成する。更にこの上にリング導波路13を形成するためにTa2O5- SiOをRFスパッタにより成膜する。そして直線導波路12の場合と同じようにCrマスクとCF4を用いたドライエッチングによりリング導波路13のコアを形成する。このリング導波路13のクラッドはエアクラッドである。
【0016】
次にWBG14の製作方法を述べる。この方法はアルゴンレーザの波長244nmの2次高調波をコアに照射すると屈折率が変化する(非特許文献3参照)ことを利用する。この紫外線をフェーズマスクを通してコアに照射すればWBG14を構成できる。もちろん直線導波路12のコアがゲルマニウムドープのSiOで構成されているものであっても同様な方法でWBG14を構成できる(非特許文献6参照)。 図3のWBG14のスペクトルはコアはゲルマニウムドープのSiOで設計している。
【0017】
図6は本発明の技術を用いた分布型温度計測システムのスペクトラムの相関を示す図である。各々のセンサからの反射中心波長はセンサを構成するWBGの帯域幅も含め互いにすべての測定範囲に亘ってオーバラップしないようにシステム設計されている。使用される複数のWBGの占有する全波長帯域より広いFSRになるようにファブリペロー干渉計を設計しておく。更にファブリペロー干渉計の複数存在する通過中心波長の内の1つ通過中心波長が圧電素子に印加する電圧の変化でFSRだけ掃引される。これにより各々のセンサの反射光の反射中心波長は該ファブリペロー干渉計からの出射光量を前記圧電素子への印加電圧とリンクして観測することにより印加電圧がいくらのとき極大になるかを計測することができる。一方あらかじめ該印加電圧と前記複数のWBGの占有する全波長帯域内に存在する単一のファブリペロー干渉計の透過スペクトル中心波長との関係は測定されており、このためファブリペロー干渉計からの出射光量を極大にする前記印加電圧を測定することにより前記複数のWBGの反射中心波長を測定することができる。更にあらかじめ各センサの反射中心波長と温度との関係を測定しておきデータとして例えばPROMに記憶しておく。波長温度変換部2は該PROMとそれを制御するマイクロコンピュータで構成する。波長温度変換部2は波長検波器1に接続され入力されてきた各センサの波長に対応した各センサの温度を出力する。なお上述においてリング共振器のドロップポートに接続されるWBGの代わりにFBGを用いても良いことは明らかである。
【0018】
次に第二の発明の実施形態の分布型歪計測システムの全体構成を図7に示す。歪印加部となるセンサ構造を図8に示す。図7広帯域光源3からの光を光方向性結合器4(サーキュレータでもよい)に入射させ該光方向性結合器4あるいはサーキュレータからの出射光をシングルモード光ファイバ5あるいは光導波路から成る光信号伝送ライン経由、複数のセンサを光信号伝送ラインを用いて直列に接続した直列回路に導きこれらの複数のセンサからの反射光は逆の経路をたどって光方向性結合器4あるいはサーキュレータ経由波長検波器1に導かれ該検波器において計測されたこれらセンサからの反射スペクトルを、あらかじめ測定された各センサを構成するための歪検出のためのセンサ要素からの反射波長と歪との関係及び、該歪検出用センサの温度補正をするためのセンサ要素からの温度と反射波長との関係を記憶した記憶装置である波長歪変換部21に入力させることにより各センサが検出すべき歪の変化あるいは歪を測定する歪計測システムである。ただし前記各センサは外力により発生する歪を検知するための第一のセンサ要素と該第一のセンサ要素の近傍に配置され該センサ要素と同一の温度とみなされ該温度を検知ししかし外力は印加されない第一のセンサ要素の温度特性を補正するための第二のセンサ要素とから構成されている。そして第一及び第二のセンサ要素はいずれも1個のリング共振器17、19と該リング共振器のドロップポート端部の光導波路にWBG16、18が構成されている。更に第一及び第二のセンサ要素のリング共振器17、19は第一のセンサ要素のリング共振器17のスルーポート11と第二のセンサ要素のリング共振器19の入射ポート10が接続されセンサとしての光入力ポートは第一のセンサ要素のリング共振器17の入射ポート10であり光出力ポートは第二のセンサ要素のリング共振器19のスルーポート11である。また第一のセンサ要素であるリング共振器の入射ポート10とドロップポート15間の櫛型透過スペクトルのうちの特定の一つのスペクトルの変動の範囲はセンシング対象である歪の測定範囲に対応しておりかつ該スペクトルの変動の範囲は該リング共振器に接続されるWBGの反射波長帯域内にあり更に第二のセンサ要素であるリング共振器の入射ポート10とドロップポート15間の櫛型透過スペクトルのうちの特定の一つのスペクトルの変動範囲はセンサが使用される温度変動範囲に対応しており同時に該スペクトルの変動範囲は該リング共振器に接続されるWBGの反射波長帯域内にあるよう構成されている。そしてこれらのWBGいずれの反射波長帯域も互いに重なり合わないようにシステム設計されている。なお上記のWBGの代わりにFBGを用いても良いことは明らかである。
【0019】
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【0020】
この記憶装置を使用する波長歪変換部の構成例を図9に示す。波長検波器からは測定されたスペクトルの極大値を示す波長データが各センサのセンサ要素ごと出力される。このスペクトルの極大値を示す波長算出のための演算は電子回路によって行われるがすでに公知の技術であって種々の光スペクトラムアナライザ(例えばアンリツのMS9710B)で行われているところである。一般にこれらのデータは8ビットパラレルあるいは16ビットパラレルに測定のタイミングごと時系列に出力される。これを受け波長歪変換部21は各センサ要素ごとに温度データと対で記憶されたピーク波長データに対する歪データを出力する。なお記憶装置だけでこれを実現するのは困難で実際は記憶装置を制御するためのマイクロコンピュータを使用することになる。なおこのマイクロコンピュータに上記(4),(7),(8)式を演算させ記憶装置の記憶容量を減らすことも可能である。なお第一の発明の実施形態では詳しく触れなかったが波長温度変換部2はこれと同じようにして構成できることは明らかである。
【0021】
歪センサに用いるリング共振器の形状は図2に示すような円形でも良いし、図8に示すようなレーストラック型でも良い。いずれの場合もWBGの光軸に平行に外力は印加されそれに対応してリング共振器は歪む。
【0022】
歪みセンサの場合のスペクトルの相関を示す図は特に示さないが図6と同様になる。但しすべてが図6のように温度センサのためだけに使用されるわけではなく、図7に示すようにセンサは歪み検出用のセンサ要素と、補正用温度検出用のセンサ要素のペアで1つのセンサを構成するため図6の反射スペクトルのうち半数は歪み検出用に使用され、残り半数は補正温度検出用に使用される。
【産業上の利用可能性】
【0023】
上述の発明は建築構造物が致命的ダメージをおう前に建築構造物をメンテナンスし維持していこうとするいわゆる建築構造物(ビル、橋、鉄橋など)のヘルスモニタリングの分野のほかに、航空宇宙における例えば翼などの筐体の故障予知の分野などへの適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第一の実施形態のシステム全体を示す図である。
【図2】本発明のセンサの構成の第一の例を示す図
【図3】本発明のセンサを構成するリング共振器とWBG(導波路ブラッググレーティング)のそれぞれの透過率と反射率の一例を示す図
【図4】本発明のセンサの反射スペクトルの一例を示す図
【図5】図4に示す本発明のセンサの反射スペクトルの一例を拡大して示した図
【図6】本発明の第一の実施形態において複数のセンサが使用された際のセンサ、 WBG、及びリング共振器のスペクトルの一例を示す図
【図7】本発明の第二の実施形態のシステム全体を示す図である。
【図8】本発明のセンサの構成の第二の例を示す図
【図9】各センサからの波長データを各センサの歪データにするための波長歪変換部の一例を示す図
【図10】従来のFBGを用いた分布型光ファイバ温度センサシステムの構成を示す図
【図11】従来のFBGを用いた分布型光ファイバ温度センサシステムの各個所のスペクトルを示す図
【図12】従来のFBGを用いた分布型光ファイバ歪みセンサシステムの構成を示す図
【符号の説明】
【0025】
1・・・波長検波器
2・・・波長温度変部
3・・・広帯域光源
4・・・光方向性結合器
5・・・シングルモード光ファイバ
7・・・リング共振器
8・・・シリコンサブストレート
9・・・クラッド
10・・・入射ポート
11・・・スルーポート
12・・・直線導波路
13・・・リング導波路
14・・・WBG(導波路ブラッググレーティング)
15・・・ドロップポート
15a・・アドポート
16・・・WBG
17・・・リング共振器(歪検出用)
18・・・WBG
19・・・リング共振器(補正用温度検出用)
20・・・レーストラック型リング導波路
21・・・波長歪変換部
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11