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明細書 :計測システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4742274号 (P4742274)
公開番号 特開2008-232878 (P2008-232878A)
登録日 平成23年5月20日(2011.5.20)
発行日 平成23年8月10日(2011.8.10)
公開日 平成20年10月2日(2008.10.2)
発明の名称または考案の名称 計測システム
国際特許分類 G01K  11/12        (2006.01)
G01D   5/353       (2006.01)
FI G01K 11/12 F
G01D 5/353 C
請求項の数または発明の数 2
全頁数 12
出願番号 特願2007-073986 (P2007-073986)
出願日 平成19年3月22日(2007.3.22)
審査請求日 平成19年3月26日(2007.3.26)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504237050
【氏名又は名称】独立行政法人国立高等専門学校機構
発明者または考案者 【氏名】佐野 安一
【氏名】窪田 純
審査官 【審査官】古川 直樹
参考文献・文献 特開2002-310729(JP,A)
特開2000-283844(JP,A)
特開昭63-281104(JP,A)
特開平05-063265(JP,A)
特開2000-180270(JP,A)
特開2002-026170(JP,A)
特開2004-233070(JP,A)
特開2005-128442(JP,A)
特開2006-284955(JP,A)
調査した分野 G01K 1/00 - 19/00
G01B 11/00 - 11/30
G02B 6/12 - 6/14
G01D 5/353
特許請求の範囲 【請求項1】
広帯域光源からの光を光方向性結合器あるいは光サーキュレータに入射させ、該光方向性結合器あるいは光サーキュレータからの出射光を光信号伝送ライン経由で1個のセンサに導き、あるいは複数のセンサを光信号伝送ラインを用いて直列に接続した直列回路に導き、前記センサからの反射光は逆の経路をたどって前記光方向性結合器あるいは光サーキュレータ経由で波長検波器に導かれ、該波長検波器において前記センサからの反射スペクトルを計測することにより温度を測定する計測システムであって、
前記センサは、第一のリング導波路と、ブラッググレーティングを内蔵した第二のリング導波路とを第一の光方向性結合器で結合すると同時に、前記第一のリング導波路を第二の光方向性結合器を介して前記光信号伝送ラインに結合させることにより第一のリング共振器を構成し、該第一のリング共振器の入射ポートからドロップポートへの通過帯域フィルタ特性が帯域特性を持った櫛型フィルタ特性となるように前記第一のリング導波路のリング長が決定され、前記第二のリング導波路内の前記ブラッググレーティングの反射帯域幅を前記第一のリング共振器のフリースペクトルレンジFSRよりも広くすることにより前記ブラッググレーティングの反射帯域においては前記センサのスペクトルパタンを帯域の前記反射スペクトルからなるスペクトルパタン特性とし、同時に前記ブラッググレーティングの透過帯域における前記第一のリング共振器の前記入射ポートから出射ポートへの透過スペクトルを前記第一のリング導波路と前記第二のリング導波路のコアの光長を同一にすることにより平坦なスペクトルとしたことを特徴とする計測システム。
【請求項2】
前記光信号伝送ラインには複数の前記センサが直列に接続された直列回路が構成され、
前記複数のセンサ内にそれぞれ設けられた前記ブラッググレーティングの反射帯域を前記センサごとに異なるように設定し、
前記複数のセンサのそれぞれの反射スペクトルに基づく前記波長検波器による測定範囲をそれぞれ前記センサ内に設けられた前記ブラッググレーティングの反射帯域の帯域幅以下とすることを特徴とする請求項1に記載の計測システム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
光ファイバブラッググレーティング(以下FBG)を用いた分布型光ファイバセンサの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景技術として第一の背景技術及び第二の背景技術を説明する。まず、第一の背景技術につき説明する。図3を用いて従来技術を用いた分布型温度センサについて説明する。広帯域光源1からの光は光方向性結合器2を経てシングルモード光ファイバSMFに入力され該SMFには1個または複数のFBGが描画されている。検出すべき温度はセンサのFBGの反射中心波長と相関があるため、これらの反射中心波長を測定することにより各センサの温度を測定することができる。各々のFBGの反射中心波長はそれらの帯域幅も含め互いにすべての測定範囲に亘ってオーバラップしないようにシステム設計されている。FBGからの反射光は前記SMFを逆にたどって広帯域光源1側に戻っていき該光源直前に設置されている前記光方向性結合器2によりファブリペロー干渉計などの光学干渉計から構成される波長検波器3に入力される(非特許文献1参照)。各々のFBGの反射中心波長は該波長検波器3により検波、すなわち測定される。ファブリペロー干渉計は狭帯域な櫛型帯域通過フィルタである。一方、圧電素子を使用し時間に対して鋸波状の電圧を該圧電素子に印加させると圧電素子はその電圧により変位を生ずるため該干渉計の半透鏡を圧電素子に接続しておけば2つの半透鏡の間隔を変化させることができる。従って圧電素子に印加する電圧を周期的に変化させればファブリペロー干渉計の狭帯域な櫛型帯域通過フィルタスペクトルを周期的に変化させることができる。図4はこの従来技術を用いた分布型温度計測システムのスペクトラムの相互の関係を示す図である。使用される複数のFBGの占有する全波長帯域より広いフリースペクトルレンジ(以下FSR)になるように波長検波器3を構成するファブリペロー干渉計を設計しておく。更に該ファブリペロー干渉計の複数存在する通過中心波長の内の1つ通過中心波長が前記圧電素子に印加する電圧の変化でFSRだけ掃引されるようにシステム設計を行う。これにより各々のFBGの反射光の反射中心波長は該ファブリペロー干渉計からの出射光量を前記圧電素子への印加電圧とリンクして観測することにより印加電圧がいくらのとき大になるかをそれぞれ別々に計測することにより測定することが可能となる。これはあらかじめ該印加電圧と前記複数のFBGの占有する全波長帯域内に存在する単一のファブリペロー干渉計の透過スペクトル中心波長との関係は測定されており、このためファブリペロー干渉計からの出射光量を極大にする前記印加電圧を測定することにより前記複数のFBGの反射中心波長を測定することができるからである。図3に示す波長温度変換部4はProgramable Read Only Memory(以下PROM)などのメモリから構成されている。あらかじめ各センサの反射中心波長と温度との関係を測定しておきこれをデータとして上記メモリに記憶させておく。これにより波長温度変換部4は波長検波器3に接続され入力されてきた各センサの波長に対応した各センサの温度を出力する。
【0003】
次に第二の背景技術を説明する。これは「非特許文献2」により公知の技術である。図5はこの第二の背景技術を用いた分布型温度センサのシステム構成図である。第一の背景技術と異なる点は波長検波器3である。他の個所は皆同一である。その特徴は第一の背景技術の波長検波器3はファブリペロー型干渉計の干渉中心波長を圧電素子などを使って機械的に掃引する方式であるが、この第二の背景技術はファブリペロー型干渉計ではなくアレイ導波路格子AWGを用いることにより機械的な可動部をなくし第一の背景技術よりも波長検波器3の信頼性をあげると同時に、並列信号処理により高速に波長検波できる点が大きな特徴である。次に図6を用いてこのAWGから成る波長検波器の動作を説明する。FBGの反射中心波長をλbi、AWGの隣接するチャンネルmとチャンネルm+1の透過中心波長をそれぞれλam、λa,m+1 とする。λbiがλam及びλa,m+1の中心波長と一致している場合、AWGのチャンネルmとチャンネルm+1から出射する光量は同一であるのでそれらを受光素子で光電変換した後の電流値の比は1である。仮にλbiが短波長側にシフトすればその比は1より小さくなり長波長側にシフトすれば比は1より大きくなる。λbiはλam<λbi<λa,m+1の範囲で変動するようシステム設計される。FBGの反射中心波長λbiはFBGの温度と一対一で対応している。従ってFBGの温度と前記の比の関係も一対一の関係となる。この関係をシステム製作段階であらかじめ求めておきPROMなどの記憶装置に記憶させておく。図5の波長温度変換部4はこの記憶装置である。このようにして構成されたシステムを用い同図に示すように光電変換素子5、プリアンプ6により光電変換された後の電流値を使ってマイクロコンピュータ7により比演算を行い、演算結果を前記の記憶装置に入力させれば記憶装置の出力はそのときのFBGの温度となる。一般にAWGは2つ以上の多数のチャンネルを備えているので複数のFBGの反射中心波長を並列に同時に計測できる。これが第二の背景技術である。

【非特許文献1】A. D. Kersey, T. A. Berkoff, and W. W. Morey, Multipleded fiber Bragg grating strain-sensor system with a fiber Fabry-Perot wavelength filter, Optics Lett., Vol.18, No.16, PP.1370-1372, 1993
【非特許文献2】Y. Sano and T. Yoshino, Fast Optical Wavelength Interrogator Employing Arrayed Waveguide Grating for Distributed Fiber Bragg Grating Sensors, J. Lightwave Technol., vol.21, pp.132-139, 2003
【非特許文献3】S. Suzuki, K. Oda, and Y. Hibino, Integrated-optic Double-Ring Resonators with a Wide Spectral Range of 100 GHz, J. Lightwave Tecnolo.,vol.13, no.8, pp.1766-1771, 1995
【非特許文献4】Y. Sano, T. Hirayama, J. K. Kurihara, T. Goto, K. Taniguchi, J. Nishii, K. Kintaka, and T. Yoshino, Planar Waveguide Bragg Grating Pressure Sensor on a Micro-Machined Silicon Diaphragm, in Proc. Of OFS-16, pp.694-696, 2003
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
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【課題を解決するための手段】
【0005】
広帯域光源からの光を光方向性結合器あるいは光サーキュレータに入射させ該光方向性結合器あるいは該光サーキュレータからの出射光を光信号伝送ライン経由1個のセンサに導き、あるいは複数のセンサを光信号伝送ラインを用いて直列に接続した直列回路に導きこれら1個あるいは複数のセンサからの反射光は逆の経路をたどって前記光方向性結合器あるいは前記光サーキュレータ経由波長検波器に導かれ該検波器においてこれらセンサからの反射光の波長を計測することによりセンサが検出すべき温度を測定する計測システムにおける、本発明に係るセンサに対する課題解決手段と波長検波器に対する課題解決手段について記す。なお、これら2つの解決手段を同時に実施することによりシステム全体に対する課題解決手段となる。
最初にセンサに対する課題解決手段を述べる。前記各センサは第一のリング導波路とブラッググレーティングを内蔵した第二のリング導波路を第一の光方向性結合器で結合する。また、第一のリング導波路を第二の光方向性結合器を介して前記光信号伝送ラインに結合させることにより第一のリング共振器を構成し該リング共振器の入射ポートからドロップポートへの透過帯域フィルタ特性が狭帯域特性を持った櫛型フィルタ特性となるように第一のリング導波路のリング長を決定し、該櫛型フィルタ透過特性を第二のリング導波路内のブラッググレーティングの反射帯域幅を第一のリング共振器のFSRよりも広くすることにより該導波路内のブラッググレーティングの反射帯域における前記リング共振器の櫛型フィルタ特性がそのまま該ブラッググレーティングによりセンサのスペクトル特性として光方向性結合器2を経由して波長検波器に入力される。なおセンサを構成するリング共振器のリングの光路長はこのセンサのスペクトル特性が複数の狭帯域な反射線スペクトルからなるように決定されることが好ましいまた、該導波路内のブラッググレーティングの透過帯域における第一のリング共振器の入射ポートから出射ポートへの透過スペクトルを両リングのコアの光路長を同一にすることにより平坦なスペクトルとする。さらに、隣接して接続されるセンサを構成するリング共振器への入射スペクトルを平坦なスペクトルとしたうえで、前記導波路内のブラッググレーティングの反射帯域をセンサごとに異なるようシステム設計を行う。この場合更に各センサの測定範囲はそれぞれのセンサの該導波路内のブラッググレーティングの帯域幅以下になるように決定されることが好ましい
次に波長検波器に対する解決手段を述べる。波長検波器では透過型ファブリペロー干渉計出力を1入力多出力のAWGの入力に接続させ該AWGの複数のチャンネル各々の出力端子に受光素子を接続する。チャンネル数はセンサ数と同じ数であって、各々のセンサと各々のチャンネルを対応させ各チャンネルの波長帯域はセンサの使用温度範囲内で各センサの第二のリング導波路内のブラッググレーティングの反射波長帯域が温度変化により変動する範囲以上の帯域幅を持つAWGとする。前記透過型ファブリペロー干渉計の櫛型透過スペクトル特性はファブリペロー干渉計を構成する半透鏡間の距離を変化させることにより、例えば一方の半透鏡と圧電素子を一体に構成しこの圧電素子に印加する電圧を変化させることにより制御される。AWGの全チャンネルをカバーする波長帯域において前記ファブリペロー干渉計の櫛型透過スペクトル特性と前記圧電素子に印加する電圧との関係はシステム構築前にあらかじめ取得しておく。前記ファブリペロー干渉計からAWGのあるチャンネルを経由して光電変換素子にいたるルートは前述の様に1つのセンサに対応している。各々のセンサの波長帯域におけるファブリペロー干渉計の透過スペクトルはセンサから反射してくる櫛型狭帯域スペクトルに対してFWHMとFSRが略同一のスペクトルになるようし、両者の差はスペクトルの複数のピークを与える波長が異なるのみになるようにする。そして該ファブリペロー干渉計の透過スペクトルをFSRだけ前記圧電素子の駆動電圧の制御により変化させることによりAWGの各々のチャンネル出力はいずれかの電圧で極大値を示す。この時ファブリペロー干渉計の櫛型透過スペクトルの透過率のピークを与える複数の波長とセンサから戻ってくる櫛型反射スペクトルの反射率のピークを与える複数の波長は一致していると考えられる。一方センサの温度によりセンサから戻ってくる櫛型反射スペクトルは変化する。センサの測定範囲はシステム設計の段階でこの櫛型反射スペクトルのFSRより狭い波長範囲とすると該センサの温度とセンサからの櫛型反射スペクトルは一対一で対応する。この関係をあらかじめデータとして記憶しておくことによりAWGの任意のチャンネルの出力の極大値を与える電圧からそのチャンネルに対応するセンサの温度を測定することができる。以上が本発明の課題に対する解決手段である。
【発明の効果】
【0006】
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【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明に係る実施形態である分布型温度計測システムの全体構成を図1に示す。またその動作を示すため同システムの各個所のスペクトルを図2に示す。以下図1、図2を用いてその構成・動作を示す。図1において広帯域光源1から出射した光はSMF、光方向性結合器2(光方向性結合器はサーキュレータでもよい)を経てSMFに入射する。このSMFにはN個のセンサ(Nは1以上の整数)がSMFを介して直列に接続される。1個あるいは複数のセンサからの反射光は逆の経路をたどって光方向性結合器2経由波長検波器3に導かれ該検波器においてこれらセンサからの反射スペクトルを計測することによりセンサが検出すべき温度を測定する。前記各センサは第一のリング導波路RW1とブラッググレーティングWBGを内蔵した第二のリング導波路RW2を第一の光方向性結合器DC1で結合しかつ第一のリング導波路RW1を第二の光方向性結合器DC2を介して前記SMFからなる前記光信号伝送ラインに結合させることにより第一のリング共振器を構成し該リング共振器の入射ポートIPからドロップポートDPへの透過帯域フィルタ特性を第一のリング導波路RW1のリング長を例えばミリメータ程度にすることにより例えばピコメータオーダの図2のスペクトルS2に示すような狭帯域透過櫛型フィルタ特性としこの櫛型透過フィルタ特性と、第二のリング導波路RW2内のブラッググレーティングWBGの帯域幅を図2のスペクトルS3、S6に示すように第一のリング共振器のFSRよりも広くすることによりWBGにより反射される反射スペクトル特性をピコメータのオーダのFWHMの図2のスペクトルS4、S7に示すような複数の狭帯域反射スペクトル特性とする。この複数の狭帯域反射スペクトルは該リング共振器のドロップポートDPから入射ポートIPへの透過スペクトルのうちの1部分であるが同時にこれはドロップポートDPから入射ポートIPに向かって入射した光の透過スペクトルに等しいはずであるのでWBGにより反射された前記複数の狭帯域反射スペクトルS4、S7はドロップポートDPから入射ポートIPを経て光方向性結合器2に向かって伝播していくことになる。即ちセンサとしての反射スペクトルは各々が狭帯域の複数の反射スペクトルとなる。この反射スペクトル各々が狭帯域特性を持っているがゆえに本発明のセンサはその反射スペクトルのうちエネルギーのピークを与える複数の波長のいずれの波長においてもその波長近傍での波長に対する反射スペクトルのエネルギー密度の変化は、これよりも遥かに広いFWHMをもったFBGを用いた従来の分布計測システムの場合よりも格段に大きくなる。この反射スペクトルの波長に対するエネルギー密度の変化をより的確に捉えるために波長検波器3も狭帯域フィルタ特性を備えさせる。例えばファブリペロー干渉計などを用いてこの特性を備えさせる。また各センサのWBGの反射帯域は温度変化により変化するがシステムの使用温度範囲のいずれにおいてもこの反射帯域はセンサごとに異なるようにシステム設計を行う。さらに各センサの測定範囲はそれぞれのセンサのWBGの反射波長帯域の帯域幅以下とする。波長検波器3について詳しく述べると次のようである。波長検波器3は図1に示すようにファブリペロー干渉計FPI, 鋸波発生回路SG、アレイ導波路格子AWG, 光電変換素子、プリアンプ、自走型アナログデジタル変換器AD 0~AD N,センサ反射スペクトルパタン検出回路MAX 1~MAX Nから成り立っている。この図1を用いて波長検波器の動作を以下に説明する。ファブリペロー干渉計FPIは鋸波発生回路SGの出力の鋸波電圧によりその櫛型フィルタ特性が変化する。これには例えばシングルモードファイバに直接接続可能なMICRON OPTICS社(http://www. micronoptics.com)のFFP-SI(ファブリペロー干渉計), FFP-C(鋸波発生回路)を用いることができる。自走型アナログデジタル変換器は自ら繰り返し測定するいわゆるデジタル電圧計である。図2に示す光方向性結合器2経由センサから反射されてきたスペクトル例えばS4、S7の櫛型光スペクトラムは、図2のスペクトルS9、S10、S11に示すよう前記鋸波電圧によりその透過スペクトルの変化するファブリペロー干渉計FPIとAWGの直列光回路の透過スペクトルとのスペクトルパタンマッチング演算が行われそのパタン一致度に比例した光量がAWGの各チャンネルから出力される。これら各チャンネルからの光出力は光電変換素子、プリアンプを介して電圧として出力される。この電圧は前記自走型アナログデジタル変換器AD 1~AD Nによりそれぞれデジタル値に変換される。センサ反射スペクトルパタン検出回路MAX 1~MAX Nはそれぞれセンサ1~センサNの温度を計測するためのものでありそれぞれ鋸波発生回路が鋸波を発生する一周期の間に前記AWG各チャンネルからの出力光量に比例した即ちスペクトルパタン一致度に比例した電圧値の最大値を与える鋸波の電圧を出力し、鋸波電圧をデジタル値にしたアナログデジタル変換回路AD 0の出力と自走型アナログデジタル変換器AD 1~AD Nの出力を入力として動作するものでありいわゆるメモリとマイクロコンピュータにより構成される。図2の場合スペクトルS4と最もスペクトルパタンが一致するのはスペクトルS9、S10、S11の間ではS11であってこのスペクトルS11を発生するための鋸波電圧V3がこのプリアンプの出力電圧の最大値を与える鋸波電圧となる。このようにして鋸波電圧が特定されるとそれに対応しセンサからの反射スペクトルパタンも特定される。センサからのスペクトルパタンはその変化がそのパタンのFSR以内の変化であればセンサの温度に一対一で対応しているためスペクトルパタンが特定されることによりセンサの温度も特定されることになる。以上が実施例の構成と動作を基にした説明である。
【0008】

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【0009】
SMFから入射してくる光がWBGの透過帯域の場合についてセンサの動作を図2、図10、図11を用いて述べる。図10はセンサ1のWBGの透過帯域におけるシステムの等価回路である。同図において光方向性結合器DC1、光方向性結合器DC2、リング導波路RW1から成り立つリング共振器の光路長と、リング導波路RW2の光路長を等しく設計する。ドロップポートDPから出射する光スペクトラムは図11のスペクトラム(b)に示すような櫛型スペクトルとなる。該共振器のアドポートAPからDC1に入射するスペクトラムは上記ドロップポートDPから出射するスペクトラムと両リングの光路長が同じであることから同一で図11のスペクトラム(d)のようになる。すなわちリング共振器からドロップポートDPを経て抜けた光スペクトルと同一の光スペクトルがアドポートAPから入射する。リング導波路RW2がなければリング共振器の出射ポートOPから出射するスペクトラムは図11のスペクトラム(c)に示すようにリング共振器のフリースペクトルレンジで決まる波長ごとに帯域阻止特性を示すが、阻止された光スペクトラムが同リング共振器のアドポートAPから入射するので結果としてリング共振器の出射ポートOPの出射スペクトラムは図11のスペクトル(e)あるいは図2のスペクトラムS5に示す様にWBGの透過帯域においてはフラットに成る。なお前述したように各センサの測定範囲をオーバラップさせないためにWBGの反射帯域は重なり合わないようにシステム設計される。
【0010】
センサ自身の製作は本願の発明人が出願している特願2006-288631に記載されているようにいわゆるシリコン、石英などを材料とした平面光導波路製作技術により製作できることは明らかである。またWBGの製作方法もゲルマニウムをドープした石英コアに空間的に周期的な紫外線を照射することにより製作できることも同文献に記載されている。石英コアにゲルマニウムをドープしたコアを用いたリング共振器のスペクトルの温度依存性は12pm/℃であることが「非特許文献3」により知られている。さらに石英コアにゲルマニウムをドープしたコアを用いたWBGの温度依存性も「非特許文献4」によりその反射中心波長の温度依存性は11.5 pm/℃でありほぼリング共振器のスペクトルの温度依存性に等しい。従って図1に示すシステムの場合、センサの温度が変化するとリング共振器の線スペクトルはWBGの反射中心波長とほぼ同じ量だけシフトする。従ってこの波長のシフト量を考慮して隣接するWBGの中心波長間隔は決定されねばならない。使用温度範囲が100℃とするとこのシフト量は100℃×12pm/℃で1.2nmとなる。50nmの光源帯域幅、WBGの帯域を0.1nmとするとこのシステムで多重測定可能なセンサは50nm/(100+1200)pm =38個となる。各センサの波長分解能は段落番号0006で記載したように0.1pmが得られるのでダイナミックレンジは1.2nm/0.1pm=12000となる。




【産業上の利用可能性】
【0011】
上述の発明は建築構造物が致命的ダメージを負う前に建築構造物をメンテナンスし維持していこうとするいわゆる建築構造物(ビル、橋、鉄橋など)のヘルスモニタリングの分野のほかに、航空宇宙における例えば翼などの筐体の故障予知の分野などへの適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の最良実施形態
【図2】本発明の最良実施形態におけるシステムの動作原理
【図3】第一の従来技術によるシステムの主要構成
【図4】第一の従来技術を用いたシステムの動作を示すための各個所のスペクトル
【図5】第二の従来技術によるシステムの主要構成
【図6】第二の従来技術によるシステムの動作を示すための各個所のスペクトル
【図7】WBGの幅広反射スペクトルとリング共振器1の入射ポートドロップポート間透過スペクトル例
【図8】入射ポートから光方向性結合器2側への反射光スペクトル例
【図9】入射ポートから光方向性結合器2側への反射光スペクトル例(拡大図)
【図10】SMFから入射してくる光がセンサ1のWBGの透過帯域の場合のシステム等価回路
【図11】SMFから入射してくる光がセンサ1のWBGの透過帯域の場合における各点の光スペクトル
【符号の説明】
【0013】
1・・・広帯域光源
2・・・光方向性結合器
3・・・波長検波器
4・・・波長温度変換部
5・・・光電変換素子(受光素子)
6・・・プリアンプ
7・・・マイクロコンピュータ
SMF・・シングルモード光ファイバ
IP・・・リング共振器入射ポート
DP・・・リング共振器ドロップポート
AP・・・リング共振器アドポート
OP・・・リング共振器出射ポート
FBG・・光ファイバブラッググレーティング
WBG・・光導波路ブラッググレーティング
RW1・・リング導波路1
RW2・・リング導波路2
DC1・・光方向性結合器
DC2・・光方向性結合器
AWG・・アレイ導波路格子
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
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