TOP > 国内特許検索 > レーザ距離画像生成装置及び方法 > 明細書

明細書 :レーザ距離画像生成装置及び方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3962929号 (P3962929)
公開番号 特開2005-331273 (P2005-331273A)
登録日 平成19年6月1日(2007.6.1)
発行日 平成19年8月22日(2007.8.22)
公開日 平成17年12月2日(2005.12.2)
発明の名称または考案の名称 レーザ距離画像生成装置及び方法
国際特許分類 G01S  17/89        (2006.01)
G01S  17/10        (2006.01)
G01C   3/06        (2006.01)
FI G01S 17/89
G01S 17/10
G01C 3/06 120Q
G01C 3/06 140
請求項の数または発明の数 7
全頁数 16
出願番号 特願2004-147933 (P2004-147933)
出願日 平成16年5月18日(2004.5.18)
審査請求日 平成16年5月18日(2004.5.18)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】390014306
【氏名又は名称】防衛省技術研究本部長
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
発明者または考案者 【氏名】秋山 晃
【氏名】柿本 至輝
【氏名】神田 和久
個別代理人の代理人 【識別番号】100077838、【弁理士】、【氏名又は名称】池田 憲保
審査官 【審査官】大和田 有軌
参考文献・文献 特開平07-098381(JP,A)
特開2000-056018(JP,A)
国際公開第02/082016(WO,A1)
特開平04-283685(JP,A)
特開2002-323561(JP,A)
特開2002-039716(JP,A)
特開平06-059038(JP,A)
特開2004-354253(JP,A)
調査した分野 G01S 7/48 - 7/51
G01S 17/00 - 17/95
G01B 11/00 - 11/30
G01C 3/00 - 3/32
特許請求の範囲 【請求項1】
パルスレーザビームで視野領域内を走査し、その反射レーザビームを検知部で検知して距離画像を生成するレーザ距離画像生成装置において、
前記検知部として、前記視野領域を構成する複数の画素領域に1対1で対応する複数の検知素子を備えたアレイ検知素子を用い、
前記パルスレーザビームの走査を複数の画素領域を走査単位として行うとともに、前記反射レーザビームの検知を対応する複数の検知素子を検知単位として行うようにし、
各検知単位を構成する複数の検知素子の出力を、他の検知単位を構成する複数の検知素子であって同一位置にある検知素子の出力と集約するようにしたことを特徴とするレーザ距離画像生成装置。
【請求項2】
請求項に記載のレーザ距離画像生成装置において、
前記アレイ検知素子の入射面側に、前記複数の検知素子を前記検知単位で露出させるアパーチャを設けたことを特徴とするレーザ距離画像生成装置。
【請求項3】
パルスレーザビームを発生するパルスレーザ発生装置と、
前記パルスレーザビームの形状を所定形状に成形するレーザビーム成形部と、
該レーザビーム成形部により成形されたパルスレーザビームを視野領域内で走査するレーザ走査装置と、
前記視野領域を構成する複数の画素領域に1対1で対応する複数の検知素子を備え、かつこれら複数の検知素子が複数のブロックに区分された、反射レーザビームを検知するアレイ検知素子と、
前記複数のブロックの同一位置にある複数の検知素子に共通接続され、前記パルスレーザビームの発生から前記反射レーザビームの検知までに要する時間をカウントする複数のカウンタ回路と、
該複数のカウンタ回路からの出力に基づいてレーザ画像を生成する処理部と、
前記パルスレーザ発生装置、前記レーザ走査装置及び前記処理部を制御する制御部とを備え、
前記反射レーザビームの検知が前記ブロックを単位として行われるように、前記所定形状を定め、前記成形されたパルスレーザビームの走査を行うようにしたことを特徴とするレーザ距離画像生成装置。
【請求項4】
請求項に記載のレーザ距離画像生成装置において、
前記アレイ検知素子の入射面側に、前記ブロックを単位として前記複数の検知素子を露出させるアパーチャを設けたことを特徴とするレーザ距離画像生成装置。
【請求項5】
請求項またはに記載のレーザ距離画像生成装置において、
前記反射レーザビームの検知が2以上の前記ブロックを単位として行われるように、前記所定の形状を定め、前記整形されたパルスレーザビームの走査を行うようにしたことを特徴とするレーザ距離画像生成装置。
【請求項6】
パルスレーザビームで視野領域内を走査し、その反射レーザビームを検知部で検知して距離画像を生成するレーザ距離画像生成方法であって、前記検知部として、前記視野領域を構成する複数の画素領域に1対1で対応する複数の検知素子を備えたアレイ検知素子を用いるレーザ距離画像生成方法において、
前記パルスレーザビームの走査を複数の画素領域を走査単位として行うとともに、前記反射レーザビームの検知を対応する複数の検知素子を検知単位として行い、
各検知単位を構成する複数の検知素子の出力を、他の検知単位を構成する複数の検知素子であって同一位置にある検知素子の出力と集約するようにしたことを特徴とするレーザ距離画像生成方法。
【請求項7】
請求項に記載のレーザ距離画像生成方法において、
前記パルスレーザビームの走査に同期して、前記アレイ検知素子の入射面側に設けられたアパーチャを移動させ、それによって前記複数の検知素子を前記検知単位で露出させることを特徴とするレーザ距離画像生成方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ距離画像生成装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のレーザ距離画像生成装置について図11を参照して説明する。
【0003】
図11(a)のレーザ距離画像生成装置は、パルスレーザ発生装置70、レーザ走査装置71、受光光学部75、検知素子76、アンプ回路77、パルスカウント回路78、処理部79及び制御部81を有している。
【0004】
パルスレーザ発生装置70は、制御部81からの指令(レーザトリガ)に応じてパルスレーザ光を発生させ、レーザ走査装置71へ出力する。同時に、パルスレーザ発生装置70は、レーザ送信信号80を処理部79へ出力する。
【0005】
レーザ走査装置71は、制御部81からの走査位置指令に基づき、パルスレーザ発生装置70からのパルスレーザ光を目標へ向けて照射しつつ走査する。換言すると、レーザ走査装置71は、走査パルスレーザ72の照射位置を制御する。このとき、レーザ走査装置71は、パルスレーザ発生装置70からの出力レーザ光をそのまま使うため、走査パルスレーザ72はペンシルビームである。
【0006】
受光光学部75は、目標73からの反射レーザ信号74を検知素子76の受光面に集光する。
【0007】
検知素子76は、入力光を電気信号に変換する。アンプ回路77は、検知素子76からの電気信号を増幅してパルスカウント回路78へ出力する。
【0008】
パルスカウント回路78は、クロックカウンタを有しており、処理部79の指令に基づき、レーザ送信信号80が処理部79に入力されてから、アンプ回路77からの電気信号がパルスカウント回路78に入力されるまでの時間をカウントする。
【0009】
処理部79は、パルスカウント回路78がカウントした時間に基づき、このレーザ距離画像生成装置から目標73までの距離を表す距離値を求める。具体的には、得られた時間に光速/2を乗算して距離値とする。処理部79は、求めた距離値を制御部81へ出力する。
【0010】
このレーザ距離画像生成装置では、制御部81からレーザトリガが1回出力される毎に、1個の距離値が得られる。従って、走査領域(全視野範囲)を複数の画素領域に区分し、これらの画素領域に対して、走査パルスレーザ72を順次照射することにより、図11(b)に示すような走査領域(全視野範囲)の全画素の距離値を得ることができる。制御部81は、こうして得られた全画素の距離値に基づいて距離画像を合成する。

【特許文献1】特開2002-323564号公報
【特許文献2】特開平04-283685号公報
【特許文献3】特開2001-052171号公報
【特許文献4】特開2002-250769号公報
【特許文献5】特開平04-351988号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、従来のレーザ距離画像生成装置においては、次のような問題点がある。
【0012】
第1の問題点は、レーザ光の照射範囲が狭く、全視野範囲を走査するのに長時間を要する点である。換言すると、従来のレーザ距離画像生成装置は、フレーム周期が長いという問題点がある。これは、パルスレーザ発生装置からのパルスレーザ光をそのまま用いるため、即ち、走査レーザビームがペンシルビームであるためである。
【0013】
第2の問題点は、視野が狭い点である。これは、単一の検知素子を使用しているためである。この問題を解決する方法として、複数の検知素子を用いることが考えられるが、検知素子を増加させるとそれに応じてパルスカウト回路も増やさなければならないので、装置が大型化するという別の問題が生じる。
【0014】
本発明は、上記問題点を解決し、装置を大幅に大型化することなく、フレーム周期を短縮できるレーザ距離画像生成装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によれば、パルスレーザビームで視野領域内を走査し、その反射レーザビームを検知部で検知して距離画像を生成するレーザ距離画像生成装置において、前記検知部として、前記視野領域を構成する複数の画素領域に1対1で対応する複数の検知素子を備えたアレイ検知素子を用い、前記パルスレーザビームの走査を複数の画素領域を走査単位として行うとともに、前記反射レーザビームの検知を対応する複数の検知素子を検知単位として行うようにし、各検知単位を構成する複数の検知素子の出力を、他の検知単位を構成する複数の検知素子であって同一位置にある検知素子の出力と集約するようにしたことを特徴とするレーザ距離画像生成装置が得られる。
【0016】
また、本発明によれば、パルスレーザビームを発生するパルスレーザ発生装置と、前記パルスレーザビームの形状を所定形状に成形するレーザビーム成形部と、該レーザビーム成形部により成形されたパルスレーザビームを視野領域内で走査するレーザ走査装置と、前記視野領域を構成する複数の画素領域に1対1で対応する複数の検知素子を備え、かつこれら複数の検知素子が複数のブロックに区分された、反射レーザビームを検知するアレイ検知素子と、前記複数のブロックの同一位置にある複数の検知素子に共通接続され、前記パルスレーザビームの発生から前記反射レーザビームの検知までに要する時間をカウントする複数のカウンタ回路と、該複数のカウンタ回路からの出力に基づいてレーザ画像を生成する処理部と、前記パルスレーザ発生装置、前記レーザ走査装置及び前記処理部を制御する制御部とを備え、前記反射レーザビームの検知が前記ブロックを単位として行われるように、前記所定形状を定め、前記成形されたパルスレーザビームの走査を行うようにしたことを特徴とするレーザ距離画像生成装置が得られる。
【0017】
さらに、本発明によれば、パルスレーザビームで視野領域内を走査し、その反射レーザビームを検知部で検知して距離画像を生成するレーザ距離画像生成方法であって、前記検知部として、前記視野領域を構成する複数の画素領域に1対1で対応する複数の検知素子を備えたアレイ検知素子を用いるレーザ距離画像生成方法において、前記パルスレーザビームの走査を複数の画素領域を走査単位として行うとともに、前記反射レーザビームの検知を対応する複数の検知素子を検知単位として行い、各検知単位を構成する複数の検知素子の出力を、他の検知単位を構成する複数の検知素子であって同一位置にある検知素子の出力と集約するようにしたことを特徴とするレーザ距離画像生成方法が得られる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、パルスレーザ発生装置からのペンシルビームを成形して照射範囲を広げ、複数の画素に相当する複数の検知素子を検知単位として測距を行うようにしたことで、フレーム周期を短縮することができる。
【0019】
また、本発明によれば、各検知単位を構成する検知素子の出力を他の検知単位を構成する検知素子の出力と集約するようにしたことで、検知素子の数に比べて、カウント回路の数を大幅に少なくすることができる。これにより、装置を大幅に大型することなく、広視野化を実現することができる。
【0020】
さらに、本発明によれば、パルスカウント回路などを増やすことなく、画像の画素数を増加させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0022】
図1に本発明の第1の実施の形態に係るレーザ距離画像生成装置を示す。
【0023】
図1のレーザ距離画像生成装置は、パルスレーザ発生装置1、レーザビーム成形部2、レーザ走査装置3、受光光学部7、アレイ検知素子8、可動アパーチャ9、アンプ回路10、周期集約信号ケーブル11、パルスカウント回路12、処理部13、及び制御部15を備えている。
【0024】
パルスレーザ発生装置1は、制御部15からのレーザトリガに応じて、パルスレーザ光を発生させ、レーザビーム成形部2へ出力する。同時に、パルスレーザ発生装置は、パルスレーザ光を発生させたことを表すレーザ送信信号14を処理部13へ出力する。
【0025】
レーザビーム成形部2は、パルスレーザ発生装置1からのパルスレーザ光(ペンシルビーム)の径を広げて所定のビーム形状(具体的には、後述する焦点面ブロック8-2に対応する形状)に成形し、レーザ走査装置3へ出力する。
【0026】
レーザ走査装置3は、制御部15からの走査位置指令に基づき、目標5へ向けて走査パルスレーザ4を照射し、その照射位置を制御する。即ち、レーザ走査装置3は、目標5を含むように想定した視野領域を所定の走査パターンで走査するように、走査パルスレーザ4の照射位置を制御する。
【0027】
受光光学部7は、目標5からの反射レーザ光6をアレイ検知素子8の入射面に集光させる。換言すると、受光光学部7は、レーザ走査装置3によって走査される範囲(視野範囲)と、アレイ検知素子8の視野範囲とを一致させる。
【0028】
可動アパーチャ9は、アレイ検知素子8の入射面側に配置され、アレイ検知素子8の一部を露出させる。可動アパーチャ9の位置は、制御部15からの走査位置信号により制御され、それによって、露出する検知素子群(ブロック)が変更される。
【0029】
アレイ検知素子8は、多数の検知素子を、例えばA個×B個に行列配列したものである。あるいは複数の検知素子を行列配置(例えばE個×F個)した複数のアレイ検知素子を、行列配置(例えば、M個×N個)したものでもよい。このアレイ検知素子8は、レーザ走査装置3の走査領域(視野領域)に対応している。即ち、視野領域をA個×B個の画素領域とした場合に、これらの画素領域にアレイ検知素子8を構成する検知素子が1対1で対応している。
【0030】
アンプ回路10は、アレイ検知素子8の検知素子に1対1に設けられている。各アンプ回路10は、対応する検知素子からの出力電気信号を増幅して出力する。アンプ回路10の出力は、周期集約型信号ケーブル11を介してパルスカウント回路12に入力される。
【0031】
ここで、図2を参照して、周期集約型信号ケーブル11について説明する。
【0032】
図2において、アレイ検知素子8はA個×B個に行列配置された複数の検知素子8-1(小丸で示す)を有している。このA×Bの配列が最終的な距離画像の画素数に相当する。
【0033】
アレイ検知素子8は、M個×N個の焦点面ブロック8-2に区切られている(分割されている)。各焦点面ブロック8-2は、E個×F個の検知素子8-1で構成される。したがって、アレイ検知素子8の検知素子8-1の数は、A×B=M・E×N・F、と記述できる。
【0034】
アンプ回路10は、上述したように、アレイ検知素子8の検知素子8-1に1対1で接続されている。従って、アンプ回路10もアレイ検知素子8と同様に複数のブロックに分割されていると考えることができる。
【0035】
周期集約型信号ケーブル11は、全焦点面ブロック8-2に含まれる検知素子出力を同一の位置にあるもの同士で接続する。つまり、周期集約型信号ケーブル11は、各焦点面ブロック8-2の検知素子が他の焦点面ブロック8-2の同一位置の(位置対応する)検知素子と接続されるように、アンプ回路10の出力を集約する。
【0036】
具体的には、各焦点面ブロック8-2の左上の検知素子(黒丸で示す素子、全部でM×N個)に接続された出力アンプ回路10の出力を1つの出力チャンネル11-1に集める。また、他の検知素子についても同様に、同じ位置にあるもの同士が接続されるよう、出力アンプ回路10の出力を出力チャンネル11-1に集約する。その結果、出力チャンネルの数は、各焦点面ブロック8-2の検知素子数と同じ、E×F個になる。
【0037】
図1に戻ると、周期集約型信号ケーブル11には、パルスカウント回路12接続されている。上述したように、周期集約型信号ケーブル11の出力チャンネル数は、各焦点面ブロック8-2の検知素子数と同じであり、パルスカウント回路12の総数は、この数に等しい。つまり、パルスカウント回路12の総数(E×F個)は、アレイ検知素子8の検知素子の総数(A×B=M・E×N・F個)よりも少ない。従って、複数の検知素子を有するアレイ検知素子8を用いても、この装置はそれほど大型化しない。なお、各焦点面ブロック8-2の検知素子数を減らせば、パルスカウント回路12の数を減らせるが、走査に要する時間が増大する。
【0038】
各パルスカウント回路12は、クロックカウンタを有しており、処理部13からの指令に基づき、処理部13がレーザ送信信号14を受けてからアンプ回路10の出力信号が得られるまでの時間を求める。
【0039】
処理部13は、パルスカウント回路12がカウントした時間に基づいて、レーザ距離画像生成装置と目標5との間の距離を表す距離値を求める。具体的には、求めた時間に光速/2を乗算して距離値とする。1回のレーザトリガにより、E×F個の画素の距離値が同時に得られる。処理部13は、求めた距離値を制御部15へ出力する。
【0040】
このレーザ距離画像生成装置では、レーザビーム成形部2の働きにより、レーザ走査装置3より照射される1回の走査パルスレーザ4の大きさ(照射範囲)を、アレイ検知素子8の入射面上の1つの焦点面ブロック8-2の視野範囲となるよう設定している。従って、焦点面ブロック8-2の視野範囲を走査単位として、走査パルスレーザ4を走査することにより、前記画素の距離値を求めることができる。制御部15は、走査パルスレーザ3(及び可動アパーチャ9)を制御しているので、処理部13から出力される距離値がどの焦点面ブロック8-2からのものであるのか識別できる。
【0041】
図3を参照して、走査パルスレーザと、可動アパーチャ9及びアレイ検知ブロック8との関係を説明する。
【0042】
図3(a)は、走査パルスレーザ4が照射される全視野範囲を示しており、図3(b)は、可動アパーチャ9の開口部とアレイ検知素子8との位置関係を示している。
【0043】
図3(a)に示すように、このレーザ距離画像生成装置の全視野範囲16は、アレイ検知素子8の入射面上の焦点面ブロック8-2の視野範囲に対応させてM×N個の照射ブロック17に区分されている。即ち、照射ブロック17と焦点面ブロック8-2とは1対1に対応している。また、走査パルスレーザ4の大きさ(照射範囲)、形状は1つの照射ブロック17と同じとする。走査パルスレーザ4の大きさは、図3(c)に示すように、レーザ強度分布18の半値幅19で規定される。
【0044】
可動アパーチャ9は、レーザビーム裾野20の影響を取り除くために、目標とする照射ブロック17に対応する焦点面ブロック8-2のみを露出させ、他の焦点面ブロック8-2を覆うよう位置制御される。走査パルスレーザ4を照射する位置を図3(a)に矢印で示すように隣の照射ブロックに移動させるときには、可動アパーチャも同期して同方向の焦点面ブロック8-2を露出させるべく移動制御する。これにより、目標とする照射ブロック17の隣の照射ブロックに向かって照射されるレーザビーム裾野20が遮られ、クロストークノイズの発生が防止される。即ち、目標の照射ブロック17に対応する焦点面ブロック8-2のみからの検知信号に基づく距離値が得られる。
【0045】
再び図1にもどると、制御部15は、レーザ走査装置3(及び可動アパーチャ9)への走査位置指令と、処理部13からの距離値とを対応させ、各焦点面ブロックに対応する画像データを得る。そして、制御部15は、走査パルスレーザ4を順次走査・照射しながら全焦点面ブロックに対応する画像データを取得し、全視野範囲の距離画像を合成する。
【0046】
以上のように、本実施の形態に係るレーザ距離画像生成装置では、複数の焦点面ブロックに区分された多数の検知素子の出力を周期集約型信号ケーブルで集約し、所定形状に広げたレーザビームを用いて、焦点面ブロックを検知単位とするレーザ走査を行うようにしたことで、多画素の距離画像を作成する装置において、構成ユニット数の大きく増加させることなく、高速化を実現することができる。また、このレーザ距離画像生成装置では、焦点面ブロックを一つだけ露出させる可動アパーチャを用いることにより、クロストークノイズのない距離画像を得ることができる。
【0047】
また、本実施の形態に係るレーザ処理画像再生装置では、焦点面ブロック単位で検知画素を増設し、その出力を他の焦点面ブロックの出力と集約することにより、パルスカウント回路12を増やすことなく、画素数を増やすことができる。
【0048】
次に、図4乃至図7を参照して、本発明の第2の実施の形態に係るレーザ距離画像生成装置について説明する。
【0049】
図4のレーザ距離画像生成装置は、パルスレーザ発生装置21、レーザビーム成形部22、レーザ走査装置23、受光光学部27、周期集約型光ファイバ28、可動アパーチャ29、集光レンズ30、検知素子31、パルスカウント回路32、処理部33、及び制御部35を備えている。なお、パルスレーザ発生装置21、レーザビーム成形部22、レーザ走査装置23、受光光学部27、可動アパーチャ29、パルスカウント回路32、処理部33、及び制御部35は、それぞれ、図1のレーザ距離画像生成装置が備えるものと同様なので、その説明を省略する。
【0050】
周期集約型光ファイバ28は、画素に1対1で対応する複数の光ファイバからなる。それらの光ファイバの一端は、レーザ走査装置の走査領域(視野範囲)に対応するように行列配置され、ファイバ入力焦点面28-1を構成する。このファイバ入力焦点面28-1が、第1の実施の形態におけるアレイ検知素子8に相当する。これらの光ファイバの他端は、第1の実施の形態における周期集約信号ケーブルと同様に、ファイバ入力焦点面28-1上の位置に応じて、複数のファイバ出力チャンネル28-2に集約される。
【0051】
複数のファイバ出力チャンネル28-2には、それぞれ集光レンズ30を介して検知素子31が接続されている。また、検知素子31は、1対1でパルスカウント回路32に接続されている。検知素子31は、ファイバ出力チャンネル28-2から出力される光を電気信号に変換してパルスカウント回路32へ出力する。
【0052】
図5を参照して、周期集約型光ファイバ28についてより詳細に説明する。
【0053】
図5に示す例では、周期集約型光ファイバ28は、35×35本の光ファイバ28-4からなる。そして、その一端は、35個×35個に行列配置され、ファイバ入力焦点面28-1を形成する。この35個×35個の配列が最終的な距離画像の画素数に相当する。
【0054】
光ファイバ28-4の各々が、例えば、1mradの視野角を有しているとすると、ファイバ入力焦点面28-1の全視野は35mrad×35mradである。
【0055】
ファイバ入力焦点面28-1は、7個×7個の焦点面ブロック28-3に区分されている。従って、各焦点面ブロック28-3は、5本×5本の光ファイバ28-4を有する。これにより、1つの焦点面ブロック28-3の視野角は5mrad×5mradである。
【0056】
各焦点面ブロック28-3の光ファイバ28-4は、他の焦点面ブロックの同じ位置に位置する光ファイバ28-4と集約され1つのファイバ出力チャンネル28-2とされる。具体的には、黒丸で示す49本の光ファイバ(各焦点面ブロック28-3の左上に位置する光ファイバ)が集約される。同様に、他の光ファイバも、49本ずつ集約される。こうして、ファイバ入力焦点面28-1の35×35本の光ファイバ28-4が25個のファイバ出力チャンネル28-2に集約される。
【0057】
図6(a)及び(b)に、図4に示す走査パルスレーザ24と可動アパーチャ29の詳細を示す。図6(a)に示すように、このレーザ距離画像生成装置の全視野範囲36は、ファイバ入力焦点面28-1上の焦点面ブロック28-2と同じ視野範囲を持つように7×7個の照射ブロック37に区分されている。これにより、照射ブロック37と焦点面ブロック28-3とは1対1に対応する。走査パルスレーザ24の大きさ、形状は1つの照射ブロック37と同じとする。走査パルスレーザ24の大きさは、図6(c)に示すように、レーザ強度分布38の半値幅39で規定され、上記例では、断面形状をφ5mradの円形とする。
【0058】
可動アパーチャ29は、走査パルスレーザ24が照射されている照射ブロックに対応する焦点面ブロック28-3を一つだけ選択的に露出させ、他の焦点面ブロック28-3への反射光の入射を遮る。即ち、走査パルスレーザ24の大きさを図6(c)で示すようにレーザ強度分布38の半値幅39で規定した場合に、レーザビーム裾野20が目標の照射ブロック37に隣接する照射ブロック37照射されるのを防止し、クロストークノイズの発生を防ぐ。可動アパーチャ29は、走査パルスレーザ24の照射位置を制御する走査位置指令を受け、走査パルスレーザの照射位置が図6(a)の矢印のように移動する場合に、同期して対応する焦点面ブロック28-3を露出させるように移動制御される。
【0059】
次に、図7を参照して、図4のレーザ距離画像生成装置の動作を説明する。図7(a)にタイミングチャート、図7(b)に走査パルスレーザの走査の様子を示す。
【0060】
図7(a)において、制御部35がレーザトリガを出力すると、パルスレーザ発生装置21は、各レーザトリガに応答してレーザ光を発生しレーザビーム成形部22へ出力する。同時に、パルスレーザ発生装置は、レーザ送信信号34を出力する。
【0061】
レーザビーム成形部22は、レーザ光をφ5mradの円形に成形し、レーザ走査装置23へ出力する。レーザ走査装置23は、制御部35の走査位置指令によりレーザ成形部22から受けたパルスレーザ光の照射方向を制御し、走査パルスレーザ24を照射する。
【0062】
可動アパーチャ29は、制御部35の走査位置指令により露光位置制御を行う。この位置制御は、走査パルスレーザ24の照射位置変更と同期して行われる。
【0063】
周期集約型光ファイバ28は、ファイバ入力焦点面28-1に入射した反射レーザ光を集約し、集光レンズ30を介して、検知素子31に入射させる。
【0064】
検知素子31は入射する光を電気信号に変換する。
【0065】
パルスカウント回路32は、レーザ送信信号34により時間計測を開始し、検知素子31の出力信号により時間計測を終了する。パルスカウント回路32は、計測した時間を処理部33へ通知する。
【0066】
処理部33は、パルスカウント回路32からの計測時間から、この装置と目標との距離を表す距離値を算出し、制御部35へ通知する。制御部35は、走査位置指令に基づいて画素位置を特定し、処理部33からの距離値(距離データ)と画素位置(走査位置データ)とを互いに関連付けてメモリに保存する。
【0067】
以降、制御部35がレーザトリガ及び走査位置指令を出力する毎に上記動作を繰り返す。その際、図7(b)に示すように、照射ブロック単位でパルスレーザ光の照射位置が変更される。以上の動作を49回繰り返すと、全視野範囲36の距離値が取得できる。即ち、1フレーム分の距離データが得られる。1フレーム分の処理データを得た制御部35は、メモリに保存されている距離データと走査位置データをもとに距離画像を合成し表示等を行う。
【0068】
以上のように、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様、装置を大幅に大型化することなく、高速化ができる。
【0069】
なお、上記実施の形態では、レーザビーム成形部で成形したレーザ光の断面形状を円形としたが、楕円形や矩形でもよい。
【0070】
また、視野角度、画素数、ブロック数、ファイバ数などは、上記実施の形態に限定されるものではなく、装置の使用目的等に応じて適宜変更される。
【0071】
次に、図8乃至図10を参照して、本発明の第3の実施の形態に係るレーザ距離画像生成装置ついて説明する。
【0072】
図8のレーザ距離画像生成装置は、図4の装置と基本構成は同じである。即ち、図8のパルスレーザ発生装置51、レーザビーム成形部53、レーザ走査装置55、受光光学部50、周期集約型光ファイバ59、可動アパーチャ60、集光レンズ61、検知素子62、パルスカウント回路63、処理部64、及び制御部66が、それぞれ、図4の、パルスレーザ発生装置21、レーザビーム成形部22、レーザ走査装置23、受光光学部27、周期集約型光ファイバ28、可動アパーチャ29、集光レンズ30、検知素子31、パルスカウント回路32、処理部33、及び制御部35に対応する。
【0073】
図8のレーザ距離画像生成装置が、図4の装置と異なる点は、パルスレーザ装置52とレーザビーム成形部54とをさらに備えている点である。
【0074】
パルスレーザ発生装置51,52は、同一構成の装置であり、それぞれ制御部66からのレーザトリガ受けてパルスレーザ光を発生し、レーザビーム成形部53,54へ出力する。また、パルスレーザ発生装置51,52はそれぞれレーザ送信信号を処理部64へ出力する。
【0075】
また、レーザビーム成形部53,54も同一構成の装置であり、パルスレーザ発生装置51,52からのパルスレーザ光をそれぞれ所定の形状(同一形状)に成形する。
【0076】
レーザ走査装置55は、図9(a)に示すように、あらかじめパルスレーザ発生装置51からの走査パルスレーザ56-1とパルスレーザ発生装置52からの走査パルスレーザ56-2とを互いに異なる2個の照射ブロック68に照射するように設定される。パルスレーザ発生装置51,52からの走査パルスレーザ56は、同時に同方向に走査される。従って、これらの走査パルスレーザ56は、いずれか一方のみが全視野範囲67の外に照射されることがないように、図9(a)のように、同一行の2つの照射ブロック68に照射されるようにすることが望ましい。また、互いに隣り合う照射ブロック68に走査パルスレーザ56を照射するとクロストークノイズの影響を防止できなくなるので、1以上の焦点面ブロック分の間隔を開けることが望ましい。
【0077】
可動アパーチャ60は、図9(b)に示すように、走査パルスレーザ56の照射位置にあわせて、2箇所の焦点面ブロック59-3を露出させる。これにより、1回の位置制御で2箇所の照射ブロック68の測距データを取得できる。
【0078】
次に、図10を参照して、図8のレーザ距離画像生成装置の動作について説明する。
【0079】
まず、制御部66からの位置指令により、レーザ走査装置55は照射位置を制御し、可動アパーチャ60は露光位置制御を行う。
【0080】
次に、制御部66は、パルスレーザ発生装置51へレーザトリガを出力する。これに応じてパルスレーザ発生装置51は、パルスレーザ光を発生させ、レーザ送信信号を出力する。
【0081】
その後、第2の実施の形態と同様にして、2つの可動アパーチャ60によって露出させた2つの焦点面ブロックのうちの一方に入射した反射ビームに基づく測距データを得る。
【0082】
続いて、制御部66は、パルスレーザ発生装置52へレーザトリガを出力する。これに応じてパルスレーザ発生装置52は、パルスレーザ光を発生させ、レーザ送信信号を出力する。
【0083】
その後、上記と同様にして、可動アパーチャ60によって露出させた2つの焦点面ブロックのうちの他方に入射した反射ビームに基づく測距データを得る。
【0084】
以降、図9(a)に矢印で示すように、走査パルスレーザ56の照射位置を移動させつつ、上記動作を繰り返すことによって、全視野範囲の測距データを得る。
【0085】
このように、本実施の形態に係るレーザ距離画像生成装置では、制御部66が1回の走査位置指令を出した後、パルスレーザ発生装置51へのレーザトリガとパルスレーザ発生装置52へのレーザトリガを、異なるタイミングで出力する。このように、本実施の形態では、2つの照射ブロックに対して走査パルスレーザを照射するのに、1度の走査位置指令を出すだけでよい。図9の例では、64個の照射ブロック68の測距を行うための位置指令回数は32回でよい。
【0086】
このように、本実施の形態では、複数のレーザ発生装置を設置し、あらかじめ互いに異なる複数の照射ブロックに走査パルスレーザを照射できるように設定しておくことで、走査位置制御の回数を減少させることができ、全体の測距時間(フレーム周期)を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るレーザ距離画像生成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1のレーザ距離画像生成装置に用いられる周期集約型信号ケーブルを説明するための図である。
【図3】(a)は図1のレーザ距離画像生成装置における全視野範囲と走査パルスレーザとの関係を示す図、(b)は同装置におけるアレイ検知素子と可動アパーチャとの関係を示す図、及び(c)は同装置における走査パルスレーザの大きさを説明するための図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るレーザ距離画像生成装置の構成を示すブロック図である。
【図5】図4のレーザ距離画像生成装置に用いられる周期集約型光ファイバを説明するための図である。
【図6】(a)は図4のレーザ距離画像生成装置における全視野範囲と走査パルスレーザとの関係を示す図、(b)は同装置におけるファイバ入力焦点面と可動アパーチャとの関係を示す図、及び(c)は同装置における走査パルスレーザの大きさを説明するための図である。
【図7】図4のレーザ距離画像生成装置の動作を説明するための図であって、(a)はタイミングチャート、(b)は全視野範囲における走査パルスレーザの走査方向を示す図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係るレーザ距離画像生成装置の構成を示すブロック図である。
【図9】(a)は図8のレーザ距離画像生成装置におけるレーザ走査装置からの走査パルスレーザの照射位置を説明するための図、及び(b)は同装置における可動アパーチャの開口位置を説明するための図である。
【図10】図8のレーザ距離画像生成装置の動作を説明するための図である。
【図11】(a)は従来のレーザ距離画像生成装置の構成を示すブロック図、及び(b)は(a)の装置による走査領域と画素について説明するための図である。
【符号の説明】
【0088】
1,21,51,52,70 パルスレーザ発生装置
2,22,53,54 レーザビーム成形部
3,23,55,71 レーザ走査装置
4,24,56,56-1,56-2,72 走査パルスレーザ
5,25,57,73 目標
6,26,58,74 反射レーザ光
7,27,50,75 受光光学部
8 検知素子アレイ
8-1 素子
8-2 焦点面ブロック
9,29,60 可動アパーチャ
10,77 アンプ回路
11 周期集約信号ケーブル
11-1 出力チャンネル
12,32,63、78 パルスカウント回路
13,33,64、79 処理部
14,34,65、80 レーザ送信信号
15,35,66、81 制御部
16,36,67 全視野範囲
17,37,68 照射ブロック
18,38 レーザ強度分布
19,39 半値幅
20 レーザビーム裾野
28,59 周期集約型光ファイバ
28-1,59-1 ファイバ入力焦点面
28-2,59-2 ファイバ出力チャンネル
28-3,59-3 焦点面ブロック
28-4 光ファイバ
30,61 集光レンズ
31,62 検知素子
41 円形形状
42,69 走査方向
76 検知素子
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10