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明細書 :光ファイバセンサ

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3963274号 (P3963274)
公開番号 特開2005-345324 (P2005-345324A)
登録日 平成19年6月1日(2007.6.1)
発行日 平成19年8月22日(2007.8.22)
公開日 平成17年12月15日(2005.12.15)
発明の名称または考案の名称 光ファイバセンサ
国際特許分類 G01R  33/032       (2006.01)
FI G01R 33/032
請求項の数または発明の数 4
全頁数 11
出願番号 特願2004-166630 (P2004-166630)
出願日 平成16年6月4日(2004.6.4)
審査請求日 平成16年6月4日(2004.6.4)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】390014306
【氏名又は名称】防衛省技術研究本部長
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
発明者または考案者 【氏名】廣田 恵
【氏名】佐藤 陵沢
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
【識別番号】100096426、【弁理士】、【氏名又は名称】川合 誠
審査官 【審査官】山田 昭次
参考文献・文献 特開平10-339770(JP,A)
特表昭61-502077(JP,A)
特開平01-314918(JP,A)
特開平10-031057(JP,A)
特開2001-228230(JP,A)
特開2000-277791(JP,A)
特開平05-276005(JP,A)
特開2001-051033(JP,A)
特表2002-533682(JP,A)
特開2003-130934(JP,A)
調査した分野 G01R 33/00-33/26
特許請求の範囲 【請求項1】
交流で励起するとともに、物理量を検出する光ファイバセンサにおいて、
励起周波数の交流で強度変調した励起光を励起光伝送ファイバで伝送し、前記励起光を光/電気変換素子で電力に変換して磁気信号検出部に送り、該磁気信号検出部は前記光/電気変換素子に接続される励起コイルを備えるとともに、干渉光伝送フアイバの一部となる光ファイバと磁歪材を一体にし、前記干渉光伝送フアイバの一部となる光ファイバがアームとなる光ファイバ干渉計を構成しており、前記磁歪材を前記励起コイルの中に配置した構造とし、前記励起コイルで発生する励起磁界と信号磁界で前記磁歪材を歪ませ、光ファイバ干渉計の出力光の位相を変化させることを特徴とする光ファイバセンサ。
【請求項2】
請求項1記載の光ファイバセンサにおいて、前記光/電気変換素子の出力にトランスを接続することを特徴とする光ファイバセンサ。
【請求項3】
請求項記載の光ファイバセンサにおいて、合成された励起信号を光伝送し、トランスの複数の2次コイルと該2次コイルに接続する回路で周波数分離して磁気信号検出部の複数の磁歪材を異なる周波数で励起することを特徴とする光ファイバセンサ。
【請求項4】
請求項1記載の光ファイバセンサにおいて、複数の磁気信号検出部を用いる場合に、励起光を分岐して複数の光/電流変換部に入力することを特徴とする光ファイバセンサ。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバセンサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、このような分野の技術としては、下記特許文献1に開示されるものがあった。
【0003】
それによれば、レーザー光源から光ファイバ内を伝搬してきたレーザー光が光カプラで分岐し、2つの干渉計のアームを通過した後、光カプラで干渉するマッハ・ツェンダ干渉計を構成する。干渉計のアームには磁気信号検出部が構成されており、干渉計のアームとなる光ファイバに磁歪材を接着し、正弦波状の励起磁界を発生する励起コイルの中に配置した構造とする。さらに、干渉計の出力をO/E変換器で電気信号に変換し、パッシブホモダインなどの位相復調器で干渉光の位相を復調し、交流磁界の周波数でAM復調するように構成する。
【0004】
ここで、磁気信号検出部に磁界が加わると磁歪材が歪むため干渉計のアームが伸び縮みする。このとき干渉計のアームを伝わった光の位相が変化する。この位相変化が位相復調器の出力に現れる。また、磁気信号検出部に正弦波状の励起磁界を加えた状態で磁気信号が加わるとO/E変換器出力の励起磁界成分が磁気信号でAM変調される。この励起磁界成分から磁気信号を復調して磁気信号検出部に入力した磁気信号を検出する。

【特許文献1】特開平10-339770号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した従来技術では、励起パワー(励起磁界を発生させる電力)を電線で伝送するため、光ファイバ以外に電線も必要となり、つまり、太く頑丈なケーブルが必要となり、コストが嵩み、しかも電線が受ける電磁干渉等で雑音が発生する。また、使用環境によっては避雷対策が必要となる等の問題があった。更に、信号検出部に長期間の信頼性が求められる用途の場合、多数の電子部品を用いた電子回路が必要なため寿命が短い等の問題もあった。
【0006】
本発明は、上記問題点を除去し、信頼性の高い光ファイバセンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕交流で励起するとともに、物理量を検出する光ファイバセンサにおいて、励起周波数の交流で強度変調した励起光を励起光伝送ファイバで伝送し、前記励起光を光/電気変換素子で電力に変換して磁気信号検出部に送り、この磁気信号検出部は前記光/電気変換素子に接続される励起コイルを備えるとともに、干渉光伝送フアイバの一部となる光ファイバと磁歪材を一体にし、前記干渉光伝送フアイバの一部となる光ファイバがアームとなる光ファイバ干渉計を構成しており、前記磁歪材を前記励起コイルの中に配置した構造とし、前記励起コイルで発生する励起磁界と信号磁界で前記磁歪材を歪ませ、光ファイバ干渉計の出力光の位相を変化させることを特徴とする。
【0008】
〕上記〔1〕記載の光ファイバセンサにおいて、前記光/電気変換素子の出力にトランスを接続することを特徴とする。
【0009】
〕上記〔〕記載の光ファイバセンサにおいて、合成された励起信号を光伝送し、トランスの複数の2次コイルと該2次コイルに接続する回路で周波数分離して磁気信号検出部の複数の磁歪材を異なる周波数で励起することを特徴とする。
【0010】
〕上記〔1〕記載の光ファイバセンサにおいて、複数の磁気信号検出部を用いる場合に、励起光を分岐して複数の光/電流変換部に入力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、信頼性の高い光ファイバセンサを提供することができる。
【0012】
より具体的には、以下のような効果を奏することができる。
【0013】
(1)第1実施例では励起パワーを光ファイバで伝送するため、伝送ケーブルの電線が不要となる。従って、ケーブルの軽量化、低コスト化、電磁干渉の影響を受けない、避雷対策が不要となる。また、光/電流変換部と磁気信号検出部に必要な電子部品は光/電気変換素子1個であり高い信頼性が得られる。
【0014】
(2)第2実施例では第1実施例と同じ効果がある。更に、第1実施例には抵抗にも交流成分が流れて効率が低下する欠点があるが、本実施例では100%に近い効率が得られる。
【0015】
(3)第3実施例では第2実施例の効果に加え、光/電気変換素子から出力される励起磁界の周波数帯以外の雑音を抑制する効果を有する。従って、より小さい信号磁界を検出する用途に適している。
【0016】
(4)第4実施例では第1実施例の効果に加え、励起コイルで発生する雑音磁界をキャンセルする効果がある。より小さい信号磁界を検出する用途に適している。
【0017】
(5)第5実施例では第3実施例の効果に加え、励起パワーを周波数多重伝送するため、1本の励起光伝送ファイバと1個の光/電気変換素子で複数の信号磁界を検出することができる。
【0018】
(6)第6実施例では第1~第5実施例の効果に加え、複数の磁気信号検出部からの伝送で励起光伝送ファイバ、干渉光伝送ファイバ共に共有することができるので、ケーブルを軽量化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の光ファイバセンサは、交流で励起するとともに、他の物理量を検出する光ファイバセンサにおいて、励起周波数の交流で強度変調した励起光を励起光伝送ファイバで伝送し、前記励起光を光/電気変換素子で電力に変換して磁気信号検出部に送り、この磁気信号検出部は前記光/電気変換素子に接続される励起コイルを備えるとともに、干渉光伝送フアイバの一部となる光ファイバと磁歪材を一体にし、前記干渉光伝送フアイバの一部となる光ファイバがアームとなる光ファイバ干渉計を構成しており、前記磁歪材を前記励起コイルの中に配置した構造とし、前記励起コイルで発生する励起磁界と信号磁界で前記磁歪材を歪ませ、光ファイバ干渉計の出力光の位相を変化させる。
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0021】
図1は本発明の第1実施例を示す光ファイバセンサの構成図である。
【0022】
この図に示すように、励起信号発生器1からの励起磁界周波数の正弦波で強度が変化する励起用光源2の出力が、励起光伝送ファイバ3を介して光/電流変換部7の光/電気変換素子4に入力するように構成する。光/電気変換素子4には光起電力型素子または太陽電池と称される素子で励起用光源2の波長で高い感度を持つものを用いる。励起光伝送ファイバ3が長い場合、光ファイバの伝送損失が小さい赤外(1.3、1.55帯)の光源と、InGaAs、InGaAsP、Geなどの赤外用フォトダイオードを用いる構成が適している。
【0023】
光/電流変換部7は並列抵抗5と直列コンデンサ6を組み合わせてバイアス電流(直流成分)を逃がし、交流電流だけが磁気信号検出部10の励起コイル9Aに流れるように構成する。ここで、励起コイル9Aと直列コンデンサ6のインピーダンスが励起磁界周波数で最小となるように設定して励起コイル9Aに流れる正弦波状の交流電流が最大になるようにすることが望ましい。
【0024】
光/電気変換素子4には最適負荷と呼ばれる出力電力が最大になる固有の負荷がある。光/電気変換素子4の負荷となる励起コイル9A、直列コンデンサ6、並列抵抗5の合成のインピーダンスが最適負荷とほぼ一致するように各回路定数を設定することが望ましい。
【0025】
磁気信号検出部10は光ファイバ13Aと磁歪材8Aを接着等の手段で一体にし、その光ファイバ13Aがアームとなる光ファイバ干渉計を構成し、磁歪材8Aを励起コイル9Aの中に配置した構造とする。干渉計用光源14の出力が光カプラ15を通過し、干渉光伝送ファイバ16と磁気信号検出部10の干渉計を往復するように干渉計用光源14、光カプラ15、干渉光伝送ファイバ16、磁気信号検出部10の干渉計を構成し、光カプラ15に戻った光を電気信号に変換するO/E変換器17、干渉波形の位相を検出する光位相復調器18、磁気信号を復調するAM復調器19を順に接続した構成である。なお、11A,11Bはミラー、12は光カプラ、13Bはもう一方の光ファイバである。
【0026】
以下、この光ファイバセンサの動作について説明する。
【0027】
励起磁界周波数の正弦波で強度が変化する励起用光源2の出力が、励起光伝送ファイバ3を介して光/電流変換部7の光/電気変換素子4に入力することにより、励起磁界周波数の交流電流とバイアス電流が出力される。直列コンデンサ6でバイアス電流が遮断されるために励起コイル9Aには励起磁界周波数の交流電流だけが流れる。励起コイル9Aと並列に接続された並列抵抗5にはバイアス電流に対する負荷が大きいときに光/電気変換素子4の出力電流が飽和する現象を防ぐ働きがある。
【0028】
励起コイル9Aで発生する励起磁界と信号磁界で磁歪材8Aが歪み、干渉計のアームとなる光ファイバ13Aが伸び縮みするため干渉計出力光の位相が変化する。干渉計出力光は干渉光伝送ファイバ16を伝播し、O/E変換器17で電気信号に変換され、光位相復調器18で位相復調され、励起磁界周波数でAM復調器19によりAM復調されることにより磁気信号が検出される。
【実施例2】
【0029】
図2は本発明の第2実施例を示す光ファイバセンサの構成図である。なお、第1実施例と同じ構成部分については同じ符号を付してそれらの説明は省略する。
【0030】
この実施例では、第1実施例の並列抵抗5を並列コイル20に換えた構成である。ここで、励起周波数の交流電流のほとんどが励起コイル9A側に、バイアスで電流は並列コイル20だけに流れるよう並列コイル20のインダクタンスを設定する。
【0031】
以下、この光ファイバセンサの動作について説明する。
【0032】
光/電流変換部7以外は第1実施例と同様に動作する。光/電流変換部7の光/電気変換素子4から出力される励起磁界周波数の交流電流が並列コイル20に流れ、励起磁界が発生する。並列コイル20にはバイアス電流を逃がし、光/電気変換素子4の出力電流の飽和を防ぐ働きがある。
【実施例3】
【0033】
図3は本発明の第3実施例を示す光ファイバセンサの構成図である。なお、第1実施例と同じ構成部分については同じ符号を付してそれらの説明は省略する。
【0034】
この実施例では、光/電流変換部7以外は第1実施例と同様に構成する。
【0035】
光/電流変換部7の光/電気変換素子4の出力をトランス21の1次側に接続する。トランス21の2次側には直列コンデンサ6と励起コイル9Aを接続する。ここで、直列コンデンサ6のキャパシタンスと励起コイル9Aのインダクタンスで決まる共振周波数が励起磁界周波数とほぼ一致し、トランス21の1次側から見た励起磁界周波数でのトランス21、直列コンデンサ6、励起コイル9Aのインピーダンスが光/電気変換素子4の最適負荷とほぼ一致するように、トランス21の巻線比、直列コンデンサ6のキャパシタンス、励起コイル9Aのインダクタンスを設定することが望ましい。
【0036】
以下、この光ファイバセンサの動作について説明する。
【0037】
光/電流変換部7以外は第1実施例と同様に動作する。光/電流変換部7の光/電気変換素子4から出力される励起磁界周波数の交流電流とバイアス電流がトランス21の1次側に流れる。トランス21には直流電流を遮断する特性があるため、トランス21の2次側には励起磁界周波数の交流電流だけが流れ励起コイル9Aから励起磁界が発生する。2次側から見たトランス21と光/電気変換素子4の合成のインピーダンスが低いため、トランス21の2次側巻線、直列コンデンサ6、励起コイル9Aが形成する回路は帯域通過フィルタの特性を持っている。従って光/電気変換素子4に含まれる励起磁界の周波数帯以外の雑音が抑制される。
【実施例4】
【0038】
図4は本発明の第4実施例を示す光ファイバセンサの構成図である。なお、第1実施例と同じ構成部分については同じ符号を付してそれらの説明は省略する。
【0039】
磁気信号検出部10の干渉計のアームとなる2本の光ファイバ13A,13Bそれぞれに磁歪材8A,8Bを接着し、2つの磁歪材8A,8Bを個々に励起コイル9A,9Bに入れ平行に配置する。2つの励起コイル9A,9Bから逆向きの磁界が発生するように、光/電流変換部7の出力を励起コイル9A,9Bに接続する。磁気信号検出部10以外は第1実施例と同様に構成する。
【0040】
以下、この光ファイバセンサの動作について説明する。
【0041】
励起用光源2、励起光伝送ファイバ3と光/電流変換部7が第1実施例と同様に動作して励起コイル9A,9Bから励起磁界が発生する。本実施例では干渉計のアームとなる2本の光ファイバ13A,13Bに接着した2つの磁歪材8A,8Bに逆向きの励起磁界が加わり、プッシュ-プル(push-pull)動作することにより、後述の原理で、光/電流変換器7の出力の雑音成分などを含まない干渉計出力光が得られる。干渉計出力光は干渉光伝送ファイバ16を伝播し、O/E変換器17で電気信号に変換され、光位相復調器18で位相復調され、励起磁界周波数で、AM復調器19によりAM復調されることにより磁気信号が検出される。
【0042】
従来技術または本発明で磁歪材に加わる磁界H及び干渉光の位相φは次式で表される。
【0043】
H=HS +Hd +HN …(1)
φ=k・H2 =k・(2・HS ・Hd +2・Hd ・HN +2HN ・HS +HS2+Hd2+HN2 )≒k・(2・HS ・Hd +2・Hd ・HN +HS2+Hd2 )〈Hd ≫HN
…(2)
ここで、HS 、Hd 、HN は信号磁界、励起磁界、及び励起コイルに流れる雑音成分による雑音磁界、kは感度を表す定数である。光位相復調器18の出力で干渉光の位相φは復調され、AM復調器19において、上記(2)式第1項の信号磁界成分HS が検出されるが、同時に第2項の雑音磁界成分HN も現れるため信号磁界の最小検出限界を制限する。第4実施例では2つの磁歪材に加わる磁界HA 、HB 及び干渉光の位相φが
A =HS +Hd +HN …(3A)
B =HS -Hd -HN …(3B)
φ=k(HA2-HB2)≒4HS ・Hd 〈Hd ≫HN 〉 …(4)
と表され、(2)式の第2項に相当する雑音成分は現れない。
【実施例5】
【0044】
図5は本発明の第5実施例を示す光ファイバセンサの構成図である。なお、第1実施例と同じ構成部分については同じ符号を付してそれらの説明は省略する。
【0045】
この実施例では、3周波の励起磁界周波数fx 、fy 、fz の正弦波を加算した波形で強度が変化する励起用光源2の出力が励起光伝送ファイバ3を介して光/電流変換部7の光/電気変換素子4に入力するように構成する。光/電気変換素子4の出力をトランス31の1次側に接続する。トランス31の2次側には3つの巻線32,33,34を取り付け、それぞれに励起コイル40,39,38とコンデンサ35,36,37を接続する。ここで、励起コイル38,39,40のインダクタンスとコンデンサ35,36,37のキャパシタンスで決まる共振周波数が3周波の励起磁界周波数fx 、fy 、fz に対応するようにそれぞれの回路定数を設定する。
【0046】
磁気信号検出部10は3つの励起コイル38,39,40の中にそれぞれ磁歪材41,42,43を入れ、直交する3方向に向けて配置する。光ファイバ13Aと3つの磁歪材41,42,43を接着等の手段で一体にし、その光ファイバ13Aがアームとなる光ファイバ干渉計を構成する。干渉計用光源14、光カプラ15、干渉計、O/E変換器17、光位相復調器18を第1実施例と同様に構成する。
【0047】
光位相復調器18の出力に3つのAM復調器19A,19B,19Cを接続し励起磁界周波数fx ,fy ,fz に含まれる直交する3方向の磁気信号を個々に検出するように構成する。
【0048】
以下、この光ファイバセンサの動作について説明する。
【0049】
3周波の励起磁界周波数fx ,fy ,fz の正弦波を加算した波形で強度が変化する励起用光源2の出力が励起光伝送ファイバ3を介して光/電流変換部7の光/電気変換素子4に入力することにより3周波の励起磁界周波数fx ,fy ,fz の正弦波を加算した波形の交流電流とバイアス電流が出力され、トランス31の1次側巻線に注入される。トランス31の2次側に接続された3組の励起コイル38,39,40とコンデンサ35,36,37にはそれぞれの共振周波数に対応した1周波の交流電流だけが流れる。従って、3つの励起コイル38,39,40で発生する励起磁界はそれぞれ周波数が異なる正弦波となる。励起コイル38,39,40で発生する励起磁界と、この励起磁界と同一方向の信号磁界で磁歪材41,42,43が歪み、干渉計のアームとなる光ファイバ13Aが伸び縮みするため干渉計出力光の位相が変化する。ここで、干渉計出力光の位相は、直交する3方向の信号磁界がそれぞれに対応する励起磁界周波数fx ,fy ,fz で周波数多重されたAM変調波を有する。干渉計出力光は干渉光伝送ファイバ16を伝播し、O/E変換器17で電気信号に変換され、光位相復調器18で位相復調され、3周波の励起磁界周波数fx ,fy ,fz で、AM復調器19により個々にAM復調されることにより直交する3方向の磁気信号が検出される。
【実施例6】
【0050】
図6は本発明の第6実施例を示す光ファイバセンサの構成図である。なお、第1実施例と同じ構成部分については同じ符号を付してそれらの説明は省略する。
【0051】
この実施例では、励起信号発生器1、励起用光源2と励起光伝送ファイバ3を第1~第5実施例の何れかと同様に構成する。励起光伝送ファイバ3の出力を光カプラ51,52,…で分割し、複数の光/電流変換部61,62,…に接続する。光/電流変換部61,62,…の出力を複数の磁気信号検出部71-1,71-2,…,72-1,…に接続する。ここで、1つの光/電流変換部に接続する磁気信号検出部はその間をつなぐ電線で電磁干渉等の影響を受けない範囲とする。光/電流変換部61,62,…と磁気信号検出部71-1,71-2,…,72-1,…の内部構成は第1~第5実施例の何れかと同様に構成する。
【0052】
パルス光を繰り返し発生する干渉計用光源14の出力が干渉光伝送ファイバ16を介し、光カプラ81-1,81-2,…,82-1,…で分岐して複数の磁気信号検出部71-1,71-2,…,72-1,…に到達し、パルス列となってO/E変換器17に返送されるように構成する。ここで、返送されるパルスが重ならないように各磁気信号検出部71-1,71-2,…,72-1,…の間のファイバ長とパルス光のパルス幅を設定する。O/E変換器17に各磁気信号検出部71-1,71-2,…,72-1,…から返送されたパルス列を分離するデマルチプレキサ(DMUX)83、干渉波形の位相を検出する光位相復調器84-1,84-2,…、磁気信号を復調するAM復調器85-1,85-2,…を順に接続した構成である。
【0053】
以下、この光ファイバセンサの動作について説明する。
【0054】
励起用光源2の出力が光カプラ51,52,…で分岐され、複数の光/電流変換部61,62,…で交流電流に変換され、複数の磁気信号検出部71-1,71-2,…,72-1,…の励起コイルで励起磁界に変換される。干渉計用光源14から出力される光パルスが干渉光伝送ファイバ16を伝わり、光カプラ81-1,81-2,…,82-1,…で分岐して各磁気信号検出部71-1,71-2,…,72-1,…に送られる。第1~第5実施例と同様に磁気信号検出部の干渉計を通過する光が磁気信号で位相変調される。各磁気信号検出部から返送される光パルスがパルス列となり、時分割多重で伝送され、O/E変換器17で電気信号に変換される。O/E変換器17の出力がDMUX83でチャンネル分離され、各チャンネルごとに光位相復調器84-1,84-2,…とAM復調器85-1,85-2,…で磁気信号が復調される。
【0055】
更に、本発明は以下のような利用形態を有する。
【0056】
第4実施例では第1実施例と同じ光/電流変換部を用いる例を示したが、第2または第3実施例と同じように光/電流変換部を用いてもよい。
【0057】
第5実施例では第1~3の磁気信号検出部と実施例と同様に1方向の信号磁界を1つの磁歪材と励起コイルで検出する例を示したが、第4実施例と同様に2つの磁歪材を平行に配置して逆向きの励起磁界を加える構造にしてもよい。
【0058】
第5実施例では直交する3方向の信号磁界を検出する例で示したが、磁歪材、トランスの2次巻線から励起コイルまでとAM復調器の数を変えて2方向または4方向以上を任意の角度で検出することもできる。
【0059】
全ての実施例で磁気信号を検出する例を示したが、磁歪材を電歪材に換え、励起コイルを電極に換えることにより電界を検出することもできる。
【0060】
第6実施例では複数の光/電流変換器それぞれに複数の励起コイルを接続する例を示したが、1個の光/電流変換器に全ての励起コイルを接続する、または複数の光/電流変換器に各1個の励起コイルを接続する構成としてもよい。
【0061】
全ての実施例で励起光伝送ファイバと干渉光伝送ファイバを各1本用いる例を示したが2本以上用いても良い。また、波長多重伝送を用い1本の伝送ファイバに励起光と干渉光の両方を伝送することもできる。
【0062】
全ての実施例でマイケルソン干渉計を用いる例を示したが、マッハ・ツェンダ干渉計など他の干渉計を用いることもできる。
【0063】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、信頼性の高い光ファイバセンサに適している。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の第1実施例を示す光ファイバセンサの構成図である。
【図2】本発明の第2実施例を示す光ファイバセンサの構成図である。
【図3】本発明の第3実施例を示す光ファイバセンサの構成図である。
【図4】本発明の第4実施例を示す光ファイバセンサの構成図である。
【図5】本発明の第5実施例を示す光ファイバセンサの構成図である。
【図6】本発明の第6実施例を示す光ファイバセンサの構成図である。
【符号の説明】
【0066】
1 励起信号発生器
2 励起用光源
3 励起光伝送ファイバ
4 光/電気変換素子
5 抵抗
6,35,36,37 コンデンサ
7,61,62,… 光/電流変換部
8A,8B,41,42,43 磁歪材
9A,9B,38,39,40 励起コイル
10,71-1,71-2,…,72-1,… 磁気信号検出部
11A,11B ミラー
12,15,51,52,…,81-1,81-2,…,82-1,… 光カプラ
13A,13B 光ファイバ
14 干渉計用光源
16 干渉光伝送ファイバ
17 O/E変換器
18,84-1,84-2,… 光位相復調器
19,19A,19B,19C,85-1,85-2,… AM復調器
20 並列コイル
21,31 トランス
32,33,34 巻線
83 デマルチプレキサ(DMUX)
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
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【図4】
3
【図5】
4
【図6】
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