TOP > 国内特許検索 > 多重ゴールド符号を用いた多重通信系及び疑似乱数系列 > 明細書

明細書 :多重ゴールド符号を用いた多重通信系及び疑似乱数系列

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3932366号 (P3932366)
公開番号 特開2006-135369 (P2006-135369A)
登録日 平成19年3月30日(2007.3.30)
発行日 平成19年6月20日(2007.6.20)
公開日 平成18年5月25日(2006.5.25)
発明の名称または考案の名称 多重ゴールド符号を用いた多重通信系及び疑似乱数系列
国際特許分類 H04B   1/707       (2006.01)
FI H04J 13/00 D
請求項の数または発明の数 3
全頁数 11
出願番号 特願2004-318708 (P2004-318708)
出願日 平成16年11月2日(2004.11.2)
審査請求日 平成16年11月2日(2004.11.2)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】390014306
【氏名又は名称】防衛省技術研究本部長
発明者または考案者 【氏名】綿野 史人
【氏名】岡部 幸喜
【氏名】坂内 秀夫
【氏名】黒沢 正樹
個別代理人の代理人 【識別番号】100079290、【弁理士】、【氏名又は名称】村井 隆
審査官 【審査官】石井 研一
参考文献・文献 特表2001-509339(JP,A)
特開平07-264098(JP,A)
特開平09-312590(JP,A)
特表平06-501349(JP,A)
調査した分野 H04B 1/707
特許請求の範囲 【請求項1】
複数のディジタル情報を複数のゴールド符号で多重化して送信する送信系と、前記送信系で送信された信号を受信して、前記複数のゴールド符号のいずれかを用いて前記複数のディジタル情報の中から意図するディジタル情報を取り出す受信系とを備える直接拡散方式による多重通信系において、
2つのM系列出力a(t)及びb(t)から一つのゴールド符号を生成し、2つのM系列出力a(t)及びb(t-τ)(但し、t:時間、τ:時間シフトでτ≠0である)から他のゴールド符号を生成し、前記一つのゴールド符号と他のゴールド符号の相互間で相関値の絶対値が最小かつ一定値となるように設定して、前記複数のゴールド符号として用い、
前記送信系では、前記複数のディジタル情報のビット間の同期を合わせ、同時間帯の複数個のビットを前記複数のゴールド符号を用いて同期を合わせてそれぞれ拡散し、これらの拡散した送信信号を加算して送信することを特徴とする多重通信系。
【請求項2】
2つのM系列出力a(t)及びb(t)から一つのゴールド符号を生成し、2つのM系列出力a(t)及びb(t-τ)(但し、t:時間、τ:時間シフトでτ≠0である)から他のゴールド符号を生成し、前記一つのゴールド符号と他のゴールド符号の相互間で相関値の絶対値が最小かつ一定値となるように設定してなる複数のゴールド符号に、相互相関値が0となるように1ビット付加して疑似乱数系列とし、さらに、それらの疑似乱数系列うちの一部の系列の符号を反転して生成されたことを特徴とする疑似乱数系列。
【請求項3】
請求項1記載の多重通信系において、前記ゴールド符号の代わりに請求項2記載の疑似乱数系列を用いたことを特徴とする多重通信系。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、スペクトラム拡散通信方式のうち直接拡散方式の多重通信系に係り、とくに多重ゴールド符号を用いた多重通信系に関するものであり、例えば、直接拡散方式を用いた中心局と複数のローカル局といった1対多通信において、中心局から各ローカル局間への通信に利用でき、各ローカル局が低雑音で中心局からの所望の信号を受信できるというものである。さらに、本発明は、相互相関値が0となる疑似乱数系列に関する。
【背景技術】
【0002】
各種無線通信において、雑音や干渉の影響下でも安定した通信を実現できたり、複数の通信をPN(疑似乱数)符号の組み合わせのみで多重化できるようにするため直接拡散方式を用いたスペクトラム拡散通信方式が採用されている。図6に直接拡散方式を用いた多重化されたスペクトラム拡散通信系の概要を示す。
【0003】
図6における送信系では、各々のディジタル情報1~Uに対して、発振器10~10からの1次変調信号が乗算器11~11で乗算され、さらに乗算器11~11の乗算結果に対して2次変調信号としてのPN符号1~Uがそれぞれ乗算器12~12で乗算され、各乗算器12~12の乗算結果は加算器13で加算される。そして、加算器13による加算結果はバンドパスフィルタBPFを通過し、ここで所要の周波数帯の送信信号が選択され、送信アンテナ14より送信電波として放射される。
【0004】
ここで、変調は2段階に分けて行い、最初の変調を1次変調、後段の周波数帯を広げる変調を2次変調又は拡散変調といい(実際は、1次変調と2次変調が入れ替わっている場合がある)、この1次変調部及び2次変調部を複数個並列に組み合わせることにより、送信信号の多重化を可能としている。なお、図6では、直接拡散方式で最も多く利用されているBPSK(Binary Phase Shift Keying)を1次変調の例として用いている。
【0005】
図6における受信系は各ディジタル情報1~Uに対応してU個設置されており、ディジタル情報1を受信するための1番目の受信系では、受信アンテナ20で受信された受信信号はバンドパスフィルタBPFを通り、所要の周波数帯の高周波信号が選択され、乗算器21で送信側と同じPN符号1が乗算され、復調器22でディジタル情報1として復調される。以下同様に、ディジタル情報Uを受信するためのU番目の受信系では、受信アンテナ20で受信された受信信号はバンドパスフィルタBPFを通り、所要の周波数帯の高周波信号が選択され、乗算器21で送信側と同じPN符号Uが乗算され、復調器22でディジタル情報Uとして復調される。
【0006】
図7は、ディジタル情報とディジタル送信信号との関係であって、このディジタル送信信号はディジタル情報とPN符号とが同じ値の場合を+1、そうでない場合を-1として表している。ここで、ディジタル情報及びPN符号においては、+1又は-1としているが、双方ともに、論理値「+1」を-1、論理値「0」を+1と表現している。ディジタル情報とPN符号を時間的に算術乗算したものがディジタル送信信号となる。各ディジタル送信信号に対する送信信号(アンテナから放射され送信信号)は、+1に対してsin(2πft)、-1に対して-sin(2πft)となっているが、以降、多重化されたものも含めて送信信号については、ディジタル送信信号を用いて説明することとする。
【0007】
前記2次変調にて使用するPN符号を拡散符号といい、この拡散符号は、送信信号の多重化を踏まえると、自己相関が強く、相互相関が弱い符号が望まれている。符号の長さの選択肢が広いPN符号とすると、一般に、ゴールド符号となり、多くの直接拡散方式を用いた多重通信にて当該ゴールド符号が用いられている。
【0008】
ゴールド符号は、図8のようにある条件を満たす2つのプリファードペアのM系列生成回路(図8では、符号長31のM系列a(t)、b(t)を発生する)を用意し、その出力を加算する(ビット毎の排他的論理和をとる)ことで得られる。図8中、a~aはM系列a(t)発生用の5段シフトレジスタの各段を示し、b~bはM系列b(t)発生用の5段シフトレジスタの各段を示す。そして、2つのM系列発生器の出力の片方を時間的にずらせていくとそれぞれが全く違う系列になり多数のゴールド符号が生成できる。つまり、巡回的な符号の重複はあるにせよ、各々のM系列の初期値AとBが双方共に(0,0,…,0)になることはなく発生された系列が「従来のゴールド符号」である。特に、2つのプリファードペアのM系列から生成された従来のゴールド符号の性質としては、時間的なずれ(巡回的な時間ずれ)に応じて、相互相関値が-1,-K,L(K及びLについては図8を参照)と3通りの値のいずれかをとる。
【0009】
図9は図6のPN符号として従来のゴールド符号を用いた多重化されたスペクトラム拡散通信系の概要を示し、PN符号1~Uの代わりにゴールド符号1~Uを用いていること以外は図6と同様であり、同一又は相当部分に同一符号を付してある。この図9の受信側では、この多重化されたU個の送信信号の中から、所望のゴールド符号Vにより拡散されたディジタル情報を抽出するために、当該ゴールド符号Vにより逆拡散することになる。ゴールド符号Vを用いたディジタル送信信号Vと、受信側のゴールド符号Vの同期合わせが確立すると、双方の間の相関値がN(=2-1、但し、n:M系列生成回路のシフトレジスタの段数)となり、送信されたディジタル情報を復元でき、当該情報を受信できる一方、他のディジタル送信信号との間は、相互相関値-1,-K,Lの3値のいずれかになるため、相関値合計は、±N±Q±Q±…±QU-1となる。ここで、Q,Q,…,QU-1は相互相関値の前記3値の絶対値のいずれかの値(例えばM系列生成回路のシフトレジスタの段数nが5のときは1,7,9のいずれかの値)をとるものとし、相関値合計における±符号の組み合わせは任意とする。それぞれの相関値を±としているのは、拡散されるディジタル情報の値が+1又は-1の何れかをとるためである。この受信時における逆拡散の際、他のゴールド符号により拡散された信号が雑音となり、受信性能を劣化させる最大要因となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述のように異なるゴールド符号の相互相関値は、-1,-K,L(K及びLについては図8を参照)の3通りの値しかとらない。そこで、本発明が解決しようとする課題は、ディジタル情報の値により、これらの相互相関値が±の値をとることはあり得るが、雑音となる相互相関値の影響を小さく押さえるために、ディジタル信号を拡散するために用いた各ゴールド符号間の相互相関値が最小(-1)になるようにすることである。
【0011】
さらに、もう一つの課題は、相互相関値が最小になる各ゴールド符号を一部変形することにより、相互相関値が0になる新たな疑似乱数符号を生成することである。
【0012】
本発明のその他の目的や新規な特徴は後述の実施の形態において明らかにする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、複数のディジタル情報を複数のゴールド符号で多重化して送信する送信系と、前記送信系で送信された信号を受信して、前記複数のゴールド符号のいずれかを用いて前記複数のディジタル情報の中から意図するディジタル情報を取り出す受信系とを備える直接拡散方式による多重通信系において、
2つのM系列出力a(t)及びb(t)から一つのゴールド符号を生成し、2つのM系列出力a(t)及びb(t-τ)(但し、t:時間、τ:時間シフトでτ≠0である)から他のゴールド符号を生成し、前記一つのゴールド符号と他のゴールド符号の相互間で相関値の絶対値が最小かつ一定値となるように設定して、前記複数のゴールド符号として用い、
前記送信系では、前記複数のディジタル情報のビット間の同期を合わせ、同時間帯の複数個のビットを前記複数のゴールド符号を用いて同期を合わせてそれぞれ拡散し、これらの拡散した送信信号を加算して送信することを特徴としている。
【0014】
請求項2の発明に係る疑似乱数系列は、2つのM系列出力a(t)及びb(t)から一つのゴールド符号を生成し、2つのM系列出力a(t)及びb(t-τ)(但し、t:時間、τ:時間シフトでτ≠0である)から他のゴールド符号を生成し、前記一つのゴールド符号と他のゴールド符号の相互間で相関値の絶対値が最小かつ一定値となるように設定してなる複数のゴールド符号に、相互相関値が0となるように1ビット付加して疑似乱数系列とし、さらに、それらの疑似乱数系列うちの一部の系列の符号を反転して生成されたことを特徴としている。
【0015】
請求項3の発明に係る多重通信系は、請求項1記載の多重通信系において、前記ゴールド符号の代わりに請求項2記載の疑似乱数系列を用いたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る多重ゴールド符号を用いた多重通信系によれば、相互の相関値の絶対値が最小及び一定値である複数のゴールド符号を用いて複数のディジタル情報を多重化して1つのチャンネルとして一緒に送信するが、所望のディジタル情報を受信する際に、相互の相関値の絶対値が最小であるゴールド符号を用いるため、他のゴールド符号により拡散された信号による雑音を抑制して、受信性能の向上を図ることができる。この結果、本発明は、携帯電話通信、衛星通信、無線通信等の各種通信分野において、ゴールド符号を用いた直接拡散方式による多重化通信に大きな効果をもたらすことになる。
【0017】
また、本発明に係る疑似乱数系列は、相互の相関値の絶対値が最小及び一定値である前記複数のゴールド符号に1ビット付加して、相互相関値が0となるようにしたものであり、M系列のように長さが短いものから長いものまで存在し、かつ、1ビット加えただけなので、乱数の面からの特性は、ほぼゴールド符号に近い疑似乱数系列である。相互相関値が0となる疑似乱数系列は、従来ゴールド符号を用いていた通信系([技術分野]の項目で述べた通信系を含む)や、画像・信号処理分野等において、広く用いることができ、通信、画像・信号処理を用いる産業分野に多大なる効果をもたらすことになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態として、多重ゴールド符号を用いた多重通信系及び疑似乱数符号の実施の形態を図面に従って説明する。
【0019】
図1は本発明に係る多重ゴールド符号を用いた多重通信系(多重化された直接拡散方式によるスペクトラム拡散通信系)の実施の形態を示し、図2はこの実施の形態で用いる多重ゴールド符号の例を示し、図3は本発明のキーポイントとなるゴールド符号の相互相関値の絶対値が最小となるゴールド符号の生成回路を示す。
【0020】
図1の多重通信系では、多重化された送信信号の中で、受信側において、所望の受信信号以外の信号との相互相関値が-1となるように、ディジタル情報を拡散するために用いる各ゴールド符号の符号順序を揃えている。つまり、本実施の形態の多重通信系では、ゴールド符号1~Uとして図3の生成回路を用いて生成された相互相関値の絶対値が最小となるゴールド符号のみを用いる点(符号の各ビットが巡回的にずれているものは使用しない)が図9の多重化通信系と異なり、その他の構成は同様であるため、同一又は相当部分に同一符号を付してある。
【0021】
図2の多重ゴールド符号は相互相関値の絶対値が最小(相互相関値が-1)となるように図3の生成回路で生成したものである。
【0022】
図3で、相互相関値が-1となるゴールド符号の発生方法について説明する。この説明図は、それぞれのゴールド符号生成回路に所属する一方のM系列符号生成回路M1の初期値及び出力値を同一にし、他方のM系列符号生成回路M2の初期値を異なるものにすると、双方のゴールド符号の相互相関値が-1となり、その絶対値が最小になることを示している。
【0023】
1つのゴールド符号は2つのM系列生成回路M1,M2の出力a(t),b(t)を加算する(排他的論理和をとる)ことにより生成する。ここで、2つのM系列生成回路のうち一方のa(t)を出力する回路M1の初期値をある固定値に設定する。すなわち、いずれのゴールド符号生成回路に所属する片方のM系列生成回路M1の出力値が同一になるようにする。もう一方のb(t)を出力する回路M2の初期値はゴールド符号生成回路毎に変化させておく。一般にM系列の値には周期性があるのでb(t)を出力する回路と初期値が異なっていても別の回路において、ある時間シフトτ(≠0)(=1,2,3,…)をもった値b(t-τ)が出力される。したがって、図3で生成されたゴールド符号同士の相互相関値X(τ)は以下のようになる。
【数1】
JP0003932366B2_000002t.gif

【0024】
このようにa(t)を共通化し、b(t)の初期値を変化させて複数のゴールド符号を生成すると相互相関値の絶対値を最小にすることができる。nをシフトレジスタの段数とすれば、初期値Bは2-1通り([1 0 0 … 0],[0 1 0 … 0],~ ,[1 1 1 … 1])に設定できるのでこのようなゴールド符号は2-1個存在する。図3のように生成したゴールド符号を用いて、送信側では、同期を合わせてディジタル情報を拡散し、送信し、これを受けた受信側では、所望のディジタル信号を拡散したゴールド符号で逆拡散することにより、他の多重化された信号から受ける影響を最小限にとどめた低雑音の受信が可能となる。
【0025】
図1の実施の形態では、送信するディジタル情報の多重数U個に応じて、このように生成された各ゴールド符号
【数2】
JP0003932366B2_000003t.gif

の中から、U個のゴールド符号を取り出し、送信したい各ディジタル情報1~Uを当該U個のゴールド符号1~Uにより拡散、多重化し、その多重化された信号を受信し、その中から所望のディジタル情報Vを低雑音で抽出する送信系及び受信系を示している。この際、ディジタル情報を拡散する各ゴールド符号は、時間的に相互相関値が-1になるよう同期がとれていることが必要である。また、ディジタル情報1,2,…,Uの各ビットの始端、終端は揃っており、ゴールド符号の1周期に対応していることが必要である。つまり、送信系では、U個のディジタル情報1~Uのビット間の同期を合わせ、同時間帯の複数個のビットを前記ゴールド符号1~Uを用いて同期を合わせてそれぞれ拡散し、これらの拡散した送信信号を加算して送信する。
【0026】
さらに、ディジタル情報が+1のとき、それに対する相互相関値は-1、ディジタル情報が-1のとき、それに対する相互相関値は+1となり、ディジタル情報に応じて相互相関値の値は変化するが、多重化される各ディジタル情報が独立とすると、確率的に+1,-1が概ね半数となり、受信側で意図するディジタル情報を抽出する場合に、当該意図するディジタル情報以外の全体の相互相関値は、概ね0になり、多重化雑音の低減が実際に図れることになる。仮に、各ディジタル情報の独立性が確保されていない場合は、これらの各ディジタル情報の前に、スクランブルを挿入し、各ディジタル情報の独立性を確保することとする。
【0027】
次に、図4及び図5を用いて相互相関値が0となる疑似乱数系列の生成方法について述べる。
【0028】
図3のように発生した各ゴールド符号をCi =(ci0,ci1,…)(i=1~2-1)とすると、任意のCi とCj (i≠j)との相互相関値が-1であることから、このゴールド符号の最後に+1又は-1を加えた系列(以下の説明では図4のように+1を系列Ciの最後に追加するものとする)をDi =(ci0,ci1,…,1)とすると、Di とDj(i≠j)との相互相関値は0となる。最後のビットが+1と固定されていることから、この最後の値の+1,-1の均衡を図り、相互のランダム性を確保するために、この中から半数の系列Di の符号を反転して生成された新たな疑似乱数系列Ei =(ci0,ci1,…,1)又は(-ci0,-ci1,…,-1)(i=1~2-1の中で、半数は前者、半数は後者)を作成すれば、任意のEi とEj(i≠j)との相互相関値は0となる。例えば、長さ31のゴールド符号に対しては、図5のようになる。
【0029】
このような疑似乱数系列は、図1の実施の形態で用いたゴールド符号に取って替わることが可能であり、本発明が対象にしている多重通信方式にて利用できるものである。すなわち、図4及び図5のように生成したU個の疑似乱数系列を図1のゴールド符号1~Uの代わりに用いれば、それらの疑似乱数系列の相互相関値は0であるから、図3のゴールド符号を使用する場合と同等以上の低雑音の受信が期待できる。
【0030】
以上本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当業者には自明であろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る多重ゴールド符号を用いた多重通信系の実施の形態であって、送信系及び受信系双方のブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態において、ディジタル情報を拡散するために用いる相互相関値の絶対値が最小かつ一定値のゴールド符号の例を示す波形図である。
【図3】本発明の実施の形態において、キーポイントとなるゴールド符号の相互相関値の絶対値が最小かつ一定値になるようなゴールド符号の生成回路を示すブロック図である。
【図4】本発明に係る相互相関値が0となる疑似乱数系列の実施の形態であって、図3により発生された長さ31のゴールド符号を基に疑似乱数系列を生成する生成回路を示すブロック図である。
【図5】図4の生成回路で生成した疑似乱数系列Diの半数を符号反転して疑似乱数系列Eiを生成する過程を示す説明図である。
【図6】直接拡散方式を用いたスペクトラム拡散通信系のブロック図である。
【図7】送信したいディジタル情報、拡散するためのPN符号、及びこれらの双方を算術乗算したディジタル送信信号の時間軸上の関係を示す説明図である。
【図8】周期長31の2個のM系列を用いたゴールド符号の生成回路の構成例を示すブロック図である。
【図9】直接拡散方式を用いたスペクトラム拡散通信系であって、拡散符号としてゴールド符号を用いた多重通信系のブロック図である。
【符号の説明】
【0032】
10~10 発振器
11~11,12~12,21~21 乗算器
13 加算器
14 送信アンテナ
BPF,BPF~BPF バンドパスフィルタ
20~20 受信アンテナ
22~22 復調器
M1,M2 M系列生成回路
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8