TOP > 国内特許検索 > 水底敷設ケーブルのウインチ装置 > 明細書

明細書 :水底敷設ケーブルのウインチ装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4088691号 (P4088691)
公開番号 特開2007-031089 (P2007-031089A)
登録日 平成20年3月7日(2008.3.7)
発行日 平成20年5月21日(2008.5.21)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
発明の名称または考案の名称 水底敷設ケーブルのウインチ装置
国際特許分類 B66D   1/38        (2006.01)
H02G   1/06        (2006.01)
H02G   1/10        (2006.01)
FI B66D 1/38 C
H02G 1/06 R
H02G 1/06 601W
H02G 1/10 D
請求項の数または発明の数 8
全頁数 17
出願番号 特願2005-217843 (P2005-217843)
出願日 平成17年7月27日(2005.7.27)
審査請求日 平成17年7月27日(2005.7.27)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】390014306
【氏名又は名称】防衛省技術研究本部長
発明者または考案者 【氏名】三上 宏幸
【氏名】内田 浩
【氏名】嶋村 英樹
【氏名】大河原 千晶
個別代理人の代理人 【識別番号】100067323、【弁理士】、【氏名又は名称】西村 教光
審査官 【審査官】青木 良憲
参考文献・文献 特開2000-184540(JP,A)
実開昭62-189388(JP,U)
特開昭60-13408(JP,A)
特開昭56-161294(JP,A)
特公昭57-060679(JP,B1)
調査した分野 B66D 1/38
H02G 1/06
H02G 1/10
特許請求の範囲 【請求項1】
水底に敷設された伝送線複合ケーブルを、船体側に巻き入れ又は巻き戻すために船体側に設けられた敷設ケーブルのウインチ装置において、
船体側の定位置に、ドラム軸を縦方向として設けられた水平回転式ケーブル巻胴を有するケーブル巻取ドラムと、
前記ケーブル巻取ドラムの外側位置において縦方向に設けられたトラバーサ軸と該トラバーサ軸の回転によりトラバーサ軸を昇降移動しつつ前記敷設ケーブルを前記ケーブル巻胴の外周に沿って巻き入れ又は巻き戻し誘導するトラバーサ体とを有するケーブルトラバーサと、
前記ケーブルトラバーサのトラバーサ軸の先端側と前記ケーブル巻取ドラムのドラム軸の先端側に跨がって回動自在に軸支され、前記ケーブル巻胴の上方から誘導される敷設ケーブルを前記ケーブルトラバーサのトラバーサ体に誘導させる腕部と、を具備し、
前記ケーブルトラバ-サは、前記ケーブル巻取ドラムのドラム軸を中心として、左右方向に回動移動又は停止自在とされていることを特徴とする水底敷設ケーブルのウインチ装置。
【請求項2】
前記ケーブルトラバーサの前記腕部は、その一方の先端側に設けられた軸受が前記ドラム軸先端の定位置に回転自在に外嵌保持され、腕部の他方の先端側に設けられた軸受が前記トラバーサ軸先端の定位置に回転自在に外嵌保持され、ドラム軸の軸芯に略沿った上方から誘導される前記敷設ケーブルを、挟持移動させるようにして前記ケーブルトラバーサのトラバーサ体の側に案内させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の水底敷設ケーブルのウインチ装置。
【請求項3】
前記ドラム軸先端側の前記腕部の軸受における腕部と反対の側には、バランサーが設けられていることを特徴とする請求項2に記載の水底敷設ケーブルのウインチ装置。
【請求項4】
前記ケーブル巻取ドラムのドラム軸の下部外周には、機台駆動モータによってドラム軸と一体に回転駆動される機台が固定され、該機台上部におけるドラム軸の外周には、旋回台駆動モータによって機台及びドラム軸とは別体として回転駆動される旋回台が設けられ、該旋回台の上部におけるドラム軸の下部外周には、ケーブル巻取ドラムの片端鍔としての底端板が固定して設けられ、
前記底端板の外周から突出する前記旋回台の外周部分に、前記ケーブルトラバーサのトラバーサ軸の下部が回転自在に軸受け支持され、トラバーサ軸の下部と機台の外周とが、互いに回動自在に連動連結され、
前記機台駆動モータの駆動により、前記機台が正逆回転駆動又は停止された時に、機台と一休に前記ドラム軸及び前記底端板が正逆回転駆動又は停止されるとともに、前記トラバーサ軸が機台と連動して正逆回転駆動又は停止され、
前記旋回台駆動モータの駆動により前記旋回台が正逆回転駆動又は停止された時に、前記ケーブルトラバーサのトラバーサ軸が、旋回台と共にドラム軸を中心として正逆回転駆動又は停止されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の水底敷設ケーブルのウインチ装置。
【請求項5】
前記ケーブル巻胴の上方から誘導される敷設ケーブルに、軸方向螺旋状の捻じれが生じている時に、前記ケーブルトラバーサは、前記ケーブル巻取ドラムのドラム軸を中心として、前記敷設ケーブルの捻じれを解す方向に回動移動自在とされる請求項1乃至4のいずれか1項記載の水底敷設ケーブルのウインチ装置。
【請求項6】
前記ケーブル巻胴の上方から誘導される敷設ケーブルに、軸方向螺旋状の捻じれが生じている時に、前記ケーブルトラバーサは、前記ケーブル巻取ドラムのドラム軸を中心として、該ドラム軸を停止させた状態で、前記敷設ケーブルの捻じれを解す方向に回動移動自在とされる請求項5記載の水底敷設ケーブルのウインチ装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項記載の水底敷設ケーブルのウインチ装置を用い、
前記敷設ケーブルの外皮にはその軸線方向に沿ってフォトマーカが付設され、前記フオトマーカの軸線方向のずれを検知することによって該敷設ケーブルの捻れを検知し、該検知信号による捻じれの方向に基づき、前記ウインチ装置の前記ケーブルトラバーサを、前記ケーブル巻取ドラムのドラム軸を中心として、前記ケーブルの捻じれを解す方向となる左又は右方向に回動移動させるようにしたことを特徴とする水底敷設ケーブルのウインチ装置。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれか1項記載の水底敷設ケーブルのウインチ装置を用い、
水底に敷設されたフォトマーカ付きの敷設ケーブルを引き揚げる敷設船の船首から船尾方向において、敷設ケーブルを安全に通過させる群ローラを有する湾曲状の船首シーブ、敷設ケーブル通過時の前記フォトマーカを検知することにより敷設ケーブルの捻じれを検知する捻じれセンサ部と、同センサ部に設けたローラーに敷設ケーブルが接触通過した時に該ローラーの回転数を検知して敷設ケーブルの通過長さを検知する回転式ロードセルと、敷設ケーブルの捻れ、張力及びケーブル長を算出する演算処理器と、敷設ケーブルの長さ方向に発生する不用な捻りを解すようにして巻き取る横置き水平回転式ケーブル巻胴を有するケーブル巻取ドラムとを備え、前記ケーブル巻取ドラムの外端周辺を旋回するケーブルトラバーサを設け、前記演算処理器からの信号に基づく制御器からの制御信号により旋回台駆動モータ、機台駆動モータを制御駆動運転して、敷設ケーブルを巻き込み収納を続行しつつ、ケーブルトラバーサーをケーブル巻取ドラムの外周辺において、敷設ケーブルの捻れを解す方向に旋回させることによって、敷設ケーブルの捻れ解ぐしの作動をさせて巻き込み収納を行うことを特徴とする水底敷設ケーブルのウインチ装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、図1に示されるように、ケーブルキンク障害の発生に至るケーブル輪3が生起した状態で海底1に敷設された水底敷設ケーブル2において、要修理の揚収中に、逸早くケーブルの捻れを検知して、容易にケーブル2の捻じれ解ぐし作動させながら巻き込み揚収・収納を実現可能とし、併せて、キンク障害の発生を未然に防ぐと共に、少人数で無難かつまた迅速に運用を行える極めて有用な水底敷設ケーブルのウインチ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
海底1に敷設する光ファイバー伝送線複合ケーブル2は、設計・製造時のひねり線構造による固有の捻りと、製造後に陸上施設のケーブルヤード等にコイル状に重ね巻き置かれるケーブルのコイル巻き一回り毎に捻じれが一回の割合で誘起され、誘発・蓄積される捻りとの重畳によって、敷設または揚収時に、ケーブル2に損傷や内部信号線の断線等の不具合問題の原因となるケーブルキンク障害を誘発する危険性が強く潜んでいる。このような光ファイバー伝送線複合ケーブル2は、図2に示すように、光ファイバーによる光伝送系導線62と制御信号系導線63と通電系導線64とが複合された、補強用鉄線入りの太径(直径が略40mm~100mm)で剛性のある構造である。
【0003】
ケーブルキンクは、海象等により敷設船4のピッチングによって敷設中のケーブル2の吊下自重による張力が瞬間的に軽減され、捻じれトルクが勝った瞬間にケーブルに輪が誘起されて、次の瞬間、ケーブル2に吊下張力が再び印加すると、ケーブル2の輪が絞られながら次第に小さくなって、いわゆるキンクが誘引発生するものと考えられる。
【0004】
海底ケーブルが開発された当時から、ケーブルキンクは、ケーブル障害の重要な問題として検討されているものの、近年の光ケーブルを採用した海底1のケーブル2の使用により、さらに、キンクに至る前の僅かな捻じれによって光伝送の損失が増大するという新たな問題に直面している。特に、光センサの微弱な出力を伝送する場合に大きな影響を被るばかりか、その分の光増幅器を配置する等、また、ケーブル2の無捻回ケーブルへの特殊構造設計施工の工数・経費増に加えて敷設作業の付帯設備の設置と煩雑・難易性増大等により敷設経費はますます増大する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
陸上施設のケーブルヤードにコイル状積み重ね巻きの状態で保管されているケーブル2をケーブルヤードからローラーコンベヤーで順次手繰り出して、岸壁係留の敷設船4のケーブルタンク17に引き入れて、タンク床にコイル状積み重ねた場合にケーブル2のコイルー回り毎に捻じれが誘起している。
【0006】
その後、敷設海域に進出して敷設船4からケーブル2を繰り出して海底1へ直線状に敷設する作業を実施する場合、敷設途中のケーブル2の長さ方向に螺旋状に捻じれを保有しているのは必然のことであり、海象・敷設船4のピッチング等の変動環境下の作業において、ケーブル2のキンク輪が絞られながらキンクに至れば、ケーブル2に損傷や内部信号線等の断線、光信号の伝送損失増大等の不具合問題を発生することになる。
【0007】
深い海上での敷設の場合には、繰出しケーブル2の船上から海底1までの吊下自重等によるケーブル張力によって、敷設ケーブル2自体が緊張し、かつ、比較的海面が穏やかであれば、ケーブル張力の変動も少ないので、ピンと張っている状態維持が、あたかも、キンク発生の抑制状態にあるため、比較的問題なく敷設出来ている理由と考えられる。
【0008】
しかしながら、このような平静時においても、万全を期さねばならない運用作業の実施では、船位保持航法を可能とする衛星測位装置(:以下「DGPS」という。)の位置情報を地上の基準局との誤差情報で補正できるシステム等を搭載設備し、敷設船4の移動量を微細に把握出来るDGPS連動操船に加えて、比較的自在に船位調整できるバウスラスタ装備を駆使して、風波やうねりに対する微妙な船位制御及び運用作業時の敷設ケーブル2の張力を連続計測して、張力の振る舞いを観ながら敷設船4の微妙なコントロールを行っていること、かつまた、敷設ケーブル2の送出速度を微調しつつピッチングに合せて加減良く繰出し出来る多くのベテラン作業者の動員によって、捻れを保有している敷設ケーブル2の張力と繰出し速度に加えて海上の風波やうねりを勘案しながらケーブルキンクを誘発するケーブル輪3が生起しないように細心の注意を払い問題発生の無いように実施している。
【0009】
比較的浅い海面での敷設の場合には、陸上施設におけるコイル巻き回数を予め把握し、現場海域で敷設ケーブル2の船首5の船首シーブ6を軸として、適宜のその場回頭を実施して、捻りトルクの解消に努めているが、その作業には、複数の警戒船や多くの付帯機具を駆使して実施する必要があるほか、常時所要のケーブル張力が加わった状態に船位を維持させつつ、かつまた、天候の急変で荒天時になっても煩雑な繰り出し作業を続行する都合上、長時間にわたって連続に敷設船4甲板7上で行うことば、安全上にも問題があるので、やむを得ず完全に捻じれが解ぐされた敷設状態に出来ないまま敷設を終了してしまう場合がある。
【0010】
その後、上記のような状態にあっても、交換及び補修等の必要上、揚収する敷設ケーブル2、すなわち、従前の敷設時にケーブルキンク発生に至るケーブル輪3が既に起って敷設されていた場合で、一方が海底1に、他方が敷設船4のケーブルタンク17に繋がっている、いわゆる両端固定のような状態で途中にケーブルキンク輪の発生がある場面に陥っている時に、そのまま揚収作業を続行した場合には、ケーブルキンク障害の発生に至ることが必須であり、障害を被った場合には、帰投して陸上における敷設ケーブル2の修復実施によって莫大な経費と日数を要し、さらには、再度の敷設ケーブル2の接続作業、敷設船4及び多くの作業員を投入しなければならない。このため、敷設海域で己む得ず敷設船4がその場回頭してケーブルの捻じれを解すほかに手立ては考えられない。しかし、この手法は、操船上幾度も出来ないので、現場海域においてのこのような状態に陥いった場合の敷設ケーブル2に発生する不用な捻りを解す手段が強く望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記課題を解決するために、ケーブルキンク障害の発生に至るケーブル輪3が生起した状態で水底に敷設された敷設ケーブル2を修理・補修の必要上、捻じれ解ぐし作動をさせて、安全で問題なく揚収するための敷設船4側の巻き入れ又は巻き戻すウインチ装置である。
【0012】
すなわち、本発明は、水底に敷設された伝送線複合ケーブルであって、その軸線に沿って螺旋状に捻じれが生じた敷設ケーブル2を、敷設船4の船体側に、前記捻じれを解ぐすようにして巻き入れ又は巻き戻すために船体側に設けられた水底敷設ケーブルのウインチ装置において、
船体側の定位置に、ドラム軸23を縦方向として正逆回転駆動及び停止自在に設けられた水平回転式ケーブル巻胴43を有するケーブル巻取ドラム70と、
前記ケーブル巻取ドラム70の外側位置において、正逆回転駆動及び停止自在として縦方向に設けられたトラバーサ軸38と該トラバーサ軸38の正逆回転によりトラバーサ軸38を昇降移動しつつ前記敷設ケーブル2を扶持してケーブル巻胴43の外周に沿って巻き入れ又ほ巻き戻し誘導するトラバーサ体72とを有するケーブルトラバーサ71と、
前記ケーブルトラバーサ71のトラバーサ軸38の先端側と前記ケーブル巻取ドラム70のドラム軸23の先端側に跨がって回動自在に軸支され、前記ケーブル巻胴43の上方から誘導される敷設ケーブル2を前記ケーブルトラバーサ71のトラバーサ体72に誘導させるケーブルトラバーサ腕部34と、を具備している。前記腕部34とトラバーサ軸38とトラバーサ体72により、ケーブルトラバーサ71を構成する。このケーブルトラバーサ71と後述する旋回台21により、ケーブルトラバーサ旋回器19を構成する。
ケーブル巻取ドラム70とケーブルトラバーサ71により、水平回転式ケーブル収納台20を構成し、甲板18下部のケーブルタンク17内に収納装備される。
前記ケーブルトラバーサ71は、前記ケーブル巻取ドラム70のドラム軸23を中心として、左右方向に公転して回動移動又は回動移動停止自在とされ、該回動移動位置又は該回動移動停止位置において、前記トラバーサ軸23が自転して正逆回転駆動又は回転駆動停止自在とされていることを特徴としている。
【0013】
前記ケーブルトラバーサ旋回器19は、前記ケーブルトラバーサ71のトラバーサ軸38の先端側と前記ケーブル巻取ドラム70のドラム軸23に先端側に跨がって設けられる腕部34を有し、腕部34の一方の先端側に設けた縦筒形の軸受34aがドラム軸23先端の定位置に回転自在に外験保持され、腕部34の他方の先端側に設けられた縦筒形の軸受34bがトラバーサ軸38先端の定位置に回転自在に外敵保持され、ドラム軸23の軸芯に略沿った上方から誘導される前記敷設ケーブル2を、腕部34に設けたローラ、コロ等の第1及び第2の扶持移動器(1)(2)35、36を通して、前記ケーブルトラバーサ71の側に扶持移動させて案内させるようにしたことを特徴としている。
【0014】
また、前記ケーブルトラバーサ旋回器19の前記ドラム軸23先端側軸受34aにおける前記腕部34と反対の側には、バランサー32が設けられていることを特徴としている。このバランサー32により、敷設ケーブル2の引き込み時に、ドラム軸23に加えられる横方向の応力が、反対方向にバランスし、ドラム軸23の傾斜駆動が防止される。
【0015】
前記ケーブル巻取ドラム70のドラム軸23の下部外周には、機台駆動モータ52によってドラム軸23と一体に回転駆動される円形の機台50が固定され、該機台50上部におけるドラム軸23の外周には、旋回台駆動モータ41によって機台50及びドラム軸23とは別体として回転駆動される円形の旋回台21が旋回台軸受46を介して相対的回転自在に設けられ、該旋回台21の上部におけるドラム軸23の下部外周には、ケーブル巻取ドラム70の下端鍔としての円形状の底端板44が固定して設けられている。尚、ケーブル巻取ドラム70には上端鍔としての上端板を設けることができる。
【0016】
前記底端板44の外周から突出する前記旋回台21の外周位置部分に、前記ケーブルトラバーサ71のトラバーサ軸38の下部が回転自在に軸受け支持される。旋回台21の下方に突出するトラバーサ軸38の下端と機台50の外周とが、従動歯車群55を介して互いに回動自在に連動連結される。
【0017】
機台駆動モータ52の駆動により機台50が正道回転駆動された時に、機台50と一体にドラム軸23が回転駆動されるとともに、トラバーサ軸38が機台50と、従動歯車群55を介して、連動して自転し、正道回転駆動される。旋回台駆動モータ41の駆動により旋回台21が正逆回転駆動された時に、旋回台21に軸受け支持されたケーブルトラバーサ71のトラバーサ軸38が、旋回台21と共にドラム軸23を中心として、ドラム軸23に対し相対的に公転して正逆回動する。
【0018】
上記ウインチ装置の作用を説明する。
機台駆動モータ52を正逆回転駆動させると、これにより機台50が正逆回転駆動され、機台50と一体にケーブル巻取ドラム70のドラム軸23が正逆回転する。これにより、ドラム軸23の軸芯方向の上方、すなわち、ケーブルトラバーサ71の腕部34の上方からトラバーサ体72を通して、敷設ケーブル2がドラム軸23外周のケーブル巻胴43に巻き取り又は巻き戻される。この時、機台50の外周位置において、従動歯車群55を介して、ケーブルトラバーサ71のトラバーサ軸38が正逆回転し、これによりトラバーサ体72が昇降作動して、敷設ケーブル2がケーブル巻胴43のドラム軸23の上下面に沿って、軸方向に整列して巻き取られる。
【0019】
上記巻き取り操作時に、従動歯車群55を構成する中間歯車を移動制御してトラバーサ軸38の上記回転を停止させることにより、敷設ケーブル2は、ケーブル巻胴43の定位置に巻き締めされる。
【0020】
上記の動作において、旋回台駆動モータ41を正逆回転駆動させると、ドラム軸23の外周において、旋回台21に支持されるケーブルトラバーサ71が、相対的に公転して正逆回動する。これにより、敷設ケーブル2のケーブルトラバーサ71の上方部分の外周に捻じれ方向の力が生じていた時に、ケーブルトラバーサ71の正逆公転方向を、敷設ケーブル2の外周に螺旋状に加えられている上記捻じれと反対方向とすることにより、敷設ケーブル2に捻じれが解されることになる。
【0021】
本発明では、上記のウインチ装置を用いている。そして、上記敷設ケーブル2の外皮にはその軸線方向に沿ってフォトマーカが予め付設され、このフォトマーカ付きのケーブルの捻じれを、船首5部に立設された捻れセンサ部8で検知し、該検知信号による捻じれの方向に基づき、前記ウインチ装置の前記ケーブルトラバーサ71を、前記ケーブル巻取ドラム70のドラム軸23を中心として、前記ケーブルの捻じれを解す方向となる左又は右方向に公転回動移動させるようにしたことを特徴としている。
このような、ケーブルトラバーサ71による、前記ケーブルの捻じれを解す方向となる左又は右方向への公転回動移動時に、ケーブル巻取ドラム70のドラム軸23の自転回動を停止して行わせることにより、上記捻じれの解ぐし作業を一層効率よく行わせることができる。
【0022】
次に、本発明を、さらに詳細に説明する。
すなわち、本発明の水底敷設ケーブルのウインチ装置は、図1において示す敷設船4のケーブルタンク17内に、ケーブル巻取ドラム70を構成する水平回転式ケーブル収納ドラムのケーブル巻胴43のドラム軸23を垂直に突設させ、ドラム軸23の上端に略半球状コーン形の案内キャップ31を設ける。その下部に、転子48、49を介し、かつ、ドラム軸23を中心として回転する旋回台21を設け、その外端部にケーブルトラバーサー71を立設させる。このケーブルトラバーサー71を、ケーブル巻取ドラム70の周辺において、アクティブ制御駆動で回転自在に旋回させることによって、敷設ケーブル2を、ケーブル巻胴43に巻き入れ又は巻き戻しの回転に加えて、アクティブ制御駆動でケーブル巻取ドラム70の外端周辺を停止又は回転自在に旋回するケーブルトラバーサ71を敷設ケーブル2の捻れを解す方向に旋回させることにより、敷設ケーブル2の捻じれ解ぐし作動をさせて巻き込み収納する。
【0023】
旋回台21と共に、敷設ケーブル2を周方向に回転させる機構を保有する図2で示す敷設ケーブルウインチ装置は、敷設船4のケーブルタンク17内に設置し、敷設ケーブル2を巻き出し巻き入れする方式の水平回転型単一の上部側板の無いケーブルドラム形状である。
【0024】
図1の水底に敷設されたフォトマーカ付きの敷設ケーブル2を引き揚げる敷設船4における船首5から船尾30の方向の構成例は、吊下揚収時に敷設ケーブル2を安全で効果的に通過させる湾曲状の船首シーブ6、所定間隔に配置し敷設ケーブル2通過時のフォトマーカーを検知する第1及び第2のフォト捻じれセンサー10、12と、各々を備えて立設する第1及び第2のセンサー台9及びセンサー台11、また、センサ台11の頂点に敷設ケーブル2の下面が接触通過するローラー回転計を兼ねた回転式ロードセルと該前後にあって水平ローラーの3点接触による回転式ロードセルである。その出力信号とフォトセンサ出力の各々を船内の機器室26配置の制御器27と演算処理器28へ送出する導線、また、制御器27と演算処理器28からケーブルタンク17内の旋回台駆動モータ41及び機台駆動モータ52を制御駆動する導線が配線してある。
【0025】
制御器27と演算処理器28は、張力及びケーブル長を算出すると共に敷設ケーブル2の捻れをセンシングしてアクティブに駆動制御すること、また、甲板7設置のリニアーケーブルエンジン16と船内ケーブルタンク17内の敷設ケーブル2を巻き入れ巻き出しする旋回台駆動モータ41及び機台駆動モータ52とを連動制御する。
【0026】
また、一方が回転し、他方が静止する2箇所の所要部間の多チャネルの光伝送系導線62等複数チャンネルのスリップリングの利用は困難であるが、図2で示すように、本出願人の出願に係わる特公昭57-60679号公報に示される「遠隔計測器等の伝送線接続装置」を適合採用し、海底1と敷設船4機器室26間の信号伝送を光学的・電気的に固定結合させる接続を実現にさせている。
【0027】
本発明では、ケーブルタンク17内に、水平回転式ケーブル収納ドラムとしてのケーブル巻取ドラム70を構成するケーブル巻胴43の筒状ドラム軸23を垂直に突設させ、ドラム軸23の上端にコーン形の案内キャップ31を設けた巻胴付き水平回転収納台20を備え、ドラム軸23を軸芯として、ケーブル巻取ドラム70の外端周辺をアクティブ制御駆動で回転自在に旋回するケーブルトラバーサ71を具備し、敷設ケーブル2が甲板7設置のケーブルリニアーエンジン16で引き取りされる時に、船首5部の2カ所に設置のセンサでケーブル捻れを検知する。
【0028】
さらに、ドラム軸23の上方天井にある甲板7貫通孔8から垂下する敷設ケーブル2をケーブルトラバーサ71の腕部34の挟持移動器(1)(2)35、36で扶持移動させつつ、ケーブルトラバーサ71を通過させて水平回転するケーブル巻取ドラム70に導く。このようにして、敷設ケーブル2を巻き入れする時に、ケーブル巻取ドラム70の巻き入れ回転をさせながら、アクティブ制御駆動でケーブル巻取ドラム70の外端周辺を停止又は回転自在に旋回するケーブルトラバーサ71を敷設ケーブル2の捻れを解す方向に旋回させることにより、敷設ケーブル2の捻じれ解ぐし作動をさせて巻き込み収納する。併せて、光パルス試験器で光伝送系導線62の光伝搬時間と受光パワーの表示波形の監視、電気回路試験器で通電系導線64の電気的導通の監視及び三点ローラ式のケーブル張力計で敷設ケーブル2への機械的荷重の監視を各々行いつつ、問題発生を未然に防ぐと共に安全で適切に敷設ケーブル2をケーブル巻取ドラム70に巻き入れを行う事を特徴としている。
【0029】
前記の敷設ケーブル2は、途中に複数の直線状に配置される光増幅器や光中継器が複数の光伝送系導線62、通電系導線64及び電力系導線で複合された専ら海底1等の水底に敷設される構造であるほか、ケーブル被覆外皮面上の長さ方向の連長に渡ってフォトマーカが一条の点線の如く点づけを所要間隔毎に相対マーク共に施してある。敷設船4に設けた機器室26の演算処理器28により、前記敷設船4上の導通路の2箇所に立設したフォトセンサによる捻じれセンサ部8の出力信号で前記敷設ケーブル2に生じている捻れを検知し演算させ、この演算信号を前記ケーブル巻取ドラム70と前記ケーブルトラバーサー71及びリニアーケーブルエンジン16の各々の回転駆動部にフィードバックするアクティブ制御により、前記敷設ケーブル2を適当な長さ方向と巻き入れ及び捻じれを解ぐす回転をさせるようにしたことを特徴とする。
【0030】
また、本発明は、上記のウインチ装置を用い、前記敷設船4の船内ケーブルタンク17に設置されたウインチ装置の設置位置から、前記敷設ケーブル2の繰り出し・引き入れ時の敷設ケーブル2通過長に対する捻り量計及び線長計並びに張力計の各センサを立設して、これらの信号出力を演算処理器28に送出し演算させ、さらに制御器27にフィードバックさせ、前記ウインチ装置を制御運転して、前記敷設ケーブル2を揚収する時間の常時に渡って捻じれ解ぐし作動を実現させるフィードバック回路を有し、アクティブ制御する事を特徴としている。
【0031】
また、ケーブル収納用の前記水平回転型ケーブルドラムとしてのケーブル巻取ドラム70は、敷設船4のケーブルタンク17内に、従来ドラムでは巻胴の両端面に円形の側板付きであるのに対して、本発明では、両側の側板のうち片一方の側板を取り去って縦置きにして、他方側板を下方にして、巻胴とするドラム軸23を垂直に突設させ、上端がコーン形(キャップ31)で下端は大径で偏平と成す回転収納台である。尚、本発明において、ケーブル巻取ドラム70の上下両端面に円形の側板を設けても差し支えない。
【0032】
また、ケーブル巻取ドラム70の下方に転子49を介し、かつまた、ドラム軸23の下部に旋回台軸受46を取り付けて水平回転する大径で偏平とする旋回台21を設け、旋回台21の周辺外縁に設けた平歯車列51に旋回台駆動モータ41の摩擦板付き回転軸歯車を歯合させて、旋回台21が正逆自在に水平回転できるものである。また、旋回台21の周辺外縁一箇所に敷設ケーブル2の巻き入れ範囲に渡って並行立設するケーブルトラバーサ71のトラバーサ軸38とガイド杆40を設け、これに、甲板7固設のリニアーケーブルエンジン16で引き取り・送出され、甲板7ケーブル貫通孔18から垂下してきた敷設ケーブル2を、ドラム軸23軸頭のキャップ31直下近傍を回転軸として旋回させ、かつ、巻き入れ範囲と並行立設するトラバーサ軸38及びガイド杆40の各上端保持部から湾曲状の軸腕部34で連接させ、アクティブ制御駆動で回転自在に旋回するケーブルトラバーサ71を具備する。ケーブル巻胴43の外周端をケーブルトラバーサー71の軸椀部34の扶持移動器35、36で挟持移動させながら敷設ケーブル2を通過させ、巻き入れ範囲の箇所で敷設ケーブル2をケーブルトラバーサー71によって約90度の方向転換させて、ケーブル巻取ドラム70に巻き入れさせることを特徴としている。
【0033】
また、前記旋回台21の下方に転子49を介し、さらにドラム軸23に直結させて水平回転する大径で偏平とする収納部底端板44とほぼ同径寸法の機台50が設けてあり、その周辺外縁に設けた幅広の平歯車列51の下方部で機台駆動モータ52の回転軸歯車と歯合させ、機台50が正逆自在に水平回転できる。また、平歯車列の上方部は、旋回台21を貫くトラバーサ軸38最下端部の平歯車に歯合し、トラバーサ軸38と従動歯車群55で歯合の機台50が連結のケーブル巻胴43と回転することによって上下往復方向の往復螺旋溝39付きのトラバーサ軸38棒が正道回転し、回転運動から直進運動に変えられて、トラバーサ体72がガイド杆40に沿って上下に往復移動する。
【0034】
すなわち、機台50に直結したケーブル巻胴43を機台駆動モータ51で機台50を水平回転すると同時に、ケーブル巻胴43の回転によって敷設ケーブル2を巻き込こめることを特徴としている。
【0035】
その時に、敷設ケーブル2にケーブル捻じれが検知されていない巻き入れの場合には、ケーブルトラバーサー71の立設している旋回台21が旋回台のブレーキ制御で停止状態にあるので、ケーブルトラバーサー71は、機台50が連結のケーブル巻胴43と同一回転すると同時に、機台50とトラバーサ軸38を歯合させている従動歯車群55を介して回転力がトラバーサ軸38に伝達され、螺旋溝39付きのトラバーサ軸38棒が回転し、回転運動から直進運動に変えられて、トラバーサ体72がガイド杆40に沿って移動し、ケーブル巻胴43に敷設ケーブル2を整列密巻することを特徴としている。
【0036】
また、敷設ケーブル2にケーブル捻れが検知された敷設ケーブル2の巻き入れの場合には、制御信号によって旋回台21のブレーキが解除され、機台駆動モータ51による機台50の水平回転と巻胴の回転に加えて、制御信号によって摩擦板付旋回台駆動モータ41が作動回転し、旋回台21周辺外縁に設けた平歯車列42に回転軸歯車と歯合させた旋回台21が敷設ケーブル2のケーブル捻れを解す方向に水平回転することを特徴としている。
【0037】
この場合には、機台駆動モータ51と摩擦板付旋回台駆動モータ41がアクティブ制御駆動によって重畳運転が行われ、かつまた、ケーブルトラバーサ71は両駆動モータの回転による伝達によって問題無く作動し、併せて、水平回転ドラムとしてのケーブル巻取ドラム70の外周端を敷設ケーブル2の捻じれを解ぐす方向に旋回移動する事によって、巻き込み収納を行い、敷設ケーブル2の捻じれ解ぐし作動をさせて整列密巻き行うことができるものである。
【0038】
なお、敷設ケーブル2の巻き込みを一旦停止と共に、扶持移動器(3)37で敷設ケーブル2を扶持移動させつつケーブルテンションを維持しながら、かつ、機台駆動モータ51を制御停止によって機台50の水平回転と巻胴を回転を停止させ、旋回台21のみを摩擦板付旋回台駆動モータ41で制御回転させ、敷設ケーブル2を巻胴の外周端の捻れを解す方向に旋回させる事によって、逸早く敷設ケーブル2の捻じれを解ぐすことが可能である。
【0039】
すなわち、水平回転ドラムとしてのケーブル巻取ドラム70を備え、敷設ケーブル2の長さ方向に発生している不要な捻じれを解ぐすためにケーブル巻取ドラム70の外周端を旋回するアクティブ制御駆動のケーブルトラバーサ71を設け、制御器27からのアクティブ制御信号により旋回台駆動モータ41、機台駆動モータ51及びケーブルリニアーエンジン16のモーターを制御駆動運転させて、敷設ケーブル2を巻き込み収納を続行しつつ、ケーブルトラバーサ71を横置き水平回転ドラムとしてのケーブル巻取ドラム70の外周端を敷設ケーブル2の捻じれを解ぐす方向に旋回させる事によって、敷設ケーブル2の捻れを解ぐし作動を行って巻き込み収納を行う構造を特徴とするほか、ケーブル巻取ドラム70の外周に沿って、旋回する駆動機構部及びケーブルトラバーサ装置との連動機構、ブレーキ機構を備えて、敷設ケーブル2の巻き込みを停止させること無しに連続的に敷設ケーブル2の巻き込みを続行中においても、捻じれ解ぐしの出来るウインチ装置とするものである。
【0040】
敷設ケーブル2の巻き込みを一旦停止と共に、扶持保持機構で敷設ケーブル2を把持し、ケーブルテンションを維持しながら、旋回台21を機台50にロックさせたのち、機台50を回転(ケーブル巻胴43は巻き込み回転せずに、直結している機台50に伴って回転する)、この時、ケーブルトラバーサ旋回器19も機台50に伴って回転する。これにより、敷設ケーブル2を周方向に短時間で回す事によって素早く敷設ケーブル2の捻じれを解ぐすことも併せて可能とする構造を特徴とするものである。
【発明の効果】
【0041】
本発明は、敷設ケーブル2を送出しつつ、併せて、敷設ケーブル2の円周方向に旋回させることが出来る構造であって、これによって、従来出来なかった敷設ケーブル2の長さ方向に誘引・発生している不用な螺旋状の捻じれを逸早く自動的に解きほぐす事が出来る。
【0042】
また、ケーブルキンク障害を防止するためには、ケーブルキンクの発生要因であるケーブルの捻じれトルクの皺寄せによるケーブル輪3を起こさせないことであり、出航前の陸上施設のケーブルタンク17にコイル巻き1ターン毎にケーブル輪3が形成されている敷設ケーブル2を敷設船4への搭載時にケーブル輪3の捻じれを敷設ケーブルウインチ装置で取り除くことが出来る。
【0043】
また、既に海底1に敷設されているケーブルを修理点検等のために揚収する場合には、敷設ケーブルウインチ装置で捻じれ解ぐし作動を行い、安全で無難に揚収する事が本発明によって実現出来る。
【0044】
本発明は、以上のように成されるため、敷設ケーブル2の長さ方向に発生し、ケーブルキンク障害の発生に至らしめるケーブル輪3の個数に係わらず、海上の敷設現場海域で、容易に敷設ケーブル写の捻じれを解す事の出来る作業性の良い敷設ケーブル2の揚収作業と安全性及び経費節減の効果を与える極めて有用な敷設光ケーブルウインチ装置である。
【0045】
作業者らは、作業続行のケーブル通過量とケーブルの捻れ等の状況を視認把握しながら行えるため、効果的に敷設ケーブル2の揚収作業が実施できる。
【0046】
また、敷設ケーブル2に発生している不要な捻じれが自動的に解消でき、従来には、キンク障害による光伝送損失を見越して余分に配置したケーブル途中の各所の光増幅部品が大幅に削減可能であり、その分のコスト低減と信頼性向上は計り知れない効果がある。また、敷設ケーブル2の無捻回ケーブル化等の特殊構造を不要とする通常設計で製造できることと相侯って、敷設船4の付帯設備も簡易化できる等の大幅な経費節減効果がある。
加えて、捻じれによる光損失が解消するため、光の信号対雑音比が一層高くなり海底ケーブルの光伝送技術に与える効果は極めて著しい。
【0047】
海象気象環境の制約のもとで実施する敷設現場において、本発明により、敷設作業が効率よく、無難、かつ、効果的に実施できるに加えて、敷設ケーブル2を船尾30から吊り下げ状態で敷設船4をその場旋回回頭をする危険を冒す必要も回避できることになる。
【0048】
また、キンク発生により光伝送線を傷めた場合には、帰投し対策を施して、再度設海域に進出して洋上での光ケーブル接続作業を多額な経費で修復しなければならいが、本発明により上記の不具合は何れも回避ができるので、敷設・揚収時のケーブルキンク障害、作業時間、労力工数及び危険を大幅に削減できると共に、経費や安全上に与えるメリットは計り知れない効果がある。
【0049】
さらに、敷設ケーブル2の長さ方向に発生している不用な捻じれを解消させる等の多くの新規性と極めて斬新であると共に搭載・揚収時のケーブルキンク障害、作業時間、労力工数及び危険を大幅に削減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
実施例について図1の敷設ケーブルウインチ装置の全体図及び図2の水平回転式ケーブル収納台20を参照して敷設ケーブルウインチ装置を説明する。
【0051】
敷設船4の船腹に設けられたケーブルタンク17において、上方に突設させ、先端をコーン形キャップ31としたドラム軸23を有するケーブルドラム巻胴43を水平回転しながら、敷設ケーブル2を連動・単独旋回するケーブルトラバーサー71を経由させて巻き入れ収納するケーブル巻取ドラム70を備える。ケーブルタンク17の上方の甲板7にケーブル貫通孔18を設け、さらに、甲板7固設のリニアーケーブルエンジン16で敷設ケーブル2の側面の両方から所要荷重で押圧扶持しながら直線状で連続的に引き取るベルトコンベアーを所要間隔の複数箇所に縦横交互配列として備え、敷設ケーブル2の外周面が所要荷重で押当て状態で直線的に扶持移動し、かつ、捻れを解すための周方向の回転にも対応ができるように無接触とする空所部を設けてある。ケーブル巻取ドラム70とケーブルトラバーサー71により水平回転式ケーブル収納台20を構成する。水平回転式ケーブル収納台20の外周位置におけるケーブルタンク17内は、導線類配設ライン22とされている。
【0052】
また、ローラ式張力計は、船首5シーブの群ローラ最上端部を敷設ケーブル2が通過する時の接点と、回転式荷重計15のローラ部により敷設ケーブル2を下側から支持する時の接点及び動輪式角度変位計13のローラ部接点で構成し、回転式荷重計15のローラ部を頂点とする角度で略くの字型に折れ曲がった形状を保持する。したがって、敷設ケーブル2は、各固定ローラ部により常に3点で支持されることになる。
【0053】
上記各部による回転角及び荷重の各出力は、電気信号に変換されて機器室26の演算処理部に入力される。この演算処理部では角度と荷重計の測定値により敷設ケーブル2の張力を算出し、表示する。
【0054】
同様に、回転式ロードセルと兼ねたローラ部回転数測定値は、電気信号に変換されて機器室26の演算処理部に入力される。この演算処理部ではローラ部直径寸法既知の回転数測定値により敷設ケーブル2のケーブルの通過長を算出する。
【0055】
また、船首55方向に設けられた回転式荷重計15・回転式線長計14及びフォト捻れセンサ(1)10を上部近傍に設けて立設するセンサ台(1)9と、さらに船首5側の所要間隔の位置にフォト捻じれセンサ(2)12を係着するセンサ台(2)11を立設させると共に、その前方船首5に横置き複数のローラー群を備えた湾曲滑り台状の船首シーブ6を設け、敷設ケーブル2の敷設揚収時にケーブルに損傷を与えないように、ケーブル滑りを良好にさせる群ローラで構成している。
【0056】
なお、船首シーブ6の船上側とリニアーケーブルエンジン16との間に位置する捻じれセンサと線長計及び張力計を備えたセンサ台(1)(2)9,11を設けてあり、各センサと導線によって連通され、かつ、敷設ケーブル2の線長に対する捻り量、張力及び線長を検出する演算処理器28及び敷設ケーブル2にキンク障害の発生なきように適切な敷設ケーブル2回転収納台と旋回台21、リニアーケーブルエンジン16の各々の回転を電気的にフィードバックする制御器27が、敷設船4の機器室26に設置されている。
【0057】
また、リニアーケーブルエンジン16の船尾30方向に隣接して甲板7を貫く甲板貫通孔18の下方にケーブルを収納するためのケーブルタンク17が具備されており、ケーブルタンク17内には、リニアーケーブルエンジン16で引き取られて送出された敷設ケーブル2を巻き入れするためのケーブル巻取ドラム70がある。ケーブル巻取ドラム70のドラム軸23の軸頭が水平回転するドラム底板部の中心部から上方に突設され、その軸頭部は、ケーブル導入孔から繰入れられる敷設ケーブル2が傷つかないように、略半球状のコーン形キャップ31形状とされてあるほか、同軸頭部は、ケーブルトラバーサー71が容易にケーブル巻胴43の外周端を旋回可能とするための上端回転軸になっている。
【0058】
さらに、ケーブルトラバーサー71は、旋回台駆動モータ41によって旋回できるようになっている。トラバーサ軸38には、ガイド杆40に沿ってトラバーサ体72がケーブル巻胴43全長範囲にわたって移動できるように設けられ、敷設ケーブル2をケーブル巻胴43全長範囲にわたって巻き込めるようになっている。
【0059】
また、敷設ケーブル2の捻じれを解ぐす場合の他の動作として、ケーブル2の巻き込みを一旦停止して、かつ、旋回台21を機台50にロックさせたのち、機台50を回転(ケーブル巻胴43は巻き込み回転せずに、直結している機台50に伴って回転する)、この時、ケーブルトラバーサ旋回器19も機台50に伴って回転する。この結果、機台50の1回転毎に捻じれが1回解ぐされる。この場合には、張力を緊持し敷設ケーブル2の外周側面の両側から押圧しながら回転する機構の摩擦板付きの第1の扶持移動器(1)35、第2の扶持移動器(2)36、及び第3の扶持移動器(3)37が、ケーブルトラバーサ旋回器の腕部34及びトラバーサ体72の各々に具備させてある。第1の扶持移動器(1)35及び第2の扶持移動器(2)36は、腕部34の上下に設けられ、第3の扶持移動器(3)37は、トラバーサ体72が設けられている。
【0060】
ケーブル巻取ドラム70のドラム軸23は、直結している円板状の底板となる底端板44と機台50を貫いて、下方の導線ドラム57と直結しており、機台駆動モータ52によって同時回転される。
【0061】
また、導線引取器56は、ケーブルドラム軸23にはめ込められたギヤーとチェーン61でつながっており、ドラム軸23の回転で小口ーラが所要のケーブル張力まで回転すると共に、導線ドラム57に導線が整列密巻き出来るように、先端部が導線巻き込み範囲を上下動する。
【0062】
また、本出願人が提案した「遠隔計測器等の伝送線接続装置(特許第1160884号)」を一部適用し、導線は、垂下して直下の導線溜58に順次積み重ねられて、導線溜58の側板下部の切欠孔から、導線の一端が展張配線されて機器室26の制御器27と演算処理器28及び甲板7の操作盤25に配線できるようにしてある。
【0063】
また、導線ドラム57からドラム軸23筒の中空部と巻胴を貫く導線は、敷設ケーブル2の船上側の端末でコネクタ又は直結接続されて、敷設ケーブル2の海中部にある作動部に至る計測室の制御器27と演算処理器28と一連長の導線として光学的・機械的に接続される。
【0064】
上記における敷設船4のケーブルタンク17内に設置されたケーブル巻取ドラム70には、機台駆動モータ52で回転自在に駆動回転される事により直結してあるドラム軸23及び導線ドラム57が、扁平で大径の機台50と一体に設けられ、同時に回転されるようになっている。
【0065】
機台50の上部にある扁平で大径の旋回台21は、機台50とケーブル巻取ドラム70の底端板44の間に転子48、49を設けるとともに、上記底端板44と旋回台21の間に転子48を設けて旋回台駆動モータ41により駆動され、同支持板の旋回台21の一部とドラム軸23の上端部にかけて、ケーブル巻胴43のドラム巻胴部まで垂直で、それ以上は、湾曲形状のトラバーサ軸38及びトラバーサ軸腕部34が立設してある。
【0066】
図1には、一例としての敷設船4甲板7を示し、敷設船4の船首5に向かって、機器室26、ケーブルタンク17内の上部側板の無い水平ドラム部としてのケーブル巻取ドラム70、操作盤25、ケーブル張力計としての回転式荷重計15とフォト捻じれセンサ(1)10用のセンサ台(1)9があり、さらに船首5よりにフォト捻じれセンサ12と群ローラを備えた船首シーブ6がある。
【0067】
敷設船4の機器室26には演算器と制御器27、及びDGPS受信機29のアンテナがある。それらの各々には、センサ出力及び制御系の伝送線が接続されている。敷設ケーブル2には、フォト捻じれセンサ10、12及び敷設ケーブル2の所要長の通過が検知できるように敷設ケーブル2の外皮上の長さ方向に沿って所要長毎に破線ラインが判別できるように塗色してある。
【0068】
また、敷設ケーブル2の長さ方向に発生している不用な捻りを効果的に解ぐすため、敷設ケーブル2の長さ方向に水平回転して収納するケーブル巻取ドラム70の回転と共に、旋回台駆動モータ41の制御駆動で単独に水平公転して、ケーブル巻取ドラム70周辺を旋回するケーブルトラバーサ71がある。
【0069】
また、水平方向に回転駆動される円形状の機台50と機台50中心部を貫いて機台50と一休構成した中空のドラム軸23を上方に向け突設させ、さらに、ドラム軸23の下方の交接部位で、かつ、機台50上に転子を介して円形状の旋回台21を設ける。さらに、ブレーキ機構により従動回転及びブレーキ解除・モータ駆動等により制御、単独運転すると共に旋回台21の外周の一端に、ドラム軸23とケーブル巻き付け範囲を越える直線の範囲で並行立設するグースネック形状のケーブルトラバーサ旋回器19を設ける。該ケーブルトラバーサ71の直線部位となるトラバーサ軸38から湾曲して交差するドラム軸23に軸受を設けて、ドラム軸23を軸としてケーブル巻き付け範囲を跨がって配置され、該外周に沿って旋回するケーブルトラバーサ71を備える。
【0070】
さらに、旋回台21上に転子を介してケーブル巻取ドラム70の鍔としての円形状の底端板44を設け、ドラム軸23を巻胴としてドラム軸23に沿って敷設ケーブル2を巻き付けると共に捻じれ検知センサによって敷設ケーブル2の捻じれを検知し、ケーブルキンク発生の恐れがある場合には、敷設ケーブル2の巻き込みを停止させ、同時に、扶持機構によって、既に巻き込み済みのケーブルにバラケが生じ無いようにケーブルテンションを緊持しつつ、かつ、旋回台21を機台50にロックさせたのち、捻じれ解す方向に機台50を回転(ケーブル巻胴43は巻き込み回転せずに、直結している機台50に伴って回転する)させることによって、敷設ケーブル2を捻じれを解す軸方向に回す事ができると共にケーブルキンクの発生を未然に防止できる。
【0071】
また、ブレーキ解除時には、旋回台駆動モータ41の駆動により旋回台21を回転させるとともに、機台駆動モータ51に基づく機台50の回転を従動歯車群55を介して、該ケーブルトラバーサ旋回器19のトラバーサ軸38を作動させる。
【0072】
併せて、機台50の回転が従動歯車群55を介して、ケーブルトラバーサ旋回器19を所望の位置に導くケーブルトラバーサ71のトラバーサ軸38に伝達することにより、従動旋回(公転)と従動回転(自転)の両方が行われ、敷設ケーブル2のケーブル巻胴43の範囲に整列密巻きが出来る。
【0073】
また、所要距離隔てた2点間の捻れ検知センサ(フォト捻じれセンサ12、10)の各々出力により、敷設ケーブル2の捻じれを検知し、ケーブルキンク発生の恐れがある場合には、敷設ケーブル2の巻き込みを行いつつ、ケーブルトラバーサー旋回台21を捻じれセンサー12と捻じれセンサー10の各信号出力から演算処理器28で算出したデータに基づいて、制御器27により駆動信号を旋回台駆動モータ41及び機台駆動モータ51の各々に送出して、旋回台21及び機台50と一体化の底端板44がケーブルの捻じれが解される方向で回転するように、何れもが適切に駆動回転する。すなわち、刻々の各々センサ出力信号を演算処理器28の演算結果と制御器27の制御信号により、ケーブル巻胴43部を回転して敷設ケーブル2を巻き込みつつ、ケーブルトラバーサ71を敷設ケーブル2の捻じれを解す方向に適宜な旋回を行わせる事によって、敷設ケーブル2のキンク障害の要因であるケーブルの捻れ解ぐし作動を行い、敷設ケーブル2の巻き入れが安全で、効果的に実施できる極めて有用な敷設ケーブルウインチ装置である。
【0074】
さらに、本発明の実施例として、敷設海域へ出航するに先立つ陸上施設のケーブルタンク17で、1ターン毎に1回転の捻りが誘引されている敷設ケーブル2の搭載時に船尾30シーブから第1のフォト捻れセンサと第2のフォト捻れセンサを経由し、回転式荷重計15、動輪形角度変位計を経由してケーブル巻取ドラムの図示していない端末コネクタに
連結させて、操作盤25によって所要の操作を行い巻き込む場合がある。
【0075】
この際に、張力が比較的小さい場合には、陸上施設のケーブルタンク17に置かれていた時のコイル巻き重ね数を勘案し、その分だけ捻り回数を相殺する方向に与えればよい。敷設海域現場においては、ケーブル巻取ドラムから動輪形角度変位計と回転式荷重計15、フォト捻れセンサ及び、フォト捻れセンサを経由して船尾30シーブの船尾30第1ローラ並びに群ローラを介して、DGPSを踏まえて所定の海域位置に敷設して行く。
【0076】
この際、敷設ケーブル2には陸上施設のケーブルタンク17で誘引された捻りについては、既に搭載時に開放されているものの、敷設ケーブル2の設計・製造時のひねり線構造による敷設ケーブル2固有の捻りが敷設吊下時の自重によって誘引される。この捻りは、ケーブル台船のピッチングによる船尾30シーブの上下動毎に敷設ケーブル2に捻りと解しが微妙に繰り返されることになるけれども、第1のフォト捻じれセンサと所要間隔の第2のフォト捻りセンサによる相対捻り量、及び回転式荷重計15出力値と動輪形角度変位計による相対角度出力並びに船尾30第1ローラとの固定角度による敷設ケーブル2の張力、の各々のセンサ出力を機器室26内の演算器にて計算すると共に適切な敷設ケーブル2繰出し速度と繰出し量をフィードバックするアクティブ制御を行いながら安全に敷設できるような仕組みとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の敷設ケーブルウインチ装置の全体図である。
【図2】本発明の要部の拡大概念図である。
【図3】本発明の要部の平面概要図(A)、正面概要図(B)及び側面概要図(C)である。
【符号の説明】
【0078】
1海底
2敷設ケーブル
3ケーブル輪
4敷設船
5船首
6船首シーブ
7甲板
8捻じれセンサ部
9センサ台(1)
10フォト捻じれセンサ(1)
11センサ台(2)
12フォト捻じれセンサ(2)
13動輪式角度変位計
14回転式線長計
15回転式荷重計
16リニアーケーブルエンジン
17ケーブルタンク
18甲板貫通孔
19ケーブルトラバーサ旋回器
20水平回転式ケーブル収納台
21旋回台
22導線類配設ライン
23ドラム軸
25操作盤
26機器室
27制御器
28演算処理器
29DGPS受信機
30船尾
31キャップ
32バランサー
33トラバーサ旋回器軸受
34トラバーサ軸腕部、34a,34b 軸受
35 挟持移動器(1)
36 扶持移動器(2)
37 扶持移動器(3)
38トラバーサ軸
39トラバーサ螺旋溝
40トラバーサガイド杆
41旋回台駆動モータ
42旋回台外縁平歯車列
43ケーブル巻胴
44収納台底端板
46旋回台軸受
48旋回台転子
49旋回台転子
50 機台
51 機台外縁平歯車列
52 機台駆動モータ
55 従動歯車群
56 導線引導器
57 導線ドラム
58 導線溜
62 光伝送系導線
63 制御信号系導線
64 通電系導線
70 ケーブル巻取ドラム
71 ケーブルトラバーサ
72 トラバーサ体
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2