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明細書 :レアメタル、白金族系金属抽出剤及びレアメタル、白金族系金属抽出方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5145536号 (P5145536)
公開番号 特開2008-274383 (P2008-274383A)
登録日 平成24年12月7日(2012.12.7)
発行日 平成25年2月20日(2013.2.20)
公開日 平成20年11月13日(2008.11.13)
発明の名称または考案の名称 レアメタル、白金族系金属抽出剤及びレアメタル、白金族系金属抽出方法
国際特許分類 C22B   3/26        (2006.01)
C22B  11/00        (2006.01)
C22B  34/14        (2006.01)
C22B   7/00        (2006.01)
B01D  11/04        (2006.01)
C09K   3/00        (2006.01)
C07D 341/00        (2006.01)
FI C22B 3/00 J
C22B 11/00 101
C22B 34/14
C22B 7/00 G
B01D 11/04 B
C09K 3/00 108B
C07D 341/00 ZAB
請求項の数または発明の数 6
全頁数 10
出願番号 特願2007-122166 (P2007-122166)
出願日 平成19年5月7日(2007.5.7)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 平成19年3月27日 社団法人 日本化学会主催の「日本化学会第87春季年会」に文書をもって発表
審査請求日 平成21年2月20日(2009.2.20)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504409543
【氏名又は名称】国立大学法人秋田大学
発明者または考案者 【氏名】近藤 良彦
【氏名】柴山 敦
【氏名】濱田 文男
【氏名】山田 学
【氏名】赤間 三浩
【氏名】今井 貴紀
個別代理人の代理人 【識別番号】100129838、【弁理士】、【氏名又は名称】山本 典輝
【識別番号】100110537、【弁理士】、【氏名又は名称】熊谷 繁
審査官 【審査官】日比野 隆治
参考文献・文献 特開平11-179104(JP,A)
特開2000-107505(JP,A)
特開2007-239066(JP,A)
特開2007-239088(JP,A)
特開2002-069261(JP,A)
国際公開第2008/139638(WO,A1)
KATSU,T. et al, Ethylammonium-selective membrane electrode usingp-tert-butylcalix[6]arene derivatives, Analytical Sciences, 2002, Vol.18,No.4, p.473-476
KYRS,M. et al, Synergistic solvent extraction of Eu, Sr and Cs intochlorobenzene solutions of the three conformers of tetrathiocalixarene anddicarbollide, Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 2003, Vol.258,No.3, p.497-509
調査した分野 C22B 1/00-61/00
B01D 11/04
C09K 3/00
C07D 341/00
特許請求の範囲 【請求項1】
一般式(1)
【化1】
JP0005145536B2_000011t.gif
(式中、Rは水素原子であり、Yは炭化水素基であり、Zはスルフィド基、スルフィニル基、又はスルホニル基であり、nは6である。)で表される環状フェノール硫化物を含有する、ジルコニウム及び/又はパラジウム抽出剤
【請求項2】
前記Yが、tert-ブチル基である、請求項1に記載のジルコニウム及び/又はパラジウム抽出剤。
【請求項3】
前記Zが、スルフィド基である、請求項1又は2に記載のジルコニウム及び/又はパラジウム抽出剤。
【請求項4】
ジルコニウム及び/又はパラジウムを含む溶液から、ジルコニウム及び/又はパラジウムを選択的に抽出する、請求項1~3のいずれかに記載のジルコニウム及び/又はパラジウム抽出剤。
【請求項5】
ジルコニウム及び/又はパラジウムを含む水溶液からジルコニウム及び/又はパラジウムを選択的に抽出する方法であって、
前記ジルコニウム及び/又はパラジウムを含む水溶液に、下記一般式(1)で表される環状フェノール硫化物を含有する有機溶液を接触させる工程、
【化1】
JP0005145536B2_000012t.gif
(式中、Rは水素原子であり、Yは炭化水素基であり、Zはスルフィド基、スルフィニル基、又はスルホニル基であり、nは6である。)
を備える、ジルコニウム及び/又はパラジウムの抽出方法。
【請求項6】
前記ジルコニウム及び/又はパラジウムを含む水溶液が、さらに、ロジウム、プラチナ、セリウム、バリウム、アルミニウム、ランタン、イットリウムからなる群から選ばれる一種以上の金属を含有する、請求項5に記載のジルコニウム及び/又はパラジウムの抽出方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、工場からの不良品、廃棄物、廃水等からレアメタルなど有用金属を回収する新規なレアメタル、白金族系金属抽出剤及びレアメタル、白金族系金属抽出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
日本では、レアメタル及び白金系金属、例えばコバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、銀(Ag)、カドミニウム(Cd)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、ネオジウム(Nd)、ユーロピウム(Eu)、テルビウム(Tb)、金(Au)、水銀(Hg)、ウラン(U)などは、触媒をはじめとして、水素貯蔵合金、電池、磁石など用途は多岐に渡っている。これら金属のほとんどは輸入に頼っており、資源の安定的な供給、環境保護の観点から、これらレアメタル及び白金系金属のリサイクルが重要な課題となっている。
【0003】
現在、工場からの不良品、廃棄物、廃水等から効率的なレアメタルなど有用金属の回収方法として、廃棄されたものを酸処理などの後水溶液とし、そこからレアメタルなどを抽出する溶媒抽出法がある。その溶媒抽出の抽出剤として様々な抽出剤が販売され、利用されている。しかし、この処理のときに産出される水溶液は様々なpH・濃度条件であり、また、様々な金属種類が混在している。このような条件の水溶液から選択的に金属を抽出することは、現状では多段階的且つ様々な抽出剤を複合して使用するなど、多くの時間や多大なコストが必要である。

【特許文献1】特開平11-179104号公報
【特許文献2】特開平11-199581号公報
【特許文献3】特開2000-107505号公報
【特許文献4】特開2000-178271号公報
【特許文献5】特開2001-149884号公報
【非特許文献1】Chem. Lett., 6, 2001. Talanta 62, 337, 2004
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、従来のレアメタル、白金系金属抽出剤にない全く新しい構造を有し、優れた抽出性能を有するレアメタル、白金系金属抽出剤及びそれを用いたレアメタル、白金系金属抽出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、先に基本骨格にフェノール骨格を4以上有する、環状フェノール硫化物の様々な誘導体を合成し、その金属イオンに関するセンシング能力、及び金属分離回収剤として有用であることを見出した(特開平11—199581号公報、特開2000—178271号公報)。 本発明者は前記環状フェノール硫化物群が様々なレアメタル、白金系金属を含有する溶液から選択的な金属の抽出が行えるものと考え、鋭意検討を重ねた結果、前記環状フェノール硫化物が様々な金属種を含有している溶液から選択的に特定の金属種を抽出することを見出し、本発明を完成するに至った。また、本発明は上記のレアメタル、白金系金属抽出剤によりレアメタル、白金系金属を選択的に抽出することを特徴とするレアメタル、白金系金属抽出方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明におけるレアメタル、白金系金属抽出剤は、工場からの不良品、廃棄物、廃水等から、多段階的且つ様々な抽出剤を複合して使用することなく、選択的にレアメタルなどの有用金属を回収することができる。
本発明におけるレアメタル、白金系金属抽出剤は、効率良く、工場等からの廃液中に含まれているレアメタルや白金族系金属を効率良く抽出することができ、尚且つ土壌や海水中からのレアメタルなどの有用な金属の回収に利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明におけるレアメタル、白金系金属抽出剤は、化1の一般式(1)
【0008】
【化1】
JP0005145536B2_000002t.gif
の環状フェノール硫化物を溶解させた溶液に数種のレアメタル、白金系金属が溶解した溶液を接触させることにより、レアメタル、白金系金属が環状フェノール硫化物溶液に移行し、レアメタル、白金系金属が抽出される。
環状フェノール硫化物溶液に使用する溶媒とレアメタル、白金系金属溶液に使用する溶媒は、お互い溶けにくい溶媒が使用される。これらの溶媒の好適な組合せとしては、環状フェノール硫化物溶液の溶媒が非水溶性の溶媒であり、レアメタル、白金系金属溶液の溶媒が水である組合せである。
この組合せによると、環状フェノール硫化物を非水溶性の溶媒に溶解させた溶液を、レアメタル、白金系金属が溶解した水溶液に接触させ、水溶液中のレアメタル、白金系金属を抽出することができる。
溶媒に対する化1の一般式(1)で表される環状フェノール硫化物の濃度は前記環状フェノール硫化物それぞれの溶解度によって上限が限定される以外は特に制限は無い。
【0009】
被抽出溶媒に溶解しているレアメタル、白金系金属の濃度は特に制限無く、通常は1000ppmが望ましい。
レアメタル、白金系金属水溶液のpHは特に制限は無いが、好ましくはpHが1~11である。
抽出温度は使用する溶媒の沸点以下であれば特に制限は無い。通常室温付近で行えばよい。
抽出操作は前記環状フェノール硫化物を溶解させた溶液とレアメタル、白金系金属が溶解した溶液を振とう、攪拌などにより互いに接触させることにより行われる。
振とう、攪拌の条件は特に制限は無いが、振とうは通常毎分60~200回程度行えばよい。
【実施例1】
【0010】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。但し、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものでない。
【0011】
(製造例1)
1000mL三口フラスコにp-tert-butylphenol300g(2.0mol)、ジフェニルエーテル64.0ml、エチレングリコール56.0mL(1.0mol)を入れ、窒素下加熱攪拌し、60℃に達したら、酸化カルシウム28.0g(0.5mol)を投入し、約20分で120℃まで昇温させ2時間反応させた。
反応後、エチレングリコール、生成した水を減圧溜去し、その時に同時に溜去してしまったジフェニルエーテルを追加後、窒素下加熱攪拌し、100℃に達したら硫黄95.9g(3.0 mol)を全量加え、230℃まで昇温させて3時間反応させた。
反応終了後、放冷し温度が110℃に達したらトルエン250mLを徐々に加えて、反応液の粘性を下げていき、4Nの硫酸500mL中に反応液を注ぎクエンチした。
析出した硫酸カルシウムを濾過し、濾液を飽和硫酸ナトリウム水溶液にて洗浄後、濃縮し、80℃に加温しておく。
別に準備しておいた酢酸1Lを80℃に加温しておき、そこに濃縮した反応液を注ぎ、約1時間80℃で攪拌後、室温で一晩放置した。
析出した沈殿を蒸留水にて洗浄後、未洗浄の酢酸を除くため、大量のクロロホルムに溶解させ、硫酸ナトリウム水溶液で洗浄した。
その後、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、一晩減圧乾燥させ、化2の環状フェノール硫化物中間体オリゴマ-を得た。
【0012】
【化2】
JP0005145536B2_000003t.gif

【0013】
(製造例2)
製造例1で得られた環状フェノール硫化物中間体オリゴマ- 30 g、ジフェニルエーテル64.0mL、水酸化ナトリウム3.99g、酢酸1.62gをこの順に500mLの三口フラスコに入れ窒素下加熱攪拌し、100℃で硫黄2.14gを全量加え約1時間で230℃まで昇温させ、4時間反応させた。
反応終了後、放冷し2Nの硫酸(100mL)を反応液に注ぎクエンチし、n-へプタン(100mL)を加え約10分間攪拌した。
その後、無水硫酸ナトリウム水溶液で硫酸を洗浄し水層と有機層に分け、有機層内のジフェニルエーテルを減圧溜去し、アセトンを加えて沈殿を析出させた。
析出した沈殿を濾取し減圧乾燥後、化3の環状フェノール硫化物の粗結晶を得た。粗結晶をクロロホルムに溶解させて再結晶化により生成を行う。
【0014】
【化3】
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【0015】
(製造例3)
製造例2得られた化合物 1077.13mg,(1mmol)、炭酸セシウム2935.71mg,(9mmol)を500mLの2口フラスコに入れ、窒素雰囲気にし、アセトン(100mL)を加え攪拌する。
その後、ブロモ酢酸エチル1335μL,(12mmol)を加え加熱撹拌し、リフラックスで3時間反応させる。
反応終了後、濃縮しアセトンを留去する。
その後、未反応のブロモ酢酸エチルを除くために、60℃で数時間減圧乾燥させる。
その後、クロロホルム(約100mL)に溶解させ、副生成物の塩を除くために、硫酸ナトリウム水溶液にて3回洗浄する。
得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ濃縮し、減圧下で十分乾燥させ粗生成物を得る。得られた粗生成物をエタノールからの再結晶により精製を行い、化4の目的物を得た。
【0016】
【化4】
JP0005145536B2_000005t.gif

【0017】
(製造例4)
製造例1得られた化合物1081.93mg,(1mmol)、炭酸カリウム1246.38mg,(9mmol)を500mLの2口フラスコに入れ、窒素雰囲気下で攪拌し、アセトン(100mL)を加える。
その後、ブロモ酢酸メチル1245μL,(12mmol)を加え加熱撹拌し、還流状態で24時間反応させる。
反応終了後、濃縮しアセトンを留去する。その後、未反応のブロモ酢酸メチルを除くために、60℃で数時間減圧乾燥させる。
その後、クロロホルム(約100mL)に溶解させ、副生成物の塩を除くために、硫酸ナトリウム水溶液にて3回洗浄する。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ濃縮し、減圧下で十分乾燥させ粗生成物を得る。
得られた組成生物をエタノールからの再結晶により精製を行い、化5の目的物を得た。
【0018】
【化5】
JP0005145536B2_000006t.gif

【0019】
(製造例5)
製造例3で得られた化合物(1.00g,0.63mmol)、水酸化ナトリウム(1.10g,27.5mmol)、エタノールと水の混合溶媒(250mL,3:2)を2口フラスコに入れ、24時間加熱還流した。
反応終了後、放熱し氷浴下で反応溶液がpH=1となるように4N-H2SO4(100mL)を注ぎ入れ、クエンチした。
その後、析出した沈殿物を吸引ろ過により濾取した。続いて同時に析出した硫酸ナトリウムを除くために、アセトンに溶解させ再びろ過し精製を行う。
【0020】
【化6】
JP0005145536B2_000007t.gif

【実施例2】
【0021】
製造例3、4、5で得られた環状フェノール硫化物誘導体によるレアメタル、白金族系金属抽出実験を行った。
抽出実験は上記環状フェノール硫化物をそれぞれクロロホルムに溶解させ2.92mMとした有機相50mLとレアメタル、白金族系金属として自動車触媒製造時により回収された白金族金属を塩酸、過酸化水素水の混合溶液に浸出させたPGM(Platinum-Group Metals)溶液( Rh 264.3 ppm, Pd 737.8 ppm, Pt 434.1 ppm, Zr 198.2 ppm, Ce >3840.5 ppm, Ba 2118.2 ppm, Al 2272.5 ppm, La 666.9 ppm, Y 36.3 ppm )を準備し、それを蒸留水にて50倍に希釈したPGM溶液(pH:0.8)50 mLを準備した。
準備した有機相と金属水溶液を200 mLの分液ロートに入れ、30分間浸透攪拌した。
その後、水層中の金属濃度をICP発光分析装置により分析し、その得られた結果をもとに抽出率( E% )を下記数1の式にて求めた。
【0022】
【数1】
JP0005145536B2_000008t.gif

【0023】
環状フェノール硫化物誘導体と水溶液中の金属濃度はモル濃度比1:1とした。
ただし、C0: 抽出前の水層中の金属濃度(ppm)、C : 抽出後の水層中の金属濃度(ppm)抽出結果を図1に示す。
【0024】
この結果から、蒸留水にて50倍に希釈した場合では、製造例5で得られたカルボン酸付加化合物は製造例3、4のエステル体付加化合物と比較してPd(74%)、Zr(90%)に対して選択的に高い抽出能力を示した。カルボン酸付加化合物ではPd、Zr以外の金属種についてはほとんど抽出されなかった。
【0025】
製造例3で示したエチルエステル付加化合物は特にPd(24%)、Zr(44%)に対して選択的に高い抽出能力を示した。
製造例5で示したメチルエステル付加化合物は特にPd(31%)、Zr(55%)に対して選択的に高い抽出能力を示した。
【実施例3】
【0026】
製造例3、4、5で得られた環状フェノール硫化物誘導体によるレアメタル、白金族系金属抽出実験を行った。
抽出実験は前記環状フェノール硫化物をそれぞれクロロホルムに溶解させ2.92mMとした有機相50mLとレアメタル、白金族系金属として自動車触媒製造時により回収された白金族金属を塩酸、過酸化水素水の混合溶液に浸出させたPGM (Platinum-Group Metals)溶液( Rh 264.3 ppm, Pd 737.8 ppm, Pt 434.1 ppm, Zr 198.2 ppm, Ce >3840.5 ppm, Ba 2118.2 ppm, Al 2272.5 ppm, La 666.9 ppm, Y 36.3 ppm )を準備し、それを塩酸にて50倍に希釈したPGM溶液 50 mLを準備した。
準備した有機相と金属水溶液を200 mLの分液ロートに入れ、30分間浸透攪拌した。
その後、水層中の金属濃度をICP発光分析装置により分析し、その得られた結果をもとに抽出率( E% )を下記数2の式にて求めた。
【0027】
【数2】
JP0005145536B2_000009t.gif

【0028】
環状フェノール硫化物誘導体と水溶液中の金属濃度はモル濃度比1:1とした。
ただし、C0 :抽出前の水層中の金属濃度(ppm)、C : 抽出後の水層中の金属濃度(ppm)抽出結果を図2に示す。
【0029】
この結果より、塩酸にて50倍に希釈した場合(pH:—1.0)では、製造例5で得られたカルボン酸付加化合物は全ての金属種においてほとんど抽出されなかった。
【実施例4】
【0030】
製造例3、4、5で得られた環状フェノール硫化物誘導体によるレアメタル、白金族系金属抽出実験を行った。
抽出実験は上記環状フェノール硫化物をそれぞれクロロホルムに溶解させ2.92mMとした有機相50mLとレアメタル、白金族系金属として各種金属( Rh, Pd, Pt, Zr, Ce, Ba, Al, La, Y)標準溶液(100ppm)を塩酸にて10倍に希釈した溶液50 mLを準備した。
準備した有機相と金属水溶液を200 mLの分液ロートに入れ、30分間浸透攪拌した。
その後、水層中の金属濃度をICP発光分析装置により分析し、その得られた結果をもとに抽出率( E% )を下記数3の式にて求めた。
【0031】
【数3】
JP0005145536B2_000010t.gif

【0032】
環状フェノール硫化物誘導体と水溶液中の金属濃度はモル濃度比1:1とした。
ただし、C0 :抽出前の水層中の金属濃度(ppm)、C : 抽出後の水層中の金属濃度(ppm)抽出結果を図3に示す。
【0033】
この結果より、塩酸にて10倍に希釈した場合では、製造例5で得られたカルボン酸付加化合物はBaに対して50%の抽出能力を示した。その他の金属種に関してはほとんど抽出能力は認められなかった。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の金属抽出剤は効率良く、工場等からの廃液中に含まれているレアメタルや白金族系金属を効率良く抽出することができ、尚且つ土壌や海水中からのレアメタルなどの有用な金属の回収に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】実施例2の抽出率(E%)を示すグラフ図である。
【図2】実施例3の抽出率(E%)を示すグラフ図である。
【図3】実施例4の抽出率(E%)を示すグラフ図である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2