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明細書 :金属コーティング方法および金属リングの製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4761167号 (P4761167)
公開番号 特開2009-013453 (P2009-013453A)
登録日 平成23年6月17日(2011.6.17)
発行日 平成23年8月31日(2011.8.31)
公開日 平成21年1月22日(2009.1.22)
発明の名称または考案の名称 金属コーティング方法および金属リングの製造方法
国際特許分類 C23C  18/31        (2006.01)
C23C  18/18        (2006.01)
FI C23C 18/31 A
C23C 18/18
請求項の数または発明の数 7
全頁数 9
出願番号 特願2007-174980 (P2007-174980)
出願日 平成19年7月3日(2007.7.3)
審査請求日 平成22年7月2日(2010.7.2)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503359821
【氏名又は名称】独立行政法人理化学研究所
発明者または考案者 【氏名】武安 伸幸
【氏名】田中 拓男
【氏名】河田 聡
早期審査対象出願または早期審理対象出願 早期審査対象出願
個別代理人の代理人 【識別番号】100100549、【弁理士】、【氏名又は名称】川口 嘉之
【識別番号】100090516、【弁理士】、【氏名又は名称】松倉 秀実
【識別番号】100106622、【弁理士】、【氏名又は名称】和久田 純一
【識別番号】100089244、【弁理士】、【氏名又は名称】遠山 勉
審査官 【審査官】瀧口 博史
参考文献・文献 特開平10-083819(JP,A)
特開平05-190580(JP,A)
特開平02-305970(JP,A)
調査した分野 C23C 18/00
C25D 5/02
特許請求の範囲 【請求項1】
微粒子を押しつぶす工程と、
押しつぶされた微粒子の側面に金属コーティングを施す工程と、
を含む金属コーティング方法。
【請求項2】
微粒子を2枚の基板で挟む工程と、
前記2枚の基板に力を加えて、前記2枚の基板で挟んだ前記微粒子を押しつぶす工程と、
前記微粒子が前記2枚の基板間に挟まれた状態で、前記2枚の基板間にメッキ溶液を入れ、前記押しつぶされた微粒子の側面に金属コーティングを施す工程と、
を含む金属コーティング方法。
【請求項3】
前記微粒子は球形であり、
前記微粒子を押しつぶす工程では、前記微粒子が円盤状となるように前記球形の微粒子を押しつぶし、
金属コーティングを施す工程では、前記金属コーティングを施すことによって、前記円盤状に押しつぶされた微粒子の外周に円環状の金属コーティングが得られる
ことを特徴とする請求項2に記載の金属コーティング方法。
【請求項4】
前記微粒子は四面体形状であり、
前記微粒子を押しつぶす工程では、前記微粒子が三角形状となるように前記四面体形状の微粒子を押しつぶし、
金属コーティングを施す工程では、前記金属コーティングを施すことによって、前記三角形状に押しつぶされた微粒子の外周に三角環状の金属コーティングが得られる
ことを特徴とする請求項2に記載の金属コーティング方法。
【請求項5】
前記微粒子を前記2枚の基板間に挟む工程において、高粘性液体に微粒子を混ぜて一の前記基板上に滴下することによって、前記微粒子の凝集を防ぐことを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載の金属コーティング方法。
【請求項6】
前記高粘性液体は、前記微粒子がその中で動けない程度の粘性を有する液体である
ことを特徴とする請求項5に記載の金属コーティング方法。
【請求項7】
請求項2~6のいずれかの方法によって前記側面がコーティングされた微粒子から、該微粒子を構成する物質を除去することによって金属リングを取り出す、ことを特徴とする金属リングの製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、金属コーティング方法および金属リングの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、マイクロメートルオーダー以下のサイズでの微細加工技術が注目されている。特に金属微細加工技術は、光学、電子・電気分野など応用範囲が広く、産業においてもその必要性が高い。このような背景から、マイクロガラスビーズやマイクロラテックスビーズ表面へ金属をコートして、微小金属球を作成する技術が進展してきた。
【0003】
ビーズへの金属コーティングには、通常、無電解メッキ法が用いられる。無電解メッキ法は、コートしたい金属のイオン水溶液に金属を還元するための還元剤を加えることによって、金属を物質表面に析出させる技術であり、古くから用いられている。無電解メッキ法によってコーティングすることにより、均一の厚さでコーティングされた微細金属球を一度に大量に製造することが可能である。
【0004】
また、微粒子表面の一部のみに金をコーティングする技術も知られている(非特許文献1)。この技術では、真空蒸着法を用いて、微粒子表面の半分を金でコーティングしている。

【非特許文献1】H. Takei and N. Shimizu, "Gradient Sensitive Microscopic Probes Prepared by Gold Evaporation and Chemisorption on Latex Spheres", Langmuir, vol. 13, pp. 1865-1868, April 1997
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
無電解メッキ法では、水溶液中の至る所で均一に還元反応が進行し、メッキ液に接する面は全て金属で覆われる。したがって、被メッキ物であるビーズの表面全てが金属で一様に覆われて金属球ができあがる。このことから、球以外の形状の金属構造を作ることは困難である。
【0006】
また、非特許文献1に記載の方法も、微粒子表面の半分をコーティングすることしかできない。
【0007】
本発明の目的は、リング状の金属構造を容易に作成することにある
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明では、以下の処理によって、金属コーティングを施す。
【0009】
本発明に係る金属コーティング方法は、微粒子を2枚の基板で挟む工程と、両基板に力を加えて、微粒子を押しつぶす工程と、微粒子が基板間に挟まれた状態で、基板間にメッキ溶液を入れ、押しつぶされた微粒子の側面に金属コーティングを施す工程と、を含む。
【0010】
このように、本発明では、押しつぶされた微粒子の側面に金属コーティングを施すことでリング状の金属構造を作成することが可能となる。この際、大量の微粒子に対して一度に金属コーティングを施せるので、一度に大量のリング状の金属構造を作成することが可能である。
【0011】
金属コーティングは、無電解メッキ法によって行うことが好適である。無電解メッキ法を用いることで、均一の厚さの金属コーティングが得られるとともに、電気不導体に対しても金属コーティングが可能となる。なお、被メッキ物である微粒子が導体である場合には、電解メッキ法によって金属コーティングを行っても良い。
【0012】
本発明において、微粒子として球形の微粒子を用いることができる。この場合、球形の微粒子は押しつぶされることで円盤状となり、金属コーティングによって環(円環)状の金属構造を得ることができる。
【0013】
なお、リング状の金属構造とは、円環状の金属構造に限られるものではなく、楕円や、三角形、四角形等の環(楕円環、三角環、四角環等)状の金属構造も含む。例えば、微粒子として四面体の微粒子を用いると、押しつぶされることで三角形状となり、金属コーティングによって三角環形状の金属構造を得ることができる。
【0014】
本発明の微粒子を基板間に挟む工程において、微粒子を高粘性液体に混ぜて基板上に滴下することによって、微粒子の凝集を防ぐことが好ましい。高粘性液体としては、混ぜた微粒子が溶けず、微粒子がその中で容易に動けない程度に粘性の高い液体であればどのようなものであっても採用できる。このような高粘性液体の例として、ポリマー溶液を挙げることができる。
【0015】
微粒子が凝集すると、押しつぶしたときに微粒子同士が接触してしまい、接触した部分には金属コーティングが施されなくなってしまう。すなわち、完全な環状の金属構造が得られず、一部が欠けてしまう。したがって、環状の金属構造を作成したい場合には、上記のようにして微粒子の凝集を防ぐことが好ましい。
【0016】
上記の方法によって側面が金属コーティングされた微粒子から、この微粒子を除去することで、金属リングのみを取り出すことができる。このように、本発明はリング状の金属構造(金属リング)の製造方法として捉えることができる。
【0017】
なお、上記金属コーティング方法によって、微粒子の側面に金属コーティングが施されるだけでなく、基板表面のうち、微粒子と接触していない部分に対してメッシュ状に金属コーディングが施される。したがって、上記の方法は、基板に対してメッシュ状に金属コーティングを施す金属コーティング方法としても捉えることが可能である。
【0018】
すなわち、本発明は、微粒子を2枚の基板で挟む工程と、両基板に力を加えて、微粒子を押しつぶして、微粒子と基板との接触面積を増加させる工程と、微粒子が基板間に挟まれた状態で、基板間にメッキ溶液を入れ、基板表面のうち微粒子が接触していない部分に金属コーティングを施す工程と、を含む金属コーティング方法として捉えることができる。
【0019】
金属コーティングを施す工程では、被メッキ物である基板の材料に応じて、無電解メッキ法および電解メッキ法のいずれを用いても良い。
【0020】
ここで、微粒子を基板間に挟む工程において、低粘性液体に微粒子を混ぜて基板に滴下し、低粘性液体を蒸発させることで、微粒子を単層に集積させることができる。低粘性液体としては、混ぜた微粒子が溶けず、微粒子がその中で容易に動ける程度に粘性の低い液体であればどのようなものであっても採用できる。このような低粘性液体の例として、水をあげることができる。このような低粘性液体を蒸発させると、微粒子が自己組織的に単層で六方最密格子状に整列する。この状態で、微粒子を押しつぶし、金属コーティングを
施すことで、基板表面には、整列したメッシュ状の金属コーティングを施すことができる。
【0021】
また、本発明はメッシュ状の金属構造の製造方法として捉えることができる。このようして得られたメッシュ状の金属構造は、微粒子のサイズ程度の波長を持つ電磁波を遮蔽する効果を持つので、電磁シールドに応用可能である。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、リング状の金属構造を容易に作成することが可能となる
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。
【0024】
(実施形態1.金属リングの製造方法)
本発明に係る金属コーティング法を用いて金属リングを製造する方法について説明する。
【0025】
本実施形態では、微粒子を基板間に挟んでその側面に金属コーティング(メッキ)を施すことで、金属リングを製造する。ここで、微粒子(粉体)のサイズとしては、数マイクロメートルから数ミリメートルを想定している。ただし、これよりも大きい粒径の粉体を対象とすることができる。
【0026】
<処理説明>
本実施形態では、ラテックスビーズを押しつぶして円盤状にし、その側面のみに金属コーティングを施すことで金属リングを得る。したがって、本実施形態に係る金属リングの製造方法は、大まかに、(1)ビーズを円盤状にする前処理(被メッキ物加工処理)、(2)金属コートを施すメッキ処理、(3)金属リングを抽出する抽出処理の3つに分けることができる。
【0027】
[1.被メッキ物加工処理]
被メッキ物を2枚の基板で挟んで円盤状に加工する前処理について説明する。
【0028】
被メッキ物としては、押しつぶすことが可能な材料であり、メッキを施す際に溶けてしまわない材料であればどのような材料であっても良いが、熱可塑性のポリマー樹脂やガラスを材料としたビーズを用いることが好適である。また、被メッキ物の形状として、ここでは、球形のビーズを用いる。
【0029】
まず、被メッキ物であるビーズ1をガラス基板2a上に配置する(図1(a))。これは、ビーズを液体中に混ぜ、この液体を基板2aに滴下することによって行う。そして、もう1枚のガラス基板2bを用いてビーズ1を挟む(図1(b))。そして、基板2bの上に重りを載せるなどして両基板に力を加え、ビーズ1を押しつぶす(図1(c))。ビーズ1として熱可塑性の材料を用いている場合には、基板全体をホットプレートなどの加熱器に載せて加熱しながら押しつぶす。このようにすることで、球形のビーズが押しつぶされて円盤状となる。
【0030】
実験で使用した材料は、ポリスチレンビーズ(Moritex社製、4250A、粒径50マイクロメートル)、スライドガラス、ポリ酢酸ビニルおよびメタノールである。まず、ポリ酢酸ビニル2gをメタノール10mlに溶かしてポリマー溶液を作る。そして、このポリマー溶液1mlに、ポリスチレンビーズ(水の中に分散している)を3滴加えた
。この溶液をスライドガラス上に滴下して、もう1枚のスライドガラスを用いて挟み込んだ。
【0031】
このように、ポリマー溶液中にビーズを混ぜることにより、スライドガラス上でのビーズの移動を制限することができ、自己組織化による凝集・接触を回避することができる。図2は、上記の方法によってスライドガラス上に配置されたポリスチレンビーズの顕微鏡写真である。図に示すように、ビーズ間に間隔があり凝集が起きていないことが分かる。なお、ここではポリ酢酸ビニルを用いたが、ビーズの凝集を防ぐことのできるような粘度の高い液体であればどのようなものを利用して良い。
【0032】
次に、ポリスチレンビーズを挟み込んだスライドガラスをクリップで挟み、125℃に設定した高温炉中に30分入れた。このように、ポリスチレンのガラス転移温度よりも高い状態とすることで、クリップによる圧力でポリスチレンビーズが円盤状に押しつぶされる。
【0033】
その後、試料を取りだし、アセトンやメタノールで良く洗浄してポリ酢酸ビニルを除去して、乾燥させる。これにより、被メッキ物に対する前処理が終了し、基板間でポリスチレンビーズが円盤状に押しつぶされる。
【0034】
[2.メッキ処理]
次に、被メッキ物に対するメッキ処理について説明する。
【0035】
メッキ処理は、被メッキ物であるビーズ1が2枚の基板間に挟まれた状態で行う。また、メッキ処理は、基板間にメッキ溶液を流し込んで無電解メッキ法によって行う(図1(d))。金属コーティングは、ビーズ1の表面のうちメッキ溶液と接触する部分になされる。円盤状に押しつぶされたビーズ1の上下の面は基板2a,2bに密着しているので、ビーズ1の側面のみに金属コーティングが施される。したがって、リング状の金属コーティングが施される。
【0036】
メッキに使用する金属はどのような金属であっても良いが、実験では金を用いた。無電解メッキを行うために、金イオンを含んだ水溶液と金イオンを還元するための溶液を準備した。金イオンを含んだ水溶液は、塩化金酸と水酸化ナトリウムを純水に溶かして濃度がそれぞれ0.024mol/L、0,75mol/Lの水溶液を調製した。還元剤には、水で希釈したグリセリン(濃度は0.5体積%)を準備した。
【0037】
これらの溶液を混ぜた後、押しつぶされたビーズを挟んでいる2枚のガラス基板間に入れる。このとき、2枚のガラス基板を溶液に浸すだけで、溶液は毛細管現象によってガラス基板間に自然に入っていく。また、ビーズを挟み込む際に2枚のスライドガラスを完全に重ね合わせずに少しずらしてテラスを作っておくと、そこにメッキ溶液をキャストするだけで容易にガラス基板間に侵入する。したがって、用意するメッキ溶液の量を節約することができる。
【0038】
円盤状のビーズの側面だけにメッキ溶液は接することができるので、結果として、金リングができあがる。図3に、メッキ処理が施されたビーズの顕微鏡写真を示す。中央の丸いものが円盤状のガラスビーズである。粒径50マイクロメートルのビーズを潰しているので、円盤の直径は60マイクロメートル程度となっている。そして、この円盤状のビーズの側面に、0.5マイクロメートル程度の金メッキが施されているのが見て取れる。
【0039】
[3.抽出処理]
クリップをはずして、ガラス基板を剥ぐと側面が金属コーティングされた円盤状のビー
ズが得られる(図1(e))。ガラス基板を剥ぐと、ビーズは両方の基板に均等に付着されているが、前処理時に熱の影響を受けない剥離剤を一方の基板に塗布しておくことで、ガラス基板を剥いだ際に剥離剤を塗布していないもう一方の基板にだけ、選択的に金属リングビーズがついたものが得られる。金属リングビーズは、ガラス基板に付着した状態で使用しても良いし、ガラス基板から剥がして利用しても良い。
【0040】
また、ビーズを除去して金属リングだけ取り出したい場合には、ベンゼンなどの有機溶媒でビーズを溶かして金属リングのみを残すことができる。
【0041】
<変形例>
上記の説明では、球形のビーズを押しつぶして円盤状にし、円環状の金属リングを製造する方法について述べた。しかしながら、球形以外のビーズを用いることで、他の形状の金属リングを得ることができる。例えば、四面体形状のビーズを押しつぶしてコーティングすると三角環の金属リングが得られる。このように、最終的に作成したい金属リングの形状に合わせて、最初に準備するビーズの形状を選択することができる。
【0042】
また、上記の説明では被メッキ物として電気不導体であるラテックスビーズを採用したので無電解メッキ法によって金属コーティングを施したが、被メッキ物が導体である場合には電解メッキ法によって金属コーティングを施すこともできる。また、被メッキ物が電気不導体であっても、導電性の物をコートすれば電解メッキにより金属コーティングを施せる。
【0043】
(実施形態2.メッシュ状金属コーティングの製造方法)
上記実施形態1のメッキ処理において、メッキ溶液と接するガラス基板表面にもメッキ処理が施される。この際、押しつぶされたビーズと接触している部分には金属コーティングがなされない。このことに着目して、ビーズの配置を工夫することで、基板上への金属コーティングパターンを制御可能であり、以下のようにして、メッシュ状の金属コーティングを行うことができる。
【0044】
本実施形態も基本的に上記実施形態1と同様の処理を行う。ただし、実施形態1ではビーズの凝集を防ぐためにポリマー溶液にビーズを混ぜてガラス基板上に滴下していたが(図1(a))、本実施形態では自己組織化によってビーズが整列するようにする。
【0045】
具体的には、1mlの水の中にポリスチレンビーズを3滴加える。このポリスチレンビーズを含む水をガラス基板上に滴下し、そのままの状態で水を蒸発させる。すると、ビーズは自己組織的に凝集し、基板上に単層で六方最密格子状に敷き詰められる。そして、別の基板を用いてビーズを挟み込んで押しつぶすことで、ビーズと基板との接触面積が増加する。ビーズと接触している部分には金属コーティングが施されないので、メッシュ状の金属コーティングを得ることができる。なお、ビーズを押しつぶす量を制御することでコーティングされる量(メッシュの目の大きさ)を調整することができる。
【0046】
図4は、上記の方法によってガラス基板にメッシュ状の金属コーティングを施した際の、顕微鏡写真を示す。図中の白い部分がビーズが存在し金属コーティングが施されていない部分であり、黒い部分が金属コーティングが施された部分である。
【0047】
このようなメッシュ状の金属構造は、金属リング(すなわちメッシュの網目一つ)のサイズ程度の波長を持つ電磁波を遮断する効果がある。したがって、このようなメッシュ状の金属コーティングがされた基板は、電磁シールドとして応用が可能である。遮蔽したい電磁波の波長に応じて、使用するビーズの粒径を選択することが好ましい。
【0048】
なお、金属コーティングを施す対象は、ガラス基板である必要はない。特に電磁シールドへの応用を考慮すると、ビーズを押しつぶすことのできる強度その他の特性を有するのであれば、ポリマーフィルムなどに金属コーティングを施すことも好ましい。
【0049】
メッシュ状の金属コーティングを施す場合にも、被メッキ物である基板の材料に応じて、無電解メッキ法および電解メッキ法のいずれも採用可能である。基板が電気不導体である場合には無電解メッキ法を用いる必要があるが、基板が導体である場合には電解メッキ法を用いることもできる。なお、基板が導体であるというのは、基板そのものが導電性を持つ場合に加えて、不導体基板に金属薄膜コートやITO膜コートなどの導電コーティングを付加したものも含まれる。また、電解メッキ法を採用した場合であって、ビーズに電気不導体を採用した場合には、ビーズには金属コーティングが施されないことになるが、メッシュ状の金属コーティングを得ることが目的であるので特に問題はない。
【産業上の利用可能性】
【0050】
リング状の金属構造(金属リング)は、メタマテリアルを構成する微小光共振器に利用することができる。メッシュ状の金属構造は、電磁シールドとして利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本実施形態に係る金属コーティング方法を説明する図である。
【図2】凝集しないようにガラス基板上に配置されたラテックスビーズの光学顕微鏡写真である。
【図3】本実施形態に係る金属コーティング法によって作成されたリング状に金コートされたラテックスビーズの光学顕微鏡写真である。
【図4】本実施形態に係る金属コーティング方法によってメッシュ状に金コートされたガラス基板の光学顕微鏡写真である。
【符号の説明】
【0052】
1 ビーズ
2a,2b ガラス基板
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3