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明細書 :エマルションフローを利用した連続液-液抽出装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5565719号 (P5565719)
公開番号 特開2008-289975 (P2008-289975A)
登録日 平成26年6月27日(2014.6.27)
発行日 平成26年8月6日(2014.8.6)
公開日 平成20年12月4日(2008.12.4)
発明の名称または考案の名称 エマルションフローを利用した連続液-液抽出装置
国際特許分類 B01D  11/04        (2006.01)
FI B01D 11/04 102
請求項の数または発明の数 6
全頁数 10
出願番号 特願2007-136496 (P2007-136496)
出願日 平成19年5月23日(2007.5.23)
審査請求日 平成22年3月5日(2010.3.5)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】505374783
【氏名又は名称】独立行政法人日本原子力研究開発機構
発明者または考案者 【氏名】長縄 弘親
【氏名】柳瀬 信之
【氏名】永野 哲志
個別代理人の代理人 【識別番号】100140109、【弁理士】、【氏名又は名称】小野 新次郎
【識別番号】100075270、【弁理士】、【氏名又は名称】小林 泰
【識別番号】100080137、【弁理士】、【氏名又は名称】千葉 昭男
【識別番号】100096013、【弁理士】、【氏名又は名称】富田 博行
【識別番号】100092015、【弁理士】、【氏名又は名称】桜井 周矩
審査官 【審査官】神田 和輝
参考文献・文献 特開昭61-216702(JP,A)
特開平03-249931(JP,A)
特開平05-068806(JP,A)
特開2005-125274(JP,A)
特開2005-279326(JP,A)
特開2006-187718(JP,A)
特表平09-500799(JP,A)
調査した分野 B01D 11/00-11/04
B01D 17/00-17/12
B01F 1/00-5/26
B01J 13/00
B01J 19/00-19/32
特許請求の範囲 【請求項1】
送液ポンプによる水溶液の送液のみを利用して、筒状のカラム部内に設けられた微細化ヘッドを通じて水溶液を微細化して、当該カラム部内の抽出溶媒の中に噴出することにより、水相と抽出溶媒相が混合してエマルション状態の流れであるエマルションフローを作り、
筒状のカラム部内で、水相と抽出溶媒相の間の液-液界面反応が促進され、水相中の目的成分が迅速且つ効率的に抽出溶媒相に抽出され、
次いで、カラム部の径よりも拡径した径を有し、カラム部の体積よりも大きな体積を有する相分離部にエマルションフローを流入させて、縦方向の一定の流れを乱すとともに流速を減少させることで、エマルション状態を即座に解消させる、
ことを特徴とするエマルションフローを利用した、送液と同時に2液相混合を進行させる連続液-液抽出装置。
【請求項2】
エマルションフローによる抽出及びエマルションの消失による相分離を1つの容器内でほとんど同時に進行させることで、迅速な連続的抽出を可能とする、請求項1に記載の連続液-液抽出装置。
【請求項3】
水溶液を微細化して噴出する機能を有する微細化ヘッド、エマルション状態を維持するための筒状のカラム部、水相と抽出溶媒相の相分離を促す形状の部分の相分離部、及び送液ポンプから成り、
カラム部と相分離部の間に仕切りはなく容器として一体であり、
微細化ヘッドからの微細化された水溶液がカラム部内の抽出溶媒中に噴出されるように、微細化ヘッドは筒状のカラム部内に位置づけられている、
請求項1又は2に記載の連続液-液抽出装置。
【請求項4】
微細化ヘッドが、耐溶媒性樹脂を素材とする円筒の一端を10μmから200μmのメッシュを有する耐溶媒性樹脂製のシートで覆った構造、又は耐溶媒性樹脂を素材とする一端の閉じた円筒の回りに適当数の穴をあけ、その表面を耐溶媒性樹脂のシートで覆った構造であるところの、請求項3に記載の連続液-液抽出装置。
【請求項5】
カラム部が、エマルション状態を長く維持させるための筒状部分を有し、筒壁における微細化水滴どうしの会合を防ぐため、疎水性樹脂を材料とする筒、又は内側を疎水加工もしくは疎水性シートで覆ったガラス筒を用いる、請求項4に記載の連続液-液抽出装置。
【請求項6】
相分離部が、エマルション状態における液-液界面反応が十分に達成できた後、速やかに水相と抽出溶媒相とを相分離させる部分であり、カラム部の径よりも拡径した径を有し、カラム部の体積よりも大きな体積を有する相分離部にエマルションフローを流入させて、縦方向の一定の流れを乱すとともに流速を減少させることで、エマルション状態を即座に解消させることを特徴とする、請求項4に記載の連続液-液抽出装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
水溶液に含まれる金属イオンなどの成分を、抽出剤を含む水と混じり合わない溶媒(有機溶媒など)に抽出する液-液抽出法(溶媒抽出法)は、金属の精製、核燃料の再処理、廃水中の微量有害成分の除去、有価物質の分離・回収による再資源化など、広く産業で利用されている。水溶液中の目的成分を効率的に溶媒抽出するためには、水相と抽出溶媒相をよく混合することによって液-液界面の面積を大きくすることで、界面反応を促進させる必要がある。そこで、通常は、振とう、撹拌などを持続的に行って、エマルション状態(水と有機溶媒などが混じりあって白濁した状態)を十分な時間、維持させることにより、液-液間の物質移行を平衡状態に達せしめる。
【0002】
本発明は、振とう、撹拌などを用いることなく連続的にエマルション状態を発現させ、尚且つエマルション状態の流れ(エマルションフローと称する)を利用することで、水相と抽出溶媒相との効率的な接触を迅速に完了させる方法、及びエマルションフローによる2液相接触を利用した連続液-液抽出装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
連続的に一定流量の水相と抽出溶媒相を導入しながら水相中の成分を抽出溶媒相に抽出する装置としては、撹拌機を利用するミキサセトラが広く普及している。また、パルス発生を液滴分散に利用したパルスカラム、遠心力を利用して分散・相分離を行う遠心抽出器といった比較的新しい連続液-液抽出装置も、様々な産業分野で利用されつつある。表1に、これらの既存の液-液抽出装置の間で比較されるいくつかの項目についてまとめた。いずれの液-液抽出装置も大量の溶液処理に適しており、総合的に判断すると、迅速性、混合状態の良好さ、コンパクトさのいずれについても良好と評価できる遠心抽出器が最も優れている。その一方で、どの既存装置も、操作性の悪さ、廃液の発生、流速・流量などの変化に対する弱さ、運転コスト及びメンテナンスコストの大きさ、安全面での不安など、いくつかの共通する問題点を抱えている(表2を参照)。
【0004】
【表1】
JP0005565719B2_000002t.gif

【0005】
【表2】
JP0005565719B2_000003t.gif

【0006】
溶媒抽出法では、水相と抽出溶媒相を十分に混合して液-液界面の面積を大きくする必要がある。水相と抽出溶媒相が混じり合い白濁したエマルション状態は、物質の相間移動(すなわち、溶媒抽出)に最も適した状態である。従来、混じり合わない2液相をエマルション状態にするためには、振とう、撹拌、遠心力、あるいは超音波による微振動といった機械的作用を持続的に与える方法がとられる。たとえば、ミキサセトラや遠心抽出器では、持続的な撹拌もしくは遠心力によってエマルション状態を維持させる。バッチ式の溶媒抽出では、2液相の持続的な振とうによってエマルション状態を維持させる装置(水平式もしくは縦振り式の振とう機、ボルテックスミキサーなど)が用いられる。
【0007】
一方、パルスカラムでは、振とうの替わりにパルスを与えることで多孔板から水相を抽出溶媒相に液滴として分散させるが、エマルション状態にまでは至らない。また、エマルションは両相に超音波を当てることによっても生じるが、エマルションのサイズが小さくなり過ぎるために超音波を止めてもすぐに相分離が起こらない(たとえば、静置状態で相分離に10時間以上を要する)。溶媒抽出では、十分な両相の混合だけではなく速やかな相分離も重要であるため、超音波によってエマルション状態をつくりだす方法は適切とは言えない。また、超音波による継続的な微振動は、装置の材質劣化や接合部の破損をもたらす点からも好ましくはない。
【0008】
振とう、撹拌、あるいは遠心力を利用する方法は、通常の液-液抽出においてマクロ量の溶液を扱うほとんどの既存抽出装置に共通する原理である。しかしながら、2液相の混合に十分な機械的作用を絶えず一定に与え続けなければならないことは、必然的にいくつかのデメリットを派生させる。
【0009】
たとえば、1)機械的作用の持続的発生に大きなエネルギー負担を強いられるため、運転コストが大きい、2)持続的機械力を発生させる駆動部の負担が大きく、メンテナンスコストが大きい、3)連続抽出では、機械的作用を一定且つ精度良くコントロールしなければ抽出装置を安定に運転できないことから、常に調整作業を要するので、操作性が悪い、4)駆動部に強度の高い材料(たとえば、ステンレススチール)を必要とする、5)振とう、撹拌、あるいは高速回転に伴う騒音が発生する、が挙げられる(表2を参照)。現時点において、持続的機械力に依らず2液相をエマルション状態のまま保持する方法及びその方法を利用した連続液-液抽出装置は、まだ知られていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、表1に記したすべての項目について満足が得られ、尚且つ表2に挙げた既存装置(ミキサセトラ、パルスカラム、及び遠心抽出器)が共通に持っている欠点のすべてが克服できる連続液-液抽出の方法、及びその方法を利用した装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明者は、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、持続的な機械力(振とう、撹拌、遠心力など)に依ることなく、2液相を安定なエマルション状態にすることに成功した。この方法を利用すれば、運転・維持コストが小さく、操作性が高く、安全性が高く、騒音もほとんど発生しない連続液-液抽出装置の創製が可能になる。
【0012】
具体的には、水溶液を微細化して噴出する機能を有するヘッド部を通じて、水相を抽出溶媒相の中に導入することにより、撹拌などの機械的作用を持続的に与えることなく、安定なエマルション状態を連続的な流れとしてつくりだせることを見出した。また、エマルション状態の流れであるエマルションフローは、容器形状が大きく変化する部位において速やかに消失することも、併せて発見した。本願発明装置であるエマルションフローを利用した連続液-液抽出装置では、既存の連続液-液抽出装置とは異なり、送液と同時に2液相混合が進行するため、送液のエネルギー負担のみが存在し、2液相混合に要するエネルギー負担は事実上存在しない。
【0013】
本願発明は、以上のような新しい知見に基づいて完成されたものである。本願発明では、まず第一に、エマルションフローを利用した新しい液-液抽出の原理を提案する。第二には、その新原理を利用した連続液-液抽出装置を提供する。
【発明の効果】
【0014】
上記の通りの本願発明による方法を用いれば、従来の連続液-液抽出装置に共通する問題点(操作性の悪さ、コスト高、安全面での不安など)のすべてが解消され、尚且つ、迅速性、大量処理能力、効率性、コンパクトさについては、最良の既存装置(遠心抽出器)に匹敵する性能を有する装置の創製が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
エマルションフロー抽出装置の小型プロトタイプを製作し、エマルションフローの発生原理、及びその抽出性能の評価を行った。装置の概要を図1に示す。抽出性能評価としては、10 Lの試料水溶液中に含まれる微量成分を0.05Lの抽出溶媒相に抽出・濃集する実験を行った。その結果、表1に示したすべての項目にほぼ満足な結果が得られるとともに、既存装置では叶わなかった表2に挙げた項目についても、それらすべてを満足できることがわかった。
【0016】
本発明を図1に基づいて説明する。試料水溶液リザーバーと連続液-液抽出装置とを結合する導管に設けられた送液ポンプにより、リザーバーからの水溶液を、抽出装置のヘッド部である水溶液微細化用の円筒を通し、そのヘッド部が配置されている抽出溶媒中に噴出する。この水溶液を微細化して抽出溶媒中に噴出させる機能を有する円筒は、例えば、耐溶媒性樹脂を素材とする円筒の一端を10μmから200μmのメッシュを有する耐溶媒性樹脂製のシートで覆った構造のもの、又は耐溶媒性樹脂を素材とする一端の閉じた円筒の回りに適当数の穴をあけ、その表面を前述のような樹脂製シートで覆った構造のものである。抽出溶媒が水よりも軽い液体である場合、図1に示すように、ヘッド部を装置上部に配置して上から下に向けて水溶液を噴出させるが、抽出溶媒が水よりも重い液体の場合には、図1とは上下が逆になり、ヘッド部を装置下部に配置して下から上に向けて水溶液を噴出させることになる。
【0017】
水溶液を微細化して抽出溶媒中に噴出させることにより、抽出装置のカラム部には、水溶液と抽出溶媒との混合相からなる流れ(エマルションフローと称する)が発生する。その混合相が抽出装置の相分離部に到達して水溶液相と抽出溶媒相に分かれ、水溶液相は排水として取り出される一方、抽出溶媒相は再びエマルションフローの中に取り込まれる。抽出溶媒が水よりも軽い液体である場合、図1に示すように、エマルションフローは下降流となって発生し、水溶液相は装置下部から排水されるが、抽出溶媒が水よりも重い液体の場合には、図1とは上下が逆になり、エマルションフローは上昇流となって発生し、水溶液相は装置上部から排水されることになる。
【0018】
カラム部でのエマルション状態によって液-液界面反応が十分に達成できた後、相分離部において速やかに水相と抽出溶媒相とが相分離される。かかる相分離は、カラム部から相分離部にかけての容器の急激な形状・体積の変化により、縦方向の一定の流れを乱すとともに流速を激減させることで、エマルション状態を即座に解消させることで行われる。抽出溶媒が水よりも軽い液体である場合、図1に示すように、相分離部は装置下部に位置するが、抽出溶媒が水よりも重い液体の場合には、図1とは逆に、相分離部は装置上部に位置することになる。以下に、いくつかの具体的な実施例を示す。
【実施例】
【0019】
(実施例1)装置の製作とエマルションフローの発生実験
エマルションフロー連続液-液抽出装置の小型プロトタイプを製作した(図1参照)。ヘッド部には、70μmのメッシュを有するテフロンシートで覆った一端の閉じたポリプロピレン製の筒(直径2 mmの穴を24個あけたもの)を用いた。また、カラム部の直径は30 mm、長さは400 mmであり、相分離部の底面の直径は150 mmである。
【0020】
図2(b)に、抽出溶媒相として抽出剤であるビス(2-エチルヘキシル)リン酸(DEHPA)を1 × 10-2 M含むイソオクタン(0.05L)を用い、そこに、送液ポンプによって水を装置に0.5L/分の流量で通液したときの、エマルションフローの発生を写真で示す。ポンプを起動して5秒程度で、安定なエマルションフローが発生した。一方、図2(a)には、送液ポンプによって水を装置に通液していないときの状態が示されている。
(実施例2)Yb(III)及びU(VI)の抽出率と通液量との関係
(実施例1)で製作した装置を用いて、金属イオンの抽出に対する性能試験を行った。金属イオンとしてYb(III)及びU(VI)を選び、抽出剤としてDEHPAを用いて、これらの金属イオンの抽出率と通液量との関係を調べた。試料水溶液(水相)の体積は10L、抽出溶媒相の体積は0.05Lであり、抽出溶媒にはイソオクタンを用いた。水相は、硝酸を加えてpHを2.0に調整し、水相中のYb(III)及びU(VI)の濃度は、それぞれ6 × 10-6 M、4 × 10-8 Mとした。また、抽出溶媒相中の抽出剤(DEHPA)の濃度は1 × 10-2Mとした。水相のフィード流量は、0.5L/分で行った。なお、排水された水相を2L毎に少量採取し、それぞれの金属イオンの濃度を誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS)を用いて測定した。図3はその結果であり、水相のフィード流量が0.5L/分の場合、Yb(III)、U(VI)のいずれについても、通液量に関係なく、およそ90%の抽出率が得られることを示している。
(実施例3)水相のフィード流量とYbの抽出率との関係
(実施例1)で製作した装置を用いて、運転の安定性の観点から、フィード流量変化の影響についての性能試験を行った。金属イオンとしてYb(III)を選び、抽出剤としてDEHPAを用いて、試料水溶液(水相)のフィード流量とYb(III)の抽出率との関係を調べた。水相の体積は10L、抽出溶媒相の体積は0.05Lであり、抽出溶媒にはイソオクタンを用いた。水相は、硝酸を加えてpHを2.0に調整し、水相中のYb(III)の濃度は6 × 10-6 Mとした。また、抽出溶媒相中の抽出剤(DEHPA)の濃度は1 × 10-2 Mとした。フィード流量は、0.5L/分及びその半分以下の0.22L/分として、図3と同様に排水された水相を2L毎に少量採取し、それぞれのフィード流量の場合でのYb(III)の抽出率を比較した。図4はその結果であり、フィード流量が大きく変わっても、Ybの抽出率はほとんど変化せず、およそ90%であることを示している。
(実施例4)装置を停止したときに再開に要する時間
運転していた装置を一旦、完全に停止させた後、再度、送液ポンプを起動してから安定なエマルションフローが発生するまでの時間を測定した。
【0021】
水相のフィード流量を0.5L/分として装置を運転中に、送液ポンプを突然停止させた。2分経過した後、再度、流量を0.5L/分として送液ポンプを稼働させたところ、約5秒でエマルションフローが安定に発生している状態にまで到達することがわかった。すなわち、突然にフィードが完全停止しても、調整作業を要することなく、即座に運転を再開できることがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0022】
水溶液中に含まれる目的成分の精製、有価成分の分離・回収による再資源化、有害成分の除去など、様々な産業分野において、液-液抽出のニーズは高い。本願発明の液-液抽出に関する方法及び装置は、産業利用において非常に有利に働く数々の特徴をもつ。たとえば、運転コスト及びメンテナンスコストが小さく、且つ装置そのものも安価であるという特徴は、産業利用上、重要な要素である。また、人件費などの面から、長時間の調整作業を要しないこと、運転状況を見張る必要がないこと、熟練を要することなく経験がなくても誰もが簡単に操作できることは、従来の装置にはない格別の利点である。さらに、運転に伴う廃液が生じないこと、既存装置と比べて安全性が高いこと、騒音が発生しないことなどのメリットは、環境への配慮という点から重要である。以上に加え、迅速性、大量処理能力、効率性、コンパクトさについては、最良の既存装置(遠心抽出器)に匹敵するため、今後、液-液抽出が関係する多くの産業において、大いに活用されるものと期待できる。また、今までの装置にはない種々の優れた特徴から、液-液抽出の新しい市場を開拓することも期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】: 製作したエマルションフロー連続液-液抽出装置(小型プロトタイプ)の概要を示す図である。
【図2】: (a)は通液しないときの状態を示し、(b)は送液ポンプを用いて水相を装置に通液したときのエマルションフローの発生を示した図である。
【図3】: 金属イオンに対する抽出性能試験の結果であり、Yb(III)及びU(VI)の抽出率と通液量との関係を示す図である。
【図4】: 運転の安定性に関する性能試験の結果であり、水相のフィード流量の違いがYb(III)の抽出率に与える影響を示す図である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3