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明細書 :複合金属触媒

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5172249号 (P5172249)
公開番号 特開2009-061353 (P2009-061353A)
登録日 平成25年1月11日(2013.1.11)
発行日 平成25年3月27日(2013.3.27)
公開日 平成21年3月26日(2009.3.26)
発明の名称または考案の名称 複合金属触媒
国際特許分類 B01J  31/24        (2006.01)
C07C  45/51        (2006.01)
C07C  49/203       (2006.01)
C07C  67/475       (2006.01)
C07C  69/54        (2006.01)
C07C  49/217       (2006.01)
C07B  61/00        (2006.01)
FI B01J 31/24 Z
C07C 45/51
C07C 49/203 A
C07C 67/475
C07C 69/54 Z
C07C 49/217
C07B 61/00 300
請求項の数または発明の数 1
全頁数 10
出願番号 特願2007-228819 (P2007-228819)
出願日 平成19年9月4日(2007.9.4)
審査請求日 平成22年8月19日(2010.8.19)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】507219686
【氏名又は名称】静岡県公立大学法人
発明者または考案者 【氏名】赤井 周司
【氏名】江木 正浩
個別代理人の代理人 【識別番号】100093230、【弁理士】、【氏名又は名称】西澤 利夫
審査官 【審査官】大城 公孝
参考文献・文献 特開2009-029733(JP,A)
特開平10-151349(JP,A)
特開平04-288035(JP,A)
YU, M. et al,Gold-Catalyzed Efficient Formation of α,β-Unsaturated Ketones from Propargylic Acetates,Adv. Synth. Catal.,2007年 4月17日,Vol.349, No.6,p.871-875,doi:10.1002/adsc.200600579
LORBER, C. Y. et al,Cis-dioxomolybdenum(VI) Complexes as New Catalysts for the Meyer-Schuster Rearrangement,Tetrahedron Lett.,1996年 2月 5日,Vol.37, No.6,p.853-856,doi:10.1016/0040-4039(95)02324-0
調査した分野 B01J 21/00-38/74
JSTPlus(JDreamII)
CAplus(STN)

特許請求の範囲 【請求項1】
MoO2(acac)2、MoO2(tBuCOCH2COtBu)2、MoO2(OSiPh3)2、およびMoO2Cl2から選ばれる少なくとも1種である(ここで、acacはアセチルアセトン(CH3COCH2COCH3)、tBuはtert-ブチル(C(CH3)3)、Phはフェニル(C6H5)を表わす)遷移金属化合物、AuCl(PMe3)、AuCl(PEt3)、AuCl(PPh3)、AuCl[P(C6H4-p-CF3)3]、およびAuCl[P(tBu)2(o-biphenyl)]から選ばれる少なくとも1種である(ここで、Meはメチル(CH3)、Etはエチル(C2H5)、Phはフェニル(C6H5)、tBuはtert-ブチル(C(CH3)3)を表わす)金化合物、AgOTf、AgClO4、AgBF4、AgPF6、AgSbF6、AgOAc、AgOCOCF3、AgNTf2、AgOTs、およびAgOMsから選ばれる少なくとも1種である(ここで、Tfはトリフルオロメタンスルホニル(CF3SO2)、Acはアセチル(COCH3)、Tsはp-トルエンスルホニル (p-CH3-C6H4-SO2)、Msはメタンスルホニル(CH3SO2)を表わす)銀化合物の3種の金属化合物からなる、一般式(1)、
【化1】
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(式中、R1およびR2は同一もしくは異なって、水素原子低級アルキル基低級アルケニル基低級アルキニル基アリール基アラルキル基ヘテロアリール基低級アルコキシ基またはシリル基を表す。またはR1とR2の各アルキル基は互いに結合して脂肪族単環または脂肪族複素単環を形成していてもよく、さらに同単環には芳香環が縮合していてもよい。R3 は水素原子低級アルキル基低級アルケニル基低級アルキニル基アリール基アラルキル基ヘテロアリール基低級アルコキシ基アリールオキシ基ヘテロアリールオキシ基低級アルキルチオ基アリールチオ基ヘテロアリールチオ基アミノ基アシルアミノ基カルバモイル基シリル基シリルオキシ基アシル基アシルオキシ基低級アルコキシカルボニル基アリールオキシカルボニル基ヘテロアリールオキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、またはシアノ基を表わす。またはR2とR3の各アルキル基は互いに結合して脂肪族単環または脂肪族複素単環を形成していてもよく、さらに同単環には芳香環が縮合していてもよい)で示されるプロパルギルアルコール化合物を転位させて一般式(2)、
【化2】
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(式中、R1 、R2 およびR3 は上記と同じ。)で示されるα,β-不飽和カルボニル化合物を合成する反応に用いられる複合金属触媒。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は複合金属触媒および当該触媒によるα,β-不飽和カルボニル化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般式(2)で示されるα,β-不飽和カルボニル化合物は、医薬品、農薬、化粧品および機能性有機材料等の重要な合成中間体として幅広く活用されている。当該α,β-不飽和カルボニル化合物の最も有用な合成法の一つとして、一般式(1)で示されるプロパルギルアルコール化合物から、その水酸基を転位させる方法がある。従来、本転位反応を進行させる触媒としては、バナジウム、モリブデンまたはタングステンのオキソ化合物(非特許文献1)、チタン化合物と銅塩または銀塩を組み合わせた触媒(非特許文献2)、水銀塩(非特許文献3)、金塩(非特許文献4、5)、金化合物と銀塩を組み合わせた複合金属触媒(非特許文献6)等が知られている。これらの方法は、高温で行う必要があったり、第一級や第二級のプロパルギルアルコール化合物には適用できなかったり、反応完結に12時間以上の長時間を要し、必ずしも満足できる方法ではなかった。また、過レニウム酸塩およびアリールスルホン酸からなる触媒を用いる方法 (特許文献1、非特許文献7)が知られているが、基質によっては脱水反応の副反応が進行することがあった。

【特許文献1】特開平5-97758
【非特許文献1】Tetrahedron、1977年、第33巻、p1775-1783.
【非特許文献2】Tetrahedron Letters、1988年、第29巻、p6253-6256.
【非特許文献3】Organic Letters、2006年、第8巻、p447--450.
【非特許文献4】Organic Letters、2006年、第8巻、p4027--4029.
【非特許文献5】Journal of the American Chemical Society、2005年、第127巻、p14180-14181.
【非特許文献6】Organic Letters、2005年、第7巻、p4129-4132.
【非特許文献7】Chemistry Letters、1991年、p1413-1416.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の問題を解決するための触媒を開発して、当該触媒を用いて室温で短時間にプロパルギルアルコール化合物からα,β-不飽和カルボニル化合物を高収率で製造する方法を提供するものである。また各種の医薬品、農薬、化粧品および機能性有機材料等の重要な合成中間体を合成する方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、遷移金属化合物、金化合物および銀化合物の3種の金属化合物を組み合わせた複合金属触媒が、プロパルギルアルコール化合物からα,β-不飽和カルボニル化合物への転位反応を、室温付近の温度において短時間で完結させ、第一級、および第二級のプロパルギルアルコール化合物を含む広範囲の基質に適用でき、脱水反応の副反応を伴わないことを見出して、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、
(1)遷移金属化合物、金化合物および銀化合物の3種の金属化合物を組み合わせた複合金属触媒、
(2)請求項1の触媒によって、一般式(1)、
【0007】
【化1】
JP0005172249B2_000002t.gif

【0008】
(式中、RおよびRは同一もしくは異なって、水素原子、置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよい低級アルケニル基、置換基を有していてもよい低級アルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよい低級アルコキシ基、置換基を有していてもよいシリル基を表す.またはRとRの各アルキル基は互いに結合して脂肪族単環または脂肪族複素単環を形成していてもよく、さらに同単環には芳香環が縮合していてもよい。R3 は水素原子、置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよい低級アルケニル基、置換基を有していてもよい低級アルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよい低級アルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいヘテロアリールオキシ基、置換基を有していてもよい低級アルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいヘテロアリールチオ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアシルアミノ基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、置換基を有していてもよいシリル基、置換基を有していてもよいシリルオキシ基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよい低級アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいヘテロアリールオキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基を表わす。またはRとRの各アルキル基は互いに結合して脂肪族単環または脂肪族複素単環を形成していてもよく、さらに同単環には芳香環が縮合していてもよい)で示されるプロパルギルアルコール化合物を転位させることを特徴とする一般式(2)、
【0009】
【化2】
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【0010】
(式中、R1、R2およびR3は上記と同じ。)で示されるα,β-不飽和カルボニル化合物の製造方法、
等に関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、二級プロパルギルアルコールを含むさまざまなプロパルギルアルコールを転位させてα,β-不飽和カルボニル化合物を室温で短時間に高収率で製造することができる。本発明は、従来適用できなかった第一級や第二級プロパルギルアルコールにも適用できる。通常0.005~0.01当量という微量の触媒量で進行するために、経済的にも効果的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の複合金属触媒とは、遷移金属化合物、金化合物および銀化合物の3種の金属化合物を組み合わせた触媒である(以下、本発明の触媒と言うこともある)。
本発明における遷移金属化合物としては、様々な遷移金属を含む化合物が挙げられるが、好ましくはVO(OSiPh3)3、VO[OSi(C6H4-p-Cl)3]3、VO[OSi(C6H4-p-CF3)3]3、VO(OEt)3、VO(OC3H7)3、VO(OCH(CH3)2)3、VO(OPh)3、VOSO4、VOPO4、VOAsO4、VO(acac)2、VO(CH3COCH2COPh)2、VO(CF3COCH2COCF3)2、VO、VO2、V2O3、V2O4、V2O5、VOCl3、VOCl2(OEt)、VOF3、VO(OAc)2、VO(oxalate)、MoO2(acac)2、MoO2(tBuCOCH2COtBu)2、H4SiO4・12MoO3、H3(PMo12O40)、Na3(PMo12O40)、(NH4)3(PMo12O40)、MoO2(OSiPh3)2、MoO2、MoO3、MoOCl4、MoO2Cl2、Bu4NReO4、CH3ReO3、HReO4、ReO2、ReO3、Re2O7、ReO3(OSiPh3)、ReO3(OSiMe3)、ReOCl3(PPh3)2、TiO(acac)2、Ti(OBu)4、Ti(OBu)2(acac)2、TiCl4、Cp2TiCl2、Ti(OEt)4、Ti(OC3H7)4、WO2、WO3、H3(PW12O40)、WO2Cl2、WOCl4、H4(SiW12O40) 等である。ここで、Phはフェニル(C6H5)、Etはエチル(C2H5)、acacはアセチルアセトン(CH3COCH2COCH3)、Acはアセチル(COCH3)、Meはメチル(CH3)、Buはブチル(CH2CH2CH2CH3)、tBuはtert-ブチル(C(CH3)3))を表わす(以下同様)。
【0013】
本発明における金化合物としては、金を含む様々な化合物が挙げられるが、好ましくはAuCl、AuCl3、NaAuCl4 HAuCl4、AuBr3、HAuBr4、AuCl(PMe3)、AuCl(PEt3)、AuCl(PPh3)、AuCl[P(C6H4-p-CF3)3]、AuCl3(pyridine)、Au2Cl2(dppm)、AuCl[P(tBu)2(o-biphenyl)]、[(Ph3PAu)3O]BF4、AgCl(SMe2)等である。ここで、dppmはビス(ジフェニルホスフィノ)メタンを表わす。
【0014】
本発明における銀化合物としては、銀を含む様々な化合物が挙げられるが、好ましくはAgOTf、AgClO4、AgBF4、AgPF6、AgSbF6、AgOAc、AgOCOCF3、AgNTf2、AgOTs、AgOMs 等である。ここで、Tfはトリフルオロメタンスルホニル(CF3SO2)、Tsはp-トルエンスルホニル (p-CH3-C6H4-SO2)、Msはメタンスルホニル(CH3SO2)を表わす(以下同様)。
【0015】
これら3種類の金属化合物の混合比率としては、遷移金属化合物:金化合物:銀化合物のモル比が通常1:0.01~100:0.01~100であり、好ましくは1:0.1~10:0.1~10である。
【0016】
本発明に用いられるプロパルギルアルコール化合物は、下記式(1)に示される第一級、第二級および第三級のプロパルギルアルコールである。
【0017】
【化3】
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~Rに示される置換基を有していてもよい低級アルキル基の低級アルキル基としては、炭素数1~20の直鎖または分枝のアルキル基、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、等が挙げられるが、これに限られない。好ましくは炭素数1~10の直鎖または分枝のアルキル基である。
【0018】
~Rに示される置換基を有していてもよい低級アルケニル基の低級アルケニル基としては、炭素数1~20の直鎖または分枝のアルケニル基、たとえば、ビニル基、プロペニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等が挙げられるが、これに限られない。好ましくは炭素数1~10の直鎖または分枝のアルケニル基である。
【0019】
~Rに示される置換基を有していてもよい低級アルキニル基の低級アルキニル基としては、炭素数1~20の直鎖または分枝のアルケニル基、たとえば、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基等が挙げられるが、これに限られない。好ましくは炭素数1~10の直鎖または分枝のアルキニル基である。
【0020】
~Rに示される置換基を有していてもよいアリール基のアリール基としては、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基等が挙げられるが、これに限られない。
【0021】
~Rに示される置換基を有していてもよいアラルキル基のアラルキル基としては、ベンジル基、o-メチルベンジル基、m-メチルベンジル基、p-メチルベンジル基、2-フェニルエチル基、3-フェニルプロピル基、1-ナフチルメチル基等が挙げられるが、これに限られない。
【0022】
~Rに示される置換基を有していてもよいヘテロアリール基のヘテロアリール基としては、フリル基、ピロリル基、ピリジル基、インドリル基、キノリル基、イソキノリル基、チエニル基等が挙げられるが、これに限られない。
【0023】
~Rに示される置換基を有していてもよい低級アルコキシ基の低級アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられるが、これに限られない。
【0024】
~Rに示される置換基を有していてもよいシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジメチルフェニルシリル基等が挙げられるが、これに限られない。
【0025】
とRの各アルキル基は互いに結合して脂肪族単環または脂肪族複素単環を形成していてもよく、さらに同単環には芳香環が縮合していてもよい脂肪族単環または脂肪族複素単環とは、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、ピロリジン、ピペリジン、テトラヒドロチオフェン、インダン、テトラリン、ジヒドロベンゾフラン、インドリン、等が挙げられる。
【0026】
に示される置換基を有していてもよいアリールオキシ基のアリールオキシ基とは、フェニルオキシ基、1-ナフチルオキシ基、2-ナフチルオキシ基等が挙げられるが、これに限られない。
【0027】
に示される置換基を有していてもよいヘテロアリールオキシ基のヘテロアリールオキシ基とは、フリルオキシ基、ピロリルオキシ基、ピリジルオキシ基、インドリルオキシ基、キノリルオキシ基、イソキノリルオキシ基、チエニルオキシ基等が挙げられるが、これに限られない。
【0028】
に示される置換基を有していてもよい低級アルキルチオ基の低級アルキルチオ基とは、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基等が挙げられるが、これに限られない。
【0029】
に示される置換基を有していてもよいアリールチオ基のアリールチオ基とは、フェニルチオ基、1-ナフチルチオ基、2-ナフチルチオ基等が挙げられるが、これに限られない。
【0030】
に示される置換基を有していてもよいヘテロアリールチオ基のヘテロアリールチオ基とは、フリルチオ基、ピロリルチオ基、ピリジルチオ基、インドリルチオ基、キノリルチオ基、イソキノリルチオ基、チエニルチオ基等が挙げられるが、これに限られない。
【0031】
に示される置換基を有していてもよいアミノ基のアミノ基とは、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、フェニルアミノ基、ベンジルアミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基等が挙げられるが、これに限られない。
【0032】
に示される置換基を有していてもよいアシルアミノ基のアシルアミノ基とは、N-ホルミルアミノ基、N-アセチルアミノ基、N-ベンゾイルアミノ基等が挙げられるが、これに限られない。
【0033】
に示される置換基を有していてもよいカルバモイル基のカルバモイル基とは、N-メチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-フェニルカルバモイル基、N-ベンジルカルバモイル基等が挙げられるが、これに限られない。
【0034】
に示される置換基を有していてもよいシリルオキシ基のシリルオキシ基とは、トリメチルシリル基、トリエチルシリルオキシ基、tert-ブチルジメチルシリルオキシ基、トリイソプロピルシリルオキシ基、ジメチルフェニルシリルオキシ基等が挙げられるが、これに限られない。
【0035】
に示される置換基を有していてもよいアシル基のアシル基とは、ホルミル基、アセチル基、プロパノイル基、ベンゾイル基等が挙げられるが、これに限られない。
【0036】
に示される置換基を有していてもよいアシルオキシ基のアシルオキシ基とは、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、プロパノイルオキシ基等が挙げられるが、これに限られない。
【0037】
に示される置換基を有していてもよい低級アルコキシカルボニル基の低級アルコキシカルボニル基とは、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基等が挙げられるが、これに限られない。
【0038】
に示される置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基のアリールオキシカルボニル基とは、フェノキシカルボニル基、1-ナフチルオキシカルボニル基、2-ナフチルオキシカルボニル基等が挙げられるが、これに限られない。
【0039】
に示される置換基を有していてもよいヘテロアリールオキシカルボニル基のヘテロアリールオキシカルボニル基とは、フリルオキシカルボニル基、ピロリルオキシカルボニル基、ピリジルオキシカルボニル基、インドリルオキシカルボニル基、キノリルオキシカルボニル基、イソキノリルオキシカルボニル基、チエニルオキシカルボニル基等が挙げられるが、これに限られない。
【0040】
本明細書全体を通して、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基、脂肪族単環基、複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アミノ基、アシルアミノ基、カルバモイル基、シリル基、シリルオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコシキカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基等はいずれも置換可能な位置に置換基を有していてもよく、この置換基としては、置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよい低級アルケニル基、置換基を有していてもよい低級アルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよい低級アルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよい低級アルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいヘテロアリールチオ基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、置換基を有していてもよいアシルカルバモイル基、置換基を有していてもよいシリル基、置換基を有していてもよいシリルオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、置換基を有していてもよい低級アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいヘテロアリールオキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、シアナト基、イソシアナト基等が挙げられる。
【0041】
本発明では、一般式(2)で示されるα,β-不飽和カルボニル化合物(式中、R1、R2およびR3は上記と同じ。)が得られる。
【0042】
【化4】
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【0043】
本発明の一般式(1)から一般式(2)への変換反応に用いられる有機溶媒は、特に限定されないが、好ましくは、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t-ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル系溶媒;ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒;ニトロメタン、ニトロエタン等のニトロ系溶媒等が挙げられる。
【0044】
反応に用いる複合金属触媒の当量は、複合金属触媒に含まれる遷移金属化合物についてみれば、プロパルギルアルコール:遷移金属化合物のモル比が通常1:0.0001~0.3であり、好ましくは1:0.001~0.1である。
【0045】
反応は加圧下に行うこともできるが、通常は常圧で行う。反応温度は、常圧反応の場合、-50℃から溶媒の沸点までの間で行うことができるが、好ましくは0℃~50℃である。
【0046】
反応液中の基質すなわちプロパルギルアルコールの濃度は、通常0.01~30重量%、好ましくは0.1~10重量%である。
【0047】
本発明の触媒を用いたプロパルギルアルコールからα,β-不飽和カルボニル化合物への変換反応に要する時間は、通常10分から5時間である。
【0048】
以下、本発明の触媒を用いたプロパルギルアルコールからα,β-不飽和カルボニル化合物の製造法を示す実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限られたものではない。
【実施例】
【0049】
(実施例1)
【0050】
【化5】
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【0051】
5-Phenyl-2-pentyn-1-ol (100 mg、0.62 mmol)のトルエン(1.6 mL)溶液に、MoO2(acac)2 (2.1 mg、0.0064 mmol)、AuCl(PPh3) (3.1 mg、0.0063 mmol)、AgOTf (1.6 mg、0.0063 mmol)を順に加え、室温で30分間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液とジエチルエーテルを加え、有機層を分離した。有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー (hexane/Et2O = 10:1) で精製し、5-phenyl-1-penten-3-one (93 mg、93%) を得た。
【0052】
(実施例2~19)
種々のR1、R2、R3を有するプロパルギルアルコール化合物について実施例1と同様に反応を行った。結果を表1に示す。
【0053】
【化6】
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(表1)

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