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明細書 :電磁波伝送回路及び電磁波伝送制御装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4752057号 (P4752057)
公開番号 特開2007-096712 (P2007-096712A)
登録日 平成23年6月3日(2011.6.3)
発行日 平成23年8月17日(2011.8.17)
公開日 平成19年4月12日(2007.4.12)
発明の名称または考案の名称 電磁波伝送回路及び電磁波伝送制御装置
国際特許分類 H01P   1/22        (2006.01)
H01P   1/14        (2006.01)
H01P   1/20        (2006.01)
H03C   1/08        (2006.01)
FI H01P 1/22
H01P 1/14
H01P 1/20
H03C 1/08
請求項の数または発明の数 12
全頁数 26
出願番号 特願2005-282865 (P2005-282865)
出願日 平成17年9月28日(2005.9.28)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 2005年3月29日 社団法人応用物理学会発行の「2005年(平成17年)春季 第52回 応用物理学関係連合講演会講演予稿集 第1分冊」に発表
特許法第30条第1項適用 平成17年3月31日 橘邦英発行の「科学研究費補助金『特定領域研究』平成16年度研究成果報告書 プラズマを用いたミクロ反応場の創成とその応用(略称:マイクロプラズマ)」に発表
特許法第30条第1項適用 平成17年7月26日 インターネットアドレス(http://plasma.kuee.kyoto-u.ac.jp/tokutei429/index-j.html)にて発表
特許法第30条第1項適用 2005年9月7日 社団法人応用物理学会発行の「2005年(平成17年)秋季 第66回 応用物理学会学術講演会講演予稿集 第1分冊」に発表
審査請求日 平成20年9月25日(2008.9.25)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
発明者または考案者 【氏名】橘 邦英
【氏名】酒井 道
個別代理人の代理人 【識別番号】110000338、【氏名又は名称】特許業務法人原謙三国際特許事務所
審査官 【審査官】佐藤 当秀
参考文献・文献 米国特許第6759808(US,B1)
米国特許出願公開第2004/0164682(US,A1)
米国特許出願公開第2005/0195393(US,A1)
調査した分野 G01J 3/30
H01J 7/24
H01P 1/14
H01P 1/20- 1/219
H03C 1/08
特許請求の範囲 【請求項1】
ストリップ導体と面状導体とが誘電体を介して対向するマイクロストリップ線路と、
前記マイクロストリップ線路を電磁波が伝搬する際に前記ストリップ導体から発生する電界の分布する空間に対してプラズマを生成するためのプラズマ生成電極とを備え
前記プラズマ生成電極は、前記ストリップ導体との間で前記プラズマを生成するように配置されると共に、
前記プラズマ生成電極は、前記ストリップ導体との距離が前記マイクロストリップ線路を伝搬する電磁波の1/4波長以上となる位置に配置されていることを特徴とする電磁波伝送回路。
【請求項2】
ストリップ導体と面状導体とが誘電体を介して対向するマイクロストリップ線路と、
前記マイクロストリップ線路を電磁波が伝搬する際に前記ストリップ導体から発生する電界の分布する空間に対してプラズマを生成するためのプラズマ生成電極とを備え
前記プラズマ生成電極は、前記ストリップ導体との間で前記プラズマを生成するように配置されると共に、
前記ストリップ導体は屈曲部を有しており、
前記ストリップ導体の上流側から前記屈曲部に向かう第1方向に対して、前記屈曲部から前記ストリップ導体の下流側に向かう第2方向のなす角度よりも、前記屈曲部から前記プラズマ生成電極へ向かう第3方向のなす角度の方が小さくなるように、前記プラズマ生成電極が配置されていることを特徴とする電磁波伝送回路。
【請求項3】
ストリップ導体と面状導体とが誘電体を介して対向するマイクロストリップ線路と、
前記マイクロストリップ線路を電磁波が伝搬する際に前記ストリップ導体から発生する電界の分布する空間に対してプラズマを生成するためのプラズマ生成電極とを備え
前記プラズマ生成電極は、前記ストリップ導体との間で前記プラズマを生成するように配置されると共に、
前記プラズマ生成電極から前記ストリップ導体までの距離よりも、前記プラズマ生成電極からの距離が小さくなる位置に設けられた予備電極をさらに備えることを特徴とする電磁波伝送回路。
【請求項4】
前記ストリップ導体は屈曲部を有しており、
前記ストリップ導体の上流側から前記屈曲部に向かう第1方向に対して、前記屈曲部から前記ストリップ導体の下流側に向かう第2方向のなす角度よりも、前記屈曲部から前記プラズマ生成電極へ向かう第3方向のなす角度の方が小さくなるように、前記プラズマ生成電極が配置されていることを特徴とする請求項又は3に記載の電磁波伝送回路。
【請求項5】
前記ストリップ導体に沿って前記プラズマ生成電極が周期的に複数設けられていることを特徴とする請求項から4の何れか1項に記載の電磁波伝送回路。
【請求項6】
前記プラズマ生成電極から前記ストリップ導体までの距離よりも、前記プラズマ生成電極からの距離が小さくなる位置に設けられた予備電極をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁波伝送回路。
【請求項7】
前記プラズマを生成するための電離対象となるガスを、前記プラズマを生成する空間に保持するガス保持部材をさらに備えることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の電磁波伝送回路。
【請求項8】
前記ストリップ導体及びプラズマ生成電極は、前記誘電体の表面に設けられていることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の電磁波伝送回路。
【請求項9】
請求項1から8の何れか1項に記載の電磁波伝送回路と、
前記プラズマを生成するために前記プラズマ生成電極に対して供給する電力を制御する電力制御手段とを備えることを特徴とする電磁波伝送制御装置。
【請求項10】
ストリップ導体と面状導体とが誘電体を介して対向するマイクロストリップ線路と、
前記マイクロストリップ線路を電磁波が伝搬する際に前記ストリップ導体から発生する電界の分布する空間に生成されたプラズマとを備え
前記ストリップ導体は屈曲部を有しており、
前記ストリップ導体の上流側から前記屈曲部に向かう第1方向に対して、前記屈曲部から前記ストリップ導体の下流側に向かう第2方向のなす角度よりも、前記プラズマの長手方向のなす角度の方が小さくなるように、前記プラズマが生成されることを特徴とする電磁波伝送回路。
【請求項11】
前記ストリップ導体に沿って前記プラズマが周期的に複数生成されていることを特徴とする請求項10に記載の電磁波伝送回路。
【請求項12】
前記プラズマを生成するための電離対象となるガスを、前記プラズマを生成する空間に保持するガス保持部材をさらに備えることを特徴とする請求項10又は11の何れか1項に記載の電磁波伝送回路。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、ストリップ導体と面状導体とが誘電体を介して対向するマイクロストリップ線路を用いた電磁波伝送回路、及びこの電磁波伝送回路を備えた電磁波伝送制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話や無線LANシステムなどの情報通信分野において、発振器や受信器などの様々な装置に高周波回路が搭載されている。このような高周波回路としては、その周波数帯域が1GHzから10GHzのものが特によく利用されている。ここでいう高周波とは、広くは電磁波として総称できる。
【0003】
高周波回路における高周波の伝送線路としては、これまで様々な提案や実用化がなされてきたが、その中でも、複数の平板導体と誘電体とを用いた伝送線路が広く利用されており、特にマイクロストリップ線路と呼ばれるものが一般的である。
【0004】
マイクロストリップ線路は、図20(a)に示すように、平板状の誘電体101の一方の平面全体に面状導体102が設けられ、他方の平面に線路状のストリップ導体103が設けられることにより構成される(非特許文献1参照)。
【0005】
上記マイクロストリップ線路10では、通常、上記ストリップ導体103は電磁波のガイドとして機能し、ストリップ導体103の一端は電磁波の入力部、他端は出力部として機能する。そして、上記入力部には電力給電部が接続され、上記出力部には電力取出部が接続される。
【0006】
なお、マイクロストリップ線路には、図20(b)に示すように、ストリップ導体103が誘電体101の内部に埋設されたものや、図20(c)に示すように、誘電体101がストリップ導体103と面状導体102との間に部分的に介在するものもある(非特許文献1参照)
マイクロストリップ線路10における伝送線路の途中に、フィルタ、分配(例えばT分岐)、結合などの機能をもつ素子を搭載するには、ストリップ導体103の周辺(マイクロストリップ線路を電磁波が伝搬する際にストリップ導体から発生する電界の分布する空間)に、それぞれの機能に応じた形状や大きさを有する別の導体を設置すればよい(非特許文献2,3参照)。

【非特許文献1】中島将光著 「森北電気工学シリーズ3 マイクロ波工学-基礎と原理-」第1版 森北出版株式会社 1975年4月15日発行 173~176頁
【非特許文献2】David M. Pozar "Microwave Engineering Third Edition" Johon Wiley & Sons, Inc.
【非特許文献3】森栄二 著「マイクロウェーブ技術入門講座[基礎編]」CQ出版株式会社 2003年発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記別の導体は、ストリップ導体103と同一平面上、すなわち平板状の誘電体101上に設置してもよく、ストリップ導体103とは異なる平面上に立体的に設置してもよい。
【0008】
上記別の導体は2次元的に形成することができ(立体的に配置する場合でも、形状自体は2次元的に形成することができる)、上記別の導体を備えたマイクロストリップ線路は、通常必要となる機能素子の大部分を2次元的な設計によって実現できるという利点を有する。
【0009】
しかしながら、上記別の導体を備えたマイクロストリップ線路では、機能素子を構成することになる上記別の導体は金属などの固体材料によって形成されているため、いったん機能素子を形成するとその形状や大きさを動的に変化させることは不可能である。すなわち、上記別の導体を備えたマイクロストリップ線路では、いったん機能素子を形成すると、機能素子そのものを置き換えない限り、その機能を変化させることはできない。
【0010】
つまり、上記別の導体を備えたマイクロストリップ線路では、伝送線路の途中に様々な機能素子を搭載可能であるものの、いったん形成された機能素子の機能は固定されてしまうという欠点がある。
【0011】
なお、マイクロストリップ線路10において、より高い機能を有する素子、例えば伝送すべき電磁波の変調を行う素子を搭載するためには、上記別の導体では実現することができず、半導体素子として別途パッケージングされた素子をストリップ導体103と接続するようにして搭載せざるを得ない。
【0012】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、伝送すべき電磁波に対する制御機能を容易に変化させることのできる電磁波伝送回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る電磁波伝送回路は、上記課題を解決するために、ストリップ導体と面状導体とが誘電体を介して対向するマイクロストリップ線路と、前記マイクロストリップ線路を電磁波が伝搬する際に前記ストリップ導体から発生する電界の分布する空間に対してプラズマを生成するためのプラズマ生成電極とを備えることを特徴としている。
【0014】
上記の構成では、マイクロストリップ線路における伝送線路の途中において、プラズマ生成電極により、マイクロストリップ線路を電磁波が伝搬する際にストリップ導体から発生する電界の分布する空間に対してプラズマを生成することができる。
【0015】
このプラズマは、伝搬する電磁波に対して抵抗体又は完全導体として機能させることができるので、発明が解決しようとする課題欄において説明した「別の導体」と同等の機能を上記プラズマによって実現することができる。これにより、マイクロストリップ線路における伝送線路の途中において、伝送すべき電磁波に対する制御機能をプラズマによって実現することができる。
【0016】
さらに上記の構成では、プラズマ生成電極に供給する電力を制御することによって、プラズマのオン/オフを制御することができる。したがって、上記の構成では、上記伝送すべき電磁波に対する制御機能を容易に変化させることができることになる。
【0017】
例えば、伝送すべき電磁波に対してプラズマを減衰器として機能させることができ、このプラズマをオン/オフすることによって、伝送すべき電磁波の透過率を変化させる、すなわちスイッチングを行うことができる。また、上記プラズマのオン/オフを周期的に変化させることによって、伝送すべき電磁波のエネルギーを周期的に変化させる、すなわち変調を行うことができる。
【0018】
以上のように、上記の構成では、伝送すべき電磁波に対する制御機能を容易に変化させることができる電磁波伝送回路を実現することができる。
【0019】
なお、プラズマはプラズマ生成電極を設けなくとも生成させることができる。これは一般に無電極放電と呼ばれるプラズマ生成の形態であり、高周波によるプラズマ生成やレーザ集光によるプラズマ生成などが該当する。
【0020】
したがって、本発明に係る電磁波伝送回路は、ストリップ導体と面状導体とが誘電体を介して対向するマイクロストリップ線路と、前記マイクロストリップ線路を電磁波が伝搬する際に前記ストリップ導体から発生する電界の分布する空間に生成されたプラズマとを備える構成であればよい。
【0021】
本発明に係る電磁波伝送回路では、上記電磁波伝送回路において、前記プラズマ生成電極は、前記ストリップ導体との間で前記プラズマを生成するように配置することができる。そのためには、ストリップ導体との間でプラズマを生成できる程度の間隙を設けてプラズマ生成電極を配置すればよい。
【0022】
本発明に係る電磁波伝送回路は、前記プラズマ生成電極において、前記ストリップ導体との距離が前記マイクロストリップ線路を伝搬する電磁波の1/4波長以上となる位置に配置されていることが望ましい。
【0023】
上記の構成では、生成されるプラズマの長さが伝搬する電磁波の1/4波長以上となるので、伝送すべき電磁波に対する制御機能をより効果的に実現することができる。
【0024】
本発明に係る電磁波伝送回路は、上記電磁波伝送回路において、前記ストリップ導体は屈曲部を有しており、前記ストリップ導体の上流側から前記屈曲部に向かう第1方向に対して、前記屈曲部から前記ストリップ導体の下流側に向かう第2方向のなす角度よりも、前記屈曲部から前記プラズマ生成電極へ向かう第3方向のなす角度の方が小さくなるように、前記プラズマ生成電極が配置されていてもよい。ここで、上流側及び下流側とは、電磁波の伝送される向きを基準とした上流側及び下流側を意味する。
【0025】
電磁波はできるだけ直進しようとする特性がある。上記の構成のように、ストリップ導体の上流側から屈曲部に向かう第1方向に対して、屈曲部からストリップ導体の下流側に向かう第2方向のなす角度よりも、屈曲部から前記プラズマ生成電極へ向かう第3方向のなす角度の方が小さくなるようにプラズマ生成電極が配置しておくと、電磁波はプラズマ生成電極側へより流れやすくなる。
【0026】
したがって、プラズマ生成電極側へ流れる電磁波の割合を増大させたい場合に上記構成は有効である。
【0027】
なお、プラズマ生成電極を用いない構成については、前記ストリップ導体の上流側から前記屈曲部に向かう第1方向に対して、前記屈曲部から前記ストリップ導体の下流側に向かう第2方向のなす角度よりも、前記プラズマの長手方向のなす角度の方が小さくなるように、前記プラズマが生成されるようにすればよい。
【0028】
本発明に係る電磁波伝送回路は、上記電磁波伝送回路において、前記ストリップ導体に沿って前記プラズマ生成電極が周期的に複数設けられていてもよい。
【0029】
上記の構成では、ストリップ導体に沿って周期的にプラズマを生成することができる。このように周期的に配置されたプラズマにより、伝送すべき電磁波に対するフィルタ機能を実現することができる。
【0030】
なお、プラズマ生成電極を用いない構成については、前記ストリップ導体に沿って前記プラズマが周期的に複数生成されるようにすればよい。
【0031】
本発明に係る電磁波伝送回路は、上記電磁波伝送回路において、前記プラズマ生成電極から前記ストリップ導体までの距離よりも、前記プラズマ生成電極からの距離が小さくなる位置に設けられた予備電極をさらに備えることが望ましい。
【0032】
上記の構成では、プラズマ生成電極と予備電極との間に電圧を印加することにより、相対的に距離の小さいプラズマ生成電極と予備電極との間でまずプラズマが生成され、ここで生成されたプラズマの影響によって、プラズマ生成電極とストリップ導体との間でもプラズマが生成されやすくなるとともに、生成されたプラズマが安定化する。
【0033】
本発明に係る電磁波伝送回路は、上記電磁波伝送回路において、前記プラズマを生成するための電離対象となるガスを、前記プラズマを生成する空間に保持するガス保持部材をさらに備えていてもよい。
【0034】
プラズマを生成するための電離対象となるガスを充填した容器中に上記電磁波伝送回路を設置すれば必ずしも上記ガス保持部材は必要ではないが、上記の構成のように電磁波伝送回路に上記ガス保持部材を備えておいてもよい。
【0035】
本発明に係る電磁波伝送回路は、上記電磁波伝送回路において、前記ストリップ導体及びプラズマ生成電極は、前記誘電体の表面に設けられていてもよい。
【0036】
上記の構成では、誘電体の表面に導体の層を形成しておき、これをパターニングすることによってストリップ導体及びプラズマ生成電極を一括して形成することができるので、製造が容易になる。
【0037】
本発明に係る電磁波伝送制御装置は、上記何れかの電磁波伝送回路と、前記プラズマを生成するために前記プラズマ生成電極に対して供給する電力を制御する電力制御手段とを備えることを特徴としている。
【0038】
上記の構成では、電力制御手段により上述したプラズマのオン/オフを制御することができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明に係る電磁波伝送回路は、以上のように、ストリップ導体と面状導体とが誘電体を介して対向するマイクロストリップ線路と、マイクロストリップ線路を電磁波が伝搬する際にストリップ導体から発生する電界の分布する空間に対してプラズマを生成するためのプラズマ生成電極とを備える構成である。
【0040】
上記の構成では、マイクロストリップ線路における伝送線路の途中において、プラズマ生成電極によりプラズマを生成することができ、このプラズマは、伝搬する電磁波に対して抵抗体又は完全導体として機能させることができるので、伝送すべき電磁波に対する制御機能をプラズマによって実現することができる。
【0041】
さらに上記の構成では、プラズマのオン/オフを制御することができるので伝送すべき電磁波に対する制御機能を容易に変化させることができることになる。
【0042】
以上のように、上記の構成では、伝送すべき電磁波に対する制御機能を容易に変化させることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
〔プラズマの性質〕
本発明の実施の一形態について図1から図19に基づいて説明すると以下の通りである。
【0044】
本実施形態の電磁波伝送回路では、伝送すべき電磁波を制御するためにプラズマを用いる。そこで、まず、プラズマの性質について説明する。
【0045】
一般に、プラズマが発生すると、その部分を通過する電磁波に対する比誘電率εは次の式(1)によって表されることが知られている。
【0046】
【数1】
JP0004752057B2_000002t.gif

【0047】
ここで、ωpeは電子プラズマ周波数(「電子プラズマ振動数」ともいう)、ω/2πはプラズマを通過する電磁波の周波数であり、比誘電率εと屈折率nとの間の関係は、n=ε1/2である。
【0048】
式(1)より、比誘電率εは、1よりも小さな値をもち、かつ、ωがωpeよりも大きい場合には正の値をとる。したがって、ωがωpeよりも大きい場合には、プラズマは誘電体と見なしうる。
【0049】
また、式(1)より、ωがωpeよりも小さい場合には、比誘電率εは負の値となり、電磁波はプラズマ中には表皮厚さと呼ばれるごく薄い領域にしか侵入できなくなるため、電磁波はプラズマ中をほぼ伝播不可能とみなすことができる。したがって、ωがωpeよりも小さい場合には、プラズマは金属と同様に振舞う。
【0050】
したがって、プラズマを発生させたり消滅させたりすると、その場所での比誘電率εは大きく変化する。また、プラズマが存在している状態でも、そのωpeを変化させることにより、電磁波がプラズマ中を伝播できる状態とほとんど伝播できない状態とを切り換えることができる。
【0051】
なお、ωpeはプラズマ中の電子密度(プラズマ強度)の関数であり、電子密度の1/2乗に比例する。より具体的には、電子密度とプラズマ周波数との関係は次の式(2)によって表される。
【0052】
【数2】
JP0004752057B2_000003t.gif

【0053】
ここで、nは電子密度、eは素電荷量、mは電子の質量、εは真空中の誘電率である。また、電子密度とプラズマ周波数との関係を具体的数値例によって示すと、次の表1のようになる。
【0054】
【表1】
JP0004752057B2_000004t.gif

【0055】
したがって、プラズマの電子密度を変化させることにより、電磁波がプラズマ中を伝播できる状態とほとんど伝播できない状態とを切り換えることができる。
【0056】
このことは、電子密度を変化させることにより、電磁波に対して誘電体相当のものから金属相当のものまで、様々な屈折率を設定可能であるといえる。
【0057】
このようなプラズマの屈折率の制御は、次のようにして行うことができる。プラズマ中の電子密度は、プラズマの生成用電力を制御することによってその調整が可能である。したがって、プラズマの生成用電力を制御することによって、プラズマ中の電子密度を制御することができ、その結果としてプラズマの屈折率を制御することができる。
【0058】
また、比誘電率εは、より正確には、プラズマ部に存在する中性粒子とプラズマ中の電子との間での衝突周波数(以下、単に「衝突周波数」という)νを考慮することにより、複素数として次の式(3)によって表現される。
【0059】
【数3】
JP0004752057B2_000005t.gif

【0060】
中性粒子と電子との間での衝突がある程度頻繁になって衝突性プラズマという領域になると、ωがωpeよりも小さい場合であっても表皮厚さが厚くなり、電磁波はある程度プラズマ中に侵入するようになる。
【0061】
このことから、プラズマ中の中性粒子密度を変化させて衝突周波数を変化させることによっても、プラズマの屈折率を制御することができることになる。プラズマ中の中性粒子密度は、プラズマを生成するために電離対象となるガスの圧力によって制御でき、このガス圧力は、ガスを閉空間に充填するときの量を調整することによって容易に制御可能である。
【0062】
また、このような衝突性プラズマの領域を利用すると、プラズマを等価的に抵抗としてみなすことができる。つまり、上記式(3)において、衝突の効果を表すνはεに虚数成分を生じせしめるので、電磁波はνによりそのエネルギーを減ずることになるため、このようなプラズマは抵抗と等価とみなせるのである。なお、プラズマが抵抗と等価とみなせることについては、〔シミュレーション結果〕において詳述する。
【0063】
ここで、発明が解決しようとする課題欄において説明したように、マイクロストリップ線路における伝送線路の途中に、フィルタ、分配(例えばT分岐)、結合などの機能をもつ素子を搭載するために、それぞれの機能に応じた形状や大きさを有する別の導体を設置すればよいが、上述のとおりプラズマは抵抗とみなすことができるので、上記別の導体の代わりにプラズマを用いることができる。この場合、プラズマは、プラズマ中の電子密度やガス圧力の調整によりプラズマの屈折率等の物性値を大きく変化させることができ、高周波回路素子としての機能を随時制御可能となる。
【0064】
〔電磁波伝送回路の構成〕
図1(a)(b)に基づいて、本実施形態の電磁波伝送回路1の構成について説明する。電磁波伝送回路1は、マイクロストリップ線路10と、マイクロストリップ線路10上に設けられたプラズマ生成電極11とを備えている。
【0065】
マイクロストリップ線路10は、背景技術欄において説明したように、高周波回路における高周波の伝送線路として知られており、本実施形態の電磁波伝送回路1においても、従来のマイクロストリップ線路10を用いることができる。
【0066】
すなわち、マイクロストリップ線路10は、平板状の誘電体101の一方の平面全体に面状導体102が設けられ、他方の平面に線路状のストリップ導体103が設けられることにより構成される。なお、マイクロストリップ線路10として、ストリップ導体103が誘電体101の内部に埋設されたもの(図20(b)参照)や、誘電体101がストリップ導体103と面状導体102との間に部分的に介在するもの(図20(c)参照)を用いることもできる。
【0067】
プラズマ生成電極11は、上記マイクロストリップ線路10を電磁波Wが伝搬する際にストリップ導体103から発生する電界の分布する空間(以下、「電界分布空間」という。)に対してプラズマPを生成するための電極である。
【0068】
なお、本実施形態のプラズマ生成電極11は、ストリップ導体103との間でプラズマPを生成するものである。この構成では、プラズマ生成電極11として1つの電極を追加すればよいことになる。ただし、プラズマ生成電極は、上記電界分布空間に対してプラズマPを生成できればよく、上記構成に限られるものではない。例えば、プラズマ生成電極として、ストリップ導体103に対し線対称に配置される1対の電極を設けてもよい。
【0069】
この電磁波伝送回路1においてプラズマPを生成するには、ストリップ導体103とプラズマ生成電極11との間にプラズマ生成用電源50を接続する。プラズマ生成用電源50は、ストリップ導体103とプラズマ生成電極11との間に所定の電圧を印加することによってプラズマPを生成するとともに、プラズマPを維持するための電力を供給する。プラズマ生成用電源50によって印加する電圧の波形を制御することによって、プラズマPのオン/オフや、プラズマPにおける電子密度を制御することができる。
【0070】
なお、ストリップ導体103には、電磁波伝送回路1によって伝送すべき電磁波が伝搬することになるので、この電磁波がプラズマ生成用電源50側へ流れることを防ぐために、ストリップ導体103とプラズマ生成用電源50との間に、上記電磁波を遮断するフィルタ51を設けておく。
【0071】
本実施形態では、電磁波伝送回路1によって伝送すべき電磁波として高周波を想定しているので、フィルタ51としては低周波透過フィルタを用いる。このフィルタは、電源側への電磁波を遮断するとともに、電源出力電圧の基準電位をストリップ導体103とするためのものである。
【0072】
プラズマPを生成するためには、プラズマPを生成すべき空間が電離対象となるガスで満たされている必要がある。そのためには、上記ガスを充填した密封容器の中に電磁波伝送回路1全体を配置すればよい。
【0073】
あるいは、図2に示すように、マイクロストリップ線路10上に、ガス保持部材52を設けておき、マイクロストリップ線路10の表面とガス保持部材52とによって囲まれた閉空間に上記ガスを充填するようにしてもよい。
【0074】
ガス保持部材52は、例えば次のようにして構成することができる。
【0075】
まず、上面板52aは、気体を封入可能な絶縁板(誘電体板)よりなる。この材質としては、真空容器や照明用ランプ、プラズマディスプレイパネル等で実績のある、各種ガラスや各種弗素樹脂が好適である。
【0076】
次に、側面壁52bの材質としては、上記各種の材質の上面板52aに対して、弗素ゴムや接着剤型真空シール材が有効である。また、誘電体101及び上面板52aの材質がガラスである場合には、側面壁52bの材質として、ガラスフリット材が有効である。
【0077】
側面壁52bの高さとしては、プラズマPの厚みが数百μmであるため、1mmあれば十分である。側面壁52bによって囲まれる領域の面積は、プラズマPを十分に内包できるものであればよい。
【0078】
上面板52aの面積は、側面壁52bとの密着性が保てるような大きさであればよい。上面板52aが、内外の気圧差によって湾曲する場合には、側面壁52bと同じ高さの柱状又はビーズ状の支持物を閉空間内部に挿入すればよい。
【0079】
なお、閉空間内部には内部構成部材から不純物ガスが徐々に放出されることもあるので、必要に応じてそれら不純物ガスを吸着除去するゲッター材を、閉空間内部のいずれかの場所、あるいは側面壁52b等に含有する形で挿入するとよい。
【0080】
以上のような構成の電磁波伝送回路1では、上記電界分布空間にプラズマPを生成することができる。プラズマは、上述のとおり、抵抗体(つまり導体)とみなすことができるため、プラズマPが生成された状態では、そのプラズマPは、発明が解決しようとする課題欄において説明した「別の導体」と同じ機能を果たすことになる。すなわち、マイクロストリップ線路10における伝送線路の途中に、フィルタ、分配(例えばT分岐)、結合などの機能をプラズマPによって実現することができる。
【0081】
したがって、上記電界分布空間は、その空間内に導体とみなすことができるプラズマPが存在することにより、マイクロストリップ線路10を伝搬する電磁波の伝搬状態が変化するような空間である必要があり、そのためには、ストリップ導体103の近傍空間V(図1(b)参照)である必要がある。具体的には、マイクロストリップ線路10の端部からの距離が、当該マイクロストリップ線路10の幅の2倍程度以内の空間であれば、上記の条件を満たすことになる(例えば、森栄二 著「マイクロウェーブ技術入門講座[基礎編]」CQ出版株式会社 2003年発行 45頁参照)。なお、プラズマPがストリップ導体103と接していてもよい。
【0082】
さらに、電磁波伝送回路1では、プラズマ生成用電源50によって印加する電圧及び供給する電力を制御することによって、上記電界分布空間にプラズマPを生成させたり生成させなかったりする、あるいはプラズマPの特性(特に電子密度)を変化させることができる。これにより、上記フィルタ、分配(例えばT分岐)、結合などの機能を動的に変化させることができるようになる。
【0083】
上記各機能を実現するための形態について説明する。
【0084】
まず、上記フィルタ機能については、従来、電磁波の伝送方向に沿って周期的な導体を配置することによって実現できることが知られているので(例えば、David M. Pozar "Microwave Engineering Third Edition" Johon Wiley & Sons, Inc. 参照)、この導体に代えてプラズマPを配置する図3に示すような構成によって実現できる。
【0085】
図3の電磁波伝送回路2は、ストリップ導体103に沿ってプラズマPが周期的に生成されるように、プラズマ生成電極11をストリップ導体103に沿って周期的に複数設けたものである。なお、図3では、プラズマ生成電極11及びプラズマPを2つしか図示していないが、実際にはより多くのプラズマ生成電極11を配置し、これに対応する数のプラズマPを生成することになる。
【0086】
この構成では、複数のプラズマ生成電極11に対して選択的にプラズマ生成用電源50からの電圧を印加することにより、プラズマPの周期を変更することができ、その結果、フィルタによって透過させる又は遮断する電磁波の周波数帯を変更することができる。
【0087】
また、上記分配機能については、図1(a)(b)に示す構成によって実現できる。すなわち、電磁波伝送回路1に入力される電磁波Wは、そのエネルギーの一部はプラズマPを介してプラズマ生成電極11側に流れることになり、他はそのままストリップ導体103に沿って流れることになる。このことは、入力された電磁波WがプラズマPによって分配されることになる。
【0088】
また、プラズマPのオン/オフを周期的に繰り返すと、上記分配機能により、プラズマ生成電極11側に流れる電磁波のエネルギー、及びストリップ導体103に沿って流れる電磁波のエネルギーも周期的に変動することになる。このことは、入力された電磁波を変調してプラズマ生成電極11側、又はストリップ導体103の出力端へ出力するという、変調機能に相当する。
【0089】
なお、上記分配機能及び変調機能を実現するにあたって、プラズマ生成電極11側へのエネルギー配分を大きくするためには、図4(a)に示すように、プラズマ生成電極11側への電磁波の進行が、ストリップ導体103の出力端側への電磁波の進行よりも、より直線に近い状態になるように、ストリップ導体103及びプラズマ生成電極11を配置すればよい。
【0090】
マイクロストリップ線路10を伝搬する電磁波は、方向を変えて進行するよりも同一方向に進行する方が進行しやすいので、上記のように配置することにより、プラズマ生成電極11側へ流れる電磁波のエネルギーの割合が増大することになる。
【0091】
図4(a)の電磁波伝送回路3は、屈曲部103aを有するようにストリップ導体103が形成されており、この屈曲部103aにおいて、ストリップ導体103の上流(電磁波Wの入力端側)から見た延長方向にプラズマ生成電極11が配置されている。
【0092】
さらに、図5に示すように、ストリップ導体103に2カ所の屈曲部103a・103bを設けるようにしてもよい。これにより、プラズマ生成電極11側へ流れる電磁波のエネルギーの割合がより増大することになる。
【0093】
なお、ここでは上記屈曲部103aを直角に曲がる屈曲部としているが、他の角度に曲がるものであってもよく、ストリップ導体103の上流側から屈曲部103aに向かう方向(第1方向)に対して、屈曲部103aからストリップ導体103の下流側に向かう方向(第2方向)のなす角度よりも、屈曲部103aからプラズマ生成電極11へ向かう方向(第3方向)のなす角度の方が小さくなるように、プラズマ生成電極11が配置されておればよい。
【0094】
また、上記分配機能では、ストリップ導体103の一端から電磁波を入力し、ストリップ導体103の他端及びプラズマ生成電極11から電磁波を出力することになるが、例えば、ストリップ導体103の両端から電磁波を入力し、プラズマ生成電極11から電磁波を出力させることにより、上記結合機能を実現することができる。
【0095】
なお、プラズマ生成電極11にはプラズマ生成用の低周波電圧信号が印加されているので、高周波電力の取出しには低周波遮断フィルターを通して行うことが有効である。あるいは、図4(b)に示すように、高周波取り出し用の専用電極11aを設けることも有効である。この場合、高周波取り出し用電極11aにはプラズマ生成用の低周波電圧信号は印加されず、したがって高周波取り出し用電極11aは直流的には接地電位とほぼ同電位となる。
【0096】
次に、プラズマPの生成をより容易にするための変形例について、図6に基づいて説明する。図6に示す電磁波伝送回路5は、図1(a)(b)に示した電磁波伝送回路1に加えて、予備電極12を備えている。
【0097】
予備電極12は、プラズマ生成電極11からストリップ導体103までの距離よりも、プラズマ生成電極11からの距離が小さくなる位置に設けられている。図6では、プラズマ生成電極11と予備電極12とがストリップ導体103の長手方向に沿って並ぶように配置した状態を示しているが、ストリップ導体103の長手方向と垂直方向に沿ってプラズマ生成電極11と予備電極12とが並ぶように配置してもよく、他の方向に並ぶように配置してもよい。
【0098】
予備電極12を設けておき、プラズマ生成電極11と予備電極12との間に電圧を印加するようにすると、相対的に距離の小さいプラズマ生成電極11と予備電極12との間でまずプラズマPが生成され、ここで生成されたプラズマPの影響によって、プラズマ生成電極11とストリップ導体103との間でもプラズマPが生成されやすくなるとともに、生成されたプラズマPが安定化する。
【0099】
〔電磁波伝送回路の用途〕
次に、本実施形態の電磁波伝送回路1の適用例について説明する。なお、以下では電磁波伝送回路1を適用する場合について説明するが、電磁波伝送回路1に限らず、電磁波伝送回路2~5も適宜適用可能である。
【0100】
まず、無線通信機器などにおける変調回路として電磁波伝送回路1を適用する例について、図7(a)~(c)及び図8に基づいて説明する。
【0101】
従来の無線通信機器の基本構成は、図7(a)に示すような構成となっている。すなわち、GHz帯の搬送波に対する変調回路は、設計が困難、かつ、部品が高価であるので、約1桁低い周波数であるベースバンド回路204の搬送波を変調し、その後ミキサ206でGHz帯に周波数を上げるという手法をとっている。そのためには、従来の変調回路205に加えて、ベースバンド回路204やミキサ206、バンドパスフィルタ207などを備える必要があった。
【0102】
一方、電磁波伝送回路1を使用すると、電磁波伝送回路1の上記変調機能はGHz帯に対しても有効に機能するので、GHz帯の搬送波についても直接的に変調を行うことができる。その上、電磁波伝送回路1は、上述したような簡単な構成によって実現することができる。そのため、図7(b)又は図7(c)に示すように、局部発信器201からの信号を直接、電磁波伝送回路1に入力して変調を行うことができるようになり、ベースバンド回路204やミキサ206、バンドパスフィルタ207などを設ける必要がなくなる。
【0103】
また、従来のGHz帯の変調回路は、半導体素子などを使用している関係上、大電力に耐えることは困難であった。このため、比較的大きい電力の搬送波を制御する変調回路を実現することは困難であった。したがって、低出力の局部発信器201からの搬送波を変調した後にパワーアンプ202によって増幅する必要があった。
【0104】
一方、電磁波伝送回路1は、半導体素子などを用いていないので、大電力に対しても十分な耐性を有している。したがって、電磁波伝送回路1を使用することにより、図7(d)に示すように、高出力の局部発信器211からの搬送波についても直接的に変調を行うことができるようになる。ここで、高出力の局部発信器211は、マグネトロンと呼ばれる素子であり、例えば電子レンジに使用されるものでは出力1kWのものでも安価(数千円)であり、これを減衰器212によって所望の出力(例えば数10W)に落とした上で、電磁波伝送回路1によって変調を行うことができる。
【0105】
このように、電磁波伝送回路1を用いることにより、高出力の高周波の制御にも問題なく動作するので、電磁波伝送回路1を用いた無線通信機としては、無線中継局のような高出力(数10W)が求められるものに対して特に有効である。
【0106】
次に、高出力マイクロ波源の変調(パルス変調)を行うために電磁波伝送回路1を適用する例について説明する。
【0107】
近年、GHz帯のマイクロ波は、各種の材料改質や半導体デバイス製造用のプラズマ生成に使用されている。これらの分野で、マイクロ波を変調させる(オンオフさせる)ことにより、それらの用途の性能向上を図る場合がある。これらのマイクロ波は、数10~数100Wの出力のものを利用することが多い。電磁波伝送回路1は、上述のとおり大電力に対しても十分な耐性を有しているので、このような高出力のマイクロ波に対する変調を行う場合にも好適に利用することができる。
【0108】
あるいは、電磁波伝送回路1を電力分配器として使用することにより、マイクロ波出力を複数化することや、オンオフ化することも可能となり、各種用途の最適化へ利用できる。
【0109】
また、ごく最近、GHz帯のマイクロ波で微小プラズマを生成し、汚水や血液等の評価サンプルを通してその場成分分析を行う技術が提案されている。この場合、マイクロ波に正弦波で変調をかけることにより、分析検出信号の周期的変調が行え、ロックインアンプ等の汎用解析装置が適用可能となっている。このような分野においても電磁波伝送回路1を好適に用いることができる。
【0110】
次に、整合回路として電磁波伝送回路1を用いる例について説明する。
【0111】
高周波回路の中の重要な回路部品の1つに、整合回路がある。これは、高周波源等の特性インピーダンスからインピーダンスがずれる素子の手前に設置して、高周波電力が有効に素子に投入されるようにするインピーダンス変換器である。マイクロストリップ線路の場合、短絡終端又は開放終端のT分岐回路の長さ調整によってインピーダンス変換器の役割を容易に果たすことができる。
【0112】
上記T分岐回路として電磁波伝送回路1を適用すると、T分岐回路を構成するプラズマPの強度調整(電子密度の調整)によって、T分岐回路の長さ調整と同等の調整を行うことができるので、動的なインピーダンス調整が可能となる。
【0113】
具体的には、各種無線発信器のアンテナ手前の整合回路部分に電磁波伝送回路1を適用可能であり、ワイドバンドと呼ばれるような広周波数帯の出力が要求される場合に、各周波数に応じて整合状態の精密な調整が可能となる。
【0114】
〔実験結果〕
図8に示す実験装置を用いて、本実施形態の電磁波伝送回路の特性を確認する実験を行った。以下において、実験内容及び実験結果を説明する。
【0115】
実験に用いた電磁波伝送回路は、図6に示した電磁波伝送回路5に相当するものである。電磁波伝送回路5の具体的構成は次のとおりである。
【0116】
誘電体101(図6参照)として、厚み1.6mmのガラスエポキシ基板(ε=4.5)を用いた。この誘電体101の上に、銅厚膜層からなるストリップ導体103、プラズマ生成電極11及び予備電極12を、レーザー微細加工及びウェットエッチングによって一括でパターニング形成した。ストリップ導体103及びプラズマ生成電極11は、幅を3mmとし、特性インピーダンスが50Ωになるように設計した。なお、プラズマ生成電極11の幅とは、プラズマ生成電極11からストリップ導体103に向かう方向に対して直交する方向の長さを意味する。
【0117】
また、ストリップ導体103とプラズマ生成電極11との距離を3mmとし、プラズマ生成電極11と予備電極12との距離を0.2mmとした。また、プラズマを生成するための電離対象となるをネオン(Ne)とするために、電磁波伝送回路5をネオンの充填された真空チャンバの中に設置した。
【0118】
電磁波伝送回路5におけるストリップ導体103の入力端には、発信器301から出力され、増幅器302によって増幅された電磁波(周波数8~12GHz、最大電力3W)を、ハイパスフィルタ303(遮断周波数f=75MHz)を介して入力させた。また、ストリップ導体103の出力端には、ハイパスフィルタ313(遮断周波数f=75MHz)を介して、方向性結合器312を接続し、方向性結合器312の出力に終端抵抗器311を接続した。
【0119】
なお、ハイパスフィルタ303・313は、プラズマの生成による雑音信号が増幅器302及び方向性結合器312に入るのを防ぐために設けている。発信器301から終端抵抗311までの回路では、ハイパスフィルタ303・313を除いて、特性インピーダンスが50Ωに設定されている。ストリップ導体103は、このハイパスフィルタ303・313内の抵抗100オームを通して接地電位につながっている。すなわち、低周波領域の信号に対しては、ほぼ接地電位にあるのと等価である。
【0120】
プラズマ生成電極11(カソードK)には、プラズマ生成用電源50により負の矩形パルスVkを印加できるようにするとともに、予備電極12(アノードA)には、直流電源53により直流電位Vaを設定できるようにした。また、ストリップ導体103(コンダクタC)は、浮遊電位(C:floating)又は接地電位(Vc=0)に設定できるようにした。
【0121】
上記各電位及びガス圧力と、生成されたプラズマの可視発光像との関係を図9に示す。
【0122】
ストリップ導体103(コンダクタC)が浮遊電位(C:floating)の場合、放電電流Iaはプラズマ生成電極11(カソードK)と予備電極12(アノードA)との間で流れ、明るく発光しているのはカソードKの表面(シース部近傍)である。
【0123】
ストリップ導体103(コンダクタC)が接地電位(Vc=0)の場合、プラズマ生成電極11からストリップ導体103に向かってごく弱い発光が観測され、プラズマ生成電極11(カソードK)と予備電極12(アノードA)との間の放電が若干広がっていることが確認できた。
【0124】
さらに、予備電極12(アノードA)の電位を負にすると(Va=-40V)、プラズマ生成電極11(カソードK)と予備電極12(アノードA)との間よりも、プラズマ生成電極11(カソードK)とストリップ導体103(コンダクタC)との間の方が電位差が大きくなり、プラズマ生成電極11(カソードK)とストリップ導体103(コンダクタC)との間に強い発光が観測されるとともに、その部分に有意な大きさの放電電流Icが流れていることが確認できた。
【0125】
予備電極12(アノードA)を浮遊電位の場合、プラズマ生成電極11(カソードK)とストリップ導体103(コンダクタC)との間にはアーク放電状の不安定な放電となりやすかった。
【0126】
以上のことから、予備電極12を備えた3電極構造を用いてプラズマ生成電極11(カソードK)と予備電極12(アノードA)との間の放電で予備電離を起こすことによって、ネオンの圧力が30~120Torrの雰囲気では通常安定的にプラズマを生成させることが困難な長尺放電を容易に実現できることが確認できた。
【0127】
放電電圧Vk及び放電電流Ia・Ic、並びに周波数11GHzの電磁波に対する電磁波伝送回路5の透過特性の時間変化を図10及び図11に示す。図10及び図11は、それぞれVa=-50V及びVa=-20Vの場合を示し、何れもネオンの圧力は120Torrである。
【0128】
図10の場合は、プラズマ生成電極11(カソードK)とストリップ導体103(コンダクタC)との間の放電電流Icが流れてこの間にプラズマが生成され、T分岐構造が動的に形成される。すなわち、Icの変化に呼応して電磁波の透過率が減少する(約10%)。
【0129】
一方、図11の場合は、プラズマ生成電極11(カソードK)と予備電極12(アノードA)との間の放電電流Iaが流れて放電電流Icが流れず、電磁波の透過率の変化もほとんど観測されない。
【0130】
この結果より、図10の場合はプラズマの生成によってT分岐構造が形成され、図11の場合はプラズマが生成されずにT分岐構造が形成されていないと考えられる。このように、プラズマのオン/オフによってT分岐構造を動的に形成できることがわかった。
【0131】
図10の場合、プラズマのオン/オフはプラズマ生成用電源50からの矩形パルスによって実現されることになる。この矩形パルスの立ち下がり及び立ち上がり時間(約0.5μs)に対し、透過率変化の立ち下がり及び立ち上がり時間は約3μsであった。この結果より、約330kHz以下の周期であれば透過率の変化は追随できることになる。
【0132】
このときのプラズマの導電率は1~4×10-3S/cmであり、この値から電子密度の平均値を概算すると約1~3×1012cm-3となり、ω/2π=11GHzの電磁波のカットオフ密度(ω=ωpe:電子プラズマ周波数)をほぼ満足することがわかった。
【0133】
なお、ガス種をアルゴンに変更したところ、プラズマの電子密度は約1×1013cm-3となり、このときの電磁波の透過率は約40%減少した。これは、この周波数帯での通常の導体のみで構成されたT分岐素子における最大の減衰量に相当する。
【0134】
以上のように、本実験では、電磁波伝送回路5は単純には減衰器として作用し、かつ、プラズマ生成用電源50からの矩形パルスを300kHz程度までの正弦波とすると変調器としても作用することが確認できた。これは、構造が単純な電磁波伝送回路5でありながら極めて高い周波数での変調作用を実現していることになる。
【0135】
また、本実験においては、電磁波伝送回路5に入力する電磁波の最大電力は3Wとしたが、原理的には、プラズマ生成用電源50からプラズマに供給されている電力(20W程度)までの電力であれば制御が可能である。
【0136】
次に、ネオンの圧力と、放電開始電圧(Sparking Voltage)との関係を図12に示す。図12より、プラズマ生成電極11(カソードK)と予備電極12(アノードA)との間の放電開始電圧は、ネオンの圧力が150~200Torrで最小となることがわかる。また、プラズマ生成電極11(カソードK)とストリップ導体103(コンダクタC)との間の放電は、予備電極12(アノードA)が浮遊電位であると、ネオンの圧力が100Torr以下でしか発生しないことがわかる(アーク放電状の不安定性を伴う)。また、プラズマ生成電極11(カソードK)とストリップ導体103(コンダクタC)との間の放電は、予備電極12(アノードA)が接地電位であると、プラズマ生成電極11(カソードK)と予備電極12(アノードA)との間の放電開始電圧とほぼ一致することがわかる。
【0137】
また、直流電位Vaの変化による放電電流Icの変化に対する電磁波の透過率の減少量の変化は、図13に示すように、単調に変化することがわかった。
【0138】
また、ネオンの圧力変化による放電電流Icの変化に対する電磁波の透過率の変化は、図14に示すように、ほぼ比例の関係にあることがわかった。
【0139】
〔シミュレーション結果〕
図15に示すシミュレーションモデルを用いて、本実施形態の電磁波伝送回路の特性を確認するシミュレーションを行った。以下において、シミュレーション内容及びシミュレーション結果を説明する。
【0140】
シミュレーションに用いたシミュレーションモデルは、ストリップ導体103からプラズマ生成電極11に向かう方向をx方向、面状導体102からストリップ導体103に向かう方向をy方向として、図15に示す形状及びサイズを想定した。
【0141】
すなわち、誘電体101は厚み1.6mm、比誘電率ε=4.5とし、ストリップ導体103はx方向の幅3mm、厚み0.1mm、プラズマ生成電極11はx方向の幅1.8mm、厚み0.1mm、ストリップ導体103とプラズマ生成電極11との間隙3.0mm、プラズマPの厚み0.5mm、ストリップ導体103及びプラズマ生成電極11とプラズマPとの間に生じるシースの厚み0.1mmとした。
【0142】
プラズマPを生成するための電離対象となるガスをネオンとし、その圧力を120Torrとするとともに、プラズマPの密度分布をスラブ形状とした。また、誘電体101、面状導体102及びストリップ導体103からなる伝送線路(伝送方向はx方向及びy方向と直交する方向)には周波数11GHzの電磁波が伝搬しているものとした。
【0143】
上記シミュレーションモデルを用い、次の式(4)によって表される波動方程式を、弾性衝突の効果を考慮して数値解析した。
【0144】
【数4】
JP0004752057B2_000006t.gif

【0145】
具体的には、差分法により(E,E)を複素数として解いた。ここで、E及びEは、それぞれx方向及びy方向の電界を複素数として表示したものである。上記(E,E)の解析結果をグラフ化して図16から図18に示す。なお、図16から図18において、上段(Im(E))及び下段(Re(E))は電界の虚数成分及び実数成分をそれぞれ示している。また、図16から図18の各グラフは電界強度に関する等電界線を示している。
【0146】
図16は、プラズマPの電子密度を3×1010cm-3としたときの結果であり、この場合には伝搬する電磁波の振動数ωが電子プラズマ振動数ωpeよりも十分大きくなる。この場合、電界の虚数成分Im(E)はプラズマPの影響をほとんど受けておらず、電界の実数成分Re(E)も存在していないことから、プラズマPは伝搬する電磁波に対してほとんど影響を及ぼさないことになる。
【0147】
図17は、プラズマPの電子密度を3×1012cm-3としたときの結果であり、この場合には電子プラズマ振動数ωpeが伝搬する電磁波の振動数ωと同程度又はやや上回ることになる。この場合、電界の実数成分Re(E)が存在していることから、プラズマPは伝搬する電磁波に対して抵抗体として働くことになる。
【0148】
図18は、プラズマPの電子密度を3×1014cm-3としたときの結果であり、この場合には伝搬する電磁波の振動数ωが電子プラズマ振動数ωpeよりも十分小さくなる。この場合、電界はプラズマPを避けるように分布しているから、プラズマPは伝搬する電磁波に対して金属のような完全導体として働くことになる。
【0149】
プラズマPの電子密度の変化に対する、プラズマP内でのIm(E)の積分値及びRe(E)の積分値の変化を図19に示す。図19より、電子プラズマ振動数ωpeが伝搬する電磁波の振動数ωと同程度以上の領域ではRe(E)が増大することから、プラズマPは伝搬する電磁波に対して抵抗体として働くことになり、さらに電子プラズマ振動数ωpeが大きくなるとIm(E)及びRe(E)がほぼ0になることから、プラズマPは伝搬する電磁波に対して完全導体として働くことがわかる。
【0150】
以上より、プラズマPの電子プラズマ振動数ωpeを、伝搬する電磁波の振動数ω以上に設定することにより、伝搬する電磁波に対してプラズマPは抵抗体又は完全導体として機能することがわかった。
【0151】
なお、上述した実験結果やシミュレーション結果において説明した各種パラメータは、本発明を適用した電磁波伝送回路を実現する際の一具体例にすぎない。本発明を適用した電磁波伝送回路を実現するにあたっての好適なパラメータの例を示すと以下のとおりである。
【0152】
電磁波伝送回路によって伝送すべき電磁波は、周波数が1~20GHzのものが望ましい。周波数が1GHz以上であればその1/4波長(すなわちプラズマPの必要長さ)はマイクロストリップ線路上では4cm以下となり、本発明を適用した電磁波伝送回路のサイズを、携帯可能な機器へ搭載できる程度に小型化することができる。また、周波数が20GHz以下であれば、一般的な誘電体を用いた場合でも誘電損失によるエネルギーロスを抑えることができる。
【0153】
なお、プラズマPの必要長さは伝送すべき電磁波の1/4波長以上であることが望ましい。プラズマPが電磁波の1/4波長以下であればプラズマPが存在することによる合成インピーダンスの変化は生じるもののその変化はそれほど大きくならないのに対し、1/4波長以上であれば合成インピーダンスを有意に変化させることができるからである。
【0154】
プラズマPの電子密度は、伝送すべき電磁波の周波数によって異なるが、周波数が11GHzの場合は3×1012cm-3以上であることが望ましく、周波数がfGHzの場合は、(f/11)×(3×1012)cm-3以上であることが望ましい。
【0155】
プラズマPを生成するための電力や、電離対象となるガスの種類及び圧力に関しては、上記電子密度を実現できるように適宜設定すればよい。
【0156】
なお、本実施形態では、プラズマ生成電極11によってプラズマPを生成させる構成について説明したが、プラズマPはプラズマ生成電極を設けなくとも生成させることができる。これは一般に無電極放電と呼ばれるプラズマ生成の形態であり、高周波によるプラズマ生成やレーザ集光によるプラズマ生成などが該当する。本発明に係る電磁波伝送回路は、このような無電極放電によってプラズマPを生成させるものであってもよい。
【0157】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0158】
本発明は、通信分野などにおける電磁波の伝送回路に適用でき、特に高周波の伝送回路に好適に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0159】
【図1】(a)及び(b)は、本発明に係る電磁波伝送回路を示すそれぞれ斜視図及び平面図である。
【図2】(a)及び(b)は、図1の電磁波伝送回路に対してガス保持部材を追加した状態を示すそれぞれ斜視図及び平面図である。
【図3】本発明に係る他の電磁波伝送回路を示す平面図である。
【図4】(a)及び(b)は、本発明に係るさらに他の電磁波伝送回路を示す平面図である。
【図5】本発明に係るさらに他の電磁波伝送回路を示す平面図である。
【図6】本発明に係るさらに他の電磁波伝送回路を示す平面図である。
【図7】(a)は従来の無線通信機器の基本構成を示すブロック図であり、(b)~(d)は本発明に係る電磁波伝送回路を適用した無線通信機器の基本構成を示すブロック図である。
【図8】図6の電磁波伝送回路の特性を調べるために行った実験の装置構成を示すブロック図である。
【図9】図8の実験装置によりプラズマを生成させたときのプラズマの発光状態を示す図である。
【図10】図8の実験装置を用いて行った実験の実験結果を示すグラフである。
【図11】図8の実験装置を用いて行った実験の実験結果を示すグラフである。
【図12】図8の実験装置を用いて行った実験の実験結果を示すグラフである。
【図13】図8の実験装置を用いて行った実験の実験結果を示すグラフである。
【図14】図8の実験装置を用いて行った実験の実験結果を示すグラフである。
【図15】プラズマの特性を調べるためのシミュレーションモデルを示す図である。
【図16】図15のシミュレーションモデルを用いて行ったシミュレーション結果を示すグラフである。
【図17】図15のシミュレーションモデルを用いて行ったシミュレーション結果を示すグラフである。
【図18】図15のシミュレーションモデルを用いて行ったシミュレーション結果を示すグラフである。
【図19】図15のシミュレーションモデルを用いて行ったシミュレーション結果を示すグラフである。
【図20】(a)~(c)は、従来のマイクロストリップ線路の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0160】
1 電磁波伝送回路
2 電磁波伝送回路
3 電磁波伝送回路
4 電磁波伝送回路
5 電磁波伝送回路
10 マイクロストリップ線路
11 プラズマ生成電極
12 予備電極
52 ガス保持部材
101 誘電体
102 面状導体
103 ストリップ導体
103a 屈曲部
103b 屈曲部
P プラズマ
W 電磁波
図面
【図1】
0
【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
4
【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図9】
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