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明細書 :酸性溶液中のアクチニド元素を回収するための混合抽出剤

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4949337号 (P4949337)
公開番号 特開2009-008688 (P2009-008688A)
登録日 平成24年3月16日(2012.3.16)
発行日 平成24年6月6日(2012.6.6)
公開日 平成21年1月15日(2009.1.15)
発明の名称または考案の名称 酸性溶液中のアクチニド元素を回収するための混合抽出剤
国際特許分類 G21F   9/06        (2006.01)
B01D  11/04        (2006.01)
G21C  19/46        (2006.01)
FI G21F 9/06 581H
B01D 11/04 Z
G21C 19/46 M
請求項の数または発明の数 1
全頁数 6
出願番号 特願2008-200874 (P2008-200874)
分割の表示 特願2004-324949 (P2004-324949)の分割、【原出願日】平成16年11月9日(2004.11.9)
出願日 平成20年8月4日(2008.8.4)
優先権出願番号 2004124918
優先日 平成16年8月13日(2004.8.13)
優先権主張国 ロシア連邦(RU)
審査請求日 平成20年8月4日(2008.8.4)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】505374783
【氏名又は名称】独立行政法人日本原子力研究開発機構
発明者または考案者 【氏名】小澤 正基
【氏名】ババイン ワシーリー アレクサンドロビッチ
【氏名】フョードロフ ユーリー ステパノビッチ
【氏名】シャドリン アンドレイ ユーリエビッチ
【氏名】ロマノフスキー ワレーリー ニコラエビッチ
【氏名】スミルノフ イーゴリ ワレンチノビッチ
【氏名】ジリベルマン ボリス ヤコブレビッチ
個別代理人の代理人 【識別番号】100096862、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 千春
審査官 【審査官】山本 吾一
参考文献・文献 特開平09-080194(JP,A)
特開平05-186229(JP,A)
特開昭52-027993(JP,A)
Romanovskii V N,Solid extractant on the base of bifunctional extractants and solvating diluents for recovery of rare,Proceedings. International Topical Meeting on Nuclear and Hazardous Waste Management,1996年,1996,Vol3,2111-2114p
Romanovskiy Valeriy N,The universal solvent extraction (UNEX) process: Development of the UNEX process solvent for the sep,Solvent Extraction and Ion Exchange,米国,2001年,19(1),1-21p
調査した分野 G21F 9/00
B01D 11/00
G21C 3/00
JSTPlus(JDreamII)

特許請求の範囲 【請求項1】
極性希釈剤中に二座配位の有機リン抽出剤であるオクチルフェニル-N,N-ジイソブチルカルバモイルフォスフィンオキシドを含む溶液からなる混合抽出剤であって、
上記極性希釈剤としてメタニトロベンゾトリフルオライド(MNBTF)とTBPの混合物を使用し、かつ
上記オクチルフェニル-N,N-ジイソブチルカルバモイルフォスフィンオキシドを0.1~1.2M/Lとするとともに、上記TBPを0.3~1.1M/Lとしたことを特徴とする酸性溶液中のアクチニド元素を回収するための混合抽出剤。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、放射化学的技術に関し、さらに詳しくは、使用済核燃料(SNF)の処理から発生する放射性廃棄物の再処理に関し、非鉄金属の抽出回収に使用し得るものである。
【背景技術】
【0002】
生態系の安全性を維持するためは、使用済核燃料再処理で生成する長寿命放射性核種を、貯蔵期間中に環境への漏洩及び拡散が生じないような形態へ転換する必要がある。したがって、それとともに、ウラン、プルトニウムおよび超プルトニウム元素(TPE)、特にアメリシウムおよびキュリウムの回収を行う必要がある。
【0003】
液液抽出法は、最も広く行われている液体高レベル廃棄物(HLW)の再処理方法である。酸性溶液からウランとプルトニウムをTBPにより抽出する標準的なPUREX法が知られている(非特許文献1参照)。PUREX法においては、飽和炭化水素中に1.1M TBPを含む混合抽出剤が使用され、ウランとプルトニウムをよく抽出するが、その他の元素は非常に僅かしか回収しない。
【0004】
酸性溶液から希土類元素(REE)とともに、アメリシウムおよびキュリウムを回収するTRUEX法も知られている(非特許文献2参照)。TRUEX法では、飽和炭化水素中に0.15~0.25M オクチルフェニル-N,N-ジイソブチルカルバモイルフォスフィンオキシドと1.1~1.5M TBPを含む混合抽出剤が使用され、酸性溶液から3価の元素と少量のウランおよびプルトニウムが回収される。
【0005】
フッ素化希釈剤中にジフェニルカルバモイルフォスフィンを含む混合抽出剤によりREE、TPE、UおよびPuを抽出する方法に使用される混合抽出剤は、特許文献1中で用いられた混合抽出剤に最も類似している。この方法は、メタニトロベンゾトリフルオライドまたはオルト-ニトロフェニルテトラフルオロエチルエーテル中に0.05~0.3M ジフェニル-N,N-ジブチルカルバモイルフォスフィンオキシド溶液を含むプロトタイプの混合抽出剤に基づくものである。
【0006】
このプロトタイプの欠点は、かなりのウラン量(ウラン濃度5g/L超)が水相中に存在すると、カルバモイルフォスフィンオキシドとウランの溶媒和物の沈殿が有機相中に生成されることであり、このような場合には、抽出プロセスは動的条件下で行うことができない。
【0007】

【非特許文献1】Reactor Handbook, Sec. Edition, Ed. S.M.Stoller, R.B.Richards, v.2, Fuel reprocessing, p.101 (1961)
【非特許文献2】E.P.Horwitz, et al, Solv. Extr. Ion Exch., v.3(1&2), p.75, 1985
【特許文献1】B.F.Myasoedov, M.K.Chmutova, V.A.Babain, A.Yu.Shadrin, V.P.Popik, G.A.Pribulova, E.G.Dzekun, 「希土類およびアクチニド元素の抽出回収方法」ロシア発明者証 No.1524519(ロシア特許への変更:1997年4月27日)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、TPEおよびREEだけでなくウランおよびプルトニウムも同時に抽出することができる混合抽出剤を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した問題は、ジエチレングリコールのビス-テトラフルオロプロピルエーテル(フルオロポール-1083)中に二座配位の有機リン抽出剤(ジヘキシル-N,N-ジエチルカルバモイルフォスフォネート(HexO)2/Et2)を含む混合抽出剤を使用することにより解決される。
【0010】
同様な結果、すなわち、沈殿や第三相を生ずることなく高濃度のウラン、およびプルトニウム、REE、TPEの抽出が、希釈剤としてのメタニトロベンゾトリフルオライド中にオクチルフェニル-N,N-ジイソブチルカルバモイルフォスフィンオキシド(PhOct-iBu2)と0.3~1.1M/LのTBPを含む混合抽出剤を使用することにより可能である。
【0011】
すなわち、請求項1に記載の本発明に係る酸性溶液中のアクチニド元素を回収するための混合抽出剤は、極性希釈剤中に二座配位の有機リン抽出剤であるオクチルフェニル-N,N-ジイソブチルカルバモイルフォスフィンオキシドを含む溶液からなる混合抽出剤であって、上記極性希釈剤としてメタニトロベンゾトリフルオライド(MNBTF)とTBPの混合物を使用し、かつ上記オクチルフェニル-N,N-ジイソブチルカルバモイルフォスフィンオキシドを0.1~1.2M/Lとするとともに、上記TBPを0.3~1.1M/Lとしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の混合抽出剤をプロトタイプと比較すると、本発明の混合抽出剤は、プロトタイプと同様に、種々の組成の酸性水溶液からウラン、REEおよびTRUの抽出ができる点が注目される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、実施例を挙げて本発明を説明する。
【0014】
実施例1
極性希釈剤フルオロポール-1083中に30%(HexO)2/Et2を含む混合抽出剤を、金属(U、TRU、Eu)の硝酸塩を含むHNO3溶液と、20℃で3分間接触させた。分配係数を図1と表1に示す。
【0015】
(表1)
極性希釈剤フルオロポール-1083中に30% (HexO)2/Et2を含む混合抽出剤による、硝酸ウラニル(水相中のウランの初期濃度-100g/L)を含む2M HNO3からのU、TRUおよびEuの抽出
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【0016】
実施例2
極性希釈剤フルオロポール-1083中に30%(HexO)2/Et2を含む混合抽出剤を、種々の濃度の硝酸ウラニルを含むHNO3溶液と、20℃で3分間接触させた。分配係数を図2に示す。
【0017】
実施例3(プロトタイプ)
ドデカン中に0.2M オクチルフェニル-N,N-ジイソブチルカルバモイルフォスフィンオキシドと1.1M TBPを含む混合抽出剤を、種々の濃度の硝酸ウラニルを含むHNO3溶液と、20℃で3分間接触させた。10g/Lを超えるウラン濃度では、抽出中に第三相が生成し、30g/Lを超えるウラン濃度では、沈殿が認められた(表2参照)。
【0018】
実施例4(プロトタイプ)
極性希釈剤メタニトロベンゾトリフルオライド(MNBTF)中に0.1M ジフェニル-N,N-ジブチルカルバモイルフォスフィンオキシドを含む混合抽出剤を、種々の濃度の硝酸ウラニルを含むHNO3溶液と、20℃で3分間接触させた。初期水溶液中のウラン濃度が5g/Lを超えると、抽出プロセス中に沈殿が認められた。
本発明の混合抽出剤とプロトタイプとの比較も表2に示す。
【0019】
【表2】
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【0020】
上記の実施例に示したように、本発明の混合抽出剤は、高含量のウランとともにTPEおよびREEを含む酸性溶液から、ウランおよびプルトニウムの存在下でTPEおよびREEを回収できることがわかる。プロトタイプおよび類似方法で使用される混合抽出剤は沈殿を生成するため、かような抽出を行うことはできない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】極性希釈剤フルオロポール-1083中に30%(HexO)2/Et2を含む混合抽出剤によるU、Pu、Euの抽出結果を示すグラフである。
【図2】極性希釈剤フルオロポール-1083中に30%(HexO)2/Et2を含む混合抽出剤を用いてU抽出を行う際の、初期U濃度の影響を示すグラフである。
図面
【図1】
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【図2】
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