TOP > 国内特許検索 > 遊戯用ボール > 明細書

明細書 :遊戯用ボール

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5142366号 (P5142366)
公開番号 特開2009-106612 (P2009-106612A)
登録日 平成24年11月30日(2012.11.30)
発行日 平成25年2月13日(2013.2.13)
公開日 平成21年5月21日(2009.5.21)
発明の名称または考案の名称 遊戯用ボール
国際特許分類 A63B  43/00        (2006.01)
A63B  37/00        (2006.01)
FI A63B 43/00 D
A63B 37/00 N
請求項の数または発明の数 5
全頁数 7
出願番号 特願2007-283385 (P2007-283385)
出願日 平成19年10月31日(2007.10.31)
審査請求日 平成22年10月29日(2010.10.29)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】800000068
【氏名又は名称】学校法人東京電機大学
発明者または考案者 【氏名】小林 岳彦
【氏名】山本 浩延
【氏名】西出 剛彦
個別代理人の代理人 【識別番号】100083806、【弁理士】、【氏名又は名称】三好 秀和
審査官 【審査官】大澤 元成
参考文献・文献 米国特許第05912700(US,A)
特表2001-518242(JP,A)
特開2007-129420(JP,A)
特開2000-280980(JP,A)
実開昭62-122665(JP,U)
特開2006-081912(JP,A)
調査した分野 A63B 37/00 -47/00
H04N 5/00
特許請求の範囲 【請求項1】
1辺の中心角が90°の整数分の1となる正多角形板または円板の同形状、同サイズのもの3枚をそれらの中心が一致し、かつ互いに直交し、前記中心の周りに合計8個のコーナーレフレクターを形成するように組み合わせた形状のリフレクター部材を、前記正多角形板の対角線距離または前記円板の直径が内径とほぼ一致する球殻内に内蔵させ、
前記リフレクター部材の表面には、電磁波反射性を付与したことを特徴とする遊戯用ボール。
【請求項2】
前記リフレクター部材は、導電体、基材の表面に導電体を被覆したもの、網目が0.5mm以下の導電性の網体のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の遊戯用ボール。
【請求項3】
前記球殻はゴム質柔軟材であり、前記リフレクター部材は表面に導電性層が形成されたゴム質柔軟材であることを特徴とする請求項1に記載の遊戯用ボール。
【請求項4】
軽量柔軟材で、かつレーダ電磁波を透過する素材の球体をその中心を通るように水平方向に2分割し、さらに垂直方向に前記中心の周りに4等分することで得られる8等分体に対して、それらの外周面のうち球面以外の残りの3つの分割面それぞれに電磁波を反射させるための導電被覆を施し、かつ、前記8等分体の8体を、各分体の導電被覆の施された3つの分割面それぞれが上側又は下側と、右側と、左側とにそれぞれ隣接する他の3体の分体それぞれの導電被覆の施された分割面と互いに対面させ、中心の周りに合計8個のコーナーレフレクターを形成するように組み合わせて球体にし、各分体間を固着して成ることを特徴とする遊戯用ボール。
【請求項5】
前記8等分体の8体を組み合わせた球体の表面に柔軟な表皮を被せたことを特徴とする請求項4に記載の遊戯用ボール。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、レーダ反射性を備えた遊戯用ボールに関する。
【背景技術】
【0002】
子供が転がる遊戯用ボールを夢中で追いかけて車道に飛び出し、自動車事故に遭う痛ましい事件は後を絶たない。ボールの表面に光学的反射特性や蛍光性を持たせてヘッドライトの光に目立ちやすくすることで、薄暗い車道でもドライバがボールを早めに発見できるようにすることで、このような痛ましい事故を少しは減らすことができる。しかしながら、このようなドライバの視覚に訴える対策だけでは、十分遠方からボールを視認することは難しく、また視界不良の時には発見しづらい問題点があった。
【0003】
近年、車載レーダが発達し、それを搭載している自動車も増加している。そこで、遊戯用ボールにレーダ反射性を持たせれば、小路や路地のような見通しの悪い道路からその遊戯用ボールが車道に転がり出てきた時に走行中の自動車の車載レーダによって十分遠方から検知できる。しかしながら、ボールの表面に導電性を持たせる程度ではレーダ断面積が小さくて車載レーダにとっては検知しにくい。そのため、遊戯用ボールに十分大きなレーダ断面積を付与する必要がある。しかし、車載レーダにて容易に検知できる十分に大きなレーダ断面積を有する遊戯用ボールは知られていない。
【0004】
他方、例えば、船舶用救難用具として特開2000-280980号公報(特許文献1)によれば、レーダ断面積の大きいリフレクターを内蔵させた黒球が知られている。しかしながら、この従来技術は、船舶用救難用具であり、遊戯用ボールとは技術分野が異なる。

【特許文献1】特開2000-280980号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した従来技術の課題に鑑みてなされたもので、車載レーダにて十分に遠方から検知が可能で、子供の安全に役立てることができる遊戯用ボールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、1辺の中心角が90°の整数分の1となる正多角形板または円板の同形状、同サイズのもの3枚をそれらの中心が一致し、かつ互いに直交し、前記中心の周りに合計8個のコーナーレフレクターを形成するように組み合わせた形状のリフレクター部材を、前記正多角形板の対角線距離または前記円板の直径が内径とほぼ一致する球殻内に内蔵させ、前記リフレクター部材の表面には、電磁波反射性を付与した遊戯用ボールを特徴とする。
【0007】
上記発明の遊戯用ボールでは、前記リフレクター部材は、導電体、基材の表面に導電体
を被覆したもの、網目が0.5mm以下の導電性の網体のいずれかとすることができる。
【0008】
また、上記発明の遊戯用ボールでは、前記球殻ゴム質柔軟材であり、前記リフレクター部材が表面に導電性層が形成されたゴム質柔軟材とすることができる。
【0009】
本発明はまた、軽量柔軟材で、かつレーダ電磁波を透過する素材の球体をその中心を通るように水平方向に2分割し、さらに垂直方向に前記中心の周りに4等分することで得られる8等分体に対して、それらの外周面のうち球面以外の残りの3つの分割面それぞれに電磁波を反射させるための導電被覆を施し、かつ、前記8等分体の8体を、各分体の導電被覆の施された3つの分割面それぞれが上側又は下側と、右側と、左側とにそれぞれ隣接する他の3体の分体それぞれの導電被覆の施された分割面と互いに対面させ、中心の周りに合計8個のコーナーレフレクターを形成するように組み合わせて球体にし、各分体間を固着した遊戯用ボールを特徴とする。
【0010】
上記発明の遊戯用ボールでは、前記8等分体の8体を組み合わせた球体の表面に柔軟な表皮を被せたものとすることができる。

【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、表面に電磁波反射性の付与された1辺の中心角が90°の整数分の1となる正多角形板または円板の同サイズのもの3枚をそれらの中心が一致し、かつ互いに直交するように組み合わせた形状のリフレクター部材を球殻に内蔵させているので、レーダ断面積が大きい8つのコーナーリフレクターを球殻に内蔵させたボールとすることができ、車載レーダにて容易に検知できる十分に大きなレーダ断面積を有する遊戯用ボールを実現できる。
【0012】
また、本発明によれば、球体の8等分体をその球面を残した3つの分割面それぞれに導電被覆を施し、かつ、その8体を組み合わせて球体にしているので、レーダ断面積が大きい8つのコーナーリフレクターを球殻に内蔵させたボールとすることができ、車載レーダにて容易に検知できる十分に大きなレーダ断面積を有する遊戯用ボールを実現でき、しかも、8等分体を8体組み合わせることでボールとすることができ、その製造が容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。
【0014】
(第1の実施の形態)図1、図2を用いて、本発明の第1の実施の形態の遊戯用ボール1を示している。本実施の形態の遊戯用ボール1は、1辺の中心角が90°の整数分の1となる正多角形板11A,11B,11Cとして正方形板の同サイズのもの3枚をそれらの中心が一致し、かつ互いに直交するように組み合わせた形状のリフレクター部材12をその対角線距離が内径とほぼ一致する球殻13内に内蔵させて成っている。
【0015】
リフレクター部材12は金属製板材、導電性樹脂製板材、若しくはそれらの0.5mm程度以下の網目の網体、あるいは布若しくはゴム柔軟材の表面にアルミニウム箔を貼り付け、導電性塗料を塗布し、あるいは蒸着その他の方法にて導電性膜を被着して電磁波反射性を有するようにしたものである。これにより、3枚の正多角形板11A,11B,11Cによって図1、図2において上側、下側それぞれに垂直軸の周りに90度ずつずれて4個のコーナーリフレクター12A,12B,12C,…が形成される。
【0016】
尚、リフレクター部材12は最終的に3枚の正多角形板11A,11B,11Cが互いに直交するように組み上がった形態となっていればよいのであって、多数の部品を繋ぎ合わせることで図示のような形状となればその部品構成が特に限定されることはない。例えば、上記4つのコーナーリフレクター12A,12B,12C,12Dに相当する部材を図1のように配置してそれぞれを連結した構成や、水平な1枚の正多角形板11Cとして正方形板の表裏それぞれに4枚ずつ二等辺直角三角形状のリフレクター板を互いに直角をなすように配置して連結した構成でも可能である。
【0017】
球殻13は、子供が遊戯にて使えるような素材、例えば、ゴム柔軟材、プラスチック柔軟材製である。この球殻13に対して、内部にリフレクター部材12をその6頂点それぞれに連結した固定紐15を球殻13の内面の対応する6箇所それぞれに設けた接着片16に接続することで宙吊り状態で保持している。そこで、本実施の形態の遊戯用ボール1では、球殻13に空気を充填して球形に膨らますと、図1に示したように内部でリフレクター部材12が宙吊り状態で支持される。
【0018】
本実施の形態の遊戯用ボール1によれば、次のような利点がある。例えば、直径20cmのサッカーボールのサイズにすれば、リフレクター部材12は50m(周波数76GHz)程度のレーダ断面積が得られる。この値は、中型オートバイを後方からレーダで見たときのレーダ断面積とほぼ等しい。また、直径10cmのソフトボールのサイズにすれば、リフレクター部材12は7m(周波数76GHz)程度のレーダ断面積が得られる。これから、サッカーボールサイズでは車載レーダにて100m程度離れた地点から捕捉が可能であり、またソフトボールサイズでも60m程度離れた地点から捕捉が可能である。しかもコーナーリフレクター12A,12B,12C,…を上下それぞれに等角度ずつずれるようにして8体内蔵した構造なので、回転姿勢がどのような状態であっても、レーダ捕捉が可能である。
【0019】
尚、本発明において、球殻13に内蔵させるリフレクター部材12は、図3のように正多角形板として正八角形板21A,21B,21Cの3枚をそれらの中心が一致し、かつ互いに直交するように組み合わせたものを採用することもできる。あるいはさらに12角形、16角形のものを採用することもできる。また、リフレクター部材12として、図4のように円板31A,31B,31Cの3枚をそれらの中心が一致し、かつ互いに直交するように組み合わせたものを採用することもできる。
【0020】
(第2の実施の形態)図5を用いて、本発明の第2の実施の形態の遊戯用ボール1Aについて説明する。本実施の形態の遊戯用ボール1Aは、発泡スチロール、ゴム柔軟材、発泡ゴム等の軽量柔軟材で、かつレーダ電磁波を透過する素材にして、球体をその中心を通るように水平方向に2分割し、さらに垂直方向に4等分することで得られる8等分体41の外表の球面を残して3つの分割面42A,42B,42Cそれぞれに導電被覆43を施し、かつ、8等分体41の8体を組み合わせて球体にし、柔軟なプラスチックやゴム、皮の表皮44を被せることでボールとしたものである。
【0021】
本実施の形態の遊戯用ボール1Aにあっても、第1の実施の形態と同様に、各8等分体41の外表の球面を除いた残りの直交する3つの分割面42A,42B,42Cそれぞれに形成された導電被覆43がコーナーリフレクターをなす。したがって、直径20cmのサッカーボールのサイズにすれば50m(周波数76GHz)程度のレーダ断面積が得られ、直径10cmのソフトボールのサイズにすれば7m程度のレーダ断面積が得られる。しかも8等分体41を8体内蔵した構造なので、回転姿勢がどのような状態であっても、レーダ捕捉が可能である。さらに、8体の8等分体41を球形に組み、表皮43を被せた構造なので製造が容易である利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施の形態の遊戯用ボールの一部破断せる斜視図。
【図2】上記実施の形態の遊戯用ボールに内蔵させたリフレクター部材の斜視図。
【図3】上記実施の形態の遊戯用ボールに内蔵させるリフレクター部材の変形例を示す斜視図。
【図4】上記実施の形態の遊戯用ボールに内蔵させるリフレクター部材の別の変形例を示す斜視図。
【図5】本発明の第2の実施の形態の遊戯用ボールの一部破断し、かつ、一部分解した斜視図。
【符号の説明】
【0023】
1,1A 遊戯用ボール
11A,11B,11C 正方形板
12 リフレクター部材
12A,12B,12C,… コーナーリフレクター
13 球殻
41 8等分体
42A,42B,42C 分割面
43 導電被覆
44 表皮
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4