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明細書 :サンプルピン保持アタッチメント

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5099499号 (P5099499)
公開番号 特開2009-115652 (P2009-115652A)
登録日 平成24年10月5日(2012.10.5)
発行日 平成24年12月19日(2012.12.19)
公開日 平成21年5月28日(2009.5.28)
発明の名称または考案の名称 サンプルピン保持アタッチメント
国際特許分類 G01N   1/00        (2006.01)
G01N  23/20        (2006.01)
G01N   1/28        (2006.01)
FI G01N 1/00 101B
G01N 23/20
G01N 1/28 W
請求項の数または発明の数 6
全頁数 10
出願番号 特願2007-289698 (P2007-289698)
出願日 平成19年11月7日(2007.11.7)
審査請求日 平成22年9月29日(2010.9.29)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503359821
【氏名又は名称】独立行政法人理化学研究所
発明者または考案者 【氏名】山本 雅貴
【氏名】上野 剛
【氏名】村上 博則
個別代理人の代理人 【識別番号】100065248、【弁理士】、【氏名又は名称】野河 信太郎
審査官 【審査官】土岐 和雅
参考文献・文献 特開2003-083412(JP,A)
特開平05-332955(JP,A)
実開昭62-083947(JP,U)
特開昭61-263037(JP,A)
特開平04-232830(JP,A)
特開2005-055241(JP,A)
実開平03-002551(JP,U)
実開昭57-192466(JP,U)
実開昭58-093450(JP,U)
特開平11-064177(JP,A)
調査した分野 G01N1/00~1/44、23/00~20、H01J37/20、B23B31/00~33/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII)
特許請求の範囲 【請求項1】
第1及び第2部分を含む少なくとも2つの部分に分割され且つ第1及び第2部分の間にサンプルピンを保持するトング部と、第1及び第2部分のそれぞれに結合された第1及び第2板バネ部と、第1及び第2板バネ部に結合された軸部とを有する本体部と、前記本体部から分離され且つ第1及び第2部分の外側面にそれぞれ当接するように配置される第1及び第2押さえ部とを備え、
第1及び第2板バネ部は、それぞれ、第1及び第2部分を前記軸部の中心軸から遠ざける方向のバネ力を第1及び第2部分に加え、
第1及び第2部分の外側面は、それぞれ、前記軸部の中心軸から第1及び第2部分の外側面までの距離が互いに異なる短距離部及び長距離部を有することを特徴とするサンプルピン保持アタッチメント。
【請求項2】
第1及び第2部分は、互いに接触した際に第1及び第2部分の間に近位端側が閉じていて遠位端側が円筒形である空間が形成されるように構成される請求項1に記載のアタッチメント。
【請求項3】
前記空間は、前記遠位端側から順に大径部と、大径部よりも直径が小さい小径部とを備える請求項2に記載のアタッチメント。
【請求項4】
第1及び第2部分は、それぞれ、遠位端において、外側面と内側面がどちらも半円筒形であり、
第1及び第2部分の遠位端側から見たときの前記軸部の中心軸に垂直な面において、第1及び第2部分の内側面の半円の直線部は、第1及び第2部分の外側面の半円の直線部に重なり、第1及び第2部分の内側面の半円の曲率中心は、それぞれ、第1及び第2部分の外側面の半円の曲率中心からずれていて且つ第1及び第2部分が互いに接触した際に前記軸部の中心軸に一致する請求項1~3の何れか1つに記載のアタッチメント。
【請求項5】
請求項1~4に記載のサンプルピン保持アタッチメントの使用方法であって、
第1及び第2部分の外側面にそれぞれ当接するように第1及び第2押さえ部を配置し、
第1及び第2押さえ部がそれぞれ第1及び第2部分の前記短距離部に当接するように前記軸部の中心軸を軸として第1及び第2押さえ部と前記本体部とを第1方向に相対的に回転させることによって前記トング部を開状態にし、
第1及び第2押さえ部がそれぞれ第1及び第2部分の前記長距離部に当接するように前記軸部の中心軸を軸として第1及び第2押さえ部と前記本体部とを第1方向とは逆の第2方向に相対的に回転させることによって前記トング部を閉状態にする工程を備えるサンプルピン保持アタッチメントの使用方法。
【請求項6】
第1及び第2押さえ部と前記本体部との相対的な回転は、第1及び第2押さえ部を不動にし且つ前記本体部を回転させることによって行う請求項5に記載の方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、サンプルピン保持アタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、単結晶X線回折実験において凍結試料を自動交換するための装置(サンプルチェンジャー)として、特許文献1に記載のものが知られている。
【0003】
このサンプルチェンジャーは、両端に左右逆ネジを備えたサンプルピン(以下、「ネジ式のサンプルピン」と称する)を、一軸回転動作のみで実験装置に着脱する機能を有しており、放射光施設や実験室において迅速に実験を行うために利用されている。
【0004】
但し、このサンプルチェンジャーは、従来より広く一般的に用いられているマグネットヘッドに装着する形式のサンプルピン(以下、「マグネット式のサンプルピン」と証する。例えばハンプトンリサーチ社製品等。)には対応していない。非特許文献1に代表されるように、マグネット式のサンプルピンを取り扱うためのサンプルチェンジャーは、現在までに多くの研究機関や企業などにより数多く開発されている。

【特許文献1】特許第3640383号
【非特許文献1】G. Snell et. al,"Automated Sample Mounting and Alignment System for Biological Crystallography at a Synchrotron Source", Structure, (2004). 12, pp537-545
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記2種類の方式のサンプルピンが存在しているにも関わらず、サンプルチェンジャーは、何れか一方の方式にのみ対応しているので、ユーザーが不便を強いられることがある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ネジ式のサンプルピン対応のサンプルチェンジャーをマグネット式のサンプルピンに対応させることを可能にするサンプルピン保持アタッチメントを提供するものである。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0007】
本発明のサンプルピン保持アタッチメントは、第1及び第2部分を含む少なくとも2つの部分に分割され且つ第1及び第2部分の間にサンプルピンを保持するトング部と、第1及び第2部分のそれぞれに結合された第1及び第2板バネ部と、第1及び第2板バネ部に結合された軸部とを有する本体部と、前記本体部から分離され且つ第1及び第2部分の外側面にそれぞれ当接するように配置される第1及び第2押さえ部とを備え、第1及び第2板バネ部は、それぞれ、第1及び第2部分を前記軸部の中心軸から遠ざける方向のバネ力を第1及び第2部分に加え、第1及び第2部分の外側面は、それぞれ、前記軸部の中心軸から第1及び第2部分の外側面までの距離が互いに異なる短距離部及び長距離部を有することを特徴とする。
【符号の説明】
【0008】
本発明によれば、一軸回転動作によりトング部によるサンプルピンの挟持状態と解放状態とを変化させることができる。従って、本発明のサンプルピン保持アタッチメントをネジ式のサンプルピン対応のサンプルチェンジャーに取り付けることによって、このサンプルチェンジャーの一軸回転動作によってサンプルピンの挟持と解放を行うことができるようになり、マグネット式のサンプルピンへの対応が可能になる。
以下、種々の実施形態等を例示する。
【0009】
トング部の第1及び第2部分は、互いに接触した際に第1及び第2部分の間に近位端側が閉じていて遠位端側が円筒形である空間が形成されるように構成されてもよい。マグネット式のサンプルピンは、多数の種類のものが存在しているが、そのベースの形状は、何れも円筒形であり、直径も同じである。従って、第1及び第2部分が上記構成を有する場合、第1及び第2部分の間の空間の円筒形の直径をサンプルピンのベースの直径と同じにすることによって、トング部がサンプルピンを挟持した際に前記空間が密閉空間となるため、この空間内に液体窒素を溜めることができ、サンプルピンに取り付けられたサンプル(凍結したタンパク質結晶等)を低温に保持することができる。
【0010】
円筒形の前記空間は、前記遠位端側から順に大径部と、大径部よりも直径が小さい小径部とを備えてもよい。この場合、試料回りの空間体積を最小にすることにより、輸送中の空気の混入による霜付きを抑えることが出来る。
【0011】
トング部の第1及び第2部分は、それぞれ、遠位端において、外側面と内側面がどちらも半円筒形であり、第1及び第2部分の遠位端側から見たときの前記軸部の中心軸に垂直な面において、第1及び第2部分の内側面の半円の直線部は、第1及び第2部分の外側面の半円の直線部に重なり、第1及び第2部分の内側面の半円の曲率中心は、それぞれ、第1及び第2部分の外側面の半円の曲率中心からずれていて且つ第1及び第2部分が互いに接触した際に前記軸部の中心軸に一致してもよい。トング部を比較的コンパクトにすることができる。
【0012】
また、本発明は、上記記載のサンプルピン保持アタッチメントの使用方法であって、第1及び第2部分の外側面にそれぞれ当接するように第1及び第2押さえ部を配置し、第1及び第2押さえ部がそれぞれ第1及び第2部分の前記短距離部に当接するように前記軸部の中心軸を軸として第1及び第2押さえ部と前記本体部とを第1方向に相対的に回転させることによって前記トング部を開状態にし、第1及び第2押さえ部がそれぞれ第1及び第2部分の前記長距離部に当接するように前記軸部の中心軸を軸として第1及び第2押さえ部と前記本体部とを第1方向とは逆の第2方向に相対的に回転させることによって前記トング部を閉状態にする工程を備えるサンプルピン保持アタッチメントの使用方法も提供する。
第1及び第2押さえ部と前記本体部との相対的な回転は、第1及び第2押さえ部を不動にし且つ前記本体部を回転させることによって行ってもよい。この場合、構成がシンプルになるという利点がある
【0013】
ここで示した種々の実施形態は、互いに組み合わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図面や以下の記述中で示す内容は、例示であって、本発明の範囲は、図面や以下の記述中で示すものに限定されない。
【0015】
1.サンプルピン保持アタッチメントの構成
図1~図5を用いて、本発明の一実施形態のサンプルピン保持アタッチメントについて説明する。図1(a)~(c)は、本実施形態のサンプルピン保持アタッチメント1のトング部7が閉状態である場合の構成を示す。図1(a)は、平面図であり、図1(b)は、右側面図であり、図1(c)は、図1(a)中のI-I断面図である。図2(a)~(c)は、本実施形態のサンプルピン保持アタッチメント1のトング部7が開状態である場合の構成を示す。図2(a)は、平面図であり、図2(b)は、右側面図であり、図2(c)は、図2(a)中のI-I断面図である。図3(a)~(c)は、図1(b)及び図2(b)に対応した右側面図であり、トング部7が開閉する原理を説明するための図である。図3(a)~(c)では、第1押さえ部17及び第2押さえ部19は簡略化して表示している。図4は、本実施形態のサンプルピン保持アタッチメント1によって取り扱いが可能になるマグネット式のサンプルピン23の一例を示す。正面図である。図5(a)~(c)は、本実施形態のサンプルピン保持アタッチメント1のトング部7で図4のサンプルピン23を挟持した状態を示す。図5(a)は、平面図であり、図5(b)は、右側面図であり、図5(c)は、図5(a)中のI-I断面図である。
【0016】
本実施形態のサンプルピン保持アタッチメント1は、第1部分3及び第2部分5に分割され且つ第1及び第2部分3、5の間にサンプルピン23を保持するトング部7と、第1部分3と第2部分5のそれぞれに結合された第1板バネ部9及び第2板バネ部11と、第1板バネ部9及び第2板バネ部11に結合された軸部13とを有する本体部15と、本体部15から分離され且つ第1及び第2部分3、5の外側面にそれぞれ当接するように配置される第1押さえ部17及び第2押さえ部19とを備える。第1及び第2板バネ部9、11は、それぞれ、第1及び第2部分3、5を軸部13の中心軸Xから遠ざける方向のバネ力を第1及び第2部分3、5に加える。第1及び第2部分3、5の外側面は、それぞれ、軸部13の中心軸Xから第1及び第2部分3、5の外側面までの距離が互いに異なる短距離部S及び長距離部Lを有する。
【0017】
第1及び第2押さえ部17、19は、本実施形態では、先端が丸まったネジからなり、第1及び第2押さえ部17、19は、リング21に取り付けられている。リング21は、軸部13の中心軸Xを軸とした本体部15の回転に対して不動となるように固定されている。
【0018】
第1部分3と第2部分5には、それぞれ、半円筒形の溝24a、24bが形成されている。溝24a、24bは、第1部分3と第2部分5の遠位端(軸部13から遠い方の端)から近位端((軸部13に近い方の端))に向かって軸部13の中心軸Xに平行に延びる。溝24a、24bは、近位端にまでは到達していない。
第1部分3と第2部分5は、互いに接触した際に第1部分3と第2部分5の間に近位端側が閉じていて遠位端側が円筒形である空間24が形成されるように構成される。前記円筒形の中心軸は、軸部13の中心軸Xに一致する。空間24は、遠位端から順に大径部24cと、大径部24cよりも直径が小さい小径部24dを有している。大径部24cと小径部24dは、どちらも円筒形であり、中心軸が一致している。第1及び第2部分3、5の外側面は、それぞれ、半円筒形である。
【0019】
2.サンプルピン保持アタッチメントの使用目的
まず、本実施形態のサンプルピン保持アタッチメント1の使用目的について説明する。
【0020】
特許文献1に記載されているようなネジ式サンプルピン対応のサンプルチェンジャー(以下、「ネジ式サンプルチェンジャー」と称する。)では、ネジ溝が形成された凹部を先端に有する軸をアームの先端に取り付け、この軸を一方向に回転させることによってネジ式サンプルピンを保持し、逆方向に一軸回転させることによってネジ式サンプルピンを離脱させる構成を有している。
【0021】
本実施形態のアタッチメント1は、後述するように、一軸回転動作によってマグネット式サンプルピンの保持及び離脱をさせることができる機能を有している。
【0022】
従って、本実施形態のアタッチメント1は、ネジ溝が形成された凹部を先端に有する上記の軸の代わりにネジ式サンプルチェンジャーのアームに取り付けることによってネジ式サンプルチェンジャーをマグネット式サンプルピンに対応させるために用いることができる。
【0023】
3.サンプルピン保持アタッチメントの動作
次に、本実施形態のアタッチメント1の動作について説明する。
【0024】
図3(a)に示すように、本実施形態のアタッチメント1のトング部7の第1及び第2部分3、5は、それぞれ、遠位端において外側面と内側面がどちらも半円筒形である。従って、第1及び第2部分3、5の遠位端側から見たときの軸部13の中心軸Xに垂直な面では、第1及び第2部分3、5の外側面と内側面は、どちらも半円である。内側面の半円の直線部は、外側面の半円の直線部に重なっており、内側面の半円の曲率中心Yは、第1及び第2部分の外側面の半円の曲率中心Z1、Z2からずれていて且つ第1及び第2部分3,5が互いに接触した際に軸部13の中心軸Xに一致する。このため、トング部7の第1及び第2部分3、5の肉厚は、円周方向に勾配がついており、肉厚が厚い部分では薄い部分よりも中心軸Xから外側面までの距離が長くなる。このため、肉厚が厚い部分及び薄い部分がそれぞれ長距離部L及び短距離部Sとなる。
【0025】
本実施形態のアタッチメント1では、図1(a)~(c)と図3(a)に示すように、トング部7の第1部分3の長距離部Lが第1押さえ部17に当接し、トング部7の第2部分5の長距離部Lが第2押さえ部19に当接しているとき、トング部7が閉状態になる。第1部分3と第2部分5には、それぞれ、第1板バネ部9及び第2板バネ部11のバネ力によって中心軸Xから離れる方向(矢印Aの方向)の力が加わっているが、第1押さえ部17と第2押さえ部19によって第1部分3と第2部分5の移動が妨げられ、図1(a)~(c)と図3(a)に示す状態が保持される。この状態がトング部7の閉状態である。
【0026】
次に、軸部13の中心軸Xを軸として軸部13を図1(a)の矢印Bの方向に90度回転させると、本体部15の全体が一緒に軸部13と共に回転する。このとき、トング部7は、図3(a)の状態から90度右回転する。第1押さえ部17と第2押さえ部19は、本体部15とは分離されており、軸部13を回転させても第1押さえ部17と第2押さえ部19の位置は変化しない。
【0027】
図3(b)は、トング部7を90度右回転させたときにトング部7が開かないと仮定した場合の状態である。図3(b)の状態では、第1及び第2部分3、5の長距離部Lがそれぞれ第1及び第2押さえ部17、19から離れ、第1及び第2部分3、5の短距離部Sがそれぞれ第1及び第2押さえ部17、19に近づく。中心軸Xと短距離部Sの間の距離は、中心軸Xと長距離部Lの間の距離よりも短いので、第1及び第2部分3、5の短距離部Sと第1及び第2押さえ部17、19の間にそれぞれ隙間ができることになる。第1及び第2部分3、5には中心軸Xから離れる方向(矢印Cの方向)の力が加わっており、この力によって第1及び第2部分3、5が矢印Cの方向に移動し、図2(a)~(c)及び図3(c)に示すように第1及び第2部分3、5の短距離部Sがそれぞれ第1及び第2押さえ部17、19に当接した時点で第1及び第2部分3、5が停止し、この状態が保持される。この状態がトング部7の開状態である。なお、図3(b)は仮想的な状態であり、実際は、短距離部Sと第1及び第2押さえ部17、19の間には隙間はできず、軸部13の回転に伴って第1及び第2部分3、5が少しずつ移動し(つまり、トング部7が少しずつ開き)、図3(a)の閉状態から図3(c)の開状態となる。
【0028】
また、図2(a)~(c)及び図3(c)の状態から軸部13の中心軸Xを軸として軸部13を図2(a)の矢印Dの方向に90度回転させると、トング部7は、図3(c)の開状態から90度左回転して図3(a)の閉状態になる。
【0029】
なお、ここでは、トング部7が90度右回転する場合を例にとって説明を行ったが、回転角度は、90度以外であってもよい。また、長距離部Lと短距離部Sの配置を反対にしてもよく、この場合、トング部7の回転方向を反対にする。また、ここでは、第1及び第2押さえ部17、19が不動で本体部15が回転する場合で説明を行ったが、本体部15を不動にし第1及び第2押さえ部17、19を中心軸Xを軸として回転させても同様の効果が得られ、第1及び第2押さえ部17、19と本体部15とを中心軸Xを軸として互いに逆方向に回転させても同様の効果が得られる。つまり、軸部13の中心軸Xを軸として第1及び第2押さえ部17、19と本体部15とが相対的に回転するようにすればよい。但し、第1及び第2押さえ部17、19を不動にし本体部15を回転させる構成がシンプルであり好ましい。
【0030】
4.マグネット式サンプルピンの保持及び離脱方法
次に、本実施形態のアタッチメント1を用いて図4に示すマグネット式サンプルピン23の保持及び離脱方法を説明する。アタッチメント1の本体部15は、一軸回転動作が可能なようにネジ式サンプルチェンジャーのアームの先端に取り付けられている。アタッチメント1の第1及び第2押さえ部17、19は、本体部15の回転に対して不動になるようにネジ式サンプルチェンジャーのアームに固定されている。サンプルピン23は、磁性材料からなるベース25とサンプル保持部27を有している。サンプルピン23は、サンプル保存ラック上に載置されており、サンプル保存ラックは、液体窒素中に配置されている。
【0031】
まず、トング部7を図2(a)~(c)及び図3(c)の開状態にしてトング部7をサンプルピン23に近づける。このとき、サンプルピン23のサンプル保持部27がトング部7の内部の空間24の小径部24d内に配置され且つ空間24の大径部24cにおいてサンプルピン23のベース25を保持することができるように、トング部7をサンプルピン23に近づける。
【0032】
次に、図2(a)の矢印Dの方向に軸部13を回転させる。これによって、トング部7が図1(a)~(c)及び図3(a)の閉状態になり、第1及び第2部分3、5でサンプルピン23のベース25が挟まれる。このときの状態を図5(a)~(c)に示す。
【0033】
空間24の大径部24cの円筒形状とサンプルピン23のペース25の円筒形状は実質的に同じであり、大径部24cにおいてサンプルピン23のベース25を保持すると、トング部7の内部の空間24が密閉空間となる。サンプルピン23は、液体窒素中に配置されているので、第1及び第2部分3、5でサンプルピン23のベース25を挟んだときに上記の密閉空間内に液体窒素が充填される。これによってサンプル保持部27に保持されているサンプルを低温に保持することが可能になる。また、空間24が小径部24dを有しているので、空間24内の試料回りの空間体積が小さくなり、輸送中の空気の混入による霜付きを抑えることが出来る。なお、小径部24dは、サンプル保持部27を収容できる形状であればよく円筒径以外の形状であってもよい。また、空間24は、大径部24cと小径部24dを有さずに、中心軸Xの方向に沿って径が一定の円筒形であってもよい。
【0034】
次に、サンプルチェンジャーのアームを移動させて実験装置のマグネットヘッドにサンプルピン23のベース25を取り付ける。
【0035】
次に、図1(a)の矢印Bの方向に軸部13を回転させる。これによって、トング部7が図2(a)~(c)及び図3(c)の開状態になり、サンプルピン23が解放される。
【0036】
次に、サンプルピン23のサンプル保持部27に取り付けられたサンプルの測定を行う。
【0037】
サンプルの測定が終わった後、上記と同様の方法で実験装置のマグネットヘッドの挟持及び解放を行うことによって実験装置のマグネットヘッドに取り付けられたサンプルピン23をサンプル保存ラックに戻す。
【0038】
以上の工程を繰り返すことによってサンプル保存ラック中の多数のサンプルピン23について、実験装置のマグネットヘッドへの取り付け、測定、取り外しを順次行うことができる。これによって、多数のサンプルピン23の各サンプルの測定を容易に行うことができる。
【0039】
5.その他
アタッチメント1のトング部7の第1及び第2部分3、5の構成は、図1~図5に示したものに限定されず、種々のものが考えられる。
【0040】
例えば、図6の構成では、トング部7の第1及び第2部分3、5は、外側面が直方体状である。この場合、例えば45度の一軸回転によってトング部7の開閉を行うことができる。
【0041】
また、図7の構成では、トング部7の第1及び第2部分は、外側面と内側面の何れもが平面状になっている。図7の構成では、トング部7が閉状態の場合でも第1部分3と第2部分5が接触せずトング部7内に液体窒素を溜めることができないが、低温に保持する必要がないサンプルを取り扱う場合には、この点は特に問題ではない。
【0042】
また、ここまでは、トング部7が2分割されている場合を例に挙げて説明を行ったが、トング部7は、3つ又はそれ以上に分割されていてもよい。
【0043】
また、軸部13、第1及び第2板バネ部9,11並びに第1及び第2押さえ部17,19についても、その構成は上記のものに限定されず、同じ機能を有するものであれば、どのような構成のものであってもよい。
【0044】
以上の実施形態で示した種々の特徴は、互いに組み合わせることができる。1つの実施形態中に複数の特徴が含まれている場合、そのうちの1又は複数個の特徴を適宜抜き出して、単独で又は組み合わせて、本発明に採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1(a)~(c)は、本発明の一実施形態のサンプルピン保持アタッチメントのトング部が閉状態である場合の構成を示す。図1(a)は、平面図であり、図1(b)は、右側面図であり、図1(c)は、図1(a)中のI-I断面図である。
【図2】図2(a)~(c)は、本発明の一実施形態のサンプルピン保持アタッチメントのトング部が開状態である場合の構成を示す。図2(a)は、平面図であり、図2(b)は、右側面図であり、図2(c)は、図2(a)中のI-I断面図である。
【図3】図3(a)~(c)は、図1(b)及び図2(b)に対応した右側面図であり、トング部が開閉する原理を説明するための図である。図3(a)~(c)では、第1押さえ部及び第2押さえ部は簡略化して表示している。
【図4】本発明の一実施形態のサンプルピン保持アタッチメントによって取り扱いが可能になるマグネット式のサンプルピンの一例を示す。
【図5】図5(a)~(c)は、本発明の一実施形態のサンプルピン保持アタッチメントのトング部で図4のサンプルピンを挟持した状態を示す。図5(a)は、平面図であり、図5(b)は、右側面図であり、図5(c)は、図5(a)中のI-I断面図である。
【図6】本発明の一実施形態のサンプルピン保持アタッチメントのトング部の別の構成例を示す図1(b)及び図2(b)に対応した右側面図である。
【図7】本発明の一実施形態のサンプルピン保持アタッチメントのトング部の別の構成例を示す図1(b)及び図2(b)に対応した右側面図である。
【0046】
1:サンプルピン保持アタッチメント 3:トング部の第1部分 5:トング部の第2部分 7:トング部 9:第1板バネ部 11:第2板バネ部 13:軸部 15:本体部 17:第1押さえ部 19:第2押さえ部 21:リング 23:マグネット式のサンプルピン 24:円筒形の空間 24a、24b:半円筒形の溝 24c:円筒形の空間の大径部 24d:円筒形の空間の小径部
25:サンプルピンのベース 27:サンプルピンのサンプル保持部 X:軸部の中心軸 Y:トング部の第1及び第2部分の内側面の半円の曲率中心 Z1:トング部の第1部分の外側面の半円の曲率中心 Z2:トング部の第2部分の外側面の半円の曲率中心 L:トング部の第1及び第2部分の外側面の長距離部 S:トング部の第1及び第2部分の外側面の短距離部
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6