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明細書 :ディフューザ内気体振動制御装置およびそれを用いた振動制御方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4982775号 (P4982775)
公開番号 特開2009-092003 (P2009-092003A)
登録日 平成24年5月11日(2012.5.11)
発行日 平成24年7月25日(2012.7.25)
公開日 平成21年4月30日(2009.4.30)
発明の名称または考案の名称 ディフューザ内気体振動制御装置およびそれを用いた振動制御方法
国際特許分類 F04D  29/66        (2006.01)
F04D  29/46        (2006.01)
F04D  29/56        (2006.01)
FI F04D 29/66 H
F04D 29/46 H
F04D 29/56 B
請求項の数または発明の数 3
全頁数 10
出願番号 特願2007-264014 (P2007-264014)
出願日 平成19年10月10日(2007.10.10)
審査請求日 平成22年9月29日(2010.9.29)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504145308
【氏名又は名称】国立大学法人 琉球大学
発明者または考案者 【氏名】屋我 実
個別代理人の代理人 【識別番号】100097995、【弁理士】、【氏名又は名称】松本 悦一
【識別番号】100074790、【弁理士】、【氏名又は名称】椎名 彊
審査官 【審査官】笹木 俊男
参考文献・文献 小薗、外3名,遷音速ディフューザのアクティブコントロールに関する研究,平成11年度 衝撃波シンポジウム講演論文集,日本,1999年,p.49-52
調査した分野 F04D 29/46
F04D 29/56
F04D 29/66
JSTPlus(JDreamII)
CiNii
特許請求の範囲 【請求項1】
遷音速の圧縮性流体が通過するディフューザのスロート部に圧電素子を設置し、該スロート部の下流に設置した圧力計を用いて圧力変動を検出し、該圧力変動に基づいて前記圧電素子を駆動させることにより衝撃波を発生あるいは衝撃波を振動させてディフューザ内の気体の振動を制御することを特徴とするディフューザ内気体振動制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載のディフューザ内気体振動制御装置を用いてディフューザ内を流れる気体の振動が原因となる圧力変動や騒音、および、ディフューザ自体の振動を低減することを特徴とするディフューザ内気体振動制御方法。
【請求項3】
請求項1に記載の振動制御装置を用いてディフューザ内気体の振動を増幅させてスピーカとして用いることを特徴とするディフューザ内気体振動制御方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、ディフューザ内気体振動制御装置およびそれを用いた振動制御方法に関する。
【0002】
具体的には、例えば、ジェットエンジンやタービンなどに用いられ、遷音速の圧縮性流体の速度エネルギーを圧力エネルギーに変換するディフューザ内気体振動制御装置およびそれを用いた振動制御方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ジェットエンジンやタービンなどのダクトやパイプのような閉空間を高速空気が流れると局所的に超音速領域が発生し、それに伴う衝撃波の発生により機器自体の振動や騒音の原因となる。
【0004】
これは原理的に不安定で、流れの条件によってはこのような振動が大きくなり、機器の疲労あるいは破壊につながる場合もある。
【0005】
エンジンの圧力変動の低減装置については、従来から、種々の提案がなされており、例えば、特開2004-257311号公報(下記特許文献1)には、航空エンジンの騒音を減少させるために、静翼に圧電素子を設けて動翼伴流の圧力変動を相殺するように圧電素子を作用させる方法が記載されている。
【0006】
また、特表2007-513282号公報(下記特許文献2)には、静翼にアクチュエータを設けて動翼伴流の圧力変動を相殺する ようにアクチュエータを作用させることにより、ターボエンジンの騒音を減少させる方法が記載されている。
【0007】
この特許文献1や特許文献2は、エンジンに特化されており、エンジン内部の多段式翼(動翼と静翼)の間を流れる際に発生する後流を制御するものである。
【0008】
すなわち翼の後端から発生する乱れた流れを圧電素子やアクチュエータで制御することを主な手法としている。この場合、流れの中に物体があり、その後流が存在することが前提となっている。
【0009】
一方、本発明の前提となっている流れ場は、高速の流体が内部流れであるということ以外は特に必要な条件はなく、流れの状態をもっとも支配する臨界状態に着目し、この臨界状態になる位置において、圧電素子を用いて大きなエネルギーを伴う高速流れを制御するものであり、特許文献1や特許文献2とは制御対象、制御理念から全く異なっている。
【0010】
従来、流れに起因する振動や騒音の低減は、流れに存在する渦を人工的に細かくし、エネルギーの散逸を促進することにより実現していた。
【0011】
しかしこのような方法はあらゆる流れ場には対応できず、前述のようなアクチュエータを用いた制御方法が用いられるが、制御対象である流れ場エネルギーが大きくなると制御困難となるという問題点があった。

【特許文献1】特開2004-257311号公報
【特許文献2】特表2007-513282号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、前述のような従来技術の問題点を解決し、ジェットエンジンやタービンなどに用いられ、遷音速の圧縮性流体の速度エネルギーを圧力エネルギーに変換するディフューザ内気体振動制御装置およびそれを用いた振動制御方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、前述の課題を解決すべく鋭意検討の結果なされたものであり、その要旨とするところは特許請求の範囲に記載した通りの下記内容である。
(1)遷音速の圧縮性流体が通過するディフューザのスロート部に圧電素子を設置し、該スロート部の下流に設置した圧力計を用いて圧力変動を検出し、該圧力変動に基づいて前記圧電素子を駆動させることにより衝撃波を発生あるいは衝撃波を振動させてディフューザ内の気体の振動を制御することを特徴とするディフューザ内気体振動制御装置。
(2)(1)に記載のディフューザ内気体振動制御装置を用いてディフューザ内を流れる気体の振動が原因となる圧力変動や騒音、および、ディフューザ自体の振動を低減することを特徴とするディフューザ内気体振動制御方法。
(3)(1)に記載の振動制御装置を用いてディフューザ内気体の振動を増幅させてスピーカとして用いることを特徴とするディフューザ内気体振動制御方法。
<作用>
(1)の発明によれば、遷音速の圧縮性流体が通過するディフューザのスロート部に圧電素子を設置し、該スロート部の下流に設置した圧力計を用いて圧力変動を検出し、該圧力変動に基づいて前記圧電素子を駆動させ、圧縮性流体の性質を利用することにより衝撃波による圧力変動を積極的に利用し、スロート下流における圧力変動を監視し、これを圧電素子駆動用の入力信号とすることにより、そのフィードバック時に置いて、演算処理を施すことによりディフューザ内の気体の振動を制御することができる。
(2)の発明によれば、(1)に記載のディフューザ内気体振動制御装置を用いることによりディフューザ内を流れる気体の振動が原因となる圧力変動や騒音、および、ディフューザ自体の振動を低減することができる。
(3)の発明によれば、(1)に記載の振動制御装置を用いてディフューザ内気体振動を流体力学的に直接制御信号を増幅させることによりスピーカとして用いることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明による振動制御装置を用いることにより、極めて小さな制御量(圧電素子の変位で最大1mm程度)で超音速流れのような非常に大きなエネルギーを制御できる。さらに、圧力変動のもっとも大きい位置で圧力を監視しそれを打ち消すように制御するため、極めて効率的に騒音低減システムの構築が可能となる。
【0015】
また、振動・騒音低減の手法が確立されれば、逆に任意の振動や音を発生できる可能性があるため、本装置を使うことにより極めて大きな音を作り出すスピーカとして利用することができる。
【0016】
また、圧力測定用の静圧孔より圧力変動を取り出し、さらに大きな流路のスロートに導くことにより、圧力変動を流体力学的に増幅することも可能となるなど、産業上有用な著しい効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明を実施するための最良の形態について図1乃至図4を用いて詳細に説明する。
【0018】
従来、航空機や高圧プラント等に見られる、高速気体が流れる内部流れでは、内部を流れる気体が容易に音速に達し、超音速領域や衝撃波が発生する。このような流れ場は原理的に不安定で、機器の騒音や振動の原因となっている。
【0019】
上述の内部流れの場合、バルブや曲がり管等が必ず存在するため、流れの一部に流路が狭くなる部分が存在する。このように狭くなった流路を圧縮性流体の分野では遷音速ディフューザと呼び、そのもっとも狭い部分をスロート部と呼び、その下流に容易に上述の超音速領域や衝撃波発生することが知られている。
【0020】
このような流れ場は不安定で振動するが、これを流れ場にもっとも影響を与える位置である上述のスロート部に圧電素子を設置し、極めて小さい変位で、圧縮性流れや衝撃波に関連した振動を制御することが本発明の目的である。 。
【0021】
本発明の基本的な構成を図1に示す。
【0022】
図1において、1は流路上面、2は流路下面、3は圧電素子、4、5は圧力計、6はアンプ、7はAD変換器、8はCPU、9はDA変換器、10は直流アンプ、11はスロート部を示す。
【0023】
本発明は、遷音速の圧縮性流体が通過するディフューザのスロート部11に圧電素子3を設置し、該スロート部11の下流に設置した圧力計4,5を用いて圧力変動を検出し、該圧力変動に基づいて前記圧電素子3を駆動させることにより衝撃波を発生あるいは衝撃波を振動させてディフューザ内の気体の振動を制御することを特徴とする。
【0024】
すなわち、本発明の基本的構成は、高速で流れる内部流れのもっとも狭い位置であるスロート部11に圧電素子3を設置し、その変位により大流量が流れる流路内の圧力変動や騒音を低減するものである。
【0025】
ここに、ディフューザとは、ジェットエンジンやタービンに用いられる高圧ガス等の圧縮性流体を高圧域から低圧域に送って速度エネルギーを圧力エネルギーに変換する装置をいい、遷音速とは、亜音速と超音速が混在する流れ場をいう。
【0026】
ジェットエンジンやタービンなどのダクトやパイプのような閉空間を高速の圧縮性流体(ガス)が流れると局所的に超音速領域が発生し、それに伴う衝撃波の発生により機器自体の振動や騒音の原因となる。
【0027】
これは原理的に不安定で、流れの条件によってはこのような振動が大きくなり、機器の疲労あるいは破壊につながる場合もある。
【0028】
図1において流路上面1と流路下面2で囲まれた内部流れの金属製流路で側面は観察のために透明なアクリル板で密閉されている。この流路に対し、圧電素子3をスロート部11に設置してある。本発明の制御装置で用いた圧電素子3は電圧に比例して平板が曲がり先端でもっとも大きな変位を得ることができるアクチュエータで、変位は波線で示すような形状で実現する。
【0029】
ここに、圧電素子とは、電圧とかけるとひずみ(伸び・縮み)が発生する素子をいい、電圧変化に対する応答が早く大きな力が発生するうえ、電圧にほぼ比例したひずみを発生させることができ制御性がよい。
【0030】
このような構成において、図1に示すように図の左側から右側に圧縮性流体(ガス)が流れると、スロート下流に圧縮波や衝撃波等が発生あるいは振動するため、圧力変動がおこる。
【0031】
この圧力変動を圧力計4および圧力計5で測定し、その信号をアンプ6、AD変換器7を通してCPU8で演算することにより、時間遅れを考慮して、圧力変動が減少するような信号をDA変換器9に送りデジタル信号からアナログ信号に変換される。その信号を圧電素子駆動用直流アンプ10に送り、アクチュエータとしての圧電素子3に変位を与え、流れ場全体の制御が実現できる。このように流路内での圧力変動や騒音を制御することにより、その下流における変動を低減できるため、振動の原因に近いところで制御することが極めて有効である。
【0032】
本発明はトランジスタの動作原理と類似しているものである。すなわちベース電圧を制御することによりコレクタからエミッタに流れる大電流を制御するものと似ており、基本的なフィードバック回路を構成できる。したがってフィードバックの過程で図1に示すCPU8における演算を操作することにより、圧電素子駆動のための電圧を任意に変化させることができることから、スロートを流れる気体を周波数の制限はあるもののほぼ任意に制御することが可能となる。さらに、CPU8における演算の過程で、例えば遺伝的アルゴリズムを用いたりニューラルネットを用いることによりほとんどの圧力変動に対し、柔軟に制御できるシステムを構築できる。
【0033】
圧電素子3は変位が流れのスケールに比べて比較的小さく応答周波数も高くないが、流れ場にとって問題となる数百Hz程度制御に最適であると考える。この圧電素子3をスロート部11に設置し、その下流で捉えた圧力変動をCPUあるいはDSP(Digital Signal Processor)への入力とすることにより、この圧力変動の逆位相を圧電素子の駆動電圧を利用したアクティブコントロールで圧力変動や騒音を低減することができる。また騒音の特性,装置の小型化あるいは音波に対する制御の必要性によりさらに高周波の制御が要求される場合は,本装置で用いたバイモルフ型ではなく、積層型圧電素子が有効である。これはバイモルフ型の変位が比較的大きいが応答周波数は約1kHzと比較的小さいのに対して、積層型圧電素子の場合、数百kHzは容易に対応できるためである。ただし積層型圧電素子は変位が小さく、これを解決する手段としても流体力学的増幅が有効である。
図2は、本発明における遷音速ディフューザと圧電素子の設置方法を例示する図である。
【0034】
図2に示すように例えばバイモルフ型の圧電素子のもっとも振幅が大きくなる部分に、ちょうどスロート部が位置するように設置する。
【0035】
図3にスロート部に設置した圧電素子を示す。
【0036】
図3(a)は、3つの配線が伸びている素子で、これを直流アンプに接続して図では紙面に垂直方向に曲がるようになっている。また図3(b)は厚みが分かるようになっており、厚みが1mmでその先端で約0.8mmの変位が実現できる。
【0037】
また、図3(c)は金属に設置後、下流側から撮影したもので図3(c)は上下方向に変位する方向から撮影している。本発明で用いた圧電素子は先端のもっとも変位が大きくなる部分でも約0.8mm程度であるが、これをスロート部に設置することが本発明の独創的な着想である。
【0038】
図4は、本発明のディフューザ内気体振動制御装置を用いたスピーカを例示する図である。
図4に示すように、本発明の振動制御装置を用いてディフューザ内気体振動を流体力学的に直接制御信号を増幅させることによりスピーカとして用いることができる。
【実施例】
【0039】
図5に示す実験装置を用いて、左側から高速流れをディフューザに流すとスロート部より右側において衝撃波が発生する。
【0040】
本実験では,衝撃波の不規則な振動を制御するため,スロート部にピエゾ素子を設置し,ピエゾ素子を振動させ,スロート高さを周期的に変化させた。
【0041】
まず、コンプレッサーで圧縮した空気をタンクにため,一旦集合洞内でよどみ点状態に回復したあと、ディフューザーに流した。このとき集合洞内の圧力をp0とし大気圧pbで無次元化した値を風洞圧力比とし、この風洞圧力比をあらかじめ設定しておき、設定した風洞圧力比になった時にコンピュータから信号を送り,スパークをとばしてシュリーレン法を用いて流れ場を可視化した。
【0042】
この実験の結果、図6に示すように流れ場に与える圧電素子の顕著な効果を確認した。すなわち、圧電素子を設置しない場合の流れ場の様子を示した図6(a)では、x/hが約42の位置に衝撃波が発生している。これに対し圧電素子を設置した図6(b)では、まず衝撃波の形状と発生位置が変わっており、特にその位置は、圧電素子の変位に連動して変化していることが確認できた。
【0043】
また、このような圧電素子の効果を定量的に評価するため、下流に圧力センサーを設置し、圧電素子の駆動周波数による影響を確認した。その結果を図7に示す。図7(a)及び(b)はそれぞれ圧電素子の駆動周波数をそれぞれ正弦波で100Hzと300Hzに設定した場合の、下流の圧力変動の周波数解析結果である。
【0044】
図7に示すように、圧電素子の駆動周波数において卓越した周波数分布を示しており、それ以外の周波数は極めて小さいことがわかる。この応答を利用すれば、下流の圧力変動を低減するような圧電素子への入力信号を計算で求め、これを印可することにより変動の低減効果が十分に期待でき、本発明の効果が確認された。
【0045】
図8および図9に風洞圧力比を徐々に増加させて行った場合の、スロート下流からの距離x=20mmの位置における圧力変動の大きさを示す自乗平均値(rms)および衝撃波の位置をそれぞれ示す。
【0046】
図8より、x=20mmにおける圧力変動は,横軸に示す風洞圧力が約1.2の時に最も大きくなっていることがわかる。またこれより大きくなると急激に減少していることから、前述のフィードバック系を構築する上で、圧力変動を監視する位置は本装置の場合圧力比が1.2で動作させるとするとスロート下流20mmであることがわかる。この様に風洞圧力比が1.2の時に圧力変動が最大となることは、図9に示す衝撃波の位置より明らかである。すなわち衝撃波は風洞圧力の増加に伴い下流に移動すること知られているが、本発明の装置の場合、図9より風洞圧力比が約1.2の時に衝撃波が約20mmの位置に存在していることが分かる。このとき衝撃波は常に振動しており、圧力測定位置が相対的に衝撃波上流と下流をよぎる状態となるため、衝撃波前後の圧力よって急激な圧力変動が発生する。
【0047】
なお衝撃波前後の圧力は圧縮性流体力学の理論(ランキンーユゴニオの関係)より,不連続的に変化することが知られており、衝撃波発生位置より理論的に求めることができる。したがって衝撃波の発生位置,圧力測定位置,および動作圧力比の最適な組み合わせは,基本的に圧力測定位置に衝撃波が位置するように動作圧力比を設定するのみであり、装置の形状や衝撃波強さを考慮して設定できるため任意の動作条件に対応できる。
【0048】
従って例えば, x=30mmにおける位置で圧力を監視する場合は,圧力変動が最大となる動作条件は図9より、衝撃波が30mmに位置する圧力比である1.4であることが分かる。なお図にはパラメータとして同様な実験を周波数を変えて行ったが、いずれの周波数においてもほぼ同じ結果となっており、動作状態は周波数に依存しないことから、本発明の制御装置は周波数特性も良好であると言える。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明を用いて製品化できる可能性としてはまずジェットエンジン等の極めて高速で大流量の中で発生する振動及び騒音に対する低減である。このような流れ場は、高温で高圧の燃焼ガスがジェットエンジンの噴射口から噴出されるため、流れを直接制御できず間接的に制御するしかない。そのための制御装置として本発明は極めて有効で、しかも圧電素子という非常に軽くて小さい部品の追加であり、重量の増加はほとんど考える必要がない。
【0050】
次に本発明の振動制御装置は要素自体は極めて小さいため、小型化が可能であり、高圧プラントのおける応用を考えた場合は、いかなる規模にも対応した騒音・振動低減装置が適用可能である。
【0051】
さらに、アクチュエータの動作速度を考慮すれば極めて広い範囲の周波数帯域に応用できることから、圧縮空気を用いたコーンの無い大出力スピーカを作成することも可能であり、野外コンサート等の大出力の音量を可能にする。あるいは流れの向きによる音波の伝播特性を考慮すると、指向性の高いスピーカを実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明におけるディフューザ内気体振動制御装置の基本構成を例示する図である。
【図2】本発明における遷音速ディフューザと圧電素子の設置方法を例示する図である。
【図3】本発明に用いる圧電素子を例示する図である。
【図4】本発明のディフューザ内気体振動制御装置を用いたスピーカを例示する図である。
【図5】本発明のディフューザ内気体振動制御装置の実験装置を示す図である。
【図6】本発明のディフューザ内気体振動制御装置の実験装置による圧力変動を示す図である。
【図7】本発明のディフューザ内気体振動制御装置の実験装置による流路内の圧力変動の周波数解析結果を示す図である。
【図8】本発明において風洞圧力比を徐々に増加させて行った場合の、スロート下流からの距離x=20mmの位置における圧力変動の大きさを示す自乗平均値(rms)を示す図である。
【図9】本発明において風洞圧力比を徐々に増加させて行った場合の衝撃波の位置を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
1 流路上面
2 流路下面
3 圧電素子
4 圧力計
5 圧力計
6 アンプ
7 AD変換器
8 CPU
9 DA変換器
10 直流アンプ
11 スロート部
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8