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明細書 :2,3-ジシアノナフタレン誘導体

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5288779号 (P5288779)
公開番号 特開2009-132624 (P2009-132624A)
登録日 平成25年6月14日(2013.6.14)
発行日 平成25年9月11日(2013.9.11)
公開日 平成21年6月18日(2009.6.18)
発明の名称または考案の名称 2,3-ジシアノナフタレン誘導体
国際特許分類 C07C 255/54        (2006.01)
FI C07C 255/54 CSP
請求項の数または発明の数 2
全頁数 8
出願番号 特願2007-307506 (P2007-307506)
出願日 平成19年11月28日(2007.11.28)
審査請求日 平成22年11月26日(2010.11.26)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304021288
【氏名又は名称】国立大学法人長岡技術科学大学
発明者または考案者 【氏名】西口 郁三
【氏名】原田 愛子
【氏名】前川 博史
個別代理人の代理人 【識別番号】100102299、【弁理士】、【氏名又は名称】芳村 武彦
審査官 【審査官】藤原 浩子
参考文献・文献 特開平03-072481(JP,A)
特開平02-296885(JP,A)
Polley, Rainer; Linben, Torsten Golo; Stihler, Patrick; Hanack, Michael,Synthesis, separation and characterization of naphthobenzo-condensed porphyrazinato nickel(II) complexes,Journal of Porphyrins and Phthalocyanines,1997年,1(2),169-179
Yeung, Yee-On et al.,Synthetic studies of substituted 2,3-naphthalocyanines,Tetrahedron ,1997年,53(27),9087-9096
調査した分野 C07C 255/54
C09B 47/04- 47/32
C07D 487/22
CAplus/REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
下記の式(1)で表される2, 3-ジシアノナフタレン誘導体:
【化1】
JP0005288779B2_000007t.gif
(式中、R~Rは、各独立して、H、炭素数1~6のアルキル基、フェニル基から選択された基を表すが、R~Rの少なくとも1つはメチル基又はフェニル基である。また、RおよびR6は各独立して炭素数1~12のアルキル基を表す。)
【請求項2】
前記およびR6がペンチル基であることを特徴とする請求項1に記載の2, 3-ジシアノナフタレン誘導体。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、ナフタロシアニン製造の中間体等として有用な、新規な置換2, 3-ジシアノナフタレン誘導体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、近赤外領域に発振波長を持つ半導体レーザーの登場によってフタロシアニンの吸収長波長化の研究が盛んに行われるようになり、それに関連してナフタロシアニンの合成が注目を浴びている。ナフタロシアニンは、フタロシアニンよりも共役系が長く吸収波長が長波長領域であるため、光記録材料だけでなく熱線吸収剤としての利用が期待されているが、前駆体である2, 3-ジシアノナフタレン誘導体の合成が困難であるため報告例が少ない。
【0003】
ナフタロシアニンの前駆体となる2, 3-ジシアノナフタレン誘導体の製造方法としては、1-置換-又は1,4-置換-2,3-ジメチルベンゼンを原料として、多段階反応により対応する5-置換、又は5,8-置換-2,3-ジシアノナフタレン誘導体を製造する方法が提案されている。(例えば、特許文献1参照)
また、1,4-ジヒドロキシ-2,3-ジシアノナフタレンをアルキル化剤と反応させることによってヒドロキシル基をアルキル化し、対応する2, 3-ジシアノナフタレン誘導体を製造する方法も提案されている。(例えば、特許文献2,非特許文献1参照)

【特許文献1】特開平8-67826号公報
【特許文献2】特表平8-508269号公報
【非特許文献1】A. Sygula, R. Sygula, P. N. Rabideau, Org. Lett. 2005, 7,4999-5001
【0004】
しかしながら、これらの従来技術で得られる2, 3-ジシアノナフタレン誘導体の種類は限られていた。また、2, 3-ジシアノナフタレン環に結合した炭化水素基の数が少ないために有機溶媒に対する溶解性が小さく、これらの化合物をナフタロシアニン化合物等の原料として使用した場合には、所望の化合物を効率良く製造することは困難であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明は各種の炭化水素基により、2, 3-ジシアノナフタレン環の5~8-位が置換された新規な2, 3-ジシアノナフタレン誘導体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は鋭意検討した結果、置換フラン化合物を1, 4-ジアルコキシ-2, 3-ジシアノ-5, 6-ジハロゲン化ベンゼンと反応させることによって、対応する2, 3-ジシアノナフタレン環の5~8-位が置換された新規な2,3-ジシアノナフタレン誘導体が得られることを発見し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明の2, 3-ジシアノナフタレン誘導体は、つぎの1~2の構成を有するものである。
1.下記の式(1)で表される2, 3-ジシアノナフタレン誘導体:
【化1】
JP0005288779B2_000002t.gif
(式中、R~Rは、各独立して、H、炭素数1~6のアルキル基、フェニル基から選択された基を表すが、R~Rの少なくとも1つはメチル基又はフェニル基である。また、RおよびR6は各独立して炭素数1~12のアルキル基を表す。)
2.前記およびR6がペンチル基であることを特徴とする1に記載の2, 3-ジシアノナフタレン誘導体。
【発明の効果】
【0007】
本発明の、2, 3-ジシアノナフタレン環の5~8-位が置換された2, 3-ジシアノナフタレン誘導体は、有機溶媒に対して良好な溶解性を有する新規な化合物である。これらの化合物は、色素、半導体等として用いられるナフタロシアニン化合物の原料等として好適に用いられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の式(1)で表される2, 3-ジシアノナフタレン誘導体の具体例としては、例えば~Rとして次のような置換基を有する化合物が挙げられる。ここで、Meはメチル基、Phはフェニル基を表す。
=Me,R=R=R=H,=R11
=R=Me,R=R=H,=R11
=R=Ph,R=R=H,=R11
【0009】
本発明の式(1)で表される2, 3-ジシアノナフタレン誘導体は、下記の式(2)で表されるフラン化合物を、
【化2】
JP0005288779B2_000003t.gif
(式中、R~Rは、各独立して、H、炭素数1~6のアルキル基、フェニル基から選択された基を表すが、R~Rの少なくとも1つはメチル基又はフェニル基である。
グリニヤール反応用の削状マグネシウムのような金属マグネシウムの存在下に、下記式(3)で表される2,3-ジシアノベンゼン誘導体と反応させることにより製造することができる。
【化3】
JP0005288779B2_000004t.gif
(式中、Xはハロゲン原子を表し;RおよびR6は各独立して炭素数1~12のアルキル基を表す。)
【0010】
上記式(2)で表されるフラン化合物において、好ましいR~Rとしては、H、メチル基、フェニル基が挙げられる。
【0011】
また、上記の式(3)で表される2,3-ジシアノベンゼン誘導体において、好ましいハロゲン原子としてはBr原子が、また、好ましいおよびRとしては、Hおよび炭素数1~4の低級アルキル基も用いることができるが、炭素数5~12程度の高級アルキル基が好ましい。
これらの2,3-ジシアノベンゼン誘導体は、入手の容易な1,4-ジヒドロキシ-2,3-ジシアノベンゼン誘導体を原料として、NBSによるジブロモ化反応、および、後続する光延反応(DIAD及びPPhの存在下での対応するアルコールROHおよび(または) ROHとの反応)により、次の反応スキームにしたがって製造することができる。
【化4】
JP0005288779B2_000005t.gif

【0012】
上記反応スキームにおいて、NBSはN-ブロモこはく酸イミド、DIADははジイソプロピルアゾカルボキシレート、PPhはトリフェニルホスフィン、THFはテトラヒドロフラン、r.t.は室温を意味し、65%及び97%は各反応における収率を表す。
【0013】
本発明の上記式(1)で表される化合物は、上記のように式(2)で表されるフラン化合物を、式(3)で表される2,3-ジシアノベンゼン誘導体と反応させることによって、一段階反応で効率良く製造することができる。この反応は、通常は有機溶媒、特にTHF、ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、グライム類のようなエーテル系有機溶媒中で行うことが好ましい。他の好適な有機溶媒としては、トルエンやキシレンなどの非極性溶媒、およびN,N-ジメチルホルムアミドやN-メチル-2-ピロリドン等の非プロトン性極性溶媒が挙げられる。
また、反応温度は0℃~リフラックス温度の範囲で、使用する原料等に応じて選択することができる。
【実施例】
【0014】
次に実施例により本発明をさらに説明するが,以下の実施例は本発明を限定するものではない。
(製造例1:5, 6-ジブロモ-1, 4-ジヒドロキシ-2,3-ジシアノベンゼンの合成)
温度計と塩化カルシウム管を取り付けた500 mL三つ口フラスコに、1, 4-ジヒドロキシ-2,3-ジシアノベンゼン30.0 g(187 mmol)、tert-ブタノール 200 mLを導入し、50℃で加熱溶解した。そこへN-ブロモこはく酸イミド67.6 g(380 mmol, 2 eq.)を15分かけて加え、その後50℃で2時間加熱撹拌した。再びN-ブロモこはく酸イミド67.6 g(380 mmol, 2 eq.)を15分かけて加え、50℃で2時間加熱撹拌した。反応溶液は室温まで放冷した後、亜硫酸水素ナトリウム50 gを水200 mLに溶解した水溶液に加えた。生じた褐色沈殿を吸引ろ過で濾取および水洗した後、真空乾燥した。淡褐色粉末の5, 6-ジブロモ-1, 4-ジヒドロキシ-2,3-ジシアノベンゼンを39.0g(収率65%)得た。得られた化合物の物性値を以下に示す。
13C NMR (100 MHz, TMS, d6-DMSO)δ151.73, 124.87, 113.94,
102.09 ppm; IR(KBr) νmax 3314, 2250, 1716, 1561, 1439, 1331, 1275, 1173, 1052, 986,
931,844, 728, 681, 521, 419 cm-1; MS(APCI) m/z 318 [M + H]+
また、文献(Cook, M. J.;Heeney, M. J. Chem. Eur. J. 2000, 21, 3958)のスペクトルと照合し、目的化合物の生成を確認した。
【0015】
(製造例2:5, 6-ジブロモ-2,3-ジシアノ-1,4-ジペンチルオキシベンゼンの合成)
滴下漏斗、塩化カルシウム管、窒素導入管、温度計を取り付けた1000 mL四つ口フラスコに、窒素雰囲気下にて上記製造例1で得られた5, 6-ジブロモ-1, 4-ジヒドロキシ-2,3-ジシアノベンゼン 37.1 g(117 mmol)、トリフェニルホスフィン 73.5 g(280 mmol, 2.4 eq.)、1-ペンタノール 25.7 g(292 mmol, 2.5 eq.)、テトラヒドロフラン 170 mLを導入した。反応溶液を氷浴で0℃に冷却し、そこへ滴下漏斗からジイソプロピルアゾジカルボキシレート 59.4 g(294 mmol, 2.5 eq.)をテトラヒドロフラン 250 mLに溶解した溶液を30分かけて滴下した。滴下後、氷浴を外して反応溶液を室温に戻し、室温で5時間撹拌した。反応溶液中のテトラヒドロフランをロータリーエバポレーターで留去した。得られた褐色粘調液体にジエチルエーテル100 mLを加え、析出した無色固体(トリフェニルホスフィンオキシド)を吸引ろ過で濾取した。濾液をロータリーエバポレーターで濃縮して褐色固体の粗成生物を94.0 g得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 800 mL,、展開溶媒 ジクロロメタン:ヘキサン = 1 : 5)で精製し、無色結晶の5,6-ジブロモ-2,3-ジシアノ-1,4-ジペンチルオキシベンゼンを51.9g(収率97%)得た。なお、テトラヒドロフランは金属ナトリウムを用いて蒸留したものを用いた(以下の例でも、同様である。)。得られた化合物の物性値を以下に示す。
1H NMR(400 MHz, TMS, CDCl3)δ4.20(t, 4H, J= 6.4 Hz), 1.94
- 1.87(m, 4H), 1.56-1.36(m, 8H), 0.95(t, 6H, J= 7.2 Hz) ppm; 13C NMR
(100 MHz, TMS, CDCl3)δ156.38, 129.62, 112.36, 109.21, 76.69, 29.63, 27.73,
22.34, 13.93 ppm; IR(KBr) νmax 2959, 2858, 2234, 1548, 1466, 1423, 1361, 1231, 1072, 1044,
1006, 936, 889, 835, 729, 536, 499 cm-1; MS(APCI) m/z 459 [M + H]+;
mp 68.8 - 69.9 ℃
【0016】
(参考例1:2, 3-ジシアノ-1, 4-ジペンチルオキシナフタレンの合成)
10 mLナス型フラスコにy字管、滴下漏斗、還流冷却器、塩化カルシウム管、窒素導入管を取り付けた。窒素雰囲気下で、ナス型フラスコにグリニャール反応用削状マグネシウム0.1 g(4.1 mmol, 2 eq.)、フラン (2.0 mmol, 1 eq.)、テトラヒドロフラン 2 mLを入れ加熱還流した。そこへ滴下漏斗から上記の製造例2で得られた5, 6-ジブロモ-2,3
-ジシアノ-1,4-ジペンチルオキシベンゼン0.92 g(2.0 mmol)をテトラヒドロフラン 2 mLに溶解した溶液を30分かけて滴下した。1時間加熱還流し、反応溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液100 mLに加え、15分間撹拌した。反応溶液を分液ロートに移し、50 mLのジクロロメタンで3回抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾取し、濾液をロータリーエバポレーターで濃縮し、黒色油状の粗成生物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、2, 3-ジシアノ-1, 4-ジペンチルオキシナフタレンを得た(収率97%)。得られた化合物の物性値を以下に示す。
1H NMR(400 MHz, TMS, CDCl3) δ8.23(dd,
2H, J=2.8, 6.2 Hz), 7.79(dd, 2H, J= 3.2, 6.2 Hz), 4.42(t, 4H, J= 6.8 Hz), 1.97(quint,
4H, J= 6.8 Hz), 1.60 - 1.40(m, 8H), 0.97(t, 6H, J= 7.2 Hz) ppm; 13C
NMR (100 MHz, TMS, CDCl3)δ157.23, 130.45, 130.15, 123.53, 114.41, 98.70, 76.34,
29.76, 27.83, 22.32, 13.86 ppm; IR(KBr) νmax 2934, 2869, 2222, 1570, 1502, 1406,
1348, 1241, 1102, 1027, 965, 905, 789, 731, 678, 604, 515 cm-1;
MS(APCI) m/z 351 [M + H]+; mp 52.6 - 53.1 ℃
【0017】
(実施例1:2, 3-ジシアノ-5-メチル-1, 4-ジペンチルオキシナフタレンの合成)
参考例1において、フランに換えて2-メチルフランを使用し、滴下および反応を室温で行い、反応時間を4時間とした以外は、参考例1と同様にして2, 3-ジシアノ-5-メチル-1, 4-ジペンチルオキシナフタレンを得た(収率35%)。得られた化合物の物性値を以下に示す。
1H NMR(400 MHz, TMS, CDCl3) δ8.08(1H,
d, J=8.4 Hz), 7.62(t, 1H, J= 7.2 Hz), 7.53(d, 1H, J= 7.2 Hz), 4.35(t, 2H, J=
6.4 Hz), 4.22(t, 2H, J= 6.8 Hz), 2.88(s, 3H), 2.02 - 1.92(m, 4H), 1.59- 1.40(m,
8H), 0.97(dt, 6H, J= 2.0, 7.4 Hz) ppm; 13C NMR (100 MHz, TMS, CDCl3)δ159.35, 157.42, 136.30,
133.94, 131.68, 129.75, 121.69, 114.44, 114.07, 101.29, 98.92, 77.00, 29.68,
27.72, 23.46, 22.28, 13.78 ppm; IR(KBr) νmax 2939, 2872, 2228, 1571, 1496, 1459, 1409,
1350, 1330, 1208, 1044, 1021, 972, 888, 810, 782 cm-1; MS(APCI) m/z
365 [M + H]+; mp 62.0 - 63.8 ℃
【0018】
(実施例2:2, 3-ジシアノ-5, 8-ジメチル-1, 4-ジペンチルオキシナフタレンの合成)
参考例1において、フランに換えて2,5-ジメチルフランを使用した以外は、参考例1と同様にして2, 3-ジシアノ-5, 8-ジメチル-1, 4-ジペンチルオキシナフタレンを得た(収率39%)。得られた化合物の物性値を以下に示す。
1H NMR(400 MHz, TMS, CDCl3) d 7.37(s, 2H), 4.14(t, 4H, J= 6.8 Hz), 2.83(s, 6H),
1.97(quint, 4H, J= 6.8 Hz) ppm; 13C NMR (100 MHz, TMS, CDCl3)δ159.70, 134.12, 133.71,
131.39, 114.22, 101.66, 77.64, 29.37, 27.68, 23.80, 22.33, 13.76 ppm; IR(KBr) νmax 2938, 2872, 2226, 1459,
1338, 1214, 1042, 1015, 962, 850, 729, 566 cm-1; MS(APCI) m/z 379 [M
+ H]+ ; mp95.0 - 95.3 ℃
【0019】
(実施例3:2, 3-ジシアノ-5, 8-ジフェニル-1, 4-ジペンチルオキシナフタレンの合成)
参考例1において、フランに換えて2,5-ジフェニルフランを使用した以外は、参考例1と同様にして2, 3-ジシアノ-5, 8-ジフェニル-1, 4-ジペンチルオキシナフタレンを得た(収率24%)。得られた化合物の物性値を以下に示す。
1H NMR(400 MHz, TMS, CDCl3) δ7.54(s,
2H), 7.44-7.35(m, 10H), 3.61(t, 4H, J= 6.8 Hz), 1.16(quint, 4H, J= 6.8 Hz),
1.06(quint, 4H, J= 7.2 Hz) 0.93(quint, 4H, J= 6.8 Hz), 0.82(t, 6H, J= 7.2 Hz)
ppm; 13C NMR (100 MHz, TMS, CDCl3)δ158.80, 141.99, 139.74,
133.64, 129.50, 128.84, 127.38, 127.13, 113.92, 102.95, 77.05, 28.21, 27.28,
22.18, 13.75 ppm; IR(KBr) νmax 3057, 2956, 2870, 2230, 1599, 1573, 1489, 1411, 1353, 1280,
1233, 1074, 1027, 960, 855, 758, 699 cm-1; MS(APCI) m/z 503 [M + H]+;
mp 192.5 - 194.4 ℃
【0020】
(実施例4:2, 3-ジシアノ-6, 7-ジフェニル-1, 4-ジペンチルオキシナフタレンの合成)
参考例1において、フランに換えて3,4-ジフェニルフランを使用した以外は、参考例1と同様にして2, 3-ジシアノ-6, 7-ジフェニル-1, 4-ジペンチルオキシナフタレンを得た(収率54%)。得られた化合物の物性値を以下に示す。
1H NMR(400 MHz, TMS, CDCl3) δ8.12(s,
2H), 7.18-7.09(m, 10H), 4.33(t, 4H, J=6.4 Hz), 1.83(quint, 4H, J= 6.8 Hz), 1.47
- 1.25(m, 8H), 0.82(t, 6H, J= 7.2 Hz) ppm; 13C NMR (100 MHz, TMS,
CDCl3)δ157.08,
143.66, 139.75, 129.64, 129.22, 128.10, 127.48, 125.12, 114.44, 98.78, 76.31,
29.73, 27.87, 22.27, 13.86 ppm; IR(KBr) νmax 3061, 2956, 2870, 2223, 1565, 1495,
1340, 1041, 1025, 965, 908, 781, 768, 702, 565, 532 cm-1; MS(APCI)
m/z 503 [M + H]+; mp 119.5 - 121.3 ℃
【0021】
上記の各例における反応経路は、下記のスキームのように、5, 6-ジブロモ-2,3
-ジシアノ-1, 4-ジペンチルオキシベンゼン1からベンザイン中間体2が生成し、置換フランとのDiels-Alder型[4+2]付加反応により不安定な含酸素環状体3を経由して2,3-ジシアノナフタレン誘導体4が生成すると考えられる。
【化5】
JP0005288779B2_000006t.gif

【0022】
この反応経路においては、1, 4位のジペンチルオキシ基は、ナフタレン環の形成反応に関与するものではない。したがって、上記の各例では一般式(1)において、RおよびR6がペンチル基である化合物を製造する例について説明したが、RおよびR6として他のアルキル基をした場合にも、同様にナフタレン環の形成反応は進行する。