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明細書 :分流型超電導限流器

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2009-140639 (P2009-140639A)
公開日 平成21年6月25日(2009.6.25)
発明の名称または考案の名称 分流型超電導限流器
国際特許分類 H01H  33/38        (2006.01)
H01H  33/42        (2006.01)
H01H  33/59        (2006.01)
H01H  33/66        (2006.01)
H02H   9/02        (2006.01)
FI H01H 33/38 A
H01H 33/42 Z
H01H 33/59 H
H01H 33/66 P
H01H 33/66 V
H02H 9/02 B
請求項の数または発明の数 2
出願形態 OL
全頁数 11
出願番号 特願2007-313303 (P2007-313303)
出願日 平成19年12月4日(2007.12.4)
発明者または考案者 【氏名】柳父 悟
【氏名】遠藤 幹彦
出願人 【識別番号】800000068
【氏名又は名称】学校法人東京電機大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100083806、【弁理士】、【氏名又は名称】三好 秀和
【識別番号】100100712、【弁理士】、【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
【識別番号】100100929、【弁理士】、【氏名又は名称】川又 澄雄
【識別番号】100095500、【弁理士】、【氏名又は名称】伊藤 正和
【識別番号】100101247、【弁理士】、【氏名又は名称】高橋 俊一
【識別番号】100098327、【弁理士】、【氏名又は名称】高松 俊雄
審査請求 未請求
テーマコード 5G013
5G026
5G028
Fターム 5G013AA01
5G013AA04
5G013BA01
5G013CA02
5G013CA20
5G026VA05
5G028DB08
要約 【課題】外部電源を要せずに転流用スイッチの開極および投入を自動で行うことができる分流型超電導限流器を提供する。
【解決手段】限流用固定コイル4が通電された際に電磁反発板17との間に発生する電磁反発力により電流遮断器3を開極するとともに投入部20のばね25を蓄勢し、その後、ばね25が放勢して伸長するとともに通気口26を通して空気室32に外部から空気を取り入れることにより蓋体23およびこれに連結された可動接触子11の移動速度を抑制しながら可動接触子11を固定接触子9に近づく方向に移動させて電流遮断器3を閉極させる。
【選択図】図2
特許請求の範囲 【請求項1】
超電導素子と、固定接触子およびこの固定接触子に対向する可動接触子を有する電流遮断器とが直列に接続された直列回路と、
前記直列回路に並列に接続された円筒状の限流用固定コイルと、
前記可動接触子に連結されるとともに前記限流用固定コイルの一方の端面に対向して配置され、前記限流用固定コイルが通電された際に前記限流用固定コイルとの間に発生する電磁反発力により前記可動接触子を前記固定接触子から離れる方向に移動させて前記電流遮断器を開極させる電磁反発板と、
前記電磁反発板に連結された絶縁板と、通気口と逆止弁が設けられた排気口とを有する底壁と、前記底壁の一方面に立設された筒状の側壁と、前記可動接触子に連結され、前記側壁内に往復摺動可能に設けられた蓋体と、前記底壁の前記一方面側の前記側壁外において前記底壁上に立設され前記絶縁板を支持する弾性体とを有し、前記電磁反発力により前記電磁反発板とともに前記可動接触子が前記固定接触子から離れる方向に移動する際に、前記可動接触子に連動して移動する前記蓋体により前記底壁と前記側壁と前記蓋体とで囲まれた空気室内の空気を前記排気口および前記通気口を通して外部に押し出すとともに、前記電磁反発板に連動して移動する前記絶縁板により前記弾性体を圧縮して蓄勢した後、前記弾性体が放勢して伸長するとともに前記通気口を通して前記空気室内に外部から空気を取り入れることにより前記蓋体およびこれに連結された前記可動接触子の移動速度を抑制しながら前記可動接触子を前記固定接触子に近づく方向に移動させて前記電流遮断器を閉極させる投入手段と
を備えることを特徴とする分流型超電導限流器。
【請求項2】
超電導素子と、固定接触子およびこの固定接触子に対向する可動接触子をそれぞれ有する複数の電流遮断器が互いに並列に接続された並列回路とが直列に接続された第1の回路と、
複数の前記電流遮断器に対応する複数の円筒状の限流用固定コイルが互いに直列に接続され、前記第1の回路に並列に接続された第2の回路と、
前記各電流遮断器の前記各可動接触子に連結されるとともに前記各限流用固定コイルの一方の端面に対向して配置され、前記各限流用固定コイルが通電された際に前記各限流用固定コイルとの間に発生する電磁反発力により前記各可動接触子を前記各電流遮断器の対応する前記各固定接触子から離れる方向に移動させて前記各電流遮断器を開極させる電磁反発板と、
前記電磁反発板に連結された絶縁板と、通気口と逆止弁が設けられた排気口とを有する底壁と、前記底壁の一方面に立設された筒状の側壁と、前記各可動接触子に連結され、前記側壁内に往復摺動可能に設けられた蓋体と、前記底壁の前記一方面側の前記側壁外において前記底壁上に立設され前記絶縁板を支持する弾性体とを有し、前記電磁反発力により前記電磁反発板とともに前記各可動接触子が対応する前記各固定接触子から離れる方向に移動する際に、前記各可動接触子に連動して移動する前記蓋体により前記底壁と前記側壁と前記蓋体とで囲まれた空気室内の空気を前記排気口および前記通気口を通して外部に押し出すとともに、前記電磁反発板に連動して移動する前記絶縁板により前記弾性体を圧縮して蓄勢した後、前記弾性体が放勢して伸長するとともに前記通気口を通して前記空気室内に外部から空気を取り入れることにより前記蓋体およびこれに連結された前記各可動接触子の移動速度を抑制しながら前記各可動接触子を対応する前記各固定接触子に近づく方向に移動させて前記各電流遮断器を閉極させる投入手段と
を備えることを特徴とする分流型超電導限流器。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、電路に流れる短絡電流などの過大な電流を抑制する分流型超電導限流器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、超電導素子と転流用スイッチとが直列に接続され、これらと並列に限流用固定コイルが接続された分流型超電導限流器が知られている。
【0003】
このような分流型超電導限流器において、通常通電時は、超電導素子が超電導状態にあって限流用固定コイルが短絡しており、超電導素子を介して電路に電流が流れる。短絡事故などによって電路に過大電流が流れると、超電導素子が超電導状態から非超電導状態(高抵抗状態)に転換するので電流が限流用固定コイル側に転流し、分流型超電導限流器が高インピーダンス状態となり、電路に流れる過大電流を抑制する。また、この際、転流用スイッチを駆動させ、超電導素子に流れる電流を遮断することにより、超電導素子の消費エネルギーを軽減している。
【0004】
通常、分流型超電導限流器では、転流用スイッチとして、高速で駆動する特殊なスイッチを用いる必要がある。一般的な高速遮断器を転流用スイッチとして用いた場合、この高速遮断器の遮断部は大地間の絶縁のため上方に配置され、遮断部を動作させる駆動部は大地側に配置される。このように遮断部と駆動部とが離れて配置されるため、遮断部を高速で動作させることが難しく、また、仮に高速で動作させることができたとしても、大きなエネルギーを必要とするため駆動部が大型化し、コストも増大する。
【0005】
そこで、超電導素子が超電導状態から非超電導状態に転換して電流が限流用固定コイルに流れた際に発生する磁界による電磁反発力を用いて転流用スイッチを開極させる分流型超電導限流器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この分流型超電導限流器では、転流用スイッチを開極するための操作機構や外部電源を必要とせず、かつ高速動作が可能となる。

【特許文献1】特開2005-50737号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された分流型超電導限流器では、転流用スイッチの開極後、その開極状態を維持する機構が設けられているが、転流用スイッチを閉極(再閉路)するための投入動作を自動的に行うことはできなかった。
【0007】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、外部電源を要せずに転流用スイッチの開極および投入を自動で行うことができる分流型超電導限流器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の分流型超電導限流器は、超電導素子と、固定接触子およびこの固定接触子に対向する可動接触子を有する電流遮断器とが直列に接続された直列回路と、前記直列回路に並列に接続された円筒状の限流用固定コイルと、前記可動接触子に連結されるとともに前記限流用固定コイルの一方の端面に対向して配置され、前記限流用固定コイルが通電された際に前記限流用固定コイルとの間に発生する電磁反発力により前記可動接触子を前記固定接触子から離れる方向に移動させて前記電流遮断器を開極させる電磁反発板と、前記電磁反発板に連結された絶縁板と、通気口と逆止弁が設けられた排気口とを有する底壁と、前記底壁の一方面に立設された筒状の側壁と、前記可動接触子に連結され、前記側壁内に往復摺動可能に設けられた蓋体と、前記底壁の前記一方面側の前記側壁外において前記底壁上に立設され前記絶縁板を支持する弾性体とを有し、前記電磁反発力により前記電磁反発板とともに前記可動接触子が前記固定接触子から離れる方向に移動する際に、前記可動接触子に連動して移動する前記蓋体により前記底壁と前記側壁と前記蓋体とで囲まれた空気室内の空気を前記排気口および前記通気口を通して外部に押し出すとともに、前記電磁反発板に連動して移動する前記絶縁板により前記弾性体を圧縮して蓄勢した後、前記弾性体が放勢して伸長するとともに前記通気口を通して前記空気室内に外部から空気を取り入れることにより前記蓋体およびこれに連結された前記可動接触子の移動速度を抑制しながら前記可動接触子を前記固定接触子に近づく方向に移動させて前記電流遮断器を閉極させる投入手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の分流型超電導限流器は、超電導素子と、固定接触子およびこの固定接触子に対向する可動接触子をそれぞれ有する複数の電流遮断器が互いに並列に接続された並列回路とが直列に接続された第1の回路と、複数の前記電流遮断器に対応する複数の円筒状の限流用固定コイルが互いに直列に接続され、前記第1の回路に並列に接続された第2の回路と、前記各電流遮断器の前記各可動接触子に連結されるとともに前記各限流用固定コイルの一方の端面に対向して配置され、前記各限流用固定コイルが通電された際に前記各限流用固定コイルとの間に発生する電磁反発力により前記各可動接触子を前記各電流遮断器の対応する前記各固定接触子から離れる方向に移動させて前記各電流遮断器を開極させる電磁反発板と、前記電磁反発板に連結された絶縁板と、通気口と逆止弁が設けられた排気口とを有する底壁と、前記底壁の一方面に立設された筒状の側壁と、前記各可動接触子に連結され、前記側壁内に往復摺動可能に設けられた蓋体と、前記底壁の前記一方面側の前記側壁外において前記底壁上に立設され前記絶縁板を支持する弾性体とを有し、前記電磁反発力により前記電磁反発板とともに前記各可動接触子が対応する前記各固定接触子から離れる方向に移動する際に、前記各可動接触子に連動して移動する前記蓋体により前記底壁と前記側壁と前記蓋体とで囲まれた空気室内の空気を前記排気口および前記通気口を通して外部に押し出すとともに、前記電磁反発板に連動して移動する前記絶縁板により前記弾性体を圧縮して蓄勢した後、前記弾性体が放勢して伸長するとともに前記通気口を通して前記空気室内に外部から空気を取り入れることにより前記蓋体およびこれに連結された前記各可動接触子の移動速度を抑制しながら前記各可動接触子を対応する前記各固定接触子に近づく方向に移動させて前記各電流遮断器を閉極させる投入手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の分流型超電導限流器によれば、外部電源を要せずに転流用スイッチの開極および投入を自動で行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。以下の図面の記載において、同一または同等の部分には同一または同等の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0012】
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0013】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る分流型超電導限流器を電気的に示す接続図、図2は、第1の実施の形態に係る分流型超電導限流器の電流遮断器および投入部を示す構成図、図3は、図2に示す電流遮断器および投入部の開極時の動作を説明するための図、図4は、図2に示す電流遮断器および投入部の投入時の動作を説明するための図である。
【0014】
図1に示すように第1の実施の形態に係る分流型超電導限流器は、電路1の途中に設けられ、超電導素子2と電流遮断器3とが直列に接続され、この超電導素子2と電流遮断器3との直列回路に並列に限流用固定コイル4が接続された電気的な構成を有する。
【0015】
超電導素子2は、通常通電時は超電導状態にあって電流を流し、短絡事故などによって電路1に過大電流が流れると超電導状態から非超電導状態(高抵抗状態)に変化する公知の超電導体からなる。
【0016】
電流遮断器3は、図2に示すような公知の真空バルブ等からなり、分流型超電導限流器の転流用スイッチとして機能する。
【0017】
電流遮断器3は、遮断室5を有する。この遮断室5は、絶縁体からなる筒状の絶縁容器6と、この絶縁容器6の両端に設けられた金属製の蓋体7,8とで真空気密に構成されている。蓋体7には、固定接触子9が端部に固着された固定導電棒10が固定されている。蓋体8には、固定接触子9と対向して接離自在の可動接触子11が端部に固着された可動導電棒12が軸方向に移動可能に貫通している。図1に示すように、固定導電棒10は、超電導素子2の一端に接続され、可動導電棒12は、電路1に接続されている。
【0018】
可動導電棒12にはベローズ13が取付けられ、遮断室5内を真空気密に保持しながら可動導電棒12の軸方向の移動を可能にしている。また、このベローズ13の上部には金属製のアークシールド14が設けられ、ベローズ13がアーク蒸気で覆われることを防止している。また、固定接触子9、可動接触子11を覆うように、遮断室5内に金属製のアークシールド15が設けられ、これにより絶縁容器6がアーク蒸気で覆われることを防止している。
【0019】
また、可動導電棒12の可動接触子11が固着された側とは反対側の端には、絶縁体からなる可動ロッド16の一端が連結されている。可動ロッド16には、アルミニウム等の導体からなる電磁反発板17が、その略中心を可動ロッド16が貫通するように固定されている。
【0020】
電流遮断器3には、図2に示すように、可動ロッド16および電磁反発板17を介して、投入部20が連結されている。
【0021】
投入部20は、底壁21と、底壁21の図示上面に立設された筒状の側壁22と、可動ロッド16の他端に連結され、側壁22内に往復摺動可能に設けられた蓋体23と、電磁反発板17の図示下面に固定された環状の絶縁板24と、底壁21の図示上面の側壁22外において底壁21上に立設され絶縁板24を支持する弾性体である複数のばね25とを備える。側壁22の内周面と蓋体23の外周面とは、図示しないシールリング等によりシールされている。
【0022】
底壁21には、通気口26と排気口27とが設けられている。排気口27には、逆止弁28が設けられている。逆止弁28は、弁本体29と、排気口27を開閉する弁体30と、弁体30を支持するばね31とを備え、外部から底壁21と側壁22と蓋体23とで囲まれた空気室32内に向かう空気の流れを止める。空気室32内から外部に向かう流れは、止められずに流通する。
【0023】
電流遮断器3と電磁反発板17との間には、円筒状に形成された限流用固定コイル4が、その一方の端面が電磁反発板17に対向し、その中央開口部を可動導電棒12および可動ロッド16が貫通するように配置されている。図1に示すように、限流用固定コイル4の一端は超電導素子2の他端に接続され、限流用固定コイル4の他端は可動導電棒12に接続されている。
【0024】
次に、第1の実施の形態に係る分流型超電導限流器の動作について説明する。
【0025】
通常通電時は、投入部20のばね25の弾性力により、可動接触子11と固定接触子9とが接触する位置に可動導電棒12が保持されており、電流遮断器3が閉極している。したがって、電路1に、限流用固定コイル4を介することなく、超電導素子2と電流遮断器3との直列回路を介して電流が流れる。
【0026】
この通常状態から、短絡事故などによって電路1に過大電流が流れると、超電導素子2に過大電流が流れ、超電導素子2が超電導状態から非超電導状態(高抵抗状態)に転換するので、電流が限流用固定コイル4側に転流する。
【0027】
限流用固定コイル4に電流が流れると磁界が発生し、これにより限流用固定コイル4と電磁反発板17との間に電磁反発力が発生する。この電磁反発力により、図3に示すように、電磁反発板17が図示下方に高速で移動する。
【0028】
電磁反発板17には可動ロッド16を介して可動導電棒12が連結されているので、可動接触子11が固定接触子9から離れる方向に移動し、電流遮断器3が開極される。これにより、超電導素子2と電流遮断器3との直列回路に電流が流れず、限流用固定コイル4のみを介して電流が流れるため、分流型超電導限流器が高インピーダンス状態となり、電路1に流れる過大電流を抑制する。
【0029】
また、電磁反発板17が図示下方に移動する際には、可動ロッド16を介して電磁反発板17に連結された蓋体23も連動して図示下方に移動し、空気室32内の空気を通気口26および排気口27を通じて外部に押し出す。さらに、この際、電磁反発板17に連結された絶縁板24も図示下方に移動するので、ばね25が圧縮されて蓄勢される。
【0030】
その後、図4に示すように、ばね25が放勢して伸長することにより、絶縁板24および電磁反発板17が図示上方に移動し、可動ロッド16を介して電磁反発板17に連結された可動導電棒12および蓋体23も図示上方に移動することで、電流遮断器3の閉極状態に戻る。このようにして、電流遮断器3の投入動作は自動的に行われる。
【0031】
この投入動作時において、通気口26を通して空気室32に外部から空気が取り入れられる。なお、このとき逆止弁28により排気口27は閉じられ、通気口26のみから空気室32に空気が流入する。この際、空気室32内の気圧が外部の気圧よりも低い状態となるため、蓋体23にばね25による弾性力と反対の方向の力が加わる。これにより、蓋体23、およびこれに可動ロッド16と可動導電棒12とを介して連結された可動接触子11の図示上方への移動速度を抑制することができる。
【0032】
このようにして、電流遮断器3は、開極してから所定時間後に自動的に投入される。開極から投入までの時間は、通気口26の口径の大きさを予め調整することにより設定され、0.01秒~0.2秒程度とすることが、電流遮断器3の再閉路責務に対応するために好ましい。
【0033】
上記説明のように第1の実施の形態によれば、限流用固定コイル4が通電された際に電磁反発板17との間に発生する電磁反発力により電流遮断器3を開極するとともに投入部20のばね25を蓄勢し、その後、ばね25が放勢して伸長するとともに通気口26を通して空気室32に外部から空気を取り入れることにより蓋体23およびこれに連結された可動接触子11の移動速度を抑制しながら可動接触子11を固定接触子9に近づく方向に移動させて電流遮断器3を閉極させるので、電流遮断器3の開極および投入を自動で行うことができる。また、外部電源を必要としないため、装置の簡素化、小型化、およびコストの削減が可能となる。
【0034】
(第2の実施の形態)
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る分流型超電導限流器を電気的に示す接続図、図6は、第2の実施の形態に係る分流型超電導限流器の電流遮断器および投入部を示す構成図である。図5および図6において、図1および図2との対応部分には同一符号を付し、詳細説明を省略する。
【0035】
図5に示すように第2の実施の形態に係る分流型超電導限流器は、図1に示した分流型超電導限流器に対し、電流遮断器3と並列に接続された電流遮断器40と、限流用固定コイル4に直列に接続された限流用固定コイル41とが追加された電気的な構成を有する。
【0036】
図6に示すように、第2の実施の形態では、電流遮断器3,40が並列に配置されて電磁反発板17に連結され、さらに投入部20に連結されている。
【0037】
電流遮断器40は、遮断室42と、絶縁容器43と、蓋体44,45と、固定接触子46と、固定導電棒47と、可動接触子48と、可動導電棒49と、ベローズ50と、アークシールド51,52とを備え、電流遮断器3と同様に構成されている。
【0038】
電流遮断器40の可動導電棒49の可動接触子48が固着された側とは反対側の端には、絶縁体からなる可動ロッド53の一端が連結されている。可動ロッド53は、電磁反発板17を貫通するようにして電磁反発板17に固定されている。可動ロッド53の他端は、投入部20の蓋体23に固定されている。
【0039】
電流遮断器40と電磁反発板17との間には、円筒状に形成された限流用固定コイル41が、その一方の端面が電磁反発板17に対向し、その中央開口部を可動導電棒49および可動ロッド53が貫通するように配置されている。
【0040】
上記のように構成された第2の実施の形態の分流型超電導限流器において、通常通電時は、投入部20のばね25の弾性力により、可動接触子11,48が固定接触子9,46に接触する位置に可動導電棒12,49が保持されており、電流遮断器3,40がともに閉極している。したがって、電路1に、限流用固定コイル4,41を介することなく、超電導素子2と電流遮断器3,40とを介して電流が流れる。
【0041】
この通常状態から、短絡事故などによって電路1に過大電流が流れると、超電導素子2に過大電流が流れ、超電導素子2が超電導状態から非超電導状態(高抵抗状態)に転換するので、電流が限流用固定コイル4,41側に転流する。
【0042】
限流用固定コイル4,41に電流が流れると磁界が発生し、これにより限流用固定コイル4,41と電磁反発板17との間に電磁反発力が発生する。この電磁反発力により電流遮断器3,40を開極し、その後投入する動作については、上記第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
【0043】
第2の実施の形態によれば、複数の電流遮断器3,40を並列に接続したので、第1の実施の形態と同様の効果に加えて、分流型超電導限流器の電流容量を増大することができる。
【0044】
なお、第2の実施の形態では、電流遮断器およびこれに対応する限流用固定コイルをそれぞれ2つ接続した例を示したが、電流遮断器および限流用固定コイルの数はこれに限らない。さらに多くの電流遮断器を用いれば、電流遮断器の数に伴って電流容量を増大することができる。
【0045】
また、本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る分流型超電導限流器を電気的に示す接続図である。
【図2】第1の実施の形態に係る分流型超電導限流器の電流遮断器および投入部を示す構成図である。
【図3】図2に示す電流遮断器および投入部の開極時の動作を説明するための図である。
【図4】図2に示す電流遮断器および投入部の投入時の動作を説明するための図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る分流型超電導限流器を電気的に示す接続図である。
【図6】第2の実施の形態に係る分流型超電導限流器の電流遮断器および投入部を示す構成図である。
【符号の説明】
【0047】
1 電路
2 超電導素子
3,40 電流遮断器
4,41 限流用固定コイル
5,42 遮断室
6,43 絶縁容器
7,8,44,45 蓋体
9,46 固定接触子
10,47 固定導電棒
11,48 可動接触子
12,49 可動導電棒
13,50 ベローズ
14,15,51,52 アークシールド
16,53 可動ロッド
17 電磁反発板
20 投入部
21 底壁
22 側壁
23 蓋体
24 絶縁板
25 ばね
26 通気口
27 排気口
28 逆止弁
29 弁本体
30 弁体
31 ばね
32 空気室
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5