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明細書 :制御装置、制御方法、及び2足歩行ロボット

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5083763号 (P5083763)
公開番号 特開2009-107030 (P2009-107030A)
登録日 平成24年9月14日(2012.9.14)
発行日 平成24年11月28日(2012.11.28)
公開日 平成21年5月21日(2009.5.21)
発明の名称または考案の名称 制御装置、制御方法、及び2足歩行ロボット
国際特許分類 B25J  13/08        (2006.01)
B25J   5/00        (2006.01)
FI B25J 13/08 Z
B25J 5/00 F
請求項の数または発明の数 9
全頁数 17
出願番号 特願2007-278682 (P2007-278682)
出願日 平成19年10月26日(2007.10.26)
審査請求日 平成22年7月29日(2010.7.29)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】899000068
【氏名又は名称】学校法人早稲田大学
発明者または考案者 【氏名】高西 淳夫
【氏名】田中 智明
【氏名】橋本 健二
【氏名】菅原 雄介
【氏名】太田 章博
【氏名】服部 賢太郎
【氏名】沢戸 瑛昌
【氏名】林 昭宏
個別代理人の代理人 【識別番号】100080089、【弁理士】、【氏名又は名称】牛木 護
【識別番号】100137800、【弁理士】、【氏名又は名称】吉田 正義
【識別番号】100148253、【弁理士】、【氏名又は名称】今枝 弘充
【識別番号】100148079、【弁理士】、【氏名又は名称】梅村 裕明
審査官 【審査官】林 茂樹
参考文献・文献 特開2006-082155(JP,A)
調査した分野 B25J 1/00~21/02
特許請求の範囲 【請求項1】
足部を有する脚部、及び腰部を有する2足歩行ロボットの制御装置において、
前記足部の軌道と、前記腰部の軌道とを設定すると共に、前記足部の軌道と前記腰部の軌道とに基いて設定ZMP軌道を設定する歩行パターン生成手段と、
歩行中の前記2足歩行ロボットに加わった外力に応じて前記腰部を加速させるための腰部補償軌道を算出する腰部補償軌道算出手段と、
所定の範囲内において前記設定ZMP軌道を変更する設定ZMP軌道の変更量を算出する設定ZMP軌道変更量算出手段と、
前記脚部が着地する位置の変更量を算出する着地位置変更量算出手段と
前記足部に生じる足部反力に基づいて実測ZMP軌道を算出する実測ZMP算出手段とを備え
前記腰部補償軌道算出手段は、前記設定ZMP軌道に前記設定ZMP軌道の変更量を加算して得た目標ZMP軌道を、前記実測ZMP軌道から減じたZMP偏差に基いて、前記腰部補償軌道を算出することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
搭乗者が発生した力を前記腰部における座面反力として計測し、
前記外力は、前記座面反力を用いることを特徴とする請求項1記載の制御装置。
【請求項3】
前記歩行パターン生成手段は、理想的な搭乗者が前記腰部周りに発生する理論座面反力を設定し、
前記座面反力から前記理論座面反力を減じて、外乱成分を抽出する外乱成分抽出手段を備え、
前記外乱成分に基づいて前記腰部補償軌道を算出する
ことを特徴とする請求項記載の制御装置。
【請求項4】
足部を有する脚部、及び腰部を有する2足歩行ロボットの制御方法において、
前記足部の軌道と、前記腰部の軌道とを設定すると共に、前記足部の軌道と前記腰部の軌道とに基いて設定ZMP軌道を設定する歩行パターン生成ステップと、
歩行中の前記2足歩行ロボットに加わった外力に応じて前記腰部を加速させるための腰部補償軌道を算出する腰部補償軌道算出ステップと、
所定の範囲内において前記設定ZMP軌道を変更する設定ZMP軌道の変更量を算出する設定ZMP軌道変更量算出ステップと、
前記脚部が着地する位置の変更量を算出する着地位置変更量算出ステップと
前記足部に生じる足部反力に基いて実測ZMP軌道を算出する実測ZMP算出ステップを備え
前記腰部補償軌道算出ステップは、前記設定ZMP軌道に前記設定ZMP軌道の変更量を加算して得た目標ZMP軌道を、前記実測ZMP軌道から減じたZMP偏差に基いて、腰部補償軌道を算出することを特徴とする制御方法。
【請求項5】
搭乗者が発生した力を前記腰部における座面反力として計測し、
前記外力は、前記座面反力を用いることを特徴とする請求項記載の制御方法。
【請求項6】
前記歩行パターン生成ステップは、理想的な搭乗者が前記腰部周りに発生する理論座面反力を設定する理論座面反力設定ステップを有し、
前記座面反力から前記理論座面反力を減じて、外乱成分を抽出する外乱成分抽出ステップを備え、
前記外乱成分に基づいて前記腰部補償軌道を算出することを特徴とする請求項記載の制御方法。
【請求項7】
足部を有する脚部、腰部、及び制御装置を有する2足歩行ロボットにおいて、
前記制御装置は、
前記足部の軌道と、前記腰部の軌道とを設定すると共に、前記足部の軌道と前記腰部の
軌道とに基いて設定ZMP軌道を設定する歩行パターン生成手段と、
歩行中の前記2足歩行ロボットに加わった外力に応じて前記腰部を加速させるための腰
部補償軌道を算出する腰部補償軌道算出手段と、
所定の範囲内において前記設定ZMP軌道を変更する設定ZMP軌道の変更量を算出す
る設定ZMP軌道変更量算出手段と、
前記脚部が着地する位置の変更量を算出する着地位置変更量算出手段と
を備え
前記足部に足部反力センサを設け、
前記足部反力センサによって計測した足部反力に基いて実測ZMP軌道を算出する実測ZMP算出手段を備え、
前記腰部補償軌道算出手段は、前記設定ZMP軌道に前記設定ZMP軌道の変更量を加算して得た目標ZMP軌道を、前記実測ZMP軌道から減じたZMP偏差に基いて、腰部補償軌道を算出することを特徴とする2足歩行ロボット。
【請求項8】
前記腰部の上部に搭乗者用シートを有し、
前記搭乗者用シートと前記腰部との間に座面反力計測センサを設け、
前記座面反力計測センサにより前記外力を計測する
ことを特徴とする請求項記載の2足歩行ロボット。
【請求項9】
前記歩行パターン生成手段は、理想的な搭乗者が前記腰部周りに発生する理論座面反力を設定し、
前記座面反力から前記理論座面反力を減じて、外乱成分を抽出する外乱成分の抽出手段を備え、
前記外乱成分に基づいて前記腰部補償軌道を算出することを特徴とする請求項記載の2足歩行ロボット。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、制御方法、及び2足歩行ロボットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、2足歩行ロボットとして、例えば、パラレルリンク機構や、シリアルリンク型脚機構を用いた人間搭乗型ロボットが開示されている。パラレルリンク機構を採用した早稲田大学のWL-16RIVは軽量、かつ小型化を実現しており、積載重量比は、1.25(最大搭乗者体重75kg、ロボット重量60kg)である。これに対し、シリアルリンク型脚機構を採用したトヨタ自動車株式会社のi-footは、0.3(最大搭乗者体重60kg、ロボット重量200kg)、韓国科学技術院(KAIST)のHUBOは、0.67(最大搭乗者体重100kg、ロボット重量150kg)となっており、パラレルリンク機構の方が、シリアルリンク型脚機構に比べ、ロボットの積載重量比が高い。
【0003】
ロボットの積載重量比が高いことは、人間の住環境で稼動する2足歩行車椅子の実現のためには非常に優位性の高いことであるが、積載重量比が高いことはそれだけ搭乗者の運動がロボットの安定性に及ぼす影響が大きくなることを意味する。
【0004】
積載重量比の高い人間搭乗型2足歩行ロボットの安定化手法としては、ロボットの歩行中において、搭乗者がロボットの腰部の揺れによって受動的に揺動する運動を事前にモデル(受動的力学モデル)化しておき、その搭乗者の受動的運動を考慮した上で安定な歩行パターンをオフラインで生成するものが開示されている(例えば、非特許文献1)。
【0005】
ところが、この安定化手法は、人間が搭乗した状態における2足歩行の安定化に有効であるものの、事前に予測することができない搭乗者の運動や外力には対応することができないという欠点があった。
【0006】
一方、人間搭乗型でない通常の2足歩行ロボットの外力に対する安定化手法としては、外力に応じて腰部を加速し、これによる腰部軌道の発散を防ぐために目標ZMP軌道を変更する手法が開示されている(例えば、非特許文献2及び3)。
【0007】
上記非特許文献2は、外力を腰部に取り付けた力センサで取得し、着地位置を変更することにより目標ZMP軌道を変更するものである。
【0008】
また、上記非特許文献3は、実測ZMPから仮想外力を算出し、立脚足部内で仮想的に目標ZMP軌道を変更するものである。

【非特許文献1】橋本健二、菅原雄介、川瀬正幹、太田章博、田中智明、沢戸瑛昌、林昭宏、遠藤信綱、林憲玉、高西淳夫、「脚部にパラレルリンク機構を用いた2足ロコモータの開発(第12報:搭乗者の力学モデルを用いた歩行パターン生成)」、日本ロボット学会第24回学術講演会予稿集、2006
【非特許文献2】A.Takanishi, et al., A control method for dynamic biped walking under unknown external force, Proc. of the IEEE International Workshop on Intelligent Robots and Systems, pp. 795-801,1990
【非特許文献3】長坂他、「体幹位置コンプライアンス制御を用いた人間型ロボットの歩行安定化」、日本ロボット学会第17回学術講演会予稿集、1999
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記非特許文献2では、継続する外力には適応することができず、また、上記非特許文献3では、比較的小さな外力にしか適応できないという問題があった。また、非特許文献2及び3のいずれにおいても、外力はロボットの外部から加わる力のみを想定しており、人間搭乗型2足歩行ロボットにみられるような、搭乗者によって加えられる力に対して有効ではないという問題があった。
【0010】
そこで本発明は上記した問題点に鑑み、搭乗者によって加えられる外力に対応することができる制御装置、制御方法、及び2足歩行ロボットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、足部を有する脚部、及び腰部を有する2足歩行ロボットの制御装置において、前記足部の軌道と、前記腰部の軌道とを設定すると共に、前記足部の軌道と前記腰部の軌道とに基いて設定ZMP軌道を設定する歩行パターン生成手段と、歩行中の前記2足歩行ロボットに加わった外力に応じて前記腰部を加速させるための腰部補償軌道を算出する腰部補償軌道算出手段と、所定の範囲内において前記設定ZMP軌道を変更する設定ZMP軌道の変更量を算出する設定ZMP軌道変更量算出手段と、前記脚部が着地する位置の変更量を算出する着地位置変更量算出手段と、前記足部に生じる足部反力に基づいて実測ZMP軌道を算出する実測ZMP算出手段とを備え、前記腰部補償軌道算出手段は、前記設定ZMP軌道に前記設定ZMP軌道の変更量を加算して得た目標ZMP軌道を、前記実測ZMP軌道から減じたZMP偏差に基いて、前記腰部補償軌道を算出することを特徴とする。
【0013】
また、請求項に係る発明は、搭乗者が発生した力を前記腰部における座面反力として計測し、前記外力は、前記座面反力を用いることを特徴とする。
【0014】
また、請求項に係る発明は、前記歩行パターン生成手段は、理想的な搭乗者が前記腰部周りに発生する理論座面反力を設定し、前記座面反力から前記理論座面反力を減じて、外乱成分を抽出する外乱成分抽出手段を備え、前記外乱成分に基づいて前記腰部補償軌道を算出することを特徴とする。
【0015】
また、請求項に係る発明は、足部を有する脚部、及び腰部を有する2足歩行ロボットの制御方法において、前記足部の軌道と、前記腰部の軌道とを設定すると共に、前記足部の軌道と前記腰部の軌道とに基いて設定ZMP軌道を設定する歩行パターン生成ステップと、歩行中の前記2足歩行ロボットに加わった外力に応じて前記腰部を加速させるための腰部補償軌道を算出する腰部補償軌道算出ステップと、所定の範囲内において前記設定ZMP軌道を変更する設定ZMP軌道の変更量を算出する設定ZMP軌道変更量算出ステップと、前記脚部が着地する位置の変更量を算出する着地位置変更量算出ステップと、前記足部に生じる足部反力に基いて実測ZMP軌道を算出する実測ZMP算出ステップとを備え、前記腰部補償軌道算出ステップは、前記設定ZMP軌道に前記設定ZMP軌道の変更量を加算して得た目標ZMP軌道を、前記実測ZMP軌道から減じたZMP偏差に基いて、腰部補償軌道を算出することを特徴とする。
【0017】
また、請求項に係る発明は、搭乗者が発生した力を前記腰部における座面反力として
計測し、前記外力は、前記座面反力を用いることを特徴とする。
【0018】
また、請求項に係る発明は、前記歩行パターン生成ステップは、理想的な搭乗者が前
記腰部周りに発生する理論座面反力を設定する理論座面反力設定ステップを有し、前記座
面反力から前記理論座面反力を減じて、外乱成分を抽出する外乱成分抽出ステップを備え
、前記外乱成分に基づいて前記腰部補償軌道を算出することを特徴とする。
【0019】
また、請求項に係る発明は、足部を有する脚部、腰部、及び制御装置を有する2足歩行ロボットにおいて、前記制御装置は、前記足部の軌道と、前記腰部の軌道とを設定すると共に、前記足部の軌道と前記腰部の軌道とに基いて設定ZMP軌道を設定する歩行パターン生成手段と、歩行中の前記2足歩行ロボットに加わった外力に応じて前記腰部を加速させる腰部補償軌道を算出するための腰部補償軌道算出手段と、所定の範囲内において前記設定ZMP軌道を変更する設定ZMP軌道の変更量を算出する設定ZMP軌道変更量算出手段と、前記脚部が着地する位置の変更量を算出する着地位置変更量算出手段とを備え、前記足部に足部反力センサを設け、前記足部反力センサによって計測した足部反力に基いて実測ZMP軌道を算出する実測ZMP算出手段を備え、前記腰部補償軌道算出手段は、前記設定ZMP軌道に前記設定ZMP軌道の変更量を加算して得た目標ZMP軌道を、前記実測ZMP軌道から減じたZMP偏差に基いて、腰部補償軌道を算出することを特徴とする。
【0021】
また、請求項に係る発明は、前記腰部の上部に搭乗者用シートを有し、前記搭乗者用シートと前記腰部との間に座面反力計測センサを設け、前記座面反力計測センサにより前記外力を計測することを特徴とする。
【0022】
また、請求項に係る発明は、前記歩行パターン生成手段は、理想的な搭乗者が前記腰部周りに発生する理論座面反力を設定し、前記座面反力から前記理論座面反力を減じて、外乱成分を抽出する外乱成分の抽出手段を備え、前記外乱成分に基づいて前記腰部補償軌道を算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明の請求項1,及びに記載の発明によれば、制御装置は、設定ZMP軌道を変更すると共に、着地位置を変更することにより、腰部の軌道の発散を遅延又は収束させることができる。従って、制御装置は、設定ZMP軌道変更量算出手段、及び着地位置変更量算出手段のうちいずれか一方を用いる従来に比べ、大きい外乱に対応でき、安定性を向上することができる。
【0024】
また、請求項及びに記載の発明によれば、搭乗者の運動による外乱以外の外乱、すなわち、路面の細かな凹凸やロボット各部のたわみなどのモデル誤差による不安定性に関しても補償できるので、安定性をより向上することができる。
【0025】
また、請求項及びに記載の発明によれば、搭乗者用シートに着座した搭乗者が発生する外力と、その他の外力とを分離して測定することができるので、フィードバック量を減らすことができ、より安定性を向上することができる。
【0026】
また、請求項及びに記載の発明によれば、さらにフィードバック量を減らす
ことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
1.全体構成
(1)ロボットの構成
図1に示す2足歩行ロボット1は、脚部2、腰部3、前記腰部3の上部に設けられた搭乗者用シート4、及び制御装置5を備え、前記搭乗者用シート4に搭乗したユーザ(以下、搭乗者という)が想定外の外力を発生した場合でも、前記制御装置5で前記脚部2の動作を制御することにより、安定的に2足歩行し得るように構成されている。
【0028】
脚部2は、脚部としての右足ユニット6及び左足ユニット7からなる。右足ユニット6及び左足ユニット7は、それぞれ、脚機構8、足部としての足底部9、及び固定板10を有し、左右対称に構成されている。
【0029】
脚機構8は、3組の脚構成部11を有する。3組の脚構成部11は、平面視三角形の頂点に上端及び下端をそれぞれ配設するように設けられている。脚構成部11は、2本の直動リンク12と、該直動リンク12の両端にそれぞれ設けられたベース部側受動ジョイント13(本実施形態では合計12個)及び足底側受動ジョイント14(本実施形態では合計6個)とにより構成されている。この脚構成部11は、2本の直動リンク12をV字状に配置し、上端が2つのベース部側受動ジョイント13を介してそれぞれ腰部3に連結されている。一方、脚構成部11は、2本の直動リンク12の下端を1つの足底側受動ジョイント14に連結した上で、固定板10に連結されている。
【0030】
ベース部側受動ジョイント13と、足底側受動ジョイント14とは、ボールジョイントとユニバーサルジョイントとを有する。このようにして、脚機構8は、パラレルリンク機構の一種であるスチュアートプラットフォームにより構成されている。
【0031】
直動リンク12は、送り螺子機構からなり、特に図示しないが、主にアウタチューブ、該アウタチューブ内を進退可能に設けられたインナーロッド、及び、長手方向軸を中心として前記インナーロッドを回転させるモータで構成され、インナーロッドの外形に形成された雄ネジがインナーロッドの内周に形成された雌ネジに対し螺合されている。また、このモータは後述するモータドライバにより制御される。尚、直動リンク12は特に限定されるものではなく、油圧、水圧、及び空気圧などを用いたシリンダや直動型アクチュエータを有する機構としてもよい。
【0032】
腰部3は、ベース部15を備え、前記ベース部側受動ジョイント13、搭乗者用シート4、及びバッテリなどを搭載し得るように構成されている。腰部3の背面側には制御装置5が取り付けられている。
【0033】
制御装置5は、図示しないが、内部のメモリに予め記憶している動作制御プログラムなどの各種プログラムに従って各種処理を実行する。そして、制御装置5は、電源スイッチがオンされるなどによって電源が投入されると、メモリから基本プログラム等の各種プログラムを適宜読み出して展開することにより、これら各種プログラムによって2足歩行ロボット1全体を統括的に制御し、各種機能、例えば外乱補償制御処理を実現し得るように構成されている。
【0034】
図2に示すように、腰部3と搭乗者用シート4の間には、座面反力計測センサ20が設けられている。また、足底部9と固定板10との間には、足部反力計測センサ21が設けられている。座面反力計測センサ20は、図3に示すように、6軸力覚センサであって、各軸方向の力3成分と各軸周りのモーメント3成分を同時に且つ逐次連続的に高精度で検出することができる。
【0035】
尚、所定の範囲としての支持多角形とは、路面と2足歩行ロボット1とが接地している部分である固定板10を凹にならないように囲んで形成される面積最大の凸多角形をいう。
【0036】
また、2足歩行ロボットが歩行中に安定な支持状態を維持するために必要な条件を考えた場合、2足歩行ロボットが安定な支持状態を保てなくなる、つまり転倒するということは、足底部と路面との接点(3点以上)が形成する支持多角形のある辺または点を通る路面上の直線を軸に回転運動をしていると考えられる。すなわち、支持多角形から見て外向きのモーメントが作用していると考えられる。逆に言えば、支持多角形上の全ての辺および点のまわりに外向きのモーメントが発生せず、内向きのモーメントのみ発生していれば、2足歩行ロボットは安定な支持状態を維持できる。このときの2足歩行ロボットの支持状態を考えると、足底の接地点が浮かないため、全ての接地点において2足歩行ロボットから路面に作用する重力および慣性力による力は路面を押す向きであり、これらの合力が作用する点は足底の支持多角形内になければならない。この点回りの合力によるモーメントは明らかにゼロであり、この点をZMP(Zero Moment Point、ゼロモーメントポイント)と呼ぶ。
【0037】
(2)システム構成
次に、制御装置5のシステム構成について、図4を参照して説明する。図4に示す制御装置5は、歩行パターン生成手段25、外乱成分抽出手段26、実測ZMP算出手段27、腰部補償軌道算出手段28、設定ZMP軌道変更量算出手段29、着地位置変更量算出手段30、足部軌道生成手段31、座標変換手段32及び逆運動学演算手段33からなり、座面反力計測センサ20及び足部反力センサ21から計測値が入力され得るように接続されていると共に、上述したモータドライバ34へ駆動信号を出力し得るように構成されている。
【0038】
制御装置5は、2足歩行ロボット1の右足ユニット6及び左足ユニット7に対する上述した一連の動作制御処理(図示しない)を内部のメモリに予め記憶している動作制御プログラムに従って実行する。
【0039】
まず、制御装置5は、例えば、右足ユニット6を動作させる場合、予め歩行パターン生成手段25で設定された足部設定パターン軌道(pf)に基いて、足部軌道生成手段31により足部出力軌道()を算出して、算出した足部出力軌道()信号を座標変換手段32を介して逆運動学演算手段33に出力する。そうすると、制御装置5は、逆運動学演算手段33において、右足ユニット6の逆運動学を計算し、各リンク長さ(Ifinal)を算出する。そして制御装置5は算出された各リンク長さ(Ifinal)に対応して図示しないモータの出力軸を回転させるための例えば電圧値でなる駆動信号を生成すると共に、モータドライバ34へ出力する。これによりモータドライバ34は、駆動信号に基づいて、各直動リンク12のモータを駆動させることにより、アウタチューブに対しインナーロッドを進退させ、直動リンク12を伸縮させる。
【0040】
直動リンク12と腰部3または足底部9との連結部分に配設されているベース部側受動ジョイント13、及び、足部側受動ジョイントは、直動リンク12の伸縮に追従してこれを妨げることなく円滑に従動する。直動リンク12は、モータの駆動が図示しないロータリーエンコーダ等の検出器により検出され、取得された検出値は角度信号としてフィードバックされることにより、フィードバック制御される。これにより、右足ユニット6は、一歩踏み出す動作や、その場で足踏みする動作等を行うことができる。さらに、このような右足ユニット6と同様の動作を左足ユニット7に行わせ、交互に連続して行わせることにより、歩行動作を行うことができる。
【0041】
また、本発明に係る制御装置では、腰部補償軌道算出手段28、設定ZMP軌道変更量算出手段29、及び、着地位置変更量算出手段30によって算出した着地位置変更量(ΔXlp)に基づいて、足部軌道生成手段31において足部出力軌道()を算出することにより、搭乗者用シートに搭乗した搭乗者が発生した外力に対応し得るように構成されている。以下、各手段について詳細に説明する。尚、前記座標変換手段32及び逆運動学演算手段33については、既に公知の技術(例えば、特開2006-82155号公報参照)であり、特に限定されるものではないので、簡単のため説明を省略する。
【0042】
(a)歩行パターン生成手段
まず、歩行パターン生成手段25について説明する。歩行パターン生成手段25は、足部設定パターン軌道(pf)、腰部設定パターン軌道(pw)、設定ZMP軌道(pZMP)、搭乗者が座面反力計測センサ20周りに発生する理論的な外乱成分としての理論外力(th)、及び搭乗者が座面反力計測センサ20周りに発生する理論的な外乱成分としての理論モーメント(th)を算出し、足部設定パターン軌道(pf)に対応した足部設定パターン信号、腰部設定パターン軌道(pw)に対応した腰部設定パターン信号、設定ZMP軌道(pZMP)に対応した設定ZMP信号、理論外力(th)に対応した理論外力信号、及び、理論モーメント(th)に対応した理論モーメント信号を生成し出力する。
【0043】
尚、ここで、理論的な外乱成分としての理論外力(th)及び理論モーメント(th)とは、理想的な搭乗者を想定し、この理想的な搭乗者が二足歩行ロボット1の腰部3周りに発生する外力を計算によって予め設定した理論値をいう。また、理想的な搭乗者とは、この場合、ロボットの揺れに体をまかせてシートに自然に着座している搭乗者のことをいう。
【0044】
(b)外乱成分抽出手段
次に、外乱成分抽出手段26について説明する。外乱成分抽出手段26は、座面反力計測センサ20で搭乗者が発生する外力を検出た検出値としての実測外力(wswreal)、及び、上記外力の実測モーメント(wswreal)を得る。そして、外乱成分抽出手段26は、実測外力(wswreal)から理論外力(th)、及び、上記外力の実測モーメント(wswreal)から理論モーメント(th)をそれぞれ差し引いて、搭乗者が発生する実質外力(ex)、及び搭乗者が発生する実質モーメント(ex)を算出する。このようにして、搭乗者が発生した外力から、理想的な搭乗者が二足歩行ロボット1の腰部3周りに発生する外力を減算することにより、想定外の外力としての実質外力(ex)、及び実質モーメント(ex)を抽出する。そして、この実質外力(ex)、及び実質モーメント(ex)に基づいて腰部補償軌道()を算出することにより、全体としての制御量を減らすことができる。さらに、外乱成分抽出手段26は、外乱成分としての実質外力(ex)に対応した実質外力信号、及び、外乱成分としての実質モーメント(ex)に対応した実質モーメント信号を生成し、腰部補償軌道算出手段28に出力する。
【0045】
(c)実測ZMP算出手段
次に、実測ZMP算出手段27について説明する。実測ZMP算出手段27は、足部反力計測センサ21で計測した力(wsfreal)、及び足部反力計測センサ21で計測した力のモーメント(wsfreal)から、実測ZMP軌道(aZMP)を算出し、実測ZMP軌道(aZMP)に対応した実測ZMP信号を生成し出力する。
【0046】
(d)腰部補償軌道算出手段
次に、腰部補償軌道算出手段28について説明する。予め、制御装置5は、実測ZMP軌道(aZMP)に対応した実測ZMP信号から、目標ZMP軌道(vZMP)に対応した目標ZMP信号を差し引いてZMP偏差信号を得て、ZMP偏差信号を腰部補償軌道算出手段28に入力する。腰部補償軌道算出手段28は、さらに、実質外力信号、実質モーメント信号、目標ZMP信号、足部出力信号を受け取り、ZMP偏差(aZMPvZMP)、実質外力(ex)、実質モーメント(ex)、足部出力軌道()、及び目標ZMP軌道(vZMP)から、腰部補償軌道()を求める。
【0047】
尚、ここで、目標ZMP軌道(vZMP)とは、設定ZMP軌道(pZMP)から、後述する設定ZMP軌道変更量(ΔXZMP)を加算して得た、変更した後の設定ZMP軌道をいう。
【0048】
歩行中、2足歩行ロボット1に外力Fが加わった場合(図5(A))、ロボットの転倒を防ぐため、実測ZMP軌道(aZMP)を変更した後の設定ZMP軌道(vZMP)に一致させるように腰部3を加速させる必要がある(図5(B))。この腰部3を加速させる場合の腰部補償軌道()の算出には、搭乗者も含めた腰部質点が、腰部3の重心の一質点に集中し、2足歩行ロボット1全体として、両足底部9の2点を含む三質点近似モデルを用いる。このモデルのZMP周りのモーメントのつりあい式は、数1となる。尚、2足歩行ロボット1に対する外力は、座面反力計測センサ20及び足部反力計測センサ21により検知するので、外乱入力点もこの場合、座面反力計測センサ20及び足部反力計測センサ21の配置点のみとする。
【0049】
【数1】
JP0005083763B2_000002t.gif
この数1を運動座標系について考えると、数2のようになる。尚、運動座標系の原点は、歩行パターンの腰部原点と同じ軌道をとる。
【0050】
【数2】
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但し、運動座標系の回転は考慮しないものとし、簡単のため、X軸方向の運動のみ記載することとする。
【0051】
腰部3の加速度を左辺に、それ以外を右辺にまとめると、数3となる。数3中のBは、下肢質点が設定ZMP周りに発生するモーメント、Cは外乱が設定ZMP周りに発生するモーメントを表す。この数3を4次のルンゲクッタ法を用いて解き、次制御周期における腰部補償軌道()を算出する。
【0052】
【数3】
JP0005083763B2_000004t.gif
さらに、歩行安定性を向上するため、腰部補償軌道()を算出する数3に実測ZMP軌道(aZMP)のフィードバックを追加することとした。実際には、数4のように修正し、実測ZMP軌道(aZMP)から目標ZMP軌道(vZMP)を差し引いたZMP偏差(aZMPvZMP)にゲインをかけたものを数3に追加した。
【0053】
【数4】
JP0005083763B2_000005t.gif

【0054】
(e)設定ZMP軌道変更量算出手段
次に、設定ZMP軌道変更量算出手段29について説明する。設定ZMP軌道変更量算出手段29は、腰部補償軌道()に対応した腰部補償信号から、腰部設定パターン軌道(pw)に対応した腰部設定パターン信号を差し引いた偏差信号を受け取り、設定ZMP軌道変更量(ΔXZMP)を求める。
【0055】
設定ZMP軌道変更量(ΔXZMP)は、数5を用いて求める。変更された設定ZMP周りに補償軌道を生成することで、腰軌道の発散を遅延又は収束させることができる(図5(C))。
【0056】
【数5】
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但し、設定パターンにおける設定ZMPは、支持多角形のほぼ中央に位置するようになっており、設定ZMPの変更量には制限を設けた。本実施形態では、X方向は0.04m、Y方向は0.03mを変更量の最大値とした。
【0057】
(f)着地位置変更量算出手段
次に、着地位置変更量算出手段30について説明する。着地位置変更量算出手段30は、腰部補償軌道()に対応した腰部補償信号から、腰部設定パターン軌道(pw)に対応した腰部設定パターン信号を差し引いた偏差信号と、設定ZMP軌道変更量(ΔXZMP)に対応した設定ZMP軌道変更信号とを受け取り、前記偏差信号に対応した偏差と、設定ZMP軌道変更量(ΔXZMP)とにより、着地位置変更量(ΔXlp)算出し、着地位置変更量(ΔXlp)に対応した着地位置変更信号を生成し出力する。
【0058】
着地位置変更量(ΔXlp)は、設定ZMP軌道の変更によってもなお腰部軌道を収束できない場合、着地位置を変更することにより、設定ZMPを変更できる範囲を発散していく方向に広げることができる。着地位置変更量(ΔXlp)の算出には、腰部質点が、腰部3の重心の一質点に集中した一質点近似モデルを用いる。このモデルにおける設定ZMP周りのモーメントのつり合い式は、数6となる。
【0059】
【数6】
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また、補償軌道の生成により、時刻Tにおける設定パターンからの腰部偏差を(ΔX)、設定ZMP軌道変更量を(ΔXZMP)とすると、数7の偏差に関する微分方程式を得る。
【0060】
【数7】
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この微分方程式は数8のように表すことができる。尚、この解はt秒後の腰部偏差を表す。
【0061】
【数8】
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このようにして数8をTから数えて三歩目で腰部偏差(位置・速度)が0となるように境界値問題として解き、次の一歩の着地位置変更量を求める。すなわち、着地位置を前方へずらすなどして制御量を収束させる(図5(D))。
【0062】
(g)足部軌道生成手段
次に、足部軌道生成手段31について説明する。足部軌道生成手段31は、着地位置変更量(ΔXlp)に対応した着地位置変更信号と、足部設定パターン軌道(pf)に対応した足部設定パターン信号を受け取り、着地位置変更量(ΔXlp)と足部設定パターン軌道(pf)とにより、足部出力軌道()算出し、足部出力軌道()に対応した足部出力信号を生成し出力する。
【0063】
足部軌道生成手段31は、着地位置変更量(ΔXlp)の算出を受けて足部軌道の生成を行う。本実施形態では、Z軸の軌道は設定パターンを用いており、X軸及びY軸についてのみ、毎制御周期5次関数補間を用いて、足部出力軌道()を算出し、足部出力軌道()に対応した足部出力信号を生成して座標変換手段32に出力している。尚、上記した式に使用された記号の説明を数9に示す。
【0064】
【数9】
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【0065】
2.動作及び作用
次に、外乱補償制御処理手順について説明する。尚、以下の説明において、iは、相数であり、jは、補間点である。
【0066】
制御装置5は、動作制御処理を開始すると、図6に示す外乱補償制御手順RT1を開始する。制御装置5は、この外乱補償制御手順RT1を開始すると、ステップSP1において、iが全相数より小さいか否かを判別する。このステップSP1において肯定結果が得られると、次のステップSP2に移る。ステップSP2において制御コンピュータは、jが補間点数より小さいか否かを判別する。このステップSP2において肯定結果が得られると、次のステップSP3に移る。ステップSP3において制御装置5は、設定ZMP軌道変更量算出処理を実行して、次のステップSP4へ移る。ステップSP4において制御装置5は、外乱成分抽出処理を実行して、次のステップSP5へ移る。ステップSP5において制御装置5は、腰部補償軌道算出処理を実行して、次のステップSP6へ移る。ステップSP6において制御装置5は、着地位置変更量算出処理を実行して、次のステップSP7へ移る。ステップSP7において制御装置5は、足部軌道生成処理を実行して、次のステップSP8へ移る。このステップSP8を終了した段階で、制御装置5は、上記ステップSP3~ステップSP6までの処理によって算出した制御量としての着地位置変更量(ΔXlp)を、足部出力軌道()に反映させることにより、上記動作制御処理にフィードバックさせることができる。
【0067】
ステップSP8において制御装置5は、jを1だけ増加させてステップSP2へ戻る。ステップSP2で否定結果がえられると、このことはステップSP3~ステップSP8を補間点数繰り返したことを表し、ステップSP9へ移る。ステップ9において制御装置5は、iを1だけ増加させてステップSP1へ戻る。制御装置5は、ステップSP1において否定結果が得られると、このことは全相数分だけ外乱補償制御処理を終了したことを表している。従って、制御装置5はステップSP10に移って、かかる外乱補償制御手順RT1を終了する。
【0068】
制御装置5は、歩行中に2足歩行ロボット1に外乱が加わった場合、転倒を防止するため、腰部補償軌道算出手段28により算出した腰部補償軌道変更量に基づき2足歩行ロボット1の腰部3を加速させる。
【0069】
因みに、腰部補償軌道算出手段28で求まる解は、初期値問題の解となるので、必ず発散解となるので、2足歩行ロボットの制御量は、そのままでは発散してしまうこととなる。
【0070】
これに対し、本願発明に係る制御装置5は、腰部補償軌道算出手段28に加え、設定ZMP軌道変更量算出手段29と、着地位置変更量算出手段30とを備えることとした。これにより、制御装置5は、設定ZMP軌道を変更すると共に、着地位置を変更することにより、腰部3の軌道の発散を遅延又は収束させることができる。従って、制御装置5は、設定ZMP軌道変更量算出手段29、及び着地位置変更量算出手段30のうちいずれか一方を用いる従来に比べ、大きい外乱に対応でき、安定性を向上することができる。
【0071】
また、制御装置5は、前記脚部2に生じる足部反力に基いて実測ZMP軌道を算出する実測ZMP算出手段27を備え、前記腰部補償軌道算出手段28は、前記実測ZMP軌道から前記設定ZMP軌道を変更した目標ZMP軌道を減じたZMP偏差に基いて、腰部補償軌道を算出する。これにより、制御装置5は、搭乗者の運動による外乱以外の外乱、すなわち、路面の細かな凹凸やロボット各部のたわみなどのモデル誤差による不安定性に関しても補償できるので、安定性をより向上することができる。
【0072】
さらに、制御装置5は、前記外力として前記2足歩行ロボット1の前記腰部3における座面反力を用いる。これにより、搭乗者用シート4に着座した搭乗者が発生する外力と、その他の外力とを分離して測定することができるので、フィードバック量を減らすことができ、より安定性を向上することができる。
【0073】
また、制御装置5は、前記歩行パターン生成手段25は、搭乗者が理論どおりにふるまった場合の理論座面反力を設定する理論座面反力設定手段を有し、前記外力から前記理論座面反力設定手段によって算出した理論座面反力を減じて、外乱成分を抽出する外乱成分抽出手段26を備える。これにより、制御装置5は、さらにフィードバック量を減らすことができる。尚、理論座面反力の算出に用いるモデルには、上記従来技術の欄で説明した搭乗者の受動的力学モデルを用いることにより、より精度の高い理論座面反力を計算することができる。
【0074】
本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上記2足歩行ロボット1は、腰部3に搭乗者用シート4を備えた人間搭乗型の2足方向ロボットについて説明したが、本発明はこれに限らず、搭乗者用シート4を備えていない、例えば、荷物搭載型2足歩行ロボット1に適用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、上述したように搭乗者による外乱を補償する制御を実現することができるので、より安定性の高い人間搭乗型2足歩行ロボット1を提供することができる。これにより階段を昇降することができる2足歩行型車椅子など有用なデバイスを実現できる。
【0076】
また、本発明の一部は通常の人間型2足歩行ロボット1の安定化にも有効であり、その場合にもより安定的に2足歩行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本実施形態に係る2足歩行ロボットを示す全体斜視図である。
【図2】同上、(A)正面図、(B)側面図である。
【図3】同上、搭乗者用シートを取り外した状態を示す斜視図である。
【図4】同上、制御装置のシステム構成を示すブロック図である。
【図5】同上、2足歩行ロボットの動作を段階的に示す図であり、(A)外力が加わった状態、(B)腰部補償軌道を変更して腰部を加速させた状態、(B)設定ZMP軌道を変更した状態、(D)着地位置を変更した状態を示す図である。
【図6】同上、外乱補償制御の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0078】
1 2足歩行ロボット
2 脚部
3 腰部
4 搭乗者用シート
5 制御装置
9 足底部(足部)
20 座面反力計測センサ
21 足部反力計測センサ
25 歩行パターン制御手段
26 外乱成分抽出手段
27 実測ZMP算出手段
28 腰部補償軌道算出手段
29 設定ZMP軌道変更量算出手段
30 着地位置変更量算出手段
31 足部軌道生成手段
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図6】
4
【図5】
5