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明細書 :タモキシフェン類縁体を有効成分として含有するプロテアソーム阻害剤

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5207226号 (P5207226)
公開番号 特開2008-094836 (P2008-094836A)
登録日 平成25年3月1日(2013.3.1)
発行日 平成25年6月12日(2013.6.12)
公開日 平成20年4月24日(2008.4.24)
発明の名称または考案の名称 タモキシフェン類縁体を有効成分として含有するプロテアソーム阻害剤
国際特許分類 A61K  31/5377      (2006.01)
C07D 295/08        (2006.01)
A61K  31/138       (2006.01)
A61K  31/4025      (2006.01)
A61K  31/4545      (2006.01)
A61K  31/55        (2006.01)
C07C 217/22        (2006.01)
A61P  43/00        (2006.01)
A61P  25/28        (2006.01)
A61P  25/16        (2006.01)
A61P  35/00        (2006.01)
FI A61K 31/5377
C07D 295/08 CSPZ
A61K 31/138
A61K 31/4025
A61K 31/4545
A61K 31/55
C07C 217/22
A61P 43/00 111
A61P 25/28
A61P 25/16
A61P 35/00
請求項の数または発明の数 10
全頁数 40
出願番号 特願2007-235882 (P2007-235882)
出願日 平成19年9月11日(2007.9.11)
優先権出願番号 2006247612
優先日 平成18年9月13日(2006.9.13)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成22年9月8日(2010.9.8)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】803000115
【氏名又は名称】学校法人東京理科大学
発明者または考案者 【氏名】椎名 勇
個別代理人の代理人 【識別番号】100105681、【弁理士】、【氏名又は名称】武井 秀彦
【識別番号】100119437、【弁理士】、【氏名又は名称】吉村 康男
審査官 【審査官】吉田 佳代子
参考文献・文献 特開2006-117648(JP,A)
STANCIUC,O. et al,Clomiphene and tamoxifen analogs as potential non-steroidal antiestrogens,Revue Roumaine de Chimie,1997年,Vol.42, No.9,p.733-741
QUANT.STRUCT.-ACT.RELAT.,1994年,VOL.13,P.262-274
調査した分野 A61K 31/00- 33/44
C07C 217/22
C07D 295/08
CAPLUS/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
以下の一般式(I)で表わされる化合物を有効成分として含有することを特徴とする、プロテアソーム阻害剤。
【化1】
JP0005207226B2_000053t.gif

【請求項2】
以下の式(3)で表わされる化合物。
【化2】
JP0005207226B2_000054t.gif

【請求項3】
以下の一般式(III)で表わされる化合物。
【化3】
JP0005207226B2_000055t.gif

(但し、式中R及びRは、水素、又はそれぞれ同一あるいは異なるアルキル基を表わし、また、RとRは、一緒になってそれらを有する窒素原子と共に、あるいはさらに酸素原子、硫黄原子及び窒素原子のいずれか1種以上と共に、単環式複素環を形成してもよい。また、nは0を含む整数を表わす。)
【請求項4】
以下の式(7)で表わされる化合物。
【化4】
JP0005207226B2_000056t.gif

【請求項5】
以下の式(8)で表わされる化合物。
【化5】
JP0005207226B2_000057t.gif

【請求項6】
以下の式(9)で表わされる化合物。
【化6】
JP0005207226B2_000058t.gif

【請求項7】
以下の式(10)で表わされる化合物。
【化7】
JP0005207226B2_000059t.gif

【請求項8】
以下の式(11)で表わされる化合物。
【化8】
JP0005207226B2_000060t.gif

【請求項9】
以下の式(12)で表わされる化合物。
【化9】
JP0005207226B2_000061t.gif

【請求項10】
以下の式(13)で表わされる化合物。
【化10】
JP0005207226B2_000062t.gif
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、タモキシフェン類縁体を有効成分として含有するプロテアソーム阻害剤及び新規タモキシフェン類縁体に関する。
【背景技術】
【0002】
タモキシフェンは、以下の構造を有する化合物であり、ホルモン依存性乳ガンの治療薬として用いられてきた。
【0003】
【化1】
JP0005207226B2_000002t.gif

タモキシフェンは、組織特異的にエストロゲン性、あるいは抗エストロゲン性作用を有し、乳房細胞においては、抗エストロゲン作用を有することが知られている。
エストロゲンは、特に乳ガン細胞のエストロゲン受容体に結合し、ガン細胞の増殖を促進するが、タモキシフェンは、エストロゲンと競合的にエストロゲン受容体と結合することにより、エストロゲンとエストロゲン受容体の結合を阻止し、ガン細胞の増殖を抑制する。
このような作用を有するタモキシフェンにおいては、現在まで様々な類縁体が合成されており、これら類縁体を例示すると、4-ヒドロキシタモキシフェン、4-ブロモタモキシフェン、3-ヨードタモキシフェン、イドキシフェン等が挙げられる。
【0004】
また、これらタモキシフェン類縁体を合成するための製法についても、様々なものが提案され、本発明者等も、オレフィン部位を有するタモキシフェン類縁体の前駆体を、異性化触媒として酸性物質あるいはアルカリ性物質を使用して転移させることにより、安価かつ効率的にタモキシフェン類縁体を合成する方法を開発している(特許文献1)。また、本発明者等は、このような新規合成方法を使用して得られた新規タモキシフェン類縁体が、抗ガン作用を有することも明らかにしている(特許文献2)。
一方、細胞内の選択的タンパク分解系として重要な役割を果たしているものとして、ユビキチン-プロテアソームシステムがあり、該システムは、細胞周期、転写、シグナル伝達、アポトーシス、代謝、抗原提示等様々な生命活動に関与していることが明らかになってきている。このプロテアソームは、ユビキチンが数個連なって付加された標的タンパク質をATP依存的に分解する作用を有し、トリプシン様、キモトリプシン様及びカスパーゼ様の3種類の活性部位を有する。近年、プロテアソームのガン細胞内での働きを抑制することにより、ガン細胞内で異常タンパク質を蓄積させガン細胞を死滅させる抗ガン剤の開発が行われており、アメリカにおいて、プロテアソーム阻害剤の一種であるBortezomib(Velcade;登録商標)が、難治性多発性骨髄腫治療薬として認可されている(2003年)。
このようなプロテアソーム阻害剤は、ガンばかりでなく、種々の炎症あるいは免疫疾患の治療薬としても期待されているものである。
さらに、上記細胞内での異常タンパク質の蓄積は、アルツハイマー病、パーキンソン病、プリオン病等の様々な神経変性疾患の共通な発症機構としても提唱されており、このような神経変性疾患の原因解明あるいはその治療薬の開発研究においても、プロテアソーム阻害剤は有用である。
【0005】

【特許文献1】特開2004-26664号公報
【特許文献2】特開2006-117648号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、合成が容易な新規プロテアソーム阻害剤を提供することにあり、ガン、炎症あるいは免疫疾患に対する治療、あるいはアルツハイマー病、パーキンソン病、プリオン病等の様々な神経変性疾患についての研究開発に貢献しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、以下の式(I)で表わされる種々のタモキシフェン類縁体を合成し、その新規作用を探索中、該タモキシフェン類縁体がプロテアソーム阻害作用を有するとともに、該タモキシフェン誘導体の構造状の特徴により合成に有利であると共に、既存のプロテアソーム阻害剤に類似構造のものが無く、このためプロテアソーム阻害剤としてリード化合物になり得ると確信して、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、以下の(1)~(13)に示されるとおりである。
【0008】
(1):以下の一般式(I)で表わされる化合物を有効成分として含有することを特徴とする、プロテアソーム阻害剤。
【0009】
【化2】
JP0005207226B2_000003t.gif

(2):以下の式(3)で表わされる化合物。
【0010】
【化3】
JP0005207226B2_000004t.gif

(3):以下の式(4)で表わされる化合物。
【0011】
【化4】
JP0005207226B2_000005t.gif

(4):以下の式(5)で表わされる化合物。
【0012】
【化5】
JP0005207226B2_000006t.gif

(5):以下の式(6)で表わされる化合物。
【0013】
【化6】
JP0005207226B2_000007t.gif

(6):以下の一般式(III)で表わされる化合物。
【0014】
【化7】
JP0005207226B2_000008t.gif

(但し、式中R及びRは、水素、又はそれぞれ同一あるいは異なるアルキル基を表わし、また、RとRは、一緒になってそれらを有する窒素原子と共に、あるいはさらに酸素原子、硫黄原子及び窒素原子のいずれか1種以上と共に、単環式複素環を形成してもよい。また、nは0を含む整数を表わす。)

(7):以下の式(7)で表わされる化合物。
【0015】
【化8】
JP0005207226B2_000009t.gif

(8):以下の式(8)で表わされる化合物。
【0016】
【化9】
JP0005207226B2_000010t.gif

(9):以下の式(9)で表わされる化合物。
【0017】
【化10】
JP0005207226B2_000011t.gif

(10):以下の式(10)で表わされる化合物。
【0018】
【化11】
JP0005207226B2_000012t.gif

(11):以下の式(11)で表わされる化合物。
【0019】
【化12】
JP0005207226B2_000013t.gif

(12):以下の式(12)で表わされる化合物。
【0020】
【化13】
JP0005207226B2_000014t.gif

(13):以下の式(13)で表わされる化合物。
【0021】
【化14】
JP0005207226B2_000015t.gif

【発明の効果】
【0022】
本発明の式(I)で表わされるタモキシフェン類縁体は、プロテアソーム阻害作用を有する。これに対して、従来のタモキシフェン類縁体にはそのような作用についての報告はない。一方、従来のタモキシフェン類縁体には、幾何異性体としてZ体、E体が存在し、このうちZ体のみが有効であるため、Z体を分離する必要があったが、本発明のタモキフェン類縁体には幾何異性体が存在しないため、このような分離操作は必要が無い。しかも、プロテアソーム阻害剤として知られている従来の化合物においても異性体が存在するものが多く、このためやはり合成上の問題がある。これに対して、本発明のタモキシフェン類縁体は、異性体が存在せず合成が容易かつ効率的であるとともに、従来のプロテアソーム阻害剤においても類似する構造を有するものはない。したがって、本発明のタモキシフェン誘導体はプロテアソーム阻害剤としてそれ自体有用であるというばかりでなく、プロテアソーム阻害剤の新規開発のためのリード化合物となり得るものであって、ガン、炎症あるいは免疫疾患に対する治療、あるいはアルツハイマー病、パーキンソン病、プリオン病等の様々な神経変性疾患についての研究開発に大いに資するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明においてプロテアソーム阻害剤として使用するタモキシフェン誘導体は、以下の式(I)で表わされる。
【0024】
【化15】
JP0005207226B2_000016t.gif

【0025】
上記式(I)の化合物において、RとRが形成する単環式複素環式基としては、5~7員環が望ましく、例えばピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、ジアザシクロヘキシル基等が挙げられる。
また、上記式(I)中、nは、例えば1~30、好ましくは1~10、より好ましくは1~5である。
【0026】
その化学構造上の特徴は、ブテンの末端2重結合又は単結合の炭素原子に2つの同一置換基を有するフェニル基が置換されている点にあり、これにより幾何異性体が存在しない点にある。
これに対して、上記式(a)で表わされるタモキシフェンは、ブテンの末端2重結合の炭素原子に、互いに置換基の異なるフェニル基が置換しているため、幾何異性体が存在する。タモキシフェンの活性はそのうちのZ体にあるので、このZ体を得るための工程を必要としていた。この点は、以下に示される従来のタモキシフェン類縁体も幾何異性体が存在する点で同様である。
【0027】
【化16】
JP0005207226B2_000017t.gif

また、従来、プロテアソーム阻害剤として知られている化合物の代表例として、Bortezomib、Lactacystin及びMg132等を挙げることができるが、これらはオリゴペプチド型の化合物でありしかも異性体が存在するものである。
【0028】
これに対して、本発明の式(I)で表わされるタモキシフェン類縁体は、オリゴペプチド型とは全く化学構造を異にするほか、その製法において異性体分離手段を有せず製造できる。
本発明の式(I)のプロテアソーム阻害剤として使用する化合物としては、1,1-ビス置換フェニル-2-フェニル-1-ブテン化合物と4,4-ビス置換フェニル-3-フェニル-1-ブテン化合物とが含まれ、1,1-ビス置換フェニル-2-フェニル-1-ブテン化合物は、以下の一般式(II)で表わされる。
【0029】
【化17】
JP0005207226B2_000018t.gif

(但し、式中R及びRは、水素、又はそれぞれ同一あるいは異なるアルキル基を表わし、また、RとRは、一緒になってそれらを有する窒素原子と共に、あるいはさらに酸素原子、硫黄原子及び窒素原子のいずれか1種以上と共に、単環式複素環を形成してもよい。また、nは0を含む整数を表わす。)
この一般式(II)に含まれる具体的な化合物としては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0030】
【化18】
JP0005207226B2_000019t.gif

【0031】
【化19】
JP0005207226B2_000020t.gif

【0032】
【化20】
JP0005207226B2_000021t.gif

【0033】
【化21】
JP0005207226B2_000022t.gif

【0034】
【化22】
JP0005207226B2_000023t.gif

【0035】
【化23】
JP0005207226B2_000024t.gif

このうち、式(1)及び(2)の化合物は公知化合物であるが(特開2006-117648号公報)、式(3)~(6)の化合物は文献未記載の新規化合物である。
また、4,4-ビス置換フェニル-3-フェニル-1-ブテン化合物は、以下の一般式(III)で表わされ、その具体的な化合物を例示すると、以下に示されるとおりである。
【0036】
【化24】
JP0005207226B2_000025t.gif

(但し、式中R及びRは、水素、又はそれぞれ同一あるいは異なるアルキル基を表わし、また、RとRは、一緒になってそれらを有する窒素原子と共に、あるいはさらに酸素原子、硫黄原子及び窒素原子のいずれか1種以上と共に、単環式複素環を形成してもよい。また、nは0を含む整数を表わす。)
【0037】
【化25】
JP0005207226B2_000026t.gif

【0038】
【化26】
JP0005207226B2_000027t.gif

【0039】
【化27】
JP0005207226B2_000028t.gif

【0040】
【化28】
JP0005207226B2_000029t.gif

【0041】
【化29】
JP0005207226B2_000030t.gif

【0042】
【化30】
JP0005207226B2_000031t.gif

【0043】
【化31】
JP0005207226B2_000032t.gif

これらの例示化合物は、いずれも文献未記載の新規化合物である。
【0044】
上記一般式(II)で表わされる化合物の製法は、上記特開2006-117648号公報に示されるが、図1を参照して以下に説明する。
〔工程1〕
4-ピバロイルオキシベンズアルデヒド等の4位の水酸基がアルカノイル基等で保護された式(21)の化合物、アニソール等の式(23)の化合物、及び1-フェニル-3-トリメチルシリル-1-プロペン(式(22)の化合物)を、例えば、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルフォネート(TMSOTf)等を触媒としてHfCl等のルイス酸あるいはプロトン酸等の存在下、反応させ、式(24)の化合物を生成させる。この工程においては、触媒として上記TMSOTfの他トリメチルシリルクロリド等も使用でき、ルイス酸としては上記の他、Hf(OTf),TiCl,TiCl(OTf)等の第4属金属塩、AlCl,BCl,Sc(OTf)等の第3属金属塩、SnCl,Sn(OTf)等の第2属金属塩等が使用できる。またプロトン酸としては塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸等も使用可能である。これらは1種単独で使用してもよく、また2種以上併用してもよい。
【0045】
〔工程2〕
ついで、式(24)の化合物を、例えばジメチルスルホキシド(DMSO)等の溶媒の存在下、触媒として、例えば、カリウム第3級ブトキシド等の塩基性化合物を使用して加水分解し、一般式(25)の化合物を得る。
この加水分解工程において使用する触媒としては、塩基性化合物に限らず、酸性化合物及び遷移金属触媒も使用できる。
触媒として使用する塩基性化合物としては、例えば、アルカリ金属あるいはアルカリ金属塩等が挙げられ、酸性化合物としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、あるいは上記の各種ルイス酸が挙げられる。また、遷移金属触媒としては各種遷移金属塩等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用しても良い。
また、使用する溶媒としては、上記DMSOの他、N,N-ジメチルホルムアミド、1,2-ジメトキシエタン等の極性溶媒であってもよく、また、ヘキサン、ベンゼン、ジクロロメタン等の非極性溶媒も用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、また2種以上併用してもよい。
【0046】
〔工程3〕
式(25)の化合物に対して、溶媒として、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)の存在下、触媒としてより多量のカリウム第3級ブトキシド等を使用して、2重結合の転移反応(マイグレーション)を行ない、一般式(26)の化合物を得る。
この工程の触媒としては、上記カリウム第3級ブトキシドの他、例えば、アルカリ金属あるいはアルカリ金属塩等の塩基性化合物、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、あるいは上記の各種ルイス酸等の酸性化合物、および各種遷移金属塩等の遷移金属触媒が用いられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用しても良い。
また、使用する溶媒としては、上記DMSOの他、N,N-ジメチルホルムアミド、1,2-ジメトキシエタン等の極性溶媒であってもよく、また、ヘキサン、ベンゼン、ジクロロメタン等の非極性溶媒も用いることができる。これらは1種単独で使用してもよくまた2種以上併用してもよい。
この工程3の反応系は触媒の使用量及び反応温度をのぞいて、工程2の反応系と同様であり、工程2において、あらかじめ触媒量を多くし、反応温度を高めに設定(例えば50℃)すれば、工程2と工程3を同時に行なうことができる。
なお、式(26)の化合物においては、幾何異性体として、Z体、E体が存在するが、本発明においてはこれらを分離することなく、次工程の原料化合物としてそのまま使用できる。
【0047】
〔工程4〕
図1中、一般式(26)の化合物を例えば、ジクロロメタン等からなる溶媒中で、触媒として臭素化硼素等のルイス酸の存在下、アルコキシ基のアルキル基を脱離させ、式(27)の化合物を得る。
工程4における触媒としては、上記臭素化硼素の他、上記各種ルイス酸等が使用できるが、さらに、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の酸性化合物、あるいはアルカリ金属、アルカリ金属塩等の塩基性化合物、遷移金属塩等の遷移金属触媒も用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、反応溶媒としては、上記ジクロロメタン等の非極性溶媒の他、DMSO(ジメチルスルホキシド)、DMF(N,N-ジメチルホルムアミド)、DME(1,2-ジメトキシエタン)等の極性溶媒が用いられる。また、他の非極性溶媒としては、ヘキサン、ベンゼン等が挙げられる。これら溶媒は1種単独で使用してもよく、2種以上を併用しても良い。
【0048】
〔工程5〕
次いで、式(27)の化合物(1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2-フェニル-1-ブテンと、一般式(28)の化合物をそれぞれN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の極性溶媒からなる反応溶媒中において、触媒として、例えば、水素化ナトリウム等の塩基性化合物の存在下反応せしめることにより、式(II)の化合物が得られる。
【0049】
本発明の上記式(1)~(6)で表わされる化合物も、これら〔工程1〕~〔工程5〕を経て製造される。
【0050】
一方、一般式(III)で表わされる化合物は、図2に示す以下の工程を経て製造される。
〔工程1〕
上記一般式(II)で表わされる化合物の製造における工程1と同様にして、式(24)の化合物を得る。
【0051】
〔工程2〕
ついで、式(24)の化合物を例えば、ジクロロメタン等からなる溶媒中で、触媒として臭素化硼素等のルイス酸の存在下、アルコキシ基のアルキル基を脱離させ、式(35)の化合物を得る。
工程2における触媒としては、上記臭素化硼素の他、上記各種ルイス酸等が使用できるが、さらに、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の酸性化合物、あるいはアルカリ金属、アルカリ金属塩等の塩基性化合物、遷移金属塩等の遷移金属触媒も用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、反応溶媒としては、上記ジクロロメタン等の非極性溶媒の他、DMSO(ジメチルスルホキシド)、DMF(N,N-ジメチルホルムアミド)、DME(1,2-ジメトキシエタン)等の極性溶媒が用いられる。また、他の非極性溶媒としては、ヘキサン、ベンゼン等が挙げられる。これら溶媒は1種単独で使用してもよく、2種以上を併用しても良い。
【0052】
〔工程3〕
上記工程2で得られた式(35)の化合物(1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2-フェニル-1-ブテンと、式(28)の化合物をそれぞれN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の極性溶媒からなる反応溶媒中において、触媒として、例えば、水素化ナトリウム等の塩基性化合物の存在下反応せしめることにより、一般式(III)の化合物が得られる。
【0053】
本発明の式(I)で表わされるタモキシフェン類縁体においてプロテアソーム阻害活性が認められたのは本発明において初めてであり、上記合成の容易さ及び効率性を加味すれば、本発明の技術的意義は極めて高い。
【実施例】
【0054】
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。なお、以下の実施例12~19における実験は、本発明者が、文部科学省がん特定領域研究 化学療法基盤情報支援班に依頼した結果に基づく。
【0055】
〔実施例1〕
1,1-ビス〔4-(2-モルホリン-1-イル-エトキシ)フェニル〕-2-フェニルブテン(式(3)の化合物;リダイフェンD)の製造
(1):反応容器に、酸触媒としてHfClを80.1mg(1当量)を加えて0℃に維持しながら、アニソール0.5ml、アニソール1mlにトリメチルシリルトリフルオロメタンスルフォネート(TMSOTf)27.8mg(0.5当量)を溶解した溶液、4-ピバロイルオキシベンズアルデヒド51.6mg(0.25mM)、及びアニソール1mlに1-フェニル-3-トリメチルシリル-1-プロペン57.1mg(1.2当量)を溶解した溶液を順次加えた。なお、アニソールの合計使用量は2.5mlである。ついで、室温で反応を行ない2時間経過後、反応生成物の一部に対し、薄層クロマトグラフィー(TLC)(展開溶媒;n-ヘキサン/酢酸エチル=10/1)を行なって原料化合物が検出されなくなったことを確認した後、反応系を0℃に冷却するとともに、NaHCO水溶液を加えて反応を終了させた。
この後、反応生成物をエーテルで抽出した後、有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮後、分取薄層クロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=10/1)による精製を行ない、4-(4-ピバロイルオキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-3-フェニル-1-ブテンを64.7mg得た。収率は62%であった。
【0056】
(2):反応容器に上記工程(1)において得られた、4-(4-ピバロイルオキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-3-フェニル-1-ブテン57.2mg(0.138mM)、カリウム第3級ブトキシド(tBuOK)15.5mg、及びジメチルスルホキシド(DMSO)0.69ml(0.2M)を加えて、室温で15分反応させ、ピバロイル基を加水分解した。次いで、反応系を0℃に冷却するとともに塩化アンモニウム水溶液を加え反応を終了させた。
反応生成物を酢酸エチルで抽出した後、有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮後、分取薄層クロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=3/1)による精製を行ない、4-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-3-フェニル-1-ブテン46.7mg得た。収率は定量的であった。
【0057】
(3):反応容器に上記工程(2)において得られた、4-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-3-フェニル-1-ブテン45.7mg、ジメチルスルホキシド(DMSO)1ml(0.138M)を加え反応系の温度を50℃に加温し、さらに、カリウム第3級ブトキシド283.9mg(18当量)を加えて、2重結合転移反応を行なった。50℃で30分維持した後、反応生成物の一部に対し薄層クロマトグラフィー(展開溶媒;n-ヘキサン/酢酸エチル=3/1)を行なって、上記4-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-3-フェニル-1-ブテンに対応するスポットが検出されなくなったことを確認した後、反応系を0℃に冷却するとともに塩化アンモニウム水溶液を加え反応を終了させた。
ついで、反応生成物を酢酸エチルで抽出した後、有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮後、分取薄層クロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=3/1)による精製を行ない、1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-(4-メトキシフェニル)-2-フェニル-1-ブテンを37.2mg得た。収率は81%であった。
【0058】
(4):反応容器に上記工程(3)で得られた、1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-(4-メトキシフェニル)-2-フェニル-1-ブテン145.2mg(0.439mM)とジクロロメタン2.2mlを加え、反応系を-78℃に冷却した。次いで臭素化硼素(BBr)10当量を含むヘプタン1M溶液4.39mlを加え、1時間維持した。次いで反応温度を0℃に上昇させた。さらに3時間経過後、反応生成物の一部に対し、薄層クロマトグラフィー(展開溶媒;n-ヘキサン/酢酸エチル=3/1)を行なって、上記1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-(4-メトキシフェニル)-2-フェニル-1-ブテンに対応するスポットが検出されなくなったことを確認した後、NaHCO水溶液を加え、反応を終了させた。
反応生成物をジクロロメタンで抽出した後、有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮後、生じた固体を塩化メチレンに溶解し、再結晶させ、1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-(4-メトキシフェニル)-2-フェニル-1-ブテン中の結晶61.4mgを得た。一方、液相を濃縮後、分取薄層クロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=3/1)による精製を行ない、中間体1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2-フェニル-1-ブテンを58.4mg得た。前者の結晶との合計は119.6mgであり、収率は86%であった。
【0059】
上記各工程で得られた化合物のNMR測定結果を以下に示す。
4-(4-ピバロイルオキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-3-フェニル-1-ブテン(syn体とanti体の等量混合物)
1H NMR(CDCl3)σ= 7.32-6.75(m, 11H, Ph), 6.57(d, J=8.6Hz, 2H, Ph), 5.94-5.84(m, 1H, 3-H), 4.90-4.80(m, 1H, 4-H), 4.25(d, J=11.6 HZ, 1H, 1-H), 4.06(dd, J=7.1, 9.6 Hz, 1H, 2-H), 3.66(s, 3H, MeO), 1.31(s, 9H, PivO)
【0060】
1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-(4-メトキシフェニル)-2-フェニル-1-ブテン(Z体とE体の等量混合物)
1H NMR(CDCl3) σ=7.27-6.45(m, 13H, Ph),3.82 and 3.67(s, 3H, MeO), 2.48(q, J=7.3Hz, 2H, 3-H), 0.93 and 0.92(t, J=7.3Hz, 3H, 4-H)
【0061】
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2-フェニル-1-ブテン
1H NMR(CDCl3)σ=7.29-6.45(m, 13H, Ph), 2.48(q, J=7.6Hz, 2H, 3-H), 0.92(t, J=7.6 Hz, 3H, 4-H)
【0062】
(5):反応容器に、60重量%水素化ナトリウム(NaH)含有オイル50.4mg(水素化ナトリウム20当量)を加え、これを石油エーテルで洗浄した後乾燥させた。次に、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)0.6ml(0.1M)を投入し、0℃に保った。上記(4)で得られた、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2-フェニル-1-ブテン20mg(0.0632mM)を反応容器に加え、室温で15分維持した後、0℃に冷却し、1-(2-クロロエチル)-モルホリン塩酸塩117mg(10当量)を加え、50℃で6時間反応させた後、反応系を0℃に冷却するとともに、塩化アンモニウム水溶液を加え、反応を終了させた。反応生成物をジクロロメタンで抽出し、有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮後、薄層クロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホルム/メタノール=9/1)を行ない、1,1-ビス[4-(2-モルホリン-1-イル-エトキシ)フェニル]-2-フェニル-1-ブテン(リダイフェンD)29mgを得た。収率は84%であった。
得られた化合物の化学構造及びNMR測定結果は以下のとおりである。
【0063】
【化32】
JP0005207226B2_000033t.gif

1HNMR(CDCl3)σ=7.20-7.06(m, 13H, Ph), 4.14 and 3.98(t, J=5.7 Hz, 4H, OCH2), 3.77-3.69(m, 8H, O(CH2)2), 2.83 and 2.73(t, J=5.7 Hz, 4H, NCH2), 2.63-2.52(m, 8H, N(CH2)2), 2.49(q, J=7.6 Hz, 2H, 3-H), 0.92(t, J=7.6 Hz, 3H, 4-H)
【0064】
〔実施例2〕
実施例1における(5)の工程において、1-(2-クロロエチル)-モルホリン塩酸塩に代えて、2-ジエチルアミノエチルクロライド塩酸塩を使用する他は、実施例1と同様にして1,1-ビス[4-(3-ジエチルアミノエトキシ)フェニル]-2-フェニル-1-ブテン(リダイフェンE)を得た。得られた化合物の化学構造及び物性データは以下のとおりである。
【0065】
【化33】
JP0005207226B2_000034t.gif

Colorless oil;
IR (neat): 3033, 2969, 1606, 1508, 832 cm-1;
1H NMR (CDCl3) δ = 7.20-7.03 (m, 7H, Ar), 6.93-6.85 (m, 2H, Ar), 6.82-6.75 (m, 2H, Ar), 6.59-6.51 (m, 2H, Ar), 4.06 and 3.90 (t, J=6.3 Hz, 4H, OCH2), 2.89 and 2.78 (t, J=6.3 Hz, 4H, NCH2) 2.65 and 2.58 (q, J=7.2 Hz, 8H, NEt2), 2.51 (q, J = 7.2 Hz, 2H, 3-H), 1.08 and 1.03 (t, J=7.2 Hz, 12H, NEt2), 0.95 (t, J=7.2 Hz, 3H, 4-H);
13C NMR (CDCl3) δ = 157.3, 156.5, 142.4, 140.6, 137.7, 136.0, 135.5, 131.7, 130.3, 129.4, 127.6, 125.6, 113.7, 113.0, 66.2, 65.9, 51.6, 51.4, 47.6, 47.5, 28.8, 13.4, 11.7, 11.6;
HR MS (ESI): calcd for C34H47N2O2 [M+H]+ 515.3632, found 515.3611.
【0066】
〔実施例3〕
実施例1における(5)の工程において、1-(2-クロロエチル)-モルホリン塩酸塩に代えて、1-(2-クロロエチル)-アザシクロヘプタン塩酸塩を使用する他は、実施例1と同様にして1,1-ビス[4-(2-アザシクロヘプタン-1-イル-エトキシ)フェニル]-2-フェニル-1-ブテン(リダイフェンF)を得た。得られた化合物の化学構造及び物性データは以下のとおりである。
【0067】
【化34】
JP0005207226B2_000035t.gif

Colorless crystals: mp 84-85 ℃ (acetonitrile);
IR (KBr): 3076, 3030, 1605, 1509, 834, 819 cm-1;
1H NMR (CDCl3) δ = 7.20-7.08 (m, 7H, Ar), 6.92-6.85 (m, 2H, Ar), 6.79-6.73 (m, 2H, Ar), 6.58-6.51 (m, 2H, Ar), 4.09 and 3.93 (t, J=6.3 Hz, 4H, OCH2), 2.97 and 2.87 (t, J = 6.3 Hz, 4H, NCH2), 2.79 and 2.72 (t, J=6.0 Hz, 8H, azepinyl 2-H), 2.49 (q, J=7.2 Hz, 2H, 3-H), 1.67-1.59 (m, 16H, azepinyl 3-H, azepinyl 4-H), 0.93 (t, J=7.2 Hz, 3H, 4-H);
13C NMR (CDCl3) δ = 157.6, 156.7, 142.6, 140.9, 137.8, 136.2, 135.7, 131.9, 130.5, 129.7, 127.8, 125.8, 114.0, 113.3, 66.3, 66.1, 56.4, 56.3, 55.9, 55.8, 29.0, 27.94, 27.87, 27.02, 27.00, 13.6;
HR MS (ESI): calcd for C38H51N2O2 [M+H]+ 567.3945, found 567.3945.
【0068】
〔実施例4〕
実施例1における(5)の工程において、1-(2-クロロエチル)-モルホリン塩酸塩に代えて、3-ジエチルアミノプロピルクロライド塩酸塩を使用する他は、実施例1と同様にして1,1-ビス[4-(3-ジメチルアミノプロピロキシ)フェニル]-2-フェニル-1-ブテン(リダイフェンG)を得た。得られた化合物の化学構造及び物性データは以下のとおりである。
【0069】
【化35】
JP0005207226B2_000036t.gif

Colorless crystals: mp 94-95 ℃ (acetonitrile);
IR (KBr): 3077, 3035, 1607, 1510, 837, 820 cm-1;
1H NMR (CDCl3) δ = 7.20-7.08 (m, 7H, Ar), 6.91-6.84 (m, 2H, Ar), 6.79-6.72 (m, 2H, Ar), 6.57-6.50 (m, 2H, Ar), 4.03 and 3.87 (t, J=6.3 Hz, 4H, OCH2), 2.52-2.34 (m, 6H, NCH2, 3-H), 2.26 and 2.21 (s, 12H, NMe2), 2.01-1.82 (m, 4H, OCH2CH2), 0.92 (t, J=7.2 Hz, 3H, 4-H);
13C NMR (CDCl3) δ = 157.7, 156.8, 142.7, 140.8, 137.9, 136.2, 135.7, 131.9, 130.5, 129.7, 127.8, 125.8, 113.9, 113.2, 66.1, 65.9, 56.5, 56.4, 45.55, 45.50, 29.0, 27.6, 27.5, 13.6;
HR MS (ESI): calcd for C32H43N2O2 [M+H]+ 487.3319, found 487.3313.
【0070】
〔実施例5〕
(A)反応容器に実施例1における(1)の工程で得られた4-(4-ピバロイルオキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-3-フェニル-1-ブテン482.7mg(1.164mM)にジクロロメタン29mlを加え、反応系を0℃に冷却した。次いで臭素化硼素(BBr)5当量を含むジクロロメタン1M溶液5.8mlを加えた。1.5時間経過後、反応生成物の一部に対し、薄層クロマトグラフィー(展開溶媒;n-ヘキサン/酢酸エチル=1/1)を行なって、上記4-(4-ピバロイルオキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-3-フェニル-1-ブテンに対応するスポットが検出されなくなったことを確認した後、NaHCO水溶液を加え、反応を終了させた。反応生成物をジクロロメタンおよび酢酸エチルで抽出した後、有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮後、薄層クロマトグラフィー(展開溶媒;n-ヘキサン/酢酸エチル=1/1)を行ない、4,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-フェニル-1-ブテン332mgを得た。収率は90%であった。得られた化合物の化学構造及び物性データは以下のとおりである。
【0071】
【化36】
JP0005207226B2_000037t.gif

1H NMR (CDCl3) δ = 7.30-6.99 (m, 9H, Ar), 6.88-6.83 (m, 2H, Ar), 6.66-6.60 (m, 2H, Ar), 6.07-5.95 (m, 1H, 2-H), 5.03-4.90 (m, 2H, 1-H), 4.27 (d, J=11.6 Hz, 1H, 4-H), 4.18-4.11 (m, 1H, 3-H).
【0072】
(B):反応容器に、60重量%水素化ナトリウム(NaH)含有オイル93.1mg(水素化ナトリウム6.0当量)を加え、これを石油エーテルで洗浄した後乾燥させた。次に、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)4.0ml(0.1M)を投入し、0℃に保った。上記(A)の工程で得られた、4,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-フェニル-1-ブテン123.8mg(0.391mM)を反応容器に加え、室温で15分維持した後、0℃に冷却し、1-(2-クロロエチル)-モルホリン塩酸塩240.5mg(3.3当量)を加え、50℃で6時間反応させた後、反応系を0 ℃に冷却するとともに、塩化アンモニウム水溶液を加え、反応を終了させた。反応生成物をジクロロメタンで抽出し、有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮後、薄層クロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホルム/メタノール=9/1)を行ない、4,4-ビス[4-(2-モルホリン-1-イル-エトキシ)フェニル]-3-フェニル-1-ブテン(プロリダイフェンD)187.7mgを得た。収率は88%であった。
得られた化合物の化学構造及び物性データは以下のとおりである。
【0073】
【化37】
JP0005207226B2_000038t.gif

IR (neat): 2950, 1608, 1509, 1117, 916, 858, 821 cm-1;
1H NMR (CDCl3) δ = 7.32-6.99 (m, 9H, Ar), 6.90-6.82 (m, 2H, Ar), 6.69-6.62 (m, 2H, Ar), 5.98-5.86 (m, 1H, 2-H), 4.95-4.84 (m, 2H, 1-H), 4.23 (d, J=11.6 Hz, 1H, 4-H), 4.16-4.03 (m, 3H, 3-H, OCH2), 3.95 (t, J=6.0 Hz, 2H, OCH2), 3.77-3.66 (m, 8H, morphorinyl 3-H), 2.78 and 2.69 (t, J=6.0 Hz, 4H, NCH2), 2.62-2.46 (m, 8H, morphorinyl 2-H);
HR MS (ESI): calcd for C34H43N2O4 [M+H]+ 543.3217, found 543.3229.
【0074】
〔実施例6〕
実施例5の(B)の工程において1-(2-クロロエチル)-モルホリン塩酸塩に代えて、2-ジメチルアミノエチルクロライド塩酸塩を使用した他は、実施例5と同様にして、4,4-ビス[4-(2-ジメチルアミノエトキシ)フェニル]-3-フェニル-1-ブテン(プロリダイフェンA)を得た。
該化合物の化学構造及び物性データは以下のとおりである。
【0075】
【化38】
JP0005207226B2_000039t.gif

IR (neat): 2943, 1609, 1509, 962, 913, 819 cm-1;
1H NMR (CDCl3) δ = 7.34-6.99 (m, 9H, Ar), 6.93-6.84 (m, 2H, Ar), 6.70-6.64 (m, 2H, Ar), 6.01-5.90 (m, 1H, 2-H), 4.98-4.84 (m, 2H, 1-H), 4.24 (d, J=11.2 Hz, 1H, 4-H), 4.14-4.03 (m, 3H, 3-H, OCH2), 3.94 (t, J=6.0 Hz, 2H, OCH2), 2.74 and 2.66 (t, J=6.0 Hz, 4H, NCH2), 2.36 and 2.31 (s, 12H, NMe2);
HR MS (ESI): calcd for C30H39N2O2 [M+H]+ 459.3006, found 459.3010.
【0076】
〔実施例7〕
実施例5の(B)の工程において1-(2-クロロエチル)-モルホリン塩酸塩に代えて、1-(2-クロロエチル)-ピロリジン塩酸塩を使用した他は、実施例5と同様にして、4,4-ビス[4-(2-ピロリジン-1-イル-エトキシ)フェニル]-3-フェニル-1-ブテン(プロリダイフェンB)を得た。
該化合物の化学構造及び物性データは以下のとおりである。
【0077】
【化39】
JP0005207226B2_000040t.gif

IR (neat): 2962, 1608, 1509, 918, 820 cm-1;
1H NMR (CDCl3) δ = 7.30-6.98 (m, 9H, Ar), 6.92-6.84 (m, 2H, Ar), 6.70-6.64 (m, 2H, Ar), 6.01-5.90 (m, 1H, 2-H), 4.98-4.84 (m, 2H, 1-H), 4.25 (d, J=11.6 Hz, 1H, 4-H), 4.15-4.07 (m, 3H, 3-H, OCH2), 3.98 (t, J=6.0 Hz, 2H, OCH2), 2.90 and 2.82 (t, J=6.0 Hz, 4H, NCH2), 2.69-2.53 (m, 8H, pyrroridinyl 2-H), 1.88-1.74 (m, 8H, pyrroridinyl 3-H);
HR MS (ESI): calcd for C34H43N2O2 [M+H]+ 511.3319, found 511.3307.
【0078】
〔実施例8〕
実施例5の(B)の工程において1-(2-クロロエチル)-モルホリン塩酸塩に代えて、1-(2-クロロエチル)-ピペリジン塩酸塩を使用した他は、実施例5と同様にして、4,4-ビス[4-(2-ピペリジン-1-イル-エトキシ)フェニル]-3-フェニル-1-ブテン(プロリダイフェンC)を得た。
該化合物の化学構造及び物性データは以下のとおりである。
【0079】
【化40】
JP0005207226B2_000041t.gif

IR (neat): 2933, 1609, 1509, 996, 821 cm-1;
1H NMR (CDCl3) δ = 7.31-6.99 (m, 9H, Ar), 6.91-6.83 (m, 2H, Ar), 6.70-6.63 (m, 2H, Ar), 6.01-5.90 (m, 1H, 2-H), 4.98-4.84 (m, 2H, 1-H), 4.25 (d, J=11.6 Hz, 1H, 4-H), 4.15-4.07 (m, 3H, 3-H, OCH2), 3.97 (t, J=6.0 Hz, 2H, OCH2), 2.78 and 2.70 (t, J=6.0 Hz, 4H, NCH2), 2.59-2.42 (m, 8H, piperidinyl 2-H), 1.69-1.56 (m, 8H, piperidinyl 3-H), 1.53-1.41 (m, 4H, piperidinyl 4-H);
HR MS (ESI): calcd for C36H47N2O2 [M+H]+ 539.3632, found 539.3628.
【0080】
〔実施例9〕
実施例5の(B)の工程において1-(2-クロロエチル)-モルホリン塩酸塩に代えて、2-ジエチルアミノエチルクロライド塩酸塩を使用した他は、実施例5と同様にして、4,4-ビス[4-(2-ジエチルアミノエトキシ)フェニル]-3-フェニル-1-ブテン(プロリダイフェンE)を得た。
該化合物の化学構造及び物性データは以下のとおりである。
【0081】
【化41】
JP0005207226B2_000042t.gif

IR (neat): 2969, 1609, 1509, 913, 819 cm-1;
1H NMR (CDCl3) δ = 7.31-6.98 (m, 9H, Ar), 6.92-6.83 (m, 2H, Ar), 6.70-6.62 (m, 2H, Ar), 6.01-5.90 (m, 1H, 2-H), 4.99-4.84 (m, 2H, 1-H), 4.25 (d, J=11.2 Hz, 1H, 4-H), 4.15-4.02 (m, 3H, 3-H, OCH2), 3.94 (t, J=6.4 Hz, 2H, OCH2), 2.90 and 2.82 (t, J=6.4 Hz, 4H, NCH2), 2.72-2.58 (m, 8H, NEt2), 1.11 and 1.07 (t, J=7.2 Hz, 12H, NEt2);
HR MS (ESI): calcd for C34H47N2O2 [M+H]+ 515.3632, found 515.3619.
【0082】
〔実施例10〕
実施例5の(B)の工程において1-(2-クロロエチル)-モルホリン塩酸塩に代えて、1-(2-クロロエチル)-アザシクロヘプタン塩酸塩を使用した他は、実施例5と同様にして、4,4-ビス[4-(2-アザシクロヘプタン-1-イル-エトキシ)フェニル]-3-フェニル-1-ブテン(プロリダイフェンF)を得た。
該化合物の化学構造及び物性データは以下のとおりである。
【0083】
【化42】
JP0005207226B2_000043t.gif

IR (neat): 2924, 1609, 1509, 914, 820 cm-1;
1H NMR (CDCl3) δ = 7.32-6.98 (m, 9H, Ar), 6.92-6.83 (m, 2H, Ar), 6.70-6.63 (m, 2H, Ar), 6.01-5.90 (m, 1H, 2-H), 4.98-4.85 (m, 2H, 1-H), 4.25 (d, J=11.2 Hz, 1H, 4-H), 4.15-4.04 (m, 3H, 3-H, OCH2), 3.96 (t, J=6.0 Hz, 2H, OCH2), 2.98 and 2.90 (t, J=6.0 Hz, 4H, NCH2), 2.81 and 2.76 (t, J=5.6 Hz, 8H, azepinyl 2-H), 1.75-1.58 (m, 16H, azepinyl 3-H, azepinyl 4-H);
HR MS (ESI): calcd for C38H51N2O2 [M+H]+ 567.3945, found 567.3937.
【0084】
〔実施例11〕
実施例5の(B)の工程において1-(2-クロロエチル)-モルホリン塩酸塩に代えて、3-ジメチルアミノプロピルクロライド塩酸塩を使用した他は、実施例5と同様にして、4,4-ビス[4-(3-ジメチルアミノプロピロキシ)フェニル]-3-フェニル-1-ブテン(プロリダイフェンG)を得た。
該化合物の化学構造及び物性データは以下のとおりである。
【0085】
【化43】
JP0005207226B2_000044t.gif

IR (neat): 3029, 2946, 1609, 1509, 955, 914, 822 cm-1;
1H NMR (CDCl3) δ = 7.30-7.00 (m, 9H, Ar), 6.90-6.83 (m, 2H, Ar), 6.68-6.62 (m, 2H, Ar), 6.02-5.90 (m, 1H, 2-H), 4.98-4.84 (m, 2H, 1-H), 4.22 (d, J=11.6 Hz, 1H, 4-H), 4.15-4.12 (m, 1H, 3-H), 4.00 and 3.88 (t, J=6.4 Hz, 4H, OCH2), 2.47 and 2.40 (t, J=7.2 Hz, 4H, NCH2) 2.33-2.21 (m, 12H, NMe2), 2.01-1.84 (m, 4H, OCH2CH2);
HR MS (ESI): calcd for C32H43N2O2 [M+H]+ 487.3319, found 487.3305.
【0086】
〔実施例12〕
1,1-ビス〔4-(2-ジメチルアミノエトキシ)フェニル〕-2-フェニルブテン(式(1)の化合物;リダイフェンA)のトキシプロテアソーム阻害活性を以下のように測定した。
【0087】
〔キモトリプシン様活性阻害試験〕
1)20Sプロテアソームに10μMの濃度に調製したリダイフェンAを添加し、30℃で10分間インキュベートした。
2)上記試験系に20Sプロテアソーム切断配列を含む蛍光標識化したキモトリプシンを加え、30℃で1時間反応させた。
3)上記反応により遊離した蛍光物質(AMC)を360nm光で励起し460nm光で定量した。
4)リダイフェンAを添加しない試験系を(1)~(3)と同様に測定し、リダイフェンAを用いた際の酵素活性を測定した。
5)リダイフェンAを含む段階的な希釈溶液を調整し、(1)~(4)と同様な評価を行なった後に50%阻害濃度(IC50)を決定した。
6)阻害活性の陽性対照として既知のプロテアソーム阻害剤Clasto-Lactacystin β-Lactone(Lactacystin活性体)およびMGI32を(1)~(5)の工程に付し評価した。
【0088】
〔カスパーゼ様活性阻害試験〕
1)20Sプロテアソームに10μMの濃度に調製したリダイフェンAを添加し、30℃で10分間インキュベートした。
2)上記試験系に20Sプロテアソーム切断配列を含む蛍光標識化したカスパーゼを加え、30℃で1時間反応させた。
3)上記反応により遊離した蛍光物質(AMC)を360nm光で励起し460nm光で定量した。
4)リダイフェンAを添加しない試験系を(1)~(3)と同様に測定し、リダイフェンAを用いた際の酵素活性を測定した。
5)リダイフェンAを含む段階的な希釈溶液を調整し、(1)~(4)と同様な評価を行なった後に50%阻害濃度(IC50)を決定した。
6)阻害活性の陽性対照として既知のプロテアソーム阻害剤Clasto-Lactacystin β-Lactone(Lactacystin活性体)およびMGI32を(1)~(5)の工程に付し評価した。
【0089】
〔トリプシン様活性阻害試験〕
1)20Sプロテアソームに10μMの濃度に調製したリダイフェンAを添加し、30℃で10分間インキュベートした。
2)上記試験系に20Sプロテアソーム切断配列を含む蛍光標識化したトリプシンを加え、30℃で1時間反応させた。
3)上記反応により遊離した蛍光物質(AMC)を360nm光で励起し460nm光で定量した。
4)リダイフェンAを添加しない試験系を(1)~(3)と同様に測定し、リダイフェンAを用いた際の酵素活性を測定した。
5)リダイフェンAを含む段階的な希釈溶液を調整し、(1)~(4)と同様な評価を行なった後に50%阻害濃度(IC50)を決定した。
6)阻害活性の陽性対照として既知のプロテアソーム阻害剤Clasto-Lactacystin β-Lactone(Lactacystin活性体)およびMGI32を(1)~(5)の工程に付し評価した。
【0090】
〔カテプシン様活性阻害試験〕
1)20Sプロテアソームに10μMの濃度に調製したリダイフェンAを添加し、30℃で10分間インキュベートした。
2)上記試験系に20Sプロテアソーム切断配列を含む蛍光標識化したカテプシンBを加え、30℃で1時間反応させた。
3)上記反応により遊離した蛍光物質(AMC)を360nm光で励起し460nm光で定量した。
4)リダイフェンAを添加しない試験系を(1)~(3)と同様に測定し、リダイフェンAを用いた際の酵素活性を測定した。
5)リダイフェンAを含む段階的な希釈溶液を調整し、(1)~(4)と同様な評価を行なった後に50%阻害濃度(IC50)を決定した。
6)阻害活性の陽性対照として既知のプロテアソーム阻害剤Clasto-Lactacystin β-Lactone(Lactacystin活性体)およびMGI32を(1)~(5)の工程に付し評価した。
【0091】
〔α-キモトリプシン様活性阻害試験〕
1)20Sプロテアソームに10μMの濃度に調製したリダイフェンAを添加し、30℃で10分間インキュベートした。
2)上記試験系に20Sプロテアソーム切断配列を含む蛍光標識化したα-キモトリプシンを加え、30℃で1時間反応させた。
3)上記反応により遊離した蛍光物質(AMC)を360nm光で励起し460nm光で定量した。
4)リダイフェンAを添加しない試験系を(1)~(3)と同様に測定し、リダイフェンAを用いた際の酵素活性を測定した。
5)リダイフェンAを含む段階的な希釈溶液を調整し、(1)~(4)と同様な評価を行なった後に50%阻害濃度(IC50)を決定した。
6)阻害活性の陽性対照として既知のプロテアソーム阻害剤Clasto-Lactacystin β-Lactone(Lactacystin活性体)およびMGI32を(1)~(5)の工程に付し評価した。
【0092】
結果を以下に示す。
[判定基準]
IC50<0.1μM: +++(非常に強い活性)
IC50=0.1~1μM:++(強い活性)
IC50=1~10μM: +(比較的強い活性)
IC50>10μM: ±(弱い活性、あるいは活性無し)
[結果]
JP0005207226B2_000045t.gifカテプシンBの阻害:(無)
α-キモトリプシンの阻害:(無)
[判定]
キモトリプシン様活性:(IC50=3.4)
カスパーゼ様活性:(IC50=4.1)
トリプシン様活性:(IC50>10)
プロテアソーム選択性:(有)
評価はPositiveであり、リダイフェンAは、20Sプロテアソームキモトリプシン様活性のIC50が比較的強い活性を示した。
【0093】
〔実施例13〕
実施例12と同様にして、1,1-ビス〔4-(2-ピロリジン-1-イル-エトキシ)フェニル〕-2-フェニルブテン(式(2)の化合物;リダイフェンB)のプロテアソーム阻害活性を測定した。
【0094】
結果を以下に示す。
[判定基準]
IC50<0.1μM: +++(非常に強い活性)
IC50=0.1~1μM:++(強い活性)
IC50=1~10μM: +(比較的強い活性)
IC50>10μM: ±(弱い活性、あるいは活性無し)
[結果]
JP0005207226B2_000046t.gifカテプシンBの阻害:(無)
α-キモトリプシンの阻害:(無)
[判定]
キモトリプシン様活性:(IC50=6.4)
カスパーゼ様活性:(IC50=6.1)
トリプシン様活性:(IC50>10)
プロテアソーム選択性:(有)
評価は、Positiveであり、リダイフェンBは、20Sプロテアソームキモトリプシン様活性のIC50が比較的強い活性を示した。
【0095】
〔実施例14〕
実施例12と同様にして、1,1-ビス〔4-(2-モルホリン-1-イル-エトキシ)フェニル〕-2-フェニルブテン(式(3)の化合物;リダイフェンD)のシプロテアソーム阻害活性を測定した。
【0096】
結果を以下に示す。
[判定基準]
IC50<0.1μM: +++(非常に強い活性)
IC50=0.1~1μM:++(強い活性)
IC50=1~10μM: +(比較的強い活性)
IC50>10μM: ±(弱い活性、あるいは活性無し)
[結果]
JP0005207226B2_000047t.gifカテプシンBの阻害:(無)
α-キモトリプシンの阻害:(無)
[判定]
キモトリプシン様活性:(IC50=6.4)
カスパーゼ様活性:(IC50=7.5)
トリプシン様活性:(IC50>10)
プロテアソーム選択性:(有)
評価は、Positiveであり、リダイフェンDは、20Sプロテアソームキモトリプシン様活性のIC50が比較的強い活性を示した。
【0097】
〔実施例15〕
実施例12と同様にして、1,1-ビス〔4-(2-アザシクロヘプタン-1-イル-エトキシ)フェニル〕-2-フェニルブテン(式(5)の化合物;リダイフェンF)のプロテアソーム阻害活性を測定した。
【0098】
結果を以下に示す。
[判定基準]
IC50<0.1μM: +++(非常に強い活性)
IC50=0.1~1μM:++(強い活性)
IC50=1~10μM: +(比較的強い活性)
IC50>10μM: ±(弱い活性、あるいは活性無し)
[結果]
JP0005207226B2_000048t.gif
キモトリプシン様活性:(IC50=2.3)
カスパーゼ様活性:(IC50=0.76)
トリプシン様活性:(IC50>10)
プロテアソーム選択性:(有)
評価は、Positiveであり、リダイフェンFは、20Sプロテアソームキモトリプシン様活性のIC50が比較的強い活性を示し、特に、20Sプロテアソームカスパーゼ様活性に対し強い阻害作用を示した。
【0099】
〔実施例16〕
実施例12と同様にして、4,4-ビス[4-(2-ピロリジン-1-イル-エトキシ)フェニル]-3-フェニル-1-ブテン(式(8)の化合物;プロリダイフェンB)のプロテアソーム阻害活性を測定した。
【0100】
結果を以下に示す。
[判定基準]
IC50<0.1μM: +++(非常に強い活性)
IC50=0.1~1μM:++(強い活性)
IC50=1~10μM: +(比較的強い活性)
IC50>10μM: ±(弱い活性、あるいは活性無し)
[結果]
JP0005207226B2_000049t.gif
カテプシンBの阻害:(無)
α-キモトリプシンの阻害:(無)
[判定]
キモトリプシン様活性:(IC50=4.4)
カスパーゼ様活性:(IC50=2.5)
トリプシン様活性:(IC50>10)
プロテアソーム選択性:(有)
評価は、Positiveであり、プロリダイフェンBは、20Sプロテアソームキモトリプシン様活性及び20Sプロテアソームカスパーゼ様活性を比較的強く阻害した。
【0101】
〔実施例17〕
実施例12と同様にして、4,4-ビス[4-(2-ピペリジン-1-イル-エトキシ)フェニル]-3-フェニル-1-ブテン(式(9)の化合物;プロリダイフェンC)のプロテアソーム阻害活性を測定した。
【0102】
結果を以下に示す。
[判定基準]
IC50<0.1μM: +++(非常に強い活性)
IC50=0.1~1μM:++(強い活性)
IC50=1~10μM: +(比較的強い活性)
IC50>10μM: ±(弱い活性、あるいは活性無し)
[結果]
JP0005207226B2_000050t.gif
カテプシンBの阻害:(無)
α-キモトリプシンの阻害:(無)
[判定]
キモトリプシン様活性:(IC50=2.3)
カスパーゼ様活性:(IC50=2.2)
トリプシン様活性:(IC50>10)
プロテアソーム選択性:(有)
評価は、Positiveであり、プロリダイフェンCは、20Sプロテアソームキモトリプシン様活性及び20Sプロテアソームカスパーゼ様活性を比較的強く阻害した。
【0103】
〔実施例18〕
実施例12と同様にして、4,4-ビス[4-(2-ジエチルアミノエトキシ)フェニル]-3-フェニル-1-ブテン(式(11)の化合物;プロリダイフェンE)のプロテアソーム阻害活性を測定した。
【0104】
結果を以下に示す。
[判定基準]
IC50<0.1μM: +++(非常に強い活性)
IC50=0.1~1μM:++(強い活性)
IC50=1~10μM: +(比較的強い活性)
IC50>10μM: ±(弱い活性、あるいは活性無し)
[結果]
JP0005207226B2_000051t.gif
[判定]
キモトリプシン様活性:(IC50=3.2)
カスパーゼ様活性:(IC50=3.2)
トリプシン様活性:(IC50>10)
プロテアソーム選択性:(有)
評価は、Positiveであり、プロリダイフェンCは、20Sプロテアソームキモトリプシン様活性及び20Sプロテアソームカスパーゼ様活性を比較的強く阻害した。
【0105】
〔実施例19〕
実施例12と同様にして、4,4-ビス[4-(2-アザシクロヘプタン-1-イル-エトキシ)フェニル]-3-フェニル-1-ブテン(式(12)の化合物;プロリダイフェンF)のプロテアソーム阻害活性を測定した。
【0106】
結果を以下に示す。
[判定基準]
IC50<0.1μM: +++(非常に強い活性)
IC50=0.1~1μM:++(強い活性)
IC50=1~10μM: +(比較的強い活性)
IC50>10μM: ±(弱い活性、あるいは活性無し)
[結果]
JP0005207226B2_000052t.gif
[判定]
キモトリプシン様活性:(IC50=1.9)
カスパーゼ様活性:(IC50=1.4)
トリプシン様活性:(IC50>10)
プロテアソーム選択性:(有)
評価は、Positiveであり、プロリダイフェンFは、20Sプロテアソームキモトリプシン様活性及び20Sプロテアソームカスパーゼ様活性を比較的強く阻害した。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明の一般式(II)で表わされる化合物製造の各工程を示す模式図である。
【図2】本発明の一般式(III)で表わされる化合物製造の各工程を示す模式図である。
図面
【図1】
0
【図2】
1