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明細書 :マルティプルビームシアリング干渉を用いたビームコリメーション法およびそれを利用したレンズの焦点距離または点光源の変位測定方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3845717号 (P3845717)
公開番号 特開平11-190679 (P1999-190679A)
登録日 平成18年9月1日(2006.9.1)
発行日 平成18年11月15日(2006.11.15)
公開日 平成11年7月13日(1999.7.13)
発明の名称または考案の名称 マルティプルビームシアリング干渉を用いたビームコリメーション法およびそれを利用したレンズの焦点距離または点光源の変位測定方法
国際特許分類 G01M  11/00        (2006.01)
FI G01M 11/00 L
請求項の数または発明の数 3
全頁数 9
出願番号 特願平09-359475 (P1997-359475)
出願日 平成9年12月26日(1997.12.26)
審査請求日 平成16年5月24日(2004.5.24)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】301021533
【氏名又は名称】独立行政法人産業技術総合研究所
【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】松田 浄史
【氏名】コリン シェパード
【氏名】永寿 伴章
個別代理人の代理人 【識別番号】100099265、【弁理士】、【氏名又は名称】長瀬 成城
審査官 【審査官】平田 佳規
参考文献・文献 特開平11-173919(JP,A)
特開平05-164515(JP,A)
特開平04-077707(JP,A)
1998年(平成10年)秋季 第45回応用物理学会学術講演会講演予稿集 第3分冊,(社)応用物理学会,1998年,p.882
1992年(平成4年)春季 第39回応用物理学関係連合講演会予稿集 第3分冊,(社)応用物理学会,1992年,p.784
調査した分野 G01M 11/00- 11/02
G01J 1/00
G01J 9/00- 9/02
G01B 9/02
G01B 11/00- 11/30,102
特許請求の範囲 【請求項1】
光源から発射されたレーザー光を、コリメーターレンズで平行光とし、前記コリメーターレンズの後方に配置した片面が光軸に対し直角に他面が光軸に対して傾斜面として形成されたガラス板によって干渉光を形成し、スクリーン上に結像された干渉縞が前記傾斜面の傾斜軸に対して直角となるようにレンズを光軸に沿って移動して平行光とするようにしたことを特徴とするマルティプルビームシアリング干渉を用いたビームコリメーション法。
【請求項2】
光源から発射されたレーザー光を、コリメーターレンズで平行光とし、前記コリメーターレンズの後方に配置した片面が光軸に対し直角に他面が光軸に対して傾斜面として形成されたガラス板によって干渉光を形成し、スクリーン上に結像された干渉縞が前記傾斜面の傾斜軸に対して直角となるようにレンズンズを光軸に沿って移動し、次にレンズを動かし点光源を焦点距離からΔZだけずらした時の、マルティプルビームの干渉縞の傾きwを測定しその傾きwから、
【数1】
JP0003845717B2_000008t.gif
によりレンズの焦点距離をより求めることを特徴とするマルティプルビームシアリング干渉を用いたレンズの焦点距離測定法。
【請求項3】
光源から発射されたレーザー光を、コリメーターレンズで平行光とし、前記コリメーターレンズの後方に配置した片面が光軸に対し直角に他面が光軸に対して傾斜面として形成されたガラス板によって干渉光を形成し、スクリーン上に結像された干渉縞が前記傾斜面の傾斜軸に対して直角となるようにレンズを光軸に沿って移動し調整し、この状態で点光源がΔηだけ変位した場合、干渉縞がΔξだけ変位するので、この動きを測定し、次式により、点光源の位置の変化を測定する点光源の変位測定方法。
【数2】
JP0003845717B2_000009t.gif
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズを用いて平行光を作りだす時に、マルティプルビームシアリング干渉法を用いてレンズからの光の波面を測定し、レンズを移動させて平行光になるように調整させたり、またレンズの焦点距離をもとめる方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
種々の光学系において平行光を用いることがよくある。容易した平行光がどの程度の平行光になっているかを調べるためにコリメーションテストがある。こうしたコリメーションテストの一例としてたとえばトールボッド干渉計を用いるものがあるが、この方法では、精度の高い平行光を得たり、あるいはレンズの精度の良い焦点距離を得ることが困難である。
さらに、このコリメーションテスト法では、次のような問題点がある。
a,感度を高くしようとすると干渉縞間隔が広がり、測定が困難となる。
b,コリメートされていない場合、発散球面波になっているのか、収束球面波になっているのか判断できない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記のような従来の干渉計を利用してコリメーション法を行う上で問題となっていた点を解決するために、レーザーを光源とし、コリメータレンズ、片側がウェッジに他方が平行になったガラス板、結像レンズ、スクリーンなどから透過形の光学系を構成し、これにより容易に平行光を得たり、あるいはレンズの焦点距離を求めることができるようにしたことを特徴とするものである。
【0004】
本発明は、コリメーティングされた光(平行光)を作りだすレンズの後方に片側がウェッジに他方が平行になったガラス板を置き、このガラス板にレンズからの光を入射させる。ガラス板はほんの少し斜めにしてシアを与えるようにセットすると、出てきた光はマルティプルビームによりスクリーン上にシャープな干渉縞を結像する。そしてガラス板のウェッジによる横方向に生ずるはずのティルトの干渉と、縦方向に生ずるはずのシアによる干渉の両方の影響により、干渉縞は斜めの方向にシャープな縞となる。完全にビームが平行光になると、シアによる干渉の影響がゼロになり、シャープな干渉縞はティルトの干渉の影響だけになり、横方向に生ずる。即ちティルトのシャープな干渉縞が生ずる。レンズを光源方向に動かすか、光源から遠ざかる方向に動かすことによって、左上がりの干渉縞か右上がりの干渉縞が生ずる。そして干渉縞が横になるようにレンズを光軸方向に動かし調整することで、ビームをコリメーションすることができる。
また、レンズをΔZ移動した時の干渉縞の間隔Δyおよび光のガラス板への入射角θから所定の式により容易にレンズの焦点距離を求めることができる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明に採用された技術解決手段は、
光源から発射されたレーザー光を、コリメーターレンズで平行光とし、前記コリメーターレンズの後方に配置した片面が光軸に対し直角に他面が光軸に対して傾斜面として形成されたガラス板によって干渉光を形成し、スクリーン上に結像された干渉縞が前記傾斜面の傾斜軸に対して直角となるようにレンズを光軸に沿って移動して平行光とするようにしたことを特徴とするマルティプルビームシアリング干渉を用いたビームコリメーション法である。
【0006】
また、光源から発射されたレーザー光を、コリメーターレンズで平行光とし、前記コリメーターレンズの後方に配置した片面が光軸に対し直角に他面が光軸に対して傾斜面として形成されたガラス板によって干渉光を形成し、スクリーン上に結像された干渉縞が前記傾斜面の傾斜軸に対して直角となるようにレンズンズを光軸に沿って移動し、次にレンズを動かし点光源を焦点距離からΔZだけずらした時の、マルティプルビームの干渉縞の傾きwを測定しその傾きwから、次式
【0007】
【数3】
JP0003845717B2_000002t.gifによりレンズの焦点距離をより求めることを特徴とするマルティプルビームシアリング干渉を用いたレンズの焦点距離測定法である。
【0008】
また、光源から発射されたレーザー光を、コリメーターレンズで平行光とし、前記コリメーターレンズの後方に配置した片面が光軸に対し直角に他面が光軸に対して傾斜面として形成されたガラス板によって干渉光を形成し、スクリーン上に結像された干渉縞が前記傾斜面の傾斜軸に対して直角となるようにレンズを光軸に沿って移動し調整し、この状態で点光源がΔηだけ変位した場合、干渉縞がΔξだけ変位するので、この動きを測定し、次式により、点光源の位置の変化を測定する点光源の変位測定方法である。
【0009】
【数4】
JP0003845717B2_000003t.gif【0010】
【実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係わる透過型の光学系の図、図2(イ)は片側がウェッジに他方が平行になったガラス板の斜視図、(ロ)は同平面図、(ハ)は側面図である。
【0011】
図1において、1はレーザーを発射する光源、2は顕微鏡対物レンズ、3はコリメータレンズ、4は片側がウェッジに他方が平行になったガラス板、5は結像レンズ、6はスクリーンであり、本光学系はこれらによって構成されており、前記片側がウェッジに他方が平行になったガラス板4はガラス板の両側に金属反射膜コーティング(アルミニウム膜、Ag膜等)が成されている。
【0012】
前記ガラス板は金属皮膜でコーティングとは別に多層膜コーティングを使用してもよい。また反射率も現在は90%のものを使用しているが、シャープネスによって変えることができ、反射率が高ければシャープになるし、低ければシャープネスが低下する。
【0013】
マルティプルビームシアリング干渉法は、透過形と反射形の二つの方法が考えられるが、基本的には同じことになる。
ガラス板は図2に示すように光軸に対してθ傾向けて置き、マルティプルビームシアを行わせる。ウェッジの角度はαとする。αは非常に小さい角度で視野の中に一本の干渉縞しか存在しない。例えば、α=2.7秒で実験が行われた。
基本原理は、ウェッジだけの干渉縞が生ずる場合には、図2の配置においては横方向に干渉縞が生ずる。また、シアだけの干渉縞が生ずる場合には、球面波になっている場合(平行光からずれている場合)縦方向に干渉縞が生ずる。両方が同時に発生するような場合には、斜めの干渉縞が生ずる。斜めになる程度は、ウェッジの位相変化とシアによる位相変化の程度によって決まる。そして平行光になるとウェッジによる位相の変化はそのままであるが、シアによる位相変化はゼロ(0)となる。この時の干渉縞は斜方向めから横方向になる(図3a)。したがってレンズを光軸に沿って動かし、干渉縞が横方向になる位置を求めることによりコリメーションすることができる。
【0014】
この方法によれば、レンズを平行光が得られる位置から、点光源の方にずれるとき、左上がりの斜めの縞(図3b)になり、点光源から遠ざかる方向にずれる時は右上がりの斜めの縞になる(図3c)。
上記のようなコリメーション方法によれば、以下のような利点がある。
▲1▼通常の平行平面板(2光束シア)は反射形であるため、反射光でみるのでビームスプリッタ等を挿入して上から見る等の工夫が必要であるのに対して、本マルティプルビームシア干渉法は透過形であるため後方から見ることができる。
▲2▼ウェッジの角度を小さくすると、精度はあがるが通常の平行平面板(2光束シア)は干渉縞の幅が大きくなり、角度を測定する精度が悪くなるのに対して、本マルティプルビームシア干渉法では縞がシャープに出るため、角度を測定する精度は非常に高くなる。
【0015】
次にレンズの焦点距離の測定について述べる。
レンズの焦点距離の測定も上記と同じ光学系を使用する。
最初にレンズの焦点位置に点光源がくるようにレンズを動かし、干渉縞が図3aになるように設定する。次にレンズを動かし点光源が焦点距離からΔZだけずれたとすると、Z=f+ΔZとなる。
この時の干渉縞の傾きwを読む。
【0016】
【数5】
JP0003845717B2_000004t.gifで与えられる。aはシア量でウェッジをもつガラス板(エタロン)の反射光の角度を求めて、それからシア量が計算できる。またθは光のガラス板(エタロン)への入射角で先程の反射光から求められる。
【0017】
シア量aは次のようにする。
sinθ´=n´sinθ´(屈折の法則)
【0018】
【数6】
JP0003845717B2_000005t.gifn´sinαは干渉縞の間隔Δyを測定して求められる。即ち
Δy=λ0 /n´sinα
従って
【0019】
(1)式は結局
【0020】
【数7】
JP0003845717B2_000006t.gifとなり、この式よりレンズの焦点距離を求めることができる。
なお、シア量aは(2)式からではなく、直接ビームの横ずれから求めても良い。hはガラスの厚さでこれも測定される。n´はガラスの屈折率である。
【0021】
次に上記と同じ光学系を点光源のポジションセンサーとして用いる場合について述べる。
ポジションセンサーとして用いる場合には、最初に干渉縞が横になるように(図3a)レンズを異動し、即ち平行光に合わせた状態で用いる。
この状態ではコリメーターレンズをマクロメータヘッドを用いて横方向にΔηだけ動かすと、干渉縞が上下にy+Δξだけ動く。この動きを測定する。レンズをΔηだけ動かしたので、ガラス板(ウェッジをもつ平行平面板即ちエタロン)に入射する光がほんのわずかだけ変化するだけであるのが、光路長は波長に比較してかなり大きく変化し、これを計算するとレンズの動きと干渉縞の動きの関係式が次式で与えられる。
【0022】
【数8】
JP0003845717B2_000007t.gif【0023】
上記式より、結局レンズを横方向(Δη)に動かすことは点光源をそれと逆の方向(-Δη)に動かすことと等価となる。この干渉縞は実験の結果、敏感に動く。即ち点光源の位置がミクロンオーダーで動くと干渉縞がmmのオーダーで動くことになる。これは点光源の位置の動きを拡大してみるポジショニングマグニファイイングセンサーとなる。
計算では、f=400mmの時、点光源を200μm動かすと、干渉縞は9mm動き、45倍に拡大されることになり、点光源の位置を正確に測定することができることが判った。
【0024】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の趣旨の範囲内で種々の形態を実施することが可能である。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、平行光、レンズ焦点さらには光源の位置を従来の方法に比較して格段に精度よくかつ正確に測定できるので、各種の光学系での計測精度の向上を図ることができる、等の優れた効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係わる光学系の構成図である。
【図2】 ガラス板の斜視図、平面図、側面図である。
【図3】 干渉縞を示す図である。
【符号の説明】
1 レーザー光源
2 顕微鏡対物レンズ
3 コリメータレンズ
4 片側がウェッジに他方が平行になったガラス板
5 結像レンズ
6 スクリーン
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2