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明細書 :部品整列装置および部品整列方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4576512号 (P4576512)
公開番号 特開2007-161350 (P2007-161350A)
登録日 平成22年9月3日(2010.9.3)
発行日 平成22年11月10日(2010.11.10)
公開日 平成19年6月28日(2007.6.28)
発明の名称または考案の名称 部品整列装置および部品整列方法
国際特許分類 B65G  47/14        (2006.01)
FI B65G 47/14 101C
請求項の数または発明の数 2
全頁数 14
出願番号 特願2005-355748 (P2005-355748)
出願日 平成17年12月9日(2005.12.9)
審査請求日 平成20年7月18日(2008.7.18)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】305027401
【氏名又は名称】公立大学法人首都大学東京
【識別番号】592158202
【氏名又は名称】株式会社レスカ
発明者または考案者 【氏名】舘野 寿丈
【氏名】大澤 義征
早期審査対象出願または早期審理対象出願 早期審査対象出願
個別代理人の代理人 【識別番号】100082762、【弁理士】、【氏名又は名称】杉浦 正知
審査官 【審査官】宮崎 基樹
参考文献・文献 特開平03-008619(JP,A)
特開昭57-145716(JP,A)
特開2001-158522(JP,A)
特開平11-106020(JP,A)
特開平11-011634(JP,A)
調査した分野 B65G 47/14
特許請求の範囲 【請求項1】
振動ステージの上面に取り付けられる部材であり、幅wおよび高さhが1mm以下である微小部品が収納される部品収納凹部と、上記部品収納凹部と端面との間に形成され、1.2w~1.5wに設定される幅を有する搬送溝とが形成され、上記部品収納凹部が上記搬送溝の形成位置に向かって先細となるテーパ状とされる第1の部材と、
上記振動ステージに結合され、上記振動ステージに対して垂直方向の振動を付与する第1のピエゾ素子と、
上記振動ステージに結合され、上記振動ステージに対して水平方向の振動を付与する第2のピエゾ素子と、
上記第1のピエゾ素子に対して第1の駆動信号を供給するとともに、上記第2のピエゾ素子に対して第2の駆動信号を供給する駆動信号発生部と、
上記第1の部材の端面とギャップを介して対向する端面に、上記微小部品が挿入保持される凹部を1又は複数個有する第2の部材と、
上記第1および第2の部材の少なくとも一方を変位させ、上記搬送溝の開口と、上記凹部の開口との位置関係を制御する機能と、上記第1の駆動信号および上記第2の駆動信号の少なくとも位相を制御する機能とを有する制御部とを備え、
上記制御部によって、上記駆動信号発生部が同位相の上記第1の駆動信号と上記第2の駆動信号とを上記第1のピエゾ素子および上記第2のピエゾ素子にそれぞれ供給して搬送力を発生し、
上記搬送力によって、上記微小部品を上記搬送溝内に送り込み、上記搬送溝の開口に向かう方向に上記微小部品を移動させて上記微小部品を上記1又は複数の凹部内に順次、挿入保持し、
上記制御部によって、上記駆動信号発生部が逆位相の上記第1の駆動信号と上記第2の駆動信号とを上記第1のピエゾ素子および上記第2のピエゾ素子に周期的にそれぞれ供給することによって上記搬送力の方向を反転させるようにした部品整列装置。
【請求項2】
振動ステージの上面に取り付けられる部材であり、幅wおよび高さhが1mm以下である微小部品が収納される部品収納凹部と、上記部品収納凹部と端面との間に形成され、1.2w~1.5wに設定される幅を有する搬送溝とが形成され、上記部品収納凹部が上記搬送溝の形成位置に向かって先細となるテーパ状とされる第1の部材と、上記振動ステージに結合され、上記振動ステージに対して垂直方向の振動を付与する第1のピエゾ素子と、上記振動ステージに結合され、上記振動ステージに対して水平方向の振動を付与する第2のピエゾ素子と、上記第1のピエゾ素子に対して第1の駆動信号を供給するとともに、上記第2のピエゾ素子に対して第2の駆動信号を供給する駆動信号発生部と、上記第1の部材の端面とギャップを介して対向する端面に、上記微小部品が挿入保持される凹部を1又は複数個有する第2の部材と、上記第1および第2の部材の少なくとも一方を変位させ、上記搬送溝の開口と、上記凹部の開口との位置関係を制御する機能と、上記第1の駆動信号および上記第2の駆動信号の少なくとも位相を制御する機能とを有する制御部とを有し、
上記制御部によって、上記駆動信号発生部が同位相の上記第1の駆動信号と上記第2の駆動信号とを上記第1のピエゾ素子および上記第2のピエゾ素子にそれぞれ供給して搬送力を発生し、上記搬送力によって、上記微小部品を上記搬送溝内に送り込み、上記搬送溝の開口に向かう方向に上記微小部品を移動させて上記微小部品を上記1又は複数の凹部内に順次、挿入保持するステップと、
上記制御部によって、上記駆動信号発生部が逆位相の上記第1の駆動信号と上記第2の駆動信号とを上記第1のピエゾ素子および上記第2のピエゾ素子に周期的にそれぞれ供給することによって上記搬送力の方向を反転させるステップとを有する部品整列方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、はんだのぬれ性試験装置に適用され、微小の電子部品の整列および把持に対して好適な部品整列装置および部品整列方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、抵抗、コンデンサなどの電子部品の電極部分とはんだとの親和性を評価するぬれ性試験が行われている。はんだのぬれ性試験は、電子部品の一方をクリップ状の把持具で挟み、他方を溶融はんだに接触させてその際に電子部品の垂直方向に働く力を測定することで行われる。
【0003】
このように、はんだのぬれ性試験では電子部品の一端を把持具に押し付けて挟み込む操作が必要である。図7は従来の把持操作の方法を示す。ベース31には、両端に電極33、34を有する微小電子部品(以下、適宜、チップ部品と称する)32が載置されている。従来は、ベース31と垂直方向に伸びる壁部35の壁面にチップ部品の一端を押し付け、壁部35の反対方向から人の手によって把持具36を押し付けて挟み込むようにして、チップ部品を把持していた。
【0004】
ところで、近年の電子機器の小型化に伴い、チップ部品の小型化が進行している。チップ部品のサイズは1005(1.0mm×0.5mm)部品から0603(0.6mm×0.3mm)部品、さらには0402(0.4mm×0.2mm)部品へと小型化している。このような0603部品や0402部品などの微小なチップ部品を上述したような方法で把持することは極めて困難である。また、チップ部品の小型化により耐衝撃性が低下するため、把持操作が一度にうまくいかない場合に操作を繰り返すとチップ部品に損傷を与えてしまうおそれがあった。
【0005】
そこで、従来から電子部品を整列させて取扱いを容易にするための装置等が提案されている。下記特許文献1には、振動および揺動によって部品を整列させつつ収納穴を通過させ、空気を吸引することで部品を整列させる揺動式パーツ整列供給機が記載されている。
【0006】

【特許文献1】特開平7-300113号公報
【0007】
また、下記特許文献2には、電子部品のつまりを防止するために、整列通路の手前に部品を一時的に蓄えておくための副室が設けられた電子部品チップ整列装置が記載されている。
【0008】

【特許文献2】特開平10-27993号公報
【0009】
また、下記特許文献3には、被整列物を振動により向きを揃え、整列後の部品を操作しやすくするために一定の向きに積み重ねるようにした整列装置が記載されている。
【0010】

【特許文献3】特開2005-112553号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1に記載の装置は、揺動駆動源としてモータとギア手段が使用され、また部品を整列するために空気の吸引手段が必要となり装置が大型化してしまう問題点があった。また、特許文献2に記載の装置は、部品のつまりを取り除く機構が部品を整列させるための振動発生機構とは別に設けられていたため装置全体が大きくなってしまうという問題点があった。さらに特許文献3に記載の装置は、リッドを積層する積重整列部に振動が伝達されないようにするために、溝や間隙を設けたり、部品を搬送する通路を可撓性のチューブで接続する必要があるなどの機器間の相互の調整が必要であった。さらに、上記特許文献1~3に記載の装置では、部品が一方向に搬送されるが、部品の運動方向を両方向とすることは記載されていない。
【0012】
したがって、この発明の目的は、例えばチップ部品を搬送して整列させる装置を小型の装置で提供することである。また、この発明の他の目的は、振動発生部とは別の機構を設けることなく、チップ部品の搬送時の詰まりを防止できる部品整列装置および部品整列方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決するために、この発明は、振動ステージの上面に取り付けられる部材であり、幅wおよび高さhが1mm以下である微小部品が収納される部品収納凹部と、部品収納凹部と端面との間に形成され、1.2w~1.5wに設定される幅を有する搬送溝とが形成され、部品収納凹部が搬送溝の形成位置に向かって先細となるテーパ状とされる第1の部材と、
振動ステージに結合され、振動ステージに対して垂直方向の振動を付与する第1のピエゾ素子と、
振動ステージに結合され、振動ステージに対して水平方向の振動を付与する第2のピエゾ素子と、
第1のピエゾ素子に対して第1の駆動信号を供給するとともに、第2のピエゾ素子に対して第2の駆動信号を供給する駆動信号発生部と、
第1の部材の端面とギャップを介して対向する端面に、微小部品が挿入保持される凹部を1又は複数個有する第2の部材と、
第1および第2の部材の少なくとも一方を変位させ、搬送溝の開口と、凹部の開口との位置関係を制御する機能と、第1の駆動信号および第2の駆動信号の少なくとも位相を制御する機能とを有する制御部とを備え、
制御部によって、駆動信号発生部が同位相の第1の駆動信号と第2の駆動信号とを第1のピエゾ素子および第2のピエゾ素子にそれぞれ供給して搬送力を発生し、
搬送力によって、微小部品を搬送溝内に送り込み、搬送溝の開口に向かう方向に微小部品を移動させて微小部品を1又は複数の凹部内に順次、挿入保持し、
制御部によって、駆動信号発生部が逆位相の第1の駆動信号と第2の駆動信号とを第1のピエゾ素子および第2のピエゾ素子に周期的にそれぞれ供給することによって搬送力の方向を反転させるようにした部品整列装置である。
【0014】
また、この発明は、振動ステージの上面に取り付けられる部材であり、幅wおよび高さhが1mm以下である微小部品が収納される部品収納凹部と、部品収納凹部と端面との間に形成され、1.2w~1.5wに設定される幅を有する搬送溝とが形成され、部品収納凹部が搬送溝の形成位置に向かって先細となるテーパ状とされる第1の部材と、振動ステージに結合され、振動ステージに対して垂直方向の振動を付与する第1のピエゾ素子と、振動ステージに結合され、振動ステージに対して水平方向の振動を付与する第2のピエゾ素子と、第1のピエゾ素子に対して第1の駆動信号を供給するとともに、第2のピエゾ素子に対して第2の駆動信号を供給する駆動信号発生部と、第1の部材の端面とギャップを介して対向する端面に、微小部品が挿入保持される凹部を1又は複数個有する第2の部材と、第1および第2の部材の少なくとも一方を変位させ、搬送溝の開口と、凹部の開口との位置関係を制御する機能と、第1の駆動信号および第2の駆動信号の少なくとも位相を制御する機能とを有する制御部とを有し、
制御部によって、駆動信号発生部が同位相の第1の駆動信号と第2の駆動信号とを第1のピエゾ素子および第2のピエゾ素子にそれぞれ供給して搬送力を発生し、搬送力によって、微小部品を搬送溝内に送り込み、搬送溝の開口に向かう方向に微小部品を移動させて微小部品を1又は複数の凹部内に順次、挿入保持するステップと、
制御部によって、駆動信号発生部が逆位相の第1の駆動信号と第2の駆動信号とを第1のピエゾ素子および第2のピエゾ素子に周期的にそれぞれ供給することによって搬送力の方向を反転させるステップとを有する部品整列方法である。

【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、微小部品を搬送して整列させることを容易に行うことができ、また、装置を小型化することができる。さらに、微小部品の搬送時の詰まりを振動発生手段とは別の機構を設けることなく効果的に解消することができる。さらに、整列されたチップ部品の把持操作を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照しながらこの発明の一実施の形態について説明する。図1は、この発明の一実施の形態における部品整列装置1の主要な構成を示し、図2Aは部品整列装置1の主要部の平面図であり、図2Bは部品整列装置1の側面図である。
【0017】
部品整列装置1は、ベース2と、ベース2の端部付近から垂直方向に伸びる支持部3とを有する。ベース2および支持部3からは、第1の振動発生部の一例であるピエゾ素子4と第2の振動発生部の一例であるピエゾ素子5とがそれぞれ植立され、ピエゾ素子4の先端は振動ステージ7の底面に、またピエゾ素子5の先端は振動ステージ7の側面に対して結合されている。このピエゾ素子4および5に対して交流電圧を印加することによりピエゾ素子4および5は長手方向に伸縮する。そしてピエゾ素子4および5が伸縮することで、ピエゾ素子4および5と結合された振動ステージ7が振動する。
【0018】
振動ステージ7の上面である座面8には、チップ部品を載置して搬送するための搬送板9が取り付けられる。搬送板9は例えば金属製とされるが、樹脂で構成されても良い。振動ステージ7が振動すると、その振動は搬送板9に付与される。
【0019】
図2Aに示すように搬送板9には、部品収納凹部の一例であるテーパ状の部品載置部9aが形成される。部品載置部9aは、底面を座面8と共有し、チップ部品を収納する。また、部品載置部9aと搬送板9の端面との間には、底面を座面8と共有し、部品載置部9aのテーパの狭くなる箇所と連通する搬送溝9bが形成される。なお、この一実施の形態では部品載置部9aの形状は略三角形とされているが、円形等の他の形状としても良い。チップ部品は、例えば0603部品や0402部品などである。勿論、他の大きさのチップ部品も使用できる。この一実施の形態では、底面を有し、部品載置部9aおよび搬送溝9bを含む搬送板9によって第1の部材が形成される。
【0020】
部品載置部9aに載置されたチップ部品に対して、ピエゾ素子4および5が伸縮することにより発生する振動によって搬送力が付与される。搬送力に応じてチップ部品が部品載置部9aから搬送溝9bへと移動し、また、逆に搬送溝9bから部品載置部9aへと移動する。
【0021】
座面8および搬送板9の表面に対して例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE(poly tetra fluoro ethylene)によるフッ素樹脂コーティングがなされても良い。このコーティングによって、耐熱性、非粘着性、低摩擦特性等を向上させることができ、また、載置されたチップ部品が搬送される際に生じるチップ部品と座面8との摩擦による部品表面の損傷を防ぐことができる。
【0022】
一方、部品整列装置1はベース2と連結されたモータ用ステージ10を有し、モータ用ステージ10には位置制御部の一例としてのステッピングモータ11が取り付けられている。ステッピングモータ11は図示しないスクリューと連結され、またスクリューに取り付けられたスライダが移動ステージ13と連結されている。ステッピングモータ11が発生する回転は、スクリューおよびスライダを介して移動ステージ13に伝達され、移動ステージ13がy軸方向に移動する。
【0023】
移動ステージ13の側面は、振動ステージ7の側面と数mm程度のギャップをもって対向している。この移動ステージ13の上面には、第2の部材の一例であり、搬送されるチップ部品を保持するための保持部14が接着されている。保持部14は、移動ステージ13と一体にy軸方向に移動可能とされる。保持部14は略矩形の板状とされ、その端面が振動ステージ7と移動ステージ13との間のギャップを跨いで搬送板9の端面とギャップを介して対向している。
【0024】
また、保持部14の搬送板9と対向する端面には、チップ部品保持用の凹部の一例である切欠15および16が形成されている。切欠15および切欠き16は底面を座面8としているため、切欠15および切欠16に挿入されたチップ部品が落下することはない。図2Aに示すように移動ステージ13と一体に保持部14を水平移動させ、例えば切欠15の開口と搬送溝9bの開口である搬出口とが対向する位置に位置決めを行い、搬送溝9bを搬出口側に移動するチップ部品を切欠15に挿入し保持することができる。なお、この一実施の形態では、保持部14の端面に2個の切欠が設けられる構成としたが、1又は3以上の複数の切欠が設けられても良い。
【0025】
部品整列装置1の動作は、制御部の一例であるパーソナルコンピュータ17によって制御される。パーソナルコンピュータ17はファンクションジェネレータ18と接続され、ファンクションジェネレータ18はアンプ19を介してピエゾ素子4と接続される。また、パーソナルコンピュータ17はファンクションジェネレータ20と接続され、ファンクションジェネレータ20はアンプ21を介してピエゾ素子5と接続される。この一実施の形態では、ファンクションジェレータ18および20が駆動信号発生部の一例とされる。
【0026】
ファンクションジェネレータ18から発生する正弦波信号などの駆動信号がアンプ19によって増幅された後にピエゾ素子4に対して供給される。同様に、ファンクションジェネレータ20から発生する駆動信号がアンプ21によって増幅された後にピエゾ素子5に対して供給される。
【0027】
パーソナルコンピュータ17は、ファンクションジェネレータ18および20が所望の波形、振幅、周波数、位相等を発生するようにファンクションジェネレータ18および20を制御する。従って、パーソナルコンピュータ17を操作することでピエゾ素子4および5に対して、同位相の正弦波信号や位相が異なる正弦波信号、所定の振幅の正弦波信号を供給できる。このようにして図2Bに示すように、ピエゾ素子4による垂直軸の振動とピエゾ素子5による水平軸の振動との位相差を調節でき、またそれぞれの軸の振幅を調整することができ、振動ステージ7上に載置されたチップ部品を目的の方向に目的の速度で移動できる。なお、ピエゾ素子4および5に対して同期信号を供給する場合は、一つの信号源を分岐したものを同期信号として扱うことで、各軸の位相差が決められる。
【0028】
また、パーソナルコンピュータ17は、モータドライバ22と接続されており、モータドライバ22はさらにステッピングモータ11と接続される。モータドライバ22は例えばスイッチング回路等を含む構成とされ、パーソナルコンピュータ17による制御によって所定の方向に所定の速度で駆動される。ステッピングモータ11が回転すると、移動ステージ13がy軸方向に移動する。
【0029】
さらに、パーソナルコンピュータ17に対して、撮像装置23が撮像信号処理部24を介して接続されている。撮像装置23は、例えば高フレームレートの撮像が可能とされ、チップ部品の搬送状態等を監視する。撮像装置23が動作することで得られた撮像信号は撮像信号処理部24に供給される。撮像信号処理部24では、供給された撮像信号に対してノイズ除去処理、A/D(Analog to Digital)変換処理、種々のディジタル信号処理等が行われる。撮像信号処理部24において信号処理がなされた撮像信号はパーソナルコンピュータ17に供給される。パーソナルコンピュータ17は、撮像信号処理部24から供給された撮像信号に基づいて制御信号を生成し、制御信号を各部に対して送出する。
【0030】
次に、図3Aおよび図3Bを参照して、この発明の一実施の形態における搬送板9および保持部14について詳細に説明する。なお、以下の説明ではチップ部品の長さをl、幅をw、高さをh(但しl≧w、l≧hとする)と表記する。l、w、hはそれぞれ数十μm~数百μm程度とされ、例えば0603部品ではl=0.6mm、w=h=0.3mmとされる。
【0031】
上述したように、搬送板9にはチップ部品を載置する部品載置部9aと部品載置部9aと連通する搬送溝9bとからなる溝が形成されている。部品載置部9aは、搬送溝9bの形成位置に向かって先細となるテーパ状とされる。
【0032】
搬送板9の厚みは、チップ部品の種類に応じて例えば数百μmから数mm程度とされる。搬送溝9bの幅t1は、チップ部品の高さh若しくは幅wよりやや大とされ、また長さlより小とされる。例えば、対象のチップ部品の幅をwとすると、t1は1.2w~1.5wの値に設定される。また部品載置部9aの開き角θは、90°~165°程度に設定される。
【0033】
図3Bは、保持部14の形状を示す。上述したように、保持部14には切欠15および16が形成され、この切欠15および16に搬送溝9bの搬出口から放出されるチップ部品が挿入され、保持される。切欠15(切欠16についても同様)の開口幅t2は、上述した搬送溝9bの幅t1と略等しくされる。また、切欠15の深さdは、チップ部品の長さlの1/3から2/3程度の長さに設定され、切欠15から突出したチップ部品の一部がクリップ状の把持具により把持される。
【0034】
次に、図4および図5を参照して、部品整列装置1の動作を説明する。図4および図5は動作説明図であり、部品整列装置1の記載を一部簡略化している。
【0035】
図4Aに示すように、搬送板9の部品載置部9aには、一例として2個のチップ部品25、26が載置されている。なお、ここでは説明の便宜上、チップ部品の数を2個としたのもので、例えば20個程度のチップ部品を載置することができる。
【0036】
図4Aに示す状態において、ステッピングモータ11を回転し、移動ステージ13と一体に保持部14を矢印で示す方向に移動させる。そして図4Bに示すようにして搬送溝9bの搬出口と切欠15の開口が対向する位置まで保持部14が移動される。
【0037】
保持部14の位置決め終了後に、ピエゾ素子4および5に同位相の正弦波信号が印加される。このとき印加される正弦波信号によって発生する振動は、周波数が例えば数百Hz(ヘルツ)~数十kHzとされ、また振幅が数百nm~数十μmとされる。また、正弦波信号が印加される時間は、チップ部品が切欠15に挿入されて保持されるまでの時間であり、実験データ等を参照して適切に設定される。ピエゾ素子4および5による振動によりチップ部品25および26に対して図4Cの矢印で示す搬出口方向への搬送力が加わる。加わる搬送力に応じてチップ部品25および26が部品載置部9aから搬送溝9bに向かって搬送され、テーパ状とされる部品載置部9aの幾何拘束によって搬送溝9bへと送り込まれる。そして搬送溝9bを搬出口方向に向かってさらに搬送され、搬出口から放出された後に搬出口と対向する切欠15に挿入され、保持される。
【0038】
次に、ピエゾ素子4および5に対する正弦波信号を印加する処理を停止し、ピエゾ素子4および5の振動を停止する。そして、図5Aに示すようにして他の切欠16の開口と搬送溝9bの搬出口とが対向する位置に保持部14を移動する。保持部14が移動した後、再びピエゾ素子4および5に対して同位相の正弦波信号が印加され、チップ部品26が搬送溝9bを搬出口方向に進行する。なお、図5Aではチップ部品26が搬送溝9bに存在するように図示しているが、この段階でチップ部品26が部品載置部9aに存在しても上述したようにしてチップ部品26が搬出口に向かって搬送される。
【0039】
そして、図5Bに示すようにチップ部品26が搬送溝9bの搬出口から放出され、搬出口と対向する位置の切欠16に挿入され、保持される。この後にピエゾ素子4および5に対する正弦波信号を印加する処理が停止され、振動ステージ7の振動が停止する。
【0040】
チップ部品の搬送、保持が終了すると、把持動作を行う把持位置まで保持部14が移動する。この一実施の形態では、把持位置は、1以上の切欠の開口が搬送板9の端面と対向しない開放された状態とされる位置である。そして保持部14の切欠15および16に保持されているチップ部品25および26を把持する動作が行われる。図5Cに示すように、例えば、クリップ状の把持具28を使用して、チップ部品25の切欠15から突出している部分を挟み込むようにして把持し、チップ部品25を切欠15から取り出す。このとき、チップ部品25は切欠15に拘束されているので、安定して把持動作を行うことができる。このようにして把持具28を使用してチップ部品25を把持した後に、チップ部品25を溶融したはんだに浸してはんだのぬれ性試験を行うことができる。なお、把持位置を調整して把持具28の一側面を搬送板9の一側面の沿って摺動するように把持具28を使用することによって、より安定して把持動作を行うことができる。
【0041】
図6は、この発明の一実施の形態におけるパーソナルコンピュータ17の制御によってなされる部品整列装置1の動作の流れを示すフローチャートである。ステップS1では、保持部を原点位置に移動する処理が行われる。ここで原点位置とは、例えば図4Aに示す位置である。勿論、この原点位置は任意の位置に設定することができる。
【0042】
ステッピングモータ11の回転によって移動ステージ13が移動し、移動ステージ13と一体に保持部14が移動する。保持部14が原点位置まで移動したか否かは、例えばフォトセンサを設けて保持部14の位置をセンシングし、保持部14が原点位置に移動した段階でフォトセンサから得られる出力信号が変化するようにして判別できる。フォトセンサから得られる出力信号の変化はパーソナルコンピュータ17に供給され、出力信号の変化に応じてパーソナルコンピュータ17はステッピングモータ11の回転を停止する制御信号をモータドライバ22に送出する。このようにして、保持部14が原点位置に移動した段階でステッピングモータ11を停止できる。
【0043】
次に、処理がステップS2に進む。ステップS2では、保持部14の初期位置合せが行われる。ここで初期位置とは、例えば図4Bを用いて説明したように保持部14の最端の切欠15の開口が搬送溝9bの搬出口と対向する位置をいう。保持部14の原点位置から初期位置への移動量は、例えば事前にパーソナルコンピュータに設定されている。パーソナルコンピュータ17に対して初期位置への移動指示がなされるとパーソナルコンピュータ17は設定されている移動量に応じた制御信号をモータドライバ22に対して送出する。モータドライバ22は制御信号に応じてステッピングモータ11を回転させて移動ステージ13を移動し、移動ステージ13と一体に保持部14が初期位置まで移動する。
【0044】
ステップS2において保持部14が初期位置まで移動すると、処理がステップS3に進む。ステップS3では、チップ部品の整列処理が行われる。すなわち部品載置部9aに載置されたチップ部品を搬送溝9bに送り込み、搬送溝9bの搬出口に向かって搬送する。搬送溝9bの搬出口から放出されたチップ部品が保持部14の切欠15に挿入され保持される。
【0045】
ステップS3において、ピエゾ素子4および5に対して同位相の正弦波信号が印加され、部品載置部9aに載置されたチップ部品が搬送溝9bを通過するようにして搬送され、搬出口と対向する切欠15に挿入される。ピエゾ素子4および5に対する正弦波信号を印加する時間は、例えばパーソナルコンピュータ17に事前に設定された時間とされる。また、撮像装置23を使用して得られる撮像画像を解析することによってチップ部品の位置やチップ部品の動きの有無等を検知し、保持部14の切欠15にチップ部品が挿入された時点で正弦波信号を印加する処理を停止するようにしても良い。
【0046】
ステップS3におけるチップ部品の整列処理の際には、ステップS4においてチップ部品の詰まりやひっかかりの有無が監視される。監視方法としては、例えば撮像装置23を使用して得られる撮像画像を解析することによってチップ部品の位置やチップ部品の動きの有無を検知して、所定の時間が経過しても切欠15にチップ部品が挿入されない場合や、全てのチップ部品が停止している場合には部品の詰まりやひっかかりが有ると判定する。その他にも搬送溝9bにセンサを設けて監視し、所定の時間、チップ部品の通過が確認できない場合に詰まりやひっかかりが有ると判別しても良い。ステップS4において、チップ部品の詰まりやひっかかりが有ると判別された場合は、処理がステップS5に進む。
【0047】
ステップS5において、部品の詰まりやひっかかりを排除する処理が行われる。従来は、このような部品の詰まりなどを未然に防止するため、若しくは詰まりを除去するために新たな機構を設けて対応していた。しかしながら、この発明では新たな機構を設けることなく、ピエゾ素子4および5に対して供給する正弦波信号の位相関係を制御し、チップ部品に与えられる搬送力の方向を反転してチップ部品が散らばる方向に移動することによって、チップ部品の詰まりやひっかかりを排除することができる。
【0048】
すなわち、この発明の一実施の形態ではピエゾ素子4および5に対して、逆位相の正弦波信号を印加することによって、振動ステージ7を振動させる。するとチップ部品に対しては搬送溝9bから部品載置部9aに向かう方向に搬送力が加わり、その搬送力によってチップ部品が部品載置部9aの方向へ移動する。このように、この発明では、ピエゾ素子4および5に対して逆位相の正弦波信号を印加するだけで部品の詰まりやひっかかりを排除でき、新たな機構を設ける必要がない。従って、部品整列装置1の小型化を図ることができる。
【0049】
ピエゾ素子4および5に対して逆位相の正弦波信号を印加する処理は、例えば撮像装置23を使用して得られる撮像画像からチップ部品の位置やチップ部品の動きの有無等を検知して、全てのチップ部品が搬送溝9bの入口より十分手前の位置になるまで継続される。このステップS5における部品の詰まりやひっかかりを排除する処理が終了すると、再び処理がステップS4に戻り、ピエゾ素子4および5に対して同位相の正弦波信号が印加されてチップ部品の整列処理が行われる。なお、ピエゾ素子4および5に対して印加する正弦波信号の位相関係の制御を手動で切り換えられるようにしても良い。
【0050】
ステップS4における判定ステップにおいて、部品の詰まりやひっかかりが無いと判別されると処理がステップS6に進む。ステップS6では、例えば撮像画像を解析して保持部14に設けられる全ての切欠にチップ部品が整列されたか否かが判別される。ここで、若し保持部14に設けられる全ての切欠の数より整列対象のチップ部品の数が少ない場合は、ステップS6では全てのチップ部品の整列が完了したか否かが判別される。
【0051】
ステップS6において保持部14に設けられる全ての切欠へのチップ部品の整列が終了していない場合(但し、全チップ部品の整列が完了している場合を除く)は、処理がステップS7に進む。ステップS7においては、次の切欠の開口が搬送溝9bの搬出口と対向する位置まで保持部14が移動する。そして、再び処理がステップS3に戻り、次の切欠にチップ部品を整列させる処理が繰り返される。ステップS6の判定ステップにおいて、保持部14に設けられる全ての切欠へのチップ部品の整列が終了した場合は、処理がステップS8に進む。
【0052】
ステップS8では、図5Cを使用して説明したように、最初にチップ部品が整列された最端の切欠15が把持位置にくるように保持部14が移動する。保持部14が移動すると、処理がステップS9に進む。
【0053】
ステップS9では、把持位置に位置決めされた切欠に挿入されているチップ部品が把持具によって把持される。そしてチップ部品を把持する把持動作が終了すると、処理がステップS10に進み、全てのチップ部品の把持動作が完了したか否かが判別される。
【0054】
全ての把持動作が完了していない場合は、処理がステップS11に進み、次の切欠が把持位置にくるように保持部14が移動する。そして、処理がステップS9に進み把持動作が繰り返される。
【0055】
ステップS10において全てのチップ部品の把持動作が完了すると、処理が終了する。
【0056】
以上、この発明の一実施の形態について具体的に説明したが、この発明は、上述した一実施の形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。以下、具体的な変形例について説明する。
【0057】
上述した一実施の形態の説明では、保持部14が移動ステージ13と一体に移動するとしたが、保持部14を固定とし、ベース2および支持部3をy軸方向に移動するようにしても良いし、共に移動するようにしても良い。また、移動ステージ13はy軸方向に移動される構成としたが、x軸方向のみまたはx軸およびy軸方向に移動できるようにしても良い。
【0058】
また、上述した一実施の形態の説明では、振動ステージ7の上面である座面8に板状の搬送板9を接着する構成としたが、振動ステージ7に対して深さ数十μm~数mm程度のエッチング処理による除去加工を施して部品載置部9aおよび搬送溝9bと同形状の溝を形成しても良い。さらに、搬送板9、保持板14をチップ部品の大きさや形状に応じて、交換可能としても良い。
【0059】
また、図3Bを使用した説明では保持部14の切欠15および16の深さdはチップ部品の長さlの1/3~2/3とされると説明したが、d≧lとされても良い。この場合、整列されたチップ部品の全体が保持板14の切欠に収納されるが、例えば、空気の吸引を利用する把持具によって吸引することでチップ部品の把持を行うことができる。なお、把持動作は人為的に行うようにしても良いし、機械を使用して自動的に行うようにしても良い。
【0060】
また、部品整列装置1に部品の詰まりやひっかかりを報知する報知手段が備えられても良い。報知手段としては、ブザーなどの音声やLED(Light Emitting Diode)などの発光素子などを使用でき、また、パーソナルコンピュータ17のモニタに部品が詰まった旨の表示がなされても良い。勿論、部品の整列処理が監視できるように拡大鏡やマイクロスコープ等を設けて人間の目によってチップ部品の詰まりを確認できるようにしても良い。
【0061】
また、部品整列装置1に自動的にチップ部品を供給する部品供給手段が備えられて良い。例えば、撮像装置23を使用して得られる撮像画像を解析してチップ部品の有無を検知し、チップ部品が無くなった場合には、自動的若しくはパーソナルコンピュータ17を使用した操作指示により部品供給手段が部品載置部9aにチップ部品を供給するようにしても良い。これによりチップ部品の数と、保持板14の切欠の数を厳密に対応させなくても連続的にチップ部品の整列、把持を行うことができる。
【0062】
また、上述した一実施の形態では、すべての切欠にチップ部品が整列された後若しくはすべてのチップ部品の整列処理が終了した後に把持動作を行うようにしたが、整列処理と把持動作を交互に行うことも可能である。例えば、保持部14の切欠15と切欠16との間の長さを適切に設定することで、保持部14が移動して切欠15が把持位置に位置決めされると共に、切欠16の開口を搬送溝9bの搬出口と対向する位置に位置決めすることができる。そして切欠15に整列されたチップ部品の把持動作が終了した後に、保持部14を移動させることなく切欠16へのチップ部品の整列処理を行うことができる。また、保持部14が切欠に整列、保持されたチップ部品を把持位置に移動させる際に、ピエゾ素子4および5に対して同位相の正弦波信号を印加しても良い。これにより、切欠15、16に整列されたチップ部品に対して挿入方向への力が働き、切欠15、16からのチップ部品の離脱を防止できる。
【0063】
また、図5Cに示した把持位置で終了した後に保持部14が原点位置に向かって移動する際にもチップ部品の整列処理がなされても良い。
【0064】
また、図6のフローチャートではステップS4においてチップ部品の詰まりやひっかかりが有るときにステップS5においてピエゾ素子4および5に対して逆位相の正弦波信号を印加するように説明したが、チップ部品の整列時に周期的に逆位相の正弦波信号を印加しても良い。すなわち、チップ部品の整列時にはピエゾ素子4および5に対して同位相の正弦波信号を印加するが、このときに例えば数百ms~数s毎の周期的に、数十ms~数百msの短時間、ピエゾ素子4および5に対して逆位相の正弦波信号を印加しても良い。逆位相の正弦波信号を周期的にピエゾ素子4および5に印加することで、チップ部品の詰まりやひっかかりの発生を未然に防止でき、また、詰まりやひっかかりを解消できる。
【0065】
上述した一実施の形態では、振動発生手段としてピエゾ素子を使用したが、例えば磁界をかけることで伸縮する超磁歪素子を使用しても良い。
【0066】
上述した処理は、パーソナルコンピュータ17に限らず、専用のハードウェア回路によって実現することもできる。また、処理内容を記述したプログラムは、磁気記録装置、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】この発明の一実施の形態における整列装置1の構成の概要を示す略線図である。
【図2】この発明の一実施の形態における整列装置1の主要部の平面図と側面図である。
【図3】この発明の一実施の形態に搬送板9および保持部14の構成を説明するための略線図である。
【図4】この発明の一実施の形態における整列処理および把持動作を説明するための略線図である。
【図5】この発明の一実施の形態における整列処理および把持動作を説明するための略線図である。
【図6】この発明の一実施の形態における整列処理および把持動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】従来のチップ部品の把持動作を説明するための略線図である。
【符号の説明】
【0068】
1 部品整列装置
4、5 ピエゾ素子
7 振動ステージ
9 搬送板
9a 部品載置部
9b 搬送溝
11 ステッピングモータ
13 移動ステージ
14 保持部
15、16 切欠
17 パーソナルコンピュータ
18、20 ファンクションジェネレータ
23 撮像装置
25、26 チップ部品
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6