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明細書 :有機高分子製品に自己消火性を付与する改質剤およびその使用方法並びに自己消火性を有する有機高分子製品

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B1)
特許番号 特許第4332578号 (P4332578)
登録日 平成21年6月26日(2009.6.26)
発行日 平成21年9月16日(2009.9.16)
発明の名称または考案の名称 有機高分子製品に自己消火性を付与する改質剤およびその使用方法並びに自己消火性を有する有機高分子製品
国際特許分類 C09K  21/14        (2006.01)
C08J   7/04        (2006.01)
FI C09K 21/14
C08J 7/04 CFDQ
請求項の数または発明の数 7
全頁数 14
出願番号 特願2008-070278 (P2008-070278)
出願日 平成20年3月18日(2008.3.18)
審査請求日 平成21年2月16日(2009.2.16)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】390026387
【氏名又は名称】武蔵エンジニアリング株式会社
【識別番号】390001421
【氏名又は名称】学校法人早稲田大学
発明者または考案者 【氏名】由井 浩
【氏名】生島 和正
早期審査対象出願または早期審理対象出願 早期審査対象出願
個別代理人の代理人 【識別番号】100102314、【弁理士】、【氏名又は名称】須藤 阿佐子
【識別番号】100123984、【弁理士】、【氏名又は名称】須藤 晃伸
審査官 【審査官】藤原 浩子
参考文献・文献 特開2006-044125(JP,A)
特開2002-103308(JP,A)
国際公開第99/040158(WO,A1)
S.SAKA , T.UENO,Wood Science and Technology,1997年,31,457-466
調査した分野 C09K 21/00-21/14
C08J 7/04- 7/06
B27K 3/00- 3/52
JSTPlus/JST7580(JDreamII)
CA(STN)
要約 【課題】物性を低下させることなく、有機高分子製品に対して簡易且つ低コストで自己消火性を付与することができ、有害ガスが発生の原因とならない、有機高分子製品の改質剤、その使用方法、およびその製品の提供。
【解決手段】吸水性ポリマーの存在下でケイ素アルコキシドを加水分解重縮合したシロキサン化合物を含む溶液であって、該シロキサン化合物が、その29Si-NMR測定スペクトルの帰属において、Q(n=0~4)構造を示すシグナルにおけるQ構造を示すシグナルの面積と、Q、Q、Q構造を示すシグナルの面積の和との比SQ4/(SQ1+SQ2+SQ3)が1.20以下である有機高分子製品に自己消火性を付与する改質剤。
ここでQ構造とは、シリカの構成単位であるSiO4四面体単位の酸素原子のうちの架橋酸素原子(2つのSiと結合している酸素原子)の数に応じて決まる化学的構造をいい、QnのnはSiO単位の結合度であり、架橋酸素原子の数である。
【選択図】なし
特許請求の範囲 【請求項1】
吸水性ポリマーの存在下で下記一般式(1)
[化1]
Si(OR)4 (1)
(式(1)中、Rは炭素数1~4のアルキル基を表す。)
で表されるケイ素アルコキシドを加水分解重縮合したシロキサン化合物を含む溶液であって、該シロキサン化合物が、その29Si-NMR測定スペクトルの帰属において、Q(n=0~4)構造を示すシグナルにおけるQ構造を示すシグナルの面積と、Q、Q、Q構造を示すシグナルの面積の和との比SQ4/(SQ1+SQ2+SQ3)が0.2以上0.90以下であることを特徴とするコーティング、塗布、含浸または加圧注入することにより木材、ダンボールまたはプラスチック製品に自己消火性を付与する改質剤。
ここでQ構造とは、シリカの構成単位であるSiO4四面体単位の酸素原子のうちの架橋酸素原子(2つのSiと結合している酸素原子)の数に応じて決まる化学的構造をいい、QnのnはSiO単位の結合度であり、架橋酸素原子の数である。
【請求項2】
前記吸水性ポリマーがポリアクリル酸金属塩部分架橋体を主体とするポリアクリル酸系吸水性ポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の木材、ダンボールまたはプラスチック製品に自己消火性を付与する改質剤。
【請求項3】
前記吸水性ポリマーの存在下で前記ケイ素アルコキシドを加水分解重縮合させる際に、さらに無機微粒子を共存させることを特徴とする請求項1または2に記載の木材、ダンボールまたはプラスチック製品に自己消火性を付与する改質剤。
【請求項4】
前記吸水性ポリマーの存在下で前記ケイ素アルコキシドを加水分解重縮合させる際に、さらにシリコーンオイルまたはシリコーン界面活性剤を共存させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の木材、ダンボールまたはプラスチック製品に自己消火性を付与する改質剤。
【請求項5】
改質剤として請求項1ないし4のいずれか一項に記載の改質剤を木材、ダンボールまたはプラスチック製品にコーティング、塗布、含浸または加圧注入することを特徴とする木材、ダンボールまたはプラスチック製品に自己消火性を付与する方法。
【請求項6】
前記シロキサン化合物を前記木材、ダンボールまたはプラスチック製品に0.01~5.0重量%含有させることを特徴とする請求項に記載の木材、ダンボールおよびプラスチック製品に自己消火性を付与する方法。
【請求項7】
請求項5または6に記載の木材、ダンボールまたはプラスチック製品に自己消火性を付与する方法を用いて得られることを特徴とする自己消火性を有する木材、ダンボールまたはプラスチック製品。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、有機高分子製品に自己消火性を付与する改質剤、その使用方法、および得られた自己消火性を有する有機高分子製品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からプラスチック、ゴム、木材、紙などの有機高分子は、優れた力学的性質、熱的性質を持つため幅広い用途分野に用いられている。
通常、これらの有機高分子は極めて燃えやすいため、自己消火性が要求される分野で用いるためには、ハロゲン化合物系難燃剤を添加することが一般的に行われている。しかしながら、火災時に、ハロゲン化合物系難燃剤を添加している有機高分子が有害なガスを発生するという問題が生じたため、近年では著しく使用が制限されている。したがって、ハロゲン化合物系難燃剤の代わりにリン系、ホウ素系難燃材を有機高分子に添加することが行われるようになったが、リン系、ホウ素系難燃材によって要求される自己消火性を達成するためには大量のリン系、ホウ素系難燃材を添加しなければならない。そのため、物性が低下しコストが上昇するために応用分野が限定されている。
一方で、木材を難燃化させるために、次に例示するような種々の製造方法が実施されている。
【0003】
例えば、難燃化した木材を簡単な方法で大量生産することを目的とした改質木材の製造方法が提案されている。より具体的には、木材の中に一種或いは二種以上の金属アルコキシドの溶液を含浸させ、その後この金属アルコキシドを加水分解もしくは加熱分解させることによって、これを不燃性の金属酸化物に変え、これによって木材を難燃化木材に改質する方法が開示されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、高い難燃性と耐熱性を木材に付与することができる難燃性・耐熱性木材の製造方法を提供することを目的とした難燃性・耐熱性木材の製造方法が提案されている。より具体的には、ケイ素アルコキシド、ホウ素アルコキシドおよびリンアルコキシドから選ばれる少なくとも1種の金属アルコキシドに、アルカリ金属化合物または/およびアルカリ土類金属化合物を添加した溶液を木材中に含浸させ、木材細胞空隙内で、これらを加水分解または加熱分解し、次いで重縮合させて不燃性の金属酸化物を生成させることによって、木材に高い難燃性と耐熱性とを付与することができる(特許文献2参照)。
【0005】
また、発明者は、木材の持つ雨水などの水に晒されると劣化する欠点を改良し、しかも木材の長所である特有の外観および調湿性をできるだけ保持できる木材の表面改良剤として、吸水性ポリマーおよび/または無機微粒子の存在下で金属アルコキシドを加水分解重縮合した反応物からなる、調湿性表面に適用してその調湿性を維持しつつ水の浸透性を著しく小さくする木材の表面改質剤を提言した(特許文献3参照)。
【0006】

【特許文献1】特開平5-278008号公報
【特許文献2】特開2001-252908号公報
【特許文献3】特許第3992899号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の改質木材の製造方法においては、木材を難燃化するために、10~45%という多量の金属酸化物が形成されるため、重量が著しく増加するという課題があった。また、木材中で化学反応を行うために、木材を収納する大きな反応容器が必要であり、また反応効率も低下するので、経済的制約が大きくなるという課題があることからも、実用化に限界があった。
【0008】
特許文献2に記載の難燃性・耐熱性木材の製造方法においても、SiO、BO、NaOなどの金属酸化物が9~36%と多量に形成されるため、重量が著しく増加しやすいという課題があった。また、特許文献1と同様に、木材中で化学反応を行うために経済的制約が大きくなるという課題があった。
【0009】
特許文献3に記載の表面改質剤は、調湿性表面に適用してその調湿性を維持しつつ水の浸透性を著しく小さくする表面改質剤であって、難燃化する改質剤を目的とするものではない。
【0010】
シリカ粒子は無機酸化物であり、それ自身燃えない。しかし、シリカには炭化皮膜形成能力がないために有機高分子製品に自己消火性を付与するためには、多量のシリカが必要となる。そのため、重量が著しく増加し、また透明プラスチック製品の場合、透明性が損なわれるという問題が生じる。
【0011】
本発明は、物性を低下させることなく、有機高分子製品に対して簡易且つ低コストで自己消火性を付与することができ、有害ガスが発生の原因とならない、有機高分子製品の改質剤、その使用方法、および自己消火性を有する有機高分子製品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の発明は、吸水性ポリマーの存在下で下記一般式(1)
[化1]
Si(OR)4 (1)
(式(1)中、Rは炭素数1~4のアルキル基を表す。)
で表されるケイ素アルコキシドを加水分解重縮合したシロキサン化合物を含む溶液であって、該シロキサン化合物が、その29Si-NMR測定スペクトルの帰属において、Q(n=0~4)構造を示すシグナルにおけるQ構造を示すシグナルの面積と、Q、Q、Q構造を示すシグナルの面積の和との比SQ4/(SQ1+SQ2+SQ3)が0.2以上0.90以下であることを特徴とするコーティング、塗布、含浸または加圧注入することにより木材またはダンボール製品に自己消火性を付与する改質剤。
ここでQ構造とは、シリカの構成単位であるSiO4四面体単位の酸素原子のうちの架橋酸素原子(2つのSiと結合している酸素原子)の数に応じて決まる化学的構造をいい、QnのnはSiO単位の結合度であり、架橋酸素原子の数である。

【0013】
第2の発明は、第1の発明において、前記吸水性ポリマーがポリアクリル酸金属塩部分架橋体を主体とするポリアクリル酸系吸水性ポリマーであることを特徴とする。
【0014】
第3の発明は、第1または2の発明において、前記吸水性ポリマーの存在下で前記ケイ素アルコキシドを加水分解重縮合させる際に、さらに無機微粒子を共存させることを特徴とする。
【0015】
第4の発明は、第1ないし3のいずれかの発明において、前記吸水性ポリマーの存在下で前記ケイ素アルコキシドを加水分解重縮合させる際に、さらにシリコーンオイルまたはシリコーン界面活性剤を共存させることを特徴とする。
【0016】
第5の発明は、改質剤として第1ないし4のいずれかの発明に係る改質剤を木材、ダンボールまたはプラスチック製品にコーティング、塗布、含浸または加圧注入することにより適用することを特徴とする木材、ダンボールまたはプラスチック製品に自己消火性を付与する方法である。

【0018】
の発明は、第の発明において、前記シロキサン化合物を前記木材、ダンボールまたはプラスチックに0.01~5.0重量%含有させることを特徴とする。

【0021】
の発明は、第5または6に係る木材、ダンボールまたはプラスチック製品に自己消火性を付与する方法を用いて得られることを特徴とする自己消火性を有する木材、ダンボールまたはプラスチック製品である。

【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、有機高分子製品固有の物性を低下させることなく、有機高分子製品に対して簡易且つ低コストで自己消火性を付与することが可能となる。
また、火災時に有毒ガスを発生するハロゲン化合物などの物質を用いないため、環境に対する負荷は極めて小さい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明を実施するための最良の形態を以下に説明する。
本発明の改質剤は、有機高分子製品に自己消火性を付与する改質剤であり、吸水性ポリマーの存在下で下記一般式(1)または(2)で示されるケイ素アルコキシドを加水分解重縮合したシロキサン化合物を含む溶液からなるものである。
[化1]
Si(OR)4 (1)
(式(1)中、Rはアルキル基を表す。また、アルキル基としては、炭素数1~4のものが好ましい。)
[化2]
Si(OR)(X)4-n (2)
(式(2)中、Rはアルキル基、Xはアルキル基、官能基を含むアルキル基またはハロゲンを表す。また、Xとしては、カルボニル基、カルボキシル基、アミノ基、ビニル基、またはエポキシ基を有するアルキル基が好適である。アルキル基としてはいずれも炭素数1~4のものが好ましい。nは1~4までの整数である。)
ここで、好ましいケイ素アルコキシドとしては、Si(OC H4、Si(OC Hが例示される。
【0024】
一般的に、ケイ素アルコキシドの加水分解重縮合はゾル・ゲル法と呼ばれる反応の常法に従って行われる。より具体的には、ケイ素アルコキシドを水とエタノールなどのアルコールとの混合溶媒に溶かし、触媒としての塩酸などの酸、またはアンモニアなどのアルカリを添加して室温~80℃の温度で撹拌しながら反応させることである。
【0025】
本発明者らは、吸水性ポリマーの存在下でケイ素アルコキシドを加水分解重縮合したシロキサン化合物を含む溶液で、該シロキサン化合物の29Si-NMRによるスペクトルの帰属において、下記[数1]に示すように、Q(n=0~4)構造を示すシグナル(「ピーク」と同義。以下において、「ピーク」と記すこともある。)におけるQ構造を示すシグナルの面積と、Q、Q、Q構造を示すシグナルの面積の和との比が1.20以下であることを特徴とするシロキサン化合物を含む溶液を改質剤として用いることによって、有機高分子製品に自己消火性を付与することができることを見出した。
[数1]
SQ4/(SQ1+ SQ2+ SQ3)≦1.20
【0026】
本発明の有機高分子製品に自己消火性を付与する改質剤は、29Si-NMR測定によって得られる前記シロキサン化合物のスペクトルから、ピークの範囲67~80ppmにピークをもつQ0構造、ピークの範囲80~90ppmにピークをもつQ1構造、ピークの範囲90~96ppmにピークをもつQ構造、ピークの範囲97~105ppmにピークをもつQ構造およびピークの範囲105~115ppmにピークをもつQ構造のピーク面積を、それぞれ、SQ0、SQ1、SQ2、SQ3およびSQ4とし、SQ4とSQ1、SQ2、SQ3との和の比が1.20以下であることを特徴とする。
【0027】
また、Q~Qのピークの範囲はNMR測定法によって多少異なる。なお、ここでのシグナル(ピーク)の範囲は、溶液法測定チャートから読み取った範囲を記載している。
SQ4とSQ1、SQ2、SQ3との和の比が1.20より大きい場合、Q構造の究極であるシリカSiO粒子に近いものが相当量生成されている。シリカ粒子は無機酸化物であり、それ自身燃えない。しかし、シリカには炭化皮膜形成能力がないために、有機高分子製品に自己消火性を付与するためには、多量のシリカが必要となる。そのため、重量が著しく増加し、また透明プラスチック製品の場合、透明性が損なわれるという問題が生じる。
一方、SQ4とSQ1、SQ2、SQ3との和の比が1.20以下の場合、シリカ粒子に近いものが生成することは抑えられる。また、Q~Q構造のシロキサン化合物が有機高分子の分子鎖との間に水素結合等によって相互作用して燃焼時に炭化皮膜が形成され、少量のシロキサン化合物によって有機高分子製品に自己消火性を付与することができると考えられる。
ここでQn構造とは、シリカの構成単位であるSiO4四面体単位の酸素原子のうちの架橋酸素原子(2つのSiと結合している酸素原子)の数に応じて決まる化学的構造をいい、QのnはSiO4単位の結合度であり、架橋酸素原子の数である。29Si-NMR測定によってQ構造を示すピークにおけるQ、Q、Q、Q、Q構造を示すシグナルの面積をもとめることができる。
【0028】
具体的には、吸水性ポリマーの存在下でケイ素アルコキシドを加水分解重縮合したシロキサン化合物の29Si-NMRによるQ構造を示すシグナル(ピーク)の面積とQ、Q、Q構造を示すシグナルの面積の和との比を下記[数2]に示す範囲、好ましくは下記[数3]に示す範囲、より好ましくは下記[数4]に示す範囲に制御することによって、有機高分子製品に自己消火性を付与することができる。
[数2]
0<SQ4/(SQ1+ SQ2+ SQ3)≦1.20
[数3]
0.10≦SQ4/(SQ1+ SQ2+ SQ3)≦1.20
[数4]
0.20≦SQ4/(SQ1+ SQ2+ SQ3)≦0.90
なお、シグナルの面積の制御は、加水分解縮合反応の温度および時間、ケイ素アルコキシドの量、反応後の保存温度および時間などによって制御できる。
【0029】
SQ4/(SQ1+ SQ2+ SQ3)を上記の範囲に制御することによって有機高分子製品に自己消火性を付与することができる機構は必ずしも明らかではないが、Q4構造の生成量を抑えることにより、自己消火性発現の大きな要因である燃焼時の炭化皮膜形成が起きやすくなることが重要な要因であることが推測される。
【0030】
また、ケイ素アルコキシドを加水分解重縮合させた反応生成物を得る際に吸水性ポリマーを存在させることによって、有機高分子製品の自己消火性付与により適した溶液を得ることができる。
【0031】
用いる吸水性ポリマーは、ポリアクリル酸系、ポリビニルアルコール系、ポリ(N-ビニルアセトアミド)系、ポリアミノ酸系、ポリアクリルアミド系、ポリビニルピロリドン系、ポリヒドロキシエチルアクリレート系、ポリビニルメチルエーテル系、ポリ(イソブチレン-マレイン酸)系、ポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパン-スルホン酸)系、ポリアクロキシプロパンスルホン酸系、ポリビニルホスホン酸系、ポリビニルピリジン系、ポリエチレングリコール系、ポリエチレンイミン系などの化学合成によって得られる吸水性ポリマーおよびアルギン酸、ポリグルタミン酸、ヒアルロン酸、カゼイン、コラーゲン、デンプン、ヒドロキシルセルロース、カルゲナンおよびこれらの金属塩、エステルなどの天燃物由来の吸水性ポリマーのうちいずれか一つまたはその組み合わせである。なかでもポリアクリル酸系、ポリアミノ酸系、ポリ(N-ビニルアセトアミド)系の吸水性ポリマーが好ましく、特に、ポリアクリル酸金属塩部分架橋体を主体とするポリアクリル酸系吸水性ポリマーが経済性の上で最も好ましい。
【0032】
本発明において、ケイ素アルコキシドを加水分解重縮合させた反応生成物を得る際に吸水性ポリマーと無機微粒子を存在させることもできる。
用いる無機微粒子は、酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ、酸化鉄などの金属酸化物、ベントナイト、タルク、カオリナイト、マイカ、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイトなどのケイ酸塩、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ、カーボンナノコイルなどの炭素化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物、炭酸カルシウム、硫酸カルシウムなどの金属炭酸塩、鉄粉、銅粉、アルミニウム粉、などの金属粉、チタン酸カリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、硫化モリブデンなどの中の一つまたはその組み合わせである。後述する金属アルコキシドの加水分解重縮合反応を行う際に触媒として塩酸などの酸を用いる場合は酸によって分解されない無機微粒子を用いる。また、金属アルコキシドの加水分解重縮合反応を行う際に触媒としてカセイソーダなどのアルカリを用いる場合はアルカリによって分解されない無機微粒子を用いる。これらの点を考慮して、酸化チタンなどの酸化物、タルク、カオリナイトなどのケイ酸塩を用いることが好ましい。また、用いる無機微粒子の平均粒径は1nmから10mmの間であり、特に0.01~10μmの範囲にあるものが好ましい。
【0033】
また、本発明において、吸水性ポリマーの存在下でケイ素アルコキシドを加水分解重縮合させる際にシリコーン化合物を共存させることもできる。
【0034】
シリコーン化合物としてはジメチルポリシロキサン系シリコーンオイル、両末端変性ジメチルポリシロキサン系シリコーンオイルなどのシリコーンオイル、次式(A)、(B)、(C)で示される化学構造を有するシリコーン界面活性剤などを用いることができる。
【化3】
JP0004332578B1_000002t.gif
【化4】
JP0004332578B1_000003t.gif
【化5】
JP0004332578B1_000004t.gif
(A)、(B)、(C)において
R:アルキル基または水素
R’:アルキレン基
アルキル基としては、炭素数1~10のものが用いられることが好ましい。アルキレン基としては、炭素数1~10のものが用いられることが好ましい。また、aは0~100、bは0~100、mは5~1000、nは1~50の範囲であるものが好ましい。さらに、東レダウコーニング(株)製シリコーン界面活性剤Lシリーズ、FZシリーズなどを用いることが好ましい。
【0035】
また、本発明の改質剤には酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、赤外線吸収剤、赤外線反射剤、防カビ剤、防腐剤、防蟻剤、防虫剤などの添加剤を添加することができる。これらの添加剤は、ケイ素アルコキシドに加水分解重縮合する工程で添加すること、或いは、加水分解重縮合が終了した後の溶液に添加することが可能である。
また、リン酸アンモニウムなどのリン系難燃剤、ホウ酸、ホウ砂などのホウ素系難燃剤などを減圧・加圧、溶融混練などの方法で有機高分子製品中に注入あるいは添加したものを改質剤によって改質することで、有機高分子製品の自己消火性をさらに向上させることもできる。
【0036】
吸水性ポリマーの存在下でケイ素アルコキシドを加水分解重縮合させて得られた改質剤を有機高分子製品に表面塗布または含浸することによって、自己消火性の有機高分子製品を得ることができる。
有機高分子製品としては木材製品、パーティクルボード、ファイバーボードなどの合板、木材と他素材との複合材料製品、竹材製品、紙製品、段ボール、畳表、天然ゴムなどの天然物系有機高分子製品およびプラスチック製品、合成ゴム製品などの非天然物系有機高分子製品が挙げられる。
プラスチックとしては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれもが対象となり、これらの樹脂の射出成形体、押出成形体、中空成形体、回転成形体、発泡成形体などによる各種の成形法によって得られる計器パネルカバー、ランプカバーなどの自動車部品、電子・電気機器筐体および部品、フィルム、シート、ディスプレーカバー、プラスチックレンズ、光記録媒体など広範囲の製品を用いることができる。
ここで、レンズ、眼鏡、透明フィルム・シート、ディスプレーカバー、計器カバー、ランプカバーなどの用途に応用する場合は、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ポリジエチレングリコールビスアリルカーボネート、シクロオレフィン系樹脂、ポリ乳酸およびこれらの共重合体あるいは変成体等の透明性のプラスチックを用いることが好ましい。
【0037】
また、筐体などの用途に応用する場合は、アクリロニトリル・スチレン・ブタジエン三元共重合樹脂(ABS樹脂)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリカーボネート/ABS樹脂系アロイ、変性ポリフェニレン、変性ポリフェニレン系アロイ、ポリプロピレン、ポリプロピレン/無機フィラー複合材料、コハク酸・1,4-ブタンジオール重縮合体、アジピン酸・1,4-ブタンジオール重縮合体、ポリ乳酸、コハク酸・1,4-ブタンジオール・乳酸重縮合体、アジピン酸・1,4-ブタンジオール・乳酸重縮合体、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリイミド等を用いることが例示される。
また、ゴム製品の用途において、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、二トリルゴムなどの加工製品を用いることが例示される。
【0038】
本発明の改質剤による有機高分子製品の改質は、種々の手法により行うことができ、例えば、ディップコーティング、スプレーコーティング、スピンコーティング、ロールコーティング、スクリ—ン印刷、刷毛塗り、流し塗り、含浸処理等により行なうことができる。
ここで、レンズなどの高度の用途向けでは、1軸駆動装置を用いて引き上げ速度0.01~1.50mm/秒で精密にディップコーティングを行なうことが好ましい。その際、コーティング溶液の温度、粘度を一定に管理し、駆動時の基板およびコーティング溶液にできるだけ振動を与えないようにすることが好ましい。
また、表面コーティングされた帯電防止膜の膜厚は0.01~10.00μmの範囲、特に0.10~1.00μmの範囲であることが好ましい。
なお、ディップコーティングを行なう際には、片面を保護フィルムなどでマスキングして行なってもよい。
【0039】
本発明の吸水性ポリマーの存在下でケイ素アルコキシドを加水分解重縮合したシロキサン化合物を含む溶液を、コーティング、刷毛塗り、含浸処理などを行った後に、自然乾燥または30~150℃の温度で、10分~24時間、加熱乾燥することにより有機高分子製品に対してシロキサン化合物が0.01~5.00重量%含有された改質有機高分子製品を得ることができる。また、ディップコーティング、スプレーコーティングなどの方法を用いることによって、シロキサン化合物の含有量を0.01~3.00重量%に制御することもできる。
【0040】
最良の形態の本発明によれば、例えば、0.01~5.00重量%、或いは0.01~3.00重量%、という少量のシロキサン化合物の含有量で有機高分子製品に自己消火性を付与することができる。このため、有機高分子製品の重量増加を最少限に抑えることができ、また物性低下の懸念がない。さらに、有機高分子製品中での化学反応を伴わないため、経済的に極めて有利である。
【0041】
以下では、実施例により本発明の内容を具体的に説明するが、これらの実施例により本発明は何ら限定されるものではなく、上述した技術思想の範囲内で変更した任意の形態を実施可能であることは言うまでもない。
【実施例1】
【0042】
100mlビーカーに水13.00gとポリアクリル酸ナトリウム部分架橋体を主体とするポリアクリル酸系吸水性ポリマー粉末25.00mgを入れ、室温で5分間撹拌した。その後、エタノール25.00g、塩化水素0.75g、テトラエトキシシラン12.50gを加えて室温で2時間撹拌した。
得られた反応液を室温で7日間放置した後に、日本電子製AL-400を用いて29Si-NMRの測定を行った。測定は試料約3gに緩和試薬であるCr(acac)3を約15mg加えて30分間よく振って混合溶解させた後、10mmφテフロン(登録商標)製NMR試料管に入れた。また、内管にはテトラメチルシランを重アセトンで溶解した液を5mmφテフロン封管に高さ5cm程度入れたものを使用した。
測定された29Si-NMRスペクトルの帰属において、下記[数5]に示すように、Q、Q、Q、Q構造を示すシグナルにおけるQ構造を示すシグナルの面積と、Q、Q、Q構造を示すシグナルの面積の和との比は0.40であった。
なお、Q、Q、Q、Q構造におけるそれぞれのシグナルの面積は、SQ1=0.90、SQ2=6.30、SQ3=65.20、SQ4=29.00である。
[数5]
SQ4/(SQ1+ SQ2+ SQ3)=0.40
【0043】
反応終了後、7日間室温で放置した反応液を用いて、スギおよびヒノキの試験片(長さ100mm、幅75mm、厚さ5mm)の全面にスプレーコーティングした。
さらに、コーティング後、2日間自然乾燥した後で重量を測定し、反応前の重量と比較した。その結果、スギには1.4重量%、ヒノキには1.6重量%のシロキサン化合物がコーティングされていることが認められた。
【0044】
このようにして、改質されたスギおよびヒノキ試験片について、直径1.7cmの都市ガスバーナーで外炎高さ10cm、内炎高さ6cmの炎で燃焼試験を行った。その結果を表1に示す。
【0045】
[比較例1]
改質を施さないスギおよびヒノキの試験片について実施例1と同じ燃焼試験を行った。その結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
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【0047】
以上のとおり、実施例1の改質剤をコーティングすることにより、着火時間を遅延できることが確認できた。すなわち、改質木材は未改質木材と比べて着火に至るまでの時間が長く、未改質木材とは異なるように、着火後にバーナーの炎を離すと自己消火する自己消火性をもつことが確認できた。
【実施例2】
【0048】
水12.00gとポリアクリル酸ナトリウム部分架橋体を主体とするポリアクリル酸系吸水性ポリマー粉末20.00mgとを100mlビーカーに入れ、室温で5分間撹拌した。さらに酸化チタン微粒子(ルチル型、平均一次粒径0.20μm)10.00mgを加え、室温で5分間撹拌した後にエタノール30.00g、塩化水素0.75g、テトラエトキシシラン12.50gを加えて室温で2時間撹拌した。得られた反応液を室温で2日間放置した後に、実施例1と同様の方法で29Si-NMRの測定を行った。
測定された29Si-NMRスペクトルの帰属において、下記[数6]に示すように、Q1、Q2、Q3、Q4構造を示すシグナルにおけるQ4構造を示すシグナルの面積と、Q1、Q2、Q3構造を示すシグナルの面積の和との比は0.30であった。
なお、Q1、Q2、Q3、Q4構造におけるそれぞれのシグナルの面積は、SQ1=1.00、SQ2=13.70、SQ3=58.10、SQ4=22.20である。
[数6]
SQ4/(SQ1 + SQ2+ SQ3)=0.30
【0049】
反応終了後2日間室温で放置した反応液を用いて、スギおよびヒノキの試験片(長さ100mm、幅75mm、厚さ5mm)の全面にスプレーコーティングした。さらに、コーティング後、2日間自然乾燥した後で重量を測定し、反応前の重量と比較した。
その結果、スギには1.50重量%、ヒノキには1.70重量%のシロキサン化合物がコーティングされていることが認められた。
【0050】
このようにして改質されたスギおよびヒノキ試験片について、実施例1と同様の方法で燃焼試験を行った。その結果を表2に示す。
【0051】
[比較例2]
実施例2と同じ組成の原料を用いて、ゾル・ゲル反応を行った。その際に、反応温度を50℃、反応時間を3時間とした反応液および反応温度を60℃、反応時間を3時間とした反応液を作製した。
反応終了2日後に、これらの反応液について、実施例1と同様の方法で29Si-NMRの測定、木材へのスプレーコーティングおよび燃焼試験を行った。得られた結果を表2に示す。
【表2】
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【0052】
以上のとおり、実施例2の改質剤をコーティングすることにより、着火時間を遅延できることが確認できた。すなわち、改質スギ(2)と改質ヒノキ(2)とは着火に至るまでの時間が長く、着火後にバーナーの炎を離すと自己消火する自己消火性をもつことが確認できた。
また、改質スギ(3)、(4)および改質ヒノキ(3)、(4)は着火に至るまでの時間がやや短く、着火後にバーナーの炎を離すと自己消火する自己消火性をもたないことが確認できた。
【実施例3】
【0053】
実施例2と同じ反応液において、反応終了後2日間室温で放置した反応液を用いて、紙ダンボールの試験片(長さ100mm、幅75mm、厚さ2mm)に含浸処理した後、自然乾燥して改質紙ダンボールを得た。また、この改質紙ダンボールにはシロキサン化合物が4.00重量%コーティングされていることが認められた。
この改質紙ダンボールについて、実施例1と同様の方法で燃焼試験を行った。得られた結果を表3に示す。
【0054】
[比較例3]
改質を施さない紙ダンボールの試験片について実施例3と同様の方法で燃焼試験を行った。得られた結果を表3に示す。
【0055】
【表3】
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【0056】
以上のとおり、実施例3の改質剤をコーティングすることにより、着火時間を遅延できることが確認できた。すなわち、改質ダンボールは未改質ダンボールと比べて着火に至るまでの時間が長く、着火後にバーナーの炎を離すと自己消火する自己消火性をもつことが示された。
【実施例4】
【0057】
ポリアクリル酸系吸水性ポリマー60.00mgに水40.00gを加え、室温で5分間撹拌した。次に別容器にエチルアルコール60.00gと式(A)のシリコ—ン界面活性剤0.40gを加え、室温で5分間撹拌した。吸水性ポリマーを含む水溶液にシリコ—ン界面活性剤を含むエチルアルコールを加え、さらにテトラエトキシシラン42.50g、ギ酸2.25gを加えて室温で1.5時間攪拌した後に3日間室温で放置した。
このようにして調製した反応液を容量200mlのビーカーに入れ、ポリカーボネート押出成形品をカットして得られた平板(50×50×0.8mm)を反応液に浸した。その後、1軸駆動装置を用いて1.0mm/秒の速度で反応液から引き上げて精密ディップコーティングをおこなった。表面コーティングされて得られた改質ポリカーボネ—ト平板を24時間自然放置して乾燥した。また、シロキサン化合物のコーティング量は0.12重量%であった。
調整された反応液については、実施例1と同様の方法で29Si-NMRの測定を行った。測定された29Si-NMRスペクトルの帰属において、下記[数7]に示すように、Q1、Q2、Q3、Q4構造を示すシグナルにおけるQ4構造を示すシグナルの面積と、Q1、Q2、Q3構造を示すシグナルの面積の和との比は0.28であった。
なお、Q1、Q2、Q3、Q4構造におけるそれぞれのシグナルの面積は、SQ1=3.00、SQ2=27.30、SQ3=47.70、SQ4=22.00である。
[数7]
SQ4/(SQ1 + SQ2+ SQ3)=0.28
また、得られた改質ポリカーボネート(1)平板について実施例1と同様の方法で燃焼試験を行った。得られた結果を表4に示す。
【0058】
〔比較例4〕
改質を施さないポリカーボネート平板について実施例3と同様の方法で燃焼試験を行った。その結果は表4に示す通りである。
また、実施例4と同じ組成の原料を用いて、ゾル・ゲル反応を行った。その際に、反応温度を50℃、反応時間を3時間とした反応液および反応温度を60℃、反応時間を3時間とした反応液を作製した。
また、反応終了3日後に、これらの反応液について、実施例4と同様の方法で29Si-NMRの測定、木材へのスプレーコーティングおよび燃焼試験を行った。得られた結果を表4に示す。
【0059】
【表4】
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【0060】
以上のとおり、実施例4の改質剤をコーティングすることにより、着火時間を遅延できることが確認できた。すなわち、改質ポリカーボネート(1)は着火に至るまでの時間が長く、着火後にバーナーの炎を離すと自己消火する自己消火性をもつことが確認できた。
また、改質ポリカーボネート(2)、(3)は着火に至るまでの時間がやや短く、着火後にバーナーの炎を離すと自己消火する自己消火性をもたないことが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、有機高分子製品を用いる全ての産業に利用することができ、例えば、住宅産業、自動車産業などでの利用が想定される。
有機高分子製品が木材である場合について説明すると、日本の森林が荒廃し始めている。その大きな要因として木材の需要が低迷していることが挙げられる。この状況を打破するには木材の需要を拡大させることが必要不可欠である。
これに対して既に国を挙げていろいろな対策が講じられている。たとえば国土交通省は平成12年に建築基準法を改定し、従来は可燃物という認識から外装材などの重要建築材料への使用を禁じていた木材に対して不燃、難燃の性能が規定に合格すれば使用を認めることとし、木材の大口需要への道を開いた。また文部科学省は木材環境が児童生徒の心身に良い影響をもたらすという認識の下に最近校舎の木造化を推進しようとしている。
しかしながら木材に含浸あるいは注入された表面劣化防止材、木材保存剤、難燃剤などが雨水によって容易に溶脱して木材の耐久性が損なわれてしまうために、木材の需要分野はほとんど拡大していないのが現状である。
本発明の成果を利用することによって木材が本来有している調湿性を維持したまま、高度の表面劣化防止性、防カビ・防虫・防蟻性、難燃性を長期間にわたって有する高機能木材製品が実用化可能となる。その結果住宅、校舎などの外装材、ドアなどここ数十年間法規制などのために我が国では使用実績が乏しかった用途分野に木材が大量に使用できる道が開け、木材産業の振興に大きく貢献できることが期待される。また木材の需要が大きく増大することによって、日本の森林再生にも大きく貢献することが期待される。