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明細書 :酸化亜鉛系透明導電膜

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5363742号 (P5363742)
公開番号 特開2009-170392 (P2009-170392A)
登録日 平成25年9月13日(2013.9.13)
発行日 平成25年12月11日(2013.12.11)
公開日 平成21年7月30日(2009.7.30)
発明の名称または考案の名称 酸化亜鉛系透明導電膜
国際特許分類 H01B   5/14        (2006.01)
C23C  14/34        (2006.01)
C23C  14/08        (2006.01)
C04B  35/453       (2006.01)
H01B   1/08        (2006.01)
FI H01B 5/14 A
C23C 14/34 A
C23C 14/08 C
C04B 35/00 P
H01B 1/08
請求項の数または発明の数 3
全頁数 9
出願番号 特願2008-035297 (P2008-035297)
出願日 平成20年1月20日(2008.1.20)
審査請求日 平成22年12月17日(2010.12.17)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】593165487
【氏名又は名称】学校法人金沢工業大学
発明者または考案者 【氏名】南 内嗣
【氏名】宮田 俊弘
個別代理人の代理人 【識別番号】100105924、【弁理士】、【氏名又は名称】森下 賢樹
審査官 【審査官】大久保 智之
参考文献・文献 特開平06-128743(JP,A)
特開平06-002130(JP,A)
特表2009-510263(JP,A)
特開2009-167515(JP,A)
国際公開第2009/078329(WO,A1)
調査した分野 H01B 5/00
H01B 1/00
H01B 13/00
C04B 35/00
C23C 14/00
特許請求の範囲 【請求項1】
鉛、アルミニウム、珪素、モリブデンおよび酸素からなり、アルミニウムがAl/(Zn+Al+Si+Mo)の原子比で1%を超え8%未満の割合で含有され、珪素がSi/(Zn+Al+Si+Mo)の原子比で0.1%を超え1%未満の割合で含有され、且つモリブデンがMo/(Zn+Al+Si+Mo)の原子比で0.1%を超え1%未満の割合で含有された焼結体ターゲットを用いて、マグネトロンスパッタリング法により作製した酸化亜鉛系透明導電膜を含む液晶ディスプレイまたはタッチパネルを有し、
前記酸化亜鉛系透明導電膜は、厚さが200nm未満であって少なくともアルミニウムがドナーとして作用し、モリブデンが抵抗率特性の膜厚依存性の抑制に対して作用することを特徴とする機器。
【請求項2】
鉛、アルミニウム、ガリウム、モリブデンおよび酸素からなり、アルミニウムがAl/(Zn+Al+Ga+Mo)の原子比で1%を超え8%未満の割合で含有され、ガリウムがGa/(Zn+Al+Ga+Mo)の原子比で0.1%を超え1%未満の割合で含有され、且つモリブデンがMo/(Zn+Al+Ga+Mo)の原子比で0.1%を超え1%未満の割合で含有された焼結体ターゲットを用いて、マグネトロンスパッタリング法により作製した酸化亜鉛系透明導電膜を含む液晶ディスプレイまたはタッチパネルを有し、
前記酸化亜鉛系透明導電膜は、厚さが200nm未満であって少なくともアルミニウムがドナーとして作用し、モリブデンが抵抗率特性の膜厚依存性の抑制に対して作用することを特徴とする機器。
【請求項3】
鉛、アルミニウム、インジウム、モリブデンおよび酸素からなり、アルミニウムがAl/(Zn+Al+In+Mo)の原子比で1%を超え8%未満の割合で含有され、インジウムがIn/(Zn+Al+In+Mo)の原子比で0.1%を超え1%未満の割合で含有され、且つモリブデンがMo/(Zn+Al+In+Mo)の原子比で0.1%を超え1%未満の割合で含有された焼結体ターゲットを用いて、マグネトロンスパッタリング法により作製した酸化亜鉛系透明導電膜を含む液晶ディスプレイまたはタッチパネルを有し、
前記酸化亜鉛系透明導電膜は、厚さが200nm未満であって少なくともアルミニウムがドナーとして作用し、モリブデンが抵抗率特性の膜厚依存性の抑制に対して作用することを特徴とする機器。
発明の詳細な説明
【発明の詳細な説明】

【背景技術】
【0002】
ITO(Indium Tin Oxide)薄膜は、低抵抗率で可視光に対して高い透過率を示すことから、液晶ディスプレイを中心としたフラットパネルディスプレイやタッチパネル、太陽電池などの透明電極として幅広く用いられている。しかし、近年、ITOの原材料であるインジウム価格の高騰、資源問題等による安定供給不安からインジウムを使用しない透明導電膜(ITO代替材料)への関心が高まっている。ITO代替材料としては、酸化亜鉛、酸化スズを母材とした材料が知られているが、特に、酸化亜鉛にアルミニウムを添加した膜(以下AZOと略記する)では、1.9×10-4ΩcmというITOに匹敵する値が報告されている(例えば非特許文献1参照)。
【0003】
酸化亜鉛を母材とする膜の形成方法としては、高周波(rf)マグネトロンスパッタリング法、直流(dc)マグネトロンスパッタリング法、パルスレーザー蒸着法、真空アークプラズマ蒸着法、イオンプレーティング法などをあげることができる。上記、1.9×10-4Ωcmという値は、rfマグネトロンスパッタリング法により得られている。しかし、フラットパネルディスプレイの製造工程では、大面積均一成膜および高速成膜が必要とされ、液晶ディスプレイ(LCD)を始め多くのフラットパネルディスプレイ用の透明電極製造にはdcマグネトロンスパッタリング法が採用されている。そのため既存の製造工程への対応を考えた場合には、このdcマグネトロンスパッタリング法で実用的特性を示す膜を形成する必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、現状のLCD製造プロセスにおけるITO透明電極形成技術をZnO系に適用した場合、ZnO系透明導電膜が解決しなければならない以下のような技術的課題(問題点)が存在する。問題点(1):dcマグネトロンスパッタリング装置を用いて作製したZnO系透明導電膜では、膜厚が200nm程度より薄くなるに伴って、電気的特性が膜厚に大きく依存する(膜厚の減少に伴って抵抗率が大幅に増加する)。問題点(2):膜厚が100nm程度より薄くなると、膜厚の減少に伴って膜の抵抗率の耐湿安定性が著しく低下する。換言すると、アクティブマトリックス型LCDに使用する透明電極の材料を全面的にITOからZnO系に置き換えるためには、上記の問題点(1)及び(2)を解決しなければならない。このような事情に鑑み、抵抗率特性の膜厚依存性を改善する新規な酸化亜鉛系透明導電膜、並びに成膜に使用する焼結体を提供することにより、膜厚が200nm未満のITO透明電極をZnO系透明電極に置き換えることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記問題を解決するため、低抵抗率を示すことでよく知られるアルミニウム添加酸化亜鉛(以下AZOと記載)、ガリウム添加酸化亜鉛(以下GZOと記載)及び珪素添加酸化亜鉛(以下SiZOと記載)に共添加する添加剤について鋭意検討を行った。
【0006】
その結果、ZnOにアルミニウム、ガリウムもしくは珪素等の公知のドナー不純物(例えば非特許文献1、2、3及び4参照)を添加し、さらに、ドナー不純物としては作用しないことが知られているモリブデンを共添加することによって、特に膜厚約200nm未満の極めて薄い膜において抵抗率の増加を大幅に低減し、その結果、抵抗率の膜厚依存性を安定で大幅に抑制できることを発見した。加えて、モリブデンを共添加することによってマグネトロンスパッタリング法で作製した場合の膜の基板上での抵抗率分布の膜厚依存性を安定で大幅に改善できることを発見した。また、ドナー不純物及びモリブデンの添加量にはそれぞれ最適添加量が存在し、例えば、アルミニウムの場合はAl/(Zn+Al+Mo)の原子比で1%を超え8%未満かつモリブデンがMo/(Zn+Al+Mo)の原子比で0.1%を超え1%未満とすることで、抵抗率の膜厚依存性大幅に改善した酸化亜鉛系透明導電膜を実現できることを見いだした。
【0007】
<nplcit num="1"><text>T.Minami、H.Nanto and S.Takata、JpnJ.Appl.Phys.、23,280-282(1984).</text></nplcit><nplcit num="2"><text>T.Minami、H.Sato、H.Nanto and S.Takata、Jpn J.Appl.Phys.、24,L781-L784(1985).</text></nplcit><nplcit num="3"><text>T.Minami.H.Sato、H.Nanto and S.Takata、Jpn J.Appl.Phys.、25,L776-L779(1986).</text></nplcit>すなわち本発明は、例えば、膜厚200nm未満のITO透明導電膜が使用されているLCDやタンチパネル用ITO透明電極の代替として、ZnO系透明導電膜を実用化することを目的として、実質的に亜鉛、アルミニウム、モリブデンおよび酸素からなり、アルミニウムがAl/(Zn+Al+Mo)の原子比で1%を超え8%未満の割合で含有され、かつモリブデンがMo/(Zn+Al+Mo)の原子比で0.1%を超え1%未満の割合で含有されていることを特徴とするZnO系透明導電膜およびその製造に用いるマグネトロンスパッタリング成膜用ZnO系焼結体ターゲットを提供するものである。
【0008】
アルミニウムの含有量は、上記の原子比で1%を超え8%未満である。これは、この範囲外では、薄膜の抵抗率が高くなるためである。
【0009】
モリブデンの添加量は、0.1%を超え1%未満である。0.1%以下の場合は、本発明による抵抗率の膜厚依存性を抑制する効果が得難く、1%以上では、得られる薄膜の抵抗率が高くなるためである。
【0010】
次にモリブデンの共添加効果について説明する。ZnO系透明導電膜において、Al、Ga及びSiは極めて良好なドナー不純物となるが、Moはドナーとしては作用しないことが知られている。Moに注目してよく知られているAl、GaもしくはSiドナー不純物の添加効果を活かしながら、抵抗率の膜厚依存性を抑制する共添加剤としての有効性について鋭意検討を行った。その結果、ドナー不純物としては作用しないことが知られているSnを共添加することによって、200nm未満の極めて薄い膜におけるキャリア密度及びホール移動度の低下が抑制され、抵抗率の増大が抑制された。結果として、抵抗率の増加や安定性の膜厚依存性の大幅な改善を実現した。
【0011】
本発明の透明導電膜は、例えば、酸化亜鉛、酸化アルミニウムおよび酸化モリブデンを含む焼結体ターゲットを用い、マグネトロンスパッタリング法により作製することができる。また、亜鉛、アルミニウム、モリブデンを含む金属ターゲットを用い、酸素を含有する雰囲気中で反応性マグネトロンスパッタリング法によっても作製することが可能である。
【0012】
本発明の酸化亜鉛系スパッタリングターゲットは、例えば、酸化亜鉛粉末、酸化アルミニウム粉末及び酸化モリブデン粉末を目的とする組成となるように混合し、プレス等により成形した後、焼成することで焼結体を得、必要に応じて、整形・研磨して得られる。具体的には、ターゲット中のアルミニウムの含有量をAl/(Zn+Al+Mo)の原子百分率(以下原子%と略記する)で1%を超え8%未満とし、かつ、ターゲット中のモリブデンの量をMo/(Zn+Al+Mo)の原子%で0.1%を超え1%未満とする。
【0013】
スパッタリングガスとしては、不活性ガスの例えばArを使用する。必要に応じて、酸化性ガスや還元性ガスを導入しても良い。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、特にLCDに好適な、約200nm未満の極めて薄い領域において、低抵抗率で且つ耐湿安定性が高く、膜厚依存性の少ない良好な酸化亜鉛を母材とする透明導電膜及びその製造用焼結体が提供可能となる。
【実施例】
【0015】
以下に本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【実施例1】
【0016】
平均粒径が1μmの酸化亜鉛粉末と、平均粒径が0.2μmの酸化ガリウム粉末と、平均粒径が0.5μmの酸化モリブデン粉末とを所定量ポットに入れ、乾式ボールミルにより48時間混合し、混合粉末を作製した。この混合粉末を金型に入れ、300kg/cmの圧力でプレスを行い成形体とした。この成形体を3ton/cmの圧力でCIPによる緻密化処理を行った。次に該成形体を以下の条件で焼結した。
【0017】
(焼結条件)
焼結温度:1250℃
昇温速度:50℃/hr
保持時間:5時間
焼結雰囲気:Ar雰囲気中
得られた焼結体を6インチφ×5mmtに加工し、インジウム半田を用いて無酸素銅製のバッキングプレートにボンディングした。
【0018】
このターゲットを用いて、dcマグネトロンスパッタリング法により以下に示す条件で、GaおよびMo含有量の異なる透明導電膜を作製した。
【0019】
(スパッタリング成膜条件)
装置:dcマグネトロンスパッタ装置
磁界強度:1000Gauss(ターゲット直上、水平成分)
基板温度:200℃
到達真空度:5×10-5Pa
スパッタリングガス:Ar
スパッタリングガス圧:0.5Pa
DCパワー:300W
膜厚:100nm
使用基板:無アルカリガラス(日本電気ガラス製OA-10ガラス)
得られた薄膜の抵抗率をホール効果測定装置を用いて測定した。ガリウムが1原子%を超え8原子%未満かつモリブデンが(Mo/(Zn+Ga+Mo))0.1原子%を超え1原子%未満の範囲で10-4Ωcm台の低抵抗率の膜を得ることができた。
【0020】
また、ガリウムが2.6原子%、かつモリブデンが0.2原子%の焼結体ターゲットを用いて作製したモリブデン共添加GZO薄膜の抵抗率の膜厚依存性について検討した。図1に作製したモリブデン共添加GZO薄膜の抵抗率変化の膜厚依存性を示す。また、図2に比較のために、モリブデンを含有しないGZO焼結体ペレットを用い同様の成膜条件下で作製したGZO薄膜の抵抗率変化の膜厚依存性を示す。抵抗率の変化は最大膜厚で規格化して示している。図1及び2から明らかなように、GZO薄膜においては、膜厚約30nm極薄膜では膜厚約180nmの膜と比較して抵抗率が約3.8倍に増加しているのに対して、モリブデンを共添加したGZO薄膜においては、膜厚約30nm極薄膜においても、膜厚約225nmの膜と比較して抵抗率の増加が約2.5倍に抑制されている。また、図3にモリブデン共添加AZO薄膜を温度60℃、相対湿度90%の高温高湿雰囲気中に放置したときの抵抗率の経過時間依存性を示す。同図には比較のためにモリブデンを含有しないAZO薄膜の抵抗率の経過時間依存性も示している。同図から明らかなように、膜厚約40nmの極薄AZO薄膜では膜の抵抗率が100時間後に測定不能なほど増加しているのに対して、モリブデンを共添加した膜厚約40nmの極薄AZO薄膜においては、100時間後に7.0×10-3Ωcmを実現しており、結果として高温高湿雰囲気中での抵抗率の安定性を大幅に改善できた。
【実施例2】
【0021】
平均粒径が1μmの酸化亜鉛粉末と、平均粒径が0.2μmの酸化ガリウム粉末と、平均粒径が0.5μmの酸化モリブデン粉末とを所定量ポットに入れ、乾式ボールミルにより48時間混合し、混合粉末を作製した。この混合粉末を金型に入れ、300kg/cmの圧力でプレスを行い成形体とした。この成形体を3ton/cmの圧力でCIPによる緻密化処理を行った。実施例1と同様の条件下で焼結して作製したターゲットを用いたdcマグネトロンスパッタリング法により実施例1と同様の成膜条件下で透明導電膜を作製した。
【0022】
ガリウムが3.0原子%かつモリブデンが(Mo/(Zn+Ga+Mo))0.25原子%で膜厚30nmに作製した極めて薄い酸化亜鉛系透明導電膜において9.1×10-4Ωcmの低抵抗率の膜を得ることができた。結果として抵抗率の耐湿安定性及び膜厚依存性を大幅に改善できた。また、作製した膜の基板上での抵抗率分布は膜全体で±15%未満であり、抵抗率分布の少ない膜を実現できた。
【実施例3】
【0023】
平均粒径が1μmの酸化亜鉛粉末と、平均粒径が0.2μmの酸化珪素粉末と、平均粒径が0.5μmの酸化モリブデン粉末とを所定量ポットに入れ、乾式ボールミルにより48時間混合し、混合粉末を作製した。この混合粉末を金型に入れ、300kg/cmの圧力でプレスを行い成形体とした。この成形体を3ton/cmの圧力でCIPによる緻密化処理を行った。実施例1と同様の条件下で焼結して作製したターゲットを用いたdcマグネトロンスパッタリング法により実施例1と同様の成膜条件下で透明導電膜を作製した。
【0024】
珪素が3.0原子%かつモリブデンが(Mo/(Zn+Si+Mo))0.25原子%で膜厚30nmに作製した極めて薄い酸化亜鉛系透明導電膜において9.2×10-4Ωcmの低抵抗率の膜を得ることができた。結果として抵抗率の耐湿安定性及び膜厚依存性を大幅に改善できた。また、作製した膜の基板上での抵抗率分布は膜全体で±15%未満であり、抵抗率分布の少ない膜を実現できた。
【実施例4】
【0025】
平均粒径が1μmの酸化亜鉛粉末と、平均粒径が0.2μmの酸化アルミニウム粉末及び酸化ガリウム粉末と、平均粒径が0.5μmの酸化モリブデン粉末とを所定量ポットに入れ、乾式ボールミルにより48時間混合し、混合粉末を作製した。この混合粉末を金型に入れ、300kg/cmの圧力でプレスを行い成形体とした。この成形体を3ton/cmの圧力でCIPによる緻密化処理を行った。実施例1と同様の条件下で焼結して作製したターゲットを用いたdcマグネトロンスパッタリング法により実施例1と同様の成膜条件下で透明導電膜を作製した。
【0026】
アルミニウムが3.0原子%、ガリウムが0.3原子%かつモリブデンがMo/(Zn+Al+Ga+Mo)の原子比で0.25%で膜厚30nmに作製した極めて薄い酸化亜鉛系透明導電膜において9.1×10-4Ωcmの低抵抗率の膜を得ることができた。結果として抵抗率の耐湿安定性及び膜厚依存性を大幅に改善できた。また、作製した膜の基板上での抵抗率分布は膜全体で±15%未満であり、抵抗率分布の少ない膜を実現できた。
【実施例5】
【0027】
平均粒径が1μmの酸化亜鉛粉末と、平均粒径が0.2μmの酸化アルミニウム粉末及び酸化インジウム粉末と、平均粒径が0.5μmの酸化モリブデン粉末とを所定量ポットに入れ、乾式ボールミルにより48時間混合し、混合粉末を作製した。この混合粉末を金型に入れ、300kg/cmの圧力でプレスを行い成形体とした。この成形体を3ton/cmの圧力でCIPによる緻密化処理を行った。実施例1と同様の条件下で焼結して作製したターゲットを用いたdcマグネトロンスパッタリング法により実施例1と同様の成膜条件下で透明導電膜を作製した。
【0028】
アルミニウムが3.0原子%、インジウムが0.3原子%かつモリブデンがMo/(Zn+Al+In+Mo)の原子比で0.25%で膜厚30nmに作製した極めて薄い酸化亜鉛系透明導電膜において9.0×10-4Ωcmの低抵抗率の膜を得ることができた。結果として抵抗率の耐湿安定性及び膜厚依存性を大幅に改善できた。また、作製した膜の基板上での抵抗率分布は膜全体で±15%未満であり、抵抗率分布の少ない膜を実現できた。
【実施例6】
【0029】
平均粒径が1μmの酸化亜鉛粉末と、平均粒径が0.2μmの酸化アルミニウム粉末及び酸化珪素粉末と、平均粒径が0.5μmの酸化モリブデン粉末とを所定量ポットに入れ、乾式ボールミルにより48時間混合し、混合粉末を作製した。この混合粉末を金型に入れ、300kg/cmの圧力でプレスを行い成形体とした。この成形体を3ton/cmの圧力でCIPによる緻密化処理を行った。実施例1と同様の条件下で焼結して作製したターゲットを用いたdcマグネトロンスパッタリング法により実施例1と同様の成膜条件下で透明導電膜を作製した。
【0030】
アルミニウムが3.0原子%、珪素が0.3原子%かつモリブデンがMo/(Zn+Al+Si+Mo)の原子比で0.25%で膜厚30nmに作製した極めて薄い酸化亜鉛系透明導電膜において9.0×10-4Ωcmの低抵抗率の膜を得ることができた。結果として抵抗率の耐湿安定性及び膜厚依存性を大幅に改善できた。また、作製した膜の基板上での抵抗率分布は膜全体で±15%未満であり、抵抗率分布の少ない膜を実現できた。
【実施例7】
【0031】
平均粒径が1μmの酸化亜鉛粉末と、平均粒径が0.2μmの酸化ガリウム粉末及び酸化インジウム粉末と、平均粒径が0.5μmの酸化モリブデン粉末とを所定量ポットに入れ、乾式ボールミルにより48時間混合し、混合粉末を作製した。この混合粉末を金型に入れ、300kg/cmの圧力でプレスを行い成形体とした。この成形体を3ton/cmの圧力でCIPによる緻密化処理を行った。実施例1と同様の条件下で焼結して作製したターゲットを用いたdcマグネトロンスパッタリング法により実施例1と同様の成膜条件下で透明導電膜を作製した。
【0032】
ガリウムが3.0原子%、インジウムが0.3原子%かつモリブデンがMo/(Zn+Ga+In+Mo)の原子比で0.25%で膜厚30nmに作製した極めて薄い酸化亜鉛系透明導電膜において9.0×10-4Ωcmの低抵抗率の膜を得ることができた。結果として抵抗率の耐湿安定性及び膜厚依存性を大幅に改善できた。また、作製した膜の基板上での抵抗率分布は膜全体で±15%未満であり、抵抗率分布の少ない膜を実現できた。
【実施例8】
【0033】
平均粒径が1μmの酸化亜鉛粉末と、平均粒径が0.2μmの酸化ガリウム粉末及び酸化珪素粉末と、平均粒径が0.5μmの酸化モリブデン粉末とを所定量ポットに入れ、乾式ボールミルにより48時間混合し、混合粉末を作製した。この混合粉末を金型に入れ、300kg/cmの圧力でプレスを行い成形体とした。この成形体を3ton/cmの圧力でCIPによる緻密化処理を行った。実施例1と同様の条件下で焼結して作製したターゲットを用いたdcマグネトロンスパッタリング法により実施例1と同様の成膜条件下で透明導電膜を作製した。
【0034】
ガリウムが3.0原子%、珪素が0.3原子%かつモリブデンがMo/(Zn+Ga+Si+Mo)の原子比で0.25%で膜厚30nmに作製した極めて薄い酸化亜鉛系透明導電膜において9.0×10-4Ωcmの低抵抗率の膜を得ることができた。結果として抵抗率の耐湿安定性及び膜厚依存性を大幅に改善できた。また、作製した膜の基板上での抵抗率分布は膜全体で±15%未満であり、抵抗率分布の少ない膜を実現できた。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】はモリブデン共添加GZO薄膜の抵抗率変化の膜厚依存性
【図2】はGZO薄膜の抵抗率変化の膜厚依存性
【図3】はモリブデン共添加AZO薄膜を温度60℃、相対湿度90%の高温高湿雰囲気中に放置したときの抵抗率の経過時間依存性。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2