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明細書 :光時分割多重化方法および装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5152789号 (P5152789)
公開番号 特開2009-218772 (P2009-218772A)
登録日 平成24年12月14日(2012.12.14)
発行日 平成25年2月27日(2013.2.27)
公開日 平成21年9月24日(2009.9.24)
発明の名称または考案の名称 光時分割多重化方法および装置
国際特許分類 H04J  14/08        (2006.01)
H04J   3/00        (2006.01)
FI H04B 9/00 D
H04J 3/00 Q
請求項の数または発明の数 6
全頁数 12
出願番号 特願2008-059125 (P2008-059125)
出願日 平成20年3月10日(2008.3.10)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 平成19年9月10日~14日 社団法人 電子情報通信学会主催の「電子情報通信学会2007年ソサイエティ大会」においてパワーポイントをもって発表
審査請求日 平成23年3月3日(2011.3.3)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503027931
【氏名又は名称】学校法人同志社
発明者または考案者 【氏名】戸田 裕之
個別代理人の代理人 【識別番号】110000475、【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
審査官 【審査官】木下 直哉
参考文献・文献 特開2003-198507(JP,A)
調査した分野 H04B 10/00-10/28
H04J 14/00-14/08
H04J 3/00
特許請求の範囲 【請求項1】
光パルスを遅延手段に入力し、入力信号を2つの光信号に分岐し、分岐した2つの光信号に光路差を生じさせて前記2つの光信号の相互に遅延を与え、それらの光信号を再び合成して多重化光信号を生成する時分割多重化方法において、
前記光パルスにこれと波長が異なる波長可変レーザ光を合成して前記遅延手段に入力し、前記分岐した2つの光信号のうちの一方の光路長を予め決定された周波数で微小変動させ、前記波長可変レーザ光に関する前記遅延手段の出力が最大または最小となる位置で、前記出力における前記微小変動の周波数と同じ周波数の成分の変動が最小になるように前記遅延手段の光路差を制御することにより、多重化光信号の隣接パルス間の位相差を安定化させることを特徴とする時分割多重化方法。
【請求項2】
前記遅延手段の光路差の制御を前記波長可変レーザ光に関する前記遅延手段の出力が前記最大となる位置で行う場合には、前記多重化光信号の隣接パルス間の位相差φを、
【数1】
JP0005152789B2_000011t.gif
ここで、nは整数であり、λは光パルスの波長であり、λCWは波長可変レーザ光の波長であり、cは光速度であり、ΔTは多重化光信号の隣接パルス間の間隔(ΔT=ΔL/c:ΔLは光路差)である、
に従って制御し、
前記遅延手段の光路差の制御を前記波長可変レーザ光に関する前記遅延手段の出力が前記最小となる位置で行う場合には、前記多重化光信号の隣接パルス間の位相差φを、
【数2】
JP0005152789B2_000012t.gif
ここで、nは整数であり、λは光パルスの波長であり、λCWは波長可変レーザ光の波長であり、cは光速度であり、ΔTは多重化光信号の隣接パルス間の間隔(ΔT=ΔL/c:ΔLは光路差)である、
に従って制御することを特徴とする請求項1に記載の光時分割多重化方法。
【請求項3】
光パルスおよび波長可変レーザ光を合成する合成手段と、
前記合成手段の出力信号を2つの光信号に分岐し、前記2つの光信号に光路差を生じさせて前記2つの光信号の相互に遅延を与え、それらの2つの光信号を再び合成して多重化光信号を出力する遅延手段と、
前記遅延手段における前記2つの光信号のうちの一方の光路長を微小変動させる光路長変動手段と、
前記遅延手段の出力信号から前記波長可変レーザ光の信号成分を取り出すフィルタ手段と、
前記光路長変動手段によって前記一方の光路長が予め決定された周波数で微小変動せしめられるとき、前記フィルタ手段によって取り出された前記波長可変レーザ光の信号成分の出力が最大または最小となる位置で、当該出力における前記微小変動の周波数と同じ周波数の成分の変動が最小になるように前記光路長変動手段を動作させることにより、前記遅延手段から出力される多重化光信号の隣接パルス間の位相差を安定化させる位相差制御手段と、を備えたことを特徴とする光時分割多重化装置。
【請求項4】
前記位相制御手段は、前記遅延手段の光路差の制御を前記波長可変レーザ光の信号成分の出力が前記最大となる位置において行う場合には、前記多重化光信号の隣接パルス間の位相差φを、
【数4】
JP0005152789B2_000013t.gif
ここで、nは整数であり、λは光パルスの波長であり、λCWは波長可変レーザ光の波長であり、cは光速度であり、ΔTは多重化光信号の隣接パルス間の間隔(ΔT=ΔL/c:ΔLは光路差)である、
に従って制御し、
前記遅延手段の光路差の制御を前記波長可変レーザ光の信号成分の出力が前記最小となる位置において行う場合には、前記多重化光信号の隣接パルス間の位相差φを、
【数5】
JP0005152789B2_000014t.gif
に従って制御することを特徴とする請求項3に記載の光時分割多重化装置。
【請求項5】
前記遅延手段は、
前記合成手段の出力信号を第1の分岐光信号および第2の分岐光信号に分岐して、前記第1の分岐光信号を第1の光路に出射し、前記第2の分岐光信号を第2の光路に出射するビームスプリッターと、
前記第1の光路に設けられ、前記第1の分岐光信号を前記ビームスプリッターに反射する第1のミラーと、
前記第2の光路に設けられ、前記第2の分岐光信号を前記ビームスプリッターに反射する第2のミラーと、を備え、
前記ビームスプリッターは、前記第1のミラーから入射される前記第1の分岐光信号と、前記第2のミラーから入射される前記第2の分岐光信号とを合成し、多重化光信号を出力する遅延干渉計からなっていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の光時分割多重化装置。
【請求項6】
前記光路長変動手段は、前記第1および第2のミラーのいずれか一方の後面に取り付けられ、当該ミラーをそれが関係する前記第1または第2の光路に平行に予め決定された周波数で振動させる圧電素子を有し、
前記位相差制御手段は、
前記フィルタ手段によって取り出された前記波長可変レーザ光の信号成分から前記周波数の成分を抽出する検出器と、
前記検出器からの出力と前記圧電素子への交流電圧との差を抽出する差動アンプ、または前記検出器からの出力と前記圧電素子への交流電圧との和を抽出する加算アンプと、を有していることを特徴とする請求項5に記載の光時分割多重化装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、光時分割多重化回路、特に、遅延干渉計を用いた光時分割多重化回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、光通信技術は大量の情報を高速度で伝送する技術として注目されており、その中でも、光時分割多重化技術は、大容量かつ超高速伝送を実現するものとして、波長多重化技術と共に有望視されている。
【0003】
光時分割多重化技術においては光時分割多重化回路が使用されるが、従来の光時分割多重化回路では、パルス光源から出力される光パルス列が2分岐され、分岐信号がそれぞれ光変調器に入力されて変調される。そして、変調された一方の光信号には遅延手段を介して一定の遅延が付与され、変調された他方の光信号と合成され、多重化光信号が生成される。
【0004】
この場合、超高速通信を達成するためには、光信号に対して正確な遅延を安定して付与することによって、隣接パルス間の位相差を安定化させねばならない。しかし、光の伝播時間は環境温度等の影響によって揺らぐので、光信号に対して正確な遅延を安定的に付与することは難しかった(例えば、特許文献1参照)。
【0005】

【特許文献1】特許第3508901号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の課題は、光時分割多重化技術において、簡単な構成で、隣接光パルス間の位相差を安定化させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、光パルスを遅延手段に入力し、入力信号を2つの光信号に分岐し、分岐した2つの光信号に光路差を生じさせて前記2つの光信号の相互に遅延を与え、それらの光信号を再び合成して多重化光信号を生成する時分割多重化方法において、前記光パルスにこれと波長が異なる波長可変レーザ光を合成して前記遅延手段に入力し、前記分岐した2つの光信号のうちの一方の光路長を予め決定された周波数で微小変動させ、前記波長可変レーザ光に関する前記遅延手段の出力が最大または最小となる位置で、前記出力における前記微小振動の周波数と同じ周波数の成分の変動が最小になるように前記遅延手段の光路差を制御することにより、多重化光信号の隣接パルス間の位相差を安定化させることを特徴とする時分割多重化方法を構成したものである。
【0008】
上記方法において、さらに、前記遅延手段の光路差の制御を前記波長可変レーザ光に関する前記遅延手段の出力が前記最大となる位置において行う場合には、前記多重化光信号の隣接パルス間の位相差φを、
【数1】
JP0005152789B2_000002t.gif
ここで、nは整数であり、λは光パルスの波長であり、λCWは波長可変レーザ光の波長であり、cは光速度であり、ΔTは多重化光信号の隣接パルス間の間隔(ΔT=ΔL/c:ΔLは光路差)である、
に従って制御し、前記遅延手段の光路差の制御を前記波長可変レーザ光に関する前記遅延手段の出力が前記最小となる位置において行う場合には、前記多重化光信号の隣接パルス間の位相差φを、
【数2】
JP0005152789B2_000003t.gif
ここで、nは整数であり、λは光パルスの波長であり、λCWは波長可変レーザ光の波長であり、cは光速度であり、ΔTは多重化光信号の隣接パルス間の間隔(ΔT=ΔL/c:ΔLは光路差)である、
に従って制御することもできる。
【0009】
上記課題を解決するため、また、本発明は、光パルスおよび波長可変レーザ光を合成する合成手段と、前記合成手段の出力信号を2つの光信号に分岐し、前記2つの光信号に光路差を生じさせて前記2つの光信号の相互に遅延を与え、それらの2つの光信号を再び合成して多重化光信号を出力する遅延手段と、前記遅延手段における前記2つの光信号のうちの一方の光路長を予め決定された周波数で微小変動させる光路長変動手段と、前記遅延手段の出力信号から前記波長可変レーザ光の信号成分を取り出すフィルタ手段と、前記光路長変動手段によって前記一方の光路長が微小変動せしめられるとき、前記フィルタ手段によって取り出された前記波長可変レーザ光の信号成分の出力が最大または最小となる位置で、当該出力における前記微小振動の周波数と同じ周波数の成分の変動が最小になるように前記光路長変動手段を動作させることにより、前記遅延手段から出力される多重化光信号の隣接パルス間の位相差を安定化させる位相差制御手段と、を備えたことを特徴とする光時分割多重化装置を構成したものである。
【0010】
上記装置において、前記位相制御手段は、前記遅延手段の光路差の制御を前記波長可変レーザ光の信号成分の出力が前記最大となる位置において行う場合には、前記多重化光信号の隣接パルス間の位相差φを、
【数4】
JP0005152789B2_000004t.gif
ここで、nは整数であり、λは光パルスの波長であり、λCWは波長可変レーザ光の波長であり、cは光速度であり、ΔTは多重化光信号の隣接パルス間の間隔(ΔT=ΔL/c:ΔLは光路差)である、
に従って制御し、前記遅延手段の光路差の制御を前記波長可変レーザ光の信号成分の出力が前記最小となる位置において行う場合には、前記多重化光信号の隣接パルス間の位相差φを、
【数5】
JP0005152789B2_000005t.gif
に従って制御することもできる。
【0011】
好ましくは、前記遅延手段は、前記合成手段の出力信号を第1の分岐光信号および第2の分岐光信号に分岐して、前記第1の分岐光信号を第1の光路に出射し、前記第2の分岐光信号を第2の光路に出射するビームスプリッターと、前記第1の光路に設けられ、前記第1の分岐光信号を前記ビームスプリッターに反射する第1のミラーと、前記第2の光路に設けられ、前記第2の分岐光信号を前記ビームスプリッターに反射する第2のミラーと、を備え、前記ビームスプリッターは、前記第1のミラーから入射される前記第1の分岐光信号と、前記第2のミラーから入射される前記第2の分岐光信号とを合成し、多重化光信号を出力する遅延干渉計からなっている。
【0012】
また好ましくは、前記光路長変動手段は、前記第1および第2のミラーのいずれか一方の後面に取り付けられ、当該ミラーをそれが関係する前記第1または第2の光路に平行に予め決定された周波数で振動させる圧電素子を有し、前記位相差制御手段は、前記フィルタ手段によって取り出された前記波長可変レーザ光の信号成分から前記周波数の成分を抽出する検出器と、前記検出器からの出力と前記圧電素子への交流電圧との差を抽出する差動アンプ、または前記検出器からの出力と前記圧電素子への交流電圧との和を抽出する加算アンプと、を有している。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、波長可変レーザと光パルスを合成した信号を遅延手段に入力し、波長可変レーザの信号成分を用いたフィードバック制御を行うことによって遅延手段の動作を安定化させることにより、多重化光信号の隣接パルス間の位相差を安定化させることができる。したがって、高速電子回路を用いる必要がなく、簡単な構成によって多重化光信号の隣接パルス間の位相差の制御、安定化を行うことができる。
さらに、本発明によれば、多重化光信号の隣接パルス間の位相差を安定化させた状態で、波長可変レーザの波長を変化させることによって位相差を任意に変更することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施例について説明する。図1は、本発明の1実施例による光時分割多重化方法のフロー図である。図1に示すように、本発明によれば、まず、光パルスにこれと波長が異なる波長可変レーザ光を合成した信号を遅延手段に入力する(図1のS1)。遅延手段において、入力光信号を2つの光信号に分岐し、分岐した2つの光信号に光路差を生じさせ、これら2つの信号の相互に遅延を与え、それらの光信号を再び合成して多重化光信号を生成する。このとき、本発明によれば、分岐した2つの光信号のうちの一方の光路長を微小変動させる(図1のS2)。
【0015】
そして、この一方の光路長の微小変動に伴う波長可変レーザ光に関する遅延手段の出力の変動を測定し(図1のS3)、この出力変動の測定値に基づいて、当該出力が最大または最小となる位置、またはそれら以外の特定の値となる位置において出力の変動が最小になるように遅延手段の光路差を制御する(図1のS4)。それによって、遅延手段から出力される多重化光信号の隣接パルス間の位相差を安定化する(図1のS5)。
【0016】
本発明によれば、多重化信号の隣接パルス間の位相差を安定化するとともに、光パルスの波長をλ、波長可変レーザ光の波長をλCW、多重化光信号の隣接パルス間の間隔をΔT(ΔT=ΔL/c:ΔLは光路差、cは光速度)として、遅延手段の光路差の制御を波長可変レーザ光に関する遅延手段の出力が最大となる位置において行う場合には、多重化光信号の隣接パルス間の位相差φを、
【数7】
JP0005152789B2_000006t.gif
ここでnは整数である、に従って所望の値に制御し、遅延手段の光路差の制御を波長可変レーザ光に関する遅延手段の出力が最小となる位置において行う場合には、多重化光信号の隣接パルス間の位相差φを、
【数8】
JP0005152789B2_000007t.gif
ここでnは整数である、に従って所望の値に制御し、遅延手段の光路差の制御を波長可変レーザ光に関する遅延手段の出力が特定の値となる位置において行う場合には、多重化光信号の隣接パルス間の位相差φを、
【数9】
JP0005152789B2_000008t.gif
ここで、nは整数であり、mは-1から1までのある値である、に従って所望の値に制御することができる。
【0017】
図2は、本発明の1実施例による光時分割多重化装置の構成を示すブロック図である。図2に示すように、本発明によれば、第1の光源OS1から出力された波長可変レーザ光(波長λCW)および第2の光源OS2から出力された光パルス(波長λ)を合成する第1の光カプラ1と、第1の光カプラ1の出力信号を2つの光信号に分岐し、2つの光信号に光路差を生じさせて2つの光信号の相互に遅延を与え、それらの2つの光信号を再び合成して多重化光信号を出力する遅延干渉計2が備えられる。
なお、この実施例では、光学要素間を接続する光路は、いずれも光ファイバから形成されるが、光路の構成はこれに限定されない。また、遅延干渉計の代わりに、これと同等の機能を有する任意の遅延手段を使用することができる。
【0018】
遅延干渉計2は、第1の光カプラ1の出力信号b1を第1の分岐光信号b2および第2の分岐光信号b3に分岐して、第1の分岐光信号b2を第1の光路OP1に出射し、第2の分岐光信号b3を第2の光路OP2に出射するビームスプリッター3と、第1の光路OP1に設けられ、第1の分岐光信号b2をビームスプリッター3に反射する第1のミラー4と、第2の光路OP2に設けられ、第2の分岐光信号b3をビームスプリッター3に反射する第2のミラー5と、を備えている。
そして、ビームスプリッター3は、第1のミラー4から入射される第1の分岐光信号b2と、第2のミラー5から入射される第2の分岐光信号b3とを合成し、多重化光信号b4を出力する。
【0019】
また、第2のミラー5の後面には圧電素子6が取り付けられ、第2のミラー5をそれが関係する第2の光路OP2に平行に予め決定された周波数で微小振動させるようになっている。そして、第2のミラー5が圧電素子6によって微小振動せしめられることによって、第2の光路OP2の光路長が微小変動する。
【0020】
さらに、遅延干渉計2の出力側には第2の光カプラ7が設けられ、第2の光カプラ7によって分岐された一方の光信号は、光フィルタ(OF)8に入力される。OFは、λCWの波長の光のみを透過するように機能し、これによって、遅延干渉計2の出力信号のうち波長可変レーザ光の信号成分のみが取り出される。
【0021】
OF8の出力信号は、フォトダイオード9を介してロックインアンプ(LIA)10に入力される。ロックインアンプ10は、波長可変レーザ光の信号成分から、第2の光路OP2の光路長の変動による周波数の成分を抽出する。
ロックインアンプ10の出力側には差動アンプ11が接続される。差動アンプ11は、ロックインアンプ10からの出力と圧電素子6への交流電圧との差を抽出する。
【0022】
差動アンプ11の出力側には、圧電素子駆動部12が接続される。圧電素子駆動部12は、差動アンプ11の出力信号に基づいて、波長可変レーザ光の信号成分の出力が最大または最小となる位置、またはそれ以外の特定の値となる位置において、該出力の変動が最小になるように圧電素子6を振動させる。それによって、遅延干渉計2から出力される多重化光信号の隣接パルス間の位相差が安定化される。
なお、この実施例では、差動アンプ11によってロックインアンプ10からの出力と圧電素子6への交流電圧との差を抽出して制御を行う構成としたが、差動アンプの代わりに加算アンプを使用し、ロックインアンプ10からの出力と圧電素子6への交流信号との和を抽出して制御を行う構成としてもよい。
【0023】
こうして、本発明によれば、波長可変レーザ光の信号成分を用いて、ロックインアンプ10によるフィードバック制御を行うことにより、遅延干渉計2の動作点が制御、安定化され、それによって、多重化光信号の隣接パルス間の位相差が安定化される。
【0024】
次に、図3を参照して、ロックインアンプ10によるフィードバック制御動作を説明する。図3では、位相差の基準となる点を、波長可変レーザ光の信号成分の出力が最小となる点、すなわち、波長可変レーザ光の信号成分が完全に逆位相となる点Bに設定する。圧電素子6が周波数ωmで振動すると、それによって波長可変レーザ光の信号成が変調されるが、この場合、点Bよりも光路差が少し長い点Cでは、ロックインアンプ10から、圧電素子6の周波数ωmと同じ周波数の正弦波信号が出力される。一方、点Bよりも光路差が少し短い点Aでは、振動の符号が逆になる。また、点Bでは、2倍の周波数成分2ωmしか出力されない。したがって、ロックインアンプ10の出力信号は、圧電素子6への誤差信号として使用できる。点Cにおいては、ωmが小さくなる方向にΔLが移動するように、点Aにおいては、ωmが大きくなる方向にΔLが移動するようにフィードバック制御がなされ、それによって、ωm成分が常にゼロとなるように制御がなされる。
【0025】
また、本発明の光時分割多重化装置においては、多重化光信号の隣接パルス間の位相差を安定化するとともに、光パルスの波長をλ、波長可変レーザ光の波長をλCW、多重化光信号の隣接パルス間の間隔をΔT(ΔT=ΔL/c:ΔLは光路差、cは光速度)として、遅延干渉計2の光路差の制御を波長可変レーザ光に関する遅延干渉計2の出力が最大となる位置において行う場合には、多重化光信号の隣接パルス間の位相差φを、
【数10】
JP0005152789B2_000009t.gif
ここでnは整数である、に従って制御する一方、遅延干渉計2の光路差の制御を波長可変レーザ光に関する遅延干渉計2の出力が最小となる位置において行う場合には、多重化光信号の隣接パルス間の位相差φを、
【数11】
JP0005152789B2_000010t.gif
ここでnは整数である、に従って所望の値に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の1実施例による光時分割多重化方法のフロー図である。
【図2】本発明の1実施例による光時分割多重化装置の構成を示す概略図である。
【図3】ロックインアンプによるフィードバック制御動作を説明する図である。
【符号の説明】
【0027】
1 第1の光カプラ
2 遅延干渉計
3 ビームスプリッター
4 第1のミラー
5 第2のミラー
6 圧電素子
7 第2の光カプラ
8 光フィルタ(OF)
9 フォトダイオード
10 ロックインアンプ(LIA)
11 差動アンプ
12 圧電素子駆動部
b1 第1の光カプラからの出力信号
b2 第1の分岐光信号
b3 第2の分岐光信号
b4 多重化光信号
OS1 第1の光源
OS2 第2の光源
OP1 第1の光路
OP2 第2の光路
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2