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明細書 :家禽用生育促進剤及びそれを含有する家禽用飼料

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5674258号 (P5674258)
公開番号 特開2009-240234 (P2009-240234A)
登録日 平成27年1月9日(2015.1.9)
発行日 平成27年2月25日(2015.2.25)
公開日 平成21年10月22日(2009.10.22)
発明の名称または考案の名称 家禽用生育促進剤及びそれを含有する家禽用飼料
国際特許分類 A23K   1/10        (2006.01)
A23K   1/18        (2006.01)
FI A23K 1/10 101
A23K 1/18 D
請求項の数または発明の数 2
微生物の受託番号 FERM P-13428
全頁数 16
出願番号 特願2008-091336 (P2008-091336)
出願日 平成20年3月31日(2008.3.31)
審判番号 不服 2013-019588(P2013-019588/J1)
審査請求日 平成23年3月18日(2011.3.18)
審判請求日 平成25年10月8日(2013.10.8)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】593006630
【氏名又は名称】学校法人立命館
【識別番号】508098512
【氏名又は名称】淡海再資源化協同組合
【識別番号】508098523
【氏名又は名称】株式会社タケノウチ
発明者または考案者 【氏名】久保 幹
【氏名】松宮 芳樹
【氏名】松山 高広
個別代理人の代理人 【識別番号】110000796、【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
参考文献・文献 特表2005-535337(JP,A)
特開2005-287395(JP,A)
調査した分野 A23K1/00-3/04
特許請求の範囲 【請求項1】
スズキ目サンフィッシュ科の魚類又は魚類破砕物にバチルス・サーキュランス(Bacillus circulans) HA12(FERM P-13428)株を作用させて得られる魚類分解物からなる用生育促進剤。
【請求項2】
請求項1に記載の生育促進剤を含有する用飼料。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、家禽用生育促進剤及びそれを含有する家禽用飼料に関する。
【背景技術】
【0002】
1980年代からブラックバス(オオクチバス)、ブルーギル等の外来魚が全国各地で大量に繁殖し、それによって在来種の生態系が崩壊の危機にさらされている。これらの生態系を守るため、各地でこれら外来魚の駆除が行われている。日本最大の淡水湖である琵琶湖を擁する滋賀県では、2002年10月より外来魚のリリース禁止条例が可決されるに至っている。このように、外来魚を捕獲し、処分するという活動が各地で実施されている一方で、捕獲した外来魚の再利用についての検討が進められている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ブレビバチルス属の微生物を作用させて得られる魚類分解物を含む、植物生長促進・改良剤が記載されている。しかし、捕獲した魚類の有効利用のため、更なる用途の開発が求められていた。
【0004】
また、特許文献2には、バチルス・サーキュランスHA12株によって産生されるアルカリプロテアーゼを大豆タンパク質原料に作用させて得られるペプチドを含む飼料組成物が記載されている。しかし、魚類の微生物解物を含む飼料は開発されるに至っていない。

【特許文献1】特開2005-287395号公報
【特許文献2】特開2006-124323号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、微生物による魚類分解物からなる家禽用生育促進剤及びそれを配合した家禽用飼料を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を解決することを主な目的として鋭意検討を重ねた結果、スズキ目サンフィッシュ科の魚類又はその破砕物にバチルス・サーキュランス(Bacillus circulans) HA12(FERM P-13428)株を作用させて得られる分解物を飼料に加えた場合に、優れた生育促進効果が得られることを見出し、更に鋭意検討を重ねて本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、以下の家禽用生育促進剤及び家禽用飼料に係る。
【0008】
項1:魚類又は魚類破砕物にバチルス・サーキュランス(Bacillus circulans) HA12(FERM P-13428)株を作用させて得られる魚類分解物からなる家禽用生育促進剤。
【0009】
項2:魚類がスズキ目サンフィッシュ科の魚類である項1記載の生育促進剤。
【0010】
項3:項1又は2に記載の生育促進剤を含有する家禽用飼料。
【0011】
以下、本発明について、より詳細に説明する。
【0012】
1.魚類又はその破砕物
本発明で対象となる魚類は限定的でなく、例えばスズキ目等をはじめ、各種の魚類に適用することが可能である。一般的には、スズキ目の魚類に好適である。
【0013】
スズキ目の魚類としては、例えばブラックバス、ブルーギル、アジ、ウミタナゴ、スズキ、ハゼ、ボラ等が挙げられる。この中でも、特にサンフィッシュ科に属する魚が好適である。サンフィッシュ科に属する魚としては、オオクチバス属又はブルーギル属に属する魚が挙げられる。オオクチバス属に属する魚としては、ブラックバス、コクチバス等が挙げられる。ブルーギル属に属する魚としては、例えばブルーギル等を挙げることができる。
【0014】
魚類の部位は限定されず、筋肉、内臓、表皮、骨格等から選ばれる1部分又はそのすべてを対象とすることができる。従って、後記に示すように、魚を前処理せずに1匹丸ごと破砕して分解に用いることができる。また、特定の部位だけを分解処理に供することもでき、例えば食用等に処理した後の不要な部分を対象とすることもできる。
【0015】
魚類は、その本体を破砕して破砕物としたものであってもよい。これによって、より短時間で分解することができる。破砕方法としては限定的でなく、その程度も所望の分解時間等に応じて適宜設定してもよい。破砕は、例えばミキサー、ニーダー、クラッシャー等の公知の装置を用いて実施することができる。例えば、捕獲された魚類をそのまま又は適当な洗浄を施した後にミキサーに投入し、所定の破砕を行っても良い。破砕の程度は限定的でないが、水に分散又は溶解できる程度に処理することが望ましい。例えば、破砕物がミンチ状となるまで破砕処理することが望ましい。また、前記のように、不要な部位(例えば頭部、ウロコ、内臓等)を回収し、これを破砕したものを分解処理の対象とすることもできる。
【0016】
2.バチルス・サーキュランスHA12株
本発明で用いる微生物は、バチルス・サーキュランス(Bacillus circulans) HA12株である。当該微生物は、1993年2月12日に工業技術院微生物工業技術研究所においてFERM P-13428として寄託されている。
【0017】
3.魚類分解物
本発明の魚類分解物は、魚類又は魚類破砕物に、バチルス・サーキュランスHA12株
を作用させることにより得られる。
【0018】
微生物を作用させるにあたっては、それに先立ち、魚類又はその破砕物を滅菌処理してもよい。滅菌処理することによって、微生物による分解作用をより優先的に進行させることができる。滅菌処理の方法は限定的でなく、例えば高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)等の公知の滅菌方法を採用することができる。また、公知又は市販の滅菌装置を用いて滅菌を行うこともできる。この場合、滅菌処理に先立って、予め魚類又はその破砕物に水を加えることが望ましい。加える水の配合量は、破砕物100重量部(水を添加する前に含まれていた水分を含む重量をいう。以下同じ。)に対して1,000~10,000重量部程度、好ましくは1,300~4,000重量部とすれば良い。
【0019】
次いで、魚類又は魚類破砕物に、バチルス・サーキュランスHA12株を作用させて分解処理を行う。分解処理は、一般的には、魚類又はその破砕物とHA12株とを混合し、一定時間培養して行えば良い。
【0020】
一般的には、破砕物(培地)100重量部に対して1~5%のHA12株の前培養液を1×107 cells/ml程度になるように植菌し、30~50℃程度、好ましくは50℃程度の温度で24~48時間程度培養すれば良い。この場合、攪拌しながら培養することが好ましい。攪拌の程度は、特に限定されないが、一般的には100~200rpm程度である。培養が完了した後、常法に従って分解物を回収する。
得られた分解物は精製することなくそのまま家禽用生育促進剤として用いてもよく、必要に応じて精製して用いてもよい。
【0021】
4.家禽用生育促進剤
本発明の家禽用生育促進剤は、上記魚類分解物を有効成分として含み、家禽、特に鶏の生育促進のために利用される。
【0022】
生育促進には、生長・発育の増大や、生育状態の改善、色付き・食味の改善、飼料摂取量に対する生育度合の改善等が含まれる。
【0023】
本発明の生育促進剤は、上記魚類分解物を、そのまま用いることにより、或いは公知の方法に従って製剤化することにより得ることができる。また、本発明の効果を奏する範囲内であれば、適当な担体を含めることもできる。
【0024】
生育促進剤の形態も特に限定されないが、例えば、粉末、液状などの形態とすることができる。
【0025】
本発明の生育促進剤の供与方法も特に限定されないが、一般的には、家禽用飼料に添加して用いられる。例えば、ブロイラーやしゃも等の養鶏用飼料に添加して用いることができる。また生育促進剤を食事や飲料水に混ぜて供与したり、サプリメントとして単体又は適当な溶媒で希釈して供与したりすることもできる。
【0026】
家禽用生育促進剤の供与量は、家禽の種類、サイズ等に応じて任意に選択でき、特に限定されないが、例えば、近江しゃもでは、孵化から成鳥までにおける一羽あたりの一日の飼料消費量の平均が近江しゃもでは90g程度であるので、1羽に対する1日あたりの量で0.02g~2g程度である。
【0027】
5.家禽用飼料
本発明の家禽用飼料は、上記家禽用生育促進剤を含有する飼料であり、例えば、ブロイラーやしゃも等の養鶏用飼料が含まれる。
【0028】
本発明の飼料は、上記家禽用生育促進剤を、市販の家禽用飼料又は自家配合飼料に添加することにより得ることができる。
【0029】
添加方法は、特に限定されず、例えば、家禽用生育促進剤を飼料に直接配合してもよく、適当な溶媒で希釈して配合してもよい。また飼料に含まれる公知の他の成分と混合した後、得られた混合物を飼料に配合して得ることもできる。
【0030】
家禽用飼料における家禽用生育促進剤の配合割合は、家禽の種類、サイズ等に応じて任意に選択でき、特に限定されないが、飼料1 kgに対し、魚類分解物が、0.02g~20g程度、特に0.25~2.5g程度であることが好ましい。また、飼料全体に対し、魚類分解物が、0.002~2重量%程度、特に0.025~0.25重量%程度であることが好ましい。
【0031】
飼料には、上記生育促進剤以外に、通常の飼料に含まれる公知の成分を配合することができる。またその配合割合は、本発明の効果を奏する範囲内で適宜設定することができる。
【0032】
上記生育促進剤以外の成分としては、蛋白源、エネルギー源、カルシウム源、ビタミン類、ミネラル等が挙げられる。
【0033】
蛋白源としては、フィッシュミール、大豆粕、またDL-メチオニン等のアミノ酸等が挙げられる。
【0034】
エネルギー源としては、とうもろこし等の炭水化物や、脂肪が挙げられる。
【0035】
カルシウム源としては、炭酸カルシウムが挙げられる。
【0036】
また、ビタミン類、ミネラルとしては、公知の飼料に配合されているものと同様のものを用いることができる。
【0037】
特に、本発明の飼料においては、上記家禽用生育促進剤とフィッシュミールを併用して含んでいることが好ましい。フィッシュミールは魚類を乾燥・粉体化して得られるものであり、魚の種類は特に限定されないが、スズキ目の魚類、特に、スズキ目サンフィッシュ科の魚類のフィッシュミールが好適である。フィッシュミールは飼料に配合するため、骨などが完全に粉体になっていることが好ましい。
【0038】
併用する場合の配合割合も、本発明の効果を奏する範囲内であれば、家禽の種類、サイズ等に応じて任意に選択でき、特に限定されないが、飼料全体に対し、魚類分解物とフィッシュミールを合わせた量が、1~10重量%、特に2.5~5重量%程度であり、かつ、魚類分解物が0.002~2重量%程度、特に0.025~0.25重量%程度であることが、生育促進効率に優れることなどから望ましい。
【0039】
本発明の飼料の供与量も、家禽の種類、サイズ等に応じて任意に選択でき、特に限定されない。例えば、しゃもの場合は、一般的に、孵化から成鳥までにおける一羽あたりの一日の飼料消費量の平均が近江しゃもでは90g程度であるので、1羽に対する1日あたりの量で1~5g程度である。
【発明の効果】
【0040】
本発明の家禽用生育促進剤並びにそれを含有する家禽用飼料は、家禽の生育を効率良く促進することができる。更に本発明の家禽用生育促進剤は天然の有機物であり、安全性も高い。また、本発明によれば魚類を廃棄せずに有効利用することができ、環境の保全にも貢献することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、実施例及び比較例を用いて本発明をより詳細に説明する。ただし、本発明は、これら実施例に限定されない。
【0042】
また、特記しない限り、各例中の%は重量%を示す。
【0043】
実施例1:HA12(FERM P-13428)株による魚類分解物(以下、「FP」)の作製
B. circulans HA12をLB培地(1%ポリペプトン、0.5%乾燥酵母エキス、0.5%塩化ナトリウム)で37℃、120rpmで20時間培養した。これを前培養液とし、20L容のジャーファーメンターで7.5%(w/v)のブルーギル培地に1%植菌し、50℃で48時間培養した。培養液を10,000rpmで5分間遠心分離し、この上清をFPとした。
【0044】
参考例1.大豆粕分解物(以下、「DSP」)の作製
LB液体培地5 mlにバチルス・サーキュランスHA12 株を一白金耳植菌し、37 ℃で一晩振とう培養した。この前培養液を10 %(w/v)大豆ミール培地(ホーネン、東京)に1 %(v/v)植菌し、50 ℃、120 rpm、48時間培養した。培養液を遠心分離し、得られた上清のpHが9.0をこえたものをDSPとした。
【0045】
参考例2.琵琶湖由来外来魚(ブルーギル)フィッシュミール(以下、「FM」)の作製
ブルーギルを、一般のフィッシュミールの作製方法に従って、乾燥させ、ミキサーにより粉砕し、骨などが完全に粉体になっていることを確認後、得られたものを、FMとして以下の試験に用いた。
【0046】
実施例2:フィッシュペプチド(FP)のブロイラーに対する生育促進試験
1)試験対象
各実験系で、24羽のブロイラーを用いた。
【0047】
2)試験方法
市販飼料に表1に示す割合でFPとFMを配合して調製した試験飼料を、対象のブロイラーに、6週間与えて試験した。
【0048】
尚、表1において、%は飼料全体に対するFP又はFMの配合割合を示す。
【0049】
【表1】
JP0005674258B2_000002t.gif
3)試験項目
増体重
試験開始時及び試験終了時に個体別体重を測定し、各系ごとに増体重を算出した後、FP0%における増体重を100%として、それに対する比率で示した。
【0050】
飼料要求率
試験期間中の飼料摂取量を系毎に測定し、
式:飼料要求率(%)=飼料摂取量(kg)/増体量(kg)
を用いて算出した。
【0051】
4)試験結果
試験結果を図1に示す。
【0052】
図1に示されるように、ブルーギルをB. circulans HA12株により分解して得られるFPを含有させた場合には、ブロイラーの体重が顕著に増加していた。このことから、FPが生育促進効果を有していることが明らかになった。
【0053】
また、体重増加と飼料消費量の関係を考えたときには、体重増加が大きく、飼料要求率が低いことが好ましいが、FPを加えた飼料を与えたものは、体重増加が大きい一方で、飼料要求率が低く、効率のよい生育促進効果が得られることが明らかとなった。
【0054】
実施例3:近江しゃも短期間生育試験
1)試験対象
各実験系で30羽の近江しゃもを用いた。実験に用いたしゃもは、孵化後3週間目の個体を用い、平均体重を調整してから用いた。
【0055】
2)試験方法
市販飼料に、表2に示す割合でFPとFMを配合して調製した試験飼料を、対象のしゃもに、6週間与えて試験した。
【0056】
また、比較のため、市販飼料に表2に示す割合でDSPと大豆ミール(以下、「大豆M」)を配合して調製した飼料を用いる以外は、上記と同様の試験を行った。
【0057】
また、対照として、市販飼料に市販のフィッシュミール(主原料:スケソウダラ(タラ目タラ科)を5%配合して調製した飼料を用いる以外は、上記と同様の実験を行った。
【0058】
尚、表2において、%は飼料全体に対する配合割合を示す。
【0059】
【表2】
JP0005674258B2_000003t.gif
3)試験項目
増体重
試験開始時及び試験終了時に個体別体重を測定し、各系ごとに増体重を算出した後、系1(対照)における増体重を100%として、それに対する比率で示した。
【0060】
4)試験結果
得られた結果を図2に示す。
【0061】
この結果より、FPを配合した飼料は、DSPを配合した飼料より増体重が大きく、生育効果が高いことがわかった。
【0062】
実施例4:近江しゃも長期間生育試験
上記実験は近江しゃもの実際の出荷までの期間を考えると短期間であることから、さらに長期間の実験を行うこととした。
【0063】
1)試験対象
1試験区あたり、近江しゃも32羽を対象とする以外は、実施例3と同様とした。
【0064】
2)試験方法
自家配合飼料に、表3に示す割合でFPとFMを配合して調製した試験飼料を、対象のしゃもに20週間与えて試験を行った。
【0065】
尚、表3において、%は飼料全体に対する配合割合を示す。
【0066】
【表3】
JP0005674258B2_000004t.gif
自家配合飼料は、前期(0週目~4週目)は、表4に示す組成の飼料を用い、後期(4週目~16週目)は、表5に示す組成の飼料を用いた。また、成鶏期(17週目~20週目)は、市販の採卵鶏成鶏用飼料と同等のものを用いた。
【0067】
【表4】
JP0005674258B2_000005t.gif

【0068】
【表5】
JP0005674258B2_000006t.gif
3)試験項目
増体重
試験開始時及び試験終了時に個体別体重を測定し、各系ごとに増体重を算出した後、FP0%における増体重を100%として、それに対する比率で示した。
【0069】
飼料要求率
試験期間中の飼料摂取量を系毎に測定し、
式:飼料要求率(%)=飼料摂取量(kg)/増体量(kg)
を用いて算出した。
【0070】
4)試験結果
試験結果を図3に示す。
【0071】
図3に示されるように、FPを加えた飼料は、FPを加えていない飼料と比較して体重増加が良好であった。また飼料要求率が低く、効率の良い生育促進効果が得られていることがわかった。
【0072】
実施例5:生育効果確認試験
FPのサプリメントとしての効果を解析するため、表6の項目1.に示す条件で近江しゃもを20週間飼育し、その影響を解析した。
【0073】
表6の項目2~5に結果を示す。
【0074】
尚、項目2中、aとbとはこの2つの間に有意な差があることを示す。aとaとはこの2つの間に有意な差がないことを示す。
【0075】
また、項目3における育成率は、式:育成率=(供試鶏-へい死鶏)/供試鶏×100
により算出して求めた。
【0076】
また、項目4及び5における数値は、20週間の試験期間後の測定値を示す。
【0077】
【表6】
JP0005674258B2_000007t.gif
表6の結果に示されるように、FPを0.25%配合した飼料を与えた場合、FPを配合していない飼料を与えた場合に対して、20週目の♂(雄)では約3%、16週目の♀(雌)では約9%の体重増加が確認できた。
【0078】
また飲料水にFPを0.25%添加して与えた場合、添加しなかった場合と比較して、腹腔内脂肪は、♀(雌)で約35%の増加が確認された。
【0079】
実施例6:フィッシュペプチド(FP)の採卵鶏に対する生育促進効果
FPが採卵鶏及びその卵に対する影響を解析するため、表7の項目1.に示す条件で採卵鶏を36週間飼育して試験した。
【0080】
表7の項目2~4に結果を示す。
【0081】
尚、項目2における産卵率は、式:産卵率=期間内の産卵個数/期間内の延べ羽数×100
により算出して求めた。
【0082】
また、項目3における生存率は、式:生存率=(供試鶏-へい死鶏)/供試鶏×100
により算出して求めた。
【0083】
また、項目4における検査成績は、36週間の試験期間後に採卵したものの検査結果を示す。
【0084】
【表7】
JP0005674258B2_000008t.gif
表7に示されるように、市販飼料にFP0.25%添加した飼料を、採卵鶏に36週間与えたとき、FPを添加しない飼料を与えた場合と比較して、卵黄色で有意な差が確認された。
【0085】
実施例7:FPを与えた近江しゃもの官能評価試験
実施例4における、FPを配合してない飼料で飼育した近江しゃも(以下「FP0%」)、及び、FPを0.25%含有させた飼料で飼育した近江しゃも(以下「FP0.25%」)を用いて食味試験を行った。
【0086】
近江しゃもを解体後、一晩3%食塩水に浸し、ホットプレートで焼いたものを、試食サンプルとした。
【0087】
図4に示すように配置した「あ」~「か」のテーブルに、それぞれA及びBの皿を用意し、試食サンプルをランダムに並べた。
被験者に、最初にA、次にBを食べてもらった後、Aに対しBはどうであったかについてアンケートを行った。試験は、シュッフェの対比較法、2点識別法及び2点嗜好法により行った。
【0088】
シュッフェの対比較法においては、下記項目1)~3)の質問を行い、味、かたさ、総合評価についてA及びBの評価点をとり、FP0%に対するFP0.25%の相対的な値で評価した。評価点は全被験者の5段階評価(-2~+2)の平均値とした。
【0089】
[質問内容]
1)Aのは、Bに比べてどうですか?
(Aの方が)
良い やや良い 差がない やや悪い 悪い
2)Aのかたさは、Bに比べてどうか?
(Aの方が)
かたい ややかたい 差がない やややわらかい やわらかい
3)Aの総合評価は、Bに比べてどうか(全体的に)
(Aの方が)
良い やや良い 差がない やや悪い 悪い
【0090】
評価結果を表8に示す。
【0091】
【表8】
JP0005674258B2_000009t.gif
その結果、FPを配合していない飼料で飼育したもの(FP0%)と比較して、FP 0.25%含有飼料で飼育したもの(FP0.25%)の方が、味、かたさ、嗜好等において高い評価が得られた。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】FP配合飼料をブロイラーに与えて行った生育促進試験の結果を示す図面である。左は増体重の割合、右は飼料要求率を示すグラフである。
【図2】FP配合飼料及びDSP配合飼料を近江しゃもに与えて行った試験における増体重の割合を示す図面である。
【図3】FP配合飼料を20週間近江しゃもに与えて行った生育促進試験の結果を示す図面である。左は増体重の割合、右は飼料要求率を示すグラフである。
【図4】食味試験におけるテーブルの配置を示した図面である。
図面
【図4】
0
【図1】
1
【図2】
2
【図3】
3