TOP > 国内特許検索 > 検体中に含まれるアデノシン三リン酸の分析方法 > 明細書

明細書 :検体中に含まれるアデノシン三リン酸の分析方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4940432号 (P4940432)
登録日 平成24年3月9日(2012.3.9)
発行日 平成24年5月30日(2012.5.30)
発明の名称または考案の名称 検体中に含まれるアデノシン三リン酸の分析方法
国際特許分類 C12Q   1/26        (2006.01)
C12Q   1/48        (2006.01)
C12Q   1/42        (2006.01)
FI C12Q 1/26
C12Q 1/48 Z
C12Q 1/42
請求項の数または発明の数 11
全頁数 23
出願番号 特願2007-514729 (P2007-514729)
出願日 平成18年4月25日(2006.4.25)
国際出願番号 PCT/JP2006/308601
国際公開番号 WO2006/118093
国際公開日 平成18年11月9日(2006.11.9)
優先権出願番号 2005129214
優先日 平成17年4月27日(2005.4.27)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成21年4月20日(2009.4.20)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504173471
【氏名又は名称】国立大学法人北海道大学
発明者または考案者 【氏名】石田 晃彦
【氏名】山田 泰子
【氏名】上舘 民夫
個別代理人の代理人 【識別番号】110000109、【氏名又は名称】特許業務法人特許事務所サイクス
審査官 【審査官】小暮 道明
参考文献・文献 米国特許出願公開第2004/0259186(US,A1)
日本分析化学会第52年会講演要旨集(2003) p.230(2K01)
調査した分野 CA/BIOSIS/MEDLINE/WPIDS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII)
特許請求の範囲 【請求項1】
以下の工程1~4を含む、検体中に含まれるアデノシン三リン酸の分析方法であって、発色試薬がキシレノールオレンジまたはクロマズロールSからであり、
前記発色試薬がキシレノールオレンジである場合には、検体中に含まれるアデノシン三リン酸濃度が、あらかじめ定めた境界濃度よりも高いときに工程3で得た混合物が紫を呈し、低いときには黄を呈するように、キシレノールオレンジ濃度及び反応時間を設定し、
前記発色試薬がクロマズロールSである場合には、検体中に含まれるアデノシン三リン酸濃度が、あらかじめ定めた境界濃度よりも高いときに工程3で得た混合物が青を呈し、低いときには橙を呈するように、クロマズロールS濃度及び反応時間を設定する方法。
工程1:前記検体とアデノシンモノリン酸、ホスホエノールピルビン酸、アデニル酸キナーゼおよびピルビン酸キナーゼとを混合し、所定時間保持する工程、
工程2:工程1で得た混合物の少なくとも一部に酸およびピルビン酸オキシダーゼを加えて所定時間保持する工程、
工程3:工程2で得た混合物の少なくとも一部に酸、鉄(II)、および発色試薬を加えて所定時間保持する工程、および
工程4:工程3で得た混合物の色からアデノシン三リン酸の濃度を判定する工程。
【請求項2】
工程2および3で用いる酸が塩酸である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程1~4を室温(10~30℃)で行う請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
工程3で得た混合物の色を目視観察して、検体中に含まれるアデノシン三リン酸の濃度が、あらかじめ定めた境界濃度より高いか、低いかを判定する請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
アデノシンモノリン酸として、アピラーゼ処理したアデノシンモノリン酸試薬を用いる請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
以下の試薬1~3を含み、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法に用いられる、検体中に含まれるアデノシン三リン酸の分析用キット。
1:アデノシンモノリン酸、ホスホエノールピルビン酸、アデニル酸キナーゼおよびピルビン酸キナーゼ、
2:酸およびピルビン酸オキシダーゼ、並びに
3:酸、鉄(II)、および発色試薬、但し、発色試薬は、キシレノールオレンジまたはクロマズロールSである。
【請求項7】
境界濃度より高い場合および低い場合の発色の色見本を含む請求項6に記載のキット。
【請求項8】
キットの説明書を含む請求項6または7に記載のキット。
【請求項9】
アデノシンモノリン酸が、アピラーゼ処理したアデノシンモノリン酸試薬である請求項6~8のいずれか1項に記載のキット。
【請求項10】
検体および試薬を混合し、発色を見るための容器を含む請求項6~9のいずれか1項に記載のキット。
【請求項11】
前記容器がマルチタイタープレートである請求項10に記載のキット。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、検体中に含まれるアデノシン三リン酸の分析方法に関する。特に、本発明は、アデノシン三リン酸の濃度を目視で判定する方法に関する。さらに詳細には、食品製造現場などの衛生試験などにおいて、食品に含まれる細菌数を、アデノシン三リン酸を指標物質として測定する際、細菌から抽出したアデノシン三リン酸の濃度レベルの判定に有用な簡易判定法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、食品の安全に関する関心が高まってきており、簡便かつ迅速に検査する方法が求められている。これまでの衛生試験は、採取した細菌を培養したのち、コロニーを計数する方法が用いられてきた。この方法は、培養方法の選択により菌種を同定して、計数することができるが、培養するための設備と技術さらに一日以上の培養時間が必要であった。そのため、試験結果を製造工程に迅速に反映させるためには用いられていなかった。
【0003】
一方、細菌の代わりにアデノシン三リン酸(ATP)を、ホタル生物発光反応を利用して測定する方法がある。
1.E.W.Chappelle,G.V.Levin,Biochemical Medicine 2 41-52 1968 Use of the firefly bioluminescent reaction for rapid detection and counting of bacteria.(非特許文献1)
2.Arne Lundin,Methods in Enzymology,Volume 305,2000,Pages 346-370(Use of firefly luciferase in atp-related assays of biomass,enzymes,and metabolites)(非特許文献2)
【0004】
食品製造環境において検出されるATPは、おもに細菌と食品残さに由来しており、細菌由来のATPはそのまま食中毒などの原因になる可能性を示し、食品残さ由来のATPはその食品残さが細菌の繁殖源になる可能性を示す。また、サンプル中の細菌数とATP濃度の間には相関があることも知られている。
本間茂,食品と開発,Vol.31 pages 22-25 1997(非特許文献3)
Stanley PE,McCarthy BJ,Smither R,editors.ATP luminescence:rapid methods in microbiology.Oxford:Blackwell Scientific Publications;1989 pages 175-181(非特許文献4)
【0005】
この方法を用いると、培養なしに迅速に測定することができるため、ATPは現在清浄度の指標物質として注目されている。しかし、この方法は、迅速に結果が得られるものの、高価な専用機器が必要であった。また、安価な測定器も提供されているが、微量のATPを高感度に測定するには感度的に不十分とされていた。
【0006】
実際の現場では、製品がそれに定められた基準値を満たしているかどうかを知るだけでよいことも多く、そのためには必ずしも高価な装置は必要ではない。しかし、上記の方法以外にATPを測定する方法はなかった。
【0007】
一方、上記測定器よりも安価な測定器として比色計がある。そこで、本発明者らは、ATPの比色法を開発している。
1.石田晃彦,青島陽子,谷博文,上舘民夫,第63回分析化学討論会講演要旨集p.92講演番号2F05(非特許文献5)
2.青島陽子,石田晃彦,谷博文,上舘民夫,日本分析化学会第52年会講演要旨集p.230講演番号2K01(非特許文献6)
3.石田晃彦,青島陽子,谷博文,上舘民夫,第65回分析化学討論会講演要旨集p.68講演番号D2022(非特許文献7)
【0008】
この方法は、まず、ATP濃度を、アデニル酸キナーゼとピルビン酸キナーゼの酵素反応により増幅する。これは、ATPの対象濃度が数十ピコ~数ナノmol/lと非常に微量であるのに対して、比色計がもともとそれに十分な感度をもたず、ATP自体の吸収も小さいからである。続いて、増幅されたATPと当量生成するピルビン酸をピルビン酸オキシダーゼのもとで反応させることにより、過酸化水素を生成させる。次に、過酸化水素と水素供与系呈色試薬(トリンダー試薬)をペルオキシダーゼのもとで反応させ、紫色の色素を生成させる。最終的に、紫色の濃淡を比色計で測定することにより、試料中のATP濃度を決定する。しかし、この方法においても、測定装置が必要であり、基準値を満たしているかどうかを簡便に判定するという点では限界があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで本発明は、上記技術のもつ課題を解決すべく、食品衛生検査における有用な指標物質であるATPを、特別な測定装置なしに一目するだけで簡便に判定できる方法およびこの方法に使用するキットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記問題点を解決するため判定方法について検討を重ねた結果、発色試薬を適切に選択することにより、特定のATP濃度に対して、それよりも濃度が高いか低いかを色別で発色させて、簡便に目視で判定できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、ATP濃度の増加に伴って、色の濃淡が変化するのではなく、あるATP濃度を境界にその上下で溶液が、異なる色(色相)を呈することを特徴とする方法である。さらに、色の違いが生じる境界の濃度を試料ごとの基準値となるように、加える試薬濃度等や反応条件により設定可能であることを特徴とする。本発明は、具体的には以下の通りである。
【0011】
本発明は以下の通りである。
[1]以下の工程1~4を含む、検体中に含まれるアデノシン三リン酸の分析方法であって、発色試薬がキシレノールオレンジまたはクロマズロールSからであり、
前記発色試薬がキシレノールオレンジである場合には、検体中に含まれるアデノシン三リン酸濃度が、あらかじめ定めた境界濃度よりも高いときに工程3で得た混合物が紫を呈し、低いときには黄を呈するように、キシレノールオレンジ濃度及び反応時間を設定し、
前記発色試薬がクロマズロールSである場合には、検体中に含まれるアデノシン三リン酸濃度が、あらかじめ定めた境界濃度よりも高いときに工程3で得た混合物が青を呈し、低いときには橙を呈するように、クロマズロールS濃度及び反応時間を設定する方法。
工程1:前記検体とアデノシンモノリン酸、ホスホエノールピルビン酸、アデニル酸キナーゼおよびピルビン酸キナーゼとを混合し、所定時間保持する工程、
工程2:工程1で得た混合物の少なくとも一部に酸およびピルビン酸オキシダーゼを加えて所定時間保持する工程、
工程3:工程2で得た混合物の少なくとも一部に酸、鉄(II)、および発色試薬を加えて所定時間保持する工程、および
工程4:工程3で得た混合物の色からアデノシン三リン酸の濃度を判定する工程。
[2]工程2および3で用いる酸が塩酸である[1]に記載の方法。
[3]工程1~4を室温(10~30℃)で行う[1]または[2]に記載の方法。
[4]工程3で得た混合物の色を目視観察して、検体中に含まれるアデノシン三リン酸の濃度が、あらかじめ定めた境界濃度より高いか、低いかを判定する[1]~[3]のいずれかに記載の方法。
[5]アデノシンモノリン酸として、アピラーゼ処理したアデノシンモノリン酸試薬を用いる[1]~[4]のいずれかに記載の方法。
[6]以下の試薬1~3を含み、[1]~[5]のいずれかに記載の方法に用いられる、検体中に含まれるアデノシン三リン酸の分析用キット。
1:アデノシンモノリン酸、ホスホエノールピルビン酸、アデニル酸キナーゼおよびピルビン酸キナーゼ、
2:酸およびピルビン酸オキシダーゼ、並びに
3:酸、鉄(II)、および発色試薬、但し、発色試薬は、キシレノールオレンジまたはクロマズロールSである。
[7]境界濃度より高い場合および低い場合の発色の色見本を含む[6]に記載のキット。
[8]キットの説明書を含む[6]または[7]に記載のキット。
[9]アデノシンモノリン酸が、アピラーゼ処理したアデノシンモノリン酸試薬である[6]~[8]のいずれかに記載のキット。
[10]検体および試薬を混合し、発色を見るための容器を含む[6]~[9]のいずれかに記載のキット。
[11]前記容器がマルチタイタープレートである[10]に記載のキット。
【0012】
本発明の方法によれば、微量のATPを目視で簡便に判定することが可能となるため、コスト的な問題から高価な測定器の導入が難しかった現場でも衛生検査を容易に行うことが可能となり、衛生検査の普及に貢献することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の検体中に含まれるアデノシン三リン酸(ATP)の分析方法は、以下の工程1~4を含む。
工程1:前記検体とアデノシンモノリン酸(AMP)、ホスホエノールピルビン酸、アデニル酸キナーゼおよびピルビン酸キナーゼとを混合し、所定時間保持する工程、
工程2:工程1で得た混合物の少なくとも一部に酸およびピルビン酸オキシダーゼを加えて所定時間保持する工程、
工程3:工程2で得た混合物の少なくとも一部に酸、鉄(II)、および発色試薬を加えて所定時間保持する工程、および
工程4:工程3で得た混合物の色からアデノシン三リン酸(ATP)の濃度を判定する工程。
【0014】
これらの各工程について以下の反応スキームを参照して説明する。尚、以下のスキームでは、発色試薬としてキシレノールオレンジを用いた反応を示し、キシレノールオレンジをXOと略記する。発色試薬としてキシレノールオレンジの代りに、例えば、クロマズロールSを用い場合には、(5)および(5’)において単核キシレノールオレンジ-鉄錯体および複核キシレノールオレンジ-鉄錯体の代りに、単核クロマズロールS-鉄錯体および複核クロマズロールS-鉄錯体が形成される。
【0015】
【化1】
JP0004940432B2_000002t.gif

【0016】
(工程1)
工程1では、アデノシン三リン酸(ATP)が所定濃度を超えて含まれているか、あるいは所定濃度を下回っているかを試験すべき検体と、アデノシンモノリン酸(AMP)、ホスホエノールピルビン酸、アデニル酸キナーゼおよびピルビン酸キナーゼとを混合し、所定時間保持する。
【0017】
前記検体は、アデノシン三リン酸(ATP)の濃度から、検体に含まれる細菌数を推定できるものであれば、特に制限はないが、例えば、食品であることができる。食品としては、例えば、乳製品(牛乳,加工乳,クリーム,アイスクリーム)、未加熱処理製品(サラダ,生野菜)、冷凍鮮魚類等を挙げることができる。但し、これらは単なる例示であり、これらに限定される意図はない。また、前記検体は、食品製造用の器具等の汚染物質であることもできる。
【0018】
検体が、例えば、食品の場合、まず、食品を適当な方法で粉砕し溶液状にしたのち、必要に応じて、界面活性剤等を加えてそこに含まれる細菌の細胞膜を溶解し、アデノシン三リン酸(ATP)を細菌内から放出させる。このように得られた試料溶液を検体として使用できる。また、検体が食品製造用の器具等の汚染物質であり、本発明の方法により、器具等の汚染度を判定する場合は、緩衝液等で湿らせた適当な布またはろ紙で器具を拭い、緩衝液を含む試験管の中で洗うことにより、細菌など汚染物が溶解した試料液を調製することができ、この試料液を検体として使用できる。
【0019】
このように調製した検体を、アデノシンモノリン酸、ホスホエノールピルビン酸、アデニル酸キナーゼおよびピルビン酸キナーゼと混合し、所定時間保持する。この際、さらにpH緩衝液を用いることができ、このpH緩衝液のpHは、アデニル酸キナーゼ、およびピルビン酸キナーゼの活性を考慮して決定され、pH7.5~8.0の範囲であることが好ましい。また、工程1で用いるpH緩衝剤は、工程3で鉄(II)-XO系を用いる場合は、鉄イオンと結合しない緩衝剤が望ましい。その例として、限定されるものではないが、グッド緩衝剤(ピペラジン-1、4-ビス(2-エタンスルホン酸)(PIPES)、2-ヒドロキシ-3-モルフォリノプロパンスルホン酸(MOPSO)など)があげられる。
【0020】
尚、リン酸およびクエン酸は、工程3において、鉄と結合し発色反応を阻害するため良好な発色が得られない、という実験結果が得られている。そこで、試料中にリン酸やクエン酸が含まれる場合は、アルミニウムイオンなどを添加することでそれらを封鎖することが適当である。
【0021】
アデノシンモノリン酸、ホスホエノールピルビン酸、アデニル酸キナーゼ、pH緩衝液、およびピルビン酸キナーゼは、検体に加えて室温(例えば、10~30℃)で反応させる。ATPの増幅反応の開始を制御するという観点からは、例えば、酵素の一方とほかの試薬をあらかじめ混合したものを試料に加えたあとに、もう一方の酵素を加えるという方法を取ることができる。あるいは、酵素以外の試薬をあらかじめ混合したものを試料に加えたあとに、もう2つの酵素を加えるという方法を取ることもできる。二つの酵素をはじめに試料に加えると、酵素や試料などにそれらの基質が微量に含まれている場合、ATPの増幅反応が開始してしまうおそれがある。そのため、少なくとも一方の酵素を最後に加えることが適当である。また、酵素の一方とほかの試薬をあらかじめ混合したもの、あるいは酵素以外の試薬をあらかじめ混合したものを準備しておくことで、試薬添加の手間を省くこともできる。
【0022】
上記スキーム1に示すように、(1)で示すアデニル酸キナーゼの反応により、ATPおよびAMPからADPが合成され、(2)に示すピルビン酸キナーゼの反応により、ADPとホスホエノールピルビン酸とから、ATPとピルビン酸が合成される。したがって、検体中にATPが含まれている場合、上記(1)および(2)の反応により、ATPの量が増幅され、かつピルビン酸が蓄積される。
【0023】
アデノシンモノリン酸、ホスホエノールピルビン酸、アデニル酸キナーゼ、およびピルビン酸キナーゼの添加量は、後述する参考例8に挙げたパラメーターΔt、t1/2およびΔAを用いて,境界濃度の前後の判別したい二つの濃度の曲線が図13のように離れるような条件を選ぶことが適当である。Δtは、吸光度が吸光度差の1/2に到達するまでの時間差であり、t1/2は、ブランク試料([ATP]=0M)の吸光度が吸光度差の1/2に到達するまでの時間であり、ΔAは、ベースラインと最大吸光度の差である。
【0024】
但し、アデノシンモノリン酸は、例えば、4×10-5~1×10-4Mの範囲、
ホスホエノールピルビン酸は、例えば、4×10-5~6×10-5Mの範囲、
アデニル酸キナーゼは、例えば、1.5~2.0U/mlの範囲、
ピルビン酸キナーゼは、例えば、1.8~2.0U/mlの範囲、
とすることができる。
【0025】
(1)および(2)の反応、即ち工程1は、所定時間行うが、この所定時間は、以下のように決定される。参考例8で示すように、異なる濃度のATPを用いて図13のような反応曲線を作成し、その図において、はじめて紫色を示す吸光度を通る水平線と境界濃度としようとするATP濃度の曲線が交わった点の時間を反応時間とする。工程1の所定時間は、境界濃度によって変化するが、上記方法で適宜決定できる。
【0026】
尚、市販のアデノシンモノリン酸(AMP)試薬には微量のATPまたはADPが含まれることがある。このようなAMPをそのまま用いて本発明の方法を実施すると、参考例7で示すように、より低濃度のATPを測定できない場合がある。そこで、含まれる微量のATPまたはADPを分解するために、市販のアデノシンモノリン酸(AMP)試薬をアピラーゼで処理することが好ましい。AMP試薬のアピラーゼ処理は、例えば、AMP試薬の溶液にアピラーゼを添加し、37℃でインキュベートし、その後、加熱してアピラーゼを不活性化することで行うことができる。より具体的には、例として、AMP溶液25mlを調製する場合について述べると、AMPおよびアピラーゼ20Uを約20mlの水に溶解し、37℃で2時間インキュベーションする。その後、95℃で10分加熱し、次いで、室温まで冷却して、水で25mlに希釈することで、アピラーゼで処理したAMP水溶液が得られる。
【0027】
(工程2)
工程2では、工程1で得た混合物の少なくとも一部に酸およびピルビン酸オキシダーゼを加えて所定時間保持する。工程2では、スキーム1の(3)で示す反応により、(2)の反応の生成物であるピルビン酸が、ピルビン酸オキシダーゼの作用により、酸素およびPi(リン酸)と反応して、アセチルリン酸、二酸化炭素および過酸化水素を生成する。
【0028】
工程2で用いる酸は、例えば、塩酸であることができるが塩酸以外に、硝酸、硫酸等を用いることもできる。
【0029】
酸の添加量は、工程2でピルビン酸オキシダーゼの活性が最大となるpH5.5~6.2になるように決定することが適当である。ピルビン酸オキシダーゼの添加量は、工程2の反応が短時間でほぼ終了するような値で、かつ使用量を節約する見地からその中で低濃度のものを選択することが適当であり、ピルビン酸オキシダーゼの量は、例えば、3~6U/mlの範囲とすることができる。工程2も室温(例えば、10~30℃)で行うことができる。
【0030】
工程2でもpH緩衝剤を用いることができ、工程1と同様に、工程3で鉄(II)-XO系を用いる場合は、鉄イオンと結合しない緩衝剤が望ましい。その例として、限定されるものではないが、グッド緩衝剤(ピペラジン-1、4-ビス(2-エタンスルホン酸)(PIPES)、2-ヒドロキシ-3-モルフォリノプロパンスルホン酸(MOPSO)など)があげられる。工程2における反応pHは、ピルビン酸オキシダーゼが十分な活性を示す5.5~6.2が好ましい。
【0031】
(3)の反応、即ち工程2は、所定時間行うが、この所定時間は、以下のように決定される。参考例6に示す方法により得られる図11で示すように、吸光度が最大値に到達した時間とすることが適当である。工程2の所定時間は、通常、例えば、5分間程度とすることができる。
【0032】
(工程3)
工程3では、工程2で得た混合物の少なくとも一部に酸、鉄(II)、および発色試薬を加えて所定時間保持する。発色試薬は、本発明の特徴とするATPの濃度の境界値の前後で色の変化を生ずるような試薬であれば、特に限定されないが、例えば、キシレノールオレンジ、クロマズロールS、メチルチモールブルーまたはメチルキシレノールブルーであることができる。
【0033】
工程3では、発色試薬としてキシレノールオレンジを用いる場合、スキーム1における(4)、(5)および(5’)の反応が進行する。(4)では、(3)の反応の生成物である過酸化水素と鉄(II)[Fe2+]が、酸性条件下(Hイオンの存在下)で、反応して鉄(III)[Fe3+]が生成する。次いで、鉄(III)[Fe3+]とキシレノールオレンジとが反応し、単核キシレノールオレンジ-鉄錯体が生成し、さらにこの単核キシレノールオレンジ-鉄(III)[Fe3+]とが反応して複核キシレノールオレンジ-鉄錯体が生成する。
【0034】
キシレノールオレンジに代わって、クロマズロールSを用いる場合には、単核クロマズロールS-鉄錯体および複核クロマズロールS-鉄錯体が形成される。キシレノールオレンジに代わって、メチルチモールブルーを用いる場合には、単核メチルチモールブルー-鉄錯体および複核メチルチモールブルー-鉄錯体が形成される。キシレノールオレンジに代わって、メチルキシレノールブルーを用いる場合には、単核メチルキシレノールブルー-鉄錯体および複核メチルキシレノールブルー-鉄錯体が形成される。
【0035】
工程3で用いる酸は、例えば、塩酸であることができるが塩酸以外に、硝酸、硫酸等を用いることもできる。また、鉄(II)は、例えば、硫酸第一鉄アンモニウム(モール塩)等であることができる。工程3も室温(例えば、10~30℃)で行うことができる。
【0036】
(工程4)
工程4では、工程3で得た混合物の色からアデノシン三リン酸(ATP)の濃度を判定する。工程3における(4)、(5)および(5’)の反応により、検体に含まれていたATP濃度に応じて、発色試薬がキシレノールオレンジの場合、単核キシレノールオレンジ-鉄錯体および複核キシレノールオレンジ-鉄錯体の生成量が決まる。これにより、検体中のATP濃度があらかじめ定めた境界濃度よりも高いとき紫、低いとき黄と、異なる色を呈し、これを目視観察することで検体中のATP濃度レベルを判定することができる。さらにそれにより、検体中の細菌量を把握することもできる。
【0037】
発色試薬としてクロマズロールSを用いた場合、検体に含まれていたATP濃度に応じて、単核クロマズロールS-鉄錯体および複核クロマズロールS-鉄錯体の生成量が決まる。そして、検体中のATP濃度があらかじめ定めた境界濃度よりも高いとき青、低いとき橙と、異なる色を呈し、これを目視観察することで検体中のATP濃度レベルを判定することができる。さらにそれにより、検体中の細菌量を把握することもできる。
【0038】
発色試薬としてメチルチモールブルーまたはメチルキシレノールブルーを用いた場合にも、検体中のATP濃度があらかじめ定めた境界濃度よりも高いときと低いときとで、異なる色を呈し、これを目視観察することで検体中のATP濃度レベルを判定することができる。さらにそれにより、検体中の細菌量を把握することもできる。
【0039】
本発明の方法においては、検体中に含まれるアデノシン三リン酸濃度が、あらかじめ定めた境界濃度よりも高いときと低いときとで、工程3で得た混合物が呈する色が異なるように、条件を設定する。より具体的には、主に、(3)により生成する過酸化水素の濃度と工程3で用いる発色試薬の濃度を設定する。したがって、工程3における酸は、工程3におけるpHを調節するために加え、そのpHは生成する鉄(III)イオンが加水分解を受けずに安定して存在でき、かつ錯体が生成できる条件を考慮して決定する。詳細は、後述する参考例1に記述する。鉄(II)の量は、参考例4に詳述するが、少なくとも発色試薬(キシレノールオレンジ)の2倍とする。発色試薬がキシレノールオレンジの場合、2倍以上にしないと紫色が現れない。
【0040】
発色試薬の決定方法は、参考例2に詳細に記述するが、第1には、図5または6に示すように、過酸化水素濃度と発色試薬の間に直線的相関がある範囲に限定される。さらに、発色が濃すぎ、薄すぎない濃度で行う。具体的には、発色試薬との直線的相関がある範囲(例えば、2×10-6~6×10-5M)になるように設定することが適当である。(図5及び6参照)
【0041】
発色試薬がキシレノールオレンジである場合についてより具体的に説明する。境界値を挟んで異なる色への発色は、判別しようとする濃度のATPから反応式(3)により生成する過酸化水素の濃度とキシレノールオレンジの濃度を等濃度に設定することで達成できる。
【0042】
キシレノールオレンジ濃度は、生成する過酸化水素の濃度に応じて設定するが、1×10-4M以下が好ましい。それ以上では、それと等濃度の過酸化水素がキシレノールオレンジに対する酸化によって発色を妨害する。キシレノールオレンジ濃度は、好ましくは2×10-6~6×10-5Mの範囲である。です。また、境界濃度は、検査対象により、上下させることが可能であり、境界濃度はATP5×10-10M以上で設定可能である。
【0043】
さらに、境界濃度を上下する方法について以下に具体的に説明する。境界濃度を上下する方法には、主に、以下の2通りがある。
【0044】
1.キシレノールオレンジ濃度を固定し,反応時間を設定する方法
まず、キシレノールオレンジを上記の適用可能な範囲で設定する。さらに、設定したキシレノールオレンジ濃度に対して、過酸化水素濃度が増加したとき初めて紫色になるときの吸光度を求める。測定波長は,紫色の吸収に相当する波長585nmとする。続いて、境界濃度とすべきATP濃度で工程1の反応を行わせる。工程1の反応液の一部を5~15分ごとに採取し、工程2~3を行って吸光度を測定する。このときの波長も585nmとする。反応時間に対して吸光度をとって、図18(あるいは図20)のような曲線を作成する。作成した曲線から、紫色に相当する吸光度に達するまでに要した時間を決定し、これを工程1における反応時間とする。なお、様々なATP濃度で同様にして曲線を作成しておくと、容易に反応時間を設定することができる。
【0045】
2.反応時間を固定し、キシレノールオレンジ濃度を設定する方法
まず、様々なATP濃度で工程1の反応を特定の時間行ったのち、工程2を行う。続いて、すべてのATP濃度について、工程2で発生する過酸化水素濃度を工程3による方法または別の方法(比色法、電気化学的測定など)で測定する。ATP濃度と過酸化水素濃度の関係を、図21に示すようなグラフにする。このグラフから、境界濃度とすべきATP濃度に対応する過酸化水素濃度を求める。過酸化水素濃度とキシレノールオレンジが等しいとき紫になるので、その過酸化水素濃度と等しくなるようにキシレノールオレンジ濃度を設定する。ただし、求める過酸化水素濃度が上述の適用可能な過酸化水素濃度の範囲内にあるように反応時間を調節する。いくつかの反応時間において、同様のグラフを作成しておくと、適用可能な過酸化水素濃度範囲に入る反応時間を容易に定めることができる。
【0046】
キシレノールオレンジと鉄(II)イオンの濃度比の設定は、明瞭な発色のために重要であり、具体的には、キシレノールオレンジ:鉄(II)イオンのモル比が50~200の範囲であることが適当であり、特に1:100であることが好ましい。なお、発色は、反応(5)および(5’)において、過酸化水素に酸化されて生じた鉄(III)イオンとキシレノールオレンジが結合することで起きる。キシレノールオレンジに1個の鉄(III)イオンが結合したとき赤色を呈し、2個結合したとき紫色を呈する。紫色への変化は、鉄(III)イオンの濃度がキシレノールオレンジ濃度とほぼ等濃度になったとき起きる。
【0047】
発色試薬がクロマズロールS、メチルチモールブルー、またはメチルキシレノールブルーである場合、各発色試薬と鉄(II)イオンとのモル比の関係は、キシレノールオレンジと同程度である。
【0048】
さらに工程3において、酸の使用量は、pHが2前後となるとすることが適当である。
【0049】
工程3における反応pHは、2前後が好ましい。pH3以上では、鉄(II)イオンが加水分解して発色に関与できなくなるので、pHをあげることは好ましくない。また、工程1~4のすべての工程において、pH調節を用いることができ、その場合、鉄(II)および鉄(III)イオンと錯体を形成しないpH緩衝剤を用いる。そのようなpH緩衝剤としては、例えば、グッド緩衝剤(MES、ACESなど)が好ましい。
【0050】
(4)、(5)および(5’)の反応、即ち工程3は、所定時間行うが、この所定時間は、以下のように決定される。後述する参考例5に示す図10のように、紫色の吸収に相当する585nmでの吸光度と時間の曲線を作成し、吸光度がほぼ最大値に到達した時間を選ぶ。すなわち、この時間は錯体形成のための時間であるので、錯体形成がほぼ終了する時間とする。工程3の所定時間は、5分以上(例えば、5~20分)が適しているが、判定時間を短縮する観点からは5分が好ましい。
【0051】
本発明では、前記のように、目視での判定が可能である。しかし、工程3で得た混合物の色を比色計や色彩測定器を用いて測定することで、数値データとして記録することも可能である。このようにして得られる測定値はATP濃度と相関がある。
【0052】
本発明の方法は、食品製造現場において、製造途中の食品、器具の洗浄度のスクリーニング的検査に利用できる。すなわち、境界濃度よりも大きな試料を製造過程から排除するのに利用できる。
【0053】
試料ごとの手順としては、食品であれば、まず、適当な方法で粉砕し溶液状にしたのち、界面活性剤等を加えてそこに含まれる細菌の細胞膜を溶解し、ATPを細菌内から放出させる。また、器具の汚染度を判定する場合は、緩衝液等で湿らせた適当な布またはろ紙で器具を拭い、緩衝液を含む試験管の中で洗うことにより、細菌など汚染物が溶解した試料液を調製する。これらの試料を多穴プレートに移し、本発明の方法にしたがって試薬を順に滴下し、最終的に現れる発色を目視観察することで、その試料の汚染度あるいは洗浄度を判定する。ただし、試料によって、汚染の許容値あるいは基準値が異なるので、試薬濃度または反応条件によりそれらを調節しておく必要がある。
【0054】
検査結果を記録する必要がある場合は、デジタルカメラでその発色を撮影するか、吸光光度計や色彩測定器を利用することにより、検査結果を記録保存することができる。
【0055】
[分析用キット]
本発明は、検体中に含まれるアデノシン三リン酸の分析用キット包含し、このキットは、少なくとも以下の試薬1~3を含む。
1:アデノシンモノリン酸、ホスホエノールピルビン酸、アデニル酸キナーゼおよびピルビン酸キナーゼ、
2:酸およびピルビン酸オキシダーゼ、並びに
3:酸、鉄(II)、および発色試薬
【0056】
試薬1は、上記分析方法の工程1に使用される試薬である。前述のように、ATPの増幅反応の開始を制御するという観点からは、例えば、酵素の一方とほかの試薬をあらかじめ混合したものを試料に加えたあとに、もう一方の酵素を加えるという方法、または酵素以外の試薬をあらかじめ混合したものを試料に加えたあとに、もう2つの酵素を加えるという方法を取ることができるので、本発明のキットにおいては、試薬1は、酵素の一方とほかの試薬をあらかじめ混合したものと、他方の酵素の2つの試薬、または、酵素以外の試薬をあらかじめ混合したものと2つの酵素の混合物の2つの試薬からなることができる。これらの試薬は、例えば、pH緩衝液に溶解または分散したものであることが適当である。pH緩衝液用の緩衝剤としては、例えば、グッド緩衝剤(ピペラジン-1、4-ビス(2-エタンスルホン酸)(PIPES)、2-ヒドロキシ-3-モルフォリノプロパンスルホン酸(MOPSO)など)を用いることができる。また、pH緩衝液のpHは前述の方法で示したと同様にすることが適当である。
【0057】
試薬2は、上記分析方法の工程2に用いる試薬であり、酸およびピルビン酸オキシダーゼからなり、酸は、塩酸、硝酸または硫酸であることができる。酸は、適当な濃度に希釈したものであることが適当である。また、ピルビン酸オキシダーゼは、そのまま、または、試薬1と同様のpH緩衝液に溶解または分散したものであることができる。
【0058】
試薬3は、上記分析方法の工程3に用いる試薬であり、酸、鉄(II)、および発色試薬からなる。酸は、塩酸、硝酸または硫酸であることができる。酸は、適当な濃度に希釈したものであることが適当である。鉄(II)は、例えば、硫酸第一鉄アンモニウム(モール塩)等であることができる。また、発色試薬はキシレノールオレンジ、クロマズロールS、メチルチモールブルーまたはメチルキシレノールブルーであることができる。酸、鉄(II)、および発色試薬(例えば、キシレノールオレンジ)は、あらかじめ混合しておくことができる。
【0059】
本発明のキットは、上記試薬類に加えて、境界濃度より高い場合および低い場合の発色の色見本を含むことができる。発色の色見本の色は、鉄(II)および発色試薬の種類に応じて適宜選択できる。
【0060】
本発明のキットは、上記試薬類に加えて、キットの説明書を含むこともできる。
【0061】
本発明のキットに用いるアデノシンモノリン酸は、アピラーゼ処理したアデノシンモノリン酸試薬であることが、より低濃度のATPを測定できるという観点から好ましい。
【0062】
本発明のキットは、検体および試薬を混合し、発色を見るための容器を含むことができ、そのような容器としては、マルチタイタープレートを挙げることができ、例えば、96穴のマルチタイタープレートであることができる。但し、マルチタイタープレートは、発色を肉眼で観察しやすいという観点から、色は白色であることが好ましい。
【実施例】
【0063】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
【0064】
参考例1
工程3の反応条件について、おおよその目安をつける目的で、工程3のみで検討を行った。まず、工程3すなわち過酸化水素-鉄(II)-XO系での発色特性を調べた。XO濃度および鉄(II)溶液を一定にして、0~4×10-5Mの範囲で過酸化水素濃度を変化させたときの吸収スペクトルを図1左に示す。このときのpHは、生成する鉄(III)イオンが加水分解を受けずに安定して存在でき、かつ錯体が生成できる条件を考慮して、2.0とした。工程3では、酸化されて生成する鉄(III)イオンとXOが錯体を形成するため、原理的には工程3と同様の条件と考えられる鉄(III)-XO系を図1右に示す。XO濃度を一定にして、鉄(III)濃度を変えて測定した。いずれの場合の極大吸収波長も433nmおよび585nmであり、それぞれの吸収極大波長はそれぞれ黄色および紫系統の色の吸収に対応する。585nmにおける吸光度は、鉄(III)-XO錯体系では6×10-5M以上のとき最大一定値0.75をとるのに対して、過酸化水素-鉄(II)-XO系では過酸化水素濃度2×10-5M以上のとき最大一定値0.5となった。過酸化水素-鉄(II)-XO系で吸光度が低くなった原因は、過酸化水素と鉄イオンの反応、すなわちフェントン反応がXOや錯体に対して影響しているものと推察される。したがって、本発明を実施するときは、この影響が強く出ない範囲(過酸化水素濃度)で行うのが好ましい。
【0065】
また、過酸化水素-XO-鉄(II)系および鉄(III)-XOの色調については、紫色側で両者の色調で異なった。結果を図2および3に示す。図2に示す鉄(III)-XO系では青紫色であったが、図3に示す過酸化水素-XO-鉄(II)系では紫色であった。しかし、この色調の差異は、色の違いで判別することに関しては問題とはならなかった。
【0066】
参考例2
過酸化水素による鉄(II)イオンの酸化反応の量論関係を検討した。そのために、XO濃度および鉄(II)濃度を一定とし過酸化水素濃度を0~6×10-5Mに変化させて、585nmの吸光度を測定した。また、比較のため、鉄(III)-XO系において、XO濃度を一定として、鉄(III)標準液を0~7×10-5Mの範囲で変化させて585nmの吸光度を測定した。これらの結果を図4に示す。鉄(III)-XO系では、[Fe(III)]/[XO]=1.6付近で屈曲し、過酸化水素-鉄(II)-XO系では、[H]/[XO]=0.8付近で屈曲した。屈曲点が整数でないのは、用いた発色試薬の純度が低いためである。したがって、純度が高ければ、それぞれ2及び1で屈曲するはずである。屈曲点以降では、いずれもすべて紫または青紫色となった。このことは、いずれの系においても屈曲点で、すべてのXOが複核錯体FeIII(xo)錯体を生成したことを示している。さらに、過酸化水素が鉄(II)を鉄(III)に酸化するため、過酸化水素と鉄(II)の反応比は1:2であるといえる。この結果は、(4)の反応式を支持している。過酸化水素-XO-鉄(II)系で最大一定となる吸光度が、鉄(III)-XO系でのそれよりも低くなったのは、上述したようにフェントン反応がXOや錯体に対して影響しているためと推察される。
【0067】
図4にあらわれる屈曲点は、その点で紫色への色変化が初めて生じたため、色変化の境界条件となる。この屈曲点を与える過酸化水素濃度は、[Fe(II)]/[XO]=2を保ちながらXO濃度を変えると、それに応じて変化する。そこで、[Fe(II)]/[XO]=2となるような様々なXOおよびFe(II)濃度で、屈曲点を与える過酸化水素濃度(境界過酸化水素濃度)を決定した。また、このとき調製した溶液を目視観察し、初めて紫色と認めたときの過酸化水素濃度を、目視観察による境界濃度とした。各XO濃度に対する境界過酸化水素濃度の関係を図5および6に示す。あるXO濃度において、グラフの線より下側の過酸化水素濃度では黄色、上側では紫色である。
【0068】
目視観察および吸光度測定のいずれにおいても、XO濃度が1×10-4Mまでは、XOと過酸化水素の濃度の間には傾き1の相関があった。1×10-4MよりXO濃度が高くなると、不規則に変化した。不規則な変化は、目視観察および吸光度測定ともにほぼ同じ形状であるため、測定方法に依存するものではないといえる。以上から、判定に適しているのは、XOと過酸化水素濃度に相関のある0~1×10-4Mまでである。ただし、色の変化が明瞭で、鮮やかな発色が得られるのは、XO濃度が2×10-6M以上のときであった。
【0069】
さらに、XO濃度と発色の鮮やかさまたは色の濃さの関係を溶液の吸光度をもとに検討した。結果を図7に示す。ここでの吸光度は、各XO濃度での屈曲点の吸光度(測定波長585nm)である。吸光度が高いほど、発色が鮮やかであるため、この吸光度から発色の鮮やかさが評価できる。XO濃度が0~1.75×10-4Mでは、濃度が高くなるほど吸光度が高くなり、XO濃度が1.75×10-4M以上では、吸光度が減少した。吸光度が減少したのは、過酸化水素によりXOおよびFe(III)-XO錯体が分解されたためである。しかし、吸光度が高い場合でも、色が濃くなりすぎるため、色の判別がしにくくなった。したがって、XO濃度は、6×10-5Mまでが好ましい。以上から、XO濃度は、2×10-6~6×10-5Mが好ましい。
【0070】
工程3の反応に必要な時間を調べた。[Fe2+]=4×10-5M、[XO]=2×10-5Mとして、4種類の過酸化水素濃度で測定した反応曲線を図8に示す。鉄(III)とXOとの反応は迅速であるため、この経時変化は、おもに過酸化水素による鉄(II)の酸化反応を反映していると考えることができる。過酸化水素濃度が高い(2×10-5M以上)と、最高吸光度に達する時間は短くなった。2×10-6Mでは、およそ1200秒で吸光度が一定となった。ただし、900秒でも発色は十分と判断できたことから、工程3を単独で行う場合の時間は15分以上とした。
【0071】
上述の検討をもとに、工程1から3までを組み合わせた反応系で工程3の条件をあらためて検討した。操作は下記のスキームのように行った。
【化2】
JP0004940432B2_000003t.gif

【0072】
参考例3
工程1および工程2で用いるpH緩衝剤について検討した。リン酸およびクエン酸は、工程3において、鉄と結合し発色反応を阻害するため良好な発色が得られなかった。鉄と結合しないN-(2-アセトアミド)-2-アミノエタンスルホン酸(ACES)を用いたときは良好に結果を得ることができた。以上から、工程1および2で用いるpH緩衝剤は、工程3で鉄(II)-XO系を用いる場合は、鉄イオンと結合しない緩衝剤が望ましい。その例として、限定されるものではないが、グッド緩衝剤(ピペラジン-1、4-ビス(2-エタンスルホン酸)(PIPES)、2-ヒドロキシ-3-モルフォリノプロパンスルホン酸(MOPSO)など)があげられる。また、試料中に上記のリン酸やクエン酸が含まれる場合は、アルミニウムイオンなどを添加することでそれらを封鎖することが必要である。
なお、工程1における反応pHは7.5~8.0が好ましく、工程2における反応pHは、ピルビン酸オキシダーゼが十分な活性を示す5.5~6.2が好ましい。
【0073】
参考例4
工程3において、[XO]=2×10-5Mとして、工程1~3の一連の反応を行ったとき、上述の鉄(II)濃度では、良好な発色が得られなかった。増幅反応によりもたらされるATP、AMP、および酵素が、鉄(II)イオンまたは鉄(III)イオンと結合することで発色に必要な鉄イオンが不足して、発色を妨害したり、過酸化水素による鉄(II)の酸化反応を妨害したりすることが予想される。そこで、鉄(II)濃度の最適化を行うために、工程1~3までのすべて反応構成物が存在する条件で、鉄(II)濃度を1×10-4~4×10-3Mの範囲で、585nmの吸光度を測定した。その結果を、図9に示す。図9に示されるように、吸光度は2×10-3Mで最大となった。鉄(II)濃度は、1×10-3~4×10-4Mの範囲であればよいが、実施例では、2×10-3Mを適用した。なお、この鉄(II)濃度は、キシレノールオレンジの50~200倍である。
【0074】
参考例5
次に、上記の定めた鉄(II)濃度で発色反応時間の検討をした。そのために、工程1でホスホエノールピルビン酸(PEP)が100%ピルビン酸に変換されたと仮定し、工程1の反応液として、PEPの代わりにそれと同濃度のピルビン酸を加えた溶液を調製した。これを用いて、工程2及び3を行い、585nmの吸光度を測定した。このとき、工程2の反応時間を5分とした。結果を図10に示す。図10に示すように、吸光度は約300秒以上で最大一定となった。工程3のみの実験ではこの反応時間は20分であったが、鉄イオン濃度を高くしたために反応速度が大きくなり、反応時間が短くなった。以上から、工程1~3の一連の操作を行うときの工程3の反応時間は5分とした。
【0075】
参考例6
次に、工程2におけるピルビン酸オキシダーゼによる反応時間を検討した。実験は、吸光度測定に十分なほどにATPが増幅されたとみなせる50分間増幅させたのち、さまざまな時間で工程2の反応を行った。ATP初期濃度は5×10-5Mとした。吸光度は、反応時間が5分でほぼ最大値に到達したため、工程2における反応時間は5分とした。結果を図11に示す。
【0076】
参考例7
AMPのアピラーゼ処理
市販のAMPには微量のATPまたはADPが含まれることが知られている。このAMPをそのまま用いた場合、ATP濃度を0Mと5×10-8M、5×10-7Mでとして実験すると、図12(A)のように[ATP]=0Mと5×10-8Mで曲線が重なる。より低濃度のATPを測定することは不可能である。そこで、この微量のATPまたはADPを分解するために、AMPをアピラーゼで処理した。AMPのアピラーゼ処理を行うと、図12(B)のように[ATP]=0Mと[ATP]=5×10-8Mとで反応速度に違いをみることができた。
【0077】
参考例8
AMP濃度
AMP濃度の最適化を行った。AMP濃度を変えると、反応速度を変化させ、増幅曲線の形状を制御することができる。このとき、特定の濃度以上のATPを判別するには、増幅曲線が以下の条件を備える必要がある。
(1)ベースラインと最大吸光度の差(ΔA)が大きいこと。吸光度差が大きいほど、発色が鮮明で、測定誤差を小さくすることができる。発色の変化の大きさを評価でき、吸光度差が大きいほど判定しやすいことになる。
(2)二つのATP濃度において、それぞれの吸光度が吸光度差の1/2に到達するまでの時間差(Δt)が大きいこと。2本の増幅曲線が離れているほど、精度よく判別することができる。
(3)ブランク試料([ATP]=0M)の吸光度が吸光度差の1/2に到達するまでの時間(t1/2)が長すぎないこと。
以上のパラメーターを図13のように定義して、様々なAMP濃度で測定した増幅曲線をもとにグラフを作成した。
【0078】
図14に吸光度差ΔAとAMP濃度の関係を示す。ブランクと[ATP]=5×10-4Mで比較した。吸光度差は、5×10-5Mで一番大きくなり、その後ほぼ一定となった。
【0079】
図15に、時間差ΔtとAMP濃度の関係を示す。ブランクとATPを含む曲線が離れているほど、精度よく測定できる。AMP濃度が低いほうが時間差は大きくなった。
【0080】
図16に反応時間とAMP濃度の関係を示す。AMP濃度が1×10-4M以降では、ほぼ一定で、AMP濃度が高いほうが反応時間は短くなった。
【0081】
以上から、AMPの最適濃度は1×10-4M付近が好ましいと判断した。そこで、この濃度付近でさらにAMP濃度について検討した結果、ブランクとの開き、再現性から実施例では5×10-5M AMPを採用した。
【0082】
参考例9
PEP濃度
AMP濃度の最適化と同様の手法で、PEP濃度の最適化を行った。そのために、AMP濃度を5×10-5M一定とし、PEP濃度を1×10-4M~1×10-3Mの範囲で変化させて反応曲線を測定した。結果を図17に示す。PEP濃度が1×10-4Mのとき、120分間増幅しても、増幅反応特有の立ち上がりは観察されなかったが、2.5×10-4M以上では反応曲線が観察された。得られた反応曲線については、どれも吸光度差(ΔA)はほぼ一定であった。また、二つのATP濃度の時間差(Δt)については、図17に示すように、5×10-4Mで最大値をとった。以上から、PEPの最適濃度を5×10-4Mとした。
【0083】
実施例1
以上の結果に基づいて、ATPの初期濃度を変えて増幅曲線を測定した。
ATP濃度0、または2.0×10-10M、5.0×10-10M、5.0×10-9Mの溶液500μlに2.0×10-2Mアデノシンモノリン酸500μl、0.01Mホスホエノールピルビン酸500μl、37.2U/mlアデニル酸キナーゼ500μl、0.2M pH緩衝剤7.5ml、37.3U/mlピルビン酸キナーゼ500μlを加えて、25℃で45分間反応させてATPを増幅した。この混合液の1mlを分取し、これに2M塩酸58μl、6.4U/mlピルビン酸オキシダーゼ942μlを加えて、5分間反応させた。そののち、0.035M塩酸、4×10-3M鉄(II)イオン、4×10-5Mキシレノールオレンジを含む混合溶液2mlを加えて5分間反応させた。その結果、ATP濃度0Mの試料では黄色、2.0×10-10Mでは赤、5×10-10M以上では紫色を呈した。
【0084】
すなわち、この反応条件を用いたとき、5×10-10MのATP濃度を境界値として、色の違いで微量のATP濃度を判定することが可能であった。所定の時間ごとに585nmの吸光度を測定して得られた反応曲線を図18に示す。ATPの初期濃度に応じて明瞭に曲線が離れていることがわかる。
【0085】
図19に、ATPを増幅したときの反応時間ごとの発色を示す。ATPの増幅反応時間が45分のとき、[ATP]=0Mでは黄色、[ATP]=5×10-10M以上では紫色を呈した。このことは、初期ATP濃度5×10-10Mを境界濃度として目視判定ができることを示している。
【0086】
測定値の再現性を検討した。ATPが0Mと5×10-9Mでは、変動係数はそれぞれ15%、13%となり、多くの反応を組み合わせていることを考慮すると、妥当な再現性であると考える。
【0087】
【表1】
JP0004940432B2_000004t.gif

【0088】
実施例2
ミネラルウォーター(フランス産)に既知濃度の大腸菌(KT1008株)を添加した試料を用いてATP分析を行った。試料を以下のように3種類調製した。
1.0.2M Hepes緩衝剤を含むミネラルウォーター
2.工程1の反応混合物中で菌濃度が5×10個/mlとなるように大腸菌を1に添加したもの
3.工程1の反応混合物中で菌濃度が1×10個/mlとなるように大腸菌を1に添加したもの
【0089】
試料調製に際しては,まず大腸菌を対数増殖期まで培養したあと、培養液を除きpH緩衝液に懸濁した。懸濁液中の大腸菌濃度は約1×10個/mlである。この懸濁液を全量2mlとなるようにミネラルウォーターに添加したものを試料とした。試料に含まれる大腸菌の細胞破砕のために,ソニケーターで試料を超音波処理した。これをATP溶液の代わりに用いて実施例1と同条件で反応を行った。その結果を図22に示す。試料1では黄色、試料2ではうす紫、試料3では紫色を呈した。
【0090】
超音波処理によりほぼ完全に細胞が破砕されたと仮定して、工程1における試料1および、2、3のATP濃度を大腸菌濃度から見積もると、それぞれ0、および、5×10-10 M、1×10-9 Mである。各試料の呈色はATP標準を用いた実施例1と同様であるから、この結果は大腸菌から抽出したATPにおいても本発明により判定できることを示している。
【0091】
実施例3
既知濃度の大腸菌を添加した牛乳を試料として、実施例2と同様の実験を行った。試料を以下のように3種類調製した。
1.牛乳のみ
2.工程1の反応混合物中で菌濃度が5×10個/mlとなるように大腸菌を牛乳に添加したもの
3.工程1反応混合物中で菌濃度が1×10個/mlとなるように大腸菌を牛乳に添加したもの
【0092】
試料調製に際しては、実施例2と同様にまず大腸菌懸濁液(約1×10個/ml)を調製した。この懸濁液と牛乳を混合し全量1mlとしたものを試料とした。これに25%トリクロロ酢酸溶液0.5mlを添加して、大腸菌の細胞破砕および牛乳の除タンパクを行った。5分間静置したのち、遠心分離(10000×g、5分)を行った。上清0.2mlに水酸化ナトリウム溶液とpH緩衝液を加えてpH7付近に調整したのち、全量を2mlとした。この溶液のATP分析を行った。ただし、本例においては、工程1で実施例1の約2倍の反応時間が必要であった。これはトリクロロ酢酸による酵素阻害のためと推測される。
【0093】
実験結果は図23に示す。試料1、2、3でそれぞれ黄色、紫、紫色を呈した。ほぼ完全に細胞が破砕されたと仮定して、試料1および、2、3を用いたときのATP濃度を見積もると、それぞれ0、および、5×10-10 M、1×10-9 Mである。したがって、本例においてもATP濃度に応じた呈色が得られたと判断できる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明の方法は、細菌を含む様々な食品関連試料の検査に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】過酸化水素-鉄(II)-XO系(左)および鉄(III)-XO系(右)の吸収スペクトル。過酸化水素-鉄(II)-XO系:[XO]=2×10-5;[Fe2+]=4×10-5;H濃度(585nmにおいて下から順に):0、1×10-6M、2×10-6M、6×10-6M、8×10-6M、1×10-5M、2×10-5M、2.5×10-5M、3×10-5M、4×10-5M、6×10-5M、pH2.0.鉄(III)-XO系:[XO]=2×10-5M;Fe(III)濃度0、4×10-6M、6×10-6M、1×10-5M、1.5×10-5M、2×10-5M、2.5×10-5M、3×10-5M、4×10-5M、pH2.0.
【図2】鉄(III)-XO系の色変化。鉄(III)濃度(左から):0、4×10-6M、6×10-6M、1×10-5M、1.5×10-5M、2×10-5M、2.5×10-5M、3×10M-5M、4×10-5M。
【図3】過酸化水素-XO-鉄(II)系の色変化。過酸化水素濃度(左から):0M、4.0×10-6M、6.0×10-6M、1.0×10-5M、1.5×10-5M、2.0×10-5M、2.5×10-5M、3.0×10-5M、4.0×10-5M、6.0×10-5M。
【図4】各反応系の化学量論。[XO]=2×10-5M;[Fe2+]=4×10-5M;pH2.0.(●)過酸化水素-XO-鉄(II)系、(○)鉄(III)-XO系.
【図5】目視観察により決定したXOと境界過酸化水素の濃度関係。
【図6】吸光度により決定したXOと境界過酸化水素の濃度関係。
【図7】XO濃度と吸光度の関係。pH2.0.[Fe2+]=2×[XO]
【図8】各種過酸化水素濃度における吸光度の時間変化。[Fe2+]=4×10-5M;[XO]=2×10-5M;pH2.0.
【図9】反応構成物の存在下での鉄(II)濃度と吸光度の関係。酵素反応:[Pyruvate]=5×10-4M;PVOD、3U/ml;pH5.8;5min;25℃.発色反応:[XO]=2×10-5M;pH2.0、25℃;15min.[ATP]=5×10-4M;[AMP]=10μM;AK、1.9U/ml;[ACES]=0.15M;PK、1.9U/ml;pH7.8.
【図10】発色反応における吸光度の時間変化。工程1:[AMP]=1×10-4M、[Pyruvate]=5×10-5M、AK1.9U/ml、PK1.9U/ml、[ACES]=0.15M、[ATP]=5×10-5M、pH7.8.工程2:[PVOD]=6.0Uml-1、5min、25℃、pH5.8。工程3:[XO]=2×10-5M、[Fe2+]=2×10-3M、25℃、pH2.0、0-1200s
【図11】ピルビン酸オキシダーゼによる酵素反応。工程1:[AMP]=1×10-4M;[Pyruvate]、5.0×10-5M;AK、1.9U/ml;PK、1.9U/ml;[ACES]=0.15M;[ATP]=5.0×10-5M;pH7.8;50min。工程2:PVOD、6.0U/ml;0min、2min、5min、10min、15min、20min、25min、30min;25℃;pH5.8.工程3:[XO]=2×10-5M;[Fe2+]=2×10-3M;25℃;pH2.0;5min.
【図12】AMPをアピラーゼで処理しないときとしたときのATPの増幅曲線。右AMPをアピラーゼで処理しないとき工程1:[AMP]=1×10-3M;[PEP]=5×10-4M;AK、1.9U/ml;PK、1.9U/ml;[ACES]=0.15M;pH7.8.[ATP]:○、0M;△、5×10-8M;□、5×10-7M.工程2:PVOD、6.0U/ml、5min、25℃、pH5.8.工程3:[XO]=2×10-5M;[Fe2+]=2×10-3M;5min;25℃;pH2.0.右AMPをアピラーゼで処理したとき工程1:[AMP]=5×10-5M、[PEP]=5×10-4M、AK、1.9U/ml、PK1.9U/ml、[ACES]=0.15M、[ATP]=0M、0-75min、pH7.8.[ATP]:○、0M;△、5×10-8M;□、5×10-7M.工程2:[PVOD]=6.0U/ml、5min、25℃、pH5.8.工程3:[XO]=2×10-5M、[Fe2+]=2×10-3M、5min、25℃、pH2.0.
【図13】増幅曲線のモデル。(1)、吸光度差(ΔA);(2)、時間差(Δt);(3)、反応時間t1/2
【図14】吸光度差ΔAとAMP濃度の関係。工程1:[ATP]=5×10-4M;[PEP]=5×10-4M;AK、1.9U/ml;PK1.9U/ml、[ACES]=0.15M;[ATP]=0M、5×10-4M;0-75min;pH7.8.工程2:PVOD、6.0U/ml;5min;25℃;pH5.8.工程3:[XO]=2×10-5M;[Fe2+]=2×10-3M;5min;25℃;pH2.0.
【図15】時間差ΔtとAMP濃度の関係。
【図16】反応時間t1/2とAMP濃度の関係。
【図17】時間差ΔtとPEP濃度の関係。工程1:[AMP]=5×10-5M;AK、1.9U/ml;PK1.9U/ml、[ACES]=0.15M;[ATP]=0M、5×10-4M;0-75min;pH7.8.工程2:PVOD、6.0U/ml;5min;25℃;pH5.8.工程3:[XO]=2×10-5M;[Fe2+]=2×10-3M;5min;25℃;pH2.0.
【図18】実施例1で得られたATPの増幅曲線。工程1:[AMP]=5×10-5M;[PEP]=5×10-4M;AK、1.9U/ml;PK1.9U/ml、[ACES]=0.15M;[ATP]=0M;0min、5min、15min、30min、45min、60min、75min;pH7.8.工程2:PVOD、6.0U/ml;5min;25℃;pH5.5.工程3:[XO]=2×10-5M;[Fe2+]=2×10-3M;5min;25℃;pH2.0.
【図19】各反応時間での0M(上)と5×10-10M(下)の発色。工程1:反応時間(左から右へ):0min、5min、15min、30min、45min、60min、75min;pH7.8.[AMP]=5×10-5M;[PEP]=5×10-4M;AK、1.9U/ml;PK、1.9U/ml、[ACES]=0.15M.工程2:PVOD、6.0U/ml;5min;25℃;pH5.5.工程3:[XO]=2×10-5M;[Fe2+]=2×10-3M;5min;25℃;pH2.0.
【図20】異なるATP濃度における反応時間と吸光度との関係を示す。
【図21】ATP濃度と過酸化水素濃度の関係を示す。
【図22】大腸菌を添加したミネラルウォーター中のATP分析結果。大腸菌濃度(上から順に):試料1,0個/ml;試料2,5×10個/ml;試料3,1×10個/ml
【図23】大腸菌を添加した牛乳中のATP分析結果。大腸菌濃度(上から順に):試料1,0個/ml;試料2,5×10個/ml;試料3,1×10個/ml
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図16】
15
【図17】
16
【図18】
17
【図19】
18
【図20】
19
【図21】
20
【図22】
21
【図23】
22