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明細書 :ガス開閉器

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5051911号 (P5051911)
公開番号 特開2009-266662 (P2009-266662A)
登録日 平成24年8月3日(2012.8.3)
発行日 平成24年10月17日(2012.10.17)
公開日 平成21年11月12日(2009.11.12)
発明の名称または考案の名称 ガス開閉器
国際特許分類 H01H  33/915       (2006.01)
H01H  33/57        (2006.01)
FI H01H 33/915
H01H 33/57 C
請求項の数または発明の数 5
全頁数 10
出願番号 特願2008-115579 (P2008-115579)
出願日 平成20年4月25日(2008.4.25)
審査請求日 平成23年4月18日(2011.4.18)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】800000068
【氏名又は名称】学校法人東京電機大学
発明者または考案者 【氏名】柳父 悟
【氏名】糟谷 寛明
個別代理人の代理人 【識別番号】100083806、【弁理士】、【氏名又は名称】三好 秀和
【識別番号】100100712、【弁理士】、【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
【識別番号】100100929、【弁理士】、【氏名又は名称】川又 澄雄
【識別番号】100095500、【弁理士】、【氏名又は名称】伊藤 正和
【識別番号】100101247、【弁理士】、【氏名又は名称】高橋 俊一
【識別番号】100098327、【弁理士】、【氏名又は名称】高松 俊雄
審査官 【審査官】関 信之
参考文献・文献 特開2007-189798(JP,A)
特開2007-258137(JP,A)
特開2007-294358(JP,A)
特開平3-241626(JP,A)
調査した分野 H01H 33/915
H01H 33/57
特許請求の範囲 【請求項1】
トリフルオロヨードメタンを含有する消弧性ガスが充填された密閉容器内に配置された第1の固定接触子と、
前記第1の固定接触子に対向して前記密閉容器内に配置された筒状の第2の固定接触子と、
前記第2の固定接触子の外周面を軸方向に往復摺動可能に、かつ前記第1の固定接触子と接離可能に設けられた可動接触子と、
前記可動接触子と一体的に往復移動可能な可動ピストンが挿入され、前記第2の固定接触子の中空部を介して、前記第1の固定接触子と前記可動接触子とが開離した電流遮断時における前記第1の固定接触子と前記可動接触子との間のアーク発生空間と連通する吸い込みシリンダと、
前記第2の固定接触子の前記吸い込みシリンダ側端に設置され、前記吸い込みシリンダから前記アーク発生空間に向かうガスの流れを止め、前記アーク発生空間から前記吸い込みシリンダに向かうガスの流れを通す逆止弁と、
前記吸い込みシリンダの周壁および底壁の周囲に配置され、電流遮断動作時に発生するアークによって前記消弧性ガスが分解されて生成される分解物質を吸着する吸着剤とを備え、
前記吸い込みシリンダの周壁および底壁は、ガスを通過させる多孔質の材料からなり、
電流遮断動作時において、前記可動接触子と一体的に移動する前記可動ピストンと前記吸い込みシリンダとの相対移動により、前記アーク発生空間から前記第2の固定接触子の中空部を介して前記可動ピストンと前記吸い込みシリンダとで囲まれる第1のガス室へ至るガス流を発生させることで、前記アーク発生空間に発生する前記アークを消弧するとともに、前記アーク発生空間で生成した前記分解物質を前記第1のガス室内に吸引し、電流遮断状態から通電状態に移行する閉極動作時には、前記可動ピストンと前記吸い込みシリンダとの相対移動により圧縮された前記第1のガス室内の前記分解物質を含むガスを、前記吸い込みシリンダの周壁を通過させて前記吸着剤に接触させた後に前記密閉容器内に放出することを特徴とするガス開閉器。
【請求項2】
前記密閉容器内に固定された固定ピストンが挿入され、前記可動接触子および前記可動ピストンと一体的に前記第2の固定接触子の軸方向に往復移動可能な吹きつけシリンダをさらに備え、
前記吹きつけシリンダは、電流遮断動作時に前記吹きつけシリンダと前記固定ピストンとの相対移動により圧縮される前記固定ピストンと前記吹きつけシリンダとで囲まれる第2のガス室内の前記消弧性ガスを、前記アーク発生空間に発生したアークに向けて吹きつける吹き出し口を有することを特徴とする請求項1に記載のガス開閉器。
【請求項3】
前記消弧性ガスは、トリフルオロヨードメタンと二酸化炭素との混合ガス、またはトリフルオロヨードメタンと窒素との混合ガスであることを特徴とする請求項1または2に記載のガス開閉器。
【請求項4】
前記吸着剤は、多孔性無機化合物、イオン交換樹脂、活性炭、グラファイトから選ばれるいずれか1種、またはいずれか2種以上の組み合わせであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のガス開閉器。
【請求項5】
前記多孔性無機化合物は、ゼオライト、アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、チタニア、マグネシア、ジルコニアから選ばれるいずれか1種、またはいずれか2種以上の組み合わせであることを特徴とする請求項4に記載のガス開閉器。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、電流遮断機能を有するガス開閉器に関する。
【背景技術】
【0002】
電力系統において電流開閉を行うガス開閉器には、その使用目的や必要とされる機能に応じて、遮断器、断路器など様々なものが存在する。ここでは、72kV以上の高電圧送電系統の保護用開閉器として広く使用されているパッファ形ガス遮断器を例に従来の技術を説明する。
【0003】
図4は、従来のパッファ形ガス遮断器の内部構造を示す断面図である。図4において、中心線より左側が閉極状態、すなわち通常時の電流通電状態を示し、右側が開極状態、すなわち電流遮断時の状態を示している。
【0004】
図4に示すパッファ形ガス遮断器は、固定接触子1と、この固定接触子1の軸心位置に設けられた固定アーク接触子2と、ピストン3と、このピストン3に嵌合されてピストン3とともにパッファ室4を構成するパッファシリンダ5と、固定接触子1と同軸に、かつ固定接触子1に対して接離可能に配設された可動接触子6と、この可動接触子6の内側に固定アーク接触子2に相対するように可動接触子6と同軸に設けられた可動アーク接触子7と、パッファシリンダ5の先端部から固定接触子1側に延設された絶縁ノズル8と、可動アーク接触子7の先端側外周部から固定アーク接触子2側に延設された内ノズル9とを備える。
【0005】
固定接触子1と固定アーク接触子2とは、消弧性ガスが充填された図示しない密閉容器内に同軸に配設されている。パッファシリンダ5、可動接触子6および可動アーク接触子7は、密閉容器内に固定されたピストン3に嵌め込まれ、固定接触子1および固定アーク接触子2に相対し、かつ固定接触子1および固定アーク接触子2に対して接離可能に配設されている。
【0006】
このように構成されたパッファ形ガス遮断器の閉極状態においては、図4の中心線の左側に示したように、固定接触子1と可動接触子6とが接触し、固定アーク接触子2と可動アーク接触子7とが接触している。これにより、電流は、固定接触子1と可動接触子6との間、および固定アーク接触子2と可動アーク接触子7との間を流れるように通電される。
【0007】
電流を遮断する必要が生じた際には、パッファシリンダ5、可動接触子6、可動アーク接触子7、絶縁ノズル8、および内ノズル9が、図示しない駆動装置により図示下方向に一体的に移動する。これに伴い、パッファ室4の容積が漸次縮小され、パッファ室4内の消弧性ガスがピストン3により圧縮される。
【0008】
この電流遮断動作において、固定接触子1と可動接触子6とがまず開極し、これにわずかに遅れて固定アーク接触子2と可動アーク接触子7とが開極する。そこで、極間に流れていた電流は固定アーク接触子2と可動アーク接触子7との間で点弧し、アークを発生する。
【0009】
そして、パッファ室4で圧縮された消弧性ガスが、絶縁ノズル8と内ノズル9とにより形成されるガス流路10を通って吹き出し口11からアークに吹きつけられ、アークが冷却されて、電流が遮断される。このようにして、図4の中心線の右側に示した開極状態となる。
【0010】
上記のような、消弧性ガスをアークに吹きつけて消弧するガス開閉器においては、消弧性ガスとして、アークを消滅させる性能(消弧性能)に優れ、また、無毒無害、不活性といった工業的に優れた特性を有する六フッ化硫黄(SF)ガスが用いられることが多い。
【0011】
しかし、SFガスは、 大きな地球温暖化作用を有することが知られている。地球温暖化作用の大きさは一般に地球温暖化係数、すなわち二酸化炭素(CO)ガスを1とした場合の相対値により表され、SFガスの地球温暖化係数は23900に及ぶことが知られている。
【0012】
このため、環境保全の観点からSFガスの代替ガスの探索が行われており、その候補として、地球温暖化係数が5以下と小さく、低環境負荷であるトリフルオロヨードメタン(CFI)ガスや、CFIを含有する混合ガスが知られている(例えば、特許文献1参照)。

【特許文献1】特開2000-164040号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、CFIガスやCFIを含有する混合ガスをガス開閉器の消弧性ガスとして用いると、電流遮断動作時に発生するアークによってCFIの一部が分解して、ヨウ素(I)等の分解物質が発生し、この分解物質がガス開閉器の内部に付着または充満することによって、ガス開閉器の遮断性能や絶縁耐力の低下を招くことがあった。
【0014】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、CFIガスやCFIを含有する混合ガスを消弧性ガスとして用いた場合でも、遮断性能や絶縁耐力の低下を抑制することができるガス開閉器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係るガス開閉器は、トリフルオロヨードメタンを含有する消弧性ガスが充填された密閉容器内に配置された第1の固定接触子と、前記第1の固定接触子に対向して前記密閉容器内に配置された筒状の第2の固定接触子と、前記第2の固定接触子の外周面を軸方向に往復摺動可能に、かつ前記第1の固定接触子と接離可能に設けられた可動接触子と、前記可動接触子と一体的に往復移動可能な可動ピストンが挿入され、前記第2の固定接触子の中空部を介して、前記第1の固定接触子と前記可動接触子とが開離した電流遮断時における前記第1の固定接触子と前記可動接触子との間のアーク発生空間と連通する吸い込みシリンダと、前記第2の固定接触子の前記吸い込みシリンダ側端に設置され、前記吸い込みシリンダから前記アーク発生空間に向かうガスの流れを止め、前記アーク発生空間から前記吸い込みシリンダに向かうガスの流れを通す逆止弁と、前記吸い込みシリンダの周壁および底壁の周囲に配置され、電流遮断動作時に発生するアークによって前記消弧性ガスが分解されて生成される分解物質を吸着する吸着剤とを備え、前記吸い込みシリンダの周壁および底壁は、ガスを通過させる多孔質の材料からなり、電流遮断動作時において、前記可動接触子と一体的に移動する前記可動ピストンと前記吸い込みシリンダとの相対移動により、前記アーク発生空間から前記第2の固定接触子の中空部を介して前記可動ピストンと前記吸い込みシリンダとで囲まれる第1のガス室へ至るガス流を発生させることで、前記アーク発生空間に発生する前記アークを消弧するとともに、前記アーク発生空間で生成した前記分解物質を前記第1のガス室内に吸引し、電流遮断状態から通電状態に移行する閉極動作時には、前記可動ピストンと前記吸い込みシリンダとの相対移動により圧縮された前記第1のガス室内の前記分解物質を含むガスを、前記吸い込みシリンダの周壁を通過させて前記吸着剤に接触させた後に前記密閉容器内に放出することを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項2に係るガス開閉器は、請求項1に記載のガス開閉器において、前記密閉容器内に固定された固定ピストンが挿入され、前記可動接触子および前記可動ピストンと一体的に前記第2の固定接触子の軸方向に往復移動可能な吹きつけシリンダをさらに備え、前記吹きつけシリンダは、電流遮断動作時に前記吹きつけシリンダと前記固定ピストンとの相対移動により圧縮される前記固定ピストンと前記吹きつけシリンダとで囲まれる第2のガス室内の前記消弧性ガスを、前記アーク発生空間に発生したアークに向けて吹きつける吹き出し口を有することを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項3に係るガス開閉器は、請求項1または2に記載のガス開閉器において、前記消弧性ガスは、トリフルオロヨードメタンと二酸化炭素との混合ガス、またはトリフルオロヨードメタンと窒素との混合ガスであることを特徴とする。
【0018】
本発明の請求項4に係るガス開閉器は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のガス開閉器において、前記吸着剤は、多孔性無機化合物、イオン交換樹脂、活性炭、グラファイトから選ばれるいずれか1種、またはいずれか2種以上の組み合わせであることを特徴とする。
【0019】
本発明の請求項5に係るガス開閉器は、請求項4に記載のガス開閉器において、前記多孔性無機化合物は、ゼオライト、アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、チタニア、マグネシア、ジルコニアから選ばれるいずれか1種、またはいずれか2種以上の組み合わせであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明のガス開閉器によれば、CFIガスやCFIを含有する混合ガスを消弧性ガスとして用いた場合でも、遮断性能や絶縁耐力の低下を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。以下の図面の記載において、同一または同等の部分には同一または同等の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0022】
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0023】
図1は、本発明の実施の形態に係るガス開閉器の内部構造の閉極時(通電時)の状態を示す断面図、図2は、図1に示す内部構造の開極動作時(電流遮断動作時)の状態を示す断面図、図3は、図1に示す内部構造の閉極動作時の状態を示す断面図である。
【0024】
図1~図3に示す内部構造は、CFIを含有する消弧性ガス20が充填された図示しない密閉容器内に収納されている。この内部構造において、密閉容器内に固定された導体板21に立設された円柱状の固定接触子22と、密閉容器内に固定された導体板23に接続された円筒状の固定接触子24とが、同軸に対向して配置されている。固定接触子24の固定接触子22に対向する側とは反対側の端部は、導体板23の中央部を貫通して導体板23に固定されている。また、導体板21,23は複数の絶縁柱25により互いに接続されている。
【0025】
固定接触子24には、その外周面を電気的に接触しながら軸方向に往復摺動可能、かつ固定接触子22と接離可能な可動接触子26が外挿されている。可動接触子26の周囲には、可動接触子26と一体的に固定接触子24の軸方向に往復移動可能な吹きつけシリンダ27が設けられている。
【0026】
吹きつけシリンダ27には、固定ピストンロッド28により導体板23の一方面側に固定されたドーナツ状の固定ピストン29が挿入され、この固定ピストン29と吹きつけシリンダ27とで囲まれるガス室30が形成されている。
【0027】
導体板23の他方面側には、導体板23を蓋とする吸い込みシリンダ31が設けられ、固定接触子24の導体板23側の端部が吸い込みシリンダ31内に開口しており、固定接触子24内部の中空部24aを介して、電流遮断時においてアークが発生する固定接触子22と可動接触子26との間のアーク発生空間32と、吸い込みシリンダ31とが連通するようになっている。
【0028】
吸い込みシリンダ31には、導体板23を軸方向に移動可能に貫通する駆動ロッド33により吹きつけシリンダ27と連結された可動ピストン34が挿入されており、可動ピストン34と吸い込みシリンダ31とで囲まれるガス室35が形成されている。
【0029】
可動ピストン34には、吸い込みシリンダ31の底壁31aを貫通して図示下方に延びる駆動ロッド36が接続されており、この駆動ロッド36を介して、図示しない駆動装置により、可動接触子26、吹きつけシリンダ27、および可動ピストン34が一体的に図示上下方向に往復移動可能に構成されている。
【0030】
吹きつけシリンダ27には、電流遮断時に吹きつけシリンダ27と固定ピストン29との相対移動により圧縮されるガス室30内の消弧性ガス20を、固定接触子22と可動接触子26との間のアーク発生空間32に向けて吹きつける吹き出し口27aが設けられている。
【0031】
固定接触子24の吸い込みシリンダ31側端の開口部には、逆止弁37が設置されている。逆止弁37は、吸い込みシリンダ31からアーク発生空間32に向かうガスの流れを止め、アーク発生空間32から吸い込みシリンダ31に向かうガスの流れを通す。
【0032】
吸い込みシリンダ31の外側には、一端が導体板23に固定された絶縁筒38と、この絶縁筒38の他端側に取り付けられた絶縁体からなる仕切板39とが設けられている。そして、吸い込みシリンダ31の底壁31a、周壁31b、絶縁筒38および仕切板39で囲まれる空間には、電流遮断動作時に発生するアークによって消弧性ガス20に含まれるCFIが分解されて生成されるI等の分解物質を吸着する吸着剤40が充填されている。
【0033】
吸着剤40は、多孔性無機化合物、イオン交換樹脂、活性炭、グラファイトから選ばれるいずれか1種、またはいずれか2種以上の組み合わせとすることができる。また、多孔性無機化合物の具体例としては、ゼオライト、アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、チタニア、マグネシア、ジルコニアから選ばれるいずれか1種、またはいずれか2種以上の組み合わせとすることができる。
【0034】
また、吸着剤40は、粉末状、粒状、顆粒状、粉砕品等の種々の形態で使用することができる。
【0035】
吸い込みシリンダ31の底壁31a、周壁31b、絶縁筒38、および仕切板39は、ガスを通過させ、吸着剤40は通過させない多孔質の絶縁材料からなる。多孔質の絶縁材料としては、例えばガラスエポキシ樹脂が挙げられる。また、絶縁筒38には、複数の小孔38aが設けられている。
【0036】
CFIを含有する消弧性ガス20としては、CFIガス、CFIガスとCOガスとの混合ガス、CFIガスとNガスとの混合ガス等を用いることができる。
【0037】
次に、本実施の形態に係るガス開閉器の動作について説明する。
【0038】
通常通電時、すなわち閉極時は、図1に示すように、可動接触子26が固定接触子22,24に接触している。この状態で、電流は、ガス開閉器の片側の口出し部(図示せず)から導入され、導体板21、固定接触子22、可動接触子26、固定接触子24、導体板23を通って、ガス開閉器の反対側の口出し部(図示せず)から出ていく。
【0039】
電流遮断動作時には、閉極状態から、図2に示すように、可動接触子26、吹きつけシリンダ27、および可動ピストン34が、駆動ロッド36を介して図示しない駆動装置により図示下方向に一体的に移動し、固定接触子22と可動接触子26とが離れる。この時、固定接触子22と可動接触子26との間のアーク発生空間32にアークが発生する。この際、アーク発生空間32では、発生したアークによって消弧性ガス20に含まれるCFIの一部が分解されてI等の分解物質が生成される。
【0040】
同時に、吹きつけシリンダ27と固定ピストン29との相対移動により、ガス室30の容積が漸次縮小されてガス室30内の消弧性ガス20が固定ピストン29により圧縮され、この圧縮された消弧性ガス20が吹き出し口27aからアーク発生空間32のアークに吹きつけられる。
【0041】
一方、吸い込みシリンダ31側では、可動ピストン34と吸い込みシリンダ31との相対移動により、ガス室35の容積が漸次拡大されてガス室35内の圧力が下がり、逆止弁37が開き、アーク発生空間32から固定接触子24の中空部24aを通過してガス室35に至るガス流が生じる。
【0042】
このように、吹き出し口27aから消弧性ガス20をアークに吹きつけ、同時にアーク発生空間32からガス室35へのガス流を発生させることで、アークを消弧して電流を遮断するとともに、アーク発生空間32で生成した分解物質を密閉容器内に飛散させずにガス室35内に吸引する。
【0043】
電流を遮断した後、再び通電状態に移行する閉極動作時には、可動接触子26、吹きつけシリンダ27、および可動ピストン34が、駆動ロッド36を介して図示しない駆動装置により図示上方向に一体的に移動する。
【0044】
この際、図3に示すように、逆止弁37は閉じ、可動ピストン34と吸い込みシリンダ31との相対移動により圧縮されたガス室35内の分解物質を含むガスが、吸い込みシリンダ31の多孔質材料からなる周壁31bを通過し、吸い込みシリンダ31の周囲に配置された吸着剤40に接触して分解物質が除去された後、絶縁筒38、仕切板39、および小孔38aを通過して密閉容器内に放出される。密閉容器内に放出されたガスは、消弧性ガス20として再度利用される。
【0045】
上記説明のように本実施の形態によれば、電流遮断動作時に発生するアークによって消弧性ガス20に含まれるCFIの一部が分解されて生成されるI等の分解物質をガス室35に回収し、閉極動作時にガス室35内の分解物質を含むガスを吸着剤40に接触させて分解物質を除去してから密閉容器内に放出するので、CFIガスやCFIを含有する混合ガスを消弧性ガスとして用いた場合でも、分解物質がガス開閉器の内部に付着または充満することによるガス開閉器の遮断性能や絶縁耐力の低下を抑制することができる。
【0046】
なお、本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【0047】
具体的には、上記実施の形態で説明したガス開閉器の吹きつけシリンダ27および固定ピストン29を省略し、これとは別に、可動接触子26と可動ピストン34とを一体的に移動させる機構を設けるようにしてもよい。
【0048】
この場合、電流遮断時において、アークへの消弧性ガス20の吹きつけはないが、可動ピストン34と吸い込みシリンダ31との相対移動により発生するアーク発生空間32からガス室35へのガス流によりアークを消弧して電流を遮断するとともに、アーク発生空間32で生成した分解物質を密閉容器内に飛散させずにガス室35内に吸引することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施の形態に係るガス開閉器の内部構造の閉極時(通電時)の状態を示す断面図である。
【図2】図1に示す内部構造の開極動作時(電流遮断動作時)の状態を示す断面図である。
【図3】図1に示す内部構造の閉極動作時の状態を示す断面図である。
【図4】従来のパッファ形ガス遮断器の内部構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0050】
20 消弧性ガス
21,23 導体板
22,24 固定接触子
25 絶縁柱
26 可動接触子
27 吹きつけシリンダ
27a 吹き出し口
28 固定ピストンロッド
29 固定ピストン
30,35 ガス室
31 吸い込みシリンダ
32 アーク発生空間
33,36 駆動ロッド
34 可動ピストン
37 逆止弁
38 絶縁筒
39 仕切板
40 吸着剤
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3